JPH11302587A - 水性メタリックインキ組成物 - Google Patents
水性メタリックインキ組成物Info
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- JPH11302587A JPH11302587A JP10129534A JP12953498A JPH11302587A JP H11302587 A JPH11302587 A JP H11302587A JP 10129534 A JP10129534 A JP 10129534A JP 12953498 A JP12953498 A JP 12953498A JP H11302587 A JPH11302587 A JP H11302587A
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Abstract
定性が優れている。 【解決手段】 金属粉顔料、顔料、アニオン性高分子、
pH安定剤及び増粘剤を含有し、インキ組成物のpHは
8.0〜10に調整される。前記アニオン性高分子とし
ては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポ
リマレイン酸、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビ
ニルピロリドン、エステル−アクリル共重合体、及びカ
ルボキシル基を有する樹脂から選択される。pH安定剤
にはベンゾトリアゾール又はその誘導体が含まれる。
Description
ンキ組成物に関し、さらに詳しくは粘度の経時安定性が
良好な水性メタリックインキ組成物に関する。
水性メタリックインキ組成物では、金属粉顔料と、顔料
及びその分散剤とが用いられている。この顔料の分散剤
としては、アニオン性高分子を用いている場合が多い。
うな顔料分散剤としてのアニオン性高分子は、凝集や析
出して、インキの粘度変化(例えば、粘度上昇)を起こ
すことがある。また、金属粉顔料(特に、アルミニウム
粉顔料)は、インキ中でイオンになりやすく、金属粉顔
料から生じたイオン成分により、インキのpHが変化す
る。特に、インキのpHが低下すると、インキ中のアニ
オン性高分子が凝集又は析出して、インキの粘度が変化
する。なお、インキ中のアニオン性高分子が凝集又は析
出した際のインキの粘度変化は、増粘である場合が多
い。
るインキを用いると、インキの粘度の経時安定性が低
く、長期間にわたって保存すると、増粘し筆記性が低下
する場合がある。
た水性メタリックインキ組成物を提供することにある。
重ねた結果、金属粉顔料、顔料、アニオン性高分子を含
有している水性メタリックインキ組成物において、イン
キのpHを調整すると、保存中におけるインキの粘度変
化を抑制又は防止できることを見出だし本発明を完成さ
せるに至った。すなわち、請求項1の発明は、金属粉顔
料、顔料及びアニオン性高分子を含有するインキ組成物
であって、pHが8.0〜10であることを特徴とする
水性メタリックインキ組成物である。
インキのpHを特定の値に調整しているため、顔料分散
剤としてのアニオン性高分子を用いていても、保存中に
インキが粘度変化を起こすことを抑制又は防止すること
ができる。アニオン性高分子は、アニオン性であるた
め、インキが酸性又は弱アルカリ性(pHが8未満の場
合)であると凝集・析出を起こす又は起こしやすい。ま
た、インキがアルカリ性であっても、強アルカリ(pH
が10を越える場合)では、金属粉顔料が金属の水酸化
物(特にアルミニウム粉顔料が水酸化アルミニウム)に
変換され、インキの金属光沢が消失することがある。従
って、本発明のインキは、特定のpHを有しているた
め、長期間にわたりインキの粘度が制御され、インキの
粘度の経時安定性が優れている。また、金属粉顔料の安
定性も長期間保持することができる。
が8.0〜10の範囲であれば、粘度の経時安定性が優
れているという知見は、従来得られておらず、また開示
もされていない。従って、本発明は新規な発明であり、
粘度の経時安定性を容易に高めることができるので、極
めて有用な発明である。
塩基性無機化合物(以下、「無機塩基」と称する場合が
ある)、塩基性有機化合物(以下、「有機塩基」と称す
る場合がある)などの塩基性化合物を用いることができ
る。
は、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリ
マレイン酸、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニ
ルピロリドン、エステル−アクリル共重合体、及びカル
ボキシル基を有する樹脂から選択された少なくとも一種
を用いることができる。
は、pH安定剤を用いることが好ましい。pH安定剤を
用いると、長期間の保存中などで、金属粉顔料、特にア
ルミニウム粉顔料がイオン化し、遊離しても、インキに
おけるpHの変化(pHの低下)を抑止又は抑制するこ
とができる。従って、pH安定剤を用いると、長期間に
わたってインキを保存しても、インキの粘度の変化を抑
制又は防止することができる。
トリアゾール又はその誘導体を好適に使用できる。
物において、好ましい態様では、さらに、増粘剤が含有
されている水性メタリックインキ組成物が含まれる。
成物は、pHが8.0〜10、好ましくは8.5〜9.
