JPH11302911A - ゴム手袋 - Google Patents

ゴム手袋

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JPH11302911A
JPH11302911A JP12826998A JP12826998A JPH11302911A JP H11302911 A JPH11302911 A JP H11302911A JP 12826998 A JP12826998 A JP 12826998A JP 12826998 A JP12826998 A JP 12826998A JP H11302911 A JPH11302911 A JP H11302911A
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rubber
glove
sodium
latex
ultrapure water
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JP12826998A
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Hisanori Ota
久紀 太田
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム手袋からゴム手袋の触れた対象物への金
属の移行量が少ないゴム手袋を提供すること。 【解決手段】 超純水により溶出されるナトリウムの量
が200ppb以下であるゴム手袋。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴム手袋に関し、更
に詳しくはそれから溶出される金属の量が少ないゴム手
袋に関する。本発明のゴム手袋は電子部品の製造用に特
に好適である。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴム手袋は家庭用、漁業用、農業
用、医療用又は工業用として幅広い分野で用いられてい
る。電子機器の分野においては、電子部品の細小化がめ
ざましく、それに伴って製造環境中の塵や埃、人体から
発生する汗や油等はこれらに付着しないように厳しく管
理されている。この為、電子部品の製造環境は、塵や埃
を極端に低減したクリーンルームで行われ、作業員は手
袋を着用することが必要である。しかし、手袋が金属を
多く含む原料からなる為に、手袋の触れた対象物に手袋
中の金属を移行させることがあり、この金属が原因で電
子部品が正常な働きをしないことがあった。
【0003】クリーンルームで使用される手袋を提供す
る方法として多くの提案がされている。例えば、無孔性
透湿ウレタンフォームを用いて手袋を形成する方法(特
開平5−195303号公報)、多孔質延伸ポリテトラ
フルオロエチレン樹脂膜を用いて手袋を形成する方法
(特開平7−216610号公報)、保護フィルム層に
より無塵状態であるヒートシール性フィルム層からなる
手袋を作製し、保護フィルムを剥離することで手袋を得
る方法(特開平9−137310号公報)等が挙げられ
る。
【0004】上記特開平5−195303号公報に記載
の技術は、手袋の外表面を無孔性透湿ウレタンフォーム
で形成し、手袋を無孔にすることで手袋着用時の発汗に
伴うイオン性無機物の揮散を防止する技術であるが、外
表面を形成するポリウレタンフィルムを無孔でありなが
ら透湿性を付与したタイプにするため、用いるポリウレ
タンをアミノ酸誘導体で変性する等の操作が必要であ
り、材料の前処理に手間がかかるという問題があった。
【0005】上記特開平7−216610号公報に記載
の技術は、特定範囲の大きさを有する多孔質延伸ポリテ
トラフルオロエチレン樹脂膜と透湿性熱可塑性樹脂を用
いて手袋を形成する技術であるが、孔が存在するために
ナトリウムイオン等の金属を少量ではあるが透過させて
いた。この為、この手袋を長時間着用して作業すると金
属の通過量も増えてしまうため、この手袋は長時間使用
できないという問題があった。
【0006】上記特開平9−137310号公報に記載
の技術は、保護フィルムでヒートシール層を塵や埃から
保護して手袋型に溶着切断し、使用時に保護フィルム層
を剥がすことでクリーンなヒートシール層が露出した手
袋を形成する技術であるが、保護フィルムの使用や手袋
の堅牢性を向上させる為の補強剤の使用が必要であり、
手袋の製造に手間がかかるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の公報に記載の技
