JPH11284114A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

Info

Publication number
JPH11284114A
JPH11284114A JP8104998A JP8104998A JPH11284114A JP H11284114 A JPH11284114 A JP H11284114A JP 8104998 A JP8104998 A JP 8104998A JP 8104998 A JP8104998 A JP 8104998A JP H11284114 A JPH11284114 A JP H11284114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
heat spreader
semiconductor device
weight
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8104998A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kirihara
博 桐原
Yoshihiro Nomura
好弘 野村
Yoichi Hosokawa
羊一 細川
Kazunori Yamamoto
和徳 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP8104998A priority Critical patent/JPH11284114A/ja
Publication of JPH11284114A publication Critical patent/JPH11284114A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

Landscapes

  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 応力緩和能力、耐熱性、耐電食性、耐湿性を
有し、PCT(プレッシャークッカーテスト)処理等厳
しい条件下での耐湿性試験を行った場合の劣化が小さく
なる接着剤をあらかじめ塗布したヒートスプレッダーを
用いて構成したCSP(チップサイズパッケージ)型半
導体装置を提供する。 【解決手段】 接着剤3があらかじめ塗布されたヒート
スプレッダー5を用いて半導体チップ2とヒートスプレ
ッダー5とが接着されており、接着剤3が、重量平均分
子量が5,000未満のエポキシ樹脂及びその硬化剤の
合計量100重量部、硬化促進剤0.1〜5重量部、並
びにグリシジル(メタ)アクリレートに由来する共重合
単位2〜6重量%を含むガラス転移温度が−10℃以上
でかつ重量平均分子量が600,000以上であるエポ
キシ基含有アクリル系共重合体100〜300重量部を
含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒートスプレッダ
ーを有するチップサイズパッケージ型の半導体装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の発達に伴い電子部品の
搭載密度が高くなり、半導体装置の小型化が進められ、
半導体チップとほぼ同等な大きさであるチップサイズパ
ッケージ(CSP、以下CSPと称することがある)が
用いられている。CSPは半導体チップをインターポー
ザーと呼ばれる半導体チップと外部端子をつなぐ基板に
実装して成形された物で、半導体ベアチップと異なり、
良品検査を終えた信頼性のある電子部品である。近年の
半導体装置の高集積化に伴い、動作時の発熱量が多くな
ってきており、半導体装置の発熱を抑制するために、動
作電圧の低減やロスの少ない設計等の本質的な改善とと
もに、ファンを設置した強制冷却や、放熱のためのヒー
トスプレッダー及び放熱フィンの設置等の対策がとられ
ている。
【0003】放熱性に優れるアルミニウムや銅等のヒー
トスプレッダーを半導体チップに直接とりつけるために
は、ヒートスプレッダーと半導体チップとの熱膨張係数
の差が大きいことから、ヒートスプレッダーと半導体チ
ップとの間に生じる応力を緩和することができ、しかも
耐熱性、耐電食性、耐湿性を有し、特にPCT処理等の
厳しい条件下での耐湿性試験を行った場合の劣化が小さ
い接着剤が必要である。しかしながら、従来公知の接着
剤では、これらの要求を満足させることはできなかっ
た。
【0004】例えば、CSPに使われるインターポーザ
ーとしては、半導体チップの熱膨張係数約4ppm/℃
に近い熱膨張係数を有するアルミナ等のセラミック基板
や柔軟性のあるポリイミドテープ又は厚いポリイミド基
板などが用いられており(日経エレクトロニクス199
6年No.668号参照)、半導体チップをインターポ
ーザーに固定する際に接着剤を用いており、セラミック
基板をインターポーザーに用いた場合は、銀ペーストに
代表される液状の接着剤が使われている。しかしながら
液状の接着剤には、接着剤の保存安定性に留意しなけれ
ばならないこと、作業性がLOC等に比較して劣ること
などの問題があり、特に銀ペーストには、銀フィラーの
沈降があるため分散が均一でないという問題がある。
【0005】また、半導体用接着剤には、銀ペースト等
のペースト又は液状接着剤の他、フィルム状の接着剤が
フレキシブルプリント配線板等で用いられ、アクリロニ
トリルブタジエンゴムを主成分とする系が多い。
【0006】特開昭60−243180号公報には、ア
クリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート及び
無機フィラーを含むフィルム状接着剤が記載され、特開
昭61−138680号公報には、アクリル系樹脂、エ
ポキシ樹脂、分子中にウレタン結合を有する両末端が第
一級アミン化合物及び無機フィラーを含むフィルム状接
着剤が記載されている。このようなフィルム状接着剤
は、アクリロニトリルブタジエンゴムを主成分とする系
が多く用いられているものの、高温で長時間処理した後
の接着力の低下が大きいことや、耐電食性に劣ることな
どの欠点があった。特に、半導体関連部品の信頼性評価
で用いられるPCT(プレッシャークッカーテスト)処
理等の厳しい条件下で耐湿性試験を行った場合の劣化が
大きかった。例えば、上記の特開昭60−243180
号公報、特開昭61−138680号公報に示されるも
のでは、PCT処理等の厳しい条件下での耐湿性試験を
行った場合には、劣化が大きく不十分であった。
【0007】これらプリント配線板関連材料としての接
着剤を用いてアルミニウムや銅製のヒートスプレッダー
を半導体チップに接着する場合には、ヒートスプレッダ
ーと半導体チップとの熱膨張係数の差が大きく、リフロ
ー時や発熱時にクラックを発生したり温度サイクルテス
トやPCT処理等の厳しい条件下での耐湿性試験を行っ
た場合の劣化が大きいため、実用には適さない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、放熱用のヒ
ートスプレッダーを有するCSP型半導体装置であっ
て、ヒートスプレッダーとの熱膨張係数の差が大きい半
導体チップを接着する場合に必要な応力緩和能力、耐熱
性、耐電食性、耐湿性を有し、特にPCT処理等厳しい
条件下での耐湿性試験を行った場合の劣化が小さくなる
接着剤をあらかじめ塗布したヒートスプレッダーを用い
て構成した半導体装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、放熱性を向上
させるためのヒートスプレッダーを有するチップサイズ
パッケージ(チップスケールパッケージ)型の半導体装
置であって、接着剤があらかじめ塗布されたヒートスプ
レッダーを用いて半導体チップとヒートスプレッダーと
が接着されており、接着剤が、(1)重量平均分子量が
5,000未満のエポキシ樹脂(1a)及びその硬化剤
(1b)の合計量100重量部、(2)硬化促進剤0.
