JP3774546B2 - 水性メタリックインキ組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性メタリックインキ組成物、特に筆記用具インキ、印刷用インキ、塗料関連分野において有用な水性メタリックインキ組成物に関し、さらに詳しくは印字の発色濃度が高く、非吸収面に対する定着性が優れた塗膜を形成できる水性メタリックインキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水性メタリックインキ組成物は、例えば、金属粉顔料及び着色剤を含む水溶液に、必要に応じて水溶性有機溶剤を添加し、さらに、粘度調整剤などとして水溶性樹脂を添加している。水性メタリックインキ組成物として、例えば、特開平8−199108号では、金属粉顔料と、樹脂と、潤滑性を付与できる特定の化合物と、水溶性有機溶剤と、水とを少なくとも含むボールペン用水性顔料インキが開示されている。この文献では、樹脂は、定着剤(バインダー樹脂)および粘度調整剤として用いており、バインダー樹脂には、例えば、水溶性アクリル樹脂やアクリルエマルジョンなどが含まれ、粘度調整剤としては、ザンサンガムが好ましいと記載されるとともに、粘度調整剤としてのセルロース誘導体は、ゲル化などを生じるため好ましくないと記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、慣用の水溶性樹脂を一種含有した水性メタリックインキ組成物を用いて、紙(例えば、慣用のコピー用紙など)などの吸収面(水性インキを吸収又は浸透することができる面)に塗布すると、顔料(着色剤)が紙内部に浸透し、時間の経過とともに(例えば、筆記直後から筆記数分後にかけて)塗膜の発色濃度が低下する。塗膜の印字又は画像が滲み易くなるなどの問題も生じている。また、非吸収面(水性インキをほとんど吸収又は浸透しない面)に対する塗膜の定着性(接着性)が低い。さらに、水溶性樹脂として、セルロース誘導体のみを用いると、ゲル化などにより分散性が低下する場合が生じる。
【0004】
本発明の目的は、塗膜の発色濃度の経時安定性を改善できるとともに、非吸収面に対する塗膜の定着性を向上できる水性メタリックインキ組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記特性を有するとともに、分散性が高い水性メタリックインキ組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、金属粉顔料、着色剤、水及び水溶性有機溶剤を少なくとも含有してなる水性メタリックインキ中に、天然多糖類及びセルロース誘導体を含有させた水性メタリックインキ組成物を用いると、発色濃度の経時安定性が高く、さらに非吸収面に対する定着性が改善された塗膜を形成できることを見出だし本発明を完成させるに至った。請求項1の発明は、金属粉顔料、着色剤、水及び水溶性有機溶剤を少なくとも含有してなる水性メタリックインキ中に、天然多糖類及びセルロース誘導体を含有することを特徴とする水性メタリックインキ組成物である。
【0006】
本発明の水性メタリックインキ組成物は、天然多糖類及びセルロース誘導体を含有しているため、着色剤が吸収面内部(例えば、画用紙などの内部)に浸透し難く、塗膜の発色濃度の低下を抑制できる。これは、セルロース誘導体を天然多糖類と組み合わせているとともに、セルロース誘導体で金属粉顔料をコーティングしているため、金属粉顔料に対して、セルロース誘導体の作用が有効に働くためであると思われる。すなわち、セルロース誘導体のカルボキシル基及び/又はヒドロキシル基が金属粉顔料に作用して、金属粉顔料の親水性を強めるため、金属粉顔料と着色剤とのなじみ(結合性)が高くなり、着色剤が金属粉顔料に捕捉され又は吸着し、吸収面内への着色剤の吸収が抑制されるからであると思われる。また、天然多糖類及びセルロース誘導体を含有していることにより、塗膜の非吸収面(例えば、アート紙等の面)に対する定着性が改善できる。これは、セルロース誘導体のカルボキシル基及び/又はヒドロキシル基と、非吸収面とが水素結合による結合性を有するためであると思われる。したがって、本発明の水性メタリックインキ組成物は、天然多糖類とセルロース誘導体とを含有しているため、塗膜の発色濃度の低下を抑制できるとともに、非吸収面に対して塗膜の定着性が高い。
