JPH1128243A - 医療用容器 - Google Patents

医療用容器

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JPH1128243A
JPH1128243A JP9202576A JP20257697A JPH1128243A JP H1128243 A JPH1128243 A JP H1128243A JP 9202576 A JP9202576 A JP 9202576A JP 20257697 A JP20257697 A JP 20257697A JP H1128243 A JPH1128243 A JP H1128243A
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JP
Japan
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container
needle
cap material
medical
communication
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JP9202576A
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Soichi Kuroki
宗一 黒木
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 連結部内の連通手段の取付構造が簡単で、部
品を抑えて製造上の省力化が可能で、また使用時まで連
結針の無菌維持が簡単にできる医療用容器の提供。 【解決手段】 薬液を収容した可撓性樹脂製の容器本体
に、使用時に混注用の薬剤容器が接続される連結部を有
する医療用容器において、上記連結部には上記薬剤容器
の口部に刺通する連通針と、上記連通針による刺通が可
能な被刺通壁及び可撓壁を有するキャップ材と、該キャ
ップ材の周囲を囲み上記薬剤容器の口部の挿入が可能な
筒形状の無菌維持室と、上記無菌維持室の開口に着脱可
能に貼着される蓋材とが設けられ、上記連通針は上記連
結部内に配せられ、且つ上記キャップ材で覆われ、上記
キャップ材は上記連結部の開口を直接或いは間接的に密
封して該連結部に取付られ、上記無菌維持室は上記連結
部に一体に形成され、或いは別体として取付られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用容器に関するも
のであり、より詳細には、使用時に、樹脂容器本体と凍
結乾燥物等の薬剤が収容された薬剤容器とを無菌的に簡
単に連結することができる医療用容器、特に、連結部で
の部材を最小限に抑えて製造上の簡略化と容器自体のコ
ンパクト化を達成した確実に薬剤を薬液に溶解すること
のできる医療用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】点滴注射に用いられる輸液、透析液、臓
器保存液等のバック、コンテナ等の医療用容器は、一般
に樹脂容器である。また輸液にはその使用時に抗生物質
などが混注、混合された後に点滴注射されるものがあ
る。このような混注、或いは混合には注射器が使用され
る。例えば、抗生物質の入ったバイアルに溶解液が注射
器を介して入れられる。抗生物質と溶解液とが混合さ
れ、混合液は注射器でバイアル内から吸い戻される。そ
して、輸液容器の排出口に注射器が刺通され、その混合
液が輸液容器内に充填される。最近、かかる煩雑操作を
省略するため、医療用容器にバイアル等の連結部を備え
たものが種々提案されている。連結部を備えた医療用容
器としては薬液或いは溶解液を収容した容器本体に連通
手段を設けたものと、容器本体とバイアル等の薬剤容器
とを予め連結部で連結して、使用時まで各容器内同士が
連通されない状態におかれるものとがある。前者はいわ
ゆるハーフキット医療用容器と一般に称され、後者はフ
ルキット医療用容器と称されている。
【0003】ハーフキット医療用容器としては、例え
ば、可撓性容器と、該容器の上端から上方に伸びる筒状
の収容カプセルとから構成され、カプセル内に連通手段
である両頭刺通型の連通針が収容され、使用時に連通針