1〜5重量部、並びに(3)グリシジル(メタ)アクリ
レートに由来する共重合単位2〜6重量%を含むガラス
転移温度が−10℃以上でかつ重量平均分子量が60
0,000以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合
体100〜300重量部を含有するものである半導体装
置を提供するものである。
【0010】本発明は、また、本発明の半導体装置の一
態様として、上記接着剤中の硬化剤(1b)がフェノー
ル樹脂である半導体装置を提供するものである。
【0011】本発明は、また、本発明の半導体装置の一
態様として、上記接着剤が更に、エポキシ樹脂(1a)
及びその硬化剤(1b)の合計量100重量部に対し、
(4)エポキシ樹脂(1a)と相溶性がありかつ重量
平均分子量が30,000以上の高分子量樹脂10〜4
0重量部を含有するものである半導体装置を提供するも
のである。
【0012】本発明は、また、本発明の半導体装置の一
態様として、上記のエポキシ樹脂(1a)と相溶性があ
りかつ重量平均分子量が30,000以上の高分子量樹
脂がフェノキシ樹脂である半導体装置を提供するもので
ある。
【0013】本発明は、また、本発明の半導体装置の一
態様として、接着剤があらかじめ塗布されたヒートスプ
レッダーが、ヒートスプレッダーに、接着剤を溶剤に溶
解したワニスを塗布し、加熱して溶媒を除去することに
よりヒートスプレッダー上に接着剤層を形成して得られ
た接着剤付きヒートスプレッダーである半導体装置を提
供するものである。
【0014】本発明は、また、上記の半導体装置の一態
様として、接着剤付きヒートスプレッダー上の接着剤層
を形成している接着剤が、DSCを用いて測定した場合
の接着剤の全硬化発熱量の10〜40%の発熱を終えた
状態にある半導体装置を提供するものである。
【0015】本発明は、また、本発明の半導体装置の一
態様として、上記の接着剤が、DSCを用いて測定した
場合の全硬化発熱量の100%の発熱を終えた状態まで
硬化させて動的粘弾性測定装置を用いて測定した場合の
貯蔵弾性率が25℃で20〜2,000MPaであり、
260℃で3〜50MPaであるものである半導体装置
を提供するものである。
【0016】本発明は、また、本発明の半導体装置の一
態様として、上記の接着剤が、無機フィラーを2〜20
体積%含有するものである半導体装置を提供するもので
ある。
【0017】本発明は、また、上記の半導体装置の一態
様として、無機フィラーがアルミナ、シリカ、炭化ケイ
素、窒化ホウ素及び窒化アルミニウムからなる群から選
ばれるものである半導体装置を提供するものである。
【0018】本発明は、また、本発明の半導体装置の一
態様として、ヒートスプレッダーがアルミニウム、銅、
アルミニウム合金又は銅合金からなる群から選ばれる金
属で形成されたものである半導体装置を提供するもので
ある。
【0019】本発明は、また、本発明の半導体装置の一
態様として、ヒートスプレッダーの少なくとも接着剤が
塗布される部分にカップリング剤による表面処理が施さ
れている半導体装置を提供するものである。
【0020】本発明は、また、本発明の半導体装置の一
態様として、ヒートスプレッダーが銅又は銅合金で形成
されたものであり、ヒートスプレッダーの少なくとも接
着剤が塗布される部分に黒化処理が施されている半導体
装置を提供するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】まず、本発明に用いられる接着剤
について説明する。
【0022】本発明に用いられる接着剤中のエポキシ樹
脂(1a)としては、硬化して接着作用を呈するもので
あればよい。二官能以上で、分子量又は重量平均分子量
(ポリスチレン換算値、以下同様)が5,000未満、
例えば300〜5,000未満、好ましくは3,000
未満、例えば300〜3,000未満のエポキシ樹脂が
使用される。特に、重量平均分子量が500以下のビス
フェノールA型又はビスフェノールF型液状樹脂を用い
ると、ヒートスプレッダーと半導体チップの接着時の流
動性を向上することができて好ましい。重量平均分子量
が500以下のビスフェノールA型又はビスフェノール
F型液状樹脂は、油化シェルエポキシ株式会社から、エ
ピコート807、エピコート827、エピコート828
という商品名で市販されている。また、ダウケミカル日
本株式会社からは、D.E.R.330、D.E.R.
331、D.E.R.361という商品名で市販されて
いる。さらに、東都化成株式会社から、YD128、Y
DF170という商品名で市販されている。
【0023】エポキシ樹脂(1a)としては、高Tg化
を目的に三官能以上の多官能エポキシ樹脂を用いてもよ
く、多官能エポキシ樹脂としては、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂等が例示される。三官能以上の多官能エポキシ樹脂を
用いる場合、その量は二官能エポキシ樹脂と多官能エポ
キシ樹脂との合計量の10〜50重量%とすることが好
ましい。
【0024】フェノールノボラック型エポキシ樹脂の例
としては、日本化薬株式会社から、EPPN−201と
いう商品名で市販されているものが挙げられる。また、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の例としては、住
友化学工業株式会社から、ESCN−001、ESCN
−195という商品名で、また、前記日本化薬株式会社
から、EOCN1012、EOCN1025、EOCN
1027という商品名で市販されているものが挙げられ
る。
【0025】エポキシ樹脂(1a)の硬化剤(1b)と
しては、エポキシ樹脂の硬化剤として通常用いられてい
るものを使用でき、アミン、ポリアミド、酸無水物、ポ
リスルフィド、三弗化硼素及びフェノール性水酸基を1
分子中に2個以上有する化合物であるビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノール
樹脂等が挙げられる。特に吸湿時の耐電食性に優れるた
め、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラ
ック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のフェノール樹
脂を用いるのが好ましい。これらの樹脂としては、例え
ば、重量平均分子量が500〜2,000、特に1,0
00〜1,500のものが好適に用いられる。
【0026】このような特に好ましいとした硬化剤の例
としては、大日本インキ化学工業株式会社から市販され
ているフェノライトLF2882、フェノライトLF2
822、フェノライトTD−2090、フェノライトT
D−2149、フェノライトVH4150、フェノライ
トVH4170(商品名)等が挙げられる。
【0027】硬化剤(1b)は、接着剤中のエポキシ基
1mol当たり、エポキシ基と反応性を有する基、例え
ばフェノール性ヒドロキシル基が0.8〜1.2モルと
なる量で用いることが好ましく、0.95〜1.05モ
ルとなる量で用いることがより好ましい。
【0028】硬化剤(1b)とともに硬化促進剤を用い
る。硬化促進剤(4)としては、各種イミダゾール類を
用いることが好ましい。イミダゾールとしては、2−メ
チルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1
−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリ
テート等が挙げられる。
【0029】イミダゾール類の市販品の例としては、四
国化成工業株式会社から2E4MZ、2PZ−CN、2
PZ−CNSという商品名で市販されているものなどが
挙げられる。
【0030】硬化促進剤の量は、エポキシ樹脂(1a)
及び硬化剤(1b)の合計量100重量部に対し、0.
