JPH1127688A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JPH1127688A
JPH1127688A JP9195040A JP19504097A JPH1127688A JP H1127688 A JPH1127688 A JP H1127688A JP 9195040 A JP9195040 A JP 9195040A JP 19504097 A JP19504097 A JP 19504097A JP H1127688 A JPH1127688 A JP H1127688A
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JP
Japan
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hue
color
image
vector
processing
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Pending
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JP9195040A
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English (en)
Inventor
Shoichi Usui
正一 碓井
彰博 ▲高▼島
Akihiro Takashima
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、画像処理装置に関し、例えば映像素
材の編集現場にて使用されるカラーコレクタに適用し
て、自由度の高い処理を実行する場合でも、簡易な操作
により所望の処理を実行することができるようにする。 【解決手段】3次元色空間における処理対象画像の画素
をuv平面に投影した色分布画像AR2を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理装置に関
し、例えば映像素材の編集現場にて使用されるカラーコ
レクタに適用することができる。本発明は、3次元色空
間における処理対象画像の画素をuv平面に投影した色
分布画像を表示することにより、簡易な操作で自由度の
高い処理を実行できるようにする。
【0002】
【従来の技術】放送局等の映像素材の編集現場において
は、画像処理装置でなるカラーコレクタを用いて、映像
信号の信号レベルを補正することにより、色温度、色調
等を調整するようになされている。
【0003】すなわちカラーコレクタは、プライマリー
処理及びセカンダリー処理できるように構成されてお
り、プライマリー処理によりホワイトレベル、ブラック
レベル、ガンマ補正等の輝度レベルを中心にした映像信
号の信号レベルを補正する。またセカンダリー処理によ
り色ベクトルでなる色相を中心にした映像信号の信号レ
ベルを補正する。
【0004】編集現場においては、これらの処理によ
り、例えば異なる日時に記録した編集素材間の色温度の
ばらつき等を補正する。このため編集現場において、処
理結果を確認しながら、例えば素材間のばらつきが殆ど
分からなくなるように、繰り返しプレビューしてこれら
処理の特性を設定するようになされている。
【0005】このようなカラーコレクタは、ゲートアレ
イ等を用いて作成されたハードウエア構成による装置
と、演算処理によるソフトウエア構成の装置とがあり、
リアルタイム処理が求められる放送現場等においては、
ハードウエア構成による装置が主に使用されるようにな
されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のカラ
ーコレクタは、ソフトウエア構成及びハードウエア構成
による装置の双方で、処理対象として設定可能な色彩
(ソースベクトルでなり、一般に赤、緑、青、黄、シア
ン、マゼンタの6色である)及びその数が限られ、その
分細かな色相の調整が制限される。さらにこれらのソー
スベクトルに対して、補正する範囲、補正の程度等の特
性の調整も制限される。
【0007】これにより従来のカラーコレクタは、自由
度の高い処理を実行できない欠点があった。
【0008】この問題を解決する1つの方法として、ル
ックアップテーブルを用いたハードウエア構成により映
像信号の信号レベルを補正し、このルックアップテーブ
ルの内容をオペレータの設定により種々に変更すること
が考えられる。すなわち、このようにルックアップテー
ブルにより映像信号の信号レベルを補正すれば、このル
ックアップテーブルの設定により、所望の色彩をソース
ベクトルに設定でき、またソースベクトルの数、補正す
る範囲等も種々に設定することができ、これにより自由
度の高い処理を実行できると考えられる。
【0009】ところがこのように自由度の高い処理を実
行できるようにすると、その分オペレータにおいて、処
理の程度等を正確に把握することが困難になり、操作が
煩雑になる恐れがある。
【0010】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、簡易な操作で、自由度の高い処理を実行することが
できる画像処理装置を提案しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、3次元色空間で表される処理対象
画像の画素を、uv平面に投影してなる色分布画像を表
示する。
【0012】また処理対象画像上において指定を受けた
画素に対応する箇所にマーカーを表示し、又は色見本を
表示し、さらには対応する補正後の色相を示す処理結果
の色見本を表示する。また重み付け関数の形状を表示
し、補正の範囲、基準色相、基準色相に対応する補正に
よる色相、補正された後の色相の範囲を表示する。
【0013】3次元色空間で表される処理対象画像の画
素を、uv平面に投影してなる色分布画像を表示すれ
ば、色相及び彩度に応じた位置に各画素が投影されるこ
とになり、これにより各画素の分布を視覚的に把握する
ことができる。これにより自由度の高い処理により処理
対象画像の色相を補正する場合でも、処理対象画像の色
彩を把握して簡易な操作により種々に処理することがで
きる。
【0014】これによりマーカー、色見本等を表示し
て、処理の前後関係等を容易に把握することができる。
【0015】 〔発明の詳細な説明〕
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しながら本
発明の実施の形態を詳述する。
【0016】(1)第1の実施の形態 (1−1)全体構成 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る編集装置を示
すブロック図である。この編集装置1は、画像処理用の
ボードをコンピュータに配置して構成され、オペレータ
の操作に応動してハードディスク装置(HDD)2に種
々の映像信号を記録し、またこの記録した映像信号を編
集して外部機器に出力する。このとき編集装置1は、ハ
ードディスク装置2に記録された映像信号をカラーコレ
クタ部3により補正して、ハードディスク装置2に記録
し、また必要に応じて外部機器に出力する。なおこの編
集装置1は、他に、特殊効果部、ミキサー部、スイッチ
ャー部を有し、これら各部の動作を制御して編集処理に
求められる種々の処理を実行できるようになされてい
る。
【0017】すなわちハードディスク装置2は、バスB
USを介して入力される制御コマンドに応動して動作を
切り換え、この編集装置1の編集に必要な映像信号を記
録し、また記録した映像信号を出力する。フレームバッ
ファ4は、同様にバスBUSを介して入力される制御デ
ータにより動作を切り換え、順次入力される映像信号S
V1を蓄積してカラーコレクタ部3、モニタ9に出力す
る。
【0018】さらにフレームバッファ4は、オペレータ
によるカラーコレクタ部3の条件設定時、オペレータの
選択に応動して、映像信号SV2を構成する1フレーム
分の画像データを静止画像として蓄積保持し、必要に応
じて出力する。これにより編集装置1では、実際の処理
時、さらには処理条件の設定時、カラーコレクタ部3に
よる処理前の映像をモニタ9で確認できるようになされ
ている。
【0019】カラーコレクタ部3は、フレームバッファ
4より映像信号SV2を受け、オペレータの設定した特
性によりプライマリー処理、セカンダリー処理して出力
する。
【0020】フレームバッファ8は、このカラーコレク
タ部3より出力される映像信号SV3を蓄積すると共
に、所定のタイミングでハードディスク装置2、モニタ
9に出力する。これにより編集装置1では、カラーコレ