の一端を薬剤容器の口部のゴム栓に刺通し、連通針の他
端を可撓性容器の上端に設けたゴム栓に刺通して薬剤容
器内と可撓性容器内とを連通させる薬剤容器の連通手段
を備えた溶解液容器が提案されている(特開平7−32
8097号公報)。筒状カプセルの下部開口は可撓性容
器の上端に密封連結され、上部開口は無菌維持シートに
よって密封され、連通針はカプセル内に無菌的に収容さ
れている。また、可撓性容器と、可撓性容器に取り付け
られるカップ材と、カップ材内に配せられる連通針と、
連通針を覆うガスケットとからなる医療用容器が提案さ
れ、カップ材に螺合ネジが形成され、薬剤容器が連通針
に刺通されると確実に薬剤容器内と可撓性容器内とが連
通する構造のものも提案されるている(特表平2−50
3272号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ハーフ型医療用容器には未だ以下の問題点がある。医療
用容器における連結部に設けられる連通手段は両頭刺通
型の連通針であるため、カプセル内に無菌状態で、しか
も使用時に移動可能に配する必要がある。特に、その移
動に際しては薬剤容器の口部が可撓性容器のゴム栓より
先に連通針で刺通されなければならないという構成要件
が課せられるため、カプセル内の収容構造が複雑となる
おそれがある。また、単に連結針にガスケットを被せた
のみでは使用時までに接続部が汚染を受け、その都度、
ガスケット部分を殺菌処理して使用しなければならな
い。従って、本発明は、連結部内の連通手段の取付構造
が簡単にでき、また部品点数もできる限り抑えて製造上
の省力化を行うことができ、また使用時まで連結針の無
菌維持が簡単にできる医療用容器を提供することを目的
としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、薬液を収容し
た可撓壁を有する樹脂製の容器本体に、使用時に混注用
の薬剤容器が接続される連結部を有する医療用容器にお
いて、上記連結部には上記薬剤容器の口部に刺通する連
通針と、上記連通針による刺通が可能な被刺通壁及び可
撓壁を有するキャップ材と、該キャップ材の周囲を囲み
上記薬剤容器の口部の挿入が可能な筒形状の無菌維持室
と、上記無菌維持室の開口に着脱可能に貼着される蓋材
とが設けられ、上記連通針は上記連結部内に配せられ、
且つ上記キャップ材で覆われ、上記キャップ材は上記連
結部の開口を直接或いは間接的に密封して該連結部に取
付られ、上記無菌維持室は上記連結部に一体に形成さ
れ、或いは別体として取付られ、上記蓋材は蒸気透過性
で且つ菌不透過性の材料で形成され、上記無菌維持室内
は上記容器本体内の薬液と共に蒸気滅菌処理されて使用
時まで無菌的に維持されていることを特徴とする医療用
容器を提供することにより、上記目的を達成したもので
ある。
【0006】上記容器本体に収容される薬液は、一般に
電解質液である。例えば、乳酸、酢酸、重炭酸等を含む
リンゲル液、糖、アミノ酸、ペプチド、脂肪等を含む高
カロリー輸液、透析液、臓器保存液等の溶液である。
尚、薬液は凍結乾燥薬剤の単なる溶解液、希釈液でも良
く、かかる薬液は単純な無菌水であっても良い。薬液
は、容器本体内液密に収容された後に蒸気滅菌処理され
るものである。
【0007】上記医療用の容器本体は可撓性壁を有す
る。可撓性壁は撓むことにより容器内の容積が容易に変
化するものであれば良い。また、医療用容器壁は内容物
の確認ができる程度に透明性を有することが望ましい。
容器内での薬剤の状態を確認する上で必要となるからで
ある。上記容器本体は樹脂素材からなり、インフレーシ
ョンフィルム、チューブ、シート及びフィルムから成形
したもの、押出成形、射出成形、又はブロー成形したも
のである。容器本体の樹脂素材としてはポリオレフィン
系樹脂、塩化ビニル、塩化ビニリデン系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリ
ルニトリル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリアミド
系樹脂等の汎用樹脂である。また樹脂容器は単層又は多
層で形成されていても良い。容器内の薬剤と接触する最