1〜5重量部とする。
【0031】本発明に用いられるエポキシ基含有アクリ
ル系共重合体は、グリシジル(メタ)アクリレートに由
来する共重合単位2〜6重量%を含み、Tg(ガラス転
移温度)が−10℃以上、例えば−10℃〜30℃でか
つ重量平均分子量が600,000以上、例えば60
0,000〜2,000,000、好ましくは800,
000〜1,200,000のものである。このような
エポキシ基含有アクリル系共重合体としては、帝国化学
産業株式会社から市販されている商品名HTR−860
P−3を使用することができる。ここで、(メタ)アク
リレートとはアクリレート及び/又はメタクリレートを
意味し、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートと
は、グリシジルアクリレート及び/又はグリシジルメタ
クリレートを意味する。エポキシ基含有アクリル系共重
合体中のグリシジル(メタ)アクリレートに由来する共
重合単位の量が2重量%未満であると、接着剤の接着力
が不十分となる傾向があり、6重量%を超えると、エポ
キシ基含有アクリル系共重合体のゲル化が起こりやすく
なることがある。エポキシ基含有アクリル系共重合体の
Tgが−10℃未満であると、Bステージ状態での接着
剤のタック性が大きくなり、接着剤付きヒートスプレッ
ダー取扱性が悪化することがある。また、エポキシ基含
有アクリル系共重合体の重量平均分子量が600,00
0未満であると、接着剤層の強度や可撓性の低下やタッ
ク性の増大により、接着剤付きヒートスプレッダー強度
及び取扱い性が悪化することがある。
【0032】エポキシ基含有アクリル系共重合体の合成
に用いられるグリシジル(メタ)アクリレート以外の共
重合モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、ア
ルキル(メタ)アクリレート等が好ましい。アルキル
(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等が挙
げられる。カルボキシル基や水酸基等の官能基を有する
モノマー、例えばカルボン酸タイプのアクリル酸や、水
酸基タイプのヒドロキシメチル(メタ)アクリレートを
用いると、架橋反応が進行しやすく、接着剤のワニス状
態でのゲル化、Bステージ状態での硬化度の上昇による
接着力の低下等の問題があるため好ましくない。
【0033】グリシジル(メタ)アクリレートに由来す
る共重合単位2〜6重量%を含むTg(ガラス転移温
度)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が600,0
00以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体の具
体例としては、例えば、(a)アクリロニトリル18〜
40重量%、(b)官能基モノマーとしてグリシジル
(メタ)アクリレート2〜6重量%並びに(c)エチル
アクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレ
ート及びブチルメタクリレートからなる群から選ばれる
少なくとも1種のモノマー54〜80重量%を共重合さ
せて得られる共重合体が挙げられる。エチルアクリレー
ト、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート及びブ
チルメタクリレートは1種単独で又は2種以上を混合し
て用いることができ、混合比率は共重合体のTgを考慮
して決定する。重合方法はパール重合、溶液重合等が挙
げられ、これらにより得ることができる。
【0034】本発明に用いられる接着剤中のエポキシ基
含有アクリル系共重合体の配合量は、エポキシ樹脂(1
a)及び硬化剤(1b)の合計量100重量部に対して
100〜300重量部である。エポキシ基含有アクリル
系共重合体の量が100重量部未満では、接着剤層の強
度が低下したりタック性が大きくなることがあり、30
0重量部を超えると、接着剤中でのゴム成分であるエポ
キシ基含有アクリル系共重合体の相が多くなり、エポキ
シ樹脂相が少なくなるため、高温での取扱い性が悪化す
ることがある。
【0035】エポキシ樹脂(1a)と相溶性がありかつ
重量平均分子量が30,000以上の高分子量樹脂とし
ては、フェノキシ樹脂、高分子量エポキシ樹脂、超高分
子量エポキシ樹脂、極性の大きい官能基含有ゴム、極性
の大きい官能基含有反応性ゴムなどが挙げられる。重量
平均分子量が30,000以上という高分子量の高分子
量樹脂を配合することにより、Bステージにおける接着
剤のタック性の低減や、硬化時の可撓性を向上させるこ
とができる。従って、高分子量樹脂(2)の重量平均分
子量は30,000以上とされ、好ましくは30,00
0〜600,000、より好ましくは30,000〜3
00,000、更に好ましくは45,000〜200,
000である。ここで、エポキシ樹脂(1a)と相溶性
があるとは、硬化後にエポキシ樹脂(1a)と分離して
二つ以上の相に分かれることなく、均質混和物を形成す
る性質を言う。
【0036】フェノキシ樹脂の市販品の例としては、東
都化成株式会社からフェノトートYP−40、フェノト
ートYP−50、フェノトートYP−60等の商品名で
市販されているものなどが挙げられる。
【0037】高分子量エポキシ樹脂としては、重量平均
分子量が30,000〜80,000の高分子量エポキ
シ樹脂が、超高分子量エポキシ樹脂としては、重量平均
分子量が80,000を超えるもの、好ましくは80,
000を超え、200,000以下のものが挙げられ
(特公平7−59617号公報、特公平7−59618
号公報、特公平7−59619号公報、特公平7−59
620号公報、特公平7−64911号公報、特公平7
−68327号公報参照)、いずれも日立化成工業株式
会社で製造され、市販されている。
【0038】極性の大きい官能基含有反応性ゴムとして
は、アクリロニトリルブタジエンゴムやアクリルゴムに
カルボキシル基のような極性が大きい官能基を付加した
ゴムが挙げられる。カルボキシル基含有アクリロニトリ
ルブタジエンゴムの市販品としては、日本合成ゴム株式
会社から市販されているPNR−1(商品名)、日本ゼ
オン株式会社から市販されているニポール1072M
(商品名)等がある。カルボキシル基含有アクリルゴム
の市販品としては、帝国化学産業株式会社から市販され
ているHTR−860P(商品名)等がある。
【0039】本発明に用いられる接着剤において、エポ
キシ樹脂と相溶性がありかつ重量平均分子量が30,0
00以上の高分子量樹脂の配合量は、エポキシ樹脂(1
a)及び硬化剤(1b)の合計量100重量部に対して
10〜40重量部とする。高分子量樹脂の量が10重量
部未満では、エポキシ樹脂を主成分とする相(以下、エ
ポキシ樹脂相という)の可撓性の不足、タック性の低減
やクラック等による絶縁性の低下を防止する効果が不十
分となる傾向があり、40重量部を超えると、エポキシ
樹脂相のTgが低下することがある。
【0040】接着剤には、異種材料間の界面結合をよく
するために、カップリング剤を配合することもできる。
カップリング剤としては、シランカップリング剤が好ま
しい。
【0041】シランカップリング剤としては、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシ
ラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン等が挙げられる。
【0042】前記したシランカップリング剤は、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシランがNUC A−
187、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが
NUC A−189、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シランがNUC A−1100、γ−ウレイドプロピル
トリエトキシシランがNUC A−1160、N−β−
アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
がNUC A−1120という商品名で、いずれも日本
ユニカー株式会社から市販されており、好適に使用する
ことができる。
【0043】カップリング剤の配合量は、添加による効
果及びコストから、接着剤中、0.1〜9重量%とする
ことが好ましい。
【0044】更に、イオン性不純物を吸着して、吸湿時
の絶縁信頼性をよくするために、イオン捕捉剤を配合す
ることができる。イオン捕捉剤の配合量は、添加による
効果や耐熱性、コストより、接着剤中、5〜10重量%
が好ましい。イオン捕捉剤としては、銅がイオン化して
溶け出すのを防止するため銅害防止剤として知られる化
合物例えば、トリアジンチオール化合物、ビスフェノー
ル系還元剤を配合することもできる。ビスフェノール系
還元剤としては、2,2′−メチレン−ビス−(4−メ
