JPH1129820A - 浸炭焼入部品の製造方法 - Google Patents

浸炭焼入部品の製造方法

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JPH1129820A
JPH1129820A JP19932997A JP19932997A JPH1129820A JP H1129820 A JPH1129820 A JP H1129820A JP 19932997 A JP19932997 A JP 19932997A JP 19932997 A JP19932997 A JP 19932997A JP H1129820 A JPH1129820 A JP H1129820A
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JP
Japan
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carburized
quenched
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temp
hydrogen
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JP19932997A
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Akira Mutagami
章 無田上
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Mazda Motor Corp
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    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】浸炭焼入部品を浸炭焼入し、次いで該浸炭焼入
部品を組立てるまでの間の各工程間で含有水素を放出す
るように保温することで、工程の増加やコストアップを
招くことなく、組立時までに浸炭部品に含有する水素が
放出され、組立後に遅れ破壊クラックや部品折損等の破
壊が生ずることがない浸炭焼入部品の製造方法の提供を
目的とする。 【解決手段】浸炭焼入部品の製造方法であって、浸炭焼
入部品を浸炭焼入S3し、次いで該浸炭焼入部品を組立
てるS8までの間の各工程間で含有水素を放出するよう
に保温することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば変速機の
プライマリシャフトやセカンダリシャフトのようなネジ
付き部品の如き浸炭焼入部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に上述例のネジ付き部品は浸炭焼入
れによって、その表面硬度を高くするが、浸炭焼入れ後
のネジ付き部品のネジ部に例えばナットを螺合してギヤ
等を締付けると、100時間以内に遅れ破壊(水素脆性
破壊)発生することが知られている。この遅れ破壊が発
生するメカニズムについて述べると次の通りである。
【0003】COが約23.5vol%、H2 が約29.4
vol%の変成ブタンの浸炭雰囲気中(浸炭炉内)において
図6に示すようなネジ部61をもった部品62を浸炭焼
入れすると、鋼材製の部品62内に炭素Cおよび水素H
が侵入する。浸炭焼入れ後に部品62の全体を図7に示
すように例えば180℃×2時間の焼戻し条件下で焼戻
し処理すると、鋼材中の水素が放出されて、焼入直後の
部品62中の水素吸蔵量約0.4ppm が約0.15ppm
に減少する。
【0004】この浸炭焼入れ工程および焼戻し工程を経
た部品62は組立工程までの間の物流時間と外気温(放
置温度)とにより、その部品62中の水素が図8に示す
如く放出される。ここで、外気温度が高い夏期にあって
は図8に実線で示す如く高い放出効率にて水素が放出さ
れる一方、外気温度が低い冬期にあっては図8に点線で
示す如く低い放出効率にて水素が放出される。
【0005】しかし、上述の部品62の組立時において
も該部品62中の水素は皆無とならず残存水素が存在す
るので、図6に示す如く焼戻し後の部品62のネジ部6
1にナット63を締付けてギヤ等の被締付部材64を同
図の矢印方向に締付けると、ネジ部61の谷部に応力
(ネジ部が受ける反力)が集中し、特に残存水素量が多
い冬期にあっては、この応力発生部65に残存水素が集
中拡散し、被締付部材64の締付け後において遅れ破壊
クラックが生成および成長して、図6の波線66の部分
から部品62が折損する。
【0006】このような遅れ破壊はナット63による被
締付部品64の締付トルク(軸力)の大小にもよるが、
