JPH11302373A - 熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂及びそれから成形した絶縁性フィルム - Google Patents
熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂及びそれから成形した絶縁性フィルムInfo
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- JPH11302373A JPH11302373A JP12948398A JP12948398A JPH11302373A JP H11302373 A JPH11302373 A JP H11302373A JP 12948398 A JP12948398 A JP 12948398A JP 12948398 A JP12948398 A JP 12948398A JP H11302373 A JPH11302373 A JP H11302373A
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Abstract
が150℃を越え、かつ高温度に於ける銅箔剥離強度保
持率の高い、熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂
及び耐熱性絶縁フィルムを提供する。 【解決手段】フルオレン骨格及びハイドロキノン骨格を
必須構成成分として、フルオレン骨格成分を8モル%以
上含有し、かつフルオレン骨格及びハイドロキノン骨格
構成成分が70モル%以上である、式化1で表される分
子量が10 ,000から200,000の熱可塑性ポリ
ヒドロキシポリエーテル樹脂及びそれから成形される耐
熱性絶縁フィルム。 【化1】
Description
気テープバインダー、絶縁ワニス、自己融着エナメル電
線ワニス等の電気・電子分野及び接着剤、絶縁塗料及び
フィルム等として用いられる耐熱性、耐水性及び密着性
に優れた熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂及び
それから成形した絶縁性フィルムに関する。
ーテル樹脂はフェノキシ樹脂として知られており、可撓
性、耐衝撃性、密着性、機械的性質等が優れることか
ら、電子分野では、磁気テープバインダーやモーター等
の電気機械の絶縁ワニスや接着フィルム等の広範囲の用
途で使用されてきた。しかしながら、従来の熱可塑性ポ
リヒドロキシポリエーテル樹脂は、耐熱性に劣り、さら
に高温・高湿といった環境においては急激に物性が低下
する、特に密着性が低下するという欠点があった。
性及び密着性に優れた熱可塑性ポリヒドロキシポリエー
テル樹脂及び該樹脂から成形される絶縁性フィルムを提
供することを目的とする。
ドロキシポリエーテル樹脂中にフルオレン骨格とハイド
ロキノン骨格を導入することにより、耐熱性、耐水性に
優れ、かつ高温域で密着性の保持率の高い熱可塑性ポリ
ヒドロキシポリエーテル樹脂を得るものである。
で表され 、 分子量範囲が10,000〜200,00
0(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)で測定した標準ポリスチレン換算による重量平均分
子量である。以下、分子量というのはこの測定法による
重量平均分子量をいう)の熱可塑性ポリヒドロキシポリ
エーテル樹脂である。
で表されるものであり、Xが式化2である割合が全Xの
Aモル%、Xが式化3である割合が全XのBモル%、X
が式化4である割合が全XのCモル%とするとき、 B≧8 100≧A+B≧70 0≦C<30 A+B+C=100 であり、Zは水素原子または式化5のいずれかであり、
nは21以上の値である。
子、炭素数1〜5のアルキル基、またはハロゲン原子か
ら選ばれるものであり、同一であってもよいし、異なっ
ていてもよい。
〜5のアルキル基、またはハロゲン原子から選ばれるも
のであり、Yは−SO2−、−CH2−、−C(CH3)2
−、または−O−のいずれかであり、mは0または1の
値である。R1、R2は同一であってもよいし、異なって
いてもよい。
、 分子量範囲が10,000〜200,000の熱可
塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂から成形された絶
縁性フィルムである。
において、分子量が10,000未満では、溶融粘性が
小さく自己造膜性を示さない。また分子量が200,0
00を超えると、溶剤で溶解しても、一般に工業的に利
用されている溶媒濃度である70重量%から40重量%
の濃度では、溶液粘度が高過ぎ、このために製膜使用可
能な溶液粘度にするために溶剤を多量に加えなければな
らず、プロセス経済上好ましくない。また、地球環境に
対してもVOC(揮発性有機化合物)を可能なかぎり低
減する方向にある現状では好ましいとは言い難い。こう
したことから、分子量は好ましくは15,000〜10
0,000、より好ましくは20,000〜65,00
0である。
テル樹脂には、難燃性付与のためにハロゲンを導入して
も良い。ハロゲン導入により難燃性を付与する場合、ハ
ロゲン含有量が5重量%未満では十分な難燃性を付与で
きない。難燃性を付与するにはハロゲンを5重量%以上
含有させればよいが、40重量%以上含有させても更な
る難燃性の向上は認められないことから、実用上、ハロ
ゲン含有量を5重量%から40重量%の範囲でハロゲン
を導入するのが好ましい。本発明において、ハロゲン元
素の種類はいずれのものでもよいが、商業生産の観点か
らは市販されている臭素化合物、塩素化合物、フッ素化
合物の中から上記ハロゲン含有量の範囲のものを利用す
ることになる。
は、二価フェノール類とエピクロルヒドリンの直接反応
による方法、二価フェノール類のジグリシジルエーテル
と二価フェノール類の付加重合反応による方法が知られ
ているが、本発明に用いられるポリヒドロキシポリエー
テル樹脂はいずれの方法によるものであっても良い。
を直接反応させる場合を例にとり説明する。二価フェノ
ール類として、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン、及び下記の一般式化6で表される、例
えば、ハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイド
ロキノン等が挙げられるが、特にこれらに限定されるわ
けではない。また、下記の一般式化7で表される、例え
ば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、臭素化ビス
フェノールA、4,4’−ビスヒドロキシビフェニル等
が挙げられるが、特にこれらに限定されるわけではな
い。これら二価フェノール類は、単独で使用しても良い
し、2種類以上を併用しても良い。この際、9,9’−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンは、使用す
る全二価フェノールの8モル%以上含まれていることが
必要である。即ち、8モル%未満では耐熱性の付与に関
与するフルオレン骨格の導入効果が十分でなく、耐熱性
が得られない。また、9,9’−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレンとハイドロキノン類の使用合計量
は、使用する全二価フェノールの70モル%以上含まれ
ていることが必須である。70モル%未満では、耐熱性
の付与に関与するフルオレン骨格およびハイドロキノン
骨格の導入効果が十分でなく、耐熱性が得られない。ま
た、下記の式化7で表される二価フェノール類は、使用
する全二価フェノールの0モル%以上30モル%未満の
範囲で含有する。
子、炭素数1〜5のアルキル基、またはハロゲン原子か
ら選ばれるものであり、同一であってもよいし、異なっ
ていてもよい。
〜5のアルキル基、またはハロゲン原子から選ばれるも
のであり、Yは−SO2−、−CH2−、−C(CH3)2
−、または−O−のいずれかであり、mは0または1の
値である。R1、R2は同一であってもよいし、異なって
いてもよい。
リン0.985〜1.015モル、好ましくは0.99
〜1.012モル、より好ましくは0.995〜1.0
1モルとをアルカリ金属水酸化物存在下、非反応性溶媒
中でエピクロルヒドリンを2価フェノールと反応させ、
分子量が10,000以上になるように縮合反応させる
