JPH11297343A - ハニカム一体構造の固体電解質型燃料電池 - Google Patents

ハニカム一体構造の固体電解質型燃料電池

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JPH11297343A
JPH11297343A JP10102935A JP10293598A JPH11297343A JP H11297343 A JPH11297343 A JP H11297343A JP 10102935 A JP10102935 A JP 10102935A JP 10293598 A JP10293598 A JP 10293598A JP H11297343 A JPH11297343 A JP H11297343A
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honeycomb
channel
fuel
solid electrolyte
air electrode
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JP10102935A
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English (en)
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Yasunobu Mizutani
安伸 水谷
Masayuki Kawai
雅之 河合
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Toho Gas Co Ltd
Original Assignee
Toho Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハニカム一体構造の固体電解質型燃料電池
(SOFC)において、燃料電池として動作する面を凹
凸にすることにより、電池の有効面積を増大させ、発電
性能の高いSOFCを提供すること。 【解決手段】 断面多角形状をした多数のハニカムチャ
ネル12、12…が縦横に列設されるハニカム構造体を
固体電解質材料により一体的に形成し、ハニカムチャネ
ル12、12…内壁面に燃料極が設けられた燃料極チャ
ネル列14、14…と空気極が設けられた空気極チャネ
ル列16、16…とセパレータが設けられたセパレータ
チャネル列18、18…とが順次積層状に形成されると
共に、燃料極チャネル14,14…と空気極チャネル1
6,16…の断面形状を夫々積層方向に交互に大小組み
合わせ、各燃料極チャネル14,14…と各空気極チャ
ネル16,16…との境界の電池としての動作面を凹凸
を持つ矩形平面形状とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハニカム一体構造
の固体電解質型燃料電池に関し、さらに詳しくは、断面
多角形状をした多数のハニカムチャネルが縦横に列設さ
れるハニカム構造体を固体電解質材料により一体的に形
成すると共に、各ハニカムチャネル内壁面に燃料極、空
気極、セパレータを設けた固体電解質型燃料電池(以
下、「SOFC」と称する)、あるいはハニカム構造体
のハニカム構造壁を固体電解質材料と導電性材料(セパ
レータ)により一体的に形成したハニカム一体構造のS
OFCに関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解質型燃料電池(SOFC)は、
電解質材料としてリン酸水溶液や溶融炭酸塩等といった
液体状材料の代わりにイオン導電性を有する固体材料が
用いられたものであり、他の燃料電池に比べて発電効率
がよく、排熱温度が高いという特性を有している。これ
によれば、効率的な利用が可能な発電システムを構築で
きるため、固体電解質型燃料電池(SOFC)は、近年
特に注目を浴びている。
【0003】このSOFCの構造としては、単電池を多
数積層した積層構造が一般的であるが、これは各単電池
の電圧が1V以下と低いためである。したがって、SO
FCを実用化するためには、各単電池が複数直列に接続
された積層構造にする必要があるが、さらに電池を大容
量化するためには、積層段数を増やす他、多数の電池を
並列に接続して集積化することが必要になる。この集積
構造としては、平板型SOFC及び円筒型SOFCが周
知の技術としてよく知られている。
【0004】このうち、平板型SOFCは、一般的に図
10に示す全体構造を有しており、このSOFCを構成
する各単電池の構造としては、イットリア安定化ジルコ
ニア(Y Stabilized ZrO
材料あるいはスカンジア安定化ジルコニア(Sc
Stabilized ZrO) 材料による固体
電解質板100の両面にニッケル−サーメット系材料に
よる燃料極102及びランタンストロンチウムマンガナ
イト系材料による空気極104の薄膜がコーティングさ
れた単電池106がランタンクロマイト系セラミックス
材料もしくは耐熱金属材料によるセパレータ108を介
して積層された多層構造のものが良好な導電機能を有す
るものとして既に提案されている。
【0005】そしてこの多層構造を利用して大容量の燃
料電池を得るには、さらに多数の単電池及びこれらの単
電池を積層するための電気的な接続部材(平板型SOF
Cではセパレータ、円筒型SOFCではNiフェルトが
用いられている)が必要になる。
【0006】しかしながら、このように従来一般に知ら
れる積層タイプのSOFCでは単電池とセパレータとが
別個の部材となり、これらの組立工程が必要になるばか
りでなく、燃料ガス供給管や空気供給管なども配設する
必要があることから多数の部材が必要になり、コストア
ップにつながるという欠点がある。また、平板型SOF
Cの場合、各単電池の接続部材(セパレータ)にガス通
路が設けられるがその形状は複雑なため、製造工程にコ
ストがかかり、結果としてセパレータが高価になるとい
う問題がある。また、円筒型SOFCの場合、各単電池
は電気化学蒸着(EVD)等の高価な薄膜製造プロセス
により製造されるため、単電池そのものが極めて高価な