5である。インキのpHが8.0より低すぎるとアニオ
ン性高分子が凝集又は析出を起こしやすくなる。一方、
pHが10より高すぎると金属粉顔料が水酸化物に変換
されて、インキの金属光沢が消失する場合がある。
は、インキ調製時のpHを前記範囲より若干高めに設定
することが好ましい。このように、インキ調製時のpH
を若干高めに設定すると、インキ保存中にpHが若干低
下しても、インキの粘度の経時安定性が高いpHの範囲
を保持することができる。従って、本発明において、イ
ンキ調製時のpHは、例えば、8.3〜10、好ましく
は8.8〜9.8の範囲から選択することが望ましい。
特に、本発明では、インキ調製時のpHは、通常、9程
度が好ましい。
る塩基性化合物としては、特に制限されず、慣用的に使
用されている塩基性化合物を使用することができる。塩
基性化合物としては、例えば、無機塩基、有機塩基を用
いることができる。塩基性化合物は単独で又は二種以上
組み合わせて使用できる。なお、塩基性化合物として
は、無機塩基を使用する場合が多い。
ム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水
酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物など
が含まれる。無機塩基としては、アルカリ金属の水酸化
物、特に水酸化ナトリウムを好適に使用することができ
る。また、有機塩基としては、例えば、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミンなどのモノ、ジ又はトリアルキル
アミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン
などのモノ、ジ又はトリアルコールアミンなどを好適に
使用することができる。
ず、他の成分の種類やその使用量、目的とするインキの
pHに応じて適宜選択できる。より具体的には、塩基性
化合物の使用量は、インキを調製する際のpHが、例え
ば、8.3〜10程度になるような量である。
光沢を有するものが使用でき、水に対する分散性が高い
ものが好ましい。金属粉顔料としては、リーフィングタ
イプであってもよく、ノンリーフィングタイプであって
もよい。金属粉顔料としては、特に制限されず、例え
ば、真鍮粉顔料やアルミニウム粉顔料、特にアルミニウ
ム粉顔料を好適に用いることができる。
は、商品名:アルペーストWJP−U75C(東洋アル
ミニウム社製)、商品名:アルペーストWE1200
(東洋アルミニウム社製)、商品名:アルペーストWX
M7675(東洋アルミニウム社製)、商品名:アルペ
ーストWXM0630(東洋アルミニウム社製)、商品
名:1110W(昭和アルミニウム社製)、商品名:2
172SW(昭和アルミニウム社製)、商品名:AW−
808C(旭化成社製)、商品名:AW−7000R
(旭化成社製)などが例示できる。
S−605(東洋アルミニウム社製)、商品名:BS−
607(東洋アルミニウム社製)、商品名:ブロンズパ
ウダーP−555(中島金属箔粉工業(株)製)、商品
名:ブロンズパウダーP−777(中島金属箔粉工業
(株)製)などが挙げられる。
5μmであることが好ましく、平均粒子径がこの範囲の
金属粉顔料は、筆記性、印刷適正が優れている。
せて使用できる。金属粉顔料の使用量は、例えば、イン
キ組成物全量に対して3〜30重量%、好ましくは4〜
15重量%である。金属粉顔料の使用量が過少である
と、金属光沢が発現しない場合がある。一方、過多であ
ると、固形分が多くなるため、インキ組成物の粘度・流
動性に影響が生じ、粘度の上昇や流動性の低下により、