内層は、薬剤に影響を与えない、また溶出物が生じない
樹脂層であることが望ましい。このような樹脂として
は、ポリオレフィン系樹脂が望ましく、例えば、低、
中、高−密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の低級オ
レフィン樹脂等が挙げられる。上記容器壁にはガスバリ
アー性層が形成されていることが望ましい。特に、酸素
等を容易に透過しない層であることが望ましい。このよ
うなガスバリアー性層としては、殆ど、又は全くガスを
透過させないアルミニウム等の金属層や酸化珪素、酸化
マグネシウム、酸化チタン等の無機蒸着層であり、また
ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ナイロン、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体、フッ素系樹脂等のよう
にガスバリアー性の高い樹脂層である。ガスバリアー性
層の酸素透過量は40cc・20μ/m2・day・a
tm(温度:20℃)以下、特に、30cc・20μ/
2・day・atm以下、また好ましくは5cc・2
0μ/m2・day・atm以下、更には1cc・20
μ/m2・day・atm以下であることが望ましい。
【0008】上記薬液に混注される薬剤としては、抗生
物質、生理活性物質などの凍結乾燥物、抽出薬剤、その
他の薬剤等を挙げることができ、通常、輸液、透析液等
に混注されるものである。上記薬剤容器はバイアル等の
ガラス容器、或いは樹脂容器等を挙げることができ、そ
の口部に被刺通用の密封ゴム栓等が設けられているもの
である。医療用容器は薬剤容器が使用時に容器本体の連
結部に連結されるものである。尚、薬剤容器はゴム栓等
の連通針による被刺通部を備えた容器である限り、如何
なる形態の容器であっても適用できる。
【0009】上記容器本体の連結部はシート樹脂で本体
が形成される場合には筒状の樹脂ポート成形材などがシ
ートの端部熱溶着シールの際に取り付けられる。上記容
器本体の連結部は本体がブロー成形物の場合にはブロー
エアの吹出口を連結部とすることもでき、また吹出口以
外の部分に連結部を一体成形することもできる。上記連
通針は上記連結部内に配される。連通針は金属製、樹脂
製の成形物からなるが、その加工性、耐腐食性等から樹
脂製成形物が望ましい。連通針には薬剤容器の口部に刺
通する刺通部と連結部に固定する基端部が形成される。
【0010】上記連通針を覆う上記キャップ材は上記連
結部の開口を直接或いは間接的に密封して連結部に取り
付けられる。即ち、キャップ材は連通針の連通開口を外
界に対して塞ぎ、連通針を容器本体内に確保するように
して連通針を覆っている。キャップ材は連通針の被刺通
壁を有し、また可撓性の壁を有している。このため連通
針が被刺通壁を介して薬剤容器の口部に刺通すると、可
撓性の壁が縮んで被刺通壁が連通針に破封されて口部と
共に移動させられる。このようなキャップ材はゴム製の
弾性部材でも良く樹脂等からなる柔軟な袋状材料でも良
い。上記キャップ材の周囲を囲む無菌維持室は、ほぼ筒
形状に形成され、その基端は容器本体の連結部に取り付
けられるか、或いは容器本体と一体に形成されるもので
ある。そして、無菌維持室の開口は上記薬剤容器の口部
及び胴部の挿入が可能な大きさに形成されている。また
無菌維持室の開口には着脱可能に蓋材が貼着され、蓋材
は蒸気透過性で且つ菌不透過性の材料からなる。このよ
うな蓋材の材料としては紙類に樹脂成分を混ぜて所定の
ポアを形成したシートや撥水性の樹脂をラミネートした
シート等を挙げることができる。このように、蒸気透過
性の蓋材であれば、容器本体内の薬液を高圧蒸気滅菌処
理する際に蒸気が無菌維持室内に充満し、無菌維持室内
及びキャップ材の表面が滅菌される。従って、上記無菌
維持室内は上記容器本体内の薬液と共に蒸気滅菌処理さ
れて使用時まで無菌的に維持されることとなる。
【0011】本発明に係る医療用容器では部品点数が極
めて少なく、使用時までキャップ材及び連通針の表面が
無菌に維持される。製造時で製造工程が簡単となり、ま
た連通部に於ける滅菌も容器本体と共に行うことができ
る。また両頭針型連通針等のように連結部内で連通針を
