JPH11314283A - ガス透過型ハードコンタクトレンズの製造方法 - Google Patents
ガス透過型ハードコンタクトレンズの製造方法Info
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- JPH11314283A JPH11314283A JP10126458A JP12645898A JPH11314283A JP H11314283 A JPH11314283 A JP H11314283A JP 10126458 A JP10126458 A JP 10126458A JP 12645898 A JP12645898 A JP 12645898A JP H11314283 A JPH11314283 A JP H11314283A
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Abstract
トレンズを効率よく製造する方法、および耐久強度が向
上し、かつ光学的な歪みがなく、しかも装用上問題のな
いガス透過型ハードコンタクトレンズを提供する。 【解決手段】 架橋ガス透過型ハードコンタクトレンズ
材料を加熱圧延処理し、次いで機械加工してガス透過型
ハードコンタクトレンズを製造する方法、および圧縮率
が5〜50%で、かつ圧縮曲げ破壊強度が300〜15
00gの範囲になるように加熱圧延処理された架橋ガス
透過型ハードコンタクトレンズ材料からなるガス透過型
ハードコンタクトレンズである。
Description
コンタクトレンズの製造方法およびガス透過型ハードコ
ンタクトレンズに関する。さらに詳しくは、本発明は、
耐久強度に優れるガス透過型ハードコンタクトレンズを
効率よく製造する方法、および耐久強度が向上し、かつ
光学的な歪みがなく、しかも装用上問題のないガス透過
型ハードコンタクトレンズに関するものである。
フト系の2つに分類され、さらにハード系コンタクトレ
ンズにおいては、メチルメタクリレート(MMA)のホ
モポリマーまたはコポリマーからなる非酸素透過型ハー
ドコンタクトレンズと、シロキサニルメタクリレート
(SiMA)、MMA、フルオロアルキルメタクリレー
ト(FMA)を主成分とするコポリマーからなるガス透
過型(rigid gas permeable:RGP)ハードコンタク
トレンズとに分類される。
は、生体適合性がよく、かつ透明性に優れるポリメチル
メタクリレート(PMMA)からなる非酸素透過型ハー
ドコンタクトレンズが主流を占めていた。しかしなが
ら、この非酸素透過型ハードコンタクトレンズは、コン
タクトレンズの普及に伴い、装用時間の延長によって、
角膜上皮に障害を起こしたり、長期装用による角膜内皮
細胞への影響が議論されるようになり、より安全性を考
慮したハードコンタクトレンズが開発されるようになっ
た。
のような経緯で開発されたハードコンタクトレンズであ
って、酸素透過係数(DK値)により、低酸素透過型と
高酸素透過型とに分けられ、そして、現在の市場におい
ては、さらなる装用時間の延長により、高酸素透過型
(連続装用コンタクトレンズ)が主流となっている。
ンズは、装着角膜に必要な酸素ガスを透過させ、かつ新
陳代謝により生じた二酸化炭素ガスを排出させる分子レ
ベルの孔を有するために、DK値が高くなるに伴い、レ
ンズ破損などの瞬時の衝撃や曲げに対する耐久強度が低
下するのを免れないという欠点を有している。
壊強度が従来のレンズに比べて高く、割れにくい酸素透
過型ハードコンタクトレンズが提案されている(特開平
4−67117号公報)。しかしながら、この技術にお
いては、使用するモノマーの重合速度を制御するととも
に、重合条件を厳密に制御して、均一に重合が進むよう
にしなければならず、重合条件の制御が非常に困難であ
る。
酸エステルおよび不飽和カルボン酸無水物の中から選ば
れる少なくとも1種のモノマーを含有する重合成分を重
合してなる未架橋重合体を、ポリアミンの存在下に加熱
圧縮成形し、耐溶剤性、機械的強度を向上させた透明光
学樹脂成形品の製造方法が提案されている(特開平7−
62022号公報)。この方法においては、得られる成
形品は、加熱圧縮成形時に、未架橋の粉末状重合体がポ
リアミンによって架橋されるために、耐溶剤性に優れ、
