JPH05173096A - 耐クリープ性に優れたコンタクトレンズ - Google Patents

耐クリープ性に優れたコンタクトレンズ

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JPH05173096A
JPH05173096A JP34162991A JP34162991A JPH05173096A JP H05173096 A JPH05173096 A JP H05173096A JP 34162991 A JP34162991 A JP 34162991A JP 34162991 A JP34162991 A JP 34162991A JP H05173096 A JPH05173096 A JP H05173096A
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JP
Japan
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lens
polymer
polymer phase
oxygen permeability
fibrous
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Withdrawn
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JP34162991A
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English (en)
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Tsuneo Hogi
恒夫 保木
Kunio Fukuda
邦雄 福田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸素透過係数が異なる2種のポリマー相を特
定の構造にする事により、酸素透過性と耐クリープ性を
有する新規なコンタクトレンズを提供する。 【構成】 繊維状のポリマーが互いに接することなく、
レンズの光軸方向に平行に、かつ均一に配列するポリマ
ー相Iと上記繊維状のポリマー周辺を囲むポリマー相I
Iとからオプチカルゾーン周辺部が構成され、さらに上
記ポリマー相Iの酸素透過係数が100以上であって、
ポリマー相IIの酸素透過係数が30〜95であること
を特徴とするコンタクトレンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続装用が可能な酸素
透過性を有し、かつ長期装用中にレンズの寸法が変化し
にくい優れた耐クリープ性を有するコンタクトレンズに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、コンタクトレンズとしてハー
ドコンタクトレンズと含水ソフトコンタクトレンズが知
られており、角膜へ十分な量の酸素を供給できて角膜障
害が少なくできる事から酸素透過性のハードコンタクト
レンズが種々開発されてきた(例えば、特公昭52−3
3502号公報、特公昭62−8769号公報、特公昭
62−36646号公報、特公昭62−61928号公
報など)。
【0003】これら公知のコンタクトレンズは酸素透過
係数を高めようとするとシリコン系モノマーの添加量を
多くする必要があり、それにつれて材料が柔らかくなり
長期装用中にレンズの寸法(たとえば、ベースカーブ)
が変化してしまい、視力が不安定になったり装用できな
くなったりする。また、シリコン系モノマーの添加量を
少なくすると酸素透過係数は中程度になり、レンズの変
形は小さくなるが、レンズ肉厚が厚い部分(近視眼用の
マイナスパワーレンズではレンズのオプチカルゾーン周
辺部)の酸素透過が少なく角膜への酸素供給が不足して
長期間の連続装用が困難になる欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、レンズ全体
の酸素透過性を高め、かつ耐クリープ性を有する新規な
コンタクトレンズを提供する事を目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、レンズ全
体の酸素透過性を高め、かつ耐クリープ性をも満足させ
るコンタクトレンズを開発するために鋭意研究を重ねた
結果、コンタクトレンズを構成するポリマーの種類、組
み合わせ、及びそのマクロ相構造を特定の構造にするこ
とで、その目的に適合しうることを見いだし、この知見
