JPH11292479A - 板材ローダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成が簡単で、コンパクト化が図れ、かつ昇
降位置の位置決め精度の向上が図れるものとする。 【解決手段】 案内手段１に沿って走行する走行体２
と、この走行体２に昇降手段３を介して設置されて板材
Ｗを吸着する吸着手段４とを備える。昇降手段３は、平
行リンク機構６と、この平行リンク機構６のいずれかの
リンク１３を揺動駆動する昇降駆動手段７とで構成す
る。平行リンク機構６は、各リンク１０〜１３が回り対
偶のみで連結されたものとする。昇降駆動手段７は、モ
ータ１６と、ボールねじ１４と、連結部材部１３ａとで
構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、板金等の板材を
吸着して搬送する板材ローダに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、パンチプレス機やレーザ加工機等
の板材加工機に板材を一枚ずつ供給する板材ローダとし
て、図５に示すものが一般に使用されている。この板材
ローダは、架設レール等の案内手段１０１に沿って走行
する走行体１０２と、この走行体１０２に昇降手段１０
３を介して設置されて板材Ｗを吸着する吸着手段１０４
とを備える。昇降手段１０３は、平行リンク機構１０５
とその駆動用のシリンダ装置１０６とで構成される。平
行リンク機構１０４には、２本のリンク１０７，１０８
を交差して連結し、両リンク１０７，１０８の各一端１
０７ａ，１０８ａを走行体１０２および吸着手段支持枠
１１３に回り対偶となるように支持部材１０９，１１０
で連結し、もう一端１０７ｂ，１０８ｂを走行体１０２
および吸着手段支持枠１１３に滑り対偶となる支持部材
１１１，１１２で連結したものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、同図の従来の
板材ローダは、２本のリンク１０７，１０８の一端１０
７ｂ，１０８ｂが滑り対偶となるため、その滑りの案内
のために構成が複雑になるという問題があった。また、
このような２本のリンク１０７，１０８を交差させ、一
端１０７ｂ，１０８ｂを滑り対偶とするものでは、駆動
源としてモータを利用することが難しく、シリンダ装置
１０６を駆動源とするため、複数の昇降位置あるいは任
意昇降位置で停止させたり、昇降位置を精度良く位置決
めすることが難しかった。

【０００４】この発明の目的は、上記課題を解消するこ
とであり、構成が簡単な板材ローダを提供することであ
る。この発明の他の目的は、全体構成のコンパクト化を
可能とすることである。この発明のさらに他の目的は、
簡単な構成で、昇降位置の位置決め精度の向上が図れ、
かつ複数位置または任意の昇降位置で停止可能とするこ
とである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明の板材ローダ
は、案内手段に沿って走行する走行体と、この走行体に
昇降手段を介して設置されて板材を保持する保持手段と
を備えた板材ローダにおいて、前記昇降手段を、各リン
クが回り対偶のみで連結された平行リンク機構と、この
平行リンク機構のいずれかのリンクを揺動駆動する昇降
駆動手段とで構成したものである。この構成によると、
平行リンク機構の各リンク間の連結を、いずれも回り対
偶としたため、リンク端を滑らせる案内機構を設ける必
要がなく機構が簡単になる。この発明において、前記昇
降駆動手段は、前記走行体の走行方向と平行な方向で、
かつ前記案内手段の設けられた高さ位置でスライド移動
するスライド部材と、このスライド部材をスライドさせ
る駆動源と、前記スライド部材に前記平行リンク機構の
前記リンクを繋ぐ連結部材とよりなるものとしても良
い。 この構成の場合、スライド部材を介して平行リン
ク機構を駆動するにつき、前記スライド部材を、案内手
段の設けられた高さ位置で、走行体の走行方向と平行な
方向にスライドさせるように構成したため、全体の構成
をコンパクトに纏めることができる。

【０００６】また、この発明において、前記スライド部
材は、ボールねじに噛み合った雌ねじ部を有し、前記ボ
ールねじは前記スライド駆動源であるモータで駆動され
るようにしても良い。この構成の場合、モータの駆動に
より、ボールねじを介してスライド部材が進退移動させ
られ、このスライド部材の進退により、平行リンク機構
の昇降駆動が行われる。このように、モータとボールね
じとを用いるため、簡単な構成で、昇降位置の位置決め
精度の向上が図れ、また複数位置または任意の昇降位置
で停止させることができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】この発明の第１の実施形態を図１
および図２と共に説明する。この板材ローダは、架設レ
ールからなる案内手段１に沿って走行する走行体２と、
この走行体２に昇降手段３を介して設置されて板材Ｗを
吸着する吸着手段４とを備える。吸着手段４は、特許請
求の範囲で言う「保持手段」のことである。この吸着手
段４は、吸着およびその吸着解除が自在なものであっ
て、真空吸着パッドまたは磁力で吸着する磁着手段（例
えば磁石式パッド）からなり、昇降枠５に複数個が平面
的に配置されて取付けられている。昇降手段３は、平行
リンク機構６と、この平行リンク機構６の一部のリンク
１３を揺動駆動する昇降駆動手段７とで構成される。

