JPH11286827A - ポリビニルアルコール系難燃繊維及びその製造方法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系難燃繊維及びその製造方法

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JPH11286827A
JPH11286827A JP9416698A JP9416698A JPH11286827A JP H11286827 A JPH11286827 A JP H11286827A JP 9416698 A JP9416698 A JP 9416698A JP 9416698 A JP9416698 A JP 9416698A JP H11286827 A JPH11286827 A JP H11286827A
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Isao Tokunaga
勲 徳永
Shinya Inada
真也 稲田
Masahiro Sato
政弘 佐藤
Akio Omori
昭夫 大森
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリビニールアルコール系難燃繊維の特長で
ある難燃性、高強度、親水性、耐光性、耐アルカリ性を
損なうことなく、その欠点である着色と乾湿寸法安定
性、特に湿潤時の収縮率を低減させる。 【解決手段】 ポリビニルアルコールとポリ塩化ビニル
を共通の有機溶媒に溶解し固化浴に紡糸し、延伸して得
られる、ポリビニルアルコールが海成分、ポリ塩化ビニ
ルが島成分となっているポリビニルアルコール−ポリ塩
化ビニル系海島難燃繊維の延伸糸を85〜120℃の熱
水またはスチームで湿熱フリー収縮処理をする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乾湿寸法安定性に優
れ、色相の良いポリビニルアルコール(以下PVAと略
記)系難燃繊維に関するものであり、防護服等の衣料、
カーテン、カーペット等のリビング素材、カーシート等
の産業資材等に好適に用いることの出来る難燃繊維に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】PVA系繊維は汎用繊維の中では高強
度、高耐候性、高耐アルカリ性、親水性であり、その独
自の特長を生かして、ロープ、寒冷紗、セメント補強
材、製紙分野等に多く使用されている。その中でPVA
に塩化ビニル系ポリマーで代表される含ハロゲンビニル
系ポリマーを添加して得られるPVA系難燃繊維は上述
の特殊難燃用途に多く使用されている。しかしながらP
VA系難燃繊維は親水性であるために、湿潤時の寸法変
化が大きいという欠点を有しており、湿潤状態にさらさ
れる用途分野についてはポリエステル系難燃繊維等が進
出し、PVA系難燃性繊維は減少の傾向にある。
【0003】従来からPVA系難燃繊維の寸法安定性を
改善することが多く試みられている。最も一般的な方法
はホルマリンなどにより分子内あるいは分子間アセター
ル化を行い、PVAの水酸基を封鎖すると共に架橋させ
ることにより、耐水性を向上させる方法である。この方
法を用いると確かに水中溶解温度を高くすることが出来
るが、湿潤時の収縮率(Wsrと略す)の低減には不十
分である。同様にグルタルアルデヒド等の2価のアルデ
ヒドでPVAを架橋させる方法もあるが、上記ホルマー
ル化処理と同様にWsrの低減にはあまり有効ではな
い。
【0004】また、PVA系ポリマーをゲル紡糸により
均一な繊維断面とし、それを高度に延伸することによ
り、PVA系ポリマーを高配向、高結晶化させて高強度
のPVA系繊維を得ることは公知であるが、分子鎖が伸
びきった状態では湿潤時に分子緩和が起こり、収縮率は
あまり低減しない。さらに高度に延伸した後、乾熱延伸
温度またはそれ以上の温度で乾熱収縮することにより、
伸びきり分子鎖を緩和させることにより湿潤時の収縮率
を低下させる方法も公知である。この乾熱収縮処理は湿
熱、乾熱収縮率の低減に対しては効果があるが、難燃剤
