JPH11279039A - 口腔用組成物 - Google Patents

口腔用組成物

Info

Publication number
JPH11279039A
JPH11279039A JP10085857A JP8585798A JPH11279039A JP H11279039 A JPH11279039 A JP H11279039A JP 10085857 A JP10085857 A JP 10085857A JP 8585798 A JP8585798 A JP 8585798A JP H11279039 A JPH11279039 A JP H11279039A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
extract
ethanol
collagenase
composition
oral cavity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10085857A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunio Takahashi
邦夫 高橋
Tomonari Kanetani
友成 金谷
Akihiko Nishijima
明彦 西嶋
Toshiharu Iwaoka
敏晴 岩岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SAISEIDO YAKUHIN KK
Original Assignee
SAISEIDO YAKUHIN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SAISEIDO YAKUHIN KK filed Critical SAISEIDO YAKUHIN KK
Priority to JP10085857A priority Critical patent/JPH11279039A/ja
Publication of JPH11279039A publication Critical patent/JPH11279039A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 常用しても安全であり、抗菌性やコラゲナー
ゼ阻害作用に関して薬効の高い口腔用組成物を提供する
こと。 【解決手段】 本発明者らは、古来より使用されて安全
性が周知となっている生薬類植物のエキスに着目し、そ
の抗菌性について鋭意検討した結果、特定種類の植物か
ら抽出したエキスの組合せ組成が歯周症原因菌に対して
薬効を発揮することを見出したのである。すなわち、本
発明に係る口腔用組成物は、カンゾウ,キキョウ,キジ
ツ,シャクヤク,ショウキョウ,タイソウからなる群か
ら選ばれる2種または3種以上の生薬から抽出したエキ
スを有効成分として含んでなることを要旨としている。
また、前記の口腔用組成物におけるエキスが極性溶媒に
より抽出されていることを要旨とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯周病の予防や治
療に有用に用いられる口腔用組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、歯肉炎や歯周炎などの歯周病
は、歯垢や歯周ポケットに棲息するStreptococcus muta
nsなどの歯周病原因菌による感染症であることが知られ
ている。かかる歯周病の予防や治療には、従来より合成
薬の口腔内殺菌剤や抗生物質が用いられてきた。前記の
口腔内殺菌剤としては、塩化セチルピリジニウムや塩酸
クロルヘキシジンなどが知られているが、高濃度使用の
場合はアレルギーを引き起こすおそれがあるため、配合
量は低濃度に限られている。抗生物質としては、テトラ
サイクリンやミノサイクリンなどが知られており、これ
らは即効性があって薬効が大であるが、常用すると耐性
菌出現のおそれがある。
【0003】このような問題点を解消するものとして、
古来より知られている生薬を利用することが考えられ
る。因みに、口腔内で防臭を含め作用する生薬として
は、一般に、アマチャ,イチョウ,オウレン,オウバ
ク,カンゾウ,キキョウ,キジツ,ケイヒ,ゴミシ,シ