図9に示す如く概ね100時間以内に発生し、100時
間が経過しても遅れ破壊が生じない部品62については
その後においても何等問題は発生しない。
【0007】このような遅れ破壊による折損を防止する
には、浸炭焼入れ工程、焼戻し工程終了後において図6
の部品62のネジ部61のみを例えば高周波焼戻し手段
にて約700℃に加熱して別途高温焼戻し処理を施せば
よいが、このような方法であると、コスト高になるばか
りでなく工程数が増大する問題点があった。
【0008】一方、特開平5−25709号公報に記載
のように、920〜960℃で3〜5時間浸炭焼入れし
た後に、約840℃で1時間油焼入れし、その後、約1
80℃で2時間焼戻し処理する熱処理方法が既に発明さ
れているが、この発明の技術思想をネジ付き部品のよう
な浸炭焼入部品に適用しても上述同様に残存水素(含有
水素)に起因する遅れ破壊が発生する問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記
載の発明は、浸炭焼入部品を浸炭焼入し、次いで該浸炭
焼入部品を組立てるまでの間の各工程間で含有水素を放
出するように保温することで、工程の増加やコストアッ
プを招くことなく、組立時までに浸炭部品に含有する水
素が放出され、組立後に遅れ破壊クラックや部品折損等
の破壊が生ずることがない浸炭焼入部品の製造方法の提
供を目的とする。
【0010】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、浸炭焼入後の浸炭焼
入部品を保温トレイにて保温しながら搬送することで、
部品搬送中において該部品を保温し、含有水素を放出さ
せることができる浸炭焼入部品の製造方法の提供を目的
とする。
【0011】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、上記工程を研磨工程
に設定することで、比較的長時間を要する研磨工程の時
間を有効利用しつつ、含有水素を放出させることができ
る浸炭焼入部品の製造方法の提供を目的とする。
【0012】この発明の請求項4記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、上述の保温温度を約
40℃以上に設定することで、含有水素を効率よく放出
させることができる浸炭焼入部品の製造方法の提供を目
的とする。
【0013】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、外気温度が低い時は
保温用の出力を上げるように構成することで、小出力化
を図りつつ、外気温に対応した適正な保温を行なうこと
ができる浸炭焼入部品の製造方法の提供を目的とする。
【0014】この発明の請求項6記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、上述の浸炭焼入部品
を変速機のプライマリシャフト、セカンダリシャフトの
ネジ付き部品に設定することで、組立後において変速機
内のこれらシャフトは外気と接触する懸念がないうえ、
駆動時には変速機内のオイルが約100〜150℃とな
り、一旦放出させた水素が上記シャフトに再び侵入する
おそれもなく、これらネジ付き部品の耐遅れ破壊性を確
実に向上させることができる浸炭焼入部品の製造方法の
提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明は、浸炭焼入部品の製造方法であって、浸炭焼入
部品を浸炭焼入し、次いで該浸炭焼入部品を組立てるま
での間の各工程間で含有水素を放出するように保温する
浸炭焼入部品の製造方法であることを特徴とする。
【0016】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記浸炭焼入後の浸
炭焼入部品を保温トレイにて保温しながら搬送する浸炭
焼入部品の製造方法であることを特徴とする。
【0017】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記工程を研磨工程
に設定した浸炭焼入部品の製造方法であることを特徴と
する。
【0018】この発明の請求項4記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記保温温度を約4
0℃以上に設定した浸炭焼入部品の製造方法であること
を特徴とする。
【0019】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、外気温度が低い時は
保温用の出力を上げる浸炭焼入部品の製造方法であるこ
とを特徴とする。
【0020】この発明の請求項6記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記浸炭焼入部品を
