JPH1130265A - ショックアブソーバの減衰力可変機構および該減衰力可変機構を用いた減衰力可変型ショックアブソーバ - Google Patents

ショックアブソーバの減衰力可変機構および該減衰力可変機構を用いた減衰力可変型ショックアブソーバ

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JPH1130265A
JPH1130265A JP18470397A JP18470397A JPH1130265A JP H1130265 A JPH1130265 A JP H1130265A JP 18470397 A JP18470397 A JP 18470397A JP 18470397 A JP18470397 A JP 18470397A JP H1130265 A JPH1130265 A JP H1130265A
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valve
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pilot valve
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Mitsuo Sasaki
光雄 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ソレノイド通電時における吸着性を低下させる
ことなしに、パイロット弁部の耐久性を向上させること
ができるショックアブソーバの減衰力可変機構の提供。 【解決手段】減衰力可変ディスクバルブ61の背面側に
形成された背圧室の液圧を、ソレノイド駆動によるパイ
ロット弁73の開閉制御により発生するパイロット液圧
により制御することにより、ショックアブソーバSAの
減衰力を可変制御するショックアブソーバの減衰力可変
機構31において、パイロット弁73を固定部73aと
可動部73bとを有するばね鋼からなる板材で構成し、
前記パイロット弁73の可動部73aにパイロット弁材
よりも炭素含有量の少ない鉄材からなる磁束補強プレー
ト74を浮動自在に積層した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ショックアブソーバの
減衰力可変機構および該減衰力可変機構を用いた減衰力
可変型ショックアブソーバに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ショックアブソーバの減衰力特性
を可変するための減衰力可変機構としては、例えば、特
開平5−118374号公報「圧力調整弁組立体」に記
載されたようなものが知られている。この従来例の減衰
力可変機構では、ソレノイド手段によりパイロット圧力
室内の流体圧力を制御することにより、減衰力を可変す
る絞り弁(ディスクバルブ)の背圧室内の圧力をコント
ロールして減衰力をリアルタイムに可変する構造のもの
が提案されている。そして、前記ソレノイドのアーマチ
ュアがテーパ状の板で形成され、その片端が支持された
状態で取り付けられ、パイロット圧力室内の流体の圧力
によってフラッパのように開閉するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
の減衰力可変機構では、上述のように、構成されるた
め、以下に述べるような問題点があった。即ち、テーパ
状のアーマチュアは、ソレノイド通電時に磁路の一部と
なって弁座に吸着し、無通電時にはパイロット圧力室内
の流体圧力による押圧で弁座から浮き上がることになる
が、この現象が減衰力をリアルタイムに可変させるため
に、高周波で繰り返されるため、この弁座とアーマチュ
アとの当接部の摩耗による耐久性が問題となる。そこ
で、両部品の当接部分の表面硬度を高くする必要があ
る。しかしながら、表面硬度を高くするためには、焼き
入れ等により鉄(磁性体)の炭素含有量を多くすること
は可能であるが、前述のようにこのアーマチュアが磁路
を構成する関係で、炭素含有量を多くすると、この部品
の最大飽和磁束密度が低下してしまい、ソレノイドの通
電時における吸着力が低下し、その結果、パイロット圧
力室内の流体圧力が低下して最大発生減衰力が低下する
という不具合が生じる。
【0004】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、ソレノイド通電時における吸着性を低
下させることなしに、パイロット弁部の耐久性を向上さ