クタ部3で処理した映像信号SV3をモニタ9により確
認し、またハードディスク装置2に記録するようになさ
れている。
【0021】またフレームバッファ8は、オペレータに
よるカラーコレクタ部3の条件設定時、フレームバッフ
ァ4に保持された静止画像のカラーコレクタ部3による
処理結果を保持し、中央処理ユニット10の制御により
モニタ9に出力する。これにより編集装置1では、処理
前後の画像をモニタ9により確認しながら、処理条件を
設定できるようになされている。
【0022】かくするにつき編集装置1は、これらフレ
ームバッファ4、8、カラーコレクタ部3がボード上に
構成され、このボードがコンピュータのバスBUSに接
続される。
【0023】中央処理ユニット(CPU)10は、ラン
ダムアクセスメモリ(RAM)11にワークエリアを確
保して、キーボード12、マウス13の操作に応動して
リードオンリメモリ(ROM)14、ハードディスク装
置2に格納された一連の処理手順を実行することによ
り、この編集装置1の動作を制御する。
【0024】この制御において、カラーコレクタ部3を
使用する処理をオペレータが指定すると、中央処理ユニ
ット10は、カラーコレクタ部3、フレームバッファ
4、8の動作を立ち上げる。さらに中央処理ユニット1
0は、この状態でオペレータが処理条件の設定を指示す
ると、処理の条件を受け付け、この受け付けた条件に従
ってカラーコレクタ部3のパラメータ設定処理を実行す
る。
【0025】このとき中央処理ユニット10は、モニタ
9に表示したGUI(Graphical User Interface)によ
り処理条件の設定を受け付ける。すなわち中央処理ユニ
ット10は、プライマリー処理のうちの、ホワイトレベ
ル、ブラックレベル、ガンマ補正に関する条件設定のメ
ニューが選択されると、図3(A)に示すように、赤
色、青色、緑色の各色信号について、それぞれ入力信号
レベルと出力信号レベルとの関係を示す特性曲線L1を
表示する。なお図3(A)においては、1の色信号につ
いてのみ特性曲線を示し、他の色信号についての記載は
省略して示す。
【0026】さらに中央処理ユニット10は、この特性
曲線L1上に、所定間隔で複数の点P0、P1、……を
表示する。かくするにつきこのような特性曲線L1にお
いては、これら複数の点P0、P1、……のうちの始点
P0及び終点P4が、それぞれブラックレベルBL及び
ホワイトレベルWLを表し、曲線L1の湾曲がガンマγ
を表すことになる。
【0027】中央処理ユニット10は、オペレータの操
作に応動して、デフォルト値のブラックレベルBL、ホ
ワイトレベルWL、ガンマγにより、又は所定の記憶手
段に記録されたブラックレベルBL、ホワイトレベルW
L、ガンマγにより次式の演算処理を実行することによ
り、入力レベルINに対する出力レベルOUTを順次計
算し、この計算結果によりこの特性曲線L1を表示す
る。
【0028】
【数1】
【0029】この状態で符号Aにより示すように、オペ
レータがマウス13で始点P0又は終点P4をつかんで
移動させると、この移動した始点P0及び終点P4の座
標値を基準にして(1)式の演算処理を実行し、これに
よりブラックレベルBL、ホワイトレベルWLの変更を
受け付けると共に、符号L2により示すように、変更し
たブラックレベルBL、ホワイトレベルWLにより特性
曲線を表示する。またオペレータが中間の点P1、P
2、P3をつかんで移動させると、この移動した点P
1、P2又はP3と始点P0及び終点P4の座標値を基
準にして(1)式の演算処理を実行し、これによりガン
マγの変更を受け付けると共に、このガンマγによる特
性曲線を表示する。
【0030】これにより中央処理ユニット10は、オペ
レータの操作に応動して種々に入出力特性を設定できる
ようになされている。なお中央処理ユニット10は、ブ
ラックレベルBL、ホワイトレベルWL、ガンマγにつ
いて、他に数値入力を受け付けることができるように表
示画面を形成し、この数値入力によっても、特性曲線の
表示を変更するようになされている。
【0031】さらに中央処理ユニット10は、このよう
にして受け付けるブラックレベルBL等により、映像信
号SV2の取り得る信号レベルに対して順次出力信号レ
ベルを計算する。このとき中央処理ユニット10は、赤
色、青色、緑色の各色信号について、入力レベルINに
8ビットのデータを割り振ると共に、この8ビットの入
力レベルINを順次切り換えて(1)式の演算処理を実
行し、これにより順次入力レベルINに対応した8ビッ
トデータにより出力レベルOUTを計算する。
【0032】さらに中央処理ユニット10は、これらの
計算結果をカラーコレクタ部3にセットし、設定された
入出力特性によるルックアップテーブルをカラーコレク
タ部3に作成する。さらにこの設定したルックアップテ
ーブルにより、フレームバッファ4に保持した静止画像
をカラーコレクタ部3により処理し、処理結果をフレー
ムバッファ8に蓄積する。
【0033】かくするにつき中央処理ユニット10は、
ウインドウW1を形成してこの特性曲線L1を表示し
(図3(B))、さらにフレームバッファ4、8に蓄積
した静止画像を他のウインドウW1及びW2によりそれ
ぞれ表示する。これにより中央処理ユニット10は、オ
ペレータの設定した条件による処理前後の画像をモニタ
9に表示する。
【0034】このとき中央処理ユニット10は、オペレ
ータの操作に応動して、これら特性曲線L2の表示を切
り換えて、ルックアップテーブルの設定作業等を繰り返
すようになされ、これにより処理結果をモニタ9で確認
しながらマウス13を操作して、プライマリー処理の条
件をインタラクティブに変更できるようになされてい
る。
【0035】これに対してセカンダリー処理に関する条
件設定のメニューをオペレータが選択すると、中央処理
ユニット10は、図3(B)の表示画面と同様の表示画
面を表示して、処理前後の静止画像をウインドウW2、
W3により表示する。なおこの場合の処理後の静止画像
は、オペレータの選択に応じて、デフォルトの特性によ
り、又は記憶手段に記憶された特性により、カラーコレ
クタ部3で処理したものである。
【0036】さらに中央処理ユニット10は、所定の色
見本を表示し、処理前の静止画像上等で、オペレータが
マウス13をクリックすると、このクリックされた画素
の色相及び飽和度を基準にしてソースベクトルを入力す
る。さらに中央処理ユニット10は、オペレータの選択
したソースベクトルを表示し、ソースベクトルの場合と
同様にしてソースベクトルに対応する目的ベクトルを入
力する。ここで目的ベクトルは、ソースベクトルの色相
及び飽和度に対して、セカンダリー処理による処理目標
の色相及び飽和度を示す。
【0037】さらに中央処理ユニット10は、入力した
ソースベクトルについて、処理対象の範囲W、処理の程
度を示す利得Gを受け付ける。さらに中央処理ユニット
10は、この入力した処理対象の範囲W、利得Gによ
り、このソースベクトルの重み付け関数K(θ)を生成
する。ここで中央処理ユニット10は、図4に示すよう
に、値1を越えない範囲で、ソースベクトルの色相θb
を中心にした処理対象の範囲Wで(色相θaからθcの
範囲)、値0より直線状に立ち上がり、この立ち上がり
が利得Gに応じて変化するように、重み付け関数K
(θ)を生成する(図4(A)及び(B))。
【0038】かくするにつき、重み付け関数K(θ)
は、処理対象の範囲W及び利得Gをそれぞれ底面及び高
さにした二等辺三角形形状を高さ1により切り取った形
状により作成されることになり、例えば利得Gが1以下
の場合、重み付け関数K(θ)は、次式で表される。
【0039】
【数2】
【0040】さらに中央処理ユニット10は、このとき
併せてソースベクトルにおける輝度レベルの補正値を受
け付ける。この補正値は、利得GYとオフセット量OF
Yにより表される。
【0041】さらに中央処理ユニット10は、オペレー
タの操作に応動して、これらソースベクトル、目的ベク
トル、対応する利得G、処理対象の範囲Wの設定を、複
数組について受け付ける。
【0042】このようにして利得G等の設定を受け付け
ると、図5に示すように、中央処理ユニット10は、各
ソースベクトルSBにおける補正量(Δθ、Δr)を計
算した後、この計算した補正量(Δθ、Δr)を対応す
る重み付け関数K(θ)により重み付け処理し、これに
よりソースベクトル毎に、各色相θにおける補正値(Δ
θ、Δr)・(K(θ))を計算する。さらに中央処理
ユニット10は、各ソースベクトルの補正値(Δθ、Δ
r)・(K(θ))を、各色相θ毎に集計し、総合的な
補正値を計算する。
【0043】中央処理ユニット10は、このようにして
計算した補正値によりカラーコレクタ部3にパラメータ