術では、手袋の触れた対象物への金属の移行量を低減す
ることができるものの、手袋が長時間使用できなかった
り、製造用材料の前処理に手間がかかる等の問題があっ
た。このため、製造が容易で、手袋の触れた対象物への
金属の移行量が少ない手袋が求められていた。本発明者
は、ナトリウムの含有量が少ないゴム手袋であればゴム
手袋の触れた対象物への金属の移行量が少ないと考え
た。本発明はこの考えに基づき、超純水により溶出され
るナトリウムの量が少ないゴム手袋を提供することを目
的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、化学式中にナトリウ
ムを含まない原料からなるゴム手袋であれば、超純水に
より溶出されるナトリウムの量が少ないゴム手袋が得ら
れることを見出し、この知見に基づき本発明を完成する
に至った。
【0009】かくして、本発明によれば、ゴム手袋から
超純水により溶出されるナトリウムの量が200ppb
以下であることを特徴とするゴム手袋が提供される。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の手袋は、手袋の表面の層が重合体ゴムからなるゴ
ム手袋であって、該ゴム手袋から超純水により溶出され
るナトリウムの量が200ppb以下である。ゴム手袋
から超純水により溶出されるナトリウムの量が200p
pbを超える場合には、手袋から手袋の触れた対象物へ
の金属の移行量が多くなる。好ましくは100ppb以
下、更に好ましくは50ppb以下である。
【0011】更に、本発明のゴム手袋は、超純水により
溶出されるその他の金属の溶出量が500ppb以下で
あることが好ましい。その他の金属としては、例えば、
カリウム、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、
鉄が挙げられる。
【0012】超純水により溶出されるナトリウムの量が
200ppb以下のゴム手袋を形成する方法としては、
例えば、化学式中にナトリウムを含まない原料を用いる
方法;ゴム手袋を超純水で洗浄する方法;前記の2つの
方法を組み合わせる方法等が挙げられる。
【0013】ゴム手袋の形成に用いる原料としては、ゴ
ムラテックスと必要に応じて用いられる配合剤が挙げら
れる。配合剤としては、加硫剤、加硫促進剤、増粘剤、
pH調整剤、充填剤、凝固剤等が挙げられる。
【0014】本発明のゴム手袋の形成に用いるゴムラテ
ックス及び配合剤等の原料は、化学式中にナトリウムを
含まないものを使用するが、不純物としてナトリウムを
含むことがある。不純物のナトリウムを含む原料を使用
する場合には、使用前に原料中の不純物のナトリウムを
低減しておくことが好ましい。原料中のナトリウムを低
減する方法としては、例えば、単量体の場合にはスクラ
バー等を用いて洗浄する方法;乳化剤、重合開始剤、p
H調整剤、加硫剤、加硫促進剤、増粘剤、凝固剤等の場
合には、イオン交換樹脂等を用いて除去する方法;水の
場合は超純水を用いる方法等が挙げられる。なお、原料
が固体の場合には、超純水等の溶媒に溶解させてからイ
オン交換樹脂等を用いて除去する。充填剤の場合には表
面に付着した不純物を超純水等で洗浄する方法等が挙げ
られる。
【0015】ナトリウムの含有量が少ないゴムラテック
スを得る方法としては、例えば、ゴムラテックスの製造
に用いる単量体、水、乳化剤、重合開始剤、pH調整剤
等の原料に化学式中にナトリウムを含まないものを選定
する方法;ゴムラテックスを限外濾過してラテックス中
のナトリウムを取り除く方法;前記の2つの方法を組み
合わせる方法等が挙げられる。
【0016】本発明のゴム手袋の形成に用いるゴムラテ
ックスとしては、例えば、イソプレンラテックス、ビニ
ルピリジンラテックス、クロロプレンラテックス、ポリ
エチレンラテックス、ポリブテンラテックス、スチレン
−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体ラテックス、アクリレート−ブタジ
エン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタ
ジエン共重合体ラテックス及びこれらをカルボキシル変
性したもの等が挙げられる。これらは単独で、又は2種
類以上を組み合わせて使用することができる。
【0017】ゴムラテックスの製造に用いる水として
は、例えば、重合用水、重合後の固形分濃度を調整する
水等が挙げられるが、これらには超純水を用いる。