ことによりポリヒドロキシポリエーテル樹脂を得ること
ができる。
キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジオキサン、メチルセロソルブメチルエーテル、エ
チルセロソルブエチルエーテル、シクロヘキサノン等が
挙げられるが、特にこれらに限定されるわけではなく、
これらの溶剤は単独でも良いし、2種類以上を併用して
も良い。また、反応温度は40℃〜150℃が好まし
く、特に好ましくは60℃〜120℃である。反応圧力
は通常、常圧である。また、反応熱の除去が必要な場合
は、通常、反応熱による使用溶剤のフラッシュ蒸発・凝
縮還流法、間接冷却法、またはこれらの併用により行わ
れる。
と二価フェノール類の付加重合反応による製法の場合、
下記の一般式化8で表される二価フェノール類のジグリ
シジルエーテル、下記の式化9で表される二価フェノー
ル類のジグリシジルエーテル、或いは下記の式化10で
表される二価フェノール類のジグリシジルエーテル類を
アミン系、イミダゾール系、トリフェニルフォスフォニ
ウム、フォスフォニウム塩系等公知の触媒存在下に、
9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ン、一般式化6、一般式化7で表される二価フェノール
類とを、0.9:1〜1.1:1、好ましくは0.9
5:1〜1.05:1、最も好ましくは0.98:1〜
1.02:1のフェノール性ヒドロキシル:エポキシ比
を与える量で反応させることにより製造される。
フェニル)フルオレン及び式化9で表される二価フェノ
ール類のジグリシジルエーテル中のフルオレン成分の割
合は、使用する二価フェノール類及び二価フェノール類
のジグリシジルエーテル中の全フェノール成分に対して
8モル%以上含有されていることが必要である。8モル
%未満ではフルオレン骨格の導入効果が十分でなく、耐
熱性のあるフィルムを得ることが極めて困難である。ま
た、式化7で表される二価フェノール類及び式化10で
表される二価フェノール類のジグリシジルエーテル中の
二価フェノール成分の割合は、使用する二価フェノール
類及び二価フェノール類のジグリシジルエーテル中の全
二価フェノール成分に対して0モル%以上30モル%未
満であることが必要である。即ち、式化6と下記の式化
11で表される二価フェノール類及び式化8と式化9で
表される二価フェノール類のジグリシジルエーテル中の
二価フェノールの割合は、使用する二価フェノール類及
び二価フェノール類のジグリシジルエーテル中の全二価
フェノール成分に対して70モル%以上100モル%以
下であることが必要である。この値が70モル%未満で
はフルオレン骨格およびハイドロキノン骨格の導入効果
が十分でなく、耐熱性を得ることが極めて困難である。
反応温度は60℃〜200℃が好ましく、特に好ましく
は90℃〜180℃である。反応圧力は通常、常圧であ
り、反応熱の除去が必要な場合は、使用する溶剤のフラ
ッシュ蒸発・凝縮還流法、間接冷却法、またはこれらの
併用法により行われる。
素数1〜5のアルキル基、またはハロゲン原子から選ば
れるものであり、lは0より大きい値である。R1、
R2、R3、R4は同一であってもよいし、異なっていて
もよい。
5のアルキル基、またはハロゲン原子のいずれかであ
り、Yは−SO2−、−CH2−、−C(CH3)2−、ま
たは−O−のいずれかであり、mは0または1の値であ
り、lは0より大きい値である。R1、R2は同一であっ
てもよいし、異なっていてもよい。
ロキシポリエーテル樹脂は耐熱性、可撓性のある物質で
あり、単独で用いることもできるが、エポキシ樹脂、メ
ラニン樹脂、イソシアネート樹脂、フェノール樹脂等を
含有せしめることができる。また、耐熱性、難燃性の付
与、低線膨張率化等のために、シリカ、炭酸カルシウ
ム、タルク、水酸化アルミニウム、アルミナ、マイカ等
を、また、接着力改善の為にエポキシシランカップリン
グ剤や、ゴム成分等を熱可塑性ポリヒドロキシポリエー
テル樹脂の物性を落とさない程度に加えても良い。
する。以下の実施例及び比較例に於いて、「部」は「重
量部」を示す。
脂、具体的にはYDC−1312(東都化成製、エポキ
シ当量175.6g/eq、融点141℃)を201.