をセットし、このパラメータにより映像信号SV2を補
正する。このとき中央処理ユニット10は、極座標の形
式により、補正値(Δθ、Δr)・(K(θ1))を計
算し、これにより処理を簡略化する。さらにこのように
極座標により表される色相を示す角度θだけでなく、飽
和度rも併せて重み付け処理し、これによりオペレータ
の意図しない色相の変化を有効に回避する。
【0044】また中央処理ユニット10は、輝度レベル
に対する補正量ΔYについても、同様にして、重み付け
関数K(θ)により重み付けし、各色相における補正値
を算出する。これにより中央処理ユニット10は、処理
対象の範囲Wについて輝度レベルも併せて補正し、色相
を変化させたことによる違和感の発生を有効に回避す
る。さらにこのときこの輝度レベルの補正においても、
色相、飽和度の場合と同様にして、各ソースベクトル毎
に補正量を計算し、これら計算結果を集計して総合的な
補正量を各色相毎に計算し、この総合的な補正量をカラ
ーコレクタ部3にセットする。
【0045】すなわち中央処理ユニット10は、各ソー
スベクトル及び目的ベクトル間で、次式の演算処理を実
行し、各ソースベクトルSBにおける補正量(Δθ、Δ
r)を計算する。ここで補正量(Δθ、Δr)は、ソー
スベクトルを目的ベクトルの色相及び飽和度に変更する
ために必要な補正量である。ここでθS及びrSは、ソ
ースベクトルの色相及び飽和度を示し、θD及びrD
は、目的ベクトルの色相及び飽和度を示す。
【0046】
【数3】
【0047】この実施の形態において、中央処理ユニッ
ト10は、色相θについては差分を加算するようにして
補正することから、色相の補正量Δθは、ソースベクト
ル及び目的ベクトル間の色相差により表される。これに
対して飽和度rは、補正量を乗算して補正することか
ら、飽和度rの補正量Δrは、ソースベクトル及び目的
ベクトル間における飽和度の比により表される。
【0048】これにより色相θを基準にして図6に示す
ように、中央処理ユニット10は、各ソースベクトルS
B1〜SB3の補正量(Δθ1、Δr1)〜(Δθ3、
Δr3)を順次生成する。
【0049】続いて中央処理ユニット10は、これら各
補正量(Δθ1、Δr1)〜(Δθ3、Δr3)をそれ
ぞれ対応する重み付け関数K(θ)1〜K(θ)3によ
り重み付けする。なお図6においては、利得Gが値1に
設定された場合であり、以下においてはこの利得Gが値
1の場合を例に取って説明する。
【0050】すなわち中央処理ユニット10は、各補正
量(Δθ1、Δr1)毎に、順次色相θを変化させて、
次式の演算処理を実行し、これにより各色相において、
各補正量(Δθ1、Δr1)に対応する補正量ΔVn
(色相θ1においては、図5の(Δθ、Δr)・(K
(θ1))に対応する)を計算する。
【0051】
【数4】
【0052】さらに中央処理ユニット10は、次式の演
算処理により、各ソースベクトルの補正値(Δθ、Δ
r)・(K(θ))を、各色相θ毎に集計し、総合的な
補正値FK(θ)を計算する。
【0053】
【数5】
【0054】これにより図7に模式的により示すよう
に、中央処理ユニット10は、各重み付け関数K(θ)
1〜K(θ)3(図7(A1)、(B1)、(C1))
により重み付けした補正量(Δθ1、Δr1)、(Δθ
2、Δr2)、(Δθ3、Δr3)(図7(A2)、
(B2)、(C2))を加算して、総合的な補正量FK
(θ)(図7(D))を計算する。
【0055】このようにして補正量を計算する際に、中
央処理ユニット10は、位相θ及び飽和度rについて、
それぞれ14ビット及び11ビットにより各補正量を計
算し、さらには総合的な補正量FK(θ)を計算する。
なおここで映像信号SV2は、いわゆる4、2、2フォ
ーマットによるディジタルビデオ信号でなり、それぞれ
輝度データ及び色差データが10ビットにより形成され
る。
【0056】すなわちこの4、2、2フォーマットによ
る10ビットの色差データを色差平面で表現した場合、
最も高い分解能θMAXは、次式で表される。
【0057】
【数6】
【0058】この角度0.056117°の分解能を確
保することが困難な場合、色相を補正した際に、元の画
面においては一様に変化していた色相が、段階的に変化
するようになる。これにより角度0.056117°の
分解能を確保するために、14ビットにより位相を表現
する必要がある。
【0059】また飽和度rにおいては、図8に示すよう
に、水平方向及び垂直方向に連続する画素P1、P2、
P3、P4において、斜め方向に飽和度rが順次変化し
ている場合、補正後の画像においても、この滑らかな斜
め方向の飽和度rの変化を維持する必要がある。すなわ
ち水平方向及び垂直方向に隣接する画素P1及びP2、
P1及びP3間における飽和度の変化に対応して、斜め
方向に隣接する画素P1及びP4間において飽和度が変
化する必要がある。
【0060】これにより水平方向及び垂直方向に隣接す
る画素P1及びP2、P1及びP3間における飽和度の
変化分を値1とおくと、次式の関係式により、10ビッ
トにより表現される色差データに対して、11ビットに
より飽和度を表現する必要がある。
【0061】
【数7】
【0062】これにより中央処理ユニット10は、ソー
スベクトルの色相及び飽和度、目的ベクトルの色相及び
飽和度を各14ビット及び11ビットにより表現し、さ
らに14ビットにより表現した位相θを順次変化させ
て、14ビット及び11ビットによる色相及び飽和度の
補正量FK(θ)を計算する。また重み付け関数K
(θ)等のビット長も、これらに対応するように設定さ
れる。
【0063】このようにして補正量FK(θ)を計算す
ると、中央処理ユニット10は、各色相θ毎に、次式の
演算処理を実行し、これによりカラーコレクタ部3にセ
ットするパラメータを計算する。これにより中央処理ユ
ニット10は、色相については、補正量FK(θ)を対
応する色相θに加算した後、色相θの水平軸成分ΔX、
垂直軸成分ΔYに変換して補正用データを生成する。な
お中央処理ユニット10は、飽和度rについては、総合
的な補正量FK(θ)による補正量をそのまま補正デー
タに割り当てる。
【0064】
【数8】
【0065】中央処理ユニット10は、このようにして
各色相θについて計算した補正データΔr、ΔX、ΔY
をカラーコレクタ部3にセットする。
【0066】これに対して輝度レベルについて中央処理
ユニット10は、次式の演算処理を実行し、これにより
同様にして補正量を計算する。すなわち中央処理ユニッ
ト10は、各ソースベクトルに対してオペレータの入力
した利得GY、オフセット量OFYについて、同様に対
応する重み付け関数K(θ)により重み付けした後、集
計することにより、各色相毎に、それぞれ総合的な利得
FK(GY)、オフセット量FK(OFY)を計算す
る。
【0067】
【数9】
【0068】さらに中央処理ユニット10は、このよう
にして各色相θ毎に計算した輝度レベルに関する総合的
な利得FK(GY)、オフセット量FK(OFY)をカ
ラーコレクタ部3にセットする。
【0069】さらに中央処理ユニット10は、これらセ
カンダリー処理についてパラメータのセットが完了する
と、フレームバッファ4に格納した静止画像をカラーコ
レクタ部3により処理し、その処理結果をフレームバッ
ファ8に格納すると共に、対応するウインドウの表示を
この処理結果の静止画像に切り換える。これにより中央
処理ユニット10は、セカンダリー処理についても、イ
ンタラクティブに処理の条件を調整できるようになされ
ている。
【0070】図9及び図10は、それぞれプライマリー
処理部20及びセカンダリー処理部21を詳細に示すカ
ラーコレクタ部3のブロック図である。カラーコレクタ
部3において、プライマリー処理部20(図9)は、映
像信号SV2を構成する輝度データY、色差データU、
Vを受け、色差データU、Vをオーバーサンプリング回
路22U、22Vに与える。ここでオーバーサンプリン
グ回路22U、22Vは、色差データU、Vを輝度デー
タYに対応するサンプリング周波数にオーバーサンプリ
ングして出力する。これによりカラーコレクタ部3は、
続く色差データU、Vの処理においてノイズの発生を有
効に回避する。
【0071】マトリックス回路23は、輝度データY、
色差データU、Vをマトリックス演算することにより、
これら輝度データY、色差データU、Vを赤色、緑色、
青色の色データR、G、Bに変換して出力する。
【0072】ルックアップテーブル24R、24G、2
4Bは、事前に、中央処理ユニット10により計算され
た各信号レベルに対する出力信号レベルのデータを蓄積
して形成され、それぞれ各色データR、G、Bの信号レ
ベルをアドレスにして対応する信号レベルの色データ
