JPH11290736A - 塗装作業用臭気除去装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間にわたって臭気除去能力を維持できる
ようにした塗装作業用臭気除去装置を提供する。 【解決手段】 本体ケース７内に空気中の塵埃や塗装粉
を除去する第一フィルタ体８を設け、この第一フィルタ
体８の下流側に空気中の臭気を除去する第二フィルタ体
９を取り外し可能に複数枚設け、第一フィルタ体８はポ
リエステル製フィルタ１５の裏面側を金網１６で支え、
また第二フィルタ体９は、活性炭素繊維袋状体１９の裏
面側を金網２０で支えて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、塗装作業用臭気除
去装置に係わり、特に、建物内に設けたエレベータの出
入口部における塗装作業に好適な塗装作業用臭気除去装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、エレベータの出入口部等を改修
する場合、建物の壁をはつり作業で加工したり、建物の
壁を塗装したりするため、はつり作業による粉塵や塗装
作業による塗装粉がそれぞれ多量に発生する。しかも、
塗装作業時には塗装の臭気がエレベータの出入口等から
離れた場所にまで広がって周囲に迷惑をかけていた。そ
のため、エレベータの出入口等にビニールシートからな
る囲い装置を設け、この囲い装置内に閉じ込めた塗装の
臭気等をフィルタを有する脱臭装置で除去するようにし
ていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
塗装作業用臭気除去装置は、フィルタを有する脱臭装置
を用いていたため、そのフィルタにはつり作業による粉
塵や塗装作業による塗装粉が多量に付着して、そのフィ
ルタの脱臭機能がすぐに低下してしまい、塗装作業時に
発生する臭気を十分に除去することができなかった。

【０００４】本発明の目的とするところは、長時間にわ
たって臭気除去能力を維持できるようにした塗装作業用
臭気除去装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、作業箇所を囲い装置で覆い、この囲い装置
内の臭気を除去する塗装作業用臭気除去装置において、
上記囲い装置の内外を連通する本体ケースと、この本体
ケースに接続した電動送風機を設け、上記本体ケース
に、空気中の粉塵および塗装粉を除去する第一フィルタ
体と、この第一フィルタ体の下流側に上記第一フィルタ
体を通過した空気中の臭気を除去する第二フィルタ体を
設けたことを特徴とする。

【０００６】上述したように本発明の塗装作業用臭気除
去装置は、本体ケースに第一フィルタ体と第二フィルタ
体を設け、塗装粉や他の塵埃を第一フィルタ体で除去
し、第二フィルタ体で臭気を除去するようにしたため、
第二フィルタ体への塗装粉や他の塵埃がほとんど付着す
ることなくその臭気除去能力の急激な低下が防止され、
長時間にわたって臭気除去能力を維持することができ
る。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。図１は、本発明の一実施の形態によ
る塗装作業用臭気除去装置を示す部分断面側面図であ
り、建物内に設けたエレベータの出入口部における塗装
作業に適用したものである。

【０００８】建物１内に設けられたエレベータの出入口
近傍には、出入口の三方枠５を覆うように仮囲い装置２
が設置されており、この仮囲い装置２は、折り畳み可能
な複数本の支柱からなる枠体３と、この枠体３を覆うビ
ニールシート４とで構成されている。また、枠体３およ
びビニールシート４の一部にはその内外を連通する開口
４ａが形成され、この開口４ａに対応してビニールシー
ト４の内外を連通した箱状の本体ケース７を有する塗装
作業用臭気除去装置６を接続している。この塗装作業用
臭気除去装置６は、図２の斜視図に示すように開口４ａ
に対応して接続した箱状の本体ケース７と、送風装置で
ある電動送風機１０と、ビニールシートを筒状にしてこ
の電動送風機１０と本体ケース７間を連通した連結筒体
２２と、ビニールシートを筒状にして電動送風機１０の
排気側に接続した排気用筒体２３とをそれぞれ着脱可能
に連結して構成している。

【０００９】次に、分解斜視図である図３を用いて本体
ケース７を説明する。本体ケース７は箱状に構成され、
その全面には、本体ケース７内に流入してくる空気中の
塗装粉や粉塵を除去する使い捨ての第一フィルタ体８が
配置されている。また本体ケース７の上面には、取り外
し可能な上蓋１１がねじ等によって固定されており、こ
の上蓋１１を取り外したときに得られる開口７ａから同
一寸法および形状の複数枚の第二フィルタ体９を挿入し
て配置している。この第二フィルタ体９は、本体ケース
７内における第一フィルタ体８の下流側に配置されて空
気中の臭気を除去するもので、本体ケース７内の両側面
に設けた複数個のガイドレール１２に沿って開口７ａか
ら着脱できるようになっている。また、本体ケース７に
は、その上面に設けた運搬用の把手１３，１３ａと、第
二フィルタ体９の下流側に形成した排気口７ｂを有して
いる。上述したガイドレール１２は、空気の流れを考慮
して本体ケース７の前面と排気口７ｂから所定距離７ａ
を隔てた中央位置寄りに第二フィルタ体９が位置するよ
うに設けられている。