であるポリ塩化ビニル系ポリマー(PVCと略す)が分
解して黄色または褐色に着色し商品価値が低下する欠点
を有しており、そのため用途も着色が問題にならない分
野に限定されている。
【0005】また断面がスキンコア構造で非円形であ
る、すなわち断面構造が不均一であるPVA系繊維のカ
ットステープルを特定温度の熱水中に浸漬することによ
り捲縮を発現させることは公知であるが、この方法は断
面不均一構造の繊維をその繊維構造が破壊される限界近
くの条件で熱水処理を行い、断面の歪斑を増長すること
により、捲縮発現を目的としたもので、乾湿寸法安定性
低減に対しては有効な方法ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の様に従来のPV
A系難燃繊維は他の難燃繊維と比較すると優れた性能を
有しているにもかかわらず、乾湿寸法安定性に欠け、着
色し易いという欠点を有しており、そのため実用性の問
題があった。本発明の課題は、寸法安定性に優れた色相
の良いPVA系難燃繊維を供給することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、PVAと含
ハロゲンビニル系ポリマー(PVXと略す)よりなり、P
VAが海成分、PVXが島成分の海島繊維であり、色差
が12以下であり、煮沸収縮率が2%以下であることを
特徴とするPVA系難燃繊維によって達成され、そして
そのような繊維は、PVAとPVXを共通の溶媒に溶解
し、得られた紡糸原液を、PVAに対して固化能を有す
る固化溶媒と原液溶媒からなる固化浴に湿式または乾湿
式紡糸し、抽出、乾燥、延伸して得られる延伸糸を85
〜120℃の熱水あるいはスチームを使用し、フリー収
縮処理することにより得られる。
【0008】以下に本発明の難燃繊維及びその製造方法
について詳細に説明する。本発明繊維を構成する海成
分、すなわちマトリックス成分はPVAでなければなら
ない。難燃性を付与するPVXと共通の溶媒を有し、か
つ強度の高い海島繊維が可能とする水酸基による強固な
分子間水素結合を形成し得る汎用ポリマーはPVAのみ
である。
【0009】本発明でいうPVAとは、ビニールアルコ
ールユニットを全構成ユニットの70モル%以上有する
ポリマーを意味しており、従ってエチレン、酢酸ビニ
ル、イタコン酸、ビニルアミン、アクリルアミド、ピバ
リン酸ビニル、無水マレイン酸、スルホン酸含有ビニル
化合物などのモノマーが30モル%未満の割合で共重合さ
れていてもよい。ケン化度は80モル%以上が好ましく、
配向結晶化のためには、全構成ユニットの95モル%以上
がビニルアルコールユニットであるPVAがより好まし
く、更に好ましくは98モル%以上、もっと好ましくは99
モル%以上、最も好ましくは99.8モル%以上である。PVA
の重合度に関しては、特に限定はないが、高強度繊維と
するためには重合度500以上が好ましく、1500以上であ
ると更に好ましい。また耐熱水性改善のため、繊維化後
ホルムアルデヒドやジアルデヒドで代表されるアルデヒ
ド化合物などによりPVA分子内および/または分子間アセ
タール化などの後反応が施されたアセタール化PVAでも
よい。
【0010】本発明繊維の島成分はPVXでなければな
らない。島成分にPVXを用いることによりはじめて本
発明繊維を難燃繊維とすることができる。本発明にいう
PVXとは、塩素や臭素で代表されるハロゲン元素を含
有するユニットを50モル%以上有するビニルポリマー
である。例えば、塩化ビニル系ポリマー(PVC)、塩
化ビニリデン系ポリマー、、塩素化ポリオレフィン、臭
素化ポリオレフィンなどが包合される。中でも難燃性、
耐熱分解性、コストのバランスの点でPVCが好まし
い。
【0011】PVXは結晶性が低く、繊維形成能がない
かあるいは繊維化しても低強度のものしか得られず、と
くにステープル繊維のコストパフォーマンスに優れた製
造法である湿式紡糸法ではPVX系繊維は製造されてい
ない。本発明では島成分としてPVXを含有させ、PV
Xに、繊維が高温に曝され燃焼した時ハロゲン化水素ガ
スを生成し、燃焼時発生のラジカルを補足して燃焼を抑