せることができるショックアブソーバの減衰力可変機構
を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明請求項1記載のショックアブソーバでは、
減衰力可変ディスクバルブの背面側に形成された背圧室
の液圧を、ソレノイド駆動によるパイロット弁の開閉制
御により発生するパイロット液圧により制御することに
より、ショックアブソーバの減衰力を可変制御するショ
ックアブソーバの減衰力可変機構において、前記パイロ
ット弁を固定部と可動部とを有するばね鋼からなる板材
で構成し、前記パイロット弁の可動部に前記パイロット
弁材よりも炭素含有量の少ない鉄材からなる磁束補強プ
レートを1枚もしくは複数枚浮動自在に積層した手段と
した。請求項2記載の減衰力可変型ショックアブソーバ
では、シリンダ内を上部室と下部室とに画成して摺動す
るピストンボディには上部室と下部室との間を連通する
伸側上部連通孔および圧側上部連通孔が設けられ、前記
ピストンボディの軸方向両端面には伸側上部連通孔およ
び圧側上部連通孔の流通をそれぞれ制限的に許容するこ
とで高い減衰力を発生させる伸側高減衰バルブおよび圧
側高減衰バルブが設けられ、伸行程時に前記伸側高減衰
バルブをバイパスしてシリンダの上部室と下部室との間
を連通させる伸側バイパス流路および該伸側バイパス流
路の途中に介装されていて該流路断面積を変化可能な請
求項1に記載の減衰力可変機構と、圧行程時にシリンダ
の下部室と上部室との間を連通させる圧側バイパス流路
および該圧側バイパス流路の途中に介装されていて該流
路断面積を変化可能な請求項1に記載の減衰力可変機構
とが設けられている手段とした。
【0006】
【作用】本発明請求項1記載のショックアブソーバの減
衰力可変機構では、パイロット弁を固定部と可動部とを
有するばね鋼からなる板材で構成したことで、摩耗によ
る耐久性の問題を解消することができると共に、前記パ
イロット弁の可動部に前記パイロット弁材よりも炭素含
有量の少ない鉄材(強磁性体)からなる磁束補強プレー
トを1枚もしくは複数枚浮動自在に積層した構成とした
ことで、ソレノイド通電時におけるパイロット弁の吸着
力が高められ、これにより、最大減衰力設定値を高め
て、減衰力チューニングの自由度を高めることができる
ようになる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。まず、発明の実施の形態の減衰力可変機
構が適用されたショックアブソーバSAの構成を図1〜
図3に基づいて説明する。
【0008】図1は、発明の実施の形態の減衰力可変機
構が適用されたショックアブソーバSAを示す全体断面
図、図2は後述の伸側減衰力可変機構部分を示す拡大断
面図、図3は後述のピストン部分を示す拡大断面図であ
る。
【0009】このショックアブソーバSAは、図1に示
すように、作動液が充填されたシリンダ21と、該シリ
ンダ21内を上部室21aと下部室21bとに画成して
摺動自在に設けられたピストン22と、シリンダ21の
外周にリザーバ室23aを形成する外筒23と、下部室
21bとリザーバ室23aとの間をシリンダ21の下端
部において画成したベース24と、該ベース24に設け
られリザーバ室23aから下部室21b方向への流通の
みを許容するチェック流路24aおよび下部室21bか
らリザーバ室23a方向への流通のみを許容するチェッ
ク流路24cと、下端にピストン22が固定されたピス
トンロッド25と、ピストンロッド25の摺動をガイド
すると共に上部室21aとリザーバ室23aとの間をシ
リンダ21の上端部において画成するガイド部材26
と、シリンダ21と外筒23との間に設けられていてシ
リンダ21の上部外周面との間に上部室21aと上部連
通孔21cを経由して連通する上部環状流路28aを形
成する上部連通筒28と、シリンダ21と外筒23との
間に設けられていてシリンダ21の下部外周面との間に
下部連通溝24bを経由して下部室21bと連通する下
部環状流路29aを形成する下部連通筒29と、図2に
もその詳細を示すように、上部環状流路28aとリザー
バ室23aとの間を連通する伸側連通流路31aを形成
すると共に該伸側連通流路31aの流通量を可変制御す
る伸行程側減衰力可変機構31と、該伸行程側減衰力可
変機構31をバイパスしてリザーバ室23aから上部環
状流路28a方向への流通のみを許容するチェック流路
32と、同じく図2にその詳細を示すように、下部環状
流路29aとリザーバ室23aとの間を連通する圧側連