R、G、Bを出力する。これによりルックアップテーブ
ル24R、24G、24Bは、順次入力される色データ
R、G、Bに対して(1)式の演算処理を実行し、オペ
レータが事前に設定した特性曲線によりこれら色データ
R、G、Bの信号レベルを補正して出力する。
【0073】マトリックス回路25は、ルックアップテ
ーブル24R、24G、24Bより出力される色データ
R、G、Bをマトリックス演算することにより、これら
色データR、G、Bを輝度データY、色差データU、V
に変換して出力する。
【0074】カラーコレクタ部3において、セカンダリ
ー処理部21(図10)は、プライマリー処理部20よ
り出力される輝度データY、色差データU、Vを受け、
そのうち色差データU、Vを座標変換回路26に入力す
る。ここで座標変換回路26は、順次入力される色差デ
ータU、Vについて、次式の演算処理を実行し、これに
より各色差データU、Vを色相θ及び飽和度rのデータ
に変換する。これによりセカンダリー処理部21は、順
次入力される映像信号SV2を、色平面上において極座
標形式により表現する。
【0075】
【数10】
【0076】
【数11】
【0077】このとき座標変換回路26は、各10ビッ
トの色差データU、Vよりそれぞれ14ビット及び11
ビットでなる色相θ及び飽和度rのデータを生成し、こ
れにより続く処理において十分な分解能を確保する。
【0078】ルックアップテーブル27は、事前に、中
央処理ユニット10により計算され補正データΔr、Δ
X、ΔYを蓄積して形成され、座標変換回路26で計算
された色相θをアドレスにして対応する補正データΔ
r、ΔX、ΔYを出力する。
【0079】乗算回路28は、座標変換回路26で計算
された飽和度rを受け、この飽和度rを補正データΔr
により乗算して出力する。かくするにつき、この補正デ
ータΔrは、(3)式について上述したように、ソース
ベクトル及び目的ベクトル間の飽和度の比を重み付け関
数K(θ)により重み付けして生成される。これにより
乗算回路28は、この飽和度rと補正データΔrとの乗
算処理により、ソースベクトルについては、飽和度が目
的ベクトルの飽和度になるように、処理対象の範囲Wに
含まれる各色彩については、このソースベクトルにおけ
る飽和度の補正に対応して、重み付け関数K(θ)で決
まる程度で飽和度が変化するように、順次入力される飽
和度のデータを補正して出力することになる。このとき
乗算回路28は、飽和度が所定の上限値を越える場合、
乗算結果でなる飽和度をこの上限値により制限して出力
し、これにより処理後の画像における画質劣化を有効に
回避する。
【0080】続く乗算回路29は、色相θの水平軸成分
でなる補正データΔXと、乗算回路28より出力される
飽和度rのデータとを乗算して出力する。これに対して
乗算回路30は、色相θの垂直軸成分でなる補正データ
ΔYと、乗算回路28より出力される飽和度rのデータ
とを乗算して出力する。これにより乗算回路29及び3
0は、色相θの水平軸及び垂直軸を基準にして色相及び
飽和度を表現して、ソースベクトルを中心にした処理対
象範囲Wの色相及び飽和度を、目的ベクトルに対応する
色相及び飽和度に補正して出力する。
【0081】座標変換回路31は、乗算回路29及び3
0より出力される色相θの水平軸及び垂直軸を基準にし
たデータを色差データU、Vに変換して出力する。
【0082】これに対してルックアップテーブル33
は、事前に、中央処理ユニット10により計算された各
色相θに対する輝度レベルの総合的な利得FK(G
Y)、オフセット量FK(OFY)を蓄積して形成さ
れ、座標変換回路26より出力される色相θをアドレス
にして利得FK(GY)、オフセット量FK(OFY)
を出力する。
【0083】乗算回路34は、順次入力される輝度デー
タYを、この利得FK(GY)で乗算して出力し、続く
加算回路35は、この乗算回路34の出力データにオフ
セット量FK(OFY)を加算して出力する。これによ
り乗算回路34及び加算回路35は、次式の演算処理を
実行し、処理対象の範囲Wについて、オペレータの設定
した特性により輝度レベルを補正する。
【0084】
【数12】
【0085】(1−2)セカンダリー処理の条件設定 図1は、このようにして実行される映像信号の処理のう
ちの、セカンダリー処理の条件設定画面を示す略線図で
ある。すなわち所定のメニュー画面において、オペレー
タが編集対象の素材を指定してセカンダリー処理を選択
すると、中央処理ユニット10は、メニュー画面に登録
されたイベントを実行することによりこの条件設定画面
をモニタ9に表示する。
【0086】ここでこの条件設定画面の右側には、画像
確認部AR1が形成され、中央処理ユニット10は、こ
の画像確認部AR1に、セカンダリー処理前の静止画像
(プライマリー処理を受けた静止画像でなる)Prim
ary、セカンダリー処理後の静止画像Seconda
ryを並べて表示する。中央処理ユニット10は、イン
点及びアウト点により指定される編集対象より、オペレ
ータの指定した1フレームの静止画像をフレームバッフ
ァ4に格納し(図2)、このフレームバッファ4に格納
した静止画像をプライマリー処理部20(図10)で処
理してセカンダリー処理前の静止画像として表示する。
また中央処理ユニット10は、この条件設定画面を介し
てオペレータが処理の条件を種々に変更すると、この条
件に応じて上述のルックアップテーブル27、33の内
容を順次更新し、この更新した内容によるセカンダリー
処理部21の処理結果をプライマリー処理後の静止画像
として表示する。
【0087】これによりこの実施の形態では、処理結果
を目視確認しながら、種々に処理の条件を設定できるよ
うになされ、その分簡易な操作で高い自由度によりカラ
ーコレクタの処理を実行できるようになされている。
【0088】さらに画像確認部AR1には、セカンダリ
ー処理前及びセカンダリー処理後の静止画像の上部に、
それぞれ表示切り換えのボタンFBが配置される。中央
処理ユニット10は、このボタンFBがマウスによりク
リックされると、このボタンFBに登録されたイベント
の実行により、セカンダリー処理前又はセカンダリー処
理後の静止画像を、専用のモニタ装置に表示するように
全体の動作を切り換える。これによりこの実施の形態で
は、必要に応じて処理結果を詳細に検討できるようにな
され、その分精度の高い処理を実行できるようになされ
ている。
【0089】中央処理ユニット10は、セカンダリー処
理前の静止画像上において、オペレータがマウスをクリ
ックすると、このクリックされた位置の座標データを取
得し、この座標データよりクリックされた位置の画像デ
ータをプライマリー処理部20より取得する。さらに中
央処理ユニット10は、矢印Aにより示すように、この
画像データの輝度Y、色相U、Vに応じて、隣接するベ
クトルスコープ部AR2にマーカーMを表示する。ここ
でベクトルスコープ部AR2は、各画素の色相と処理範
囲の関係を目視確認できるように形成された表示部であ
る。これによりこの実施の形態では、必要に応じて変更
処理しようとする箇所の色相と処理範囲の関係、さらに
は変更処理より除外しようとする箇所の色相と処理範囲
の関係を簡易かつ確実に確認できるようになされ、その
分簡易な操作で高い自由度によりカラーコレクタの処理
を実行できるようになされている。
【0090】条件設定画面の左上には、ベクトル選択部
AR3が、また左下側にはシステム設定部AR4が形成
され、残るベクトルスコープ部AR2を除く領域にベク
トルパラメータ設定部AR5が形成される。
【0091】図11は、このベクトル選択部AR3、シ
ステム設定部AR4を、ベクトルパラメータ設定部AR
5の一部と共に示す略線図である。ベクトル選択部AR
3は、ソースベクトルを選択する10個のボタンB0〜
B9が水平方向に並んで配置され、これらボタンB0〜
B9の両側に、切り換えのボタンBL、BRが配置され
る。さらに右側の切り換えボタンBRに続いて、事前に
選択された全てのソースベクトルを選択するボタンBl
lが配置され、続いて選択されたソースベクトルの番号
を表示する表示部A1が形成される。
【0092】中央処理ユニット10は、この条件設定画
面を表示すると、10個のボタンB0〜B9に順次数字
1〜数字10によるソースベクトルの番号を表示する。
さらに切り換えのボタンBL、BRがマウスによりクリ
ックされると、各ボタンBL、BRのイベントの実行に
より、各ボタンBL、BRに表示された三角形形状の表
示の方向に、ボタンB0〜B9の表示を順次スクロール
する。
【0093】さらに中央処理ユニット10は、ボタンB
0〜B9の何れかがマウスによりクリックされると、こ
のボタンB0〜B9に登録されたイベントの実行によ