ものになるという問題がある。
【0007】さらに、上述の平板型SOFCにあっては
セパレータのガス通路が複雑になると、圧力損失が大き
くなる上、各単電池がジルコニアの薄板により形成され
るため、構造強度が弱くなってしまう。また、円筒型S
OFCにあっては各単電池が多孔質空気極の円筒により
形成されるため、やはり構造強度が弱くなってしまう。
加えて、平板型/円筒型SOFCの各単電池間の電気
的接続は接触のみであるため、この接触抵抗による電力
ロスが大きく、また、長期的にはこの部分での信頼性が
低下するという問題も指摘されている。
【0008】また、平板型SOFCの場合、積層構造に
する製造上の都合から、各単電池とその接続部材(セパ
レータ)の熱膨張係数を一致させる必要があるととも
に、ガスシールが難しいという欠点がある。
【0009】そこで、多数の単電池をより効率的に集積
する構造として、各単電池間に接続部材を介設すること
なくハニカム構造体としたものが特公昭60−2330
1号公報に開示されている。このハニカム構造体は、ハ
ニカム形状の固体電解質材料による各隔壁の両面に電極
が設けられるとともに、各隔壁によって区切られた各空
間をそれぞれ陽極層又は陰極層として機能させることに
より所望の容量が得られるようにしたものである。
【0010】しかしながら、この特公昭60−2330
1号公報に開示されたハニカム構造体によれば、各隔壁
によって交互に配置される陽極層と陰極層とを電気的に
接続する接続部材に相当する構成部材が介設されていな
いため、個々に独立して隣接するはずの各単位電池の同
極層同士がその間にある異極層に対して該同極の機能を
もって作用するという不都合が発生することがある。そ
うするとその同極層同士は互いに電流が反対方向に流れ
るように機能することになり、結果として所望の電流及
び電圧が取り出せなくなるという問題が発生する。ま
た、端部で電気的接続を行った場合には、電流経路が長
くなるため、高い発電性能は期待できない。
【0011】そこで、上述のような問題を解決するため
に、本願発明者は、特願平8−354848号におい
て、断面多角形状をした多数のハニカムチャネルが縦横
に列設されるハニカム構造体を固体電解質材料により一
体的に形成すると共に、ハニカムチャネル内壁面に燃料
極が設けられた燃料極チャネル列と、ハニカムチャネル
内壁面に空気極が設けられた空気極チャネル列と、ハニ
カムチャネル内壁面にセパレータ(インターコネクタ)
が設けられたセパレータ(インターコネクタ)チャネル
列とを順次積層状に形成した固体電解質型燃料電池を提
案している。図11は、その典型例であり、正方形状に
形成された燃料極チャネル列14、14…、空気極チャ
ネル列16、16…、及びセパレータチャネル列16、
16…が順次積層されたハニカム構造体が示されてい
る。
【0012】また、特願平8−354849号において
は、断面多角形をした多数のハニカムチャネルが縦横に
列設されるハニカム構造体の各ハニカムチャネル列間の
ハニカム構造壁を固体電解質材料によるものとセパレー
タ(インターコネクタ)材料によるものとで交互に形成
し、ハニカムチャネル内壁面に燃料極が設けられた燃料
極チャネル列と、ハニカムチャネル内壁面に空気極が設
けられた空気極チャネル列とを順次積層状に形成した固
体電解質型燃料電池を提案している。
【0013】特願平8−354848号に開示された方
法によれば、各単位電池は、セパレータチャネルで電気
的に連結されるので、各単位電池を白金等の電極により
連結する必要がなくなり、各単位電池の同極層同士がそ
の間にある異極層に対して該同極の機能をもって作用す
るという不都合や、電流経路が長くなることに起因する
発電性能の低下という不都合を回避できる。また、特願
平8−354849号に開示された方法によれば、セパ
レータチャネルが不要となるので、出力密度が向上する
と同時に、接触抵抗による電力ロスを回避できるという
ものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ハニカ
ム構造体の各チャネルを一様な形状、例えば正方形状に
した場合には、空気極部分、燃料極部分、及びセパレー
タ部分が一様に交互に配列するため、結果的に燃料電池
として動作する面の形状は単純な平面となり、電池の有
効面積は、ハニカムの幅xハニカムの長さx積層段数で
決まり、単位体積当たりの出力密度が低いという問題が
あった。
【0015】本発明の解決しようとする課題は、断面多
角形状をした多数のハニカムチャネルが縦横に列設され
るハニカム構造体を固体電解質材料により一体的に形成
すると共に、各ハニカムチャネル内壁面に燃料極、空気
極、セパレータを設けたSOFC、あるいはハニカム構
造体のハニカム構造壁を固体電解質材料と導電性材料
(セパレータ)により一体的に形成したハニカム一体構
造のSOFCにおいて、燃料電池として動作する面を凹
凸にすることにより、電池の有効面積を増大させ、発電
性能の高いSOFCを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明に係るハニカム一体構造の固体電解質型燃料電
池(SOFC)は、断面多角形状をした多数のハニカム
チャネルが縦横に列設されるハニカム構造体を固体電解
質材料により一体的に形成し、該ハニカム構造体のハニ
カムチャネル内壁面に燃料極が設けられた燃料極チャネ
ル列と、ハニカムチャネル内壁面に空気極が設けられた
空気極チャネル列と、ハニカムチャネル内壁面にセパレ
ータが設けられたセパレータチャネル列とを順次積層状
に形成すると共に、前記燃料極チャネルと前記空気極チ
ャネルの断面形状を夫々積層方向に交互に大小組み合わ
せ、該各燃料極チャネルと空気極チャネルとの境界の電
池としての動作面を凹凸を持つ矩形平面形状としたこと
を要旨とするものである。
【0017】その場合に前記固体電解質材料としては、
従来一般に知られるイットリア安定化ジルコニア(Y
Stabilized ZrO) の他、本願
出願人による特開平7−6774号公報等に示されるス
カンジア安定化ジルコニア(Sc Stabil
ized ZrO) やセリア(CeO)等を適用