通流路33aを形成すると共に該圧側連通流路33aの
流通量を可変制御する圧行程側減衰力可変機構33と、
該圧行程側減衰力可変機構33をバイパスしてリザーバ
室23aから下部環状流路29a方向への流通のみを許
容するチェック流路34と、を備えている。
【0010】また、前記ピストン22には、図3にもそ
の詳細を示すように、伸側ディスクバルブ(伸側高減衰
バルブ)22aにより上部室21aから下部室21b方
向への流通のみを制限的に許容することで高い減衰力を
発生させる伸側連通孔22bと、圧側ディスクバルブ
(圧側高減衰バルブ)22cにより下部室21bから上
部室21a方向への流通のみを制限的に許容することで
高い減衰力を発生させる圧側連通孔22dとが設けられ
ている。
【0011】次に、前記伸行程側減衰力可変機構31の
構造を、図2に基づいて詳細に説明する。前記外筒23
に開設された開口部には、環状のベース51の一端が溶
接固定され、他端開口端面側には該開口端面を閉塞する
状態でバルブボディ52がボルト53により締結固定さ
れている。
【0012】一方前記ベース51内における同軸位置の
上部連通筒28に開設された開口部には、ジョイント5
4の一端が溶接固定され、該ジョイント54の他端内周
側にはシールリング55を介してガイドチューブ56の
一端小径側が圧入接続され、さらに、該ガイドチューブ
56の他端大径側には、前記バルブボディ52の内面側
突出部52aが圧入固定され、これにより、上部環状流
路28aとリザーバ室23aとの間がバルブボディ52
を介して画成された状態となっている。
【0013】前記バルブボディ52の外面側には、前記
ボルト53により、ケーシング57の一端開口部が締結
固定され、このケーシング57内とリザーバ室23aと
の間がバルブボディ52の外周側に穿設された連通孔5
2bにより常時連通された状態となっている。
【0014】また、前記バルブボディ52の軸心穴に
は、外方から内方に向けてステータ58の一端小径部が
挿通されている。即ち、ステータ58の一端小径部に
は、大径部側から、コイルケース59、カラー60、
(伸側)減衰力可変ディスクバルブ61、バルブボディ
52、(伸側)チェックバルブ62、カラー63が順次
装着され、最後にナット64で締結されることにより各
部材の組み付けが行われている。そして、前記バルブボ
ディ52には、連通孔52bを介してリザーバ室23a
と常時連通状態にあるケーシング57内から前記(伸
側)チェックバルブ62を開弁することで上部環状流路
28a方向への流通を確保する(伸側)チェック流路3
2と、上部環状流路28aから(伸側)減衰力可変ディ
スクバルブ61を開弁することでケーシング57内方向
への流通を確保する(伸側)連通流路31aとが形成さ
れている。
【0015】前記ステータ58には、その軸心部を貫通
する状態でパイロット圧力室65が形成され、該パイロ
ット圧力室65の下端開口部には、上部環状流路28a
からパイロット圧力室65への作動液の流入流量を規制
するための小孔66aが穿設されたパイロットブッシュ
66が圧入されている。また、前記ナット64にはパイ
ロット圧力室65内への異物(コンタミ等)の侵入を阻
止するフィルタ67が組み込まれている。
【0016】前記ステータ58の大径部外周面とコイル
ケース59との間にはソレノイドコイル68および非磁
性体よりなるコイルアシストプレート69が収容され、
コイルケース59の先端側外周面とケーシング57との
間にはハーネス70の固定を兼ねて樹脂等の非磁性体で
一体形成されたモールド材71が収容され、また、ケー
シング57の先端開口部内には、モールド材71および
コイルケース59の先端開口端面に当接する状態でカバ
ー72が収容され、ケーシング57の先端開口縁部を内
側に折曲げてかしめることにより固定されている。
【0017】前記ステータ58の大径側端面には、パイ
ロット弁73が当接する弁座58aが突出形成されてい
る。このパイロット弁73は、図4にもその詳細を示す
ように、硬質なばね鋼からなる一枚の薄い板材を打ち抜
くことにより、外周固定部73aと内周可動部73bと
の間を一つの接続部73cで接続した構造に形成されて
いる。そして、このパイロット弁73は、その外周固定
部73aをコイルアシストプレート69とカバー72と
の間に挟持固定することにより、無負荷状態で内周可動
部73bが弁座58aに当接する状態で組み込まれてい
る。
【0018】また、パイロット弁73の可動部73bと
対面するカバー72の内面側には、窪み72aが形成さ