光学的歪みがなく、均質で透明性に優れる上、成形後に
重合体中で発生する内部応力が極めて少ないことから、
形状の経時変化がほとんど生じないものである。しかし
ながら、この方法では、ハードコンタクトレンズのベー
スカーブは多種類にわたる上、各度数、各サイズがある
ため、その成形型は極めて多くなり、それを管理するの
に、非常に大きな労力などを必要とするという欠点があ
る。
成形してコンタクト光学成形品を製造する方法が提案さ
れている(特開昭60−49906号公報、特開昭61
−41118号公報)。この方法は、製造すべき成形品
の重さをもち、かつ均一な厚さをもつフィルムから打ち
抜くか、または切り取り、これを成形品の形状に対応し
た凸面のダイス型の間、または凸面と凹面のダイス型の
間に入れ、使用する熱可塑性材料のガラス転移点よりも
高いが、その溶融流動点よりも低い温度において、加圧
して再成形することにより、コンタクト光学成形品を製
造する方法である。しかしながら、この方法において
は、架橋構造をもたない熱可塑性樹脂からなり、かつ成
形品と同じ重さをもつフィルム状の未加工品を、仕上が
り形状に成形加工するものであるが、得られた成形品
は、架橋構造をもたないことから、形状が経時変化した
り、強度が充分ではないなどの問題がある。
は、角膜への生理的負担を軽減することはいうまでもな
く、また角膜酸素の不足は臨床学的に影響が大きいこと
が挙げられている。コンタクトレンズは、角膜という敏
感で、視機能にとって重要な生体組織に直接接触するた
めに、長期間にわたっての充分な安全性が保証されなけ
ればならない。また、角膜は、透明性を保つために、た
えず酸素を必要とすることから、DK値を高めるのに、
含有モノマーの配合などを工夫しているが、DK値を高
めると耐久性が低下するという問題が生じる。また、強
度付与モノマーや架橋剤を添加させ、耐久強度を向上さ
せた共重合体も存在しているが、充分とはいえない。
事情のもとで、耐久性に優れるガス透過型ハードコンタ
クトレンズを効率よく製造する方法、および耐久強度が
向上し、かつ装用上問題のないガス透過型ハードコンタ
クトレンズを提供することを目的とするものである。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、架橋ガス透過
型ハードコンタクトレンズ材料を、加熱圧延処理し、次
いで機械加工することにより、耐久強度に優れ、かつ装
用上問題のないガス透過型ハードコンタクトレンズが効
率よく得られることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
型ハードコンタクトレンズ材料を加熱圧延処理し、次い
で機械加工することを特徴とするガス透過型ハードコン
タクトレンズの製造方法、(2)上記(1)の方法によ
り得られたガス透過型ハードコンタクトレンズ、及び
(3)圧縮率が5〜50%で、かつ圧縮曲げ破壊強度が
300〜1500gの範囲になるように加熱圧延処理さ
れた架橋ガス透過型ハードコンタクトレンズ材料からな
るガス透過型ハードコンタクトレンズ、を提供するもの
である。
の製造方法においては、材料として、架橋ガス透過型ハ
ードコンタクトレンズ材料が用いられる。このレンズ材
料としては特に制限はなく、従来ガス透過型ハードコン
タクトレンズに使用されている公知のものの中から、適
宜選択して用いることができる。該架橋ガス透過型ハー
ドコンタクトレンズ材料の好ましい例としては、フッ素
含有(メタ)アクリレートとケイ素含有(メタ)アクリ
レートを主成分とし、さらに架橋性モノマー、親水性モ
ノマーおよび分子末端に重合性官能基を含むシロキサン
オリゴマーなどの成分を含有する共重合体からなるもの
を挙げることができる。
としては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル
(メタ)アクリレート、2,2,2,2′,2′,2′
−ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、
2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル
(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,