ャクヤク,ショウキョウ,ショウマ,スオウ,タイソ
ウ,チョウジ,ビンロウジ,ボタンピ,その他多種類が
知られている。
【0004】これら生薬を利用した口腔用組成物のう
ち、カンゾウの有効成分を用いたものとしては、例えば
特開平6−157259号公報に開示されている。更
に、キキョウの有効成分を利用したものとして例えば特
開昭61−36215号公報に、キジツの有効成分を利
用したものとして例えば特開平6−40867号公報
に、シャクヤクの有効成分を利用したものとして例えば
特開平4−95020号公報に、ショウキョウの有効成
分を利用したものとして例えば特開平3−220117
号公報に、それぞれ開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記各
公報に開示されている口腔用組成物は、カンゾウ,キキ
ョウ,キジツ,シャクヤク,ショウキョウを個々に含ん
でいるが、これらを2種以上含んでいるものはなかっ
た。そのため、抗菌性などの薬効が思ったよりも低く、
実用的でないものが多い。本発明は、上記した従来の問
題点に鑑みてなされたものであって、常用しても安全で
あり、抗菌性やコラゲナーゼ阻害作用に関する薬効の高
い口腔用組成物の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、古来より
使用されて安全性が周知となっている生薬類植物のエキ
スに着目し、その抗菌性について鋭意検討した結果、特
定種類の植物から抽出したエキスの組合せ組成が歯周病
原因菌に対して薬効を発揮することを見出し、本発明を
完成するに至ったのである。すなわち、本発明に係る口
腔用組成物は、カンゾウ,キキョウ,キジツ,シャクヤ
ク,ショウキョウ,タイソウからなる群から選ばれる2
種または3種以上の生薬から抽出したエキスを有効成分
として含んでなることを要旨としている。また、前記の
口腔用組成物におけるエキスが極性溶媒により抽出され
ていることを要旨としている。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の生薬に用いる植物は、カ
ンゾウ(甘草、Glycyrrhiza uralensis Fisher、マメ科
ウラルカンゾウ、Glycyrrhiza glabra Linne、マメ科ナ
ンキンカンゾウ、またはその他同属植物の根及びストロ
ン),キキョウ(桔梗、Platycodon grandiflorum A.De
Candolle 、キキョウ科キキョウの根),キジツ(枳
実、Citrus aurantium Linne var.daidai Makino、Citr
us aurantium Linne、ミカン科ダイダイ、またはCitrus
natsudaidai Hayata 、ミカン科ナツミカンの未熟果
実)、シャクヤク(芍薬、Paeonia lactiflora Pallas
、ボタン科シャクヤクの根)、ショウキョウ(生姜、Z
ingiber officinale Roscoe、ショウガ科ショウガの根
茎)、またはタイソウ(大棗、Zizyphus jujuba Miller
var. inermis Rehder、クロウメモドキ科ナツメの果
実)が挙げられる。これらは2種または3種以上が組み
合わせて用いられる。
【0008】本発明の口腔用組成物を調製するには、ま
ず、2種または3種以上の生薬の混和物に所定容量の溶
媒を加えて抽出する。抽出は所定温度に加熱した条件下
でもよく、あるいは室温下でも構わない。抽出完了後に
ろ過してろ液を得、このろ液を濃縮乾固してエキスを得
る。このように抽出したエキスには、口腔用組成物の有
効成分が含まれている。
【0009】本発明による生薬エキスの抽出に極性溶媒
を用いる場合は、例えば、水、メタノール,エタノー
ル,イソプロパノールなどのアルコール、またはこれら
アルコールの水溶液、エチルエーテルなどのエーテル類
が挙げられる。なかでも、エタノールまたはエタノール
水溶液で抽出するのが、口腔内における安全性および薬
効上の観点から最も好ましい。
【0010】本発明の口腔用組成物には上記した生薬の
有効成分のみならず、必要に応じて、各種公知の成分を
配合することができる。これらの公知成分としては、フ
