JPH11279218A - 重合体中の揮発性物質除去方法 - Google Patents

重合体中の揮発性物質除去方法

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JPH11279218A
JPH11279218A JP7868698A JP7868698A JPH11279218A JP H11279218 A JPH11279218 A JP H11279218A JP 7868698 A JP7868698 A JP 7868698A JP 7868698 A JP7868698 A JP 7868698A JP H11279218 A JPH11279218 A JP H11279218A
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JP
Japan
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polymer
devolatilization
devolatilization vessel
devolatilization tank
volatile material
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Application number
JP7868698A
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English (en)
Inventor
Masakatsu Ota
正勝 大田
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶液重合又は塊状重合にて得られたスチレン
系重合体等に含まれる揮発性物質を脱揮槽にて除去する
にあたり、脱揮槽は単段でありながら、投入する重合体
中の揮発性物質濃度も低くする必要がなく、しかも低濃
度を効率的に達成することができる除去方法の提供。 【解決手段】 重合体からの脱揮を以下の条件で行な
う。 (1)脱揮槽へ投入する重合体の温度を200〜280
℃とする。 (2)脱揮槽内の圧力を1〜20mmHgとする。 (3)脱揮槽へ投入する重合体中の揮発性物質濃度X
(重量%)を、20>X>(重量平均分子量)2 ×5.2
×10-11 とする。。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合体中の揮発性
物質除去方法に関し、詳しくは、溶液重合又は塊状重合
にて得られたスチレン系重合体中の揮発性物質を単段で
しかも効率よく除去するに好適な方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】単量体の重合において、特に溶液重合法
や塊状重合法などによる重合においては、一般に、重合
体中には未反応単量体や溶剤などの揮発性物質が含まれ
ている。このような揮発性物質は、重合体の品質の低下
や劣化をもたらし、さらには、この重合体を成形するこ
とにより得られた製品の品質を悪化させるため、この揮
発性物質を品質に影響を与えない程度まで除去する必要
がある。そのため、重合工程から移送された重合体を揮
発性物質除去装置によって処理することが行われてい
る。
【0003】重合体中の揮発性物質を除去する方法とし
ては、高温下での重合体の品質劣化を抑制し、効率よく
除去することが必要とされ、これまで様々な装置や方法
が提案されている。一般的な方法としては、脱揮槽を直
列に多段に並べ脱揮する多段式脱揮方法が採用されてい
る。例えば、2段で行なう場合、最初の脱揮槽にてでき
るだけ多くの揮発性物質を粗取りし、揮発性物質をでき
るだけ低い濃度にして、次の脱揮槽に送り、そこではよ
り高温、高真空の条件により低濃度を達成させる方法で
ある。後段の脱揮槽に送られる重合体中の揮発性物質を
できるだけ低くすることにより、後段の脱揮槽ではその
負荷を軽減することができ、その結果、低濃度レベルの
達成が可能になるとされてきた。
【0004】さらには、脱揮効率のより向上を目的とし
て、かかる多段連結方法に加えて、脱揮時に発泡剤や水
を添加したり、超音波を照射することも行なわれてきた
(特開平02−020992号公報,特開平07−18
8326号公報等)。しかしながら、これらの方法で
は、複数の槽を必要とするため、その設備コストが多大
になり、また第一段でできるかぎり低濃度にする必要が
あるため、エネルギー消費の点でも非常に不利なもので
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたもので、多段の脱揮槽を必要とせず、脱揮槽