することが最適である。また、前記ハニカム一体構造
は、このジルコニア(ZrO) を押し出し成形する
ことにより成形される断面多角形状をした多数のハニカ
ムチャネルが一体的に成形されたジルコニアハニカム成
形体とされた後、焼成処理を経てジルコニアハニカムと
して得られるものである。
【0018】また、セパレータとしては、ハニカムチャ
ネルの内壁面にランタンクロマイト(LaCrO
あるいはランタンクロマイト系に電子導電性、焼結性の
改善のため、ランタン(La)やクロム(Cr)の一部
をアルカリ土類金属やニッケル(Ni)で置換した酸化
物 (La1−xCaCr1−yNi:x=0
〜0.2、y=0〜0.1)等を適用することが最適で
ある。
【0019】さらに、前記燃料極チャネルと前記空気極
チャネルの断面形状を夫々積層方向に交互に大小組み合
わせ、該各燃料極チャネルと空気極チャネルとの境界の
電池としての動作面を凹凸を持つ矩形平面形状とする。
このような形状を有するハニカムは、押し出し用の金型
を所望の形状とすることにより、容易に製造することが
できる。
【0020】そしてこのジルコニアハニカム構造体の燃
料極チャネル列及び空気極チャネル列は、その一例とし
て次のような手法により形成される。すなわち、燃料極
チャネル列の形成に際しては、他のチャネル列のチャネ
ル孔をシールして塞いでおいて、燃料極を形成するハニ
カムチャネルの内壁面にニッケル−イットリア安定化ジ
ルコニア(Ni−YSZ)のスラリーを流すか、このス
ラリー材料中に浸漬してハニカムチャネルの内壁面にそ
のスラリーを付着させる。そしてそのスラリーを乾燥さ
せた後、焼成することにより燃料極チャネル列が形成さ
れる。
【0021】また、空気極チャネル列の形成に際して
は、同様に他のチャネル列のチャネル孔を塞ぎ空気極を
形成するハニカムチャネルの内壁面にランタンストロン
チウムマンガナイト(La1−xSrMnO:x=
0.1〜0.4) のスラリーを流す等して付着させ、
乾燥・焼成することにより形成される。
【0022】さらに、セパレータチャネル列を設ける場
合も同様で、ハニカムチャネルの内壁面にランタンクロ
マイト(LaCrO) あるいはランタンクロマイト
系に電子導電性、焼結性の改善のため、ランタン(L
a)やクロム(Cr)の一部をアルカリ土類金属やニッ
ケル(Ni)で置換した酸化物(La1−xCaCr
1−yNi:x=0〜0.2、y=0〜0.1)
のスラリーを流す等した後、乾燥・焼成することによ
り形成される。なお、焼成は最後に一度に行うようにし
てもよい。
【0023】また、本発明の2番目は、断面多角形をし
た多数のハニカムチャネルが縦横に列設されるハニカム
構造体の各ハニカムチャネル列間のハニカム構造壁を固
体電解質材料によるものとセパレータ材料によるものと
で交互に形成し、該ハニカム構造体のハニカムチャネル
内壁面に燃料極が設けられた燃料極チャネル列と、ハニ
カムチャネル内壁面に空気極が設けられた空気極チャネ
ル列とを順次積層状に形成すると共に、前記燃料極チャ
ネルと前記空気極チャネルの断面形状を夫々積層方向に
交互に大小組み合わせ、該各燃料極チャネルと空気極チ
ャネルとの境界の電池としての動作面を凹凸を持つ矩形
平面形状としたことを要旨とするものである。
【0024】その場合に前記固体電解質材料としては、
イットリア安定化ジルコニア(Y Stabil
ized ZrO) 、スカンジア安定化ジルコニア
(Sc Stabilized ZrO) 、
セリア(CeO)等を適用することが最適である点、
及びセパレータとしては、ランタンクロマイト(LaC
rO) あるいはランタンクロマイト系にランタン
(La)やクロム(Cr)の一部をアルカリ土類金属や
ニッケル(Ni)で置換した酸化物 (La1− Ca
Cr1−yNi:x=0〜0.2、y=0〜
0.1)等を適用することが最適である点は、上述した
とおりである。
【0025】また、前記ハニカム一体構造は、前記固体
電解質材料とセパレータ材料とをそれぞれ押出機の別々
の注湯口より金型(ダイス)へ押出すことにより固体電
解質材料によるハニカムチャネル壁とセパレータ材料に
よるハニカムチャネル壁とが形成されるもので、これが
交互に積層状に形成される。そしてこのように断面多角
形状をした多数のハニカムチャネルが一体的に成形され
たジルコニア/ランタンクロマイトの2層構造から成る
ハニカム成形体とされた後、焼成処理を経てジルコニア
/ランタンクロマイトのハニカム焼成体として得られる
ものである。
【0026】この場合に、押し出し成形により一体的に
形成されるハニカム構造体のハニカムチャネル内壁面に
燃料極が設けられた燃料極チャネル列と、ハニカムチャ
ネル内壁面に空気極が設けられた空気極チャネル列とを
順次積層状に形成すると共に、前記燃料極チャネルと前
記空気極チャネルの断面形状を夫々積層方向に交互に大
小組み合わせ、該各燃料極チャネルと空気極チャネルと
の境界の電池としての動作面を凹凸を持つ矩形平面形状
とする点も、上述したとおりである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な一実施の形
態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の
一実施の形態に係るハニカム一体構造の固体電解質型燃
料電池(SOFC)の外観斜視図である。
【0028】同図に示すSOFC10は、固体電解質材
料であるイットリア安定化ジルコニア(Y St
abilized ZrO) あるいはスカンジア安
定化ジルコニア(Sc Stabilized
ZrO) 材料による押し出し成形処理、焼成処理を
経て一体的に形成されたジルコニアハニカム構造体に、
後述する燃料極、空気極及びセパレータ極が設けられる
ことにより形成されるものである。
【0029】これによりこのSOFC10は、断面が長
方形状をした両端が開放される多数のハニカムチャネル
12,12…が縦横に列設された構造になっている。ハ
ニカム構造体の肉厚は、押出成形により薄肉化が可能と
なり、0.1mm〜0.3mmの厚みとなっている。