り、各ボタンに設定された数字を表示部A1に表示す
る。さらに中央処理ユニット10は、この番号のソース
ベクトルをベクトルスコープ部AR2、ベクトルパラメ
ータ設定部AR5に表示し、さらにこの番号のソースベ
クトルについて、ベクトルスコープ部AR2、ベクトル
パラメータ設定部AR5の操作を受け付け、これにより
この番号のソースベクトルについて、パラメータの入力
を受け付ける。因みに、操作開始時、中央処理ユニット
10は、この番号のソースベクトルについては、デフォ
ルト値よりベクトルスコープ部AR2、ベクトルパラメ
ータ設定部AR5に表示し、さらにはこのデフォルト値
の変更によりパラメータの入力を受け付ける。
【0094】さらに中央処理ユニット10は、この選択
された番号のソースベクトルについてだけ、上述の演算
処理を実行してルックアップテーブル27、33を設定
し、この設定した内容により画像確認部AR1の表示を
更新する。これに対して全てのソースベクトルを選択す
るボタンBllがマウスによりクリックされると、1番
目〜100番目のソースベクトルのうち、システム設定
部AR4に配置された選択/非選択のボタンB12の操
作により選択された全てのソースベクトルについて、こ
れら選択されたソースベクトルに設定されたパラメータ
により上述の(5)式の演算処理を実行してルックアッ
プテーブル27、33を設定し、この設定した内容によ
り画像確認部AR1の表示を更新する。
【0095】これによりこの実施の形態では、個々のソ
ースベクトルについて処理結果を確認しながら処理の条
件を設定すると共に、必要に応じて選択/非選択のボタ
ンB12の操作によりソースベクトルを選択した後、全
てのソースベクトルを選択するボタンBllを操作し
て、総合的な処理結果を確認できるようになされてい
る。従って個々のソースベクトルを自由に設定して、ま
た複数のソースベクトルについてパラメータを種々に設
定して高い自由度によりカラーコレクタの処理を実行す
る場合でも、総合的な処理結果を目視確認しながら、適
宜パラメータを変更して、またソースベクトルを選択し
直すことができ、これらにより簡易な操作で所望の処理
を実行できるようになされている。
【0096】かくするにつきベクトルパラメータ設定部
AR5には、この選択/非選択のトルグスイッチを構成
するボタンB12が配置され、システム設定部AR4に
は、全ての設定完了を指示するボタンOkが配置される
ようになされ、中央処理ユニット10は、選択/非選択
のボタンB12がマウスによりクリックされると、表示
部A1に表示した番号のソースベクトルについて、選択
/非選択を切り換えると共に、この番号に対応するソー
スベクトルのボタン(図11においては第1のボタンB
0でなる)の下に、選択された状態を示すActの文字
を表示し、またこの表示を中止する。さらに中央処理ユ
ニット10は、全ての設定完了を指示するボタンOkが
マウスによりクリックされると、選択された全てのソー
スベクトルに設定されたパラメータにより上述の(5)
式の演算処理を実行してルックアップテーブル27、3
3を設定し、条件設定画面の表示を終了する。なおシス
テム設定部AR4には、ボタンOkの操作をキャンセル
するボタンCancelが配置されるようになされてい
る。
【0097】図12は、ベクトルパラメータ設定部AR
5を示す略線図である。中央処理ユニット10は、この
ベクトルパラメータ設定部AR5に配置されたコントロ
ールバーの操作により、ベクトル選択部AR3を介して
選択されたソースベクトルについて、パラメータの設定
を受け付ける。
【0098】すなわちベクトルパラメータ設定部AR5
には、選択/非選択のボタンB12に隣接してデフォル
トのボタンB13が配置され、中央処理ユニット10
は、このボタンB13が操作されると、ベクトル選択部
AR3を介して選択されたソースベクトルのパラメータ
をデフォルト値にリセットする。ここで中央処理ユニッ
ト10は、各ソースベクトルのパラメータとして、各ソ
ースベクトルの色相、飽和度、輝度、対応する目的ベク
トルの色相、飽和度、輝度、重み付け関数K(θ)につ
いての範囲W及び利得G(これらが図10におけるルッ
クアップテーブル27に対応するパラメータでなる)、
輝度レベルの乗算値及びオフセット値(これらが図10
におけるルックアップテーブル33に対応するパラメー
タでなる)を受け付ける。このうちソースベクトルの色
相、飽和度、輝度については、各ソースベクトルの番号
に対応して設定された値がデフォルト値として設定され
るようになされており、特に色相については、従来のカ
ラーコレクタにおいて設定されていた色相がデフォルト
値として設定されるようになされている。これによりこ
の実施の形態では、従来のカラーコレクタに使い慣れた
オペレータでも違和感なく操作できるようになされてい
る。
【0099】これに対して目的ベクトルの色相、飽和
度、輝度については、それぞれ対応するソースベクトル
と同一の色相、飽和度、輝度がデフォルト値として設定
され、重み付け関数K(θ)の範囲W及び利得Gについ
ては、所定値がデフォルト値として設定される。また輝
度レベルの乗算値としては、値1が、輝度レベルのオフ
セット値としては値0がデフォルト値として設定され
る。
【0100】中央処理ユニット10は、各ソースベクト
ルについて、このようなデフォルト値からパラメータの
設定を受け付けてこれらの値を変更すると共に、画像確
認部AR1の表示を切り換え、ボタンB13が操作され
ると、このようにして変更したパラメータをデフォルト
値に戻し、また画像確認部AR1の表示を切り換える。
【0101】ベクトルパラメータ設定部AR5の右端に
は、スクロールバーC1、スクロールボタンC2、C3
が配置される。中央処理ユニット10は、これらスクロ
ールバーC1、スクロールボタンC2、C3がマウスに
より操作されると、コントロールバーの表示をスクロー
ルする。
【0102】ここで図12(B)に示すように、ベクト
ルパラメータ設定部AR5には、9本のコントロールバ
ーが割り当てられ、中央処理ユニット10は、スクロー
ルバーC1、スクロールボタンC2、C3の操作に応動
して、この9本のコントロールバーのうちの6本をベク
トルパラメータ設定部AR5に表示する。
【0103】図13にこれらコントロールバーとカラー
コレクタ処理との関係を示すように、これら9本のコン
トロールバーのうち、上段より3本のコントロールバー
は、それぞれソースベクトルの色相(Scr Hu
e)、飽和度(Scr Sat)、輝度(Scr Lu
m)が割り当てられ、中央処理ユニット10は、これら
コントロールバーに配置されたボタンがマウスにより掴
まれると、マウスの操作に応動してこのボタンの表示を
左右に移動させる。さらにこのボタンの位置に応じてそ
れぞれソースベクトルの色相、飽和度、輝度を更新し、
各ボタンの上に配置した色相、飽和度、輝度の値を更新
する。またこれらの処理と連動して画像確認部AR1の
表示を切り換える。
【0104】これに対して続く3本のコントロールバー
は、それぞれ目的ベクトルの色相(Dst Hue)、
飽和度(Dst Sat)、輝度(Dst Lum)が
割り当てられ、中央処理ユニット10は、これらコント
ロールバーに配置されたボタンがマウスにより掴まれて
操作されると、同様にしてボタンの表示を左右に移動さ
せると共に、目的ベクトルの色相、飽和度、輝度を更新
し、各ボタンの上に配置した色相、飽和度、輝度の値を
更新する。またこれらの処理と連動して画像確認部AR
1の表示を切り換える。
【0105】さらに図14に示すように、続くコントロ
ールバーは、重み付け関数k(θ)の範囲W(Win)
が割り当てられ、中央処理ユニット10は、このコント
ロールバーに配置されたボタンがマウスにより掴まれて
操作されると、同様にしてボタンの表示を左右に移動さ
せると共に、重み付け関数k(θ)の範囲W、ボタンの
上に配置した範囲Wの値を更新する。またこれらの処理
と連動して画像確認部AR1の表示を切り換える。
【0106】これに対して続く2つのコントロールバー
は(図12)、輝度レベルの乗算値(Mul Lum)
及びオフセット値(Add Lum)が割り当てられ、
中央処理ユニット10は、このコントロールバーに配置
されたボタンがマウスにより掴まれて操作されると、同
様にしてボタンの表示を左右に移動させると共に、輝度
レベルの乗算値及びオフセット値を更新する。またこれ
らの処理と連動して画像確認部AR1の表示を切り換え
る。
【0107】これに対してベクトルスコープ部AR2の
下側には、重み付け関数k(θ)の利得G(Gain)
を操作するコントロールバー(図12及び図14)が配
