JPH11279323A - 溶媒再生セルローススポンジ成型体及びその製造方法 - Google Patents

溶媒再生セルローススポンジ成型体及びその製造方法

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JPH11279323A
JPH11279323A JP10173098A JP10173098A JPH11279323A JP H11279323 A JPH11279323 A JP H11279323A JP 10173098 A JP10173098 A JP 10173098A JP 10173098 A JP10173098 A JP 10173098A JP H11279323 A JPH11279323 A JP H11279323A
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cellulose
solvent
sponge
foaming
oxide
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Shinji Nakagawa
川 伸 司 中
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、さまざまな形状を持つセル
ローススポンジ成型体を得るとともに、その製造工程及
び製造段階並びに再利用のすべてにわたり環境に配慮し
た溶媒再生セルローススポンジ成型体の製造方法を提供
することにある。 【解決手段】 本発明に係る溶媒再生セルローススポン
ジ成型体は、N−メチルモルフォリン−N−オキシドを
含むセルロース溶媒によるセルロース溶解物を、粒子
状、板状、マット状、不定形状またはフィラー形状を有
する多孔質なスポンジ体に形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース溶媒系
としてN−メチルモルフォリン−N−オキシドを使用す
る溶媒再生セルローススポンジ成型体及びその製造方法
に関するものである。スポンジ成型体の利用分野として
は薬品担持体、医療用吸収体、衛生用品、バイオ関連用
基材、台所用品、掃除清掃用品、ペット用品、塗工用基
材等として各種の分野で利用される。
【0002】
【従来の技術】セルローススポンジ体は、素材の安全性
及び生物適合性から薬品担持体、医療用吸収体、衛生用
品、バイオ関連用基材等から日常台所用品に至るまで幅
広く利用されている。その製造方法として、凍結乾燥に
よるハイドロコロイドフォーム(特開昭57−4735
5号公報参照)、セルロース原料に2硫化炭素を作用さ
せキサントゲン酸ソーダを経由しビスコースとなし、そ
れを補強繊維と混合するビスコーススポンジの製造方法
(特開平2−102232号公報参照)、さらに界面活
性剤を併用するセルロース系スポンジの製造方法(特開
平3−52938号公報参照)が開示されている。
【0003】上記凍結乾燥方法は生産性に乏しく、ビス
コースを利用するセルローススポンジの製造方法では、
ビスコース製造工程で硫黄化合物が副生し、更に、ビス
コースを補強繊維と混合する方法では、均質な成型体は
得られ難く形状も制約されることとなる。しかしなが
ら、ビスコースを使用するセルローススポンジ体の製造
方法の合理性は否めない。したがって、ビスコースに変
わるセルロース溶解物と、それを利用した製造方法が待
たれる所である。
【0004】第3級アミンオキシド、特にN−メチルモ
ルフォリン−N−オキシドがセルロースに対し良好な溶
媒となる事は古くより知られ、特開平7−189019
号公報では、該溶媒を使用し再生繊維を得る方法も開示
されているが、紡糸に関する利用にとどまっているに過
ぎない。また、特開平7−189180号公報及び特開
平9−296392号公報では、セルロース溶解組成物
の紙への塗工、含浸利用が見られるに過ぎず、ドープ組
成物から成型体を形成する場合、N−メチルモルフォリ
ン−N−オキシドを含む溶媒の除去が困難となり、N−
メチルモルフォリン−N−オキシドを含む溶媒系の利用