【0030】そしてこのジルコニアハニカム構造体には
横方向に同極のハニカムチャネルあるいはセパレータチ
ャネルが配列され、縦方向に単電池を構成する燃料極チ
ャネル列14,14…と、空気極チャネル列16,16
…と、各単電池を電気的に接続するセパレータチャネル
列18,18…とが順次積層状に形成された構成とされ
ている。同図においてはセパレータチャネル列18,1
8…を介して単電池が4段積層された構造が示されてい
る。
【0031】まず、燃料極チャネル列14,14…は、
ハニカムチャネル内壁面20,20…に燃料極(アノー
ド:−極)としてニッケル−イットリア安定化ジルコニ
ア(Ni−YSZ)のスラリーがコーティングされてな
るものであり、このコーティングが施されたハニカムチ
ャネル内壁面20,20…により形成される断面長方形
状の空間は、水素(H )ガスが流れる燃料ガス流路
22,22…としての機能を有している。
【0032】空気極チャネル列16,16…は、ハニカ
ムチャネル内壁面20,20…に空気極(カソード:+
極)としてランタンストロンチウムマンガナイト (L
−xSrMnO:x=0.1〜0.4)のスラ
リーがコーティングされてなるものであり、このコーテ
ィングが施されたハニカムチャネル内壁面20,20…
により形成される断面長方形状の空間は、空気が流れる
空気流路24,24…としての機能を有している。
【0033】セパレータチャネル列18,18…は、ハ
ニカムチャネル内壁面20,20…に単電池を直列に接
続する導電体であるセパレータとしてランタンクロマイ
ト(LaCrO )あるいはランタンクロマイト系に
電子導電性、焼結性の改善のため、ランタン(La)や
クロム(Cr)の一部をアルカリ土類金属やニッケル
(Ni)で置換した酸化物 (La1−xCaCr
1−yNi:x=0〜0.2,y=0〜0.1)
のスラリーがコーティングされてなるものである。
【0034】さらに、セパレータチャネル列18、18
…の断面は、ガスを通じる必要がないので、大きさの等
しい横長の長方形状とし、断面積を縮小しているのに対
し、燃料極チャネル列14、14…と空気極チャネル列
16、16…とは、大きさの異なる長方形が交互に並ん
だ状態になっている。
【0035】そのため、燃料極チャネル列14、14…
と空気極チャネル列16、16…とは、横方向の隔壁
と、縦方向の隔壁の一部で仕切られることになり、横方
向の隔壁のみならず、縦方向の隔壁の一部も電池として
動作する。これにより、従来のように正方形の断面を有
するチャネル列を列設した構造と異なり、電池の有効面
積を約2倍とすることが可能となる。よって、反応面積
が増大し、電池を大面積化したのと同じ効果が得られる
ため、発電性能を向上させることができる。
【0036】図2は、図1に示したハニカム一体構造の
固体電解質型燃料電池(SOFC)の正面拡大図であ
り、燃料極チャネル列14,14…(A)、空気極チャ
ネル列16,16…(C)、セパレータチャネル列1
8,18…(S)、ハニカムチャネル内壁面20,20
…、燃料ガス流路22,22…及び空気流路24,24
…等が拡大して示されている。
【0037】なお、セパレータチャネル列18,18…
のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)層に電子導電
性を持たせる場合には、チタン(Ti)、鉄(Fe)、
ニッケル(Ni)、テルビウム(Tb)、セリウム(C
e)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、マンガ
ン(Mn)、バナジウム(V)等の一種類もしくは複数
元素をドープすればよい。
【0038】また、SOFC10の界面抵抗を減少させ
るためには、燃料極チャネル列14、14…、及び空気
極チャネル列16、16…の内壁に、パラジクロロアン
ミン白金等の白金錯体水溶液を利用して白金(Pt)薄
膜を予めコーティングすればよい。さらに、その直流抵
抗を減らすようにするには、空気極チャネル列16,1
6…にランタンストロンチウムマンガナイト(La
1−xSrMnO)だけでなく、さらにその内壁に
ランタンストロンチウムコバルタイト(La1−xSr
CoO)をコーティングすればよい。
【0039】このような構成を有するSOFC10の製
造方法について説明する。まず、このSOFC10に供
される固体電解質材料の製造方法について説明すると、
初めにその主材料であるジルコニア(ZrO )の粉
末粒子と安定化材料であるイットリア(Y)の粉
末粒子とを適当な配合比率で混合する。この混合粉末の
平均粒径は3μm程度である。また、ジルコニア・イッ
トリアの混合粉末を調整する方法として、ゾルゲル法や
共沈法などの液相製造プロセスを適用すれば不純物が少
なく、均一な混合粉末を得ることができる。
【0040】次にこの混合粉末に成形用バインダーを添
加し、焼成後の大きさが10cm×10cm程度の大き
さの断面で長さが20cm程度の大きさとなる直方体に
成形し、その直方体の断面に大きさの異なる長方形状を
した多数のハニカムチャネル12,12…が両端開放状
態で形成されるように押し出し成形する。このハニカム
チャネル12,12…は、ハニカムチャネル間の壁の肉
厚が上述と同様に焼成後に0.1〜0.3mm程度にな
るように成形される。
【0041】そしてこのジルコニアハニカム成形体を1
500℃〜1700℃の温度で焼成すれば、イットリア
(Y)がジルコニア(ZrO )中に固溶化さ
れたイットリア安定化ジルコニア(YSZ)材料から成
るジルコニアハニカムが得られる。
【0042】次にこのジルコニアハニカムに燃料極、空
気極あるいはセパレータを形成するに当たっては、いわ
ゆるスラリーコーティング法が採られる。すなわち、セ
パレータチャネル列18,18…の形成に際しては、他
のチャネル列のチャネル孔をシールして塞いでおいて、
セパレータチャネルを形成するハニカムチャネルの内壁
面にランタンクロマイト(LaCrO )あるいはラ
ンタンクロマイト系に電子導電性、焼結性の改善のた
め、ランタン(La)やクロム(Cr)の一部をアルカ
リ土類金属やニッケル(Ni)で置換した酸化物(La