ッ化ナトリウム,モノフルオロリン酸ナトリウム,アラ
ントイン,トラネキサム酸,ビタミンC,ビタミンE,
食塩,クロルヘキシジン塩,セチルピリジニウム塩,リ
ゾチーム,デキストラナーゼ,ムタナーゼ,プロテアー
ゼ,アミラーゼ,グリチルレチン酸塩などの有効成分、
水酸化アルミニウム,ピロリン酸カルシウム,炭酸カル
シウム,ゼオライト,シリカゲル類,アルミノシリケー
ト類などの研磨剤、カラギーナン,グアガム,カルボキ
シメチルセルロースナトリウム,ヒドロキシエチルセル
ロース,ポリアクリル酸ナトリウム,アルギン酸ナトリ
ウム,アラビアゴムなどの粘結剤、ポリオキシエチレン
−ポリオキシプロピレンブロック共重合体,ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸
エステル,アシルグルタミン酸ナトリウム,ショ糖脂肪
酸エステル,ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの界
面活性剤、ブドウ糖,乳糖,白糖などの賦形剤、カルボ
キシメチルセルロースナトリウム,結晶セルロースなど
の崩壊剤、グリチルリチン,サッカリンナトリウムなど
の甘味剤、クロロフィリンナトリウム,天然クロロフィ
ル,L−メントールなど他の有効成分、または、香料剤
その他を挙げることができる。
【0011】本発明の口腔用組成物は、前述した種々の
成分を適宜配合して常法により製造でき、歯周病予防な
どの目的で使用される。すなわち、本発明の口腔用組成
物は、口腔内の粘膜から吸収されて歯肉の修復や歯周病
の予防などを行う外用剤としての、例えば歯磨剤(練
状、粉状、液状など)、口腔用トローチ、キャンディ、
マウスウオッシュ、マウススプレー、チューインガム、
歯肉マッサージクリームなどに好適に用いることができ
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳しく説明す
る。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 〔実施例1〕生薬としてカンゾウ,キキョウ,キジツ,
シャクヤク,ショウキョウ,タイソウの6種類を原料と
し、極性溶媒として精製水,エタノール(特級試薬),
30%エタノール(30vol%の水溶液、以下同
様),エチルエーテル(特級試薬)をそれぞれ用いて口
腔用組成物を調製した。 (1) 水製エキス それぞれ適当な大きさに切断したカンゾウ,キジツ,シ
ャクヤク,タイソウ各30g、キキョウ40g、ショウ
キョウ10gの混和物170gに、精製水1.7L(混
和物重量に対し10倍容量)を加え、わずかに煮沸する
程度で1時間煎出してろ過し、ろ液を凍結乾燥してエキ
ス72.3gを得た。 (2) 30%エタノールエキス タイソウを除く(1) と同じ種類の生薬を粉末にしたもの
及び適当な大きさに切断したタイソウを(1) と同じ配合
割合で混合した混和物170gを原料とし、30%エタ
ノール1.7L(混和物重量に対し10倍容量:1次抽
出)を加えて、室温で2日間抽出した後ろ過してろ液を
得る。ろ別残留物は更に30%エタノール0.85L
(混和物重量に対し5倍容量:2次抽出)を加えて室温
で1日間抽出し、同様にろ過してろ液を得る。これらの
ろ液を合わせ、減圧乾固してエキス61.7gを得た。 (3) エタノールエキス (2) と同じ種類の生薬を同じ配合割合で混合した混和物
850gを原料とし、エタノール8.5Lを加えて、室
温で2日間抽出し、ろ過してろ液を得る。ろ別残留物は
更にエタノール4.25Lを加えて室温で1日間抽出
し、同様にろ過してろ液を得る。これらのろ液を合わ
せ、減圧乾固してエキス87.1g(混和物170g換
算でエキス17.4g)を得た。 (4) エーテルエキス (2) と同じ種類の生薬を同じ配合割合で混合した混和物
1020gを原料とし、エチルエーテル10.2Lを加
えて、室温で2日間抽出し、ろ過してろ液を得る。ろ別
残留物は更にエチルエーテル5.1Lを加えて室温で1
日間抽出し、同様にろ過してろ液を得る。これらのろ液
を合わせ、乾固してエキス15.2gを得た。
【0013】〔実施例2〕 (1) 水製エキス それぞれ適当な大きさに切断したキジツ,シャクヤク各
50g、キキョウ20gの混和物120gに精製水1.