2部、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレン(アドケムコ製、水酸基当量175.2g/e
q)を198.8部、シクロヘキサノンを171.4
部、触媒として2エチル4メチルイミダゾール(四国化
成製、以後2E4MZと略す)0.16部を、撹拌装
置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた4つ口
のガラス製セパラブルフラスコに仕込み、常圧で、反応
温度を160℃〜170℃に保ち10時間撹拌した後、
シクロヘキサノン128.6部、メチルエチルケトン3
00.0部を加えて、エポキシ当量30,800g/e
q、固形分濃度40.0%(以後NV.と略す)、溶液
粘度2,800cps/25℃、重量平均分子量47,
000のポリヒドロキシポリエーテル樹脂のシクロヘキ
サノン・メチルエチルケトン混合ワニスを993部得
た。この樹脂を合成樹脂ワニスIとした。
T)へ溶剤乾燥後の樹脂厚みが60μmになるようにロ
ーラーコーターにて塗布し、130℃〜150℃、5分
〜15分間溶剤乾燥を行って絶縁性フィルムを得た。ま
た、標準試験板(PM−3118M、日本テストパネル
工業製)に絶縁性フィルムと35μm銅箔を重ねて、ド
ライラミネーターにより160℃でラミネートして、銅
箔剥離強さ測定用試験板を得た。
った。 ガラス転移温度:ラミネートせずに絶縁性フィルムのま
までTMA測定を行った。 吸水率:ラミネートせずに絶縁性フィルムのまま、85
℃、100%×100時間での吸水率の測定を行った。
173℃、吸水率は1.4%で、銅箔剥離強さは25℃
においては、2.1kgf/cm、150℃では、2.
1kgf/cmであった。この実施例ではフルオレン骨
格を49.7モル%、及びハイドロキノン骨格を50.
3モル%含有するもので、従来のポリヒドロキシポリエ
ーテル樹脂に比較し、ガラス転移点が高く、同時に吸水
率が小さくなっている。ガラス転移点が高温側に移行し
たことにより、高温度における銅箔剥離強さの低下が小
さいのが特徴である。即ち、室温近辺の25℃と150
℃の高温度下における銅箔剥離強さが、同じ値で耐熱性
が高いことを示している。
脂、具体的にはYDC−1312(前述)を81.8
部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、具体的にはYD
−128(東都化成製、エポキシ当量186.5g/e
q)を120.0部、9,9’−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレン(前述)を198.2部、シクロ
ヘキサノンを171.7部、触媒として2E4MZ0.
16部を、撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装
置を備えた4つ口のガラス製セパラブルフラスコに仕込
み、大気圧下で、反応温度を160℃〜170℃に保ち
10時間撹拌した後、シクロヘキサノン128.6部、
メチルエチルケトン300.0部を加えて、フェノール
性ヒドロキシ当量16,100g/eq、NV.40.
0%、溶液粘度3,300cps/25℃、重量平均分
子量40,800のポリヒドロキシポリエーテル樹脂の
シクロヘキサノン・メチルエチルケトン混合ワニスを9
91部得た。この樹脂を合成樹脂ワニスIIとした。合
成樹脂ワニスIIを使用した以外は実施例1と全く同様
に絶縁性フィルム及び銅箔剥離強さ測定用試験板を得
た。
175℃、銅箔剥離強さは、25℃では、2.1kgf
/cm、150℃では、1.9kgf/cmで、耐熱性
が高いことと併せて、高温側での銅箔剥離強さの保持力
が高いことを示している。
脂、具体的にはYDC−1312(前述)を246.8
部、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオ
レン(前述)を203.4部、テトラブロムビスフェノ
ールA(デットシブロミド製、水酸基当量272.0g
/eq、臭素含有量58.5%)を49.8部、メチル
イソブチルケトンを214.3部、触媒としてトリフェ
ニルフォスフィン(北興化学製)0.30部を、撹拌装
置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた4つ口
のガラス製セパラブルフラスコに仕込み、大気圧下で、
反応温度を115℃〜125℃に保ち10時間撹拌した
後、メチルイソブチルケトン285.7部を加え、エポ
キシ当量8,100g/eq、NV.50.0%、溶液
粘度3,310cps/25℃、重量平均分子量20,
100のポリヒドロキシポリエーテル樹脂のメチルイソ
ブチルケトンワニスを990部得た。この樹脂を合成樹
脂ワニスIIIとした。合成樹脂ワニスIIIを使用し
た以外は実施例1と全く同様に絶縁性フィルム及び銅箔
剥離強さ測定用試験板を得た。
169℃、銅箔剥離強さは、25℃では、2.0kgf
/cm、150℃では、1.9kgf/cmで、耐熱性
が高いことと併せて、高温側での銅箔剥離強さの保持力
が高いことを示している。
当量55.0g/eq)を65.1部、9,9’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(前述)を2
3.1部、エピクロルヒドリンを61.4部、トルエン
を187.5部、触媒として48.4%水酸化ナトリウ
ム水溶液60.0部を、撹拌装置、温度計、冷却管、窒
素ガス導入装置を備えた4つ口のガラス製セパラブルフ
ラスコに仕込み、常圧で、反応温度を70℃〜75℃に
保ち11時間撹拌した後、n−ブチルアルコールを9
3.0部、シュウ酸を4.1部、純水を35.7部を加
え中和分液し、トルエンを312.0部、n−ブチルア
ルコールを156.0部加えた後、純水を117.0部
加えて2回水洗分液した。その後還流脱水、溶媒回収し
て、エポキシ当量33,500g/eq、NV.40.