を狭める結果となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
鑑みてなされたものでその目的とするところは、さまざ
まな形状を持つセルローススポンジ成型体を得るととも
に、その製造工程及び製造段階並びに再利用のすべてに
わたり環境に配慮した溶媒再生セルローススポンジ成型
体の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為、
セルロース成型体を形成する段階で、多孔質なスポンジ
体とする事により、N−メチルモルフォリン−N−オキ
シドを含む溶媒を容易に除去できる事を見出した。すな
わち、溶媒再生セルローススポンジ成型体の製造手段に
より、成型体となす為の溶媒完全除去に要する時間は、
飛躍的に短縮され、粒子状、糸状、板状、マット状、不
定形状及びフィラーをなす形状のミクロ、マクロな成型
体を任意に製造できるに至った。従来の方法、例えばビ
スコーススポンジの製造方法に比べ、格段に工程が簡略
化され付随する環境対策を大幅に軽減する事が可能であ
る。セルロース成型体を形成する場合、製造段階で積極
的に多孔質化を図りセルロース溶媒除去を容易とする該
方法は、いわゆる紙及び不織布の製造原理に通ずるもの
であり、量産化、安定した品質及び機能性付与を可能と
するものであり、紙及び不織布の製造方法では難しい形
状のセルロース製品の製造を可能とし、廃棄物を含む天
然セルロース資源の有効利用を図る事ができる事を見出
だし、本発明を完成させるに至った。
【0007】即ち、本発明に係る溶媒再生セルロースス
ポンジ成型体は、N−メチルモルフォリン−N−オキシ
ドを含むセルロース溶媒によるセルロース溶解物を、粒
子状、板状、マット状、不定形状またはフィラー形状を
有する多孔質なスポンジ体に形成したものである。
【0008】また本発明に係る溶媒再生セルローススポ
ンジ成型体の製造方法は、セルロース基材を、N−メチ
ルモルフォリン−N−オキシドを含むセルロース溶媒系
で溶解処理して得たセルロース溶解物を、粒子状、板
状、マット状、不定形状またはフィラー形状を有する多
孔質なスポンジ体に形成して溶媒再生セルローススポン
ジ成形体を得る製造方法であって、発泡剤をセルロース
溶解前、セルロース溶解中または溶解後に添加し、その
後、発泡温度までセルロース溶解物の温度を上昇させス
ポンジ体を形成し、凝固処理、溶媒除去を行い溶媒再生
セルローススポンジ成型体を得るようにしたものであ
る。
【0009】さらに本発明は、請求項2において、発泡
剤を発泡温度まで上昇させスポンジ体を形成させる為に
発泡浴工程を経るようにした溶媒再生セルローススポン
ジ成型体の製造方法である。
【0010】また本発明は、請求項2または3におい
て、セルロース溶解物を一定温度のもとで熟成し、その
後溶媒除去を行い、スポンジ体を形成するようにした溶
媒再生セルローススポンジ成型体の製造方法である。
【0011】さらに本発明は、請求項2、3または4に
おいて、炭酸カルシュウム粉末をセルロース溶解前、セ
ルロース溶解中または完了後に添加し、その後酸性処理
浴にて炭酸カルシュウム微粉末を溶解除去するようにし
た溶媒再生セルローススポンジ成型体の製造方法であ
る。
【0012】また本発明は、請求項2、3、4または5
において、N−メチルモルフォリン−N−オキシドを含
むセルロース溶解物のゲル粘度を調節し機械発泡処理を
行うようにした溶媒再生セルローススポンジ成型体の製
造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】特開平7−189019号公報で
は、セルロース溶解に第3級アミンオキサイド、特にN
−メチルモルフォリン−N−オキシドによる再生セルロ
ース紡糸に関する製造方法が開示されている。本発明
は、これらを踏まえ、N−メチルモルフォリン−N−オ
キシドを含む溶媒系に、必要により形態を加工処理され
たセルロース基材を溶解し、溶媒再生セルローススポン
ジ成型体をなすものである。製造工程として、セルロー
ス基材調整工程、溶解工程、熟成処理工程、凝固処理工