2Lを加えた以外は実施例1(1) と同様に処理してエキ
ス46.7gを得た。 (2) 30%エタノールエキス (1) と同じ種類の生薬を粉末にしたものを(1) と同じ配
合割合で混合した混和物120gを原料とし、30%エ
タノール1.2L(1次抽出)と0.6L(2次抽出)
を加えた以外は、実施例1(2) と同様に処理してエキス
38.1gを得た。 (3) エタノールエキス (2) と同じ種類の生薬を同じ配合割合で混合した混和物
240gを砕いて粉末原料とし、エタノール2.4L
(1次抽出)と1.2L(2次抽出)を加えた以外は、
実施例1(3) と同様に処理してエキス34.7gを得
た。
【0014】〔実施例3〕それぞれ適当な大きさに切断
したカンゾウ30g、キキョウ50g、ショウキョウ1
0g、タイソウ60gの混和物150gに精製水1.5
Lを加えた以外は、実施例1(1) と同様に処理してエキ
ス83.9gを得た。 (2) 30%エタノールエキス タイソウを除く(1) と同じ種類の生薬を粉末にしたもの
及び適当な大きさに切断したタイソウを(1) と同じ配合
割合で混合した混和物150gを原料とし、30%エタ
ノール1.5L(1次抽出)と0.75L(2次抽出)
を加えた以外は、実施例1(2) と同様に処理してエキス
82.0gを得た。 (3) エタノールエキス (2) と同じ種類の生薬を同じ配合割合で混合した混和物
150gを原料とし、エタノール1.5L(1次抽出)
と0.75L(2次抽出)を加えた以外は、実施例1
(3) と同様に処理してエキス39.3gを得た。
【0015】〔実施例4〕実施例1で得た30%エタノ
ールエキスを用い、以下の処方により練歯みがきを調製
した。 「練歯みがき(100g中)」 実施例1で得たエキス 5.0g 塩化セチルピリジニウム 0.05g β−グリチルレチン酸 0.2g 歯磨用リン酸水素カルシウム 45.0g グリセリン 12.5g D−ソルビトール 12.5g ラウリル硫酸ナトリウム 0.5g カルメロースナトリウム 1.5g サッカリンナトリウム 0.1g 香料 0.5g パラオキシ安息香酸エチル 0.01g 精製水 適量
【0016】「評価方法」以下に述べる「歯周病原因菌
に対する抗菌活性評価」と「コラゲナーゼ阻害活性評
価」とにより、各実施例および各比較例を評価する。 (1) 歯周病原因菌に対する抗菌活性評価 〔試験法〕実施例1〜実施例3により得たそれぞれのエ
キスおよび実施例4の練歯みがきを試料として、下記に
示す歯周病原因菌に対する最小発育阻止濃度(以下,M
ICと略称する)を測定し、抗菌力を評価する。MIC
は、ブレイン・ハート・インフュージョン(BHIと略
称する)寒天培地を用いた寒天培地希釈法により測定し
た。試験は、先ずそれぞれの試料について2倍系列希釈
液を調製し、それぞれ1mLとBHI寒天培地9mLを
加えて良く混和し、固化する。別途、被検菌をBHI液
体培地を用い37℃で3日間、前培養して、生菌数が1
7 cfu/mLとなるように被検菌液を調製する。前
記のように調製した被検菌液10μL を上記のBHI寒
天培地にスポットし、37℃で3日間培養し、各被検菌
が生育できなくなった最小濃度を測定した。尚、測定は
2回行って、再現性を確認した。MICの評価に用いた
菌株は、Streptococcus mutans JCM5705、S.saliva
rius JCM5707、S.sanguis JCM5708 、Actinomyces
naeslundii JCM8349、S.pyogenes JCM5674、Actino
myces viscosus JCM8353、Actinobacillus actinomyc
etemcomitans JCM8577の7種類である。MICの試験結
果を表1に示す。尚、表1および後述の表2におけるM
IC評価欄の○数字は前記した○数字の菌株に対応して
いる。
【0017】
【表1】
【0018】表1から明らかなように、抗菌性(MI
C)は、総体的に実施例1>実施例4>実施例3>実施
例2の順で高く、同じ実施例内ではエーテル>エタノー
ル>30%エタノール水溶液>精製水により抽出したエ
キスの順であった。当然ながら、同じエキスであっても
菌種により薬効が異なっている。一方、エキス収率は、
30%エタノール水溶液または精製水>>エタノールま
たはエーテルで抽出した試料の順であった。すなわち、
30%エタノール水溶液や精製水を用いて抽出したほう
が溶媒の取扱いが安全かつ容易であり、製造コストが安
価ですむ。
【0019】(2) コラゲナーゼ阻害活性評価 コラゲナーゼはPorphyromonas gingivalisなどが産生す
るコラーゲン分解酵素であって、歯周組織を構成するコ
ラーゲン線維の破壊に多大な役割を果たすことが知られ
ている。従って、歯肉組織中におけるコラゲナーゼの活
性を極力抑えること(すなわち、コラゲナーゼ阻害活性
を大きくすること)が、歯周病の治療ならびに予防に貢
献する。 〔試験法〕コラゲナーゼ阻害活性は、市販のコラゲナー
ゼ活性測定キット(コラゲノキットCLN−100、コ
ラーゲン技術研修会(株)製)を用い、歯肉の結合組織