置され、中央処理ユニット10は、これらコントロール
バーに配置されたボタンがマウスにより掴まれて操作さ
れると、同様にしてボタンの表示を左右に移動させると
共に、重み付け関数k(θ)の利得Gを更新する。また
これらの処理と連動して画像確認部AR1の表示を切り
換える。
【0108】ベクトルパラメータ設定部AR5は、この
利得G(Gain)のコントロールバーの右側に、重み
付け関数k(θ)の表示部A3が形成される。中央処理
ユニット10は、重み付け関数k(θ)の範囲W及び利
得Gについてコントロールバーが操作されてこれら範囲
W及び利得Gを変更すると、また後述するベクトルスコ
ープ部AR2の操作により同様にこれら範囲W及び利得
Gを変更すると、この表示部A3の表示を切り換える。
【0109】この表示部A3において、中央処理ユニッ
ト10は、後述するベクトルスコープ部AR2における
ソースベクトルのカーソル表示と同一の色彩により重み
付け関数k(θ)の中心の垂直線L1を表示し、また同
様に、重み付け関数k(θ)の範囲Wのカーソル表示と
同一の色彩により重み付け関数k(θ)が値0に立ち下
がる箇所の垂直線L2を表示する。さらに重み付け関数
k(θ)の値1及び値0に対応する水平線を併せて表示
する。これによりこの実施の形態では、範囲W及び利得
Gの設定を視覚的に把握できるようになされ、これによ
っても簡易な操作で自由度の高い処理を実行できるよう
になされている。
【0110】なお中央処理ユニット10は、キーボード
12を介して入力される数値入力によっても、これらの
コントロールバーがマウスにより操作された場合と同様
に、全体の動作を切り換え、これにより必要に応じて種
々の操作によりパラメータを設定できるようになされて
いる。
【0111】図15は、ベクトルスコープ部AR2を示
す略線図である。ベクトルスコープ部AR2は、セカン
ダリー処理する静止画像の色の分布を示す色分布表示部
D1が表示され、この色分布表示部D1を取り囲むよう
に、色見本でなる色相を示す色相リングR1及びR2が
2重に表示される。
【0112】中央処理ユニット10は、符号Fにより示
すように、3次元色空間上で分布する静止画像の各画素
をUV平面に投影してなる白黒の画像を、色分布表示部
D1に表示すると共に、この色分布表示部D1にソース
ベクトル、目的ベクトル、重み付け関数k(θ)の範囲
Wを表示し、また色分布表示部D1を介してパラメータ
の設定を受け付ける。
【0113】すなわち画像確認部AR1において静止画
像の表示に供されるrgb表色系とyuv表色系とは、
次式の関係式により表される。このrgb表色系におい
て表示可能な色は、図16に示すように、yuv表色系
に傾いて配置された長方形形状の領域内に限られる。
【0114】
【数13】
【0115】このyuv表色系でなる3次元色空間に分
布する静止画像の各画素をUV平面に投影すれば、明る
さを持たない、色相及び飽和度により静止画像の色を表
現することができる。具体的に映像機器の色基準でなる
カラーバーの各色について、UV平面上で色相及び飽和
度を表現すれば、図17に示すように表現でき、UV軸
が交差する原点上で黒色及び白色が表現されることにな
る。
【0116】カラーコレクタの処理はオペレータの操作
に応動して色相を変化させることにより、このようにU
V平面上で色の分布を表現し、併せてソースベクトル、
目的ベクトル等を表示すれば、オペレータにおいては、
変化させようとする色と、変化させたくない色の関係を
視覚的に把握でき、使い勝手を向上することができる。
またこのとき投影して重なり合う画素については、その
重なり合う画素数に応じてuv平面上における画素の明
るさを設定すれば、色の分布を視覚的に把握することが
できる。
【0117】これにより中央処理ユニット10は、条件
設定画面を表示する際に、図18に示す処理手順を実行
し、色分布表示部D1の基本の表示画像を形成する。
【0118】すなわち中央処理ユニット10は、ステッ
プSP1からステップSP2に移り、この色分布表示部
D1に対応する画像メモリの領域を黒色にセットした
後、続くステップSP3において、静止画像の1画素に
ついてu,v値を取得する。なお中央処理ユニット10
は、プライマリー処理部20(図10)より出力される
画像データU、Vを選択的に入力して静止画像のu,v
値を取得する。
【0119】続いて中央処理ユニット10は、ステップ
SP4に移り、この取得したu,v値に対応する画像メ
モリの内容について、輝度レベル(明度)を所定値だけ
増大する。続いて中央処理ユニット10は、ステップS
P5において全ての画素について処理を完了したか否か
判断する。ここで否定結果が得られると、中央処理ユニ
ット10は、ステップSP3に戻る。
【0120】これにより中央処理ユニット10は、ステ
ップSP3−SP4−SP5−SP3の処理手順を繰り
返して、静止画像を構成する各画素について、色分布表
示部D1に対応する画像メモリの内容を順次更新し、静
止画像の各画素を順次UV平面に投影し、このとき重な
り合う画素数に応じた投影された画素の明るさを設定す
る。さらに中央処理ユニット10は、全ての画素につい
て投影を完了すると、ステップSP5において肯定結果
が得られることにより、ステップSP6に移ってこの画
像メモリの内容を色分布表示部D1に表示した後、この
処理手順を終了する。
【0121】中央処理ユニット10は、このようにして
色分布表示部D1に基本の画像を表示すると(図1
5)、前後して、色相リングR1及びR2を表示する。
ここで色相リングR1及びR2は、この色分布表示部D
1における色相を実際の色彩により表示するリングであ
り、外周側のリングR2が、色相補正前の状態を示す。
これに対して内周側のリングR2が、色相補正後の状態
を示す。中央処理ユニット10は、ベクトル選択部AR
2において何れかのソースベクトルが選択されると、内
周側の色相リングR1について、この選択されたソース
ベクトルについて設定されたパラメータに従って表示の
色を変更する。
【0122】これにより中央処理ユニット10は、外周
側の色相リングR2と内周側の色相リングR1と対比に
より、どのような色がどのような色に補正されるのかを
感覚的に把握してパラメータを設定することができるよ
うになされている。特に、この実施の形態では、必要に
応じて多数のソースベクトルを選択できることにより、
このように外周側の色相リングR2と内周側の色相リン
グR1と対比により、どのような色がどのような色に補
正されるのかを感覚的に把握できるようにすれば、視覚
的に、かつ正しく処理結果を確認することができ、使い
勝手を向上することができる。
【0123】さらに中央処理ユニット10は、ベクトル
選択部AR2において何れかのソースベクトルが選択さ
れると、この選択されたソースベクトルと、対応する目
的ベクトルを色分布表示部D1に表示する。ここで中央
処理ユニット10は、ベクトルパラメータ設定部AR5
等により設定された色相、飽和度、輝度に対応する位置
に円形のマーカーMSBを表示し、これによりソースベ
クトルを表現する。またこの円形のマーカーMSBと原
点とを結ぶ直線のカーソルを表示する。
【0124】さらに中央処理ユニット10は、ベクトル
パラメータ設定部AR5等により設定された重み付け関
数k(θ)の幅Wに従って、円形のマーカーMSBを中
心にして同様の円形形状のマーカーMW1及びMW2
を、色相リングR1に近接して表示する。また各マーカ
ーMW1及びMW2と原点とを結ぶ直線のカーソルを表
示する。これにより中央処理ユニット10は、色相リン
グR1及びR2とこれらマーカーMSB〜MW2との対
比により、何れの色を中心にして、何れの範囲で色相を
補正するかを簡易かつ確実に把握できるようにベクトル
スコープ部AR2を形成する。またこれとは逆に、色分
布表示部D1に表示した色の分布とマーカーMSB〜M
W2との対比により、静止画像の如何なる範囲で色相が
補正されるかを簡易かつ確実に把握できるようにベクト
ルスコープ部AR2を形成する。
【0125】このとき中央処理ユニット10は、各マー
カーMSB〜MW2と原点とを結ぶ直線のカーソルを、
ベクトルパラメータ設定部AR5の表示部A3における
重み付け関数k(θ)の中央、両端のカーソルL1,L
2と同一の色彩により表示する。これにより中央処理ユ
ニット10は、このベクトルスコープ部AR2と表示部
A3との対応関係を容易に把握できるように、表示画像
を形成する。
【0126】さらに中央処理ユニット10は、同様にし
てこのソースベクトルに対応する目的ベクトルを色分布
表示部D1に表示する。ここで中央処理ユニット10
は、ベクトルパラメータ設定部AR5等により設定され
た目的ベクトルの色相、飽和度、輝度に対応する位置に