程、脱液処理工程及びいずれかの工程で発泡処理剤の添
加および発泡処理工程若しくは機械的発泡処理工程を組
み合わせ溶媒再生セルローススポンジ成型体となる。
【0014】セルロース基材として、木材パルプ、非木
材パルプ、マーセル化パルプ、古紙パルプ、木粉、新聞
紙、紙及び紙製品、ラミネート紙、樹脂加工紙、バルカ
ナイズドファイバー、溶媒再生セルロース、溶媒再生セ
ルローススポンジ、ビスコース製品及び加工品、アルカ
リセルロース製品及び加工品、酢酸セルロース製品及び
加工品、セルロースフィラー及び以上の廃棄物、及びセ
ルロースを含むセルロース系素材から選ばれる、セルロ
ース基材を使用できる。必要により、以上の裁断物、粗
砕物、粉砕物、微粉砕物、綿状化物、酸処理物、アルカ
リ処理物も使用できる。
【0015】セルロース基材として、[0014]項の
基材を1種類又は、2種類以上組み合わせて、使用する
事ができる。すなわち、セルロース基材の化学的性質、
物理的性質、形状的な差異を持つセルロース基材を組み
合わせる事により、成型体の物性を調整する事が可能と
なる。
【0016】セルロースの溶媒系としてN−メチルモル
フォリン−N−オキシドを含む溶媒系を使用する。その
他の溶媒系構成要素として、水、エタノール、メタノー
ル、ブタノール、イソプロパノール、その他アルコール
類、グリコール類、N,N−ジメチルフォルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシ
ド、N−メチル−2−プロピリジノン、スルフォラン、
アセトニトリル、ジメチルエタノールアミンN−オキシ
ド、ジメチルホモピリジンN−オキシド、過酸化物、酸
化防止剤を併用できる。本発明は、これらN−メチルモ
ルフォリン−N−オキシドを除く溶媒系構成要素に限定
されるものではない。溶媒に占めるN−メチルモルフォ
リン−N−オキシドの割合は、72重量%以上が好まし
い。これを下回る場合、良好なセルロース溶解物は、得
られない。溶解温度は、75℃以上150℃以下の範囲
が好ましい。75℃を下回る場合、良好なセルロース溶
解物は得られず、150℃を越える場合、N−メチルモ
ルフォリン−N−オキシドの自己発熱が起こる為、使用
できない。さらには、120℃以下で溶解を進める方法
が、より好ましい。セルロースの溶解程度を温度・時間
で調整する事により未溶解繊維質を所定量残し、補強繊
維質として利用する事もでき、セルロース基材の組み合
わせ、配合割合、配合順序により、さまざまな形態及び
特徴を付与することができる。
【0017】発泡剤として、アゾビスブチルニトリル、
アゾジカルボンアミド、5−モルフォリル−1,2,
3,4−チアトリアゾール、N,N−ジメチル−N,N
−ジニトロソテレフタルアミド等の有機発泡剤、及びア
ジド化合物等が使用できる。これらの発泡剤を使用する
場合、発泡剤の分解温度以下でセルロース基材を所定量
溶解し、その後発泡剤の分解温度まで溶解液温度を上昇
させる方法、若しくはセルロース溶解に使用した溶媒系
と異なる発泡浴液中で有機発泡剤の分解温度まで溶解液
温度を上昇させ発泡処理を行う事ができる。これらの発
泡剤の添加は、セルロース基材調整工程からセルロース
基材溶解工程までの間に行う事ができる。発泡剤使用の
場合、成型体を充分に洗浄し、完全に除去する必要があ
る。
【0018】発泡剤として、炭酸水素ナトリュウム、炭
酸アンモニュウムが使用できる。これらの炭酸塩無機発
泡剤の添加はセルロース溶解完了後、溶解液温度を65
℃以上80℃以下に保持した状態で添加し、その後、
[0017]項と同様にして発泡を完了させる。
【0019】発泡浴液として[0016]項の液体が使
用できる。但し、N−メチルモルフォリン−N−オキシ
ドの混合割合を、0重量%から70重量%以下の範囲と
する事により、発泡と同時に緩やかなセルロース凝固が
おこり、良好なスポンジ体を形成する。発泡浴液温度
は、70℃以上150℃以下とする。このような発泡浴
工程を設けた場合、容易にスポンジ体を得る事ができ
る。
【0020】有機化合物を溶媒系に添加併用し、セルロ
ース溶解後、セルロース溶解物を溶解温度以下で熟成