変速機のプライマシャフト、セカンダリシャフトのネジ
付き部品に設定した浸炭焼入部品の製造方法であること
を特徴とする。
【0021】
【発明の作用及び効果】この発明の請求項1記載の発明
によれば、浸炭焼入部品がまず浸炭焼入され、次にこの
浸炭焼入部品を組立てるまでの間の各工程間で、該部品
が保温されて部品内部に含有する水素が放出させる。こ
のように工程の増加やコストアップを何等招くことな
く、組立時までに浸炭焼入部品に含有する水素が放出さ
れるので、組立後に遅れ破壊クラックや部品折損等の破
壊が生ずることがなく、耐遅れ破壊性を向上させること
ができる効果がある。
【0022】この発明の請求項2記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、浸炭焼入後の
浸炭焼入部品を保温トレイにて保温しながら搬送するの
で、部品搬送中において該部品を保温することができ、
この結果、物流時間を有効利用して搬送中に含有水素を
放出させることができる効果がある。
【0023】この発明の請求項3記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、上述の工程を
研磨工程に設定したので、この研磨工程は比較的長時間
を要するが、この工程の時間および研磨が終了するまで
に浸炭焼入部品をストックさせておく時間を有効利用し
つつ、含有水素を放出させることができる効果がある。
【0024】この発明の請求項4記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、上述の保温温
度を約40℃以上に設定したので、含有水素を効率よく
放出させることができる効果がある。
【0025】この発明の請求項5記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、外気温度が低
い時は保温用の出力を上げるように構成したので、小出
力化(省エネルギ化)を図りつつ、外気温度に応じた適
正な保温を行なって、含有水素を良好に放出させること
ができる効果がある。
【0026】この発明の請求項6記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、上述の浸炭焼
入部品を変速機(トランスミッション)のプライマリシ
ャフト、セカンダリシャフトのネジ付き部品に設定した
ので、組立後において変速機内のこれらシャフトは外気
と接触する懸念がないうえ、駆動時において変速機内の
オイルが約100〜150℃となり、これらシャフトは
該オイルにて潤滑されている関係上、一旦放出した水素
がプライマリシャフト、セカンダリシャフトに再び侵入
するおそれもなく、これらネジ付き部品の耐遅れ破壊性
を確実に向上させることができる効果がある。
【0027】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図1は本願発明の浸炭焼入部品の製造方法を含
むプライマリシャフトのクロスロール工程から組立て工
程までを示す工程図であって、第1の工程S1で素材を
クロスロール加工(転造加工の1つ)し、次の第2工程
S2でクロスローリング終了後の素材をブランク加工し
て、荒削りを施す。
【0028】次に第3の工程S3でブランク加工済みの
ものに対してスプライン1、ギヤ2、ネジ部3(図2参
照)を形成する歯切り加工を施す。次に第4の工程S4
で歯切り加工済みのプライマリシャフト4(図2参照)
に浸炭焼入を施す。この浸炭焼入はCO=23.5vol
%、H2 =29.4vol%、N2 =47.1vol%の変成ブ
タンの浸炭雰囲気中において焼入温度約930℃、焼入
時間約3.4〜4時間の条件下にて行なう。この際、プ
ライマリシャフト4を構成する鋼材中に炭素および水素
が侵入する。
【0029】次に第5の工程S5で浸炭焼入終了後のプ
ライマリシャフト4に対して焼戻し処理を施す。この焼
戻し処理は焼戻し温度約160〜200℃、焼戻し時間
約2時間の条件下にて行なう。この焼戻し時にプライマ
リシャフト4を構成する鋼材中の水素が焼戻し条件に対
応して図7で示した如く放出される。
【0030】次に第6の工程S6で焼戻し終了後のプラ
イマリシャフト4に対しショットピーニング加工による
調質および曲がり矯正加工を施す。この第6の工程S6
終了後からプライマリシャフト4がミッションケース5
(図5参照)に組立てられるまでの物流時間を有効利用
し、このプライマリシャフト4を図2、図3に示す保温
トレイ6に保持して、保温しながら搬送する。
【0031】上述の保温トレイ6は図2、図3に示す如
く構成している。すなわち、ベース7上に板状ヒータ8