筆記性などが低下する。
て分散性が良好であれば特に制限なく使用できる。具体
的には、顔料としては、例えば、フタロシアニン系、ス
レン系、アゾ系、キナクリドン系、アントラキノン系、
ジオキサン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノン
系、ペリレン系、イソインドリン系、アゾメチン系など
の有機顔料、酸化チタン、ジンクホワイト、酸化鉄、カ
ーボンブラックなどの無機顔料や、蛍光顔料、プラスチ
ックピグメントを顔料又は染料により着色した顔料など
が挙げられる。好ましい顔料には、有機顔料、無機顔料
が含まれる。
用できる。顔料の使用量は、例えば、インキ組成物全量
に対して0.05〜15重量%、好ましくは1〜10重
量%である。顔料の使用量が過少であると、発色が低
く、また金属粉顔料と組み合わせた場合にメタリック調
の塗膜が得られない場合がある。一方、過多であると、
固形分が多くなるため、インキ組成物の粘度・流動性に
影響が生じ、粘度の上昇や流動性の低下により、筆記性
などが低下する。
は、顔料の凝集を防止して分散安定性を図るため、また
筆跡の皮膜を形成し易くするための顔料分散用樹脂とし
て用いられている。アニオン性高分子は単独で又は二種
以上組み合わせて使用できる。
アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリマレ
イン酸、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルピ
ロリドン、エステル−アクリル共重合体、カルボキシル
基を有する樹脂などが挙げられる。好ましいアニオン性
高分子には、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合
体、エステル−アクリル共重合体、ポリマレイン酸、及
びスチレン−マレイン酸共重合体から選択された少なく
とも一種の樹脂が含まれる。また、アルカリ金属等で中
和された樹脂や上記樹脂の変性物も含まれる。
ず、例えば、インキ組成物全量に対して0.01〜5重
量%、好ましくは0.1〜2重量%、さらに好ましくは
0.3〜1.5重量%である。アニオン性高分子の使用
量が少なすぎると、顔料の凝集・沈降が生じやすく、一
方、多すぎると、粘度が高くなりすぎて筆記性、印刷適
性が低下する。
用いることが好ましい。これは、緩衝作用(pH変化に
対する緩衝作用)を有しているpH安定剤を用いると、
インキのpHを長期間にわたり制御することができる。
従って、金属粉顔料において、イオン成分が遊離して
も、pH安定剤により、インキのpHの変化を抑制又は
防止することができる。
ゾトリアゾール又はその誘導体などが例示できる。1H
−ベンゾトリアゾールの誘導体としては、例えば、4−
メチル−1,H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−
1,H−ベンゾトリアゾール、4−クロロ−1,H−ベ
ンゾトリアゾール、5−クロロ−1,H−ベンゾトリア
ゾール、ベンゾトリアゾールブチルエステルの塩(ナト
リウム塩、アンモニウム塩、銀塩など)などが例示でき
る。なお、好ましいpH安定剤には、ベンゾトリアゾー
ル(1H−ベンゾトリアゾール)又はその誘導体が含ま
れる。
二種以上組み合わせて使用できる。pH安定剤の使用量
については、特に制限されない。例えばベンゾトリアゾ
ール(1H−ベンゾトリアゾール)又はその誘導体の場
合、インキ組成物全量に対して1.5重量%以下、好ま
しくは0.01〜1.0重量%、さらに好ましくは0.