移動可能な構造としないため極めて簡単な構造にでき
る。その使用時にあっては、先ず、蓋材を無菌維持室か
ら剥がし、薬剤容器の口部を無菌維持室内に挿入し、キ
ャップ材の先端に口部を当接させる。かかる状態で薬剤
容器を更に押し込めば、キャップ材が破封され口部内に
連通針の刺通部が口部に挿通される。そして、薬剤容器
内と容器本体内とが連通針を介して連通され、薬剤容器
内の薬剤の薬液への混注が可能となる。従って、使用時
の医療用容器の操作も極めて簡単となる。
【0012】本発明に係る請求項2記載の医療用容器
は、請求項1記載の医療用容器において、上記連通針は
刺通部と、基端フランジ部と、挿入スカート部とが形成
され、上記挿入スカート部を上記連結部に挿入すること
により上記連結針が上記容器本体に位置決め固定され
る。本発明に係る連通針には刺通部及び取付フランジ部
等の基本的な部分以外に挿入スカート部が設けられる。
かかる挿入スカート部により容器組立時に連通針を連結
部の開口に容易に挿入固定できる。また、本発明に係る
請求項3記載の医療用容器は、請求項2記載の医療用容
器において、上記基端フランジ部に上記キャップ材の基
端部を巻き付けて上記キャップ材が上記連通針に位置決
め固定されることを特徴とする。上記キャップ材を最初
から連通針に被せて、連通針のフランジに巻き付けて固
定しておけば、連通針を連結部に挿入するだけて上記キ
ャップ材も容易に連結部に位置決め固定できる。
【0013】本発明に係る請求項4の医療用容器は、請
求項2記載の医療用容器において、上記連通針に形成さ
れている薬剤容器との連通開口以外に、上記連通針に上
記キャップ材内と上記本体内とを連通する液抜き孔を上
記基端フランジ部或いは刺通部の基端に形成することを
特徴とする。本発明に係る医療用容器において、通常、
上記連通針の外側とキャップ材内との間に液が高圧蒸気
滅菌処理時に残留するおそれがある。かかる残留液は使
用時にキャップ材の被刺通壁を破封したとき噴出するお
それがある。即ち、使用時に薬剤容器の口部をキャップ
材に向けて押圧した時に、キャップ材壁は撓み、キャッ
プ材内が収縮して残留液が行き場を失い、その結果、キ
ャップ材の被刺通壁の破封部から吹き出すおそれが生じ
る。この場合、キャップ材をゴム製の弾性材で形成すれ
ばある程度防ぐことができ、キャップ材を弾性材で形成
することが望ましい。しかし、医療用容器には更に安全
性が求められることから、上記連通針の基端フランジ部
或いは刺通部の基端に液抜き孔が形成してあれば、かか
る液抜き孔から液が容器本体内に戻るため上記のような
残留液の噴出は殆ど防止される。
【0014】本発明に係る請求項5記載の医療用容器は
請求項1記載の医療用容器において、上記連通針に形成
されている薬剤容器との連通開口を該薬剤容器の口部の
刺通時まで弾性材で液密に閉じることを特徴とする。上
記連通針の連通開口を弾性材で閉じることにより、高圧
蒸気滅菌処理中に連通針の外側とキャップ材内との間に
液残留を生じないようにすることができる。このような
弾性材としてキャップ材自体を弾性材としても良く、ま
たキャップ材の他に弾性材を連通開口に配してもよい。
弾性材はゴム、エラストマー等である。本発明に係る請
求項6記載の医療用容器は請求項1〜5の何れかに記載
の医療用容器において、上記無菌維持室には外壁面から
突起した指掛け部が形成されていることを特徴とする。
無菌維持室に指掛け部を形成しておけば、薬剤容器を連
結する際に片手で薬剤容器を無菌維持室内に押し込み、
容器本体と容易に連結させることができる。親指で薬剤
容器の底部を当てる一方、指掛け部に人差し指及び中指
を掛けて薬剤容器を押し込むことができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係る医療用容器の好ましい実
施例を添付図面を参照しながら詳述する。図1は本発明
に係る医療用容器の第一実施例の正面図である。図2は
第一実施例の医療用容器の要部断面図である。図3は第
一実施例の医療用容器の使用時における要部断面図であ
る。図4は第二実施例の医療用容器における要部断面図
である。
【0016】図1乃至図3に示す如く、本実施例の医療
用容器1は薬液2が収容され可撓壁を有する樹脂製の容