し、その後、除去を行いスポンジ体を得る事ができる。
この系で使用できる有機化合物として、C3以上のアル
コール類が使用できる。有機化合物として低沸点化合物
を併用した場合、減圧除去を採用できる。90℃以上1
20℃以下で溶解する有機化合物の除去の方法は、[0
018]項の発泡浴により除去できる。
【0021】セルロース溶解物を溶解温度以下で熟成
し、冷却固形化後さらに大気中で熟成させ、その後、溶
媒を除去する事により、ミクロな細孔を有するスポンジ
成型体を得る事ができる。
【0022】炭酸カルシュウムをセルロース基材調整工
程から溶解工程までの間で添加し、セルロース溶解物を
溶解温度以下で熟成し、その後、酸性凝固浴中で、溶解
除去する事により、表面クレーターの良好なスポンジ体
を得る事ができる。炭酸カルシュウムの添加割合とし
て、セルロース原料に対し1重量部以上15重量部以下
が好ましい。1重量部未満では、効果が明確でなく、1
5重量部を越えると炭酸カルシュウムの除去が難しい結
果となる。酸性凝固浴に使用される酸化化合物として、
酢酸、リン酸等、有機酸及び無機酸を使用できる。
【0023】セルロース溶解物のゲル強度を調整し、機
械攪拌発泡により連続気泡を有するスポンジ体を得る事
ができる。ゲル強度を調節する方法として、セルロース
含有量を15重量部以上30重量部以下に調整し、セル
ロース溶解物のゲル強度を高く保持し、さらに機械攪拌
温度を75℃から85℃に保持しゲル強度を高めるスポ
ンジ体を得る事ができる。
【0024】セルロース溶解液のゲル強度を調整する目
的及びスポンジ強度を調整する目的として、キトサンを
使用する事ができる。同様な効果の得られるポリビニル
アルコール、セルロース誘導体例えばメチルカルボキシ
ルセルロース、エチルカルボキシルセルロースおよびそ
のナトリュウム塩も使用できる。この目的で併用する原
料は、事前に粉体の状態で攪拌混合し、NMMO溶媒系
でセルロースとともに溶解する事が好ましい。この操作
によりセルロースの均質な溶解組成物を得る事ができ
る。配合割合としては、セルロース重量に対し0.05
重量部以上である。0.05重量部未満の場合、効果は
現れない。0.05重量部以上であれば、特に問題はな
くスポンジ体を形成する事ができる。
【0025】次に凝固浴にて凝固させ、脱液洗浄工程を
へて、粒子状、糸状、板状、マット状、不定形状、及び
フィラー状の各種形状をしたスポンジ成型体を完成す
る。凝固浴としては、[0016]項の液体が使用でき
る。但し、N−メチルモルフォリン−N−オキシドの配
合割合は、0重量部から70重量部の範囲であり、凝固
速度を高める目的で、溶液温度を10℃以下もしくは、
無機酸、有機酸、それらの塩化合物を添加する事ができ
る。
【0026】粒子状、板状、マット状、不定形状及びフ
ィラー状の各種形状をした溶媒再生セルローススポンジ
成型体を実施例により説明する。本発明の範囲は、これ
らの実施例によって、限定されるものではない。
【0027】
【実施例】実施例1 N−メチルモルフォリン−N−オキシド1水和物100
重量部に対しセルロース基材としてコットンを15重量
部、キトサン1重量部を粉砕したN−メチルモルフォリ
ン−N−オキシド1水和物と混合し、温度を85℃まで
加温し、30分間静置した。その後、アゾジカルボンア
ミド0.05重量部を加え120℃のグリセリン発泡浴
中に、押しだし滴下し発泡処理を行い、その後水中にて
脱液を行い溶媒再生セルローススポンジ成型体を得た。
成型体の形状は、押しだし形状により粒子状、板状、マ
ット状、不定形状及びフィラー状の各種形状とする事が
できた。
【0028】実施例2 粉砕したN−メチルモルフォリン−N−オキシド1水和
物100重量部に対しセルロース基材としてコットン1
5重量部、溶媒構成要素としてジメチルスルフォキシド
10重量部をN−メチルモルフォリン−N−オキシド1
水和物と混合し、温度を85℃まで加温し、30分間静
置した。その後、アゾジカルボンアミド0.05重量部
を加え120℃のジメチルスルフォキシド発泡浴中に押
しだし滴下し発泡処理を行った。その後水中にて脱液を