05〜0.15重量%である。pH安定剤の使用量が過
少であると、緩衝作用が低下する。一方、過多である
と、pH安定剤などが溶解しない場合がある。
などのpH安定剤は、防錆剤としての機能も有すること
ができる。
組成物には、必要に応じて、増粘剤を含有させることが
できる。特に、増粘剤として天然多糖類を用いると、疑
塑性プラスチック性を有するインキ、いわゆるゲルタイ
プのインキを得ることができる。
はその誘導体、水溶性植物系多糖類又はその誘導体、水
溶性動物系多糖類又はその誘導体を用いることができ
る。
は、例えば、プルラン、ザンサンガム、ウェランガム、
ラムザンガム、サクシノグルカン、デキストランなどが
例示できる。
例えば、トラガンシガム、グァ−ガム、タラガム、ロ−
カストビ−ンガム、ガティガム、アラビノガラクタンガ
ム、アラビアガム、クイスシードガム、ペクチン、デン
プン、サイリュームシードガム、カラギーナン、アルギ
ン酸、寒天などが含まれる。水溶性動物系多糖類又はそ
の誘導体には、例えば、ゼラチン、カゼインなどが含ま
れる。
多糖類又はその誘導体、特に、ザンサンガム、ウェラン
ガム、ラムザンガムなどが挙げられる。
使用できる。増粘剤の使用量は、いわゆるゲルタイプの
インキを調製する場合、例えば、インキ組成物全量に対
して0.01〜4重量%、好ましくは0.1〜2重量
%、さらに好ましくは0.3〜1.5重量%である。増
粘剤の使用量が少なすぎると、金属粉顔料の分散性が低
下し、金属粉顔料が沈降する場合がある。一方、多すぎ
ると、インキ組成物の粘度が高くなり、筆記性、印刷適
正が低下する。
分散性の向上や金属粉顔料への親水性の付与のために、
金属粉顔料の顔料分散体の定着性を高めるために、また
は、金属粉顔料からのイオン溶出の防止や、筆跡におけ
る皮膜形成促進のために、着色用樹脂を使用することが
できる。
導体、シクロデキストリン又はその誘導体、水溶性大豆
多糖類又はその誘導体などが挙げられる。着色用樹脂は
単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロ−ス又はその塩(ナトリウム塩、アン
モニウム塩など)などが挙げられる。好ましいセルロー
ス誘導体には、カルボキシメチルセルロース又はその
塩、ヒドロキシエチルセルロース、さらに好ましくはカ
ルボキシメチルセルロース又はその塩(ナトリウム塩や
アンモニウム塩など)が含まれる。これらのセルロース
誘導体、特にカルボキシメチルセルロース又はその塩
は、金属粉顔料、特にアルミニウム粉顔料に対する親水
性を高める作用を発現できる。
制限されないが、例えば、8,000〜400,00
0、好ましくは10,000〜100,000程度の範
囲から選択できる。
は、例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキ
ストリン、γ−シクロデキストリン、又はこれらのアル
キル誘導体や、マルトシルシクロデキストリン、グルコ
シルスクロデキストリンなどが挙げられる。シクロデキ
ストリン(α−シクロデキストリン、β−シクロデキス
トリン、γ−シクロデキストリン)のアルキル誘導体に
は、例えば、2,6−ジメチル−β−シクロデキストリ
ン、2,3,6−トリメチル−β−シクロデキストリン
などのシクロデキストリンのメチル誘導体などが含まれ
る。
体としては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキ
ストリン、γ−シクロデキストリン、及びこれらの誘導
体から選択された少なくとも一種が挙げられ、さらに好
ましくは、α−シクロデキストリン、α−シクロデキス
トリンと、β−シクロデキストリン及び/又はγ−シク
ロデキストリンとの混合物(例えば、α−シクロデキス
トリン、β−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキ
ストリンの混合物)が例示できる。このシクロデキスト
リンの混合物(α−シクロデキストリンと、β−シクロ