に基づいて本発明をなすに至った。
【0006】すなわち、本発明は、繊維状のポリマーが
互いに接することなく、レンズの光軸方向に平行に、か
つ均一に配列するポリマー相Iと上記繊維状のポリマー
周辺を囲むポリマー相IIとからオプチカルゾーン周辺
部が構成され、さらに上記ポリマー相Iの酸素透過係数
が100以上であって、ポリマー相IIの酸素透過係数
が30〜95であることを特徴とする耐クリープ性に優
れたコンタクトレンズである。
【0007】本発明の繊維状ポリマーは、レンズの光軸
方向にほぼ平行に配列されていることが必要である。配
列が光軸に対して大きく乱れると、レンズの光学特性が
劣り視力が不安定になったり、レンズに加工するときに
表面精度が出なかったり、傷や汚れの原因になるため好
ましくない。また、この繊維状ポリマーはレンズのオプ
チカルゾーン周辺部に分布しており、かつ互いに接して
いないことが必要である。レンズのオプチカルゾーンは
レンズの中心部の事で、視力に必要な光学部を形成して
いる。この部分は一般にレンズ厚みが薄く(近視眼用)
なっており周辺部に向かってしだいに厚みが増してい
く。オプチカルゾーン周辺部とはこのレンズ厚みが厚く
なる部分であり、上記繊維状ポリマーはこのレンズ厚み
が厚い部分に分布している。分布が不均一であったり、
互いに接しているとレンズ屈折率に分布が出来るため視
力が不安定になり、レンズの機械的強度も低下するため
好ましくない。
【0008】この繊維状ポリマーの断面形状、大きさは
特に限定されないが、レンズとしての光学特性を確保
し、レンズ加工性に優れ、レンズの機械的強度を確保す
る上でほぼ円形で約0.01μm〜200μmの範囲内
の径を有するものが好ましい。これらは、例えばポリマ
ー相Iのポリマーを繊維状に成形加工して製造される。
ポリマー相Iは酸素透過係数が100以上のポリマーで
あって、酸素透過係数が100に満たないポリマーでは
連続装用に十分な酸素を角膜に供給できないため好まし
くない。また、100以上であれば限定されないがレン
ズを加工する上で300以下のポリマーが好ましい。ポ
リマー相Iのポリマーとしては、シロキサニル系のアク
リレート、またはメタクリレート、例えば、トリス(ト
リメチルシロキシ)シリルプロピルアクリレート、ヘプ
タメチルジシロキサニルエチルアクリレート、ペンタメ
チルジシロキサニルアクリレート、イソブチルヘキサメ
チルトリシロキサニルアクリレート、メチルジ(トリメ
チルシロキシ)−アクリルオキシメチルシラン、n−プ
ロピルオクタメチルテトラシロキサニルプロピルアクリ
レート、ペンタメチルジ(トリメチルシロキシ)−アク
リルオキシメチルシラン、t−ブチルテトラメチルジシ
ロキサニルエチルアクリレート、およびこれらのメタク
リレートなどから選ばれた1種または2種以上と、これ
と共重合が可能なモノマーとのコポリマー、ポリシロキ
サニル系のアクリレート、またはメタクリレート、例え
ばポリ(ジメチルシロキサニル)アクリレート、ポリ
〔メチル(トリフルオロプロピル)シロキサニル〕アク
リレート、またはこれらのメタクリレートなどから選ば
れた1種または2種以上と、これと共重合が可能なモノ
マーとのコポリマー等が有る。
【0009】シロキサニル系モノマーとポリシロキサニ
ル系モノマーと共重合可能なモノマーとしてはアルキル
アクリレート、フルオロアルキルアクリレートなどがあ
り、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、シク
ロヘキシルアクリレート、およびこれらのメタクリレー
ト、2、2、2−トリフルオロエチルアクリレート、
2、2、3、3−テトラフルオロプロピルアクリレー
ト、2、2、3、3、3−ペンタフルオロプロピルアク
リレート、2、2、2−トリフルオロ−1−トリフルオ
ロメチルエチルアクリレート、およびこれらのメタクリ
レートなどが有る。
【0010】シロキサニル系モノマーとポリシロキサニ
ル系モノマーの使用量は、目的とする酸素透過係数の値
により、また使用する共重合可能なモノマーの種類によ
り選択され一概には決められないが、好ましくは60〜
90重量%が使用される。ポリマー相IIは、酸素透過
係数が30以上95以下のポリマーであって、シロキサ
ニル系アクリレートおよびメタクリレート、ポリシロキ
サニル系アクリレートおよびメタクリレート、アルキル
アクリレートおよびメタクリレート、フルオロアルキル
アクリレートおよびメタクリレート、などのビニル系モ
ノマーから選ばれた1種あるいは2種以上のモノマーを