を破壊する細菌性コラゲナーゼのコラーゲン分解に対す
る実施例1〜実施例3のエキスのコラーゲン分解抑制を
測定して、阻害活性とした。
【0020】試験は、コラゲナーゼ活性測定キットによ
るコラゲナーゼ活性測定法に従い、蛍光標識コラーゲン
溶液200μL 、コラゲナーゼ溶液200μL に実施例
1〜実施例3のエキスの溶液100μL を添加して、3
5℃で2時間反応させ、分解したコラーゲンのみを選択
的に抽出し、蛍光分光光度計を用いてその蛍光強度を測
定して、コラゲナーゼ活性を算出する。また同時に、実
施例1〜実施例3のエキスを含まない溶液を用いて空試
験を行なう。この空試験のコラゲナーゼ活性を100と
し、実施例1〜実施例3のエキスの溶液の添加によるコ
ラゲナーゼ活性の低下を阻害活性とした。尚、測定は2
回行い、再現性を確認した。コラゲナーゼ活性測定結果
は、後述の表3〜表5に示す。
【0021】次に、本発明による実施例の比較対照とな
る比較例を示す。 〔比較例1〕カンゾウ単品を砕いて粉末原料とした以外
は、実施例1と同様に処理して、減圧乾固し、エキスを
得た。このエキスもエタノール,30%エタノールでそ
れぞれ抽出し、更にはメタノール(特級試薬)も用いて
抽出した。
【0022】〔比較例2〕から〔比較例6〕について
も、キキョウ,キジツ,シャクヤク,ショウキョウ,タ
イソウの単品を、それぞれ前記した比較例1と同様に処
理して各生薬単品のエキスを得、これらをMIC試験お
よびコラゲナーゼ阻害活性試験に供試したものである。
【0023】〔比較例7〕から〔比較例11〕までは、
合成薬であるところの、抗菌剤(塩化セチルピリジウ
ム),抗生物質(テトラサイクリン塩酸塩,セファレキ
シン,オフロキサシン),コラゲナーゼ阻害剤(ο−フ
ェナントロリン)について、それぞれのMICおよびコ
ラゲナーゼ阻害活性を測定したものである。これら合成
薬についてのMIC試験結果は表2に、コラゲナーゼ阻
害活性試験結果は表5にそれぞれ示す。
【0024】
【表2】
【0025】表2において、抗菌性(MIC)は、原料
として、カンゾウ単体>ショウキョウ単体>シャクヤク
単体>キジツ単体>タイソウ単体>キキョウ単体を用い
た順であり、同じ比較例内ではメタノールまたはエタノ
ール>30%エタノール水溶液により抽出したエキスの
順であった。そこで、抗菌性について実施例1〜3と比
較例1〜6を比べると、総体的に実施例1〜3のほうが
優れていることが判る。尚、カンゾウ単体(比較例1)
の抗菌性は秀越している。一方、合成薬(比較例7〜1
0)に関しては抗菌性が極めて大きく、即効性のよさが
顕著に現れている。
【0026】実施例1においてそれぞれ得た、水製エキ
ス,30%エタノールエキス,エタノールエキス、及び
実施例4のコラゲナーゼ阻害活性について、蛍光標識コ
ラーゲン溶液およびコラゲナーゼ溶液に対する添加量を
変えたときの阻害活性(%)の評価結果を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】表3中において、添加量はこの試験法にお
ける酵素反応液500μL に添加した試料量(mg)で
ある。また、表中の*印は、今回の試料添加量の添加レ
ベルでは、阻害活性が100%の試料添加量以上である
か、または阻害活性が10%以下であり、それ以下の試
料添加量では期待できないため、不必要であると考えて
測定しなかったものである。表3によれば、実施例1に
おけるコラゲナーゼ阻害活性は、エタノールエキス>3
0%エタノールエキス>水製エキスの順であった。但
し、30%エタノールエキスと水製エキスについては、
ほとんど有意差が認められない。また、実施例4の練歯
みがきによるコラゲナーゼ阻害活性は、実施例1の各エ
キスと比べると劣るが、30%エタノールエキス(実施
例1)を5%、塩化セチルピリジニウムを0.05%含
んでいることから、これらの相乗作用により相応の好ま
しい結果が得られている。
【0029】比較例1〜比較例6においてそれぞれ得
た、各生薬単品の30%エタノールエキスおよびエタノ
ールエキスのコラゲナーゼ阻害活性について、蛍光標識
コラーゲン溶液およびコラゲナーゼ溶液に対する添加量
を変えたときの阻害活性(%)の評価結果を表4に示
す。
【0030】
【表4】
【0031】表4中において、*印は実施例1によるエ
キスの場合と同様に、不必要であると考えて測定しなか
ったものである。また、**印は、試料の多くがバッフ
ァに溶けないため表示の添加量では測定不可能であった
ものである。そして、***印は、キジツの30%エタ
ノールエキスに係る試料において、エキスに由来する蛍
光が極めて強く、添加量5mgではコラーゲンの蛍光強
度の約3倍であったため、阻害活性値を省略したもので
ある。
【0032】表4から明らかなように、コラゲナーゼ阻
害活性は、原料としてシャクヤク単体>カンゾウ単体>
キジツ単体>キキョウ単体・ショウキョウ単体>タイソ
ウ単体を用いた試料の順であった。コラゲナーゼ阻害活
性について実施例1〜3と比較例1〜6を比べると、全
体的に実施例1〜3のほうが優れていることが判る。但
し、シャクヤク単体(比較例4)のコラゲナーゼ阻害活