れ、該窪み72a内には、内周可動部73bに積層され
た状態で、円板状の磁束補強プレート74が浮動自在に
収容されている。この磁束補強プレート74は、図4に
もその詳細を示すように、パイロット弁73の構成材よ
りも炭素含有量の少ない鉄材(強磁性体)で構成され、
その外周部には、窪み72a内での移動がスムーズに行
えるように作動液の流通路を形成する切欠部74aが形
成されている。
【0019】そして、この磁束補強プレート74は、前
記パイロット弁73、ステータ58、コイルケース59
およびカバー72と共にソレノイドコイル68への通電
時における磁路を形成する。
【0020】前記コイルアシストプレート69と、コイ
ルケース59と、モールド材71には、窪み72a内と
ケーシング57内との間を連通する戻り流路75が形成
されている。
【0021】前記コイルケース59の基部側外周面に
は、閉弁力をアシストすると共に背圧室77を形成する
ためのアシストリング76が摺動シール材76aを介し
て摺動自在に設けられている。このアシストリング76
は、内方に向け突出した内側開口端面を減衰力可変ディ
スクバルブ61の背面外周縁部に当接させることによ
り、減衰力可変ディスクバルブ61における受圧側とは
反対の背面側にケーシング57内とは画成された背圧室
77を形成している。そして、前記アシストリング76
の外側開口端面とモールド材71との間には、アシスト
リング76を減衰力可変ディスクバルブ61方向に所定
の軽いセット荷重を与える方向に付勢するアシストスプ
リング78が装着されている。
【0022】前記ステータ58の小径部側壁と、コイル
ケース59における背圧室77形成面には、パイロット
圧力室65内と背圧室77との間を連通するパイロット
圧導入路79が形成されている。なお、図において、8
0は固定シール部材、50はグロメットを示す。
【0023】また、前記圧行程側減衰力可変機構33
は、前記伸行程側減衰力可変機構31と同一構造である
ため同一の構成部分には同一の符号を用いてその説明を
省略する。
【0024】この発明の実施の形態のショックアブソー
バSAでは、上述のように構成されるため、伸行程時に
流体が流通可能な流路としては、上部室21aから伸側
連通孔22bを経由し伸側ディスクバルブ22aを開弁
して下部室21bに流入する伸側主流路(図3参照)
と、上部室21aから上部連通孔21c、上部環状流路
28a、伸側連通流路31a、リザーバ室23a、チェ
ック流路24aを経由して下部室21bに流入する伸側
バイパス流路との2つの流路があり、また、圧行程時に
流体が流通可能な流路としては、下部室21bから圧側
連通孔22dを経由し圧側ディスクバルブ22cを開弁
して上部室21aに流入する圧側主流路(図3参照)
と、下部室21bから下部連通溝24b、下部環状流路
29a、圧側連通流路33a、リザーバ室23a、チェ
ック流路34、上部環状流路28a、上部連通孔21c
を経由して上部室21aに流入する圧側バイパス流路と
の2つの流路がある。
【0025】従って、伸行程側の減衰力特性は、伸側バ
イパス流路を閉じるとハード特性、開くとソフト特性と
なり、さらに、伸側バイパス流路の絞り開度を可変制御
することにより、ハード特性とソフト特性との間で任意
の特性に可変制御することができる。
【0026】一方、圧行程側の減衰力特性は、圧側バイ
パス流路を閉じるとハード特性、開くとソフト特性とな
り、さらに、圧側バイパス流路の絞り開度を可変制御す
ることにより、ハード特性とソフト特性との間で任意の
特性に可変制御することができる。
【0027】そして、前記伸側バイパス流路の流路断面
積は、伸行程側減衰力可変機構31のソレノイドコイル
68に対する駆動信号を可変制御することにより任意の
流路断面積に可変制御することができる。また、前記圧
側バイパス流路の流路断面積は、圧行程側減衰力可変機
構33のソレノイドコイル68に対する駆動信号を可変
制御することにより任意の流路断面積に可変制御するこ
とができる。
【0028】即ち、ソレノイドコイル68に対する通電
を解除した(無通電)状態では、パイロット圧力室65
内にはパイロットブッシュ66の小孔66aを経由し、
ピストン22で画成されたシリンダ21の一方の室の加
圧液圧が供給される一方、パイロット弁73の背圧室側
となる窪み72a内は、戻り流路75等を経由して連通
されたリザーバ室23a内の液圧と同圧となっているた
め、差圧によりパイロット弁73の内周可動部73bが
弁座58aから押し離されて開弁し、これにより、パイ