【0018】ゴムラテックスの重合に用いる単量体、乳
化剤、重合開始剤、pH調整剤等の原料には、化学式中
にナトリウムを含まないものを用いる。好ましくは化学
式中にその他の金属も含まないものを用いる。以下に、
化学式中にナトリウムもその他の金属も含まない上記原
料(単量体、乳化剤、重合開始剤、pH調整剤)につい
て具体例を挙げて説明する。
【0019】単量体の具体例としては、スチレン、アル
キルスチレン、ビニルピリジン等のビニル芳香族単量
体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニ
トリル等のエチレン性不飽和ニトリル単量体;1,3−
ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン
単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等のエチレン性不
飽和カルボン酸エステル単量体;アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;エ
チレン、ブテン等が挙げられる。
【0020】乳化剤の具体例としては、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等
の非イオン系乳化剤;ミリスチミン酸のアンモニウム
塩、パルミチン酸のアンモニウム塩、オレイン酸のアン
モニウム塩、リノレン酸のアンモニウム塩、高級アルコ
ール硫酸エステルのアンモニウム塩、アルキルアリルス
ルホン酸のアンモニウム塩等のアニオン系乳化剤;トリ
メチルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウ
ムクロライド、ベンジルアンモニウム塩、第4級アンモ
ニウム塩等のカチオン系乳化剤等を挙げることができ
る。これら乳化剤は単独で、又は2種類以上を組み合わ
せて使用することができる。
【0021】重合開始剤の具体例としては、過硫酸アン
モニウム、過酸化水素等の無機系開始剤;t−ブチルパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メ
ンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、アセチル
パーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタ
ノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキ
サイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキ
サイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機
過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキ
サンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ
化合物等を挙げることができる。これらの無機系開始剤
及び有機系開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種類
以上を組み合わせて使用することができる。更に、ゴム
ラテックスの重合には、上記重合開始剤と化学式中にナ
トリウムもその他の金属も含まない還元剤とを組み合わ
せたレドックス系開始剤を用いることもできる。化学式
中にナトリウムもその他の金属も含まない還元剤の具体
例としては、ジメチルアニリン、ヨウ化水素、硫化水
素、ヒドラジン、ジイミド、ギ酸、アルデヒド、L−ア
スコルビン酸等が挙げられる。
【0022】pH調整剤の具体例としては、アンモニア
水、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム等が挙げら
れる。これらpH調整剤は、それぞれ単独で、あるいは
2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0023】ナトリウムの含有量が少ないゴムラテック
スは、上記の原料を用いて公知の重合方法で重合して得
る。重合に用いる反応缶や攪拌翼は、重合前にイオン交
換水等で洗浄しておくことが好ましい。洗浄方法として
は特に限定されないが、80℃以下のイオン交換水を反
応缶に入れて10〜30分間程度攪拌して洗浄する方法
が好ましい。
【0024】ナトリウムの含有量が少ないゴムラテック