【0007】
さらに、天然多糖類及びセルロース誘導体を含有しているため、水性メタリックインキ組成物の粘度を調整できるとともに、分散性を大きく向上できる。これは、金属粉顔料がセルロース誘導体でコーティングされるため、インキ組成物中において金属イオンの溶出を抑制でき、天然多糖類に対する金属イオンの影響を抑制又は防止できるからである。また、水性メタリックインキ組成物は、セルロース誘導体を含有しているにもかかわらず、セルロース誘導体と天然多糖類とを組み合わせて用いているため、高い分散安定性を有している。
【0008】
天然多糖類としては、微生物産系多糖類又はその誘導体、水溶性植物系多糖類又はその誘導体、および水溶性動物系多糖類又はその誘導体から選択された少なくとも一種を用いることができる。また、セルロース誘導体には、カルボキシメチルセルロース又はその塩、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルエチルセルロースから選択された少なくとも一種が含まれる。天然多糖類の含有量は、インキ組成物全量に対して、0.01〜4重量%であり、セルロース誘導体の含有量は、インキ組成物全量に対して0.01〜40重量%である。
【0009】
また、金属粉顔料としては、真鍮粉顔料やアルミニウム粉顔料を用いることができる。金属粉顔料としては、特に、アルミニウム粉顔料を好適に使用できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(天然多糖類)
本発明の水性メタリックインキ組成物の特色は、天然多糖類とセルロース誘導体とを組み合わせて用いている点にある。そのため、メタリックインキ中の着色剤が、吸収面の内部に浸透するのを抑止することができるとともに、非吸収面に対する定着性を改善できる。また、インキ組成物の分散性が高い。
【0011】
天然多糖類としては、微生物産系多糖類又はその誘導体、水溶性植物系多糖類又はその誘導体、水溶性動物系多糖類又はその誘導体を用いることができる。
【0012】
微生物産系多糖類又はその誘導体としては、例えば、プルラン、ザンサンガム、ウェランガム、ラムザンガム、サクシノグルカン、デキストランなどが提示できる。
【0013】
水溶性植物系多糖類又はその誘導体には、例えば、トラガンシガム、グァ−ガム、タラガム、ロ−カストビ−ンガム、ガディガム、アラビノガラクタンガム、アラビアガム、クイスシードガム、ペクチン、デンプン、サイリュームシードガム、カラギーナン、アルギン酸、寒天などが含まれる。水溶性動物系多糖類又はその誘導体には、例えば、ゼラチン、カゼインなどが含まれる。
【0014】
好ましい天然多糖類としては、微生物産系多糖類又はその誘導体、特に、ザンサンガム、ウェランガム、ラムザンガムなどが挙げられる。
【0015】
天然多糖類は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。天然多糖類の使用量は、例えば、インキ組成物全量に対して0.01〜4重量%、好ましくは0.3〜2重量%である。天然多糖類の使用量が少なすぎると、アルミニウム粉顔料の分散性が低下し、アルミニウム粉顔料が沈降する。一方、多すぎると、インキ組成物の粘度が高くなり、筆記性、印刷適正が低下する。
【0016】
(セルロース誘導体)
セルロース誘導体としては、例えば、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ−ス又はその塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩など)などが挙げられる。好ましいセルロース誘導体には、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ヒドロキシエチルセルロース、さらに好ましくはカルボキシメチルセルロース又はその塩(ナトリウム塩やアンモニウム塩など)が含まれる。これらのセルロース誘導体、特にカルボキシメチルセルロース又はその塩は、アルミニウム粉顔料に対する作用(前述のように、アルミニウム粉顔料の親水性を高める効果)を顕著に発現できる。