チル−6−第3−ブチルフェノール)、4,4′−チオ
−ビス−(3−メチル−6−第3−ブチルフェノール)
等が挙げられる。
【0045】トリアジンチオール化合物を成分とする銅
害防止剤は、三協製薬株式会社から、ジスネットDBと
いう商品名で市販されている。またビスフェノール系還
元剤を成分とする銅害防止剤は、吉富製薬株式会社か
ら、ヨシノックスBBという商品名で市販されている。
【0046】更に、接着剤の取扱い性や熱伝導性をよく
すること、難燃性を与えること、溶融粘度を調整するこ
と、チクソトロピック性を付与すること、表面硬度の向
上などを目的として、接着剤に無機フィラーを配合して
もよい。接着剤中の無機フィラーの配合量は2〜20体
積%とすることが好ましい。無機フィラーの量が2体積
%未満では、配合の効果が不十分となることがあり、2
0体積%を超えると、接着剤の貯蔵弾性率の上昇、接着
性の低下、ボイド残存による電気特性の低下等の問題を
起こすことがある。
【0047】無機フィラーとしては、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化
カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ粉末、窒化ア
ルミニウム粉末、ほう酸アルミウイスカ、窒化ホウ素粉
末、結晶性シリカ、非晶性シリカ等のシリカなどが挙げ
られる。
【0048】熱伝導性をよくするためには、アルミナ、
窒化アルミニウム、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非晶性
シリカ等が特に好ましい。
【0049】この内、アルミナは、放熱性が良く、耐熱
性、絶縁性が良好な点で好適である。また、結晶性シリ
カ又は非晶性シリカは、放熱性の点ではアルミナより劣
るが、イオン性不純物が少ないため、PCT処理時の絶
縁性が高く、銅箔、アルミ線、アルミ板等の腐食が少な
い点で好適である。
【0050】難燃性を与えるためには、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム等が好ましい。
【0051】溶融粘度の調整やチクソトロピック性の付
与の目的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシ
ウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグ
ネシウム、アルミナ、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が
好ましい。
【0052】表面硬度の向上に関しては、短繊維アルミ
ナ、ほう酸アルミウイスカ等が好ましい。
【0053】本発明の半導体装置においては、上記の接
着剤があらかじめ塗布されたヒートスプレッダーを用い
て半導体チップとヒートスプレッダーとが接着されてい
る。図1に本発明の半導体装置の一態様の断面図を示
す。この図1に示す半導体装置は、例えば、配線付き基
板(1)に半導体チップ(2)をフェイスダウンで接着
材(3)で接着し、チップ側端子と基板側端子とをイン
ナーリード(4)でインナーリードボンディングにより
接合する。更に半導体チップ(2)の上面に接着剤付き
ヒートスプレッダー(5)を接着し、接合部及びチップ
側面を封止材6で被覆して完成品となる。図1の半導体
装置では、配線付き基板(1)に更に外部端子(はんだ
ボール)(7)が取りつけられている。本発明におい
て、基板としては、半導体チップ搭載ように用いられる
ものであれば特に制限はなく、例えばアルミナ等のセラ
ミック基板、柔軟性のある耐熱性樹脂テープ(ポリイミ
ドテープ等)、厚い耐熱性樹脂基板(ポリイミド基板
等)等が挙げられる。
【0054】接着剤があらかじめ塗布されたヒートスプ
レッダーとしては、ヒートスプレッダーに、接着剤を溶
剤に溶解したワニスを塗布し、加熱して溶媒を除去する
ことによりヒートスプレッダー上に接着剤層を形成して
得られた接着剤付きヒートスプレッダーを用いることが
好ましい。
【0055】本発明で用いる接着剤付ヒートスプレッダ
ーは、接着剤の各成分を溶解ないし分散してワニスと
し、ヒートスプレッダー上に塗布、加熱し溶剤を除去す
ることにより接着剤層をヒートスプレッダー上に形成し
て得られる。
【0056】ヒートスプレッダーとしては、アルミニウ
ム、銅、アルミニウム合金及び銅合金などが用いられる
が、熱伝導性に優れるものであれば特に制限されるもの
ではない。ヒートスプレッダーの形状、サイズについて
は、通常、半導体チップのヒートスプレッダーを接着す
る面と同等かそれより大きい板状又は箔状のものであれ
ば、形状は特に制限されるものではない。また、ヒート
スプレッダーは、パッケージの外周からはみださない程
度の大きさであることが好ましい。また、ヒートスプレ
ッダーの厚みは、放熱性、強度を保持する点から50〜
200μmとすることが好ましく、100〜150μm
が更に好ましい。
【0057】接着剤層との密着性を良好にするために、
ヒートスプレッダーの接着剤に接する表面を改質するこ
とが好ましい。アルミニウムの場合は、表面粗化やカッ
プリング剤などの表面処理が特に好ましい。表面処理に
用いられるカップリング剤としては、先に例示したもの
などが挙げられる。また、銅又は銅合金の場合には、配
線板の内層回路表面処理として一般的な黒化処理するこ
とが好適である。また、酸化処理又は酸化還元処理等
や、サンドブラストによる表面粗化処理等も好ましい。
【0058】接着剤のワニス化に用いられる溶剤として
は、比較的低沸点のメチルエチルケトン、アセトン、メ
チルイソブチルケトン、2−エトキシエタノール、トル
エン、ブチルセロソルブ、メタノール、エタノール、2
−メトキシエタノール等を用いることが好ましい。ま
た、塗膜性を向上するなどの目的で、高沸点溶剤を加え
ても良い。高沸点溶剤としては、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、シ
クロヘキサノンなどが挙げられる。
【0059】ワニスの製造は、無機フィラーの分散を考
慮した場合には、らいかい機、3本ロール及びビーズミ
ルなどにより、またこれらを組み合わせて行うことがで
きる。フィラーと低分子量物をあらかじめ混合した後、
高分子量物を配合することにより、混合に要する時間を
短縮することも可能になる。また、ワニスとした後、真
空脱気によりワニス中の気泡を除去することが好まし
い。
【0060】塗布方法は特に限定するものではないが、
例えば、コンマコート、ロールコート、リバースロール
コート、グラビアコート、バーコート、ブレードコート
等が挙げられる。
【0061】上記ヒートスプレッダー上に接着剤ワニス
を塗布し、加熱乾燥して溶剤を除去する。加熱温度は、
通常90〜200℃、好ましくは120〜150℃であ
り、加熱時間はワニス中の溶剤の量や、塗膜の厚み等に
よっても異なるが、通常、3〜10分、好ましくは4〜
7分である。これにより形成される接着剤層は、DSC
を用いて測定した接着剤の全硬化発熱量の10〜40%
の発熱を終えた状態(硬化度:10〜40%)とするこ
とが好ましい。溶剤を除去する際に加熱するが、この
時、接着剤の硬化反応が進行しゲル化してくる。その際
の硬化状態が接着剤の流動性に影響し、接着性や取扱い
性を適正化する。DSC(示差走査熱分析)は、測定温
度範囲内で、発熱、吸熱のない標準試料との温度差をた
えず打ち消すように熱量を供給又は除去するゼロ位法を
測定原理とするものであり、測定装置が市販されており
それを用いて測定できる。接着剤の硬化反応は、発熱反
応であり、一定の昇温速度で試料を昇温していくと、試
料が反応し熱量が発生する。その発熱量をチャートに出
力し、ベースラインを基準として発熱曲線とベースライ
ンで囲まれた面積を求め、これを発熱量とする。室温か
ら250℃まで5〜10℃/分の昇温速度で測定し、前
記した発熱量を求める。これらは、全自動で行なうもの
もあり、それを使用すると容易に行なうことができる。
つぎに、ヒートスプレッダー上に塗布し、加熱乾燥して
得た接着剤層の発熱量は、つぎのようにして求める。
【0062】まず、25℃で真空乾燥器を用いてワニス
から溶剤を乾燥除去した未硬化試料の全発熱量を測定
し、これをA(J/g)(全硬化発熱量)とする。つぎ
に、ヒートスプレッダー上に塗布、加熱乾燥して形成し
た接着剤層試料の発熱量を測定し、これをB(J/g)
とする。接着剤層試料の硬化度C(%)(加熱、乾燥に
より発熱を終えた状態)は、つぎの式1で与えられる。
【0063】 C(%)=(Α−B)×100/Α 式1 なお、本発明に用いられる接着剤は、硬化度100%ま
で硬化したときの動的粘弾性測定装置で測定した貯蔵弾
性率(動的貯蔵弾性率)が、25℃で20〜2,000
MPaであることが好ましく、260℃で3〜50MP
aという低弾性率であることが好ましい。貯蔵弾性率の
測定は、接着剤の硬化度100%まで硬化させた硬化物
に引張り荷重をかけて、周波数10Hz、昇温速度5〜
10℃/分で−50℃から300℃まで測定する温度依