5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロ
オクチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサ
デカフルオロノニル(メタ)アクリレートなどのフルオ
ロアルキル(メタ)アクリレートが好ましく挙げられる
が、これらの中でフルオロアルキルメタアクリレートが
好ましい。これらのフッ素含有(メタ)アクリレートは
単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
しては、例えばトリス(トリメチルシロキシ)シリルプ
ロピル(メタ)アクリレート、ヘプタメチルトリシロキ
サニルエチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルジシ
ロキサニル(メタ)アクリレート、イソブチルヘキサメ
チルトリシロキサニル(メタ)アクリレート、メチルジ
(トリメチルシロキシ)−(メタ)アクリルオキシメチ
ルシラン、n−プロピルオクタメチルテトラシロキサニ
ルプロピル(メタ)アクリレート、ペンタメチルジ(ト
リメチルシロキシ)−(メタ)アクリルオキシメチルシ
ラン、t−ブチルテトラメチルジシロキサニルエチル
(メタ)アクリレートなどのシロキサニル(メタ)アク
リレート、さらにはトリメチルシリル(メタ)アクリレ
ート、フェニルジメチルシリルメチル(メタ)アクリレ
ートなどが挙げられるが、これらの中でシロキサニル
(メタ)アクリレートが好ましく、特にシロキサニルメ
タクリレートが好ましい。これらのケイ素含有(メタ)
アクリレートは単独で用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
ケイ素含有(メタ)アクリレートは、共重合体の酸素透
過性を向上させる効果が大きく、両者を併用することに
よって、所望の酸素透過性を有する共重合体が得られ
る。両者の組成比を変化させることにより、共重合体の
酸素透過性を調節することができる。共重合体における
フッ素含有(メタ)アクリレート単位とケイ素含有(メ
タ)アクリレート単位の含有割合は、所望の酸素透過性
により異なるが、一般的には、重量比70:30ないし
40:60、好ましくは60:40ないし50:50の
範囲で選ばれる。
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレング
リコールジ(メタ)アクリレート、あるいはトリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラまたはトリ(メタ)アクリレートなどの
二官能以上のモノマーが挙げられる。これらの架橋性モ
ノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。この架橋性モノマーは、共重合体に、
硬さおよび耐薬品性などを付与する効果を有する。該共
重合体におけるこの架橋性モノマー単位の含有量は、通
常0.1〜20重量%の範囲で選ばれる。
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)ア
クリレート類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、フマル酸、マイレン酸、ケイ皮酸等の不飽和カルボ
ン酸類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチル
アクリルアミド、ジエチルアクリルアミド等の(メタ)
アクリルアミド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン
等が挙げられる。これらの親水性モノマーは単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上
記親水性モノマーは、共重合成分として使用することに
より、共重合体の水濡れ性を向上させる効果があり、レ
ンズ装用時、涙液との親和性を高め、装用感を向上させ
る。特に不飽和カルボン酸は、共重合体の硬さ向上効果
と水濡れ性向上効果が顕著であり好ましい。該共重合体
におけるこの親水性モノマー単位の含有量は、通常5〜
20重量%の範囲で選ばれる。