ロット圧力室65内の作動液が流出するため、パイロッ
ト圧力室65および背圧室77内の液圧がリザーバ室2
3a内の液圧と同圧状態まで低下する。従って、減衰力
可変ディスクバルブ61は、アシストスプリング78の
軽いセット荷重に抗して容易に開弁し、作動液のほぼ全
流量がバイパス流路側を流れピストン22側やベース2
4側を流れることはないため、この時の発生減衰力は減
衰力可変ディスクバルブ61で決定されるソフト特性と
なる。
【0029】一方、ソレノイドコイル68に対し通電し
た状態では、符号を省略した図5の矢印で示すように、
ソレノイドコイル68、コイルケース59、カバー7
2、磁束補強プレート74、パイロット弁73、およ
び、ステータ58を巡る磁路が形成され、パイロット弁
73が弁座58aに吸着されるため、パイロット弁73
が閉弁状態に維持され、これにより、パイロット圧力室
65内の圧力が維持された状態となる。
【0030】従って、減衰力可変ディスクバルブ61の
受圧側とパイロット圧力室65内の圧力が導入される背
圧室77とが同圧となるため、アシストスプリング78
のセット荷重により減衰力可変ディスクバルブ61が閉
弁状態に維持され、バイパス流路が完全に閉じられた状
態となるため、作動液のほぼ全流量がピストン22側を
流れ、伸側ディスクバルブ22aまたは圧側ディスクバ
ルブ22cを開弁して流通するため、この時の発生減衰
力は伸側ディスクバルブ22aまたは圧側ディスクバル
ブ22cで決定されるハード特性となる。
【0031】また、図6に示すように、PWM(パルス
ワイズモジュレーション)制御によりソレノイドコイル
68に対する通電電流のON−OFFを所定の高周波周
期Tsで繰り返して与え、この時のある単位時間T内の
ON状態の時間の割合(ONDuty)を0%〜100
%の間で任意に可変制御することにより、図7に示すよ
うに、ソフト特性(0%)とハード特性(100%)の
間で、その割合(%)に応じた減衰力特性に可変制御す
ることができる。
【0032】また、以上のように、パイロット弁73の
開閉が高周波周期で繰り返されることから、パイロット
弁73における弁座58a当接部の摩耗による耐久性が
問題になるが、この発明の実施の形態では、弁座58a
に当接するパイロット弁73自体は硬質なばね鋼からな
る一枚の薄い板材で構成することにより摩耗による耐久
性の問題を解消させている。
【0033】一方、該パイロット弁73を構成するばね
鋼は、炭素含有量が多く最大飽和磁束密度が低いため、
ソレノイドコイル68通電時における弁座58aに対す
る吸着力が低下し、これにより、最大減衰力設定値を低
下させてしまうという問題が生じるが、この発明の実施
の形態では、炭素含有量の少ない鉄材(強磁性体)で構
成される磁束補強プレート74をパイロット弁73の内
周可動部73bに積層した状態で浮動自在に設けること
により、ソレノイドコイル68通電時における弁座58
aに対するパイロット弁73の吸着力が高められ、これ
により、最大減衰力設定値を高めて、減衰力チューニン
グの自由度を高めることができる。
【0034】以上詳細に説明してきたように、本発明の
実施の形態のショックアブソーバSAでは、磁束補強プ
レート74の積層によりソレノイドコイル68通電時に
おける吸着性を低下させることなく、かつ、パイロット
弁73を硬質なばね鋼からなる一枚の薄い板材で構成す
ることにより、パイロット弁73の耐久性を向上させる
ことができるという効果が得られる。
【0035】また、一般に磁束は、磁性体の表面付近に
多く流れるため、同じ断面積でも薄板を重ね合わせたも
のの方が、一体のものよりもトータル磁束量が多く流れ
るもので、このため、本発明の実施の形態におけるよう
に、所定厚さの磁束補強プレー74を所定枚数重ねて使
用することにより、パイロット弁74における内周可動
部74bの軽量化が図れ、これにより、減衰力可変機構
31の応答性が向上し、ひいてはサスペンションシステ
ムの応答性を向上させることができる。
【0036】以上、発明の実施の形態について説明して
きたが、具体的な構成はこの発明の実施の形態に限られ
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計
変更等があっても本発明に含まれる。
【0037】例えば、発明の実施の形態では、磁束補強
プレートを1枚のみで構成したが、複数枚を積層した状
態で用いることができる。
【0038】また、発明の実施の形態では、磁束補強プ
レートの外周に作動液の流通路を形成するための切欠部