デキストリン及び/又はγ−シクロデキストリンとの混
合物)は、α−シクロデキストリンを含有していればよ
く、α−シクロデキストリンの含有量は、例えば、混合
物全量に対して30重量%以上(好ましくは50重量%
以上)である。
は、ガラクトース、アラビノース、ガラクツロン酸、ラ
ムノース、キシロース、フコース、グルコースと多種類
の糖から形成され、ラムガラクツロン酸鎖にガラクタン
とアラビナンが結合した構造のものが挙げられる。より
具体的には、水溶性大豆多糖類又はその誘導体として
は、商品名:ソヤファイブ S−DN(不二製油社
製)、商品名:ソヤファイブS−LN(不二製油社
製)、商品名:ソヤファイブ S−LN1(不二製油社
製)、商品名:ソヤファイブ S−DA100(不二製
油社製)、商品名:ソヤファイブ S−LA200(不
二製油社製)などが使用することができる。
成物全量に対して40重量%以下(例えば、0.01〜
40重量%)、好ましくは0.3〜20重量%である。
着色用樹脂の使用量が少なすぎると、金属粉顔料に対す
る着色剤の定着性が低下し、塗膜の発色濃度が低下す
る。一方、多すぎると、金属粉顔料間で凝集が起こり、
粘度に対して影響(粘度上昇)が生じる場合がある。
クインキ組成物には、必要に応じて乾燥防止や低温時の
凍結防止の目的で、慣用的に使用されている水溶性有機
溶剤、例えば、グリコール類、グリコールエーテル類、
カルビトール類などの水溶性有機溶剤を使用することが
できる。より具体的には、水溶性有機溶剤としては、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコールなどのグリコール類、エチレングリ
コールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル
類、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのカ
ルビトール類や、グリセリン、トリメチルプロパンなど
が挙げられる。
限されず、例えば、インキ組成物全量に対して40重量
%以下(例えば、1〜40重量%)、好ましくは5〜2
0重量%程度である。水溶性有機溶剤の使用量が少なす
ぎると、インキ組成物が乾燥しやすく、目詰まり等が生
じて筆記性が低下する。一方、多すぎると、筆記後乾燥
しにくくなることがある。
物には、もちろん、水が含まれている。水としては、慣
用的に使用されている水(例えば、イオン交換水、蒸留
水など)であれば何ら問題なく用いることができる。水
の使用量は、特に制限されず、他の成分(金属粉顔料、
顔料、アニオン性高分子、塩基性化合物、pH安定剤、
増粘剤、水溶性有機溶剤など)の種類又はその使用量
や、目的とするインキ組成物の粘度などに応じて適宜選
択することができる。水の使用量は、広い範囲、例え
ば、インキ組成物全量に対して1〜95重量%程度の範
囲から選択できる。好ましい水の使用量は、20〜90
重量%程度である。
物において、水分散型樹脂を、前記アニオン性高分子と
併用することができる。水分散型樹脂としては、アクリ
ル系エマルション、酢酸ビニル系エマルション、ウレタ
ン系エマルション、スチレン−ブタジエンエマルション
等が挙げられる。
には、上記各成分の他に必要に応じて例えば潤滑剤、防
錆剤、防腐防黴剤、増粘剤安定化剤、各種界面活性剤な
どの添加剤を添加することができる。潤滑剤としては、
例えば、ポリオキシエチレンアルカリ金属塩、ジカルボ
ン酸アミド(マレイン酸モノアミドなど)、リン酸エス
テル、N−オレイルサルコシン塩などが挙げられる。防
錆剤としては、例えば、ジシクロヘキシルアンモニウム
ナイトレートなどが挙げられる。防腐防黴剤としては、
例えば、ベンゾイソチアゾリン系、ペンタクロロフェノ
ール系、クレゾールなどが挙げられる。増粘剤安定化剤
としては、例えば、安息香酸のナトリウム塩などのカル
ボン酸のナトリウム塩などが挙げられる。
いて、いわゆるゲルタイプのインキを調製する場合、そ
の粘度は、慣用的に使用されている粘度、すなわち顔料
が沈降せず、筆記性や印刷適正に適した粘度であれば、