【0017】
セルロース誘導体の数平均分子量は、特に制限されないが、例えば、8,000〜400,000、好ましくは10,000〜100,000の範囲から選択できる。
【0018】
セルロース誘導体は単独で又は二種以上組み合わせて用いることができる。セルロース誘導体の使用量は、例えば、インキ組成物全量に対して0.01〜40重量%、好ましくは0.3〜20重量%である。セルロース誘導体の使用量が少なすぎると、アルミニウム粉顔料に対する着色剤の定着性が低下し、塗膜の発色濃度の低下を抑制できない。一方、多すぎると、アルミニウム粉顔料間で凝集が起こり、粘度に対して影響(粘度上昇)が生ずる。
【0019】
(金属粉顔料)
金属粉顔料としては、金属光沢を有するものが使用でき、水に対する分散性が高いものが好ましい。金属粉顔料としては、リーフィングタイプであってもよく、ノンリーフィングタイプであってもよい。金属粉顔料としては、特に制限されず、例えば、真鍮粉顔料やアルミニウム粉顔料、特にアルミニウム粉顔料を好適に用いることができる。アルミニウム粉顔料では、前記天然多糖類及びセルロース誘導体の作用を顕著に発現できる。
【0020】
真鍮粉顔料としては、例えば、商品名:BS−605(東洋アルミニウム社製)、商品名:BS−607(東洋アルミニウム社製)、商品名:ブロンズパウダーP−555(中島金属箔粉工業(株)製)、商品名:ブロンズパウダーP−777(中島金属箔粉工業(株)製)などを用いることができる。
【0021】
アルミニウム粉顔料としては、具体的には、商品名:アルペーストWJP−U75C(東洋アルミニウム社製)、商品名:アルペーストWE1200(東洋アルミニウム社製)、商品名:アルペーストWXM7675(東洋アルミニウム社製)、商品名:アルペーストWXM0630(東洋アルミニウム社製)、商品名:1110W(昭和アルミニウム社製)、商品名:2172SW(昭和アルミニウム社製)、商品名:AW−808C(旭化成社製)、商品名:AW−7000R(旭化成社製)などが例示できる。
【0022】
金属粉顔料(真鍮粉顔料、アルミニウム粉顔料)の平均粒子径は、例えば、5〜30μm、好ましくは5〜15μmである。平均粒子径がこれらの範囲、特に5〜15μmの金属粉顔料(真鍮粉顔料、アルミニウム粉顔料)は、筆記性、印刷適正が優れている。
【0023】
金属粉顔料(真鍮粉顔料、アルミニウム粉顔料)は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。金属粉顔料(真鍮粉顔料、アルミニウム粉顔料)の使用量は、例えば、インキ組成物全量に対して3〜30重量%、好ましくは4〜15重量%である。金属粉顔料の使用量が過小であると、金属光沢が発現しない。一方、過多であると、固形分が多くなるため、インキ組成物の粘度・流動性に影響が生じ、粘度の上昇や流動性の低下により、筆記性などが低下する。
【0024】
(着色剤)
着色剤としては、水性インキに対して分散性が良好であれば特に制限なく使用できる。したがって、着色剤は、水溶性の着色剤を好適に使用できる。具体的には、着色剤には、例えば、フタロシアニンα、フタロシアニンβ、塩素化フタロシアニン、アントラキノン、ペリレン、キナクリドン、ジオキサジン、ジケトピロロピロール、イソインドリン、ファーネスカーボン、アゾメチン、ナフトールなどが含まれる。
【0025】
着色剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。着色剤の使用量は、例えば、インキ組成物全量に対して0.05〜15重量%、好ましくは1〜10重量%である。着色剤の使用量が過小であると、メタリック調の塗膜が得られない。一方、過多であると、固形分が多くなるため、インキ組成物の粘度・流動性に影響が生じ、粘度の上昇や流動性の低下により、筆記性などが低下する。
【0026】
(水)