円形のマーカーMSDを表示し、これにより目的ベクト
ルを表現する。さらに重み付け関数k(θ)の幅Wに従
って、この円形のマーカーMSDを中心にして同様の円
形形状のマーカーM1及びM2を表示する。このとき中
央処理ユニット10は、原点からマーカーM1及びM2
までの距離が、原点からマーカーMSDまでの距離と等
しくなるように、マーカーM1及びM2を配置する。
【0127】これにより中央処理ユニット10は、色相
リングR1及びR2とこれらマーカーMSD〜M2との
対比により、ソースベクトルSB等により指定される色
を何れの色に補正するのかを簡易かつ確実に把握できる
ようにベクトルスコープ部AR2を形成する。またこれ
とは逆に、色分布表示部D1に表示した色の分布とマー
カーMSD〜M2との対比により、処理結果における画
素の分布等を簡易かつ確実に把握できるようにベクトル
スコープ部AR2を形成する。
【0128】このとき中央処理ユニット10は、原点と
マーカーM1及びM2とを直線により結んで、またマー
カーM1及びM2とを円弧により結んで表示し、ソース
ベクトル側のカーソルと対比により、例えば補正により
飽和度がどのように変化するか等を感覚的に把握できる
ように、ベクトルスコープ部AR2を形成する。
【0129】さらに中央処理ユニット10は、このよう
にしてマーカーM1〜MSDを表示するにつき、ベクト
ルパラメータ設定部AR5の操作により又はキーボード
入力によりパラメータが変更されると、この変更に対応
してマーカーM1〜MSDの表示を更新し、また色相リ
ングR1を更新する。
【0130】また中央処理ユニット10は、セカンダリ
ー処理前の静止画像上において、オペレータがマウスを
クリックすると、このクリックされた位置の画素に対応
する位置にマーカーMを表示する。これにより中央処理
ユニット10は、必要に応じて変更処理しようとする箇
所の色相と処理範囲の関係、さらには変更処理より除外
しようとする箇所の色相と処理範囲の関係を簡易かつ確
実に確認できるようにベクトルスコープ部AR2を形成
し、その分簡易な操作で高い自由度によりカラーコレク
タの処理を実行できるようになされている。
【0131】さらに中央処理ユニット10は、これらソ
ースベクトル及び目的ベクトルに関するマーカーM1〜
MSDがマウスにより掴まれると、このマウスの移動に
応じてこれらマーカーM1〜MSDの表示位置を変更
し、さらにこの表示位置の変更に応じてパラメータを変
更すると共に、色相リングR2の表示、画像確認部AR
1の表示を変更する。
【0132】すなわち図19に示すように、ソースベク
トルのマーカーMSBがマウスにより掴まれ、このマー
カーMSBと原点とを結ぶカーソルに沿ってマウスが操
作されると、矢印F1により示すように、ソースベクト
ルの飽和度を変更する。また同様にして色相リングR1
に沿ってマウスが操作されると、矢印F2に示すよう
に、マーカーMSBとマーカーMW1、MW2の相対的
な関係を保持したまま、マーカーMSBによる色相を変
更し、またこれに対応してソースベクトルの色相を変更
する。
【0133】これに対して図20に示すように、重み付
け関数k(θ)の範囲Wに対応するマーカーMW1又は
MW2がマウスにより掴まれると、矢印F3A及びF3
Bにより示すように、このマウスの移動に応じてこれら
マーカーMW1及びMW2の表示位置を色相リングR1
に沿って変更し、またこれと連動して範囲Wを変更す
る。さらにこの範囲Wに応じて、矢印F3C及びF3D
により示すように、マーカーMW1及びMW2に対応す
る目的ベクトル側のマーカーM1又はM2の位置を色相
リングR1に沿って変更する。
【0134】また同様にして、目的ベクトル側におい
て、マーカーMW1及びMW2に対応するマーカーM1
又はM2がマウスにより操作されると、マーカーM1及
びM2の表示位置を変更し、重み付け関数k(θ)の範
囲Wを変更する。またこれと連動してソースベクトル側
のマーカーMW1及びMW2を変更する。
【0135】これに対して図21に示すように、目的ベ
クトルのマーカーMSDがマウスにより掴まれ、このマ
ーカーMSDと原点とを結ぶカーソルに沿ってマウスが
操作されると、矢印F4により示すように、目的ベクト
ルの飽和度を変更する。また同様にして色相リングR1
に沿ってマウスが操作されると、矢印F5に示すよう
に、マーカーMSDとマーカーM1、M2の相対的な関
係を保持したまま、マーカーMSDによる色相を変更
し、またこれに対応して目的ベクトルの色相を変更す
る。
【0136】なお中央処理ユニット10は、選択した番
号のソースベクトルがデフォルト値に保持されている場
合、またデフォルトのボタンB13の操作によりソース
ベクトルがデフォルト値にリセットされた場合、ソース
ベクトル及び目的ベクトルの色相、飽和度、輝度が一致
した値に設定されることにより、目的ベクトルに関する
マーカーMSD〜M2に表示の上側に、ソースベクトル
に関するマーカーMSB〜MW2を重ねて表示する。こ
のようにして色分布表示部D1の表示を形成した状態
で、色分布表示部D1においてマウスが操作されると、
目的ベクトルに関するマーカーの表示と、ソースベクト
ルに関するマーカーの表示とについて、このマウスの操
作に応動して上下関係を順次循環的に切り換える。さら
に中央処理ユニット10は、マーカーの表示箇所におい
て上述のパラメータ変更のマウスの操作が実行される
と、上側に表示したマーカーについて、このマウスの操
作に応動して飽和度等を変更する。
【0137】これらによりこの実施の形態に係る編集装
置1では、画像確認部AR1において処理対象及び処理
結果の静止画像を目視確認しながら、色分布表示部D1
上におけるマウスの操作により、カラーコレクタ処理の
条件を種々に設定できるようになされている。
【0138】すなわち図22に示すように、オペレータ
においては、この条件設定画面を選択した後、ステップ
SP10からステップSP11に移り、画像確認部AR
1に表示された静止画像より補正する色とその補正後の
色を決定する(図1)。続いてステップSP12に移
り、ベクトル選択部AR3の操作により未だ選択されて
いない番号のソースベクトルを選択した後、ステップS
P13において、画像確認部AR1における原画像(プ
ライマリー処理した静止画像でなる)上で、補正したい
箇所をマウスによるクリックする。これによりベクトル
スコープ部AR2の色分布表示部D1においてマーカー
Mの表示により補正する色の位置を確認する。
【0139】続いてステップSP14に移り、このマー
カーMを囲むように、ソースベクトル、重み付け関数の
範囲を設定し、またベクトルパラメータ設定部AR5の
操作により利得を設定する。続いてオペレータにおいて
は、ステップSP15に移り、補正目標の色を目標にし
て目的ベクトルを設定した後、ステップSP16に移
り、画像確認部AR1を介して期待した処理結果が得ら
れたか否か判断する。ここで否定結果が得られると、オ
ペレータにおいては、ステップSP17に移る。
【0140】ここでオペレータは、補正したい箇所が補
正されていない場合は、改めて原画像上で補正したい箇
所をマウスによりクリックし、またこれとは逆に補正し
たくない箇所まで補正されている場合は、改めて原画像
上で余分に補正された箇所をマウスによりクリックし、
色分布表示部D1におけるマーカーMの表示により補正
する範囲との関係を確認する。これにより改めてソース
ベクトルに関するマーカーの位置を変更してパラメータ
を変更する。これに対して希望する色と異なる場合等に
あっては、目的ベクトルに関するマーカー、重み付け関
数の利得、範囲等を変更する。
【0141】このようにして利得等を微調整すると、オ
ペレータは、ステップSP16に移り、改めて期待した
処理結果が得られたか否か判断する。これによりオペレ
ータは、色分布表示部D1におけるマーカーの操作によ
り、またベクトルパラメータ設定部AR5におけるボタ
ンの操作により、ステップSP16−SP17−SP1
6の処理手順を繰り返し、高い自由度により種々の原画
像の色彩を変更する場合でも簡易な操作により所望の処
理を実行でき、期待した処理結果が得られると、ステッ
プSP16からステップSP18に移る。
【0142】ここでオペレータにおいては、所望する全
ての箇所について、色彩の補正が完了したか否か判断
し、ここで否定結果が得られると、ステップSP12に
戻る。これによりオペレータは、改めてソースベクトル
等を設定し、また重み付け関数等を種々に変更し、所望
する全ての箇所について、設定が完了すると、ステップ
SP18からステップSP19に移ってこの処理手順を
終了する。これによりこの実施の形態では、簡易な操作