スは、化学式中にナトリウムを含まない原料からなるゴ
ムラテックスを限外濾過しても得ることができる。ゴム
ラテックスを限外濾過する方法としては、例えば、限外
濾過装置を用いて、ゴムラテックスを循環させ、該ラテ
ックス中のナトリウムを除去することが挙げられる。固
形分濃度や濾過速度などの限外濾過の条件は特に限定さ
れないが、通常、固形分濃度は5〜40重量%、循環レ
ートは50〜300ml/sec程度である。
【0025】また、ナトリウムの含有量が少ないゴムラ
テックスは、化学式中にナトリウムを含む原料からなる
ゴムラテックスを限外濾過しても得ることができる。
【0026】上記ゴムラテックスを用いてゴム手袋を形
成するには、まず、ゴムラテックスに必要に応じて加硫
剤、加硫促進剤、増粘剤、pH調整剤、凝固剤、充填剤
等の配合剤を混合してゴム手袋製造用ラテックス組成物
を形成する。
【0027】これら配合剤には化学式中にナトリウムを
含まないものを選定する。好ましくは化学式中にその他
の金属も含まないものを選定する。以下に、化学式中に
ナトリウムもその他の金属も含まない配合剤について具
体例を挙げて説明する。
【0028】加硫剤の具体例としては、コロイド硫黄、
硫黄華、塩化硫黄等の硫黄又は硫黄化合物;ヘキサメチ
レンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン等のポリアミン類;エチレングリコールジ
メタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト等の多価アルコールメタクリレート類等が挙げられ
る。
【0029】加硫促進剤の具体例としては、n−ブチル
アルデヒド−アニリン縮合物;ブチルアルデヒド−モノ
ブチルアミン縮合物等のアルデヒド−アミン縮合物類等
が挙げられる。
【0030】増粘剤の具体例としては、ポリアクリル酸
アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコール、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カゼイ
ン、ゼラチン等が挙げられる。
【0031】凝固剤の具体例としては、例えば、ポリオ
ルガノシロキサン、ポリビニルメチルエーテル、ポリプ
ロピレングリコール等の感熱凝固剤が挙げられる。
【0032】充填剤の具体例としては、ガラス繊維、木
粉、コルク粉末、紙の細片、布の細片等が挙げられる。
これら充填剤は使用前に、5〜70℃程度の超純水で5
〜30分間程度洗浄することが好ましい。
【0033】本発明のゴム手袋は、ゴム手袋の表面の層
を上記のゴム手袋製造用ラテックス組成物で形成するこ
とで得られる。ゴム手袋を形成する方法としては、例え
ば、手の形状に形成された木型あるいはガラス型等の成
形型を超純水にて洗浄した後、ゴム手袋製造用ラテック
ス組成物に浸漬し、所定時間浸漬後に成形型を引き上
げ、所定の乾燥厚さになるように余分なラテックス組成
物を流下させ、乾燥及び加硫することで製造する方法
(直接浸漬法);上記のゴム手袋製造用ラテックス組成
物に感熱性の凝固剤を添加し、このラテックス組成物に
加熱した成形型を浸漬し、成形型に付着したラテックス
組成物をゲル化させ、以下の工程は上記と同様にして手
袋を製造する方法(感熱浸漬法)や凝固浸漬法等が挙げ
られる。
【0034】本発明のゴム手袋の形成には、手の形状に
形成された木製あるいはガラス製等の成形型を5〜70
℃の超純水で10〜30分間程度洗浄したものを使用す
ることが好ましい。
【0035】また、本発明のゴム手袋には、ゴム手袋の
着脱を容易にしたり、手触りを良くする等の為に、成形
型に繊維製の手袋を被せて手袋を製造することもでき
る。繊維製の手袋を成形型に被せて本発明のゴム手袋を
形成する場合には、該繊維製の手袋を使用前に超純水で
洗浄し、更に乾燥したものを使用することが好ましい。
繊維製の手袋を超純水で洗浄し、乾燥する方法は特に限
定されないが、例えば、タンブラー式洗浄機等を用い、
5〜70℃程度の超純水で10〜30分程度攪拌して洗
浄し、洗浄後に40〜70℃程度に調整した乾燥機で3
時間程度乾燥する方法等が挙げられる。
【0036】本発明のゴム手袋において、表面のゴム層
の厚さは特に限定されないが、通常、0.05〜1mm
程度である。
【0037】本発明のゴム手袋は複数のゴム層からなる
手袋であってもよい。複数のゴム層からなる手袋は、直
接浸漬法等の方法で成形型の表面に、又は、繊維製の手
袋を成形型に被せた場合には該繊維製の手袋の表面に最