水としては、慣用の水(例えば、イオン交換水、蒸留水など)であれば何ら問題なく用いることができる。水の使用量は、特に制限されず、他の成分(天然多糖類、セルロース誘導体、金属粉顔料、着色剤、水溶性有機溶剤など)の種類や使用量や、目的とするインキ組成物の粘度などに応じて選択することができる。水の使用量は、広い範囲、例えば、インキ組成物全量に対して1〜80重量%程度の範囲から選択できる。好ましい水の使用量は、20〜70重量%(さらに好ましくは30〜60重量%)程度である。
【0027】
(水溶性有機溶剤)
水溶性有機溶剤としては、グリコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど)、グリコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルなど)、カルビトール類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなど)、グリセリン、トリメチロールプロパンなどを好適に用いることができる。水溶性有機溶剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。水溶性有機溶剤の使用量は、例えば、インキ組成物全量に対して1〜40重量%、好ましくは5〜20重量%である。水溶性有機溶剤の使用量が過小であると、インキ組成物が乾燥しやすく、ボールペン等に用いると、目詰まりが起こり、塗布できない。一方、過多であると、塗布後、インキが乾燥しにくい。
【0028】
本発明の水性メタリックインキ組成物には、必要に応じて、防錆剤(例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトレートなど)、防腐防黴剤(例えば、ベンゾイソチアゾリン系防腐防黴剤、ペンタクロロフェノール系防腐防黴剤、クレゾール系防腐防黴剤など)、分散剤(例えば、水溶性アクリル樹脂、水溶性マレイン酸樹脂、水溶性スチレン−アクリル共重合体、水溶性スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性樹脂など)、界面活性剤、湿潤剤、消泡剤、レベリング剤、凝集防止剤、pH調整剤、擬塑性付与剤等の慣用の添加剤を添加してもよい。
【0029】
水性メタリックインキ組成物の粘度は、慣用的に使用されている粘度、すなわち金属粉顔料が沈降せず、筆記性や印刷適正に適した粘度であれば、特に制限されない。本発明において、水性メタリックインキ組成物の粘度は、例えば、20℃において、3,000〜40,000cps、好ましくは3,000〜15,000cpsの範囲から選択できる。
【0030】
(製造方法)
本発明の水性メタリックインキ組成物は、前記成分、金属粉顔料、着色剤、水、水溶性有機溶剤、天然多糖類及びセルロース誘導体などを慣用の方法により混合して調製できる。例えば、水と、水溶性有機溶剤と、金属(真鍮粉顔料、アルミニウム粉顔料)とを混合して金属粉顔料分散体を調製し、これに、セルロース誘導体を投入する。この分散溶液に、着色剤を投入して分散させ、さらに、天然多糖類と、必要に応じて各種添加剤とを投入して、水性メタリックインキ組成物を調製できる。なお、着色剤は、予め分散剤により分散させた着色剤分散体として用いてもよい。
【0031】
なお、水性メタリックインキ組成物の調製に際して行う分散、脱泡、濾過などの方法としては、慣用の方法により行うことができる。
【0032】
本発明の水性メタリックインキ組成物は、吸収面における塗膜の発色濃度の経時変化が小さく、また、非吸収面に対する塗膜の定着性が良好である。従って、この水性メタリックインキ組成物を用いると、発色濃度の経時安定性とともに、定着性が高い塗膜を、吸収面、非吸収面において形成できる。また、このインキ組成物は、高い分散性を有している。そのため、本発明の水性メタリックインキ組成物は、記録用インキ(例えば、印刷用インキ、筆記用インキ、インクジェット記録用インキなど)や塗料関連分野で用いられる水性メタリックインキとして有用である。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0034】
