JPH11299422A - 新規なテキスチャーを有する多層構造キャンデーおよびその製造方法 - Google Patents

新規なテキスチャーを有する多層構造キャンデーおよびその製造方法

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JPH11299422A
JPH11299422A JP10131043A JP13104398A JPH11299422A JP H11299422 A JPH11299422 A JP H11299422A JP 10131043 A JP10131043 A JP 10131043A JP 13104398 A JP13104398 A JP 13104398A JP H11299422 A JPH11299422 A JP H11299422A
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洋一 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 口腔内でかき氷の食感をもって溶けてゆく、
新規なテキスチャーを有するキャンデーおよびその製造
方法を提供する。 【解決手段】 トレハロースを主成分とする配合組成物
を、制御された条件下で成型する手段を用いることによ
って、成型物の内部に緻密な構造を有するシェル層と粗
な構造を有するコア層とを含む多層構造を形成させ、口
腔内で容易に崩壊し、かき氷の食感をもって溶けてゆく
新規なテキスチャーを有する多層構造キャンデーを創製
するとともにその製造方法を確立しこの課題を解決す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なテキスチャ
ーを有するキャンデーおよびその製造方法に関し、より
詳しくは、トレハロースを主成分とする配合組成物の成
型体であって、制御された条件下で成型固化する手段を
用いて成型物の内部に緻密な構造を有するシェル層と粗
な構造を有するコア層とを含む多層構造を形成させるこ
とによって実現した、口腔内でかき氷の食感をもって溶
けてゆく新規なテキスチャーを有する多層構造キャンデ
ーおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】キャンデー類は、一般的に砂糖、水飴等
の糖原料を主原料とし、その他の糖、乳製品、澱粉、油
脂、果汁、酸味料、色素、香料、果実、種実等の副原料
と水分とを配合した組成物を加熱溶解し、所望の水分率
まで加熱濃縮(煮詰め)したのち、成型し、冷却固化す
る方法によって製造されている。キャンデー類は、糖原
料と副原料の種類、配合割合、製品の水分含量等を変え
ることにより様々の性状のものが製造される。
【0003】例えば糖液の煮詰め温度で分類すると、高
温(140〜170℃)で煮詰めた水分含量の低いハー
ドキャンデーとしては、ドロップ、スカッチ、飴玉、タ
フィ等があり、低温(110〜140℃)で煮詰めた水
分含量の高いソフトキャンデーとしては、キャラメル、
ヌガー、フォンダン、ゼリー、マシュマロ、ウイスキー
ボンボン等がある。殆どあるいは全く煮詰めないものと
しては、錠菓、乾燥菓子等がある。最近の統計数字で
も、数量で年間約16万トン、金額で約二千億円の各種
キャンデーが日本国内において生産されている。このよ
うにキャンデーは古くから親しまれた菓子であり、今な
お我々の生活にうるおいを与えてくれる有用なものであ
る。
【0004】最近は、多様化に対応してキャンデーの世
界でも変化が起こりつつある。消費者の“砂糖離れ”に
対応するための機能性として、甘いけれども虫歯になり
難い“低う食性”や甘いけれども太らない“低カロリ
ー”に着目し、健康志向の機能成分としてオリゴ糖、ビ
タミン、ミネラル、ファイバー等を配合した“健康製
品”等々の開発が活発に行なわれている。さらには、消
費者の嗜好変化により低甘味キャンデーが好まれるよう
になってきている。特に夏期には甘いキャンデーの売れ
行きが極端に落ち込むという季節変動があり、暑い夏に
売れるキャンデーの開発は業界としての大きな課題でも
あった。
【0005】砂糖と水飴とを原料にした場合、低甘味に
するには砂糖を減らし水飴の比率を上げる必要がある