主成分として重合したものである。酸素透過係数が95
を越えて大きくなるとレンズの耐クリープ性が低下する
ので好ましくない、また、30未満では酸素透過性が低
く連続装用が困難になるため好ましくない。ポリマー相
IIのポリマーはさらに機械的強度、耐衝撃性など他の
物性を改良するために、シロキサニル系ジアクリレート
およびジメタクリレート、ポリシロキサニル系ジアクリ
レートおよびジメタクリレート、アルキレングリコール
ジアルキレートおよびジメタクリレート、ポリアルキレ
ングリコールジアクリレートおよびジメタクリレートな
どの多官能ビニル系モノマーを共重合することが出来
る。その使用量は通常約3から約15重量%の範囲内で
ある。
【0011】シロキサニル系モノマー、ポリシロキサニ
ル系モノマーを使用する時は酸素透過係数が30以上9
5以下になるようにその使用量が選ばれ、共重合するモ
ノマーの種類により変わり一概には決められないが一般
的には約50重量%前後で使用される。ポリマー相II
は、ポリマー相Iの繊維状ポリマーを囲み、該繊維状ポ
リマーがお互いに接する事がないようにする事が必要で
ある。この繊維状ポリマー同士が接するとレンズの機械
的強度、耐衝撃性、耐クリープ性などの物性が低下する
ため好ましくない。
【0012】本発明のコンタクトレンズは、好ましくは
あらかじめ繊維状に成形したポリマーの表面をポリマー
相IIで被い、このものを多数同一方向に円環柱状に集
積し、その間隙にポリマー相IIを構成するモノマーを
充満させ、重合固化させる方法、あるいは、レンズオプ
チカルゾーンに相当する直径を有するポリマー相IIの
円柱の周辺部に上記の表面処理をした繊維状ポリマーを
集積し、ポリマー相IIを構成するモノマーを充満させ
重合固化させる方法で形成したロッドから切削研磨法に
より製造される。
【0013】なお、ポリマー相Iが互いに接することが
ないように、その表面をポリマー相IIであらかじめ被
う方法としては、ポリマー相Iの表面にポリマー相II
と同じ組成のモノマー混合物を塗布して、加熱あるいは
紫外線などを照射して重合させる方法、当該モノマー混
合物をあらかじめプレポリマーに重合させ粘度を高めて
から塗布してさらに重合を進める方法、ポリマー相II
の溶液を塗布して乾燥させる方法などがある。これらの
中で、作業がしやすいことからプレポリマーを塗布して
重合させる方法が一般に使用される。
【0014】ポリマー相Iとポリマー相IIの比率は、
レンズとしての目標性能により異なるが、酸素透過係数
が65以上でクリープ変形が20/100mm以下(レ
ンズ曲率変化値)になるように決められるのが好まし
く、例えばレンズ面内での面積分率で約50%から20
%がポリマー相Iであることが好ましい。本発明のコン
タクトレンズには、表面の親水性を高めて涙液との親和
性を高める目的で親水性のモノマーを使用する事が出来
る。親水性モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸などの共重合性不飽和カルボン
酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリセロール
アクリレート、ポリエチレングリコールアクリレートな
どのヒドロキシアルキルアクリレートおよびメタクリレ
ート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルア
クリルアミド、N−ビニルピロリドンなどから選ばれた
1種または2種以上の混合物が使用できる。
【0015】これら親水性モノマーの使用量は通常約5
から約15重量%の範囲内である。本発明のポリマー
は、モノマー混合物に通常使用されているラジカル開始
剤あるいは光増感剤を混合して、加熱あるいは紫外線な
どの放射線の照射などにより重合される。ラジカル開始
剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイドなどのパーオキサイド類、アゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリ
ルなどのアゾ化合などが使用できる。光開始剤として
は、ベンゾイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタ
ール、ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフ
ェノン、ベンゾフェノン、イソブチルチオオキサンソン
などが使用される。また必要に応じて光開始助剤を使用