行い溶媒再生セルローススポンジ成型体を得た。成型体
の形状は、押し出し粒子状、板状、マット状、不定形状
及びフィラー状の各種形状とする事ができた。
【0029】実施例3 N−メチルモルフォリン−N−オキシド1水和物100
重量部に対しセルロース基材としてパルプ粉10重量
部、麻繊維1重量部を、粉砕したN−メチルモルフォリ
ン−N−オキシド1水和物と混合し、温度を85℃まで
加温し、30分間静置した。その後、75℃まで溶解物
の温度を低下させ機械攪拌を行い、その後10℃に冷却
した水中にて凝固・脱液を行い溶媒再生セルローススポ
ンジ成型体を得た。成型体形状は、凝固・脱液浴に投入
する前の形状を維持する。
【0030】実施例4 N−メチルモルフォリン−N−オキシド1水和物100
重量部に対しセルロース基材としてパルプ粉10重量
部、メチルセルロース1重量部を、粉砕したN−メチル
モルフォリン−N−オキシド1水和物と混合し、温度を
85℃まで加温し、30分間静置した。その後、65℃
まで溶解物の温度を低下させ炭酸アンモニュウム粉体を
攪拌混合し、115℃に加温したポリプロピレングリコ
ール発泡浴中に押し出し、又は滴下し発泡処理を行い、
その後水中にて脱液を行い溶媒再生セルローススポンジ
成型体を得た。成型体の形状は、押し出し形状により粒
子状、板状、マット状、不定形状及びフィラー状の各種
形状とする事ができた。
【0031】実施例5 N−メチルモルフォリン−N−オキシド1水和物100
重量部に対しセルロース基材としてパルプ粉10重量
部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1重量部、
グリセリン20重量部を、粉砕したN−メチルモルフォ
リン−N−オキシド1水和物と混合し、温度を85℃ま
で加温し、60分間静置した。その後、室温にて10時
間熟成後、10℃に冷却したエタノール10重量部を含
む水中にて脱液を行い溶媒再生セルローススポンジ成型
体を得た。成型体形状は、凝固・脱液浴に投入する前の
形状による。
【0032】実施例6 N−メチルモルフォリン−N−オキシド1水和物100
重量部に対しセルロース基材としてパルプ粉8重量部、
溶媒再生セルローススポンジ粉砕物2重量部を、粉砕し
たN−メチルモルフォリン−N−オキシド1水和物と炭
酸カルシュウム10重量部と混合し、温度を85℃まで
加温し、30分間静置した。その後、室温にて2時間熟
成後、10℃に冷却した無水酢酸5重量部を含む水中に
て凝固・脱液及び、溶解を行い溶媒再生セルローススポ
ンジ成型体を得た。成型体形状は、凝固・脱液浴に投入
する前の形状による。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、容易にさまざまな形状
の多孔質なセルローススポンジ成型体を得る事ができ
る。またセルロースの有効利用にも寄与する事のできる
溶媒再生セルローススポンジ成型体の製造方法であり、
多くの分野で利用可能な成型体である。
【0034】また本発明は、その製造工程及び製造段階
並びに再利用のすべてにわたり環境に配慮した溶媒再生
セルローススポンジ成型体の製造方法として有効利用さ
れるものである。
【0035】さらに、本発明は、セルロース成型体を形
成する段階で、多孔質なスポンジ体とする事により、N
−メチルモルフォリン−N−オキシドを含む溶媒を容易
に除去する事ができる。すなわち、本発明に係る溶媒再
生セルローススポンジ成型体の製造方法によれば、スポ
ンジ成型体となす為の溶媒完全除去に要する時間は、飛
躍的に短縮され、粒子状、糸状、板状、マット状、不定
形状及びフィラーをなす形状のミクロ、マクロな成型体
を任意に製造できる。
【0036】従来の方法、例えばビスコーススポンジの
製造方法に比べ、格段に工程が簡略化され付随する環境
対策を大幅に軽減する事ができる。セルロース成型体を
形成する場合、製造段階で積極的に多孔質化を図りセル
ロース溶媒除去を容易とする本発明の方法は、量産化、
安定した品質及び機能性付与を可能とし、紙及び不織布
の製造方法では難しい形状のセルロース製品の製造を可