特に制限されない。本発明の水性メタリックインキ組成
物において、いわゆるゲルタイプのインキの粘度は、例
えば、20℃において、2,000〜40,000cp
s、好ましくは3,000〜15,000cpsの範囲
から選択することが望ましい。なお、粘度は、ELD型
粘度計を用い、コーン:3°R14コーン、回転数:
0.5rpm、温度:20℃において測定される。
は、前記成分(金属粉顔料、顔料、アニオン性高分子、
塩基性化合物、水、必要に応じてpH安定剤、増粘剤、
着色用樹脂、水溶性有機溶剤、顔料分散用樹脂、添加剤
など)を慣用の方法により混合して調製できる。より具
体的には、例えば、顔料を水や溶剤などによって溶解さ
せて分散して顔料分散体を調製する。そして、水と、水
溶性有機溶剤と、金属粉顔料とを混合して金属粉顔料分
散体を調製し、必要に応じて、前記金属粉顔料分散体に
着色用樹脂を投入して金属粉顔料に吸着させて、前記顔
料分散体、必要に応じて増粘剤、添加剤などを投入した
後、塩基性化合物を用いてpH調整を行い、メタリック
調の水性インキを調製することができる。
て行う分散、脱泡、濾過などの方法としては、慣用の方
法を採用することができる。
長期間にわたり粘度変化が小さい。そのため、インキ組
成物の粘度を、用途に応じて、適正な粘度に制御するこ
とができる。従って、用途(筆記や印刷など)に適した
粘度に制御でき、しかも、適正粘度を長期間保持するこ
とができる。
成物は、記録用インキ(例えば、印刷用インキ、筆記用
インキ、インクジェット記録用インキなど)や塗料関連
分野で用いられる水性インキとして有用である。
より詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
シアニンブルー、商品名:ファーストゲンブルーTG
R、大日本インキ化学工業社製)と、顔料分散用樹脂
(スチレン−アクリル共重合体、商品名:ジョンクリル
J683,ジョンソンポリマー社製、重量平均分子量
8,000程度)とを、フタロシアニンブルー/スチレ
ン−アクリル共重合体=5/1(重量比)の割合で、イ
オン交換水に溶解しトリエチルアミンを投入して、ボー
ルミルにより分散させて、平均粒径0.08μm、固形
分濃度10重量%の顔料分散体を調製した。以下、この
顔料分散体を顔料ベースと称する。
ンドリン、商品名:イルカジンイエロー2RLT、チバ
・スペシャリティケミカルズ社製)と、顔料分散用樹脂
(スチレン−アクリル共重合体、商品名:ジョンクリル
J683,ジョンソンポリマー社製、重量平均分子量
8,000程度)とを、イソインドリン/スチレン−ア
クリル共重合体=5/1(重量比)の割合で、イオン交
換水に溶解しトリエチルアミンを投入して、ボールミル
により分散させて、平均粒径0.15μm、固形分濃度
10重量%の顔料分散体を調製した。以下、この顔料分
散体を顔料ベースと称する。
表1に示す割合(表1中の各種成分の配合量はいずれも
重量%である)で配合しpH調整を行い、インキ組成物
を調製した。具体的には、実施例1〜8に係る水性メタ
リックインキ組成物は、イオン交換水、グリセリン(以
下。「有機溶剤」と称する)及びプロピレングリコー
ル(以下、「有機溶剤」と称する)の混合液に、金属
粉顔料(アルミニウム粉顔料、商品名:WXM063
0,東洋アルミニウム(株)製)を、室温(20〜25
℃)で1時間攪拌して分散させた後、着色用樹脂(カル
ボキシメチルセルロース、商品名:セロゲンPR,第一
工業製薬(株)製、数平均分子量47,000〜54,
000程度)を投入して、さらに1時間攪拌して、金属
粉顔料に着色用樹脂を吸着させてコーティングした。こ
の分散体に、顔料ベース又はを加え、室温(20〜
25℃)で1時間攪拌し、金属粉顔料上に着色剤を吸着
させて着色させた。この着色した金属粉顔料の分散体
に、増粘剤(増粘剤、又は)と、pH安定剤(p
H安定剤又は)と、防腐防黴剤、潤滑剤、増粘剤安
定化剤などの添加剤とを投入し、さらに、室温(20〜
25℃)で、1時間攪拌して水性インキを得た。このイ