する事が出来る。
【0016】
【実施例】次に、実施例および参考例によって本発明を
さらに詳細に説明する。なお、各物性は次の様にして求
めた。 <酸素透過係数>理化精機工業株式会社製の気体透過率
測定装置K−315Nを用いた。試料片は直径10m
m、厚さ0.3mmの円板状のものを測定に供し、えら
れたチャートの直線の傾きから、酸素透過係数を計算に
より求めた。測定は25℃の恒温室内、試料片セットし
た装置温度35℃で実施した。 <圧縮破壊強度>万能引っ張り試験機に、試料圧縮面が
平面で滑り止めに1200番の耐水研磨紙を接着した圧
縮試験用の治具をセットして測定した。試料はベースカ
ーブ7.7mm、パワー−3.00、サイズ8.8m
m、中心厚み0.15mmのレンズを使用した。レンズ
直径方向を圧縮試験治具で挟むようにセットして2cm
/minの速度で圧縮して、その圧縮荷重を記録して、
レンズが破壊した時の荷重を圧縮破壊強度(g)とし
た。測定は、保存液に7日間以上浸漬したレンズを使用
し、25℃で実施した。 <クリープ変形>レンズを垂直に保持できるホルダー
と、そのレンズ上面から直径方向に一定の荷重を付与で
きる押さえ具からなるクリープ変形試験器を使用した。
試料は圧縮試験で使用したものと同じレンズを使用し
た。変形量はコンタクトゲージ(株式会社ナイツ製CG
X型)を使用して、試験前と試験後のベースカーブを測
定して求めた。試験は、荷重1.2gを25℃で7日間
かけて行った。
【0017】
【実施例1】トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロ
ピルメタクリレート72重量部、2、2、2−トリフル
オロエチルメタクリレート18重量部、メタクリル酸1
0重量部及びα、α’−アゾビスイソブチロニトリル
0.09重量部をビーカーに入れ2時間撹はんし均一に
混合した。次いで、この混合物をポリプロピレン製の試
験管に充填して、減圧して脱気した後、55℃の恒温水
槽に入れて16時間、65℃で24時間、90℃で72
時間重合した。このポリマーの酸素透過係数は150
(×1011 cc・cm/cm2・sec・cmHg)
であった。得られたポリマーを200℃に加熱溶融させ
1.0mmの内径を有するノズルから押し出し、冷却さ
せながら引き取り外径約0.15mmの繊維状物(ポリ
マーI)を得た。
【0018】トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロ
ピルメタクリレート55重量部、2、2、2−トリフル
オロエチルメタクリレート16重量部 、メチルメタク
リレート29重量部及びα、α’−アゾビスイソブチロ
ニトリル0.03重量部をビーカーに入れ2時間撹はん
し均一に混合した。次いで、この混合物を90℃で2時
間重合し得られた粘調なプレポリマー液を上記繊維状物
の表面に塗布し、さらに90℃で重合させて表面をコー
ティングした繊維状物を得た。
【0019】この繊維状物を束ねて内径が6mm外径が
16mmの円環柱状になるようにして、ポリプロピレン
製の試験管に挿入した。次いで、トリス(トリメチルシ
ロキシ)シリルプロピルメタクリレート55重量部、
2、2、2−トリフルオロエチルメタクリレート16重
量部 、メチルメタクリレート19重量部、メタクリル
酸10重量部、テトラエチレングリコールジメタクリレ
ート4重量部及びα、α’−アゾビスイソブチロニトリ
ル0.09重量部をビーカーに入れ2時間撹はんし均一
に混合した混合物をこの試験管に入れて、脱気を繰り返
し繊維状物の間隙にモノマー混合物を充填し50℃で1
6時間、65℃で24時間、90℃で24時間重合(ポ
リマー相II)し得られたポリマーを110℃のシリコ
ンオイル槽に2時間浸漬したのち、室温まで徐冷した。
【0020】また、上記ポリマーIIのみを単独で重合
させて得られたポリマーの酸素透過係数は62(×10
11 cc・cm/cm2・sec・cmHg)であっ
た。得られた棒状物から径方向に切削してディスク状の
試料を作成し、酸素透過係数を測定した結果、91(×
1011 cc・cm/cm2・sec・cmHg)であ
った。また、直径12.6mm、厚み4.76mmの円
盤状に切削加工して、ついで切削研磨法によりコンタク
トレンズに加工した。得られたレンズは、連続したシリ
ンダー状のポリマー相(ポリマー相I)が、レンズの光
軸方向にほぼ平行に配列し、レンズのオプチカルゾーン
(径6mm)の周辺部に円環状にほぼ均一に分布し、か
つ互いに接することなくその周辺を連続したポリマー相