存性測定モードで行う。硬化物の25℃での貯蔵弾性率
が2,000MPaを超える接着剤は、半導体チップと
ヒートスプレッダーの熱膨張係数の差によって発生する
応力を緩和させる効果が小さくなるためクラックを発生
させる傾向がある。一方、硬化物の25℃での貯蔵弾性
率が20MPa未満のものでは、接着剤付きヒートスプ
レッダーの取扱い性が悪くなったり、高温時の接着力を
保持できなくなったりする。また、260℃での貯蔵弾
性率が3MPa未満のものでは、十分な接着力を保持す
ることができず、50MPaを超えるものでは、半導体
チップとヒートスプレッダーの熱膨張係数の差によって
発生する応力を緩和させる効果が小さくなるためクラッ
クを発生させる傾向がある。
【0064】本発明では、半導体チップとヒートスプレ
ッダーを接着させる際の接着剤として、エポキシ基含有
アクリル系共重合体を含有するエポキシ樹脂系接着剤を
用いているため、接着剤の室温付近での弾性率が低い。
従って、エポキシ基含有アクリル系共重合体の混合比を
大きくすることで、半導体チップとヒートスプレッダー
の熱膨張係数の差に起因してリフロー時の加熱冷却過程
で発生する応力を緩和する効果によりクラックや剥離を
抑制することができ、優れた信頼性を示す半導体装置が
得られる。また、エポキシ基含有アクリル系共重合体は
エポキシ樹脂との反応性に優れるため、接着剤硬化物が
化学的、物理的に安定し、PCT処理に代表される耐湿
性試験に優れた性能を示す。また、下記の理由により、
上記の接着剤を用いる本発明においては、従来の接着フ
ィルムを用いた場合の問題点が解決され、信頼性及び生
産性に優れる半導体装置が得られる。 1)本発明において規定したエポキシ基含有アクリル系
共重合体を使用することにより、リフロー時のクラック
発生を抑制できる。 2)分子量の大きいエポキシ基含有アクリル系共重合体
を使用することにより、共重合体の添加量が少ない場合
でも、ヒートスプレッダー上の接着剤層の強度を確保す
ることができる。 3)エポキシ樹脂と相溶性がありかつ重量平均分子量が
30,000以上の高分子量樹脂を加えることにより、
接着剤層のタック性を低減することができ、接着剤付き
ヒートスプレッダーの取扱い性が向上する。
【0065】更に、接着剤として上記の高分子量樹脂を
含有するものを用いた場合、エポキシ樹脂と高分子量樹
脂とが相溶性がよく均一になるため、加熱乾燥時にエポ
キシ基含有アクリル系共重合体に含まれるエポキシ基が
それらと部分的に反応し、未反応のエポキシ樹脂を含ん
で全体が架橋してゲル化する。それが接着剤層の流動性
を抑制し、未反応のエポキシ樹脂等を多く含む場合にお
いても接着剤付きヒートスプレッダーの取扱い性が損な
われることがない。また、未反応のエポキシ樹脂がゲル
中に多数残存しているため、圧力がかかった場合、ゲル
中より未反応成分がしみだすため、全体がゲル化した場
合でも、接着性の低下が少なくなる。
【0066】接着剤のワニスの加熱乾燥時には、エポキ
シ基含有アクリル系共重合体が有するエポキシ基やエポ
キシ樹脂がともに反応するが、エポキシ基含有アクリル
系共重合体は分子量が大きく、1分子鎖中にエポキシ基
が多く含まれるため、反応が若干進んだ場合でもゲル化
する。通常、DSCを用いて測定した場合の全硬化発熱
量の10〜40%の発熱を終えた状態、すなわちA又は
Bステージ前半の段階でゲル化がおこる。そのため、エ
ポキシ樹脂等の未反応成分を多く含んだ状態でゲル化し
ており、溶融粘度がゲル化していない場合に比べて大幅
に増大しており、取扱い性を損なうことがない。また圧
力がかかった場合、ゲル中より未反応成分がしみ出すた
め、ゲル化した場合でも、接着性の低下が少ない。更
に、接着剤がエポキシ樹脂等の未反応成分を多く含んだ
状態でフィルム化できるため、接着剤付きヒートスプレ
ッダーの接着剤層のライフ(有効使用期間)が長くなる
という利点がある。
【0067】従来のエポキシ樹脂系接着剤ではBステー
ジの後半から、Cステージ状態で初めてゲル化が起こ
り、ゲル化が起こった段階でのエポキシ樹脂等の未反応
成分が少ないため、流動性が低く、圧力がかかった場合
でも、ゲル中よりしみだす未反応成分が少ないため、接
着性が低下する。
【0068】なお、エポキシ基含有アクリル系共重合体
が有するエポキシ基と低分子量のエポキシ樹脂(1a)
のエポキシ基の反応しやすさについては明らかではない
が、少なくとも同程度の反応性を有していればよく、加
熱乾燥時にエポキシ基含有アクリル系共重合体に含まれ
るエポキシ基のみが選択的に反応するものである必要は
ない。
【0069】なお、この場合、A、B、Cステージは、
接着剤の硬化の程度を示す。Aステージはほぼ未硬化で
ゲル化していない状態であり、DSCを用いて測定した
場合の全硬化発熱量の0〜20%未満の発熱を終えた状
態である。Bステージは若干硬化、ゲル化が進んだ状態
であり、全硬化発熱量の20〜60%未満の発熱を終え
た状態である。Cステージはかなり硬化が進み、ゲル化
した状態であり、全硬化発熱量の60〜100%の発熱
を終えた状態である。
【0070】ゲル化の判定については、THF(テトラ
ヒドロフラン)等の浸透性の大きい溶剤中に接着剤層を
浸し、25℃で20時間放置した後、接着剤層が完全に
溶解しないで膨潤した状態にあるものをゲル化したと判
定した。なお、実験的には、以下のように判定した。
【0071】THF中に接着剤層(重量W1)を浸し、
25℃で20時間放置した後、非溶解分を200メッシ
ュのナイロン布で濾過し、これを乾燥した後の重量を測
定(重量W2)した。THF抽出率(%)をつぎの式2
のように算出した。THF抽出率が80重量%を超える
ものをゲル化していないとし、80重量%以下のものを
ゲル化していると判定した。
【0072】
【数1】 本発明では、接着剤に無機フィラーを添加することによ
り、溶融粘度が大きくでき、更にチクソトロピック性を
発現できるために、前記効果をさらに大きくすることが
可能となる。
【0073】更に、前記の効果に加えて、接着剤層の放
熱性向上、接着剤層に難燃性を付与、接着時の温度にお
いて適正な粘度をもたせること、表面硬度の向上等の特
性も付与できる。
【0074】接着剤付きヒートスプレッダーを半導体チ
ップに接着する際の接着温度としては、通常30〜25
0℃、好ましくは100〜180℃である。接着温度が
30℃未満では、十分な接着力が得られないことがあ
り、250℃を超えると、ヒートスプレッダーが酸化し
てしまうことがある。また、接着剤層の硬化が速く進行
しすぎて半導体チップへの接着性が損なわれる恐れがあ
る。接着圧力は、通常0.3〜5MPa、好ましくは
0.5〜5MPa、より好ましくは1〜3MPaとす
る。接着圧力が0.3MPa未満では、接着が不十分と
なることがあり、5MPaを超えると、接着剤層が所定
の位置以外にはみ出し、寸法精度が悪くなることがあ
る。加圧時間は、前記接着温度、接着圧力で接着できる
時間ならよいが、作業性を考えると0.3〜40秒が好
ましく、0.3〜30秒がより好ましく、0.5〜20
秒が更に好ましい。このようにしてヒートスプレッダー
を半導体チップに接着した後、接着剤層の硬化処理を行
う。硬化処理の硬化温度としては、DSCにて測定した
接着剤層の硬化度が100%となる条件であればよい
が、140〜190℃が好ましく、160〜180℃が
更に好ましい。硬化時間は、前記硬化温度で接着剤層の
硬化度が100%となる時間でよいが、30分〜3時間
が好ましく、1〜2時間が更に好ましい。
【0075】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明する。
【0076】(実施例1)ヒートスプレッダーとして厚
さ105μmの銅箔を用い、その接着剤を塗布する面
に、配線板の内層回路表面処理として一般的な酸化処理
を施し、引き続き還元処理を施した。
【0077】また、エポキシ樹脂としてビスフェノール
A型エポキシ樹脂(エポキシ当量200、油化シェルエ
ポキシ株式会社製の商品名エピコート828を使用)4
5重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポ
キシ当量220、住友化学工業株式会社製の商品名ES
CN001を使用)15重量部、エポキシ樹脂の硬化剤
としてフェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工
業株式会社製の商品名LF2882を使用、重量平均分
子量:1,300)40重量部、エポキシ樹脂と相溶性
がありかつ重量平均分子量が30,000以上の高分子
量樹脂としてフェノキシ樹脂(重量平均分子量50,0
00、東都化成株式会社製の商品名フェノトートYP−
50を使用)15重量部、エポキシ基含有アクリル系共
重合体としてエポキシ基含有アクリルゴム(重量平均分
子量1,000,000、帝国化学産業株式会社製の商
品名HTR−860P−3を使用)150重量部、硬化
促進剤として1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾ
ール(四国化成工業株式会社製の商品名キュアゾール2
PZ−CN)0.5重量部からなる組成物に、メチルエ
チルケトンを加えて攪拌混合し、真空脱気した。得られ
たワニスを上記ヒートスプレッダー上に塗布し、140
℃で5分間加熱乾燥して、膜厚が50μmのBステージ
状態の塗膜(接着剤層)を形成し、接着剤付きヒートス
プレッダーを作製した。
【0078】なおこの状態での接着剤層の硬化度は、D
SC(デュポン社製商品名・912型DSC)を用いて
測定(昇温速度、10℃/分)した結果、接着剤の全硬
化発熱量の15%の発熱を終えた状態であった。また、
THF中に接着剤層(重量W1)を浸し、25℃で20
時間放置した後、非溶解分を200メッシュのナイロン
布でろ過し、これを乾燥した後の重量を測定(重量W
2)し、THF抽出率(=(W1―W2)×100/W
1)を求めたところ、THF抽出率は35重量%であっ
た。更に接着剤の硬化度100%の硬化物の貯蔵弾性率
を動的粘弾性測定装置(レオロジ社製商品名、DVE−
V4)を用いて測定(サンプルサイズ 長さ20mm、
幅4mm、膜厚50μm、昇温速度5℃/分、引っ張り
モード 自動静荷重)した結果、25℃で360MP
a、260℃で4MPaであった。
【0079】半導体装置は、厚み25μmのポリイミド
フィルムを基材に用いたフレキシブルプリント配線板を
インターポーザーに用い、これと半導体チップを一体化
させた12mm角のCSPを用い、半導体チップと接着
剤付きヒートスプレッダーを貼り合わせることにより作
製した。貼り合わせ条件は150℃、0.5MPaで3
0秒間加熱圧着した。これを170℃で60分間乾燥機
中で後硬化させた。
【0080】(実施例2)実施例1でヒートスプレッダ
ーとして用いた銅箔の替わりに、厚さ150μmのアル
ミニウム箔の接着剤を塗布する表面を#600番手のブ
ラシで研磨し、清浄化した後γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン(日本ユニカー株式会社製のNUC
A−187を使用)のメチルエチルケトン溶液で表面
処理したものに変更した他は、実施例1と同様にして接
着剤付きヒートスプレッダーを作製した。次いで、この
接着剤付きヒートスプレッダーを用いて、実施例1と同
様にして半導体装置を作製した。
【0081】(実施例3)実施例1で用いたフェノキシ
樹脂を、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエ
ンゴム(重量平均分子量400,000、日本合成ゴム
株式会社製の商品名PNR−1を使用)に変更した以外
は実施例1と同様にして、接着剤付きヒートスプレッダ
ーを作製した。なお、この状態での接着剤層の硬化度
は、DSCを用いて測定した結果、接着剤の全硬化発熱
量の20%の発熱を終えた状態であった。接着剤層のT
HF抽出率は35重量%であった。さらに、接着剤の硬
化度100%の硬化物の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装
置を用いて測定した結果、25℃で300MPa、26
0℃で3MPaであった。次いで、この接着剤付きヒー
トスプレッダーを用いて、実施例1と同様にして半導体
装置を作製した。
【0082】(実施例4)実施例1の接着剤ワニスの接
着剤固形分100体積部に対してアルミナを10体積部
添加し、ビーズミルで60分間混練したワニスを用い
て、実施例1と同様にして接着剤付きヒートスプレッダ
ーを作製した。この状態での接着剤層の硬化度は、DS
Cを用いて測定した結果、接着剤の全硬化発熱量の15
%の発熱を終えた状態であった。接着剤層のTHF抽出
率は30重量%であった。さらに、接着剤の硬化度10
0%の硬化物の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置を用い
て測定した結果、25℃で1,800MPa、260℃
で10MPaであった。次いで、この接着剤付きヒート
スプレッダーを用いて、実施例1と同様にして半導体装
置を作製した。
【0083】(実施例5)実施例1で用いたフェノキシ
樹脂を用いないこと以外は実施例1と同様にして、接着
剤付きヒートスプレッダーを作製した。この状態での接
着剤層の硬化度は、DSCを用いて測定した結果、接着
剤の全硬化発熱量の15%の発熱を終えた状態であっ
た。接着剤層のTHF抽出率は35重量%であった。さ
らに、接着剤の硬化度100%の硬化物の貯蔵弾性率を
動的粘弾性測定装置を用いて測定した結果、25℃で3
50MPa、260℃で4MPaであった。次いで、こ
の接着剤付きヒートスプレッダーを用いて、実施例1と
同様にして半導体装置を作製した。
【0084】(比較例1)実施例1のエポキシ基含有ア
クリルゴムの量を150重量部から50重量部にしたこ
と以外は実施例1と同様にして、接着剤付きヒートスプ
レッダーを作製した。この状態での接着剤層の硬化度
は、DSCを用いて測定した結果、接着剤の全硬化発熱
量の20%の発熱を終えた状態であった。接着剤層のT
HF抽出率は40重量%であった。さらに、接着剤の硬
化度100%の硬化物の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装
置を用いて測定した結果、25℃で3,000MPa、
260℃で5MPaであった。次いで、この接着剤付き
ヒートスプレッダーを用いて、実施例1と同様にして半
導体装置を作製した。
【0085】(比較例2)実施例1のエポキシ基含有ア
クリルゴムの量を150重量部から400重量部にした
こと以外は実施例1と同様にして、接着剤付きヒートス
プレッダーを作製した。この状態での接着剤層の硬化度
は、DSCを用いて測定した結果、接着剤の全硬化発熱
量の20%の発熱を終えた状態であった。接着剤層のT
HF抽出率は30重量%であった。さらに、接着剤の硬
化度100%の硬化物の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装
置を用いて測定した結果、25℃で200MPa、26
0℃で1MPaであった。次いで、この接着剤付きヒー
トスプレッダーを用いて、実施例1と同様にして半導体
装置を作製した。
【0086】(比較例3)実施例1のエポキシ基含有ア
クリルゴムの150重量部をフェノキシ樹脂に変更(フ
ェノキシ樹脂165重量部)にしたこと以外は実施例1
と同様にして、接着剤付きヒートスプレッダーを作製し
た。この状態での接着剤層の硬化度は、DSCを用いて
測定した結果、接着剤の全硬化発熱量の20%の発熱を
終えた状態であった。接着剤層のTHF抽出率は90重
量%であった。さらに、接着剤の硬化度100%の硬化
物の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置を用いて測定した
結果、25℃で3400MPa、260℃で3MPaで
あった。次いで、この接着剤付きヒートスプレッダーを
用いて、実施例1と同様にして半導体装置を作製した。
【0087】実施例1〜5及び比較例1〜3で作製した
半導体装置の耐熱性及び耐湿性を調べた。耐熱性の評価
方法には、耐リフロークラック性と温度サイクル試験を
適用した。
【0088】半導体装置の耐リフロークラック性の評価
は、サンプル表面の最高温度が240℃で、この温度を
20秒間保持するように温度設定したIRリフロー炉に
サンプルを通し、室温で放置することにより冷却する処
理を2回繰り返したサンプル中の半導体チップとヒート
スプレッダー間の剥離の観察で行った。剥離の発生して
いないものを良好とし、発生していたものを不良とし
た。
【0089】温度サイクル試験は、サンプルを−55℃
雰囲気に30分間放置し、その後125℃の雰囲気に3
0分間放置する工程を1サイクルとして、耐リフロー性
評価と同様な半導体チップとヒートスプレッダー間の剥
離が起きるまでのサイクル数を測定し、そのサイクル数
が2000回以上のものを良好とし、2000回未満の
ものを不良とした。
【0090】また、耐湿性評価は、半導体装置サンプル
をプレッシャークッカーテスター中で96時間処理(P
CT処理:温度:121℃、湿度:100%RH)後、
半導体チップとヒートスプレッダーの間の剥離及び接着
剤の変色を観察することにより行った。半導体チップと
ヒートスプレッダーの間の剥離及び接着剤の変色の認め
られなかったものを良好とし、剥離のあったもの又は変
色のあったものを不良とした。その結果を表1に示し
た。
【0091】
【表1】 実施例1、2、3及び4で用いた接着剤は、いずれもエ
ポキシ樹脂及びその硬化剤、エポキシ樹脂と相溶性の高
分子量樹脂、エポキシ基含有アクリル系共重合体、硬化
促進剤をともに含む接着剤であり、実施例5で用いた接
着剤は、エポキシ樹脂及びその硬化剤、エポキシ基含有
アクリル系共重合体、硬化促進剤をともに含む接着剤で
あり、いずれも本発明で規定した25℃及び260℃で
の貯蔵弾性率を示す接着剤である。従って、これらの接
着剤をヒートスプレッダーに塗布したものを用いて半導