ンキにおいて、塩基性化合物として水酸化ナトリウムを
用いてインキのpHの調整を行い、インキのpHを9に
調整し、青色又は黄色のメタリック調の水性インキを得
た。
サンタンガム(商品名:KELZAN、三晶(株)社
製)、増粘剤としてウェランガム(商品名:K1A9
6、三晶(株)社製)、増粘剤としてはラムザンガム
(商品名:K7C233、三晶(株)社製)を使用し
た。pH安定剤としては、pH安定剤としてベンゾト
リアゾール、pH安定剤としてトリルトリアゾール
(4−メチル−ベンゾトリアゾール)を用いた。
イソチアゾリン−3−オン(商品名:プロクセルGX
L、ヘキスト合成(株)製)を用いた。潤滑剤としては
マレイン酸モノアミドを用い、増粘剤安定化剤としては
安息香酸のナトリウム塩を用いた。
合(表2中の各種成分の配合量はいずれも重量%であ
る)で配合して、pH調整を行うこと以外は前記実施例
と同様にして、水性メタリックインキを調製した。より
具体的には、比較例1に係るインキの調製に際しては、
pHの調整を行わずに、青色のメタリック調の水性イン
キを調製した。
合(表2中の各種成分の配合量はいずれも重量%であ
る)で配合して、pH調整におけるpHの値以外は前記
実施例と同様にして、水性メタリックインキの調製を試
みた。より具体的には、比較例2に係るインキの調製に
際しては、水酸化ナトリウムを使用してインキのpHが
11になるように調整したが、しばらく放置しているう
ちに、インキ中よりガス(水素ガスなど)が発生し、白
化したため、水性メタリックインキを調製することがで
きなかった。
較例1に係る水性メタリックインキ組成物について、以
下のpH試験、粘度安定性試験、筆記性試験を行い、イ
ンキのpH、粘度、筆記性の評価を行った。
で得られた水性メタリックインキ組成物を、それぞれ、
ポリプロピレン容器に入れて密閉し、50℃で、30日
間、60日間放置又は保存した。そして、保存前、30
日間保存後、60日間保存後のpHを調べたところ、表
1又は表2における「pH」の欄に示す結果を得た。な
お、保存前のpHは「保存前」の欄に、30日間保存後
のpHは「30日」の欄に、60日間保存後のpHは
「60日」の欄に示した。
較例1で得られた水性メタリックインキ組成物を、それ
ぞれ、ポリプロピレン容器に入れて密閉し、50℃で、
30日間、60日間放置又は保存して、30日間保存後
又は60日間保存後におけるインキ組成物の粘度変化率
(放置後の粘度/放置前の粘度×100)を調べ、イン
キ組成物の粘度変化率を以下の基準により評価した。そ
の結果を表1又は表2の「粘度」の欄に示す。なお、3
0日間保存後に関する粘度変化率は「30日」の欄に、
60日間保存後に関する粘度変化率は「60日」の欄に
示した。また、粘度は、ELD型粘度計により、コー
ン:3°R14コーン、回転数:0.5rpm、温度:
20℃の条件で測定した。 ○:変化率10%以内 △:変化率50%未満 ×:変化率50%以上
1で得られた水性メタリックインキ組成物を、それぞ
れ、インキ収容部に充填し、インキ中の気泡を遠心分離
により除去してボールペンの試験サンプルを作製した。
この試験サンプルを、ペン先を上にして、50℃で30
日間、60日間恒温室に保存した後以下の基準で筆記状
態又は筆跡を目視により評価し、また筆記性を評価し
た。その結果を表1又は表2の「筆記性」の欄に示し
た。なお、30日間保存後に関する筆記性は「30日」
の欄に、60日間保存後に関する筆記性は「60日」の
欄に示した。なお、インキ収容部としては、洋白ボール
ペンチップ(ボールの材質:超硬合金)を一端に連設し
たポリプロピレン製の中空軸筒よりなるボールペン用イ
ンキ収容部を用いた。 ○:保存前と大差なし △:カスレあり ×:筆記不可能
リックインキ組成物では、50℃で、30日間、60日
間放置した後も、pHが8.0以上に保たれている。ま
た、粘度の変化がほとんどなく、さらに、筆記性も低下
していない。実施例7〜8に係る水性メタリックインキ
組成物では、50℃で、30日間放置後のpHは、8.