制させることが出来る機能性成分としての役割を果たさ
せる。またPVXには、紡糸原液中でのPVX液の分散
安定性を保つために、PVAとの親和性が向上するよう
なモノマーが共重合されていてもよく、そのような共重
合成分として水酸基を有するモノマーが代表例としてあ
げられ、中でもヒドロキシエチルアクリレートやヒドロ
キシプロリルアクリレート等が好ましく、特にヒドロキ
シプロリルアクリレートがもっとも好ましく、また共重
合割合としては、含ハロゲンモノマーに対して2〜15
重量%である。
【0012】PVAを海成分、PVXを島成分とするに
は、PVAが55重量%以上、PVXが45%以下が好
ましい。PVAが55重量%未満では、一部のPVXが
海成分となる場合もあり、強度が低下したり、抽出浴に
PVXが溶出したりして性能的にも工程通過性の面でも
好ましくない。PVAが95重量%を越え、PVXが5
重量%未満では、繊維中のハロゲン量が少なく燃焼性が
不十分となるので好ましくない。難燃性、強度等のバラ
ンスより、PVA/PVXの混合重量割合は90/10
〜55/45であるとさらに好ましい。なお本発明にお
いて、本発明の目的を損なわない範囲でPVAやPVX
以外のポリマーが添加されていても良い。さらには各種
安定剤や着色剤等が添加されていても良い。
【0013】本発明において、安価な市販PVX粉末を
PVA系難燃繊維の成分として用いるべく、従来のPV
A系難燃性繊維の発想を転換して鋭意検討した結果、P
VAとPVXをジメチルスルホキシドやジメチルアセト
アミドやジメチルホルムアミド等で代表される共通の有
機溶媒に溶解し、得られるPVAを海成分としPVXを
島成分とする海島相分離溶液を紡糸原液とし、この紡糸
原液を固化浴中に紡糸し、抽出、乾燥、乾熱延伸したの
ち、特定の条件で湿熱フリー収縮処理を行うことによ
り、安価なPVX粉末を原料し、湿潤時の収縮が極めて
低くかつ白度に優れた本発明繊維を得ることができる。
【0014】さらに、本発明繊維中に、錫化合物または
アンチモン化合物がポリマー総重量に対して0.1〜15重
量%含有されていると、難燃性が大きく改善され、好ま
しい。もちろん錫化合物とアンチモン化合物が併用され
ていてもよい。本発明でいう錫化合物とは、錫元素を含
む化合物なら特別な限定はないが、難燃助剤としての難
燃性増強効果とコストパフォーマンスの点で酸化錫やメ
タ錫酸などの無機酸化物が好ましい。また本発明にいう
アンチモン化合物とは、アンチモン元素を含む化合物な
ら特別な限定はないが、難燃助剤としての難燃性増強効
果とコストパフォーマンスの点で五酸化アンチモンや三
酸化アンチモンなどの無機酸化物が好ましい。錫化合物
またはアンチモン化合物の含有量がポリマーの総重量に
対し0.1%未満であると添加効果が得られず、難燃性が
不十分となる。10%を越える量を含有させても難燃化効
果は頭打ち状態となり、コストパフォーマンスの点で不
利となる。錫化合物またはアンチモン化合物の含有量が
0.5〜8重量%であると好ましく、1〜6重量%であると更
に好ましい。
【0015】本発明の製造法において、紡糸原液は、P
VAとPVXを上記したジメチルスルホキシドやジメチ
ルアセトアミドやジメチルホルムアミド等で代表され
る、PVAとPVXとの共通の有機溶媒に溶解すること
により得られる。紡糸原液中のポリマー濃度としては1
0〜30重量%が好ましい。紡糸原液の段階において、
PVXは有機溶媒に溶解した状態でかつPVA溶液中に
分散した状態で存在している。紡糸原液の温度としては
50〜100℃が好ましく、また紡糸原液の粘度として
は、湿式紡糸を用いる場合には10〜400ポイズ、乾
湿式紡糸方法を用いる場合には50〜2000ポイズが
好ましい。このような紡糸原液をノズルを通して、PV
Aに対して固化能を有する固化浴中に湿式あるいは乾湿
式紡糸する。固化浴を紡糸ノズルに直接接触させる湿式
紡糸方法は、ノズルピッチを狭くしても繊維同士が膠着
せず紡糸できるため、多孔ノズルを用いた紡糸に適して
おり、一方固化浴と紡糸ノズルとの間にエアギャップを
設ける乾湿式紡糸方法は、エアギャップ部での伸びが大