器本体3に、使用時に混注用の薬剤容器4が接続される
連結ポート(連結部)5を有するハーフ型キットであ
る。医療用容器1において、連結ポート5には薬剤容器
4の口部4Aに刺通する連通針6と、連通針6による刺
通が可能な被刺通壁7A及び可撓壁7Bを有するキャッ
プ材7と、キャップ材7の周囲を囲み上記薬剤容器4の
口部4Aの挿入が可能な筒形状の無菌維持室8と、無菌
維持室8の開口8Aに着脱可能に貼着される蓋材9とが
設けられ、連通針6は連結ポート5内に配せられ、且つ
キャップ材7で覆われ、キャップ材7は連結ポート5の
開口を直接或いは間接的に密封して連結ポート5に取付
られ、蓋材9は蒸気透過性で且つ菌不透過性の材料で形
成され、無菌維持室8内は容器本体3内の薬液2と共に
蒸気滅菌処理されて使用時まで無菌的に維持されてい
る。上記連通針6は刺通部6Aと、基端フランジ部6B
と、挿入スカート部6Cとが形成され、挿入スカート部
6Cを連結ポート5に挿入することにより連結針6が容
器本体3に位置決め固定される。上記基端フランジ部6
Bにキャップ材7の基端部7Cを巻き付けてキャップ材
7が連通針6に位置決め固定される。
【0017】本実施例の医療用容器1を更に詳しく説明
すると、医療用容器1の容器本体3はブロー成形物から
なる。ブロー成形物の胴壁の厚みは250μmで、その
容量は160mlで、長さが150mmで、幅が80m
mである。ブロー成形物は直鎖状低密度ポリエチレン
(密度:0.935g/cm3、MI:2、融点:12
1℃)からなる。ブロー成形物はブロー成形時のブロー
吹出口が医療用容器における排出ポート12として形成
され、また端部に連結ポート5が形成されている。容器
本体3内には薬液2が充填され、薬液2は薬剤容器内の
凍結乾燥品を溶解する生理食塩水であり、生理食塩水は
除菌フィルタを通して容器本体3に充填されている。
尚、薬液2は容器本体3と共にオートクレーブ滅菌処理
されている。
【0018】図2に示す如く容器本体3の連結ポート5
には連通針6が取り付けられ、連通針6はポリプロピレ
ンの樹脂成形物で刺通部6A、基端フランジ部6B及び
挿入スカート部6Cが形成されている。挿入スカート部
6Cは中心方向に弾性変形して折れ曲がり、連通針6は
挿入スカート部6Cを介して連結ポート5に位置決めさ
れている。連通針6はキャップ材7に覆われ、キャップ
材7はシリコンゴムからなる弾性材で形成されている。
キャップ材7は天面が連通針6の刺通可能な被刺通壁7
Aと側面が柔軟な可撓性壁7Bと基端部7Cとからな
り、基端部7Cは連通針6の基端フランジ6Bを巻き付
けて連通針6と共に連結ポート5に固定されている。連
通針6の基端フランジ6Bには液抜き孔13が形成さ
れ、蒸気滅菌処理等で連通針6とキャップ材7との間に
残留する僅かな薬液2は液抜き孔13を介して排出され
る。また連通針6には返し部6Dが形成され、一旦、刺
通されたゴム栓16から連通針6が外れるのを防止し、
確実なポンピングができるようにしている。
【0019】連結ポート5には無菌維持室8が熱溶着に
より固定され、無菌維持室8はポリエチレンの筒状樹脂
成形物からなる。無菌維持室8には押さえ顎部8Bが形
成され、無菌維持室8を連結ポート5に熱溶着する際
に、連通針6の基端フランジ部6B及びキャップ材7の
基端部7Cを顎部8Bは押さえている。これにより、連
通針6は容器本体3内に配せられた状態で連結ポート5
がキャップ材7により密封されている。無菌維持室8の
開口8Aは薬剤容器4の胴部及び口部の挿入が可能に形
成され、開口8Aには蓋材9が着脱可能に貼着されてい
る。蓋材9は天然パルプ及び合成樹脂パルプが積層さ
れ、蒸気透過性で菌不通過性の径孔が形成される。この
ため、容器本体3内の薬液2と共に無菌維持室8内が高
圧蒸気滅菌され、無菌維持室8は無菌に維持される。ま
た無菌維持室8の外面には半径方向に突起させた指掛け
部14が形成される。
【0020】次に、第一実施例の医療容器1について説
明する。先ず、連結ポート5及び排出ポート12が形成
された医療用容器の本体3をブロー成形により製造し、
これの内部を洗滌して乾燥する。また、連通針6、キャ
ップ材7及び無菌維持室8を洗滌して乾燥する。そし
て、連通針6にキャップ材7を被せ、キャップ材7の基