0以上に保たれており、粘度、筆記性は、保存前に比べ
て、ほとんど変化がないが、60日間放置後は、pHが
8.0未満に低下するとともに、粘度は増加し、筆記が
できなくなった。一方、比較例1に係る水性メタリック
インキ組成物では、インキ調製時のpHが8.0未満で
あり、50℃でかつ30日間保存後であっても、粘度が
増加し、筆記ができなかった。
キにおいては、インキ調製時のpHが9程度であり、p
Hが8.0〜10の範囲にあるため、50℃における3
0日間保存後のpHは8.0以上で保持されている。特
に実施例1〜6にかかる水性インキでは、pH安定剤が
含まれているため、50℃でかつ60日間保存後であっ
ても、pHが8.5以上に保たれており、pHの変化が
極めて低く、pHがほぼ一定に保たれている。これに対
して、比較例1に係る、pH調整をしていない水性メタ
リックインキ組成物では、pH安定剤を含んでいるた
め、30日間保存後のpHは保存前に比してあまり低下
していないが、インキ調製時のpHが8.0未満であり
(詳しくは7.7であり)、30日間保存後は保存前に
比して増粘し、筆記できない。
ると、インキの粘度を安定にして、インキの粘度変化を
抑制又は防止することができる。特に、pH安定剤を用
いたインキ組成物は、長期間にわたり、インキの粘度変
化が抑制又は防止され、インキの粘度が一定又はほぼ一
定に保持される。
ンキにおける組成であっても、インキのpHを8.0〜
10にするという簡単な方法により、粘度の経時安定性
を高めることができる。特に、pH安定剤を用いると、
長期間にわたり、優れた粘度の経時安定性を保持させる
ことができる。
は、特定のpHを有しているので、粘度の経時安定性が
優れている。
Claims (5)
- 【請求項1】 金属粉顔料、顔料及びアニオン性高分子
を含有するインキ組成物であって、pHが8.0〜10
であることを特徴とする水性メタリックインキ組成物。 - 【請求項2】 前記アニオン性高分子が、アクリル樹
脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリマレイン酸、ス
チレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、
エステル−アクリル共重合体、及びカルボキシル基を有
する樹脂から選択された少なくとも一種である請求項1
記載の水性メタリックインキ組成物。 - 【請求項3】 さらに、pH安定剤を含有する請求項1
又は2記載の水性メタリックインキ組成物。 - 【請求項4】 pH安定剤がベンゾトリアゾール又はそ
の誘導体である請求項1乃至3のいずれかの項に記載の
水性メタリックインキ組成物。 - 【請求項5】 さらに、増粘剤を含有する請求項1乃至
4のいずれかの項に記載の水性メタリックインキ組成
物。
Priority Applications (2)
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