能とし、廃棄物を含む天然セルロース資源の有効利用を
図る事ができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−メチルモルフォリン−N−オキシド
    を含むセルロース溶媒によるセルロース溶解物を、粒子
    状、板状、マット状、不定形状またはフィラー形状を有
    する多孔質なスポンジ体に形成したことを特徴とする溶
    媒再生セルローススポンジ成型体。
  2. 【請求項2】 セルロース基材を、N−メチルモルフォ
    リン−N−オキシドを含むセルロース溶媒系で溶解処理
    して得たセルロース溶解物を、粒子状、板状、マット
    状、不定形状またはフィラー形状を有する多孔質なスポ
    ンジ体に形成して溶媒再生セルローススポンジ成形体を
    得る製造方法であって、発泡剤をセルロース溶解前、セ
    ルロース溶解中または溶解後に添加し、その後、発泡温
    度までセルロース溶解物の温度を上昇させスポンジ体を
    形成し、凝固処理、溶媒除去を行い溶媒再生セルロース
    スポンジ成型体を得ることを特徴とする溶媒再生セルロ
    ーススポンジ成型体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、発泡剤を発泡温度ま
    で上昇させスポンジ体を形成させる為に発泡浴工程を経
    ることを特徴とする請求項2記載の溶媒再生セルロース
    スポンジ成型体の製造方法。
  4. 【請求項4】 セルロース溶解物を一定温度のもとで熟
    成し、その後溶媒除去を行い、スポンジ体を形成するこ
    とを特徴とする請求項2または3記載の溶媒再生セルロ
    ーススポンジ成型体の製造方法。
  5. 【請求項5】 炭酸カルシュウム粉末をセルロース溶解
    前、セルロース溶解中または完了後に添加し、その後酸
    性処理浴にて炭酸カルシュウム微粉末を溶解除去するこ
    とを特徴とする請求項2、3または4記載の溶媒再生セ
    ルローススポンジ成型体の製造方法。
  6. 【請求項6】 N−メチルモルフォリン−N−オキシド
    を含むセルロース溶解物のゲル粘度を調節し機械発泡処
    理を行うことを特徴とする請求項2、3、4または5記
    載の溶媒再生セルローススポンジ成型体の製造方法。
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Cited By (3)

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WO2003010232A1 (de) * 2001-07-25 2003-02-06 Financiere Elysee Balzac Celluloschwamm und verfahren zu dessen herstellung
WO2014201479A1 (de) 2013-06-19 2014-12-24 Lenzing Ag Neues umweltschonendes verfahren zur herstellung von schwämmen und schwammtüchern aus polysacchariden
WO2014201480A1 (de) 2013-06-19 2014-12-24 Lenzing Ag Neues umweltschonendes verfahren zur herstellung von schwämmen und schwammtüchern aus polysacchariden

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WO2003010232A1 (de) * 2001-07-25 2003-02-06 Financiere Elysee Balzac Celluloschwamm und verfahren zu dessen herstellung
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