【０００８】平行リンク機構６は、走行体２と昇降枠５
とを、中間片８を介して、この中間片８の上側２本の平
行なリンク１０，１１と、中間片８の下側２本の平行な
リンク１２，１３とで連結したものである。下側の片方
のリンク１３は、中間片８よりも上方に延出した連結部
材部１３ａを有し、この連結部材部１３ａが昇降駆動手
段７に連結されている。上側２本のリンク１０，１１
は、各々上端が走行体２に回動中心ａ，ｂ回りに回動自
在に連結され、かつ下端が中間片８に回動中心ｃ，ｄ回
りに回動自在に連結されている。下側２本のリンク１
２，１３は、上端が中間片８に、上側のリンク１０，１
１と同じ回動中心ｃ，ｄ回りに回動自在に連結され、か
つ下端が昇降枠５に回動中心ｅ，ｆ回りに回動自在に連
結されている。したがって、平行リンク機構６の全ての
リンク１０〜１３は、いずれも回り対偶で連結されてい
る。なお、この平行リンク機構６は、上側の一対のリン
ク１０，１１と、走行体２と中間片８とで構成される上
側平行リンク機構と、下側の一対のリンク１２，１３
と、中間片８と昇降枠５とで構成される下側平行リンク
機構とを組み合わせた組合せ平行リンク機構からなる。
また、この平行リンク機構６は、一種の平行定規とな
る。

【０００９】昇降駆動手段７は、走行体２の走行方向と
平行な方向に沿って設けられたボールねじ１４と、この
ボールねじ１４に噛み合う雌ねじ部（図示せず）を有す
るスライド部材１５と、スライド用の駆動源となるサー
ボモータ等からなるモータ１６と、リンク１３から延出
した連結部材部１３ａとで構成される。連結部材部１３
ａは、連結点ｇでスライド部材１５に回動自在に連結さ
れている。ボールねじ１４の支持は、走行体２の前後に
設けられた一対の支持部２ａ，２ｂで行われ、モータ１
６は走行体２にモータ台１７を介して設置されている。

【００１０】走行体２の案内手段１による支持および走
行駆動は、次のように行われる。走行体２は、複数の走
行ローラ１８を有し、この走行ローラ１８で案内手段１
に走行自在に設置されている。案内手段１は、例えば溝
形のレールからなり、その下フランジ上に走行ローラ１
８が載せられている。走行体２には、走行駆動用のピニ
オン１９が回転自在に設置され、案内手段１に沿って設
けられたラック２０に噛み合っている。ピニオン１９
は、走行体２に設置された走行駆動源であるモータ２１
に連結され、回転駆動される。モータ２１はサーボモー
タ等からなる。これらピニオン１９およびモータ２１に
より走行装置２２が構成される。

【００１１】上記構成の板材ローダの動作等を説明す
る。走行体２の走行は、ラック２０に噛み合ったピニオ
ン１９をモータ２１で駆動することにより、案内手段１
に沿って行われる。走行体２は、所定位置あるいは任意
位置で、昇降手段３により吸着手段４を昇降させ、吸着
手段４で板材Ｗを吸着したり吸着解除し、板材Ｗを持ち
上げて走行により搬送する。この昇降動作は、モータ１
６でボールねじ１４を回転させてスライド部材１５を進
退させることにより行われる。スライド部材１５を進退
させると、このスライド部材１５に連結部材部１３ａで
連結されたリンク１３の傾斜角度が変わり、平行リンク
機構６の各リンク１０〜１３の回動が生じて昇降枠５が
平行に昇降する。