下層のゴム層を形成し、その表面に順次ゴム層を積層し
て形成することができるが、手袋の表面のゴム層はナト
リウム及びその他の金属を含まない原料で形成すること
が必要である。
【0038】また、本発明のゴム手袋は、ゴム手袋製造
用ラテックス組成物を使用して直接浸漬方法等でゴム手
袋を形成し、更に該ゴム手袋を超純水で洗浄する方法で
も得られる。超純水で洗浄する方法としては特に限定さ
れないが、例えば、タンブラー式洗浄機等を用い、5〜
70℃程度の超純水で10〜30分程度攪拌して洗浄す
る方法が挙げられる。
【0039】また、本発明のゴム手袋は、ナトリウムの
溶出量が200ppb以上のゴム手袋を超純水で洗浄す
る方法でも得ることができる。ゴム手袋を洗浄する方法
としては特に限定されないが、例えば、タンブラー式洗
浄機を用い、5〜70℃程度の超純水で10〜60分程
度攪拌して洗浄する方法が挙げられる。
【0040】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。なお、実施例及び比較例における部
及び%は重量基準であり、重合体ラテックスの重量は固
形分換算である。また、本発明における評価方法は下記
の通りである。
【0041】ゴム手袋から溶出する金属の量は下記の測
定方法によって測定した値である。 (サンプル溶液の作製方法)内容積50mlのポリプロ
ピレン容器を超純水で洗浄し、更に60℃の超純水に容
器を完全に浸漬して1時間静置する。この容器に超純水
を30ml入れ、更にこの容器を超純水が入ったウォー
ターバスに入れて容器内部の超純水を60℃に保持し、
手袋の人指し指(表面積が15cm2まで)をこの容器
の超純水に浸す。30分後、手袋を引きあげて残った溶
液をサンプル溶液とする。このサンプル溶液の作製に使
用した超純水は、MILLI−QLabo(日本ミリポ
ア(株)製)を用いて得られる比抵抗値が18.3MΩ
/cm以上の超純水である。
【0042】(ナトリウム、カリウムの測定方法)原子
吸光(セイコー電子(株)製:SAS7500A;光源
は炎光)を用いてサンプル溶液中のナトリウム及びカリ
ウムの吸光度が最大時の波長をそれぞれ求める。この波
長と検量線とからサンプル溶液中のナトリウム及びカリ
ウムの含有量を読み取る。なお、検量線は、ナトリウ
ム、カリウムの金属標準液(和光純薬(株)製)を希釈
して任意の濃度の溶液を調製し、これを原子吸光で測定
してそれぞれ作成したものである。
【0043】(アルミニウム、マグネシウム、鉄の測定
方法)MIP−MS(日立製作所製:P−6000)を
用いて内部標準法(内部標準元素はCo)、O2混入量
は60ml/minの条件でサンプル溶液を測定した。
この結果について、内部標準元素及び各金属の固有値
(コバルトはm/z=59、アルミニウムはm/z=2
7、マグネシウムはm/z=24、鉄はm/z=56)
のところの質量の値を読み取り、サンプル溶液中の各金
属の含有量を計算する。
【0044】(カルシウムの測定方法)ICP−AES
(セイコー電子(株)製:STS−1200AR)でサ
ンプル溶液を測定し、カルシウムの吸光度が最大時の波
長を求める。この波長と検量線とからサンプル溶液中の
カルシウムの含有量を読み取る。なお、検量線は、カル
シウムの金属標準液(和光純薬(株)製)を希釈して任
意の濃度の溶液を調製し、これをICP−AESで測定
して作成したものである。
【0045】参考例(ゴムラテックスAの製造) 窒素置換した反応器に、アクリロニトリル38.0部、
1,3−ブタジエン59.5部、メタクリル酸2.5
部、TDM(t−ドデシルメルカプタン)0.4部、
1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキ
サイド0.1部、ジメチルアニリン0.008部、超純
水120部及びポリオキシエチレンアルキルエーテル
6.0部を仕込み、5℃に保持して40時間攪拌し重合
して重合体ゴムAのラテックスを得た。重合終了後の重
合転化率は95%であった。又、表1に記載の製造原料
とする以外は上記と同様にして重合体ゴムB及び重合体
Cのラテックスを得た。
【0046】
【表1】
【0047】実施例1 コロイド硫黄(細井化学社製)1.0部、硫黄華(正同
化学社製)1.5部、JR600A(酸化チタン:TA
YCA社製)0.7部、ジベンゾチアジルジスルフィド
(加硫促進剤:大内新興社製)0.5部、ポリアクリル
酸アンモニウム(分散剤:BASF社製)0.2部、ア
ンモニア水(5%水溶液)0.6部(固形分換算で0.