ロキサンオリゴマーは、共重合体の耐衝撃性を改善する
ために用いられるものであり、例えば一般式(I)
す。]で表される化合物が好ましく用いられる。
量約500〜15000の範囲にあるものが好ましく、
また、イソホロンジイソシアネート系シロキサンオリゴ
マー[一般式(I)におけるAが(b)で示される基で
あるもの]が、耐衝撃性改善効果が著しく、好適であ
る。該共重合体における前記シロキサンオリゴマー成分
の含有量は、通常0.1〜15重量%の範囲で選ばれ
る。
コンタクトレンズ材料は、例えば以下に示す方法によ
り、製造することができる。前記のフッ素含有(メタ)
アクリレート、ケイ素含有(メタ)アクリレート、架橋
性モノマー、親水性モノマーおよびシロキサンオリゴマ
ーからなるモノマー混合物に、アゾビスイソブチロニト
リル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ベンゾイルペ
ルオキシド、ラウロイルペルオキシドなどの重合開始剤
を、好ましくは0.05〜1重量%の割合で添加混合し
たのち、金属製、プラスチック製、ガラス製などの注型
用容器に注入し、密閉して加熱重合することにより、円
形ボタン形状または棒形状の架橋ガス透過型ハードコン
タクトレンズ材料を製造する。なお、重合は、加熱重合
以外に、紫外線重合などを用いることができる。
得られた円形ボタン形状または棒形状のコンタクトレン
ズ材料(以下、ボタン材または棒材と略称することがあ
る)を、厚さが処理前の厚さよりも小さくなるように加
熱圧延処理する。加熱圧延処理後の厚さは、通常のハー
ドコンタクトレンズの加工工程で加工できるボタン材ま
たは棒材の大きさでよいが、圧縮率が5〜50%になる
ような大きさが好ましい。なお、該圧縮率は、次式によ
り算出される。 圧縮率(%)=[(圧縮前の材料高さ(mm)−圧縮後の
材料高さ(mm))/圧縮前の材料高さ(mm)]×100
る。まず、コンタクトレンズ材料がボタン材の場合に
は、例えば図1に示す装置を用いて加熱圧延処理するこ
とができる。図1は、ボタン材の加熱圧延処理装置の1
例の部分概略図であって、まず、プレス下板1上に、圧
縮率に応じて厚さが調整された空間部を有する圧縮高さ
調整用の板状治具2をセットし、この治具2の空間部
に、高さ寸法が一定のボタン材4を載置したのち、ボタ
ン材4の端面までプレス上板を下降させ、一定時間加熱
し、さらに圧力を加えて圧延させる。これにより、プレ
ス上板3は板状治具2の上端面まで下降され、圧縮率に
応じた高さをもつ材料が加工され、所望の加熱圧延処理
材が得られる。また、空間部を有する板状治具の厚さが
一定の場合は、圧縮率に応じてボタン材の高さを調整
し、同様の作業を行うことにより、所望の加熱圧延処理
材が得られる。
を用いて加熱圧延処理することができる。図2は、棒材
の加熱圧延処理装置の1例の部分概略図であって、ま
ず、プレス下板1上に、圧縮高さ調整用円筒形治具5を
セットし、この治具5の中心に棒材6を設置したのち、
プレス上板3を、棒材6の上部端面まで下降させ、一定
時間加熱し、さらに圧力を加えて圧延させる。これによ
り、プレス上板3は、円筒形治具5の上端面まで下降さ
れ、所望の加熱圧延処理材が得られる。この場合、内径
が一定の円筒形治具を用いる場合、加熱圧延処理材の外
径が円筒形治具の内径となるように、棒材の外径と高さ
を調整することが必要であり、また、外径と高さが一定
の棒材を用いる場合、加熱圧延処理材の外径が円筒形治
具の内径となるように、円筒形治具の内径と高さを調整
することが必要である。
た架橋ガス透過型ハードコンタクトレンズ材料に、切削
加工、研磨加工などの機械加工を施すことにより、耐久
強度が向上したガス透過型ハードコンタクトレンズが得
られる。この際用いる切削加工、研磨加工などの機械加
工の方法としては特に制限はなく、従来ハードコンタク
トレンズの製造において慣用されている方法を用いるこ
とができる。
のコンタクトレンズ材料を加熱圧延処理することによ
り、処理後の材料には光学的な歪みが発生する場合があ
るが、処理後の材料を前記のように切削・研磨処理する
ことにより、光学的な歪みがなく、透明性に優れ、かつ
内部応力の小さい耐久強度の高いガス透過型ハードコン
タクトレンズを得ることができる。