0%、溶液粘度3,400cps/25℃、重量平均分
子量49,500のポリヒドロキシポリエーテル樹脂の
トルエン・n−ブチルアルコール混合ワニスを320部
得た。この樹脂を合成樹脂ワニスIVとした。合成樹脂
ワニスIVを使用した以外は実施例1と全く同様に絶縁
性フィルム及び銅箔剥離強さ測定用試験板を得た。
168℃、銅箔剥離強さは、25℃では、1.9kgf
/cm、150℃では、1.8kgf/cmで、耐熱性
が高いことと併せて、高温側での銅箔剥離強さの保持力
が高いことを示している。
はYD−128(前述)を226.3部、9,9’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(前述)を1
98.6部、メチルイソブチルケトンを182.1部、
触媒としてトリフェニルフォスフィン(前述)0.25
部を、撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を
備えた4つ口のガラス製セパラブルフラスコに仕込み、
大気圧下で、反応温度を115℃〜125℃に保ち10
時間撹拌した後、メチルイソブチルケトン165.5部
を加え、エポキシ当量5,503g/eq、NV.5
5.0%、溶液粘度2,830cps/25℃、重量平
均分子量14,600のポリヒドロキシポリエーテル樹
脂のメチルイソブチルケトンワニスを833部得た。こ
の樹脂を合成樹脂ワニスVとした。合成樹脂ワニスVを
使用した以外は実施例1と全く同様に絶縁フィルム及び
銅箔剥離強さ測定用試験板を得た。この比較例はフルオ
レン骨格のみを導入し、ハイドロキノン骨格を導入しな
いポリヒドロキシポリエーテル樹脂について実施したも
のの例である。得られた絶縁性フィルムのガラス転移点
は、155℃であった。銅箔剥離強さは、25℃では、
2.2kgf/cmであったが、150℃では、0.7
kgf/cmとなり、高温側での銅箔剥離強さの低下が
著しいことを示している。
脂、具体的にはYDC−1312(前述)を67.3
部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、具体的にはYD
−128(前述)を161.4部、9,9’−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)フルオレン(前述)を151.
6部、ハイドロキノン(前述)を19.7部、シクロヘ
キサノンを171.7部、触媒として2E4MZ0.1
6部を、撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置
を備えた4つ口のガラス製セパラブルフラスコに仕込
み、反応温度を160℃〜170℃に保ち10時間撹拌
した後、シクロヘキサノン128.6部、メチルエチル
ケトン300.0部を加えて、エポキシ当量15,90
0g/eq、NV.40.0%、溶液粘度2,650c
ps/25℃、重量平均分子量32,000のポリヒド
ロキシポリエーテル樹脂のシクロヘキサノン・メチルエ
チルケトン混合ワニスを990部得た。この樹脂を合成
樹脂ワニスVIとした。合成樹脂ワニスVIを使用した
以外は実施例1と全く同様に絶縁フィルム及び銅箔剥離
強さ測定用試験板を得た。この比較例はフルオレン骨格
及びハイドロキノン骨格以外の骨格が35モル%含有さ
れているポリヒドロキシポリエーテル樹脂について実施
したものの例である。得られた絶縁性フィルムのガラス
転移点は、158℃であった。銅箔剥離強さは、25℃
では、2.1kgf/cmであったが、150℃では、
0.8kgf/cmとなり、高温側での銅箔剥離強さの
低下が著しいことを示している。
ポキシ樹脂、YP−50SEK35(東都化成製、エポ
キシ当量35,300g/eq、重量平均分子量50,