(ポリマー相II)で囲まれた構造を有したものであっ
た。レンズの圧縮破壊強度は1800g以上で、レンズ
が二つ折りになったも破壊しなかった。また、レンズの
クリープ変形は0.10mmであった。クリープ変形試
験後7日後に再測定した結果、変形は0.02mmでほ
とんどもとの状態にもどっていた。
【0021】
【比較例1】トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロ
ピルメタクリレート70重量部、22、2−トリフルオ
ロエチルメタクリレート16重量部、メタクリル酸6重
量部、メチルメタクリレート4重量部、テトラエチレン
グリコールジメタクリレート4重量部及びα、α’−ア
ゾビスイソブチロニトリル0.09重量部をビーカーに
入れ2時間撹はんし均一に混合した。次いで、この混合
物をポリプロピレン製の試験管に充填して、減圧して脱
気した後、55℃の恒温水槽に入れて16時間、65℃
で24時間、90℃で72時間重合した。
【0022】このポリマーの酸素透過係数は145(×
1011 cc・cm/cm2・sec・cmHg)であ
った。このポリマーからレンズを製作した結果、圧縮破
壊強度は1800g以上であったが、クリープ変形は
0.5以上あり試験後のレンズはベースカーブが大きく
変化しコンタクトゲージでの測定パターンが不鮮明にな
っていた。また、荷重を取り除いて7日間後に再測定し
たが変形はもとにもどっていなかった。
【0023】
【比較例2】実施例1において、繊維状物(ポリマー
I)の表面をコーティング処理せずに束ねて、その周囲
をモノマー混合物で充填し重合させ(ポリマーII)た
棒状物からレンズを製作した結果、そのレンズの圧縮破
壊強度は500(g)と弱く、脆いものであった。
【0024】
【実施例2】実施例1において、ポリマー相IIとして
酸素透過係数が30の組成のものを使用したほかは実施
例1と同様の方法でレンズを製作した。レンズの酸素透
過係数は70で、家兎を使用した連続装用テストの結
果、角膜代謝への影響がほとんど無いものであった。ま
た、レンズのクリープ変形は0.10mmと少なく、1
日後には元のレンズディメンジョンに戻っていた。
【0025】
【比較例3】実施例1において、ポリマー相IIとして
酸素透過係数が20の組成のものを使用してレンズを製
作した。レンズの酸素透過係数は61で、家兎を使用し
た連続装用テストの結果、角膜代謝が抑制されている事
がわかった。また、レンズの圧縮破壊強度試験の結果、
レンズは荷重450gで破壊し弱いものであった。
【0026】
【比較例4】実施例1において、ポリマー相IIとして
酸素透過係数が100の組成のものを使用したほかは実
施例1と同様の方法でレンズを製作した。このレンズの
クリープ変形は0.35とおおきく荷重を除去した後も
レンズディメンジョンは元に戻らず、3カ月後も0.3
の変形が残っていた。
【0027】
【発明の効果】本発明は、酸素透過性が高く、長期間に
おける耐クリープ性に優れており、連続装用レンズとし
て有用なコンタクトレンズを提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンタクトレンズの説明図である。 (a)はコンタクトレンズの上面図である。(b)は
A、A線における断面図である。(c)は部分拡大説明
図である。
【図2】比較例2のコンタクトレンズの説明図である。 (d)はコンタクトレンズの上面図である。(e)は部
分拡大説明図である。
【符号の説明】
1.ポリマー相Iを構成する繊維状ポリマー 2.ポリマー相II 3.コンタクトレンズのオプチカルゾーン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維状のポリマーが互いに接することな
    く、レンズの光軸方向に平行に、かつ均一に配列するポ
    リマー相Iと上記繊維状のポリマー周辺を囲むポリマー
    相IIとからオプチカルゾーン周辺部が構成され、さら
    に上記ポリマー相Iの酸素透過係数が100以上であっ
    て、ポリマー相IIの酸素透過係数が30〜95である
    ことを特徴とする耐クリープ性に優れたコンタクトレン
    ズ。
JP34162991A 1991-12-25 1991-12-25 耐クリープ性に優れたコンタクトレンズ Withdrawn JPH05173096A (ja)

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