【００１０】第一フィルタ体８は、図４の斜視図に示す
ように表面側に設けたポリエステル製フィルタ１５と、
表面側に設けた金網１６とを額縁状の枠体１４内に配置
し、この枠体１４の裏面側周縁部に表面側から取付板１
７を対向配置し複数個のねじ１７ａを用いて枠体１４に
固定している。ここでポリエステル製フィルタ１５は、
ＪＩＳ−Ｚ−８９０１の１５種組成の試験用粉体の捕集
率における重量法が９８％となるものを選択している。

【００１１】また第二フィルタ体９は、図５の斜視図に
示すように表面側に設けた活性炭素繊維袋状体１９と、
裏面側に設けた金網２０とを額縁状の枠体１８内に配置
し、この枠体１８の裏面側周縁部に表面側から取付板２
１を対向配置し複数個のねじ２１ａを用いて枠体１８に
固定している。この第二フィルタ体９の活性炭素繊維袋
状体１９は、図６の断面図に示すように繊維状の活性炭
を積層形成してなる活性炭素繊維層１９ａと、この活性
炭素繊維層１９ａの表裏をそれぞれ覆う通気性シート材
１９ｂ，１９ｃとから構成されており、この通気性シー
ト材１９ｂ，１９ｃは活性炭素繊維層１９ａの形状を保
持する保形部材としての機能も有している。

【００１２】次に、上述した塗装作業用臭気除去装置６
を用いて行なうエレベータの出入口部における改修作業
について説明する。今、エレベータの出入口部の改修の
ために建物の壁のはつり作業や塗装作業を行なう場合、
図１に示すようにエレベータの出入口の三方枠５の前に
枠体３を組み立て、この枠体３の外側をビニールシート
４で覆った後、ビニールシート４の一部に形成した開口
４ａに本体ケース７を連結する。この本体ケース７の排
気側に連結筒体２２を介して電動送風機１０を連結し、
電動送風機１０の排気側に排気用筒体２３を連結して塗
装作業用臭気除去装置６を組み立てる。

【００１３】その後、電動送風機１０を回転させると、
仮囲い装置２内でのはつり作業や塗装作業中に発生した
塵埃や塗装粉や臭気が含まれている空気が、本体ケース
７内に吸引される。本体ケース７内に吸引された空気中
の塵埃および塗装粉は、第一フィルタ体８によって除去
され、第一フィルタ体８を通過した臭気は第二フィルタ
体９によって除去される。このとき、第一フィルタ体８
のポリエステル製フィルタ１５の裏面側は金網１６で支
えられているので、空気の流れによって膨らんで変形す
ることがない。また、活性炭素繊維袋状体１９の裏面側
も金網２０で支えられているので、空気の流れによって
膨らんで変形することがないので、活性炭素繊維袋状体
１９に剛性を保持させる必要がなく、活性炭素繊維袋状
体１９全体を可撓性のある構造としたり、ポリエステル
製フィルタ１５を薄くすることができる。こうして本体
ケース７の排出口７ｂからは臭気のない清浄な空気が排
出され、これが排気用筒体２３を介して外部に排出され
ることになる。

【００１４】この塗装作業用臭気除去装置６は、塵埃や
塗装粉等を第一フィルタ体８で除去し、その下流側に配
置した第二フィルタ体９で臭気を除去するようにしたた
め、第二フィルタ体９に塵埃や塗装粉がほとんど付着す
ることがなく、第二フィルタ体９の臭気除去能力の急激
な低下を防止することができる。また、第二フィルタ体
９は本体ケース７内に複数個を並設可能に収納している
ため、その使用条件下で枚数を選定することにより臭気
はほとんど除去され、しかも、第二フィルタ体９として
は臭気除去能力を再生することが可能な活性炭素繊維層
１９ａを用いているため、高価な第二フィルタ体９を何
回も再使用することができる。