体チップと本発明で規定したヒートスプレッダーを貼り
合わせた実施例の半導体装置は、耐リフロー性、温度サ
イクル試験、耐PST性が良好であった。
【0092】比較例1で用いた接着剤は、本発明で規定
した接着剤中のエポキシ基含有アクリル系共重合体の量
が少ないため、貯蔵弾性率が高く、応力が緩和できな
い。従って、比較例1の半導体装置は、耐リフロー性、
温度サイクル試験での結果が悪く信頼性に劣る。また、
比較例2で用いた接着剤は、本発明で規定した接着剤中
のエポキシ基含有アクリル系共重合体の量が多すぎるた
め、貯蔵弾性率は低く良好であるが、接着剤付きヒート
スプレッダーのD取り扱い性が悪い。比較例3で用いた
接着剤は、本発明で規定したエポキシ基含有アクリル系
共重合体を含まない接着剤組成であるため、貯蔵弾性率
が高く、比較例1と同様、応力が緩和できない。従っ
て、比較例3の半導体装置は、耐リフロー性、温度サイ
クル試験での結果が悪い。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の接着剤付
きヒートスプレッダーを用いて半導体チップとヒートス
プレッダーを貼り合わせた半導体装置は、接着剤の室温
付近での弾性率が低いために、半導体チップとヒートス
プレッダーの間の熱膨張係数の差が原因で起きる加熱冷
却時の熱応力を緩和させることができる。そのため、リ
フロー時の半導体チップとヒートスプレッダー間の剥離
の発生が認められず、耐熱性に優れている。また、エポ
キシ基含有アクリル系共重合体を低弾性率成分として含
んでおり、耐湿性、特にPCT処理等厳しい条件下で耐
湿試験を行った場合の劣化が少なく、優れた特徴を有す
る放熱性に優れた半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の一態様の断面図。
【符号の説明】
1 配線付き基板 2 半導体チップ 3 接着材 4 インナーリード 5 接着剤付きヒートスプレッダー 6 封止材 7 外部端子(はんだボール)
フロントページの続き (72)発明者 山本 和徳 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放熱性を向上させるためのヒートスプレ
    ッダーを有するチップサイズパッケージ型の半導体装置
    であって、接着剤があらかじめ塗布されたヒートスプレ
    ッダーを用いて半導体チップとヒートスプレッダーとが
    接着されており、接着剤が、(1)重量平均分子量が
    5,000未満のエポキシ樹脂(1a)及びその硬化剤
    (1b)の合計量100重量部、(2)硬化促進剤0.
    1〜5重量部、並びに(3)グリシジル(メタ)アクリ
    レートに由来する共重合単位2〜6重量%を含むガラス
    転移温度が−10℃以上でかつ重量平均分子量が60
    0,000以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合
    体100〜300重量部を含有するものである半導体装
    置。
  2. 【請求項2】 硬化剤(1b)がフェノール樹脂である
    請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 接着剤が、更に、(1)重量平均分子量
    が5,000未満のエポキシ樹脂(1a)及びその硬化
    剤(1b)の合計量100重量部に対し、(4)エポキ
    シ樹脂(1a)と相溶性がありかつ重量平均分子量が3
    0,000以上の高分子量樹脂10〜40重量部を含有
    するものである請求項1記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 硬化剤(1b)がフェノール樹脂であ
    り、エポキシ樹脂(1a)と相溶性がありかつ重量平均
    分子量が30,000以上の高分子量樹脂がフェノキシ
    樹脂である請求項3記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 接着剤があらかじめ塗布されたヒートス
    プレッダーが、ヒートスプレッダーに、接着剤を溶剤に
    溶解したワニスを塗布し、加熱して溶媒を除去すること
    によりヒートスプレッダー上に接着剤層を形成して得ら
    れた接着剤付きヒートスプレッダーである請求項1〜4
    いずれかに記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 接着剤付きヒートスプレッダー上の接着
    剤層を形成している接着剤が、DSCを用いて測定した
    場合の接着剤の全硬化発熱量の10〜40%の発熱を終
    えた状態にある請求項5記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 接着剤が、DSCを用いて測定した場合
    の全硬化発熱量の100%の発熱を終えた状態まで硬化
    させて動的粘弾性測定装置を用いて測定した場合の貯蔵
    弾性率が25℃で20〜2,000MPaであり、26
    0℃で3〜50MPaであるものである請求項1〜6い
    ずれかに記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 接着剤が、無機フィラーを2〜20体積
    %含有するものである請求項1〜7いずれかに記載の半
    導体装置。
  9. 【請求項9】 無機フィラーがアルミナ、シリカ、炭化
    ケイ素、窒化ホウ素及び窒化アルミニウムからなる群か
    ら選ばれるものである請求項8記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】 ヒートスプレッダーがアルミニウム、
    銅、アルミニウム合金又は銅合金からなる群から選ばれ
    る金属で形成されたものである請求項1〜9いずれかに
    記載の半導体装置。
  11. 【請求項11】 ヒートスプレッダーの少なくとも接着
    剤が塗布される部分にカップリング剤による表面処理が
    施されている請求項1〜10いずれかに記載の半導体装
    置。
  12. 【請求項12】 ヒートスプレッダーが銅又は銅合金で
    形成されたものであり、ヒートスプレッダーの少なくと
    も接着剤が塗布される部分に黒化処理が施されている請
    求項1〜11いずれかに記載の半導体装置。
JP8104998A 1998-03-27 1998-03-27 半導体装置 Pending JPH11284114A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8104998A JPH11284114A (ja) 1998-03-27 1998-03-27 半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8104998A JPH11284114A (ja) 1998-03-27 1998-03-27 半導体装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11284114A true JPH11284114A (ja) 1999-10-15

Family

ID=13735569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8104998A Pending JPH11284114A (ja) 1998-03-27 1998-03-27 半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11284114A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000078887A1 (fr) * 1999-06-18 2000-12-28 Hitachi Chemical Company, Ltd. Adhesif, element adhesif, substrat de circuit pour montage de semi-conducteur presentant un element adhesif, et dispositif a semi-conducteur contenant ce dernier
JP2002220576A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Hitachi Chem Co Ltd 接着剤組成物、接着部材、半導体搭載用支持部材及び半導体装置等
JP2002325468A (ja) * 2001-04-27 2002-11-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd パワー変換装置
JP2003082306A (ja) * 2001-09-17 2003-03-19 Hitachi Chem Co Ltd 半導体用接着フィルム及びその用途