きいことより、高速紡糸に適している。本発明において
は、湿式か乾湿式かは目的や用途に応じて適宜選択でき
る。
【0016】PVAに対して固化能を有する固化浴とし
てはメタノールやエタノール等のアルコール類、アセト
ンやメチルエチルケトン等のケトン類、凝固性塩類を含
む水溶液などが例示されるが、均一固化性、PVXに対
する固化性等の点でアルコール類が好ましく、中でもメ
タノールが特に好ましい。また固化浴の固化性を抑制し
たり、固化浴の回収コストに配慮すると、固化浴として
はメタノールと原液溶媒との混合液が好ましく、その混
合重量比としてはメタノール:原液溶媒比が25:75
〜85:15である混合液が最も好ましい。固化浴温度
は30℃以下が好ましく、均一冷却ゲル化の為には20
℃以下、さらには15℃以下が好ましい。
【0017】固化させた繊維をメタノールで代表される
置換浴に浸漬して繊維中に含有されている溶媒を抽出除
去する。その際に、湿延伸を行うのが好ましく、その際
の延伸倍率としては、1.5倍〜8倍の範囲が用いられ
る。置換浴から取り出した繊維をその後乾熱延伸する。
乾熱延伸倍率としては、2〜8倍が好ましく、湿延伸倍
率と乾熱延伸倍率との積が6以上となるような延伸倍率
を行うことが好ましい。乾熱延伸の際の温度条件として
は200〜240℃の範囲が用いられる。
【0018】PVXを含有する難燃繊維はPVXが分解
しやすいため、高温に曝されると着色し易い。特にWs
rを低下させ寸法安定性を向上させるために延伸糸を熱
処理する場合、延伸温度以上の温度で乾熱処理を行うと
着色が大きく商品価値を低下させる。しかし本発明の繊
維は80〜120℃の低温の熱水またはスチーム下でフ
リーな状態(すなわち繊維に実質的に張力がかからない
状態)で収縮処理を行うため、着色が抑制され、色差と
Wsrの低い好適な繊維が得られる。
【0019】本発明繊維において、得られる繊維のWs
rは2%以下である。本発明に言うWsrとは、サンプ
ル繊維に2mg/drの荷重を吊り下げ、所定長L0
(例えば1.00m)を正確に採取し、フリーの状態で
30分間100℃で煮沸し、ついで風乾し、風乾後のサ
ンプルに再び2mg/drの荷重を吊り下げ同様に糸長
を正確に測定(L1)し、次式によりWsrを算出す
る。 Wsr=[(L0−L1)/L0]×100(%)
【0020】また本発明繊維の色差は12以下である。
本発明にいう色差とはHITACHI製カラーアナライ
ザー(C−2000S型)で繊維を測色し、L*a*b
*系色差式で求めた値である。
【0021】上記の製造法において、乾熱延伸して得ら
れたPVA難燃繊維を85〜120℃の範囲の熱水中あ
るいはスチーム雰囲気中で2%以上湿熱フリー収縮させ
ることが本発明の繊維製造法におけるポイントである。
収縮させる雰囲気は湿熱状態でなければならない。乾熱
状態で200〜250℃の温度でフリー収縮を施しても
WsrやDsrは大きく改善されるが黄色〜褐色に着色
し、商品価値が低下する。85〜120℃の湿熱雰囲気
下で2%以上湿熱収縮させることにより本発明の目的と
する色差12以下、Wsr2%以下の色相の良い乾湿寸
法安定性の優れた難燃繊維を得ることができる。湿熱温
度が85℃未満では収縮が十分行われず、Wsrが2%
以下にならない。また120℃を越えるとWsrの低下
が頭打ちになり、エネルギーの消費が大きい割には効果
が無く製造コストアップになる。なお本発明のおいて得
られる繊維の難燃性の程度としては、LOI値で35以
上が好ましい。
【0022】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例中、%や比率は特にことわりがない
限り重量に基ずく値である。
【0023】実施例1 重合度1740、ケン化度99.8モル%のPVAと重
合度400のPVC粉末及びメタ錫酸をジメチルスルホ
キシド(DMSO)中に窒素気流下80℃で5時間攪拌し
て溶解し、PVA/PVC=65/35、ポリマー(P
VA+PVC)濃度18%、メタ錫酸5%/ポリマーの
組成を有する紡糸原液を得た。この紡糸原液を孔径0.