【００１５】この作業中、第一フィルタ体８におけるポ
リエステル製フィルタ１５が塗装粉等の付着で目詰まり
した場合には、図４に示したねじ１７ａを外して取付板
１７を枠板１４から取り外しねポリエステル製フィルタ
１５のみを新品に交換すればよく、枠板１４および取付
板１７は再利用することができる。しかし、ポリエステ
ル製フィルタ１５の目詰まりが生じた場合、予め枠板１
４にポリエステル製フィルタ１５を組み込んだ第一フィ
ルタ体８全体をユニットとして交換することもできる。
いずれの場合も、第一フィルタ体８のポリエステル製フ
ィルタ１５は、塗装粉が多量に付着して比較的短時間で
新品と交換する必要が生じるかも知れないが、本体ケー
ス７の全面に取り付けられているため、その交換の度に
本体ケース７を分解する必要がないので交換作業は容易
である。

【００１６】一方、第二フィルタ体９の活性炭素繊維袋
状体１９の臭気除去能力が低下した場合は、図５に示し
たねじ２１ａを外して取付板２１を枠板１８から取り外
し、活性炭素繊維袋状体１９のみを図示しない再生装置
にセットして再生するようにすればよい。一方、この再
生装置による活性炭素繊維袋状体１９の再生は別の時期
に行ない、第二フィルタ体９をユニット交換することも
できる。また、活性炭素繊維袋状体１９が破損して使用
不可能となってしまったときは、その活性炭素繊維袋状
体１９のみを新品に交換して枠板１８や取付板２１は再
利用したり、または第二フィルタ体９全体を新品に交換
することができる。

【００１７】尚、上述した実施の形態では、ポリエステ
ル製フィルタ１５の裏面側にのみ金網１６を設けて第一
フィルタ体８を構成したが、ポリエステル製フィルタ１
５の表裏両面に金網を設けて金網間にポリエステル製フ
ィルタ１５を挾持する構造でもよい。また、排気用筒体
２３内に消音装置を設けるようにすれば、電動送風機１
０からの排気音を小さくすることができる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように本発明による塗装作
業用臭気除去装置は、本体ケースの上流側に塵埃や塗装
粉を除去する第一フィルタ体を設け、この第一フィルタ
体の下流側に臭気を除去する第二フィルタ体を設けたた
め、塵埃や塗装粉を第一フィルタ体で除去して第二フィ
ルタ体にはほとんど付着することがないので、第二フィ
ルタ体の臭気除去能力の急激な低下を防止して長時間に
わたって臭気除去能力を維持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態による塗装作業用臭気除
去装置を示す部分断面側面図である。

【図２】図１に示した塗装作業用臭気除去装置の要部斜
視図である。

【図３】図２に示した塗装作業用臭気除去装置における
本体ケースの分解斜視図である。

【図４】図３に示した本体ケース内の第一フィルタ体を
一部破断して示す斜視図である。

【図５】図３に示した本体ケース内の第二フィルタ体を
一部破断して示す斜視図である。

【図６】図５に示した第二フィルタ体の断面図である。

【符号の説明】

６ 塗装作業用臭気除去装置 ７ 本体ケース ８ 第一フィルタ体 ９ 第二フィルタ体 １０ 電動送風機 １５ ポリエステル製フィルタ １９ 活性炭素繊維袋状体 ２０ 金網

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田丸 時司 東京都千代田区神田錦町１丁目６番地 株 式会社日立ビルシステム内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 作業箇所を囲い装置で覆い、この囲い装
   置内の臭気を除去する塗装作業用臭気除去装置におい
   て、上記囲い装置の内外を連通する本体ケースと、この
   本体ケースに接続した電動送風機を設け、上記本体ケー
   スに、空気中の粉塵および塗装粉を除去する第一フィル
   タ体と、この第一フィルタ体の下流側に上記第一フィル
   タ体を通過した空気中の臭気を除去する第二フィルタ体
   を設けたことを特徴とする塗装作業用臭気除去装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載のものにおいて、上記第二
   フィルタ体は、上記本体ケース内に複数枚並設したこと
   を特徴とする塗装作業用臭気除去装置。
3. 【請求項３】 請求項１記載のものにおいて、上記第一
   フィルタ体および上記第二フィルタ体は、上記本体ケー
   ス内に取り外し可能に収納したことを特徴とする塗装作
   業用臭気除去装置。
4. 【請求項４】 請求項１記載のものにおいて、上記第一
   フィルタ体および上記第二フィルタ体は、少なくともそ
   の下流側に金網を設けたことを特徴とする塗装作業用臭
   気除去装置。
5. 【請求項５】 請求項１記載のものにおいて、上記第一
   フィルタ体は、ポリエステル製フィルタと、少なくとも
   その下流側に配置した金網を有することを特徴とする塗
   装作業用臭気除去装置。
6. 【請求項６】 請求項１記載のものにおいて、上記第二
   フィルタ体は、活性炭素繊維袋状体と、少なくともその
   下流側に配置した金網を有することを特徴とする塗装作
   業用臭気除去装置。