300、メチルエチルケトンワニス、NV.35%、ポ
リヒドロキシポリエーテル樹脂)を使用した以外は実施
例1と全く同様に絶縁性フィルム及び銅箔剥離強さ測定
用試験板を得た。この比較例は従来の技術に基づいて実
施したものの例である。得られた絶縁性フィルムのガラ
ス転移点は、85℃と低く、これに伴って銅箔剥離強さ
は、25℃では、1.1kgf/cm、が150℃で
は、0.2kgf/cmとなり、高温側での銅箔剥離強
さの低下が著しいことを示している。また、吸水率も、
2.7%と高くなっている。
ルAを基本構成成分とするエポキシ樹脂、YPB−40
AM40(東都化成製、エポキシ当量10,300g/
eq、臭素含有量25.0%、重量平均分子量30,3
00、シクロヘキサノン・メチルエチルケトン混合ワニ
ス、NV.40%、臭素化ポリヒドロキシポリエーテル
樹脂)を使用した以外は実施例1と全く同様に絶縁性フ
ィルム及び銅箔剥離強さ測定用試験板を得た。この比較
例も従来の技術に基づいて実施したものの例である。得
られた絶縁性フィルムのガラス転移点は、106℃と低
く、これに伴って銅箔剥離強さは、25℃では、2.2
kgf/cmであったが、150℃では、0.3kgf
/cmとなり、高温側での銅箔剥離強さの低下が著しい
ことを示している。また、吸水率も、2.4%と高くな
っている。
ィルムの特性値を表1にまとめて示した。フルオレン骨
格及びハイドロキノン骨格の導入効果は、高温時の銅箔
剥離強さに顕著に認められる。実施例の150℃におけ
る銅箔剥離強さは、比較例のそれに比較して、少なくと
も1kgf/cmは大きくなっている。比較例では25
℃における値が150℃において半分以下になっている
のに対して、実施例では、25℃の銅箔剥離強さは、1
50℃においてもほとんど保持されている。また、実施
例のガラス転移点は、比較例のそれに比較して、少なく
とも10℃は高温側に移行している。更に、吸水性が低
くなっていることが認められる。即ち、従来のビスフェ
ノールタイプの樹脂では吸水率は2%台であるに対し
て、実施例では1.7%以下となっている。
リエーテル樹脂を用いると、吸水性が小さく、密着性が
あり、かつガラス転移点が165℃を越えるフィルムが
得られる。これは、耐熱性、耐水性に優れた特徴を有
し、高温高湿環境においても物性が実質上低下しない絶
縁性フィルムを提供するものであり、その技術上の意味
は極めて大きなものがある。
リエーテル樹脂のGPCチャートである。
リエーテル樹脂のIRスペクトル図である。
Claims (2)
- 【請求項1】式化1で表され、分子量が10 ,000か
ら200,000の熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテ
ル樹脂。 【化1】 式化1中、Xは式化2、式化3及び式化4で表されるも
のであり、Xが式化2である割合が全XのAモル%、X
が式化3である割合が全XのBモル%、Xが式化4であ
る割合が全XのCモル%とするとき、 B≧8 100≧A+B≧70 0≦C<30 A+B+C=100 であり、Zは水素原子または式化5のいずれかであり、
nは21以上の値である。 【化2】 式化2中、R1、R2、R3、R4は水素原子、炭素数1〜
5のアルキル基、ハロゲン原子から選ばれるものであ
る。 【化3】 【化4】 式化4中、R1、R2は水素原子、炭素数1〜5のアルキ
ル基、ハロゲン原子から選ばれるものであり、Yは−S
O2−、−CH2−、−C(CH3)2−、または−O−の
いずれかであり、mは0または1の値である。 【化5】 - 【請求項2】請求項1に記載の熱可塑性ポリヒドロキシ
ポリエーテル樹脂から成形された絶縁性フィルム。
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