端部7Cを連通針6の基端フランジ部6Bに取り付け
る。次に、キャップ材7を取り付けた連通針6の挿入ス
カート部6Cを容器本体3の連結ポート5内に挿入し、
連通針6の位置決めを行う。かかる状態で無菌維持室8
を連結ポート5に熱溶着して取付け、その取付の際に顎
部8Aで連通針6及びキャップ材7の基端フランジ部6
B及び基端部7Cを押さえて液密に連結ポート5を閉じ
る。無菌維持室8の開口8Aに蓋材9を液密に貼り付け
る。次に、排出ポート12から薬液2を所定量充填し、
排出ポート12をゴム栓15で液密に閉じる。薬液を収
容した容器本体3を温度110℃で高圧蒸気滅菌処理
し、無菌維持室8内を乾燥した後、医療用容器1とす
る。
【0021】このように製造された医療用容器1におい
て、部品点数が少ないため、その加工、洗滌の手間が極
めて少ない。また、組立に際しても、各部品の取付精度
を厳しく設定することもなく、連通針6及びキャップ材
7の取付けが極めて簡単に連結ポート5に位置決め固定
できる。また従来のように連通針6を容器本体3に相対
移動させ、薬剤容器4の口部4Aと容器本体3との刺通
順序を構成上考慮することもない。無菌維持室8内の無
菌的維持には、容器本体3内の薬液2の滅菌処理と同時
に滅菌がなされ、使用時まで無菌的に維持されるので、
医療用容器1としての安全性が高い。医療用容器1を使
用する場合には無菌維持室8の蓋材9を剥がし、薬剤容
器4の口部4Aを挿入し、先ず、口部4Aのゴム栓16
をキャップ材7の被刺通壁7Aに当接させる。かかる口
部4Aの挿入移動は、薬剤容器4の底部を親指等で押圧
する一方、無菌維持室8の指掛かり部14に人差し指及
び中指を添えることにより無菌維持室8を保持する。か
かる操作により口部4Aが連通針6に相対的に移動し、
キャップ材7の被刺通壁7Aが破封され、連通針6の刺
通部6Aが薬剤容器4のゴム栓16を刺通する。これに
より、薬剤容器4内と容器本体3内とが連通する。ま
た、キャップ材7が被刺通壁7Aを破封する際に、キャ
ップ材7内が縮み内部残留水がその破封部から吹き出そ
うとするが、連通針6の基端フランジ部6Aの液抜き孔
13から容器本体3内に排出されるためそのような吹き
出しの危険性は回避される。薬剤容器4と医療用容器1
とは連通状態となる。また、連通針6には返し部6Dが
あるいため、薬剤容器4のゴム栓16と連通針6との刺
通関係が不用意に解除されるおそれがない。
【0022】次に、本発明に係る医療用容器の第二実施
例を添付図面の図4に従って説明する。図4に示す医療
用容器21が第一実施例の医療用容器1とほぼ同様であ
るが以下の点が相違する。医療用容器21の無菌維持室
部材22は容器本体の連結ポート23と一体成形されて
いる。連通針24の刺通部24Aの連通開口25は弾性
ゴム材26に液密に覆われ、連通針24及び弾性ゴム材
26は可撓性壁を有した樹脂製のキャップ材27で液密
に覆われている。連通針24の基端フランジ部24Bは
連結ポート23の口部の周縁とリング状の止め材28と
の間に保持され、止め材28は連結ポート23の口部の
周縁に液密に熱溶着固定されている。止め材28の上面
には薬剤容器の口部の受け入れ突周条部28Aが設けら
れ、また、キャップ材27の基端フランジ27Aが熱溶
着されている。その他はほぼ同様な構造を採っている。
このような構成された医療用容器21においても、第一
実施例の医療用容器1と同様な作用効果を奏する以外
に、弾性ゴム材26が高圧蒸気滅菌時に連通針24の刺
通部24Aの連通開口25を液密に覆っているため、キ
ャップ材27内と連通針24の外側に液が溜まるおそれ
が少ない。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る医療用
容器においては、上記連結部には上記薬剤容器の口部に
刺通する連通針と、上記連通針による刺通が可能な被刺
通壁及び可撓壁を有するキャップ材と、該キャップ材の
周囲を囲み上記薬剤容器の口部の挿入が可能な筒形状の
無菌維持室と、上記無菌維持室の開口に着脱可能に貼着
される蓋材とが設けられ、上記連通針は上記連結部内に
配せられ、且つ上記キャップ材で覆われ、上記キャップ
材は上記連結部の開口を直接或いは間接的に密封して該