性は秀越していた。
【0033】抗菌剤,抗生物質,コラゲナーゼ阻害剤の
コラゲナーゼ阻害活性について、蛍光標識コラーゲン溶
液およびコラゲナーゼ溶液に対する添加量を変えたとき
の阻害活性(%)の評価結果を表5に示す。
【0034】
【表5】
【0035】表5中において、CPCは塩化セチルピリ
ジニウムの英字略である。また、表中の*印は、実施例
1によるエキスの場合と同様に、不必要であると考えて
測定しなかったものである。
【0036】表5によれば、各種合成薬に係るコラゲナ
ーゼ阻害活性は、生薬由来のもの(実施例1〜4、比較
例1〜6)と比べ、圧倒的に高い結果を示している。す
なわち、これらの合成薬は、抗菌性はもとよりコラゲナ
ーゼ阻害活性も卓抜しており即効性が高いことがわか
る。但し、添加量を低く抑える必要があったり、耐性菌
出現のおそれが懸念される。
【0037】以下、トローチ,歯肉マッサージクリー
ム,マウスウォッシュについても、実施例1で得た30
%エタノールエキスを用い下記(実施例5〜7)の処方
(それぞれ、製品100gを構成する配合量で示す)で
調製した。これらの製品についても、MICおよびコラ
ゲナーゼ阻害活性の試験結果は比較的良好であり、実用
上、問題なく使用できることを確認した。
【0038】〔実施例5〕 「トローチ(100g中)」 実施例1で得たエキス 5.0g 白糖 77.3g アラビアゴム末 5.0g デキストリン 10.0g サッカリンナトリウム 0.1g 銅クロロフィリンナトリウム 0.1g ステアリン酸マグネシウム 2.0g 香料 0.5g
【0039】〔実施例6〕 「歯肉マッサージクリーム(100g中)」 実施例1で得たエキス 5.0g 白色ワセリン 10.0g ステアリルアルコール 5.0g プロピレングリコール 5.0g マクロゴール 4000 25.0g マクロゴール 400 35.0g 香料 0.5g 精製水 適量
【0040】〔実施例7〕 「マウスウォッシュ(100g中)」 実施例1で得たエキス 1.0g エタノール 10.0g ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0g グリセリン 5.0g サッカリンナトリウム 0.1g 香料 0.5g 精製水 適量
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る口腔用
組成物によれば、歯周病に薬効が認められる生薬のう
ち、特定の2種または3種以上を選別し組み合わせて用
いたことにより、それぞれの生薬のエキスが互いに相乗
効果を呈し、歯周病原因菌に対する抗菌作用とコラゲナ
ーゼ阻害作用について薬効の高いものが得られた。加え
て、生薬由来のエキスを有効成分としているので、常用
しても安全である。また、歯肉を修復するという付帯効
果が期待でき、排膿の効果も大であった。
【0042】そして、極性溶媒で抽出する場合はエキス
を多量に採取でき、工業的に大量生産できる。また、極
性溶媒のうち、水やアルコール水溶液を用いて抽出する
場合は、アルコール単体やエーテル単体で抽出する場合
と比べ多量のエキスを採取することができた。一方、ア
ルコール単体やエーテル単体で抽出する場合は、高い抗
菌性が得られている。
フロントページの続き (72)発明者 岩岡 敏晴 和歌山県和歌山市中ノ店中ノ丁9番地 剤 盛堂薬品株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カンゾウ,キキョウ,キジツ,シャクヤ
    ク,ショウキョウ,タイソウからなる群から選ばれる2
    種または3種以上の生薬から抽出したエキスを有効成分
    として含んでなることを特徴する口腔用組成物。
  2. 【請求項2】 エキスは極性溶媒により抽出されること
    を特徴とする請求項1に記載の口腔用組成物。
JP10085857A 1998-03-31 1998-03-31 口腔用組成物 Pending JPH11279039A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10085857A JPH11279039A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 口腔用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10085857A JPH11279039A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 口腔用組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11279039A true JPH11279039A (ja) 1999-10-12

Family