【００１２】この板材ローダによると、このように平行
リンク機構６の各リンク１０〜１３が全て回り対偶で連
結されているため、リンク１０〜１３の端部を滑らせる
ガイド手段が不要で、構成が簡単である。また、昇降駆
動手段７が、走行体２の走行方向と平行な方向に沿って
設けられたボールねじ１４と、このボールねじ１４に噛
み合うスライド部材１５と、リンク１３の延出部分から
なる連結部材部１３ａとで構成され、スライド部材１５
が案内部材１の設けられた高さ位置でスライドするよう
に配置されているため、モータ１６から平行リンク機構
６に駆動を伝える構成が簡素であり、また全体の構成が
コンパクトになる。また、昇降駆動手段７にサーボモー
タ１６およびボールねじ１４を用いているため、吸着手
段４の昇降停止位置や昇降速度の制御が自在に高精度に
行える。

【００１３】図３は、この発明の第２の実施形態を示
す。この板材ローダは、架設レールからなる案内手段３
１に沿って走行する走行体３２と、この走行体３２に昇
降手段３３を介して設置されて板材Ｗを吸着する吸着手
段３４とを備える。吸着手段３４は、図１の例のものと
同じであり、昇降枠３５に複数個が平面的に配置されて
取付けられている。昇降手段３３は、平行リンク機構３
６と、この平行リンク機構３６の片方のリンク４１を揺
動駆動する昇降駆動手段３７とで構成される。

【００１４】平行リンク機構３６は、走行体３２と昇降
枠３５とを、２本の平行なリンク４０，４１で連結した
ものである。各リンク４０，４１は、走行体３２および
昇降枠３５に回り対偶となるように、両端が回転自在に
連結される。

【００１５】昇降駆動手段３７は、走行体３２上にその
走行方向と平行に進退自在に搭載されたスライド体４５
と、リンク４１の中間部分とスライド部材４５とに両端
が回動自在に連結された連結部材３９と、スライド部材
３２に設けられたピニオン４２と、ピニオン４２を駆動
するサーボモータ等のモータ４６とで構成される。ピニ
オン４２は、案内手段３１に設けたられたラック４３に
噛み合う。

【００１６】走行体３２の案内手段１による支持は、図
１の例と同様に、走行体３２に設けられた走行ローラ４
８を介して行われる。案内手段３１には前記ラック４３
とは別のラック５０が設けられ、このラック５０に噛み
合うピニオン４９と、ピニオン４９を駆動するモータ５
１とで走行手段５２が構成される。

【００１７】この構成の場合、全体の移動は、ピニオン
４９のモータ駆動による走行体３２の走行により行わ
れ、吸着手段３４の昇降は、ピニオン４２の回転による
スライド部材４５の移動により行われる。スライド部材
４５が走行体３２に対して移動すると、リンク４１の角
度が変わり、昇降枠４５が昇降する。吸着手段３４の昇
降は、モータ４６でピニオン４２を回転駆動することに
より行う。これにより、ピニオン４２がラック４３に噛
み合いながら転がり、スライド部材４５が移動して、平
行リンク機構４５の昇降、吸着手段４４の昇降が行われ
る。なお、走行体３２の走行時に、モータ４６は走行用
モータ５１に同期して回転させるようにし、あるいは空
回りさせるようにする。

【００１８】図４はこの発明の第３の実施形態を示す。
この板材ローダは、架設レールからなる同じ案内手段６
１に沿って走行する２台の走行体６２，６２と、これら
走行体６２，６２に昇降手段６３を介して設置されて板
材Ｗを吸着する吸着手段６４とを備える。各走行体６２
は、走行ローラ７８を介して案内手段６１に走行自在に
設置されている。吸着手段６４は、図１の例のものと同
じであり、昇降枠６５に複数個が平面的に配置されて取
付けられている。昇降手段６３は、各走行体６２と昇降
枠６５とに連結された２つの平行リンク機構６６，６６
と、各走行体６２に設置された走行装置を兼用する昇降
駆動手段６７とで構成される。

【００１９】２つの平行リンク機構６６，６６は、いず
れも２本の平行なリンク７０，７１を、走行体６２およ
び昇降枠７５に、回り対偶となるように、両端で回動自
在に連結したものである。昇降枠７５に対する両平行リ
ンク機構６６，６６のリンク連結点は同じ点としてあ
る。また、両平行リンク機構６６，６６のリンク７０，
７１は、互いに同じ長さとしてある。昇降駆動手段６７
は、各走行体６２に回転自在に設置されたピニオン７９
と、各走行体６２に設置されてピニオン７９を駆動する
サーボモータ等のモータ８１とからなる。ピニオン７９
は、案内手段６１に設けられたラック８０に噛み合う。