を形成したが、外周に複数の突起部を形成してもよい
し、また、全体または一部に1つまたは複数の貫通穴を
形成するようにしてもよい。
【0039】また、発明の実施の形態では、パイロット
弁の構成として、外周固定方式のものを示したが、固定
部と可動部との位置関係は任意に設定することができ
る。
【0040】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明請求項1
記載の減衰力可変型ショックアブソーバでは、減衰力可
変ディスクバルブの背面側に形成された背圧室の液圧
を、ソレノイド駆動によるパイロット弁の開閉制御によ
り発生するパイロット液圧により制御することにより、
ショックアブソーバの減衰力を可変制御するショックア
ブソーバの減衰力可変機構において、前記パイロット弁
を固定部と可動部とを有するばね鋼からなる板材で構成
し、前記パイロット弁の可動部に前記パイロット弁材よ
りも炭素含有量の少ない鉄材からなる磁束補強プレート
を1枚もしくは複数枚浮動自在に積層した構成としたこ
とで、ソレノイド通電時における吸着性を低下させるこ
となしに、パイロット弁部の耐久性を向上させることが
できるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態の減衰力可変機構が適用され
たショックアブソーバを示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態のショックアブソーバにお
ける減衰力可変機構部分を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の実施の形態のショックアブソーバにお
けるピストン部分を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の減衰力可変機構における
パイロット弁および磁束補強プレートを示す拡大斜視図
である。
【図5】本発明の実施の形態の減衰力可変機構における
磁路を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態の減衰力可変機構における
ソレノイドコイルに対するPM制御状態を示すタイムチ
ャートである。
【図7】本発明の実施の形態の減衰力可変機構における
ピストン速度に対する減衰力可変特性図である。
【符号の説明】
SA ショックアブソーバ 31 減衰力可変機構 73 パイロット弁 73a 外周固定部 73b 内周可動部 74 磁束補強プレート 61 減衰力可変ディスクバルブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減衰力可変ディスクバルブの背面側に形成
    された背圧室の液圧を、ソレノイド駆動によるパイロッ
    ト弁の開閉制御により発生するパイロット液圧により制
    御することにより、ショックアブソーバの減衰力を可変
    制御するショックアブソーバの減衰力可変機構におい
    て、 前記パイロット弁を固定部と可動部とを有するばね鋼か
    らなる板材で構成し、前記パイロット弁の可動部に前記
    パイロット弁材よりも炭素含有量の少ない鉄材からなる
    磁束補強プレートを1枚もしくは複数枚浮動自在に積層
    したことを特徴とするショックアブソーバの減衰力可変
    機構。
  2. 【請求項2】シリンダ内を上部室と下部室とに画成して
    摺動するピストンボディには上部室と下部室との間を連
    通する伸側上部連通孔および圧側上部連通孔が設けら
    れ、 前記ピストンボディの軸方向両端面には伸側上部連通孔
    および圧側上部連通孔の流通をそれぞれ制限的に許容す
    ることで高い減衰力を発生させる伸側高減衰バルブおよ
    び圧側高減衰バルブが設けられ、 伸行程時に前記伸側高減衰バルブをバイパスしてシリン
    ダの上部室と下部室との間を連通させる伸側バイパス流
    路および該伸側バイパス流路の途中に介装されていて該
    流路断面積を変化可能な請求項1に記載の減衰力可変機
    構と、圧行程時にシリンダの下部室と上部室との間を連
    通させる圧側バイパス流路および該圧側バイパス流路の
    途中に介装されていて該流路断面積を変化可能な請求項
    1に記載の減衰力可変機構とが設けられていることを特
    徴とする減衰力可変型ショックアブソーバ。
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