れたガス透過型ハードコンタクトレンズをも提供するも
のである。該方法で得られたガス透過型ハードコンタク
トレンズは、通常圧縮率が5〜50%で、かつ圧縮曲げ
破壊強度が300〜1500gの範囲にある。
ロン社製万能試験機4310型を用い、下記のようにし
て圧縮曲げ破壊強度試験を行い、測定した値である。す
なわち、試料のコンタクトレンズを上下アンビルに水滴
で固定し、アンビルを定速(200mm/分)で下降させ
た際のコンタクトレンズの圧縮曲げ破壊強度(g)を測
定する。
ち、圧縮率が5〜50%で、かつ圧縮曲げ破壊強度が3
00〜1500gの範囲になるように加熱圧延処理され
た架橋ガス透過型ハードコンタクトレンズ材料からなる
ガス透過型ハードコンタクトレンズをも提供するもので
ある。
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
量部、トリス(トリメチルシロキサン)−γ−メタクリ
ロキシプロピルシラン43重量部、分子末端に重合性官
能基を含むシロキサンオリゴマー2重量部、メタクリル
酸8重量部、ジメチルアクリルアミド2重量部、架橋剤
としてのエチレングリコールジメタクリレート2重量部
および重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル
0.25重量部からなるモノマー混合物を、内径15mm
のポリエチレン製パイプ中にて重合し、架橋ガス透過型
コンタクトレンズ材料を作製した。
径14mmにセンタレス加工し、圧縮率が5、10、1
5、20、25、50%になるように高さを調整した各
ボタン形状材料(以下、ボタン材と称す)を油圧旋盤に
より切り出した。次に、このように高さが調整された各
ボタン材を、図1に示す装置により、下記のように加熱
圧延処理した。まず、プレス下板1上にセットされた厚
さ5.7mmの圧縮高さ調整用板状治具2の空間部にボタ
ン材4を載置したのち、プレス上板3を下降させ、ボタ
ン材を挟み込む形で120℃に加熱して、その温度で3
0分間保持した。その後、圧力25kg/cm2をかけて圧
縮延伸させたのち、25kg/cm2の圧力を保持したま
ま、この装置に水を循環させて室温まで冷却した。次い
で、圧力を開放し、プレス上板3を上昇させて圧延され
た材料を取り出した。
20、25および50%の圧延処理された架橋ガス透過
型ハードコンタクトレンズ材料を得た。この材料の各圧
縮率における圧延処理前後の高さと直径との関係を表1
に示す。
より、厚さ0.15mm程度の架橋ガス透過型ハードコン
タクトレンズを作製した。
内径14、15および16mmのポリエチレン製パイプ中
にて重合し、架橋ガス透過型コンタクトレンズ材料を作
製した。このコンタクトレンズ材料を切断し、直径およ
び高さが、それぞれ14.0mmと66.7mm、1
5.0mmと72.6mm、16.0mmと63.8mmの棒
形状材料(以下、棒材と称す)を得た。
下記のように加熱圧延処理した。まず、プレス下板1上
にセットされた内径/高さが、17.0mm/45.2m
m、17.0mm/56.5mmおよび17.0mm/56.
5mmの圧縮高さ調整用円筒形治具5の中心に、それぞれ
上記棒材、およびを設置したのち、プレス上板
3、棒材6の上部端面まで下降させ、棒材を挟み込む形
で120℃に加熱して、その温度で30分間保持した。
その後、圧力25kg/cm2をかけて圧縮延伸させたの
ち、25kg/cm2の圧力を保持したまま、この装置に水
を循環させて室温まで冷却した。次いで、圧力を開放
し、プレス上板3を上昇させて、圧延された材料を円筒
形治具5の内部より取り出した。このようにして、圧縮
率11.4、22.1および32.2%の圧延処理され
た架橋ガス透過型ハードコンタクトレンズ材料を得た。
この材料の各圧縮率における圧延処理前後の高さと直径
との関係を表2に示す。
より、厚さ0.15mm程度の架橋ガス透過型ハードコン
タクトレンズを作製した。
合して、コンタクトレンズ材料を得たのち、加熱圧延処
理をしないで、そのまま切削、研磨処理して架橋ガス透
過型ハードコンタクトレンズ材料を作製した。
壊形状観察 実施例1、実施例2で得られた圧縮率の異なる圧延処理
コンタクトレンズ材料および比較例1で得られた加熱圧
延処理をしていないコンタクトレンズ材料を、BC7.