連結部に取付られ、上記無菌維持室は上記連結部に一体
に形成され、或いは別体として取付られ、上記蓋材は蒸
気透過性で且つ菌不透過性の材料で形成され、上記無菌
維持室内は上記容器本体内の薬液と共に蒸気滅菌処理さ
れて使用時まで無菌的に維持されているので、連結部内
の連通手段の取付構造が簡単にでき、また部品点数もで
きる限り抑えて製造上の省力化を行うことができ、また
使用時まで連結針の無菌維持が簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る医療用容器の第一実施例の
正断面図である。
【図2】図2は第一実施例の医療用容器の要部断面図で
ある。
【図3】図3は第一実施例の医療用容器における使用時
の要部断面図である。
【図4】図4は第二実施例の医療用容器における要部断
面図である。
【符号の説明】
1 医療用容器 2 薬液 3 容器本体 4 薬剤容器 5 連結ポート 6 連結針 7 キャップ材 8 無菌維持室 9 蓋材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬液を収容した可撓壁を有する樹脂製の
    容器本体に、使用時に混注用の薬剤容器が接続される連
    結部を有する医療用容器において、 上記連結部には上記薬剤容器の口部に刺通する連通針
    と、上記連通針による刺通が可能な被刺通壁及び可撓壁
    を有するキャップ材と、該キャップ材の周囲を囲み上記
    薬剤容器の口部の挿入が可能な筒形状の無菌維持室と、
    上記無菌維持室の開口に着脱可能に貼着される蓋材とが
    設けられ、上記連通針は上記連結部内に配せられ、且つ
    上記キャップ材で覆われ、上記キャップ材は上記連結部
    の開口を直接或いは間接的に密封して該連結部に取付ら
    れ、上記無菌維持室は上記連結部に一体に形成され、或
    いは別体として取付られ、上記蓋材は蒸気透過性で且つ
    菌不透過性の材料で形成され、上記無菌維持室内は上記
    容器本体内の薬液と共に蒸気滅菌処理されて使用時まで
    無菌的に維持されていることを特徴とする医療用容器。
  2. 【請求項2】 上記連通針は刺通部と、基端フランジ部
    と、挿入スカート部とが形成され、上記挿入スカート部
    を上記連結部に挿入することにより上記連結針が上記容
    器本体に位置決め固定されることを特徴とする請求項1
    記載の医療用容器。
  3. 【請求項3】 上記基端フランジ部に上記キャップ材の
    基端部を巻き付けて上記キャップ材が上記連通針に位置
    決め固定されることを特徴とする請求項2記載の医療用
    容器。
  4. 【請求項4】 上記連通針に形成されている薬剤容器と
    の連通開口以外に、上記連通針に上記キャップ材内と上
    記容器本体内とを連通する液抜き孔を上記基端フランジ
    部或いは刺通部の基端に形成することを特徴とする請求
    項2記載の医療用容器。
  5. 【請求項5】 上記連通針に形成されている薬剤容器と
    の連通開口を該薬剤容器の口部の刺通時まで弾性材で液
    密に閉じることを特徴とする請求項1記載の医療用容
    器。
  6. 【請求項6】 上記無菌維持室には外壁面から突起した
    指掛け部が形成されていることを特徴とする請求項1〜
    5の何れかに記載の医療用容器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014108323A (ja) * 2012-12-04 2014-06-12 Otsuka Pharmaceut Factory Inc 薬剤排出部材および医療用複室容器
JPWO2013172449A1 (ja) * 2012-05-17 2016-01-12 味の素製薬株式会社 針付き接続部材、薬剤溶解キット
KR20160010112A (ko) * 2014-07-18 2016-01-27 대한약품공업 주식회사 약병 교체 방지 기능을 구비한 안전 접속구 및 이 접속구를 포함하는 수액 제품

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