は単段でありながら、投入する重合体中の揮発性物質濃
度も低いものにする必要がなく、しかもその上で500
ppm以下という低濃度を効率的に達成することができ
る重合体中の揮発性物質の除去方法の提供を目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決しようとする手段】本発明者は上記課題に
つき鋭意検討した結果、重合体中の揮発性物質の除去の
メカニズムについて、フラッシユ蒸発と内部拡散移動後
の表面蒸発の2種類あることに着目し、フラッシユ蒸発
における条件を最適化することにより、上記の目的を達
成できることを見出し、発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、重合体、特に溶液重
合又は塊状重合にて得られたスチレン系重合体中の揮発
性物質を脱揮槽、好ましくはプレートフィン型熱交換器
又は多管式熱交換器を有する脱揮槽にて除去するにあた
り、以下の条件にて行なうことを特徴とする重合体中の
揮発性物質除去方法を提供するものである。 (1)脱揮槽へ投入する重合体の温度を200〜280
℃とすること。 (2)脱揮槽内の圧力を1〜20mmHgとすること。 (3)脱揮槽へ投入する重合体中の揮発性物質濃度X
(重量%)が下記式を満たしていること。
【0008】20>X(重量%)>(重量平均分子量)
2 ×5.2×10-11
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて詳細に説明する。 1.本発明が対象とする重合体 本発明が対象とする重合体については、特に制限はない
が、溶液重合又は塊状重合にて得られたスチレン系重合
体がより好適に適用される。このスチレン系重合体とし
ては、例えばスチレン,ビニルトルエン,α−メチルス
チレンなどのスチレン系モノマーの単独重合体又はこれ
ら二種以上から得られた共重合体、あるいは上記スチレ
ン系モノマーとアクリロニトリル,アクリル酸メチル,
メタクリル酸メチルなどのモノマーとの共重合体、スチ
レン系モノマーと共重合可能なゴム状物との共重合体な
どが挙げられる。 2.本発明にかかる揮発性物質除去方法 (1)用いられる脱揮槽 用いられる脱揮槽については、特に制限はない。攪拌装
置やポリマー溶液を液滴に分散させる設備等は特に必要
ではないが、伝熱効率及び圧力損失の点から公知のプレ
ートフィン型熱交換器又は多管式熱交換器を槽の上部や
内部に備えたものが好ましい。さらには脱揮槽内の温度
を調節できるようジャケット等の設備を備えていること
が望ましい。 (2)以下の条件にて行なうことが必要である。
【0010】脱揮槽へ投入する重合体の温度を200
〜280℃とすること。200℃未満では揮発性物質の
蒸気圧が低く、低濃度の達成が困難になるおそれがあ
り、280℃を超えると重合体の熱劣化や熱分解が生じ
やすく、かかる分解により低分子量成分が発生し逆に揮
発性物質が増大するおそれがある。さらには、該脱揮槽
内の温度も投入された重合体の温度が200〜280℃
を維持できるよう温度調節されていることが望ましい。
【0011】脱揮槽内の圧力を1〜20mmHgとす
ること。1mmHg未満では、かかる真空度を得るため
に必要な真空ポンプ等の装置が巨大なものになり設備的
に不利となる。20mmHgを超えると、平衡温度が高
くなり効率の低下や重合体の熱劣化につながることがあ
る。 脱揮槽へ投入する重合体中の揮発性物質濃度X(重量
%)が下記式を満たしていること。
【0012】20>X(重量%)>(重量平均分子量)
2 ×5.2×10-11 20%を超えると、脱揮と同時に蒸発潜熱が奪われ、そ
のため重合体の温度が低下し、効率が低下するおそれが
ある。また、{(重量平均分子量)2 ×5.2×1
-11 }の値より大きいことが必要である。脱揮は、揮
発性物質が発泡することにより行なわれるというフラッ
シュ蒸発の寄与が大きく、本発明はかかるメカニズムに
着目することによりなされたものであるが、フラッシュ
蒸発においては、その蒸発効率は分子量が大きいと低下
し、存在する揮発性物質の量が多いほど向上するが予測
できる。よって、蒸発効率を向上させ、効率的に脱揮す
るためには、重合体の中の揮発性物質の量は、重量平均
分子量に関係する上記に示した下限値以上であることが
必要である。 (3)さらには、脱揮槽に投入される重合体の粘度は、
投入条件下において12,000ポイズ未満であることが
望ましい。12,000ポイズを超えると、フラッシュ時
に破泡が生じにくく、脱揮効率が低下するおそれがあ
る。 (4)また、本発明の方法においては、重合体に低沸点
発泡性物質0.1〜1重量%を添加し、混合分散させたの
ち、これを脱揮槽に供給してもよい。この際、低沸点発