が、このような方法で低甘味にすると、フレーバーの
“立ち”および“透明性”が損なわれるというジレンマ
を生じる。このような問題点を解決する手段として、糖
原料中にトレハロースを0.5〜60%配合する方法が
特開平8−256694で提案されている。しかし、当
該特許の目指すところは、従来タイプのキャンデーの欠
点の改良にトレハロースを添加物的に用いるものであっ
て、本発明とは全く思想を異にする発明である。
【0006】本発明者らは、キャンデーに関する前述の
如き消費者の嗜好性の変化、売れ行きの季節変動を抱え
た業界の課題、あるいはトレハロースの糖としての特異
な性質等に着目して鋭意研究を続けた結果、トレハロー
スを主成分とする配合組成物を、成型用の型内部におい
て高温液体状態から制御された条件下で成型固化させ、
成型体内部に緻密な構造のシェル層と粗な構造のコア層
とを含む多層構造を形成させることによって、口腔内で
かき氷の食感をもって溶けてゆく新規なテキスチャーを
有するキャンデーが得られることを見出した。
【0007】従来知られているドロップ、スカッチ、飴
玉、タフィ等ハードキャンデー、キャラメル、ヌガー、
フォンダン、ゼリー、マシュマロ、ウイスキーボンボン
等のソフトキャンデー、錠菓、乾燥菓子等の中には、口
腔内でかき氷の食感をもって溶けてゆくキャンデーは全
く知られていなかったものであり、本発明によって初め
て可能になった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、口腔内でか
き氷の食感をもって溶けてゆく新規なテキスチャーを有
するキャンデーおよびその製造方法を提供することを課
題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、トレハロースの糖としての特異な性
質に着目して鋭意研究を続けた結果、トレハロースを主
成分とする配合組成物の成型用水性原液を成型用の型内
部において高温液体状態から制御された条件下で固化さ
せ、成型体内部に緻密な構造のシェル層と粗な構造のコ
ア層とを含む多層構造を形成させることによって、口腔
内でかき氷の食感をもって溶けてゆく、新規なテキスチ
ャーを有するキャンデーが得られる事を見出し、またそ
の製造方法を確立して本発明を完成した。
【0010】即ち、本発明は、 (1)トレハロースを主成分とする配合組成物の成型体
であって、緻密な構造のシェル層と粗な構造のコア層と
を含む様に構成された新規なテキスチャーを有する多層
構造キャンデー (2)温水中崩壊時間が5分以内である様に構成された
多層構造キャンデー (3)トレハロースを主成分とする配合組成物の成型用
水性原液を、成型用の型内部において、高温液体状態か
ら制御された条件下で固化させることによって、成型体
の内部に緻密な構造のシェル層と粗な構造のコア層とを
含む多層構造を形成させる事を特徴とする新規なテキス
チャーを有するキャンデーの製造方法 を主な構成要件とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いるトレハロースは、
α,α−トレハロースであって、その由来、製法は問わ
ない。例えば、特開平7−170977号公報、特開平
7−213283号公報等に開示される方法で製造され
るトレハロースの含水または無水の結晶粉末等が適宜採
用出来る。より具体的には、例えば澱粉から酵素法によ
り工業的に生産されている高純度含水結晶トレハロース
(株式会社林原商事販売、登録商標「トレハオース」)
が有利に利用出来る。
【0012】本発明の効果を高度に発揮するためには、
配合組成物中に占めるトレハロースの割合が少なくとも
60%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは9
0%以上である事が必要である。トレハロースの割合が
60%以下では、本発明が企図する様な、口腔内でかき
氷の食感をもって溶けてゆく、新規なテキスチャーを有
するキャンデーは得られない。
【0013】また、トレハロース以外の成分としては、
本発明の目的とする新規なテキスチャーを損なわない範
囲において、様々な可食成分を添加することが出来る。
例えば、各種糖類、澱粉誘導体、セルロース誘導体、ト
レハロース誘導体、多糖類、蛋白質、脂質、水性高分