ID=13870557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10085857A Pending JPH11279039A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 口腔用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11279039A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001247469A (ja) * 2000-03-02 2001-09-11 Lotte Co Ltd 坑う蝕、歯周病剤、並びに該薬剤を含む口腔用組成物及び飲食品
JP2002020253A (ja) * 2000-07-05 2002-01-23 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd 口腔用組成物
JP2002255776A (ja) * 2001-03-01 2002-09-11 Kao Corp デオドラント剤
JP2004182728A (ja) * 2002-11-22 2004-07-02 Katsuro Tachibana 歯あるいは歯周組織への導入用薬剤および歯あるいは歯周組織への薬剤導入装置
JP2005008539A (ja) * 2003-06-17 2005-01-13 Fancl Corp マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤
JP2007238485A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Lotte Holdings Ltd メチオニナーゼ阻害剤及びそれを含有する口腔用組成物並びに飲食品
KR100835899B1 (ko) * 2006-12-12 2008-06-09 한국생명공학연구원 생강 추출물 또는 이로부터 분리된 진저롤을 포함하는치주질환의 예방 또는 치료용 조성물
JP2013512906A (ja) * 2009-12-04 2013-04-18 コルゲート・パーモリブ・カンパニー 天然抽出物の組み合わせを含有する口腔用組成物および関連する方法
JP2013512905A (ja) * 2009-12-04 2013-04-18 コルゲート・パーモリブ・カンパニー ジンギベル・オフィキナレの抽出物を含有する口腔用組成物および関連する方法
JP2017178906A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 小林製薬株式会社 口腔用組成物
EP3459555A4 (en) * 2016-05-18 2019-03-27 Nippon Zettoc Co., Ltd. COMPOSITION FOR BUCCAL USE

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5683416A (en) * 1979-12-11 1981-07-08 Lion Corp Composition for oral cavity
JPH0495020A (ja) * 1990-08-10 1992-03-27 Earth Chem Corp Ltd 酵素阻害剤
JPH0625000A (ja) * 1992-03-30 1994-02-01 Sunstar Inc プロテアーゼ阻害剤
JPH0640867A (ja) * 1992-07-27 1994-02-15 Kao Corp 口腔用組成物
WO1997035599A1 (en) * 1996-03-26 1997-10-02 Daewoong Pharmaceutical Co., Ltd. Composition for prevention and treatment of periodontal diseases

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5683416A (en) * 1979-12-11 1981-07-08 Lion Corp Composition for oral cavity
JPH0495020A (ja) * 1990-08-10 1992-03-27 Earth Chem Corp Ltd 酵素阻害剤
JPH0625000A (ja) * 1992-03-30 1994-02-01 Sunstar Inc プロテアーゼ阻害剤
JPH0640867A (ja) * 1992-07-27 1994-02-15 Kao Corp 口腔用組成物
WO1997035599A1 (en) * 1996-03-26 1997-10-02 Daewoong Pharmaceutical Co., Ltd. Composition for prevention and treatment of periodontal diseases

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001247469A (ja) * 2000-03-02 2001-09-11 Lotte Co Ltd 坑う蝕、歯周病剤、並びに該薬剤を含む口腔用組成物及び飲食品