泡性物質としては、重合体中に含まれるモノマーや溶剤
よりも沸点が低く、かつ重合体に悪影響を及ぼさないも
のであればよく、特に制限はない。このような低沸点発
泡性物質としては、例えば水,アセトン,メチルエチル
ケトン,メタノール,エタノール,プロパノール,ブタ
ノールなどが挙げられ、これらは単独で用いてもよく、
二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】このような低沸点発泡性物質を重合体中に
混合分散することにより、揮発性物質と共にフラッシュ
蒸発し、揮発性物質が効果的に脱揮される。この低沸点
発泡性物質の量が、重合体に対して0.1重量%未満では
それを加えた効果が充分に発揮されず、また1重量%を
超えるとその量の割には効果の向上が認められず、むし
ろエネルギー消費量が多くなり、経済的に不利となる。
効果及び経済性を考慮すると、この低沸点発泡性物質の
好ましい量は、重合体に対して0.3〜0.6重量%の範囲
である。
【0014】
【実施例】以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。 〔実施例1〕管内径7φ,長さ1.2mのチューブ13本
を有する多管式熱交換器を内部に有する脱揮槽を用い
た。重合体中の揮発性物質濃度(重量%)は4.3重量%
であり、投入される重合体の温度は248℃,粘度は
5,000ポイズ,重量平均分子量は240,000とし
た。脱揮槽内の圧力は5mmHgとし、脱揮槽への重合
体の投入量は15リットル/時間とした。連続的に運転
し、運転が定常状態になったときに、脱揮槽出口から重
合体をサンプリングし、重合体中の揮発性物質の濃度
(ppm)を測定した。結果は450ppmであった。
【0015】なお、重合体はエチルベンゼン及びスチレ
ンを揮発性物質として含有するスチレン系重合体の溶融
物である。エチルベンゼンとスチレンの比は1:2(重
量比)である。 〔実施例2,3及び比較例2,3〕伝熱面積が0.4m2
のプレートフィン型熱交換器を内部に有する脱揮槽を用
いた。重合体中の揮発性物質濃度(重量%)、投入され
る重合体の温度,粘度,重量平均分子量、脱揮槽内の圧
力、脱揮槽への重合体の投入量は表1に示した値にした
以外は実施例1と同様に行なった。
【0016】結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】〔実施例4,5及び比較例1,4,5〕管
内径7φ,長さ1.2mのチューブ13本を有する多管式
熱交換器を内部に有する脱揮槽を用いた。重合体中の揮
発性物質濃度(重量%)、投入される重合体の温度,粘
度,重量平均分子量、脱揮槽内の圧力、脱揮槽への重合
体の投入量は表1に示した値にした以外は実施例1と同
様に行なった。
【0019】結果を表1に示す。
【0020】
【発明の効果】本発明の重合体中の揮発性物質除去方法
により、多段の脱揮槽を必要とせず、脱揮槽は単段であ
りながら、投入する重合体中の揮発性物質濃度も低いも
のにする必要がなく、しかもその上で500ppm以下
という低濃度を効率的に達成することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合体中の揮発分を脱揮槽にて除去する
    にあたり、以下の条件にて行なうことを特徴とする重合
    体中の揮発性物質除去方法。 (1)脱揮槽へ投入する重合体の温度を200〜280
    ℃とすること。 (2)脱揮槽内の圧力を1〜20mmHgとすること。 (3)脱揮槽へ投入する重合体中の揮発性物質濃度X
    (重量%)が下記式を満たしていること。 20>X(重量%)>(重量平均分子量)2 ×5.2×1
    -11
  2. 【請求項2】 重合体が溶液重合又は塊状重合にて得ら
    れたスチレン系重合体である請求項1に記載の揮発性物
    質除去方法。
  3. 【請求項3】 脱揮槽がプレートフィン型熱交換器又は
    多管式熱交換器を有するものである請求項1又は2に記
    載の揮発性物質除去方法。
JP7868698A 1998-03-26 1998-03-26 重合体中の揮発性物質除去方法 Pending JPH11279218A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008111119A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Rohm & Haas Co ポリマー分散物のストリッピング方法

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Effective date: 20040830