1−xCaCr 1−yNi:x=0〜0.2、
y=0〜0.1) のスラリーを流しこむ。
【0043】また、燃料極チャネル列14,14…の形
成に際しては、同様に他のチャネル列のチャネル孔をシ
ールして塞いでおいて、燃料極を形成するハニカムチャ
ネルの内壁面にニッケル(Ni)40重量%−ジルコニ
ア(ZrO )60重量%のニッケル−イットリア安
定化ジルコニア(Ni−YSZ)粉末を泥状にしたスラ
リーを50μm程度の厚さになるように流すか、このス
ラリー材料中に浸漬してハニカムチャネルの内壁面にそ
のスラリーをやはりその厚さが50μm程度になるよう
に付着させる。そしてそのスラリーを乾燥させた後、1
200℃〜1400℃の温度で焼成することにより燃料
極チャネル列14,14…が形成される。
【0044】さらに、空気極チャネル列16,16…の
形成に際しては、同様に他のチャネル列のチャネル孔を
塞ぎ空気極を形成するハニカムチャネルの内壁面にラン
タンストロンチウムマンガナイト(La1−xSr
nO:x=0.1〜0.4) のスラリーをその厚さ
が50μm程度になるように流して付着させる。そし
て、それを乾燥し、1150℃〜1200℃程度の温度
で焼成すれば、空気極チャネル列16,16…が形成さ
れる。尚、空気極の材料の配合比率としては、ランタン
90〜60モル%に対し、ストロンチウム10〜40モ
ル%程度とするのが適当である。
【0045】尚、焼成は、焼成温度の高い順序、すなわ
ち、セパレータチャネル列18、18…、燃料極チャネ
ル列14、14…、及び空気極チャネル列16、16…
の順に行うようにすることが望ましいが、各チャネル列
の内壁面に塗布する材料の組成によっては、予め全ての
チャネル列にスラリーを塗布した後、最後に一度に行う
ようにしてもよい。
【0046】また、安定化材料としてスカンジウム(S
c)の粉末粒子を適用する場合には、特開平7−677
4号公報に開示されているようにジルコニア(ZrO
)とスカンジア(Sc)とを、スカンジア(S
)の配合比率が8〜15モル%になるように調
整すればよい。
【0047】図3は、図1及び図2に示したハニカム一
体構造のSOFC10が実際に燃料電池として使用され
るときのその全体構成を示す分解斜視図である。同図に
示すようにSOFC10は、上述のハニカム構造体の開
放両端にそれぞれ押え板26a,26bを介して燃料ガ
スや空気を供給するガス供給板28aと燃料ガスや空気
を排出するガス排出板28bが設けられている。そし
て、押え板26aにはそれぞれ図4に示すように燃料ガ
ス導入孔30,30…及び空気導入孔32,32…がそ
れぞれ図1に示したハニカム構造体の燃料極チャネル列
14,14…のチャネル及び空気極チャネル列16,1
6…のチャネルに対応して横一列に設けられている。
【0048】そしてガス供給板28aには、燃料ガス
(H )をこのSOFC10に導入するための燃料ガ
ス導入管34と、同じくこのSOFC10に空気ガス
(Air)を導入するための空気導入管36が取り付け
られる。また、ガス排出板28bには、このSOFC1
0に導入された燃料ガス(H )を排出するための燃
料ガス排出管38と、同じくこのSOFC10に導入さ
れた空気を排出するための空気排出管40がそれぞれ設
けられている。
【0049】すなわち、前記燃料ガス導入孔30,30
…は、燃料極チャネル列14,14…の各ハニカムチャ
ネルの燃料ガス流路22,22…に連通して設けられ、
また、空気導入孔32,32…は、空気極チャネル列1
6,16…の各ハニカムチャネルの空気流路24,24
…に連通して設けられている。同様にして、押え板26
bには、燃料ガス排出孔42,42…と空気排出孔4
4,44…とが各々燃料ガス流路22,22…と空気流
路24,24…とに連通して設けられている。
【0050】またガス供給板28aには、図5に示すよ
うに、櫛歯状の燃料ガス供給路46が設けられており、
これは、燃料ガス導入管34を介して導入される燃料ガ
ス(H )を燃料ガス導入孔30,30…を介して燃
料極チャネル列14,14…の各チャネル内に形成され
る燃料ガス流路22,22…へ供給するものである。ま
た、このガス供給板28aには前記燃料ガス供給路46
と互い違いに交差するように、やはり櫛歯状の空気供給
路48が設けられており、これにより、空気導入管36
を介して導入される空気が空気導入孔32,32…を介
して空気極チャネル列16,16…の各チャネル内に形
成される空気流路24,24…へ供給されるようになっ
ている。
【0051】また、ガス排出板28bには、燃料ガス流
路22,22…から燃料ガス排出孔42,42…を介し
て燃料ガス排出管38へ反応後のガスを排出する燃料ガ
ス排出路50が設けられるとともに、空気流路24,2
4…から空気排出孔44,44…を介して空気排出管4
0へ反応後の空気を排出するやはり櫛歯状の空気排出路
52が設けられており、これにより、空気導入管36や
燃料ガス導入管34を介して導入された空気や燃料ガス
の反応後の各ガスが空気排出管40及び燃料ガス排出管
38から排出されるようになっている。
【0052】したがって、空気導入管36、空気供給路
48、空気導入孔32、空気流路24,24…、空気排
出孔44,44…、空気排出路52、空気排出管40は
連通して設けられて空気流路を構成することになり、一
方、燃料ガス導入管34、燃料ガス供給路46、燃料ガ
ス導入孔30,30…、燃料ガス流路22,22…、燃
料ガス排出孔42,42…、燃料ガス排出路50、燃料
ガス排出管38もやはり連通して設けられて燃料ガス流
路を構成することになる。
【0053】そして実際に使用される際には、例えば、
図3に矢示するA方向に電流が取り出されることになる
が、この場合にはSOFC10の側面に図6に示すよう
な電極端子板54,56が取り付けられることになる。
【0054】上記した構成において、固体電解質型燃料
電池(SOFC)の発電メカニズムは次の通りである。
すなわち、空気導入管36から導入される空気が空気供
給路48、空気導入孔32,32…を経てSOFC10
の空気極チャネル列16,16…の空気極(La1−x
Sr) と接触すると、その空気極チャネル列1