JP2003249609A (ja) * 2002-02-26 2003-09-05 Achilles Corp 熱伝導構造
WO2005023954A1 (ja) * 2003-09-02 2005-03-17 Sony Chemicals Corporation 接着剤及びその製造方法
JP2008145807A (ja) * 2006-12-12 2008-06-26 Oki Electric Ind Co Ltd ファイバブラッググレーティング装置
JP2008545869A (ja) * 2005-06-07 2008-12-18 モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク Bステージ化可能フィルム、電子装置および関連プロセス
US7947779B2 (en) 2000-02-15 2011-05-24 Hitachi Chemical Company, Ltd. Semiconductor device by adhering circuit substrate with adhesive film of epoxy resin, phenolic resin and incompatible polymer
JP2016141739A (ja) * 2015-02-02 2016-08-08 ナミックス株式会社 フィルム状接着剤、それを用いた半導体装置
JP2017186483A (ja) * 2016-04-08 2017-10-12 積水化学工業株式会社 積層シート、接着層及び金属材付き半導体チップの製造方法、及び半導体装置の製造方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000078887A1 (fr) * 1999-06-18 2000-12-28 Hitachi Chemical Company, Ltd. Adhesif, element adhesif, substrat de circuit pour montage de semi-conducteur presentant un element adhesif, et dispositif a semi-conducteur contenant ce dernier
US6838170B2 (en) 1999-06-18 2005-01-04 Hitachi Chemical Company, Ltd. Adhesive, adhesive member, interconnecting substrate for semiconductor mounting having adhesive member, and semiconductor device containing the same
US7947779B2 (en) 2000-02-15 2011-05-24 Hitachi Chemical Company, Ltd. Semiconductor device by adhering circuit substrate with adhesive film of epoxy resin, phenolic resin and incompatible polymer
US8119737B2 (en) 2000-02-15 2012-02-21 Hitachi Chemical Company, Ltd. Adhesive composition, process for producing the same, adhesive film using the same, substrate for mounting semiconductor and semiconductor device
JP2002220576A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Hitachi Chem Co Ltd 接着剤組成物、接着部材、半導体搭載用支持部材及び半導体装置等
JP2002325468A (ja) * 2001-04-27 2002-11-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd パワー変換装置
JP2003082306A (ja) * 2001-09-17 2003-03-19 Hitachi Chem Co Ltd 半導体用接着フィルム及びその用途
JP2003249609A (ja) * 2002-02-26 2003-09-05 Achilles Corp 熱伝導構造
WO2005023954A1 (ja) * 2003-09-02 2005-03-17 Sony Chemicals Corporation 接着剤及びその製造方法
JP2008545869A (ja) * 2005-06-07 2008-12-18 モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク Bステージ化可能フィルム、電子装置および関連プロセス
JP2008145807A (ja) * 2006-12-12 2008-06-26 Oki Electric Ind Co Ltd ファイバブラッググレーティング装置
JP2016141739A (ja) * 2015-02-02 2016-08-08 ナミックス株式会社 フィルム状接着剤、それを用いた半導体装置
WO2016125537A1 (ja) * 2015-02-02 2016-08-11 ナミックス株式会社 フィルム状接着剤、それを用いた半導体装置
US10023775B2 (en) 2015-02-02 2018-07-17 Namics Corporation Film adhesive and semiconductor device including the same
JP2017186483A (ja) * 2016-04-08 2017-10-12 積水化学工業株式会社 積層シート、接着層及び金属材付き半導体チップの製造方法、及び半導体装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3453390B2 (ja) 半導体装置、半導体チップ搭載用基板及びその製造法
US6673441B1 (en) Adhesive, adhesive member, interconnecting substrate for semiconductor mounting having adhesive member, and semiconductor device containing the same
JP3190044B2 (ja) 接着剤、接着フィルム及び接着剤付き金属箔
JP3559137B2 (ja) 熱伝導性接着剤組成物及び該組成物を用いた熱伝導性接着フィルム
JPH11265960A (ja) 金属製補強材付き半導体装置
JP3792327B2 (ja) 熱伝導性接着剤組成物及び該組成物を用いた熱伝導性接着フィルム
JP2002060716A (ja) 低弾性接着剤、低弾性接着部材、低弾性接着部材を備えた半導体搭載用基板及びこれを用いた半導体装置
JP3528639B2 (ja) 接着剤、接着部材、接着部材を備えた半導体搭載用配線基板及びこれを用いた半導体装置
JPH11284114A (ja) 半導体装置
JP4161544B2 (ja) 半導体素子搭載用接着フィルム
JPH11260838A (ja) 両面接着フィルムを用いて作製した半導体装置
JP3617504B2 (ja) 半導体素子搭載用接着フィルム
JPH11209724A (ja) 難燃化接着剤、難燃化接着部材、難燃化接着部材を備えた半導体搭載用配線基板及びこれを用いた半導体装置
JP4618464B2 (ja) 接着剤組成物、これを用いた接着フィルム、半導体チップ搭載用基板及び半導体装置
JP2001279197A (ja) 接着フィルム、接着フィルムを備えた半導体搭載用配線基板、半導体装置及びその製造方法
JP2003193021A (ja) 高熱伝導接着フィルム
JP3675072B2 (ja) 半導体装置
JP2000144077A (ja) 両面接着フィルム及びこれを用いた半導体装置
JPH11246829A (ja) 両面接着フィルム及び半導体装置
JP4556472B2 (ja) 接着剤、接着部材、接着部材を備えた半導体搭載用配線基板及びこれを用いた半導体装置
JP2000154360A (ja) 接着剤、接着部材、接着部材を備えた半導体搭載用配線基板及びこれを用いた半導体装置
KR20000048963A (ko) 반도체 장치, 반도체칩 탑재용 기판, 이들의 제조법, 접착제, 및 양면 접착 필름
JP4699620B2 (ja) 感光性接着フィルムおよびその用途ならびに半導体装置の製造方法
JPH11209723A (ja) 難燃化接着剤、難燃化接着部材、難燃化接着部材を備えた半導体搭載用配線基板及びこれを用いた半導体装置
JP2003082034A (ja) アクリル樹脂、これを用いた接着剤及び接着フィルム