(着色顔料分散体の調製例1)
着色剤(フタロシアニンブルー)と、分散剤(スチレン−アクリル共重合体)とを、フタロシアニンブルー/スチレン−アクリル共重合体=5/1(重量比)の割合で、イオン交換水に投入し、水酸化ナトリウムを用いて、ボールミルにより分散させて、平均粒径0.08μm、固形分濃度10重量%の顔料分散体を調製した。以下、この顔料分散体を顔料ベース1と称する。
(着色顔料分散体の調製例2)
着色剤(イソインドリン)と、分散剤(スチレン−アクリル共重合体)とを、イソインドリン/スチレン−アクリル共重合体=5/1(重量比)の割合で、イオン交換水に投入し、水酸化ナトリウムを用いて、ボールミルにより分散させて、平均粒径0.15μm、固形分濃度10重量%の顔料分散体を調製した。以下、この顔料分散体を顔料ベース2と称する。
【0035】
(実施例1〜5および比較例1〜7)
各実施例および各比較例では、それぞれ表1又は表2に示す割合(表1及び表2中の各種成分の配合量はいずれも重量%である)で配合してインキ組成物を調製した。具体的には、各実施例および各比較例では、イオン交換水及び水溶性有機溶剤の混合液に、金属粉顔料(真鍮粉顔料又はアルミニウム粉顔料)を、室温(20〜25℃)で1時間攪拌して分散させた後、セルロース誘導体を投入して、さらに1時間攪拌して、金属粉顔料にセルロース誘導体を吸着させてコーティングした。この分散体に、顔料ベースを加え、室温(20〜25℃)で1時間攪拌し、金属粉顔料上に、着色剤を吸着させて着色させた。この着色した金属粉顔料の分散体に、天然多糖類と、各種添加剤とを投入し、さらに、室温(20〜25℃)で、1時間攪拌して、水性メタリックインキ組成物を得た。
【0036】
なお、原料としては、次の金属粉顔料、天然多糖類、セルロース誘導体などの着色用接着樹脂、防腐防黴剤などを用いた。
(金属粉顔料)
・アルミニウム粉顔料1
商品名:アルペーストWXM0630、東洋アルミニウム(株)社製、リーフィングタイプ、平均粒径:約8μm
・アルミニウム粉顔料2
商品名:アルペーストWXM7675、東洋アルミニウム(株)社製、ノンリーフィングタイプ、平均粒径:約15μm
・真鍮粉顔料1
商品名:BS−605、東洋アルミニウム(株)社製
・真鍮粉顔料2
商品名:BS−607、東洋アルミニウム(株)社製
(天然多糖類)
・キサンタンガム
商品名:KELZAN、三晶(株)社製
・ウェランガム
商品名:K1A96、三晶(株)社製
・ラムザンガム
商品名:K7C233、三晶(株)社製
(着色用接着樹脂)
・カルボキシメチルセルロース1(「CMC1」と称する)
商品名:セロゲン7A、第一工業製薬(株)社製、数平均分子量:27,000〜33,000
・カルボキシメチルセルロース2(「CMC2」と称する)
商品名:セロゲンPR、第一工業製薬(株)社製、数平均分子量:47,000〜54,000
・ヒドロキシエチルセルロース(「HEC」と称する)
商品名:ダイセルSP550、ダイセル化学工業(株)社製
・ポリビニルアルコール
商品名:PVA−117、クラレ(株)社製、数平均分子量:1800
・デキストリン
商品名:エスイ−100、松谷化学工業社製、還元澱粉加水分解物
・ポリアクリル酸ナトリウム
商品名:ジュリマーAC−20N、日本純薬(株)社製
・スチレンアクリルエマルジョン(「St−Aエマルジョン」と称する)
商品名:ジョンクリル1535、ジョンソンポリマー(株)社製
・アクリル酢酸ビニルエマルジョン(「A−Acエマルジョン」と称する)
商品名:モビニールSK−3000、ヘキスト合成(株)社製
(防腐防黴剤)
・1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン
商品名:プロクセルGXL、ヘキスト合成(株)社製
(防錆剤)
・ベンゾトリアゾール
【0037】
【表1】
Figure 0003774546
【0038】
【表2】
Figure 0003774546
【0039】
(インキ組成物の評価)