6,16…で酸素イオン(O2−)が生成される。
【0055】そうするとこの空気極チャネル列16,1
6…の空気極で発生した酸素イオン(O2−)が対応す
る燃料極チャネル列14,14…の対応するハニカムチ
ャネル内の燃料極に向けてハニカムチャネル12,12
…の壁内部を移動し、その対応する燃料極チャネル列1
4,14…の燃料極に到達する。
【0056】一方、燃料極チャネル列14,14…の燃
料ガス流路22,22…には、やはり、燃料ガス導入管
34から導入される水素ガス(H )がガス供給板2
8aの燃料ガス供給路46を経て流れているので、空気
極チャネル列16,16…から移動してきた酸素イオン
(O2−)がその水素ガス(H)と反応して水蒸気
(HO)となり、電子が放出される。これにより発電
状態が得られる。そして反応後の空気及び燃料ガスは、
各々空気排出管40及び燃料ガス排出管38を通って排
出される。
【0057】図6は、上述のハニカム一体構造の固体電
解質型燃料電池(SOFC)を適用した2kWモジュー
ルの分解斜視図であり、断面四角形状のSOFC10
(10cm×10cm×20cm)が4つ組み合わされ
て構成されている。その出力電力は1つ当り500Wで
あり、図1に示したものと同様な発電メカニズムによっ
て発電状態が得られるものである。図6に示すようにS
OFC10の外側表面には電極端子板54,56がそれ
ぞれ対向して設けられており、発電された電気はこれら
の電極端子板54,56から、例えば矢示するB方向に
取り出される。
【0058】すなわち、同図においてSOFC10の下
部に図示する部材には燃料ガス供給路46や空気供給路
48の他、空気導入管36や燃料ガス導入管34等が設
けられ、上述した押え板26aとガス供給板28aとを
組み合わせたような構成になっている。さらに、SOF
C10の上部に図示する部材には、空気排出管40や燃
料ガス排出管38の他、図示せぬ燃料ガス排出路50や
空気排出路52等が設けられ、上述した押え板26bと
ガス排出板28bとを組み合わせたような構成になって
いる。
【0059】SOFC10を適用してさらに大容量の電
力を得るには、図7に示すように、図6に示した2kW
モジュールを空気/燃料ガス流路に沿った方向に5つ積
層して10kWモジュールとし、これにより得られた1
0kWモジュールを積層した方向の大きさが変わらない
ように4つ組み合わせてさらに大きな断面四角形状を呈
する構成にする。各モジュールを組み合わせる際にはブ
スバー58等の各種の接続部材を用いたり、空気導入管
36や空気排出管40に接続部材としての機能をもたせ
るようにすることができる。
【0060】次に、本発明の他のハニカム構造の断面形
態についての実施例について図8及び図9を参照して説
明する。これら図8及び図9に示されるハニカム一体構
造は、いずれも図1に示したものと同様に押し出し成形
処理及び焼成処理を経て一体的に成形されるものであ
る。
【0061】同図に示すSOFC10は、固体電解質材
料であるイットリア安定化ジルコニア(Y St
abilized ZrO) あるいはスカンジア安
定化ジルコニア(Sc Stabilized
ZrO) 材料から形成されるジルコニア構造壁1
1,11…と、セパレータ材料であるランタンクロマイ
ト(LaCrO )材料から形成されるセパレータ構
造壁19,19…とが所定の肉厚で交互に形成されたも
のが押し出し成形処理、焼成処理を経て一体的に形成さ
れたジルコニアハニカム構造体に、後述する燃料極及び
空気極が設けられることにより形成されるものである。
【0062】また、図示はしないが、SOFC10の界
面抵抗を減少させるためにはパラジクロロアンミン白金
等の白金錯体水溶液を利用して白金(Pt)薄膜が予め
コーティングされる。さらに、その直流抵抗を減らすよ
うにするには、空気極チャネル列16,16…にランタ
ンストロンチウムマンガナイト(La1−xSrMn
)だけでなく、さらにその内壁にランタンストロン
チウムコバルタイト(La1−xSrCoO)がコ
ーティングされる。
【0063】これによりこのSOFC10は、断面長方
形状をした両端が開放される多数のハニカムチャネル1
2,12…が縦横に列設された構造になっている。ハニ
カム構造体の肉厚は、押出成形により薄肉化が可能とな
り、0.1mm〜0.3mmの厚みとなっている。
【0064】そしてこのジルコニアハニカム構造体には
横方向に同極のハニカムチャネルが配列され、縦方向に
単電池を構成する燃料極チャネル列14,14…と、空
気極チャネル列16,16…とが順次積層状に交互に形
成されると共に、燃料極チャネル列14、14…及び空
気極チャネル列16、16…は、大きさの異なる長方形
が交互に並んだ構造になっている。同図においてはセパ
レータ構造壁19,19…を介して固体電解質材料(ジ
ルコニア)から成る単電池が5段積層された構造が示さ
れている。
【0065】まず、燃料極チャネル列14,14…は、
ハニカムチャネル内壁面20,20…に燃料極(アノー
ド:−極)としてニッケル−イットリア安定化ジルコニ
ア(Ni−YSZ)のスラリーがコーティングされてな
るものであり、このコーティングが施されたハニカムチ
ャネル内壁面20,20…により形成される断面長方形
状の空間は、水素(H )ガスが流れる燃料ガス流路
22,22…としての機能を有している。
【0066】また、空気極チャネル列16,16…は、
ハニカムチャネル内壁面20,20…に空気極(カソー
ド:+極)としてランタンストロンチウムマンガナイト
(La1−xSrMnO:x=0.1〜0.4)
のスラリーがコーティングされてなるものであり、この
コーティングが施されたハニカムチャネル内壁面20,
20…により形成される断面長方形状の空間は、空気が
流れる空気流路24,24…としての機能を有してい
る。
【0067】セパレータ構造壁19,19…の材料とし
ては、ランタンクロマイト(LaCrO )あるいは
ランタンクロマイト系に電子導電性、焼結性の改善のた
め、ランタン(La)やクロム(Cr)の一部をアルカ
リ土類金属やニッケル(Ni)で置換した酸化物 (L
1−xCaCr1−yNi:x=0〜0.