子、植物成分、動物成分、鉱物成分、野菜、果物、種
実、生理活性物質、界面活性物質、安定剤、増粘剤、香
料、エッセンス、着色料、その他微量添加物等が例とし
てあげられる。
【0014】各種糖類としては従来公知のキャンデーの
主原料に用いられる砂糖、水飴の他に、例えばマルトー
ス、乳糖、パラチノース、マルチトール、ラクチトー
ル、キシリトール、マンニトール等が挙げられる。これ
らはいずれもトレハロースの固化の挙動および固体の性
状に影響を与えるので、本発明の目的とする新規なテキ
スチャーを損なわない範囲の添加量にとどめるべきであ
る。
【0015】本発明になる新規なテキスチャーを有する
多層構造キャンデーの製造方法としては、トレハロース
を主成分とする配合組成物に適量の水(例えば10〜5
0重量%)を添加して加熱・撹拌し、配合組成物の水性
分散系を可及的均一系とし、要すれば水を蒸発させて濃
縮(煮詰め)を行ない、このようにして得たトレハロー
ス配合組成物の成型用水性原液を従来公知の種々の成型
方法を用いて様々なタイプの成型用の型に移送し、成型
用の型内部(中もしくは上)において、高温液体状態か
ら制御された条件下で固化させ、成型体の内部に緻密な
構造のシェル層と粗な構造のコア層とを含む多層構造を
形成させる方法が挙げられるが、これらに限定されるも
のではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲におい
て多数の類推容易な製造方法が使用できる。
【0016】本発明に用いる加熱方法としては、直火加
熱、蒸気加熱、油加熱、電気加熱、誘導加熱、電磁波加
熱等がいずれも使用出来るが、温度制御の安定性の点か
ら蒸気加熱、電気加熱が好ましい。
【0017】成型方法としては、公知の方法、例えば、
単軸あるいは2軸エクストルーダーを用いる押出方式、
流下方式、スタンピング方式、射出方式、加圧膨化方式
等が適宜採用出来るが、後述の如く後期冷却の段階(概
ね、成型用の型に移送後5分経過以後)には2℃/分以
下の低速度で冷却して粗な構造のコア層を形成させる工
程が必要となり、比較的長い滞留時間(通常1〜20時
間)を要し、一日当り多数の型を占拠する結果となるた
め、型の経済性の点でスターチモールドに代表される粉
体型あるいは天板型を用いるのが適当である。
【0018】成型方法および成型用の型に関しても、本
発明の技術思想を実現し得る方法であればいずれも使用
可能であり、特定のものを排除するものではない。しか
しながら、可塑成分として水分を含む高温のトレハロー
ス配合組成物の成型用水性原液を成型用の型に移送した
のち、成型用の型内部(中もしくは上)において固化さ
せるにあたり、水分吸収性の型材を用いると、型壁内部
への水分移動が起ることによって濃縮効果が誘起され、
成型用の型の内部で冷却効果ならびに濃縮効果が並行的
に生じながら固化することとなり、緻密な構造のシェル
層が効果的に生成するのでより好ましい。
【0019】水分吸収性の多孔性型材としては、例え
ば、焼結金属、焼結セラミックス、焼結ガラス等の無機
物焼結体、パルプ、セルロース、コーンスターチ、小麦
粉、片栗粉、炭酸カルシウム、クレー、酸化チタン等の
粉粒体の凝集力を利用した粉体型あるいは紙、不織布、
布、セメント、石膏等、繊維もしくは粉粒体が部分的に
接合した構造の多孔性型材、等々が挙げられる。
【0020】また、多孔性型材以外の型材を用いる場合
でも、成型用型の表面に予めトレハロースの緻密な構造
を生成させておく、あるいは微粉砕したトレハロース微
粒子、スターチ微粒子もしくは各種粉粒体を付着させて
置く等の補助的手段を援用することにより、本発明の企
図する新規なテキスチャーを有するキャンデーを効果的
に製造することが出来るのである。
【0021】かかる成型用の型を用いた場合でも、制御
された条件下で固化させることが必要である。例えば、
トレハロースを主成分とする配合組成物の成型用水性原
液を、高温液体状態から成型用の型の中に移送して冷却
ならびに濃縮効果により固化させるにあたり、移送直後
に続く初期3分間は10℃/分以上の高速度で冷却して
緻密な構造のシェル層を形成させ、移送後から5分経過
以後の後期は2℃/分以下の低速度で冷却することによ
って粗な構造のコア層を形成させ、成形体の内部に緻密