80、POW−3.00、DIA8.8のコンタクトレ
ンズ形状に加工し、インストロン社製万能試験機431
0型を用いて、以下のようにして圧縮曲げ破壊強度試験
を実施した。すなわち、各コンタクトレンズを、上下ア
ンビルに水滴で固定し、アンビルを定速(200mm/
分)で下降させた際の、コンタクトレンズの圧縮曲げ破
壊強度(g)、圧縮曲げ破壊変形量(mm)、圧縮曲げ破
壊変形率(%)、30%変形時における圧縮曲げ強さ
(g)を求めるとともに、コンタクトレンズの破壊形状
を観察した。これらの結果を表3に示す。
施の有無により、圧縮曲げ破壊強度に大きな違いが認め
られ、圧縮率が高くなるに伴い、圧縮曲げ破壊強度も増
加する。圧縮率が高くなり、圧縮曲げ破壊強度が増加す
ると、圧縮曲げ破壊変形量も大きくなる。このことは、
アンビルを定速で下降させた際のレンズが破壊するまで
の距離が伸びたこととなり、したがって、レンズの撓み
量が大きくなったと思われる。この傾向は、架橋ガス透
過型コンタクトレンズ材料において、加熱圧延処理によ
り、分子鎖が配向された分子構造を有するようになるた
めと推測される。
レンズ材料および比較例1で得られた圧延処理していな
いコンタクトレンズ材料を、直径14mm、厚さ0.25
mmのディスク形状に加工し、理化精機工業社製、製科研
フィルム酸素透過率計K316を用いて、酸素透過性の
程度を測定し、電流値で表した。電流値が高いほど、酸
素透過性がよいことを示す。結果を表4に示す。
%の圧延処理コンタクトレンズ材料は、圧延処理してい
ないコンタクトレンズ材料と、ほとんど同程度の酸素透
過性を有していることが分かる。
処理コンタクトレンズ材料と、その各材料を機械的にレ
ンズ形状に加工したものを、オリンパス社製実体顕微鏡
に偏光板を取り付けて、クロスニコル法により、光学歪
みを観察し、以下の判定基準に従い評価した。結果を表
5に示す。 ◎:光学歪みが観察されない ○:光学歪みがやや観察される ×:光学歪みが容易に観察される
以上あたりから、放射状の光学歪みが観察されたが、圧
延処理後の材料を切削、研磨したレンズには、光学歪み
は観察されなかった。
処理コンタクトレンズと、比較例1で得られた圧延処理
していないコンタクトレンズを、それぞれドライレンズ
ケースと保存液を充填したウェットレンズケースに挿入
して、室温で1ヶ月間、および恒温恒湿槽(楠本化成
(株)製]にて、温度40℃、湿度70%の条件で2ヶ月
間保管して、ベースカーブ、度数、肉厚の経時変化を測
定し、初期値と比較した。また、試験前および試験後の
レンズの光学歪みを、オリンパス社製実体顕微鏡に偏光
板を取り付けて、クロスニコル法により観察した。これ
らの結果を、それぞれ表6および表7に示す。
1ヶ月間、および温度40℃、湿度70%の環境下にて
2ヶ月間保管しても、変化はほとんど認められなかっ
た。また、光学歪みの観察でも、歪みの発生は認められ
なかった。この安定性試験の結果から、内部応力の極め
て少ないガス透過型ハードコンタクトレンズであること
が確認できた。
に変えた以外は、実施例1と同様にして、ボタン形状の
コンタクトレンズ材料を作製したのち、加熱圧延処理し
て、圧縮率5%、25%および50%の架橋ガス透過型
ハードコンタクトレンズ材料を得た。次に、上記の各コ
ンタクトレンズ材料を用い、試験例1と同様にしてコン
タクトレンズ形状に加工し、圧縮曲げ破壊強度を測定し
た。その結果を表9に示す。
ト SIMA:トリス(トリメチルシロキサン)-γ-メタク
リロキシプロピルシラン MA:メタクリル酸 DAA:ジメチルアクリルアミド EDMA:エチレングリコールジメタクリレート シロキサンオリゴマー:分子末端に重合性官能基を含む
シロキサンオリゴマー
なく、透明性に優れ、かつ内部応力が小さい上、装用上
の問題のない耐久強度の向上したガス透過型ハードコン
タクトレンズを効率よく製造することができる。
延処理装置の1例の部分概略図である。
延処理装置の異なる例の部分概略図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 架橋ガス透過型ハードコンタクトレンズ
材料を加熱圧延処理し、次いで機械加工することを特徴
とするガス透過型ハードコンタクトレンズの製造方法。 - 【請求項2】 架橋ガス透過型ハードコンタクトレンズ
材料が、シロキサニルメタクリレートとフルオロアルキ
ルメタクリレートを主成分とする共重合体である請求項
1に記載の方法。 - 【請求項3】 円形ボタン形状または棒形状の架橋ガス
透過型ハードコンタクトレンズ材料を、厚さが処理前の
厚さよりも小さくなるように加熱圧延処理する請求項1
または2に記載の方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方
法により得られたガス透過型ハードコンタクトレンズ。 - 【請求項5】 圧縮率が5〜50%で、かつ圧縮曲げ破
壊強度が300〜1500gの範囲になるように加熱圧
延処理された架橋ガス透過型ハードコンタクトレンズ材
料からなるガス透過型ハードコンタクトレンズ。
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