2,y=0〜0.1)が用いられる。
【0068】図9は、図8に示したハニカム一体構造の
固体電解質型燃料電池(SOFC)の正面拡大図であ
り、ジルコニア構造壁11,11…とセパレータ構造壁
19,19…とにより挟まれる2列からなるハニカムチ
ャネル列には燃料極チャネル列14,14…(A)及び
空気極チャネル列16,16…(C)が形成されてい
る。そして燃料極チャネル列14,14…には燃料極が
コーティングされ、空気極チャネル列16,16…には
空気極がコーティングされている。また、同図には、ハ
ニカムチャネル内壁面20,20…、燃料ガス流路2
2,22…及び空気流路24,24…等が拡大して示さ
れている。
【0069】このような構成を有するSOFC10の製
造方法について説明する。まず、このSOFC10に供
される固体電解質材料の製造方法について説明すると、
初めにその主材料であるジルコニア(ZrO )の粉
末粒子と安定化材料であるイットリア(Y)の粉
末粒子とを適当な配合比率で混合する。この混合粉末の
平均粒径は3μm程度である。なお、安定化材料として
スカンジウム(Sc)の粉末粒子を適用する場合には、
ジルコニア(ZrO )に対してスカンジア(Sc
)の配合比率が8〜15モル%になるように調製す
ればよい点は、上述したとおりである。
【0070】次に、セパレータ材料の製造方法について
説明する。ランタンクロマイト(LaCrO )ある
いはランタンクロマイト系に電子導電性、焼結性の改善
のため、ランタン(La)やクロム(Cr)の一部をア
ルカリ土類金属やニッケル(Ni)で置換した酸化物
(La1−xCaCr1−yNi:x=0〜
0.2、y=0〜0.1)の粉末粒子を調製する。ゾル
ゲル法や共沈法などの液相製造プロセスを適用すれば不
純物が少なく、均一な混合粉末を得ることができる。
【0071】このようにして、イットリア安定化ジルコ
ニア材料とランタンクロマイト材料とをハニカム構造体
の断面形状を有する金型(ダイス)がセットされる押出
機により同時に別々の注湯口より押出す。これにより、
焼成後の大きさが縦横10cm×10cm程度の大きさ
になり、しかも大きさの異なる長方形状のハニカムチャ
ネル12,12…が交互に配列した成形体が押し出し成
形される。このハニカムチャネル12,12…は、焼成
後にその肉厚が0.1〜0.3mm程度になるように成
形される。
【0072】そしてこのジルコニア/ランタンクロマイ
トのハニカム成形体を1500℃〜1700℃の温度で
焼成する。これによりイットリア(Y)がジルコ
ニア(ZrO )中に固溶化されたイットリア安定化
ジルコニア(YSZ)材料及びランタンクロマイト材料
から成るジルコニア/ランタンクロマイトのハニカム焼
成体が得られる。
【0073】なお、得られたジルコニアハニカムに対
し、スラリーコーティング法により、燃料極及び空気極
を形成する点は、上述と同様である。これにより、大き
さの異なる長方形が交互に並んだ燃料極チャネル列1
4、14…及び空気極チャネル列16、16…を有し、
しかも、一つの単位電池の燃料極チャネル列14、14
…と、他の一つの単位電池の空気極チャネル列16、1
6…とが、ランタンクロマイトからなる隔壁で仕切られ
たSOFCを得ることが可能となる。
【0074】このようにして得られたSOFCは、燃料
極チャネル列14、14…と空気極チャネル列16、1
6…とは、横方向の隔壁と、縦方向の隔壁の一部で仕切
られることになり、横方向の隔壁のみならず、縦方向の
隔壁の一部も電池として動作する。これにより、従来の
ように正方形の断面を有するチャネル列を列設した構造
と異なり、電池の有効面積を約2倍とすることが可能と
なる。よって、反応面積が増大し、電池を大面積化した
のと同じ効果が得られるため、発電性能を向上させるこ
とができる。
【0075】以上本発明の各実施例について説明した
が、上述のように、大きさの異なる大小の長方形を交互
に配置した燃料極チャネル列及び空気極チャネル列を設
けることにより、発電性能を向上させることができ、し
かも、ハニカム構造体をジルコニア及びランタンクロマ
イト材料を用いて一体的に構成すると、積層電池内に別
個の構成部材の接触部が必要なくなり、接触抵抗による
電力ロスが少なくなる。また、各積層電池内の燃料ガス
流路や空気流路は、直線状の流路になるから圧力損失が
少なくなるという利点がある。
【0076】さらに、ジルコニア/ランタンクロマイト
のハニカム構造体は、イットリア安定化ジルコニア(Y
SZ)あるいはスカンジア安定化ジルコニア(ScS
Z)のみから成るジルコニアハニカムよりも電池抵抗が
低く、高出力化が図られることになる。また、各積層体
の薄型化が図られれば、電池の発電電力密度が増加する
ことになるため、材料面及び構造面の両面から材料の高
性能化が図られることになる。
【0077】さらに、固体電解質型燃料電池(SOF
C)自体は、多数のハニカムチャネルから構成される薄
肉の構造体であるが、一体的に構成されることが極めて
高い構造強度に寄与している。このため、セリア(Ce
)などのように、比較的強度が低い材料でも、信
頼性が高い構造体が形成される。また、ガスシール特性
に関しては、燃料ガス流路や空気流路に沿った内壁面は
外雰囲気に対して完全にガスシールが実現されるからガ
スシールのための特別な構造は必要なくなるという設計
上の利点がある。一方、断面多角形状をした両端面はガ
スシールが必要であるが、シールされる部位は大きさが
異なるとはいえ、規則的な形状をしているからガスシー
ルは容易である。
【0078】尚、本発明は、上記した実施の形態に何ら
限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範
囲で種々の改変が可能である。例えば、上記の実施例に
おいてはハニカム構造体のジルコニア構造壁の材料とし
て、イットリア安定化ジルコニア(Y Stab
ilized ZrO) あるいはスカンジア安定化
ジルコニア(Sc Stabilized Zr
) を適用するようにしたが、これに限られる事な
く、イッテルビウム(Yb)をドープしたジルコニア
(ZrO) 等の固体電解質や、カドリニウム(G
d)、サマリウム(Sm)、イットリウム(Y)をドー
プした酸化セリウム(CeO) 等、酸素イオン(O
2−)を透過する固体電解質が一般に適用できる。
【0079】
【発明の効果】本発明のハニカム一体構造の固体電解質
型燃料電池(SOFC)は、断面多角形状をした多数の
ハニカムチャネルが縦横に列設されるハニカム構造体を
固体電解質材料により一体的に形成し、該ハニカム構造
体のハニカムチャネル内壁面に燃料極が設けられた燃料
極チャネル列と、ハニカムチャネル内壁面に空気極が設
けられた空気極チャネル列と、ハニカムチャネル内壁面
にセパレータが設けられたセパレータチャネル列とを順
次積層状に形成すると共に、前記燃料極チャネルと前記
空気極チャネルの断面形状を夫々積層方向に交互に大小