JP4630416B2 (ja) * 2000-03-02 2011-02-09 株式会社ロッテ 坑う蝕、歯周病剤
JP2002020253A (ja) * 2000-07-05 2002-01-23 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd 口腔用組成物
JP4723738B2 (ja) * 2001-03-01 2011-07-13 花王株式会社 デオドラント剤
JP2002255776A (ja) * 2001-03-01 2002-09-11 Kao Corp デオドラント剤
JP2004182728A (ja) * 2002-11-22 2004-07-02 Katsuro Tachibana 歯あるいは歯周組織への導入用薬剤および歯あるいは歯周組織への薬剤導入装置
JP2005008539A (ja) * 2003-06-17 2005-01-13 Fancl Corp マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤
JP2007238485A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Lotte Holdings Ltd メチオニナーゼ阻害剤及びそれを含有する口腔用組成物並びに飲食品
KR100835899B1 (ko) * 2006-12-12 2008-06-09 한국생명공학연구원 생강 추출물 또는 이로부터 분리된 진저롤을 포함하는치주질환의 예방 또는 치료용 조성물
JP2013512906A (ja) * 2009-12-04 2013-04-18 コルゲート・パーモリブ・カンパニー 天然抽出物の組み合わせを含有する口腔用組成物および関連する方法
JP2013512905A (ja) * 2009-12-04 2013-04-18 コルゲート・パーモリブ・カンパニー ジンギベル・オフィキナレの抽出物を含有する口腔用組成物および関連する方法
JP2017178906A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 小林製薬株式会社 口腔用組成物
EP3459555A4 (en) * 2016-05-18 2019-03-27 Nippon Zettoc Co., Ltd. COMPOSITION FOR BUCCAL USE
US10603271B2 (en) 2016-05-18 2020-03-31 Nippon Zettoc Co., Ltd. Oral composition

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006199661A (ja) 共凝集阻害剤
US20090185987A1 (en) Herbal dental care composition, method of manufacturing the same and use thereof
US7829067B2 (en) Method and composition for treating oral bacteria and inflammation
JP2009514789A (ja) 口腔ケア組成物
KR101814268B1 (ko) 홍삼 에탄올 추출물의 컬럼 정제 분획물을 포함하는 구강 세균 억제용 조성물
JPH11279039A (ja) 口腔用組成物
JP3884808B2 (ja) 口腔用組成物
JPH08310931A (ja) グルコシルトランスフェラーゼ阻害剤および口腔清浄化剤
JP2003081800A (ja) 抗歯周病剤
WO2007020830A1 (ja) 口腔用組成物
JP2848688B2 (ja) 口腔用組成物
JP2011063556A (ja) 口腔内細菌の共凝集阻害剤及びそれを配合した口腔用組成物
KR102547873B1 (ko) 구강용 조성물
JP3008525B2 (ja) 口腔用組成物
JP2019196329A (ja) 歯周病予防口腔用組成物
KR101703269B1 (ko) 후박 추출물 및 중탄산염을 포함하는 구강 관리용 조성물
JP2010018546A (ja) コラゲナーゼ阻害剤、皮膚外用剤、口腔用組成物及び食品
JP6291151B2 (ja) 口腔用組成物
Alemeye et al. Antimicrobial activities and formulations of the extracts of chewing sticks commonly used in Ethiopia for oral cleansing
JP3319748B2 (ja) う蝕防止剤
JP6574150B2 (ja) 口腔用組成物
JP3281716B2 (ja) グルコシルトランスフェラーゼ阻害剤、口腔用剤および飲食物
JP2001097835A (ja) 抗う蝕剤
KR20150047704A (ko) 광물성 무독황을 포함하는 구강용 치약 조성물 및 이의 제조방법
KR0149483B1 (ko) 생약추출물을 함유한 구상위생 증진용 조성물