08mm、孔数1000のノズルを通して、メタノール
/DMSO=7/3の混合比のメタノールとDMSOの
混合液からなる5℃の固化浴中に湿式紡糸した。次いで
メタノールとDMSOを繊維から抽出しながら2.0倍
に湿延伸し、100℃の熱風でメタノールを乾燥して紡
糸原糸を得た。次いで227℃で3.0倍乾熱延伸を施
し単糸の太さが1.9drの延伸糸を得た。得られた延
伸糸を95℃熱水中に1分乾浸漬し、フリーな状態で4
%湿熱収縮させ、そして100℃で定長乾燥をした。得
られた湿熱収縮処理繊維の断面は20000倍の透過型
電子顕微鏡写真で観察したところ、PVCが約0.9μ
mの大きさの島を形成しPVAが海成分となっている海
島繊維であった。この繊維は色差が10.5で着色が少
なく、煮沸収縮率(Wsr)が1.5%であった。また
強度は7.3g/d、伸度は10.2%、LOI値は3
9と高強度、高難燃で寸法安定性の優れた繊維であっ
た。
【0024】比較例1 実施例1で湿熱収縮処理前の延伸糸の繊維性能を評価し
た。色差は10.8でほゞ同等であったが、Wsrが
5.2%で寸法安定性が悪かった。また強度は8.0g
/d、伸度は6.5%でやゝ伸びの少ない繊維であっ
た。
【0025】比較例2 実施例1で得た延伸糸に110℃で6.55%の乾熱収
縮処理を施したがWsrが5.5%で寸法安定性が悪か
った。そこで乾熱収縮処理の温度を230℃にアップし
て7.5%の乾熱収縮処理を施した。得られた繊維はW
srが1.6%で寸法安定性は良好であったが、色差が
22.4であり、黄褐色に着色し、商品として見劣りす
るものであった。
【0026】実施例2 実施例1で得た延伸糸に加圧スチームで連続的に5%の
フリー収縮熱処理を施した。得られた繊維のWsrは
1.8%で寸方安定性は良好であった。色差は11.0
で着色が少なく色相良好であった。強伸度はdT=7.
5g/d、dE=11.5%、LOI値は38で高強
度、高難燃性の優れた繊維であった。
【0027】
【発明の効果】本発明はPVA系ポリマーを海成分と
し、PVC系ポリマーを島成分とする海島構造を有する
断面円形の繊維で、色差が12以下であり、Wsrが2
%以下の難燃繊維である。本発明の製造方法はPVA系
難燃繊維を紡糸延伸後80〜120℃の湿熱処理をする
事により得ることを特徴としており、従来の乾熱延伸の
みや乾熱収縮処理では得られなかった低Wsr、低色差
の色相良好で寸法安定性の優れた難燃繊維が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大森 昭夫 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニルアルコール系ポリマーと含ハロゲン
    ビニル系ポリマーを主成分とし、該ビニルアルコール系
    ポリマーが海成分、該含ハロゲンビニル系ポリマーが島
    成分の海島構造を有している繊維であり、色差が12以
    下、煮沸収縮率が2%以下であることを特徴とするポリ
    ビニルアルコール系難燃繊維。
  2. 【請求項2】錫化合物またはアンチモン化合物がポリマ
    ー総重量に対して0.1〜15重量%含有されている請
    求項1に記載の繊維。
  3. 【請求項3】 ビニルアルコール系ポリマーと含ハロゲ
    ンビニル系ポリマーを共通の溶媒に溶解し、得られた紡
    糸原液を、ビニルアルコール系ポリマーに対して固化能
    を有する固化溶媒と原液溶媒からなる固化浴に湿式また
    は乾湿式紡糸し、抽出、乾燥、延伸して得られる延伸糸
    を85〜120℃の熱水あるいはスチームを使用し、フ
    リー収縮処理することを特徴とするポリビニルアルコー
    ル系難燃繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 紡糸原液に錫化合物またはアンチモン化
    合物をポリマー総重量に対して0.1〜15重量%混合
    する請求項3に記載の製造方法。
JP9416698A 1998-04-07 1998-04-07 ポリビニルアルコール系難燃繊維及びその製造方法 Pending JPH11286827A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006087983A1 (ja) * 2005-02-21 2008-07-03 株式会社クラレ 難燃性ポリビニルアルコール系繊維

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2006087983A1 (ja) * 2005-02-21 2008-07-03 株式会社クラレ 難燃性ポリビニルアルコール系繊維

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