【００２０】この構成の場合、全体の移動は、両走行体
６２を、各走行体６２に設置されたモータ８０によるピ
ニオン７９の駆動で、同じ方向へ同じ速度で走行させる
ことにより行われる。吸着手段７４の昇降は、両走行体
６２，６２を、互いに逆方向へ走行させることにより行
われる。両走行体６２，６２が近づけば、２つの平行リ
ンク機構６６，６６のリンク７０，７１の傾斜が立ち上
がり、昇降枠６５が上昇する。両走行体６２，６２が遠
ざかれば、２つの平行リンク機構６６，６６のリンク７
０，７１の傾斜が寝てきて、昇降枠６５が下降する。な
お、いずれか片方の走行体６２を停止させて、もう片方
の走行体６２を走行させるか、両走行体６２，６２の走
行速度に速度差を持たせることによっても、昇降枠６５
の昇降が行われる。この構成によると、走行動作と昇降
動作とに必要な案内手段や機構が一組で済み、コスト低
下が図れる。また、両走行体６２，６２は同じ構成のも
のとすることも可能であり、これにより、一層のコスト
低下が図れる。

【００２１】

【発明の効果】この発明の板材ローダは、案内手段に沿
って走行する走行体と、この走行体に昇降手段を介して
設置されて板材を保持する保持手段とを備えた板材ロー
ダにおいて、前記昇降手段を、各リンクが回り対偶のみ
で連結された平行リンク機構と、この平行リンク機構の
いずれかのリンクを揺動駆動する昇降駆動手段とで構成
したため、構成を簡易なものとできる。前記昇降駆動手
段が、前記走行体の走行方向と平行な方向で、かつ前記
案内手段の設けられた高さ位置でスライド移動するスラ
イド部材と、このスライド部材をスライドさせる駆動源
と、前記スライド部材に前記平行リンク機構の前記リン
クを繋ぐ連結部材とよりなる場合は、全体の構成をコン
パクトに纏めることができる。この構成の場合に、前記
スライド部材が、ボールねじに噛み合った雌ねじ部を有
し、前記ボールねじが前記スライド駆動源であるモータ
で駆動されるようにしたときは、位置決め精度が向上
し、また複数位置または任意の昇降位置で停止させるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施形態にかかる板材ローダの破
断正面図である。

【図２】その部分破断側面図である。

【図３】この発明の他の実施形態にかかる板材ローダの
破断正面図である。

【図４】この発明のさらに他の実施形態にかかる板材ロ
ーダの破断正面図である。

【図５】従来例の正面図である。

【符号の説明】

１…案内手段 ３７…昇降駆動手
段 ２…走行体 ３９…連結部材 ３…昇降手段 ４０，４１…リン
ク ４…吸着手段（保持手段） ４２…ピニオン ５…昇降枠 ４３…ラック ６…平行リンク機構 ４５…スライド体 ７…昇降駆動手段 ４６…モータ（ス
ライド用の駆動源） ８…中間片 ４９…ピニオン １０〜１３…リンク ５０…ラック １３ａ…連結部材部 ６１…案内手段 １４…ボールねじ ６２…走行体 １５…スライド体 ６３…昇降手段 １６…モータ（スライド用の駆動源） ６４…吸着手段 １９…ピニオン ６５…昇降枠 ２０…ラック ６６…平行リン
ク機構 ３１…案内手段 ６７…昇降駆動
手段 ３２…走行体 ７０，７１…リ
ンク ３３…昇降手段 ７９…ピニオン ３４…吸着手段 ８０…ラック ３５…昇降枠 ８１…モータ ３６…平行リンク機構 Ｗ…板材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 案内手段に沿って走行する走行体と、こ
   の走行体に昇降手段を介して設置されて板材を保持する
   保持手段とを備えた板材ローダにおいて、前記昇降手段
   を、各リンクが回り対偶のみで連結された平行リンク機
   構と、この平行リンク機構のいずれかのリンクを揺動駆
   動する昇降駆動手段とで構成した板材ローダ。
2. 【請求項２】 前記昇降駆動手段は、前記走行体の走行
   方向と平行な方向で、かつ前記案内手段の設けられた高
   さ位置でスライド移動するスライド部材と、このスライ
   ド部材をスライドさせる駆動源と、前記スライド部材に
   前記平行リンク機構の前記リンクを繋ぐ連結部材とより
   なる請求項１記載の板材ローダ。
3. 【請求項３】 前記スライド部材は、ボールねじに噛み
   合った雌ねじ部を有し、前記ボールねじは前記スライド
   用の駆動源であるモータで駆動される請求項２記載の板
   材ローダ。