で高い自由度により処理の条件を種々に設定できるよう
になされている。
【0143】(1−3)第1の実施の形態の動作 以上の構成において、編集装置1は(図2)、編集処理
対象の映像信号SV1がハードディスク装置2に記録さ
れた後、この映像信号SV1により編集リストが作成さ
れ、さらにこの編集リストに従って映像信号SV1が編
集処理されてハードディスク装置2に記録される。
【0144】このような編集リストの作成時等におい
て、編集装置1は、オペレータがカラーコレクタ部3を
用いた処理を選択すると、カラーコレクタ部3による処
理前後の静止画をモニタ9に表示する。さらにオペレー
タがブラックレベルBL、ホワイトレベルWL、ガンマ
γを調整するメニューを選択した場合、赤色、青色、緑
色の色信号毎に、入出力特性を示す特性曲線L1を表示
する(図3)。
【0145】この表示においてオペレータがマウス13
を操作して特性曲線上の点P1、……を変更すると、又
は数値入力によりブラックレベルBL等を入力すると、
編集装置1は、中央処理ユニット10において、これら
変更された座標値、入力された数値を用いて(1)式の
演算処理を実行し、オペレータの操作に対応した入出力
特性を計算する。編集装置1は、この計算した入出力特
性に対応するように、プライマリー処理部20のルック
アップテーブル24R、24G、24Bを設定する。
【0146】これに対してオペレータがセカンダリー処
理のメニューを選択すると、編集装置1は、セカンダリ
ー処理の条件設定画面(図1)を表示し、この条件設定
画面においてセカンダリー処理の処理対象でなる静止画
像と、処理結果の静止画像を表示する。さらにこの処理
対象でなる静止画像について、3次元色空間上における
各画素をuv平面に投影してなる色分布画像が、色相リ
ングR1、R2と共に表示される。さらにこの色分布画
像において、重なり合う画素数が輝度により示され、こ
れにより処理対象画像の色分布が表示される。これによ
りオペレータにおいては、処理対象画像の画素の分布を
視覚的に把握でき、種々に色相を変化させる場合でも、
所望の処理結果を得ることができる。
【0147】さらに編集装置1は、この処理対象の静止
画像上でマウスがクリックされると、色分布表示部D1
上で対応する位置にマーカーMが表示され、これにより
例えばオペレータが色彩を変更したい箇所の色相及び飽
和度を、またこれとは逆にオペレータが色彩を変更した
くない箇所の色相及び飽和度を色分布表示部D1上で確
認することができる。またこのとき色相リングR1との
対比によっても、オペレータの所望する色彩か否か確認
することができる。
【0148】この状態でソースベクトルを指定するボタ
ンB0〜B9、切り換えのボタンBR及びBLを操作す
ると(図11)、対応する番号のソースベクトルが選択
され、デフォルト値により、又は記憶手段に事前に記憶
された値により、ソースベクトルを示すマーカーMS
B、色相の補正範囲でなる重み付け関数k(θ)の範囲
Wを示すマーカーMW1、MW2、目的ベクトルを示す
マーカーMSD、範囲を示すマーカーM1、M2が表示
される(図15)。さらに編集装置1は、このデフォル
ト値により、又は記憶手段に事前に記憶された値によ
り、(2)〜(12)式の演算処理が実行され、これに
より内側の色相リングR1の色彩が、選択されたソース
ベクトルに応じた色彩に変更される。
【0149】これにより編集装置1においては、マーカ
ーMSBを基準にして、マーカーMW1、MW2と原点
とにより囲まれる扇状の領域内にマーカーMが含まれる
か否か判断することにより、静止画像上で指定した箇所
の色彩を変更できるか否か判断することができる。また
これとは逆に色彩を変更したくない箇所を確認すること
ができる。さらに何なる色彩に変更されるのかを確認す
ることができる。
【0150】また色相リングR2との対比により、静止
画像上で指定した箇所に似かよった色彩についても、ど
の程度の範囲で色彩が変化するのかを確認することがで
きる。またこれとは逆に、内側の色相リングR1との対
比により、どのように色彩が変化するのかを視覚的に把
握することができる。
【0151】さらにこのとき編集装置1では、重み付け
関数k(θ)の表示部A3に、重み付け関数k(θ)の
形状が、色分布表示部D1の表示に対応するカーソルと
共に表示される。これにより編集装置1では、色彩の変
化の程度に対応する利得の設定程度を視覚により把握す
ることができる。
【0152】さらに編集装置1では、このようにしてソ
ースベクトルが選択されると、これに対応してセカンダ
リー処理部21(図9)の処理により画像確認領域AR
1が更新される。これにより編集装置1は、実際の処理
結果を確認することができる。
【0153】このようにしてソースベクトルを選択した
後、編集装置1では、ベクトルパラメータ設定部AR5
に配置されたコントロールバーを操作することにより、
又はキーボードを介した数値入力により、さらには色分
布表示部D1に表示されたマーカーをマウスにより操作
することにより、ソースベクトルの色相、飽和度、輝
度、重み付け関数k(θ)の範囲W、利得G、目的ベク
トルの色相、飽和度、輝度、さらには輝度レベルの乗算
による補正値、オフセット値が入力される。
【0154】このとき編集装置1では、これらのパラメ
ータの変更に対応してコントロールバー上のボタンの位
置、このボタンの上に配置された数値表示、重み付け関
数k(θ)の表示、ベクトルスコープ部AR2における
マーカーM1〜MSDの表示が更新され、これにより視
覚的に操作量を確認できるようになされている。また同
時に、色相リングR1、画像確認部AR1の表示が更新
され、パラメータの変更による色彩の変化を色見本でな
る色相リングR1、R2と、実際の処理対象画像とで確
認することができる。
【0155】特に、編集装置1では、色分布表示部D1
において、静止画像上で指定した箇所の色相、飽和度を
示すマーカーMを基準にして、マーカーM1〜MSDを
マウスで掴んで操作することにより、簡易な操作で所望
の箇所の色彩を変更することができる。すなわちソース
ベクトルのマーカーMSBを操作することにより、変化
させたいと考える色相、飽和度を変更することができ
る。また重み付け関数k(θ)の範囲を示すマーカーM
W1、MW2、これらのマーカーMW1、MW2に対応
する目的ベクトル側のマーカーM1、M2を操作するこ
とにより、変化させる範囲を変更することができる。ま
た目的ベクトルを示すマーカーMSDを操作することに
より、変化目標の色相、飽和度を変化させることができ
る。これにより高い自由度により色彩を変更する場合で
も、簡易な操作で特性を設定することができる。
【0156】このようして1の箇所について条件を設定
すると、編集装置1では、改めてベクトル選択部AR3
によりソースベクトルを選択した後、同様の処理を繰り
返すことにより、必要に応じて種々の箇所について、簡
易な操作により色彩を変更することができる。
【0157】かくしてベクトルパラメータ設定部AR5
のボタンB12を操作して、このようにしてパラメータ
を設定した各ソースベクトルを選択した後、ベクトル選
択部AR3において、ボタンB11を操作することによ
り、選択された全てのソースベクトルによる総合的な特
性により色相リングR1が表示され、また画像確認部A
R1に静止画像が表示され、これにより最終的な処理結
果を確認することができる。
【0158】このようにしてオペレータによる処理条件
の設定を受け付ける際に、編集装置1は、処理対象の範
囲W、処理の程度を示す利得Gより、処理対象の範囲W
で有意な値に保持され、かつ利得Gに応じて重み付けの
値が増大する重み付け関数K(θ)を生成する(図4〜
図6)。さらにソースベクトルと対応する目的ベクトル
との間で(3)式の演算処理を実行し、ソースベクトル
を目的ベクトルの色相及び飽和度に変更するために必要
な補正量(Δθ、Δr)を極座標形式により計算する。
さらにこの計算した補正量を順次重み付け関数K(θ)
により重み付けし、色相θをパラメータにした補正量を
各ソースベクトル毎に計算し、これらの補正量を各色相
θ毎に集計して総合的な補正値FK(θ)を計算する
((4)式、(5)式、図7)。
【0159】さらに編集装置1は、この補正値FK
(θ)のうち色相について、補正量FK(θ)を対応す
る色相θに加算した後、色相θの水平軸成分ΔX、垂直
軸成分ΔYに変換して補正用データを生成し、この補正
用データをルックアップテーブル27に格納する。また
補正値FK(θ)のうち、飽和度Δrについては、総合
的な補正値FK(θ)をルックアップテーブル27に格
納する。
【0160】さらにこのソースベクトル等の入力の際
に、オペレータが併せて輝度レベルを補正する場