実施例1〜5および比較例1〜7で得られたメタリックインキ組成物を、それぞれ、試験管に入れ、室温(20〜25℃)で1日間放置して、色分れを目視観察して分散性を評価した。実施例で得られたインキ組成物では、色分れは観察されなかった。
【0040】
また、実施例1〜5および比較例1〜7で得られたメタリックインキ組成物を、それぞれ、インキ収容部に充填し、インキ中の気泡を遠心分離により除去してボールペンの試験サンプルを作製した。この試験サンプルを用いて、次の発色性試験、接着性試験により、筆跡の発色性、接着性を評価し、その結果を表1又は表2に示した。なお、インキ収容部としては、洋白ボールペンチップ(ボールの材質:超硬合金)を一端に連設したポリプロピレン製の中空軸筒よりなるボールペン用インキ収容部を用いた。
【0041】
(発色性試験)
試験サンプルを用いて、黒画用紙上(吸収面)に筆記し、筆跡の発色性を以下の基準により目視で評価した。
○:着色顔料の色とともに、良好な金属光沢を有する筆跡である。
×:着色顔料の色がなく、アルミニウム粉顔料の色のみの筆跡である。
【0042】
(接着性試験)
試験サンプルを用いて、黒アート紙上(非吸収面)に筆記し、乾燥させた。その筆跡に対して、荷重1kgで一回擦り、その後の筆跡の状態を、以下の基準により目視で評価した。
○:擦過前後で、筆跡の変化は全くない
△:擦過後、筆跡の一部が剥がれる
×:擦過後、筆跡が残っていない
【0043】
実施例1及び4では、青色のメタリック調の筆跡が得られ、その筆跡の非吸収面に対する接着性は高かった。実施例2、3及び5では、金色のメタリック調の筆跡が得られ、その筆跡の非吸収面に対する接着性は高かった。
【0044】
一方、比較例1及び6では、メタリック調の筆跡が得られず、また、筆跡の非吸収面に対する接着性も低かった。比較例2及び7では、金色のメタリック調の筆跡が得られたが、筆跡の非吸収面に対する接着性も低かった。比較例3〜5では、メタリック調の筆跡が得られず、非吸収面に対して筆跡の接着性の強さが十分でなかった。
【0045】
従って、実施例1〜5で得られた水性メタリックインキ組成物を用いると、発色濃度が高いメタリック調の筆跡が得られるとともに、非吸収面に対して接着性が高い筆跡が得られる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の水性メタリックインキ組成物を用いると、金属粉顔料、着色剤、水、水溶性有機溶剤、天然多糖類及びセルロース誘導体を含有しているため、発色濃度の高いメタリック調の塗膜を形成できるとともに、非吸収面に対する定着性が高い塗膜を形成できる。また、このインキ組成物は、分散性が高い。
さらに、本発明では、セルロース誘導体で金属粉顔料(真鍮粉顔料やアルミニウム粉顔料など)がコーティングされているため、金属イオン(銅イオンやアルミニウムイオンなど)の溶出を抑制でき、天然多糖類に対する金属イオンの影響(例えば、粘度変化など)を抑制できる。

Claims (5)

  1. 金属粉顔料、着色剤、水及び水溶性有機溶剤を少なくとも含有してなる水性メタリックインキ中に、天然多糖類(セルロース誘導体を除く。)及びセルロース誘導体を含有することを特徴とする水性メタリックインキ組成物。
  2. 金属粉顔料が真鍮粉顔料又はアルミニウム粉顔料である請求項1記載の水性メタリックインキ組成物。
  3. 天然多糖類が、微生物産系多糖類又はその誘導体、水溶性植物系多糖類又はその誘導体、および水溶性動物系多糖類又はその誘導体から選択された少なくとも一種である請求項1又は2記載の水性メタリックインキ組成物。
  4. セルロース誘導体が、カルボキシメチルセルロース又はその塩、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルエチルセルロースから選択された少なくとも一種である請求項1、2又は3記載の水性メタリックインキ組成物。
  5. インキ組成物全量に対して、天然多糖類0.01〜4重量%、およびセルロース誘導体0.01〜40重量%を含有する請求項1及至4のいずれかの項に記載の水性メタリックインキ組成物。
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