組み合わせ、該各燃料極チャネルと空気極チャネルとの
境界の電池としての動作面を凹凸を持つ矩形平面形状と
したので、電池の有効面積を約2倍に増やすことがで
き、電池を大面積化したのと同じ効果が得られる。
【0080】また、ハニカム構造壁を固体電解質材料に
よるものとセパレータ材料によるものとで交互に一体的
に形成し、そこに燃料極チャネル列と空気極チャネル列
とを積層状に形成すると共に、前記燃料極チャネルと前
記空気極チャネルの断面形状を夫々積層方向に交互に大
小組み合わせ、該各燃料極チャネルと空気極チャネルと
の境界の電池としての動作面を凹凸を持つ矩形平面形状
としたので、電池の有効面積を約2倍に増やすことがで
き、電池を大面積化したのと同じ効果が得られる。しか
も、ハニカム一体構造としたことにより、構造強度に優
れることはもとより、接触部を持たないことで、接触抵
抗による電力ロスの低減、あるいはより一層の高出力化
等を図ることができる。また、このSOFCのハニカム
構造体は2種類の材料の同時の押出成形により一体的に
製造され、また燃料極や空気極の形成も容易であるから
大量生産も図られることから、その実用化が大いに期待
されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るハニカム一体構造
の固体電解質型燃料電池(SOFC)の外観斜視図であ
る。
【図2】図1に示したハニカム一体構造の固体電解質型
燃料電池(SOFC)の正面拡大図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るハニカム一体構造
の固体電解質型燃料電池(SOFC)の分解斜視図であ
る。
【図4】図3に示した押え板26a,26bの平面図で
ある。
【図5】図3に示したガス供給板28a及びガス排出板
28bの平面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るハニカム一体構造
の固体電解質型燃料電池(SOFC)による4kWモジ
ュールの分解斜視図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るハニカム一体構造
の固体電解質型燃料電池(SOFC)による80kWス
タックの組立構成図である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係るハニカム構造を
示す図である。
【図9】図8に示したハニカム一体構造の固体電解質型
燃料電池(SOFC)の正面拡大図である。
【図10】従来一般的に知られる積層構造の固体電解質
型燃料電池(SOFC)の外観斜視図である。
【図11】従来一般的に知られているハニカム一体構造
のの固体電解質型燃料電池(SOFC)の外観斜視図で
ある。
【符号の説明】
10 固体電解質型燃料電池(SOFC) 11 ジルコニア構造壁 12 ハニカムチャネル 14 燃料極チャネル列 16 空気極チャネル列 18 セパレータチャネル列 19 セパレータ構造壁 20 ハニカムチャネル内壁面 22 燃料ガス流路 24 空気流路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面多角形状をした多数のハニカムチャ
    ネルが縦横に列設されるハニカム構造体を固体電解質材
    料により一体的に形成し、 該ハニカム構造体のハニカムチャネル内壁面に燃料極が
    設けられた燃料極チャネル列と、ハニカムチャネル内壁
    面に空気極が設けられた空気極チャネル列と、ハニカム
    チャネル内壁面にセパレータが設けられたセパレータチ
    ャネル列とを順次積層状に形成すると共に、 前記燃料極チャネルと前記空気極チャネルの断面形状を
    夫々積層方向に交互に大小組み合わせ、該各燃料極チャ
    ネルと空気極チャネルとの境界の電池としての動作面を
    凹凸を持つ矩形平面形状としたことを特徴とするハニカ
    ム一体構造の固体電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記ハニカム構造体の固体電解質材料が
    イットリア安定化ジルコニア又はスカンジア安定化ジル
    コニアあるいはセリアのいずれか選択された一種である
    ことを特徴とする請求項1に記載されるハニカム一体構
    造の固体電解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記ハニカム構造体のセパレータがラン
    タンクロマイト又は該ランタンクロマイトのランタンや
    クロムの一部をアルカリ土類金属やニッケルで置換した
    酸化物のいずれか選択された一種であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載されるハニカム一体構造の固体
    電解質型燃料電池。
  4. 【請求項4】 断面多角形をした多数のハニカムチャネ
    ルが縦横に列設されるハニカム構造体の各ハニカムチャ
    ネル列間のハニカム構造壁を固体電解質材料によるもの
    とセパレータ材料によるものとで交互に形成し、該ハニ
    カム構造体のハニカムチャネル内壁面に燃料極が設けら
    れた燃料極チャネル列と、ハニカムチャネル内壁面に空
    気極が設けられた空気極チャネル列とを順次積層状に形
    成すると共に、 前記燃料極チャネルと前記空気極チャネルの断面形状を
    夫々積層方向に交互に大小組み合わせ、該各燃料極チャ
    ネルと空気極チャネルとの境界の電池としての動作面を
    凹凸を持つ矩形平面形状としたことを特徴とするハニカ
    ム一体構造の固体電解質型燃料電池。
  5. 【請求項5】 前記ハニカム構造体の固体電解質材料が
    イットリア安定化ジルコニア又はスカンジア安定化ジル
    コニアあるいはセリアのいずれか選択された一種である
    ことを特徴とする請求項4に記載されるハニカム一体構
    造の固体電解質型燃料電池。
  6. 【請求項6】 前記ハニカム構造体のセパレータ材料が
    ランタンクロマイト又は該ランタンクロマイトのランタ
    ンやクロムの一部をアルカリ土類金属やニッケルで置換
    した酸化物のいずれか選択された一種であることを特徴
    とする請求項4乃至5に記載されるハニカム一体構造の
    固体電解質型燃料電池。
  7. 【請求項7】 前記ハニカム構造体が固体電解質材料と
    セパレータ材料の二種類の材料により一体的に押出成形
    されたものであることを特徴とする請求項4乃至6に記
    載されるハニカム一体構造の固体電解質型燃料電池。
JP10102935A 1998-04-14 1998-04-14 ハニカム一体構造の固体電解質型燃料電池 Pending JPH11297343A (ja)

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