(加熱手段)を配設する一方、ベース7に位置決め固定
される外枠9と、この祖と枠9に連結ピン10を介して
配置される上枠11とを備え、外枠9の下部に設けられ
た係入片9aをベース7に形成された係入凹部7aに係
入して、ベース7と外枠9とを固定している。
【0032】上述の上枠11は図3に示す如くフレーム
12の四隅部に連結ピン10が挿入される挿入孔13を
有すると共に、縦横に配列された複数かつ円環状のシャ
フト保持部14と、これら保持部相互間、並びにシャフ
ト保持部14とフレーム12との間を相互連結するスポ
ーク15とを備えている。
【0033】また上述のシャフト保持部14と上下方向
に対向するように板状ヒータ8の上部には耐熱金属(例
えばSCH21、耐熱鋼鋳鋼)製で、かつ断面が略凹部
のホルダ16を固定し、このホルダ16とシャフト保持
部14との間に図2に示す如くプライマリシャフト4を
立設固定すべく構成している。この実施例では1つの保
温トレイ6に合計40本のプライマリシャフト4を保持
すべく構成したが、該シャフト4の保持数量はこれに限
定されるものではない。また上述の保温トレイ6は板状
ヒータ8以外の各要素を耐熱金属にて構成することが望
まれる。
【0034】上述の板状ヒータ8にはバッテリ(図示せ
ず)から直流電源を供給し、板状ヒータ8の発熱により
ホルダ16を介してプライマリシャフト4のネジ部3を
約40℃以上に保温すると共に、外気温度が低い時(冬
期)には保温用の出力(通電電流または印加電圧)を増
加すべく構成している。上述のネジ部3の保温によりプ
ライマリシャフト4内に含有する水素が放出される。
【0035】図1に示す第6の工程S6終了後にプライ
マリシャフト4を上述の保温トレイ6に保持して、板状
ヒータ8への連続通電により保温しながら搬送するが、
ショットピーニング工程と組立て工程との間でプライマ
リシャフト4を研磨するので、保温トレイ6に保持され
たプライマリシャフト4は図1に示す第7の工程S7に
て研磨を行なうべきエリアに保温しながら搬送され、こ
の第7の工程S7でプライマリシャフト4を研磨する。
【0036】研磨終了後のプライマリシャフト4は再び
保温トレイ6に保持され、図1に示す第8の工程S8に
て組立てを行なうべきエリアに保温しながら搬送され、
この第8工程S8で、図5に示すようにプライマリシャ
フト4は軸受17を介してミッションケース5の内部に
軸架されると共に、上述のネジ部3にはナット18が締
付けられる。またプライマリシャフト4には各種の変速
要素が配設される一方、セカンダリシャフト19も軸受
20を介してミッションケース5内に軸架され、そのネ
ジ部21にはナット22が締付けられると共に、このセ
カンダリシャフト19に対しても各種の変速要素が配設
される。
【0037】図4は横軸に遅れ破壊時間をとり、縦軸に
軸力(ナット18の締付けトルク)をとって上記実施例
の方法により製造されたプライマリシャフト4の特性a
と、保温トレイ6を一切使用しない条件下での冬期(外
気温度が低い時)におけるプライマリシャフトの特性b
と、保温トレイ6を一切使用しない条件下での夏期(外
気温度が高い時)におけるプライマリシャフトの特性c
とを実測した結果を示す。
【0038】図4の特性から明らかなように含有水素の
放出が大幅に抑制される冬期(特性b参照)においては
軸力約10トンでの締付後に約18時間が経過すると、
遅れ破壊が発生するが、保温により含有水素を積極的に
放出させた上記実施例のプライマリシャフト4(特性a
参照)は同等もしくはそれ以上の軸力での締付け後にお
いても遅れ破壊が発生することなく、夏期の特性cに近
似した優れた特性を発揮する。
【0039】以上要するに上記実施例の浸炭焼入部品の
製造方法によれば、浸炭焼入部品(プライマリシャフト
4参照)がまず浸炭焼入され、次にこの浸炭焼入部品
(プライマリシャフト4参照)を組立てるまでの間の各
工程間で、該部品が保温されて部品内部(特にネジ部3
参照)に含有する水素が放出させる。このように工程の
増加やコストアップを何等招くことなく、組立時までに
浸炭焼入部品(プライマリシャフト4参照)に含有する
水素が放出されるので、組立後に遅れ破壊クラックや部
品折損等の破壊が生ずることがなく、耐遅れ破壊性を向
上させることができる効果がある。
【0040】また、浸炭焼入後の浸炭焼入部品(プライ
マリシャフト4参照)を保温トレイ6にて保温しながら
搬送するので、部品搬送中において該部品(プライマリ
シャフト4参照)を保温することができ、この結果、物
流時間(概ね4〜5日)有効利用して搬送中に含有水素
を放出させることができる効果がある。
【0041】さらに、上述の工程を研磨工程(図1の第
7の工程S7参照)に設定したので、この研磨工程は比