03部)、超純水3.36部を混合し、固形分濃度が5
0%の加硫剤分散液を作製した。重合体ゴムAのラテッ
クス100部に加硫剤分散液3.93部及びポリアクリ
ル酸アンモニウム(増粘剤:BASF社製)0.5部を
添加し、30分攪拌してゴム手袋形成用ラテックス組成
物を得た。
【0048】一方、40℃の超純水で20分間洗浄し、
50℃で3時間乾燥したメリヤス製手袋をしわにならな
いようにガラス製成形型に装着し、これを上記のラテッ
クス組成物に30秒間浸漬した。その後、成形型を引き
上げ、余剰液がすべて垂れるように指先部を下にして5
分間放置した後、80℃に調整された乾燥機内で20分
乾燥させた。更に、120℃に調整された乾燥機内で3
0分間放置して加硫させ、乾燥機から取り出して室温で
放置し冷却を行った。冷却後、型から手袋を剥がして本
発明のゴム手袋を得た。この手袋の超純水により溶出さ
れるナトリウム量及びその他の金属の量を測定した。結
果を表2に示す。上記と同様にして実施例2のゴム手袋
を作製した。これらの手袋の超純水により溶出されるナ
トリウム量及びその他の金属の量を測定した。結果を表
2に示す。
【0049】実施例3 ゴム手袋形成用ラテックス組成物に重合体ゴムCのラテ
ックスを用いる以外は実施例1と同様にしてゴム手袋を
得た。更に、この手袋を40℃の超純水10リットルが
入った攪拌機付きのガラス製容器(内容積20リット
ル)に、ゴム手袋を投入し30分間洗浄した。30分
後、ゴム手袋を引き上げて室温で2時間放置して実施例
4のゴム手袋を得た。この手袋の超純水により溶出され
るナトリウム量及びその他の金属の量を測定した。結果
を表2に示す。
【0050】比較例1 ゴム手袋形成用ラテックス組成物に重合体ゴムCのラテ
ックスを用いる以外は実施例1と同様にして比較例1の
ゴム手袋を得た。このゴム手袋について、超純水により
溶出されるナトリウム量及びその他の金属の量を測定し
た。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】表2より、実施例1はゴムラテックスの重
合に用いる原料とゴム手袋形成用ラテックス組成物にナ
トリウムを含まない原料を用いた例であり、ゴム手袋の
ナトリウムの溶出量が検出限界以下であることがわか
る。実施例2は実施例1と比較すると、重合体ゴムの組
成のみが異なる例である。実施例3は重合体ゴムの重合
にナトリウムを含む乳化剤を併用し、且つ、その重合体
ゴムからなるゴム手袋を超純水で洗浄した例であり、ナ
トリウムを含む乳化剤を併用してもゴム手袋の形成後に
超純水で洗浄することでナトリウムの溶出量の少ないゴ
ム手袋が得られることがわかる。一方、比較例1は実施
例3と比較すると、超純水でゴム手袋を洗浄しない場合
であり、ナトリウムの溶出量が多いことがわかる。
【0053】
【発明の効果】かくして本発明によれば、超純水により
溶出されるナトリウムの量が少ないゴム手袋を得ること
ができる。また、このゴム手袋は手袋が触れる対象物へ
の金属の移行量が少ないゴム手袋である。本発明のゴム
手袋は電子部品の製造用に特に好適である。
【0054】(態様)本発明の態様としては、以下のゴ
ム手袋を挙げることができる。 (1)超純水により溶出されるナトリウムの量が200
ppb以下であるゴム手袋。 (2)超純水により溶出されるナトリウムの量が好まし
くは100ppb以下、更に好ましくは50ppb以下
である(1)に記載のゴム手袋。 (3)超純水により溶出されるその他の金属(カリウ
ム、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、鉄)の
量が500ppb以下である(1)又は(2)に記載の
ゴム手袋。 (4)ゴム手袋が化学式中にナトリウムを含まない単量
体、水、乳化剤、重合開始剤、pH調整剤からなるゴム
ラテックスを用いて形成したものである(1)〜(3)
のいずれかに記載のゴム手袋。 (5)ゴム手袋がアクリロニトリル−ブタジエン共重合
体ラテックス、又はカルボキシル変性アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体ラテックスを用いて形成したもの
である(1)〜(4)のいずれかに記載のゴム手袋。 (6)ゴム手袋が限外濾過してナトリウムの含有量を低
減したゴムラテックスを用いて形成したものである
(1)〜(5)のいずれかに記載のゴム手袋。 (7)ゴム手袋が化学式中にナトリウムを含まない加硫
剤、加硫促進剤、増粘剤、pH調整剤、充填剤、凝固剤
を用いて形成されたものである(1)〜(6)のいずれ
かに記載のゴム手袋。 (8)ゴム手袋が5〜70℃の超純水で10〜60分間
洗浄して得られるゴム手袋である(1)〜(7)のいず
れかに記載のゴム手袋。 (9)(1)〜(8)のいずれかに記載のゴム手袋が、
クリーンルーム内で製造される電子部品の製造用ゴム手
袋である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超純水により溶出されるナトリウムの量
    が200ppb以下であることを特徴とするゴム手袋。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005095508A1 (ja) * 2004-03-31 2008-02-21 日本ゼオン株式会社 ディップ成形用組成物およびディップ成形品
WO2017010297A1 (ja) * 2015-07-16 2017-01-19 日本ゼオン株式会社 ディップ成形品および保護手袋

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