な構造のシェル層と粗な構造のコア層とを含む多層構造
を形成させる等の方法を用いることが新規なテキスチャ
ーを有するキャンデーを製造する上で極めて有効であ
る。
【0022】トレハロースを主成分とする配合組成物の
成型用水性原液の性状も重要な要件のひとつであって、
該原液のBrix値が80±10%であることが望まし
く、80±5%であることがさらに望ましい。この範囲
を越えると、本発明の企図する新規なテキスチャーを有
するキャンデーを効果的に製造することが出来ない。
【0023】制御された条件下で冷却固化させる必要が
あるため、生産設備にも相応の制御系が必要で、室温制
御、成型用の型温制御、冷却風温度制御、静置室温度制
御等が適宜必要となる。
【0024】成型用水性原液を成型用の型内部(中もし
くは上)で高温液体状態から固化させるにあたり、初期
冷却段階(概ね、成型用の型に移送直後から1〜3分以
内)には10℃/分以上の高速度で冷却して表面に緻密
構造のシェル層を形成させ、後期冷却の段階(概ね、成
型用の型に移送後5分経過以後)には2℃/分以下の低
速度で冷却して粗構造のコア層を形成させ、結果として
成形体内部に緻密構造のシェル層と粗構造のコア層とを
含む多層構造を形成させることにより新規なテキスチャ
ーを有するキャンデーが得られるのである。
【0025】このようにして得られた本発明の多層構造
キャンデーは、表面に緻密な構造の薄いシェル層を有
し、中心部に粗な構造のコア層を有するものであるが、
これらの構造は偏光顕微鏡観察により容易に認識する事
が出来る。すなわち、表面に存在する緻密構造のシェル
層は光学軸を異にする多くの小粒塊(最大長粒径が1m
m以下)が緻密に密集して構成されており、一方、中心
部の粗構造のコア層は光学軸をほぼ同じくする大粒塊
(最大長粒径が2〜10mm)が相対的に粗く集合して
いることが分かる。
【0026】上記の如くシェル・コア構造を有する本発
明の多層構造キャンデーは、口腔内で容易に崩壊し、か
き氷の食感を有する涼感あふれるテキスチャーのキャン
デーであると同時に、通常の包装形態で流通しても破損
することがなく、商品価値が維持出来る有用なものであ
る。
【0027】以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によ
って何等限定されるものではない。
【0028】
【実施例1〜4】トレハロース含水結晶(株式会社林原
商事販売、登録商標「トレハオース」)750重量部と
キサンタンガム粉末1重量部とをよく混合し、水250
重量部を加えて掻き混ぜながらゆっくりと加熱し、系が
透明になった後も加熱撹拌を続け、温度が110℃に上
昇するまで煮詰め、Brix約80%のトレハロース水
性液約850重量部を得た。
【0029】該水性液を分割し、100重量部に対しそ
れぞれ添加物の適当量を加えて均一に撹拌分散した後、
20℃に制御された部屋の中で、温度が110℃の成型
用水性原液を、予めコーンスターチに紡錘形の凹部を型
押しし、5℃の冷蔵庫に15時間静置して冷却した成型
用の型(スターチモールド)に約1gづつ注入し、引き
続き同室内に18時間静置して熟成固化させ、紡錘形の
キャンデーを得た。引き続き60℃の乾燥室に24時間
放置して仕上げ乾燥を行なった。この様にして得られた
キャンデーを密封容器中に保存し検体として種々の評価
に供した。
【0030】比較例として、実施例1におけるトレハロ
ース750重量部の代りに、トレハロースとスクロース
の1対1混合物(比較例1)、トレハロースと水飴の1
対1混合物(比較例2)を用いて、その他の点は実施例
1と同様にして、比較例キャンデーを得た。さらなる比
較例として、実施例1における成型用の型(スターチモ
ールド)の代りに、エタノール/ドライアイスで冷却し
たアルミ製の半球形型を用いて成型用水性原液を急冷
し、引き続き1時間冷却を続けて固化させた比較例キャ
ンデー(比較例3)を得た。これらについても実施例と
同様な評価を行なった。結果をまとめて表1に示した。
【0031】(1)内部構造観察 キャンデーの断面を薄く切り出した切片試料を偏光顕微
鏡で観察し、表面スキン層および内部コア層の状況を調
査した。表面付近に存在する緻密構造のシェル層は光学
軸を異にする多くの小粒塊(最大長粒径が1mm以下)
が緻密に密集して構成された層であり、一方、主として
中心部に存在する粗構造のコア層は光学軸をほぼ同じく
する大粒塊(最大長粒径が2〜10mm)が相対的に粗
く集合した層であり、両者の境界は必ずしも明確ではな
いが熟練すると判定は容易である。
【0032】評価として、典型的な緻密構造のシェル層
が0.1mm以上の厚さで明確に認められるものを◎と
し、以下○、△、×の順に不明確とし、粗構造のコア層
に関しても同様に大粒塊が粗く集合した典型的なコア層
が明確に認められるものを◎とし、以下○、△、×の順
に不明確とする評価規準で観察結果を整理した。結果を
表1にまとめて示す。
【0033】(2)温水中崩壊時間 口腔内におけるキャンデーの崩壊性の評価方法として、
「温水中崩壊時間」(Td)なる代用特性を創案した。
この方法は、500mlのガラスビーカーに60℃の温
水を入れ、直径4.5cmの三枚羽根の撹拌翼を150
rpmの回転数で撹拌しながら、種々の条件で作成した
検体キャンデーを投入し、残存する最大破片が原形の半
分以下の大きさになるに要した時間(Td)を測定する
ものである。
【0034】一方、これら検体キャンデーをパネラーに
試食させ、かき氷のテキスチャーに関し5段階評価し、
併せて涼感、総合風味についても評価した。結果をまと
めて表1に示す。「温水中崩壊時間」(Th)が3分以
下の本発明キャンデーは、涼感、総合風味とも評価が高
く、かき氷のテキスチャーに関しても最も好感度高く、
高得点となった。
【0035】(3)温水中崩壊荷重 口腔内におけるキャンデーの崩壊性の評価方法として、
「温水中崩壊荷重」(Wd)なる代用特性を創案した。
この方法は、容量2Lのステンレス平底バットに検体キ
ャンデー3個を3cm間隔に配置し、その上部に直径5
cmのステンレス円板を置き、全体を電子天秤に載せ、
60℃の温水を1.5L入れ、30秒経過後の崩壊荷重
を測定した。
【0036】崩壊荷重は、ステンレス円板上部から徐々
に荷重を加え、検体キャンデー3個の内一個が崩壊した
時の電子天秤の荷重指示をもって表現した。一方、これ
ら検体キャンデーをパネラーに試食させかき氷のテキス
チャーに関し5段階評価し、併せて涼感、総合風味につ
いても評価した。結果をまとめて表1に示す。「温水中
崩壊荷重」が3kg以下の本発明キャンデーは、涼感、
総合風味とも評価が高く、かき氷のテキスチャーに関し
ても最も好感度高く、高得点となった。
【0037】(4)パネラー試食評価(4段階評価:
◎、○、△、×) 各種検体キャンデーを対象に、A.かき氷のテキスチャ
ー、B.涼感、C.総合風味の3項目について、5人の
パネラーが独立に食感のイメージ評価を行なった。評価
規準は、◎が大変優れている(3点)、○が優れている
(2点)、△が普通(1点)、×が劣っている(0
点)、の4段階評価である。結果をまとめて表1に示
す。表1には、5人のパネラーの評点の平均点を示し
た。
【0038】
【実施例5】トレハロース75重量部とキシリトール2
5重量部とを混ぜあわせ、水30部を加えてガラス容器
中で掻き混ぜながらゆっくりと加熱し、系が透明になっ
た後も加熱撹拌を続け、温度が115℃に上昇するまで
煮詰め、Brix約85%の水性液を得た。該水性液に
添加物を適当量加え、均一に撹拌分散して、成型用水性
原液を得た。
【0039】該原液を実施例1と同様にして、20℃に
制御された部屋で比較例3で用いたアルミ製の半球形型
に成型用水性原液を注入し、30分放置後5℃に制御さ
れた冷蔵庫に移して18時間静置熟成固化させてキャン
デー(比較例4)を得た。一方、該原液を、アルミ製の
半球形型の表面に予め実施例1で用いた原液を塗布し緻
密なスキン層を形成させた成型用の型に注入し、前段の
比較例4と同様に30分放置後5℃に制御された冷蔵庫
に移して18時間静置熟成固化させてキャンデー(実施
例5)を得た。
【0040】実施例5と比較例4とを比較したところ、
比較例4は表面の緻密な層が極めて薄く、巨大な粒塊か
らなる透明感のあるキャンデーであり、かき氷の食感は
得られたものの、表面が角張っているため壊れ易く、商
品としては今一歩不十分なものであったのに対し、実施
例5のキャンデーは、これらの欠点が改善され、総合的
に優れたキャンデーと評価された。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、口腔内でかき氷の食感をもって溶けてゆく新
規なテキスチャーを有するキャンデーが得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】 温水中崩壊時間が5分以下、好ましくは
3分以下である請求項1に記載の多層構造キャンデー。
【請求項】 トレハロース配合組成物の成型用水性原
液を、成型用の型内部において、高温液体状態から制御
された条件下で固化させることによって、成型体の内部
に緻密な構造のシェル層と粗な構造のコア層とを含む多
層構造を形成させることを特徴とする新規なテキスチャ
ーを有するキャンデーの製造方法。
【請求項】 トレハロース配合組成物の成型用水性原
液を、高温液体状態から成型用の型の中に移送したのち
固化させるにあたり、移送直後に続く初期3分間は10
℃/分以上の高速度で冷却して緻密な構造のシェル層を
形成させ、移送後から5分経過以後の後期は2℃/分以
下の低速度で冷却することによって粗な構造のコア層を
形成させ、成形体の内部に緻密な構造のシェル層と粗な
構造のコア層とを含む多層構造を形成させることを特徴
とする新規なテキスチャーを有するキャンデーの製造方
法。
【請求項】 トレハロース配合組成物の成型用水性原
液が80±10%のBrix値である請求項又は請求
に記載のキャンデーの製造方法。
【請求項】 成型用の型表面に予めトレハロースを主
成分とする固体微粒子もしくは緻密な構造の層を形成さ
せておく請求項、請求項又は請求項に記載のキャ
ンデーの製造方法。
【請求項】 成型用の型が水分吸収性の素材である請
求項、請求項、請求項又は請求項に記載のキャ
ンデーの製造方法。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレハロースを主成分とする配合組成物
    の成型体であって、緻密な構造のシェル層と粗な構造の
    コア層とを含むことを特徴とする新規なテキスチャーを
    有する多層構造キャンデー。
  2. 【請求項2】 配合組成物がトレハロースを60%以
    上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上
    含む請求項1記載の多層構造キャンデー。
  3. 【請求項3】 温水中崩壊時間が5分以下、好ましくは
    3分以下である請求項1あるいは請求項2に記載の多層
    構造キャンデー。
  4. 【請求項4】 トレハロース配合組成物の成型用水性原
    液を、成型用の型内部において、高温液体状態から制御
    された条件下で固化させることによって、成型体の内部
    に緻密な構造のシェル層と粗な構造のコア層とを含む多
    層構造を形成させることを特徴とする新規なテキスチャ
    ーを有するキャンデーの製造方法。
  5. 【請求項5】 トレハロース配合組成物の成型用水性原
    液を、高温液体状態から成型用の型の中に移送したのち
    固化させるにあたり、移送直後に続く初期3分間は10
    ℃/分以上の高速度で冷却して緻密な構造のシェル層を
    形成させ、移送後から5分経過以後の後期は2℃/分以
    下の低速度で冷却することによって粗な構造のコア層を
    形成させ、成形体の内部に緻密な構造のシェル層と粗な
    構造のコア層とを含む多層構造を形成させることを特徴
    とする新規なテキスチャーを有するキャンデーの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 トレハロース配合組成物の成型用水性原
    液が80±10%のBrix値である請求項4又は請求
    項5に記載のキャンデーの製造方法。
  7. 【請求項7】 成型用の型表面に予めトレハロースを主
    成分とする固体微粒子もしくは緻密な構造の層を形成さ
    せておく請求項4、請求項5又は請求項6に記載のキャ
    ンデーの製造方法。
  8. 【請求項8】 成型用の型が水分吸収性の素材である請
    求項4、請求項5、請求項6又は請求項7に記載のキャ
    ンデーの製造方法。
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