較的長時間を要するが、この工程の時間および研磨が終
了するまでに浸炭焼入部品(プライマリシャフト4参
照)をストックさせておく時間を有効利用しつつ、含有
水素を放出させることができる効果がある。
【0042】しかも、上述の保温温度を約40℃以上に
設定したので、含有水素を効率よく放出させることがで
きる効果がある。また、外気温度が低い時は保温用の出
力(板状ヒータ8に対する通電電流または印加電圧参
照)を上げるように構成したので、小出力化(省エネル
ギ化)を図りつつ、外気温度に応じた適正な保温を行な
って、含有水素を良好に放出させることができる効果が
ある。
【0043】さらに、上述の浸炭焼入部品を変速機(ト
ランスミッション)のプライマリシャフト4のようなネ
ジ(ネジ部3参照)付き部品に設定したので、組立後に
おいて変速機内のプライマリシャフト4は外気と接触す
る懸念がないうえ、駆動時において変速機内のオイルが
約100〜150℃となり、プライマリシャフト4は該
オイルにて潤滑されている関係上、一旦放出した水素が
プライマリシャフト4に再び侵入するおそれもなく、上
述のネジ付き部品(プライマリシャフト4参照)の耐遅
れ破壊性を確実に向上させることができる効果がある。
なお、プライマリシャフト4に代えセカンダリシャフト
19を上記実施例の方法により製造しても同等の効果を
得ることができるのは勿論である。
【0044】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の浸炭焼入部品およびネジ付き部品
は、実施例のプライマリシャフト4に対応し、以下同様
に、研磨工程は、図1に示す第7の工程S7に対応する
も、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定される
ものではない。
【0045】例えば上述の浸炭焼入部品はFFタイプの
変速機に用いられるプライマリシャフト4の他にセカン
ダリシャフト19や或はFRタイプの変速機に用いられ
るメインシャフト、カウンタシャフト等の他のネジ付き
部品であってもよい。また直流タイプの板状ヒータ8に
代えて交流タイプのヒータやその他の加熱手段であって
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の浸炭焼入部品の製造方法を含む部品
の製造工程を示す工程図。
【図2】 プライマリシャフトを保温トレイに保持させ
た状態の断面図。
【図3】 保温トレイを構成する上枠の平面図。
【図4】 遅れ破壊時間と軸力の関係を示す特性図。
【図5】 プライマリシャフトの組立状態を示す断面
図。
【図6】 遅れ破壊発生のメカニズムを示す説明図。
【図7】 焼戻しによる水素放出特性を示す特性図。
【図8】 焼戻し後の時間経過にともなう水素放出特性
を示す特性図。
【図9】 遅れ破壊時間と軸力の関係を示す特性図。
【符号の説明】
3…ネジ部 4…プライマリシャフト(浸炭焼入部品) 6…保温トレイ S7…第7の工程(研磨工程)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浸炭焼入部品の製造方法であって、浸炭焼
    入部品を浸炭焼入し、次いで該浸炭焼入部品を組立てる
    までの間の各工程間で含有水素を放出するように保温す
    る浸炭焼入部品の製造方法。
  2. 【請求項2】上記浸炭焼入後の浸炭焼入部品を保温トレ
    イにて保温しながら搬送する請求項1記載の浸炭焼入部
    品の製造方法。
  3. 【請求項3】上記工程を研磨工程に設定した請求項1記
    載の浸炭焼入部品の製造方法。
  4. 【請求項4】上記保温温度を約40℃以上に設定した請
    求項1記載の浸炭焼入部品の製造方法。
  5. 【請求項5】外気温度が低い時は保温用の出力を上げる
    請求項1記載の浸炭焼入部品の製造方法。
  6. 【請求項6】上記浸炭焼入部品を変速機のプライマシャ
    フト、セカンダリシャフトのネジ付き部品に設定した請
    求項1記載の浸炭焼入部品の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002339054A (ja) * 2001-05-17 2002-11-27 Daido Steel Co Ltd 耐高面圧部材およびその製造方法

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JP2002339054A (ja) * 2001-05-17 2002-11-27 Daido Steel Co Ltd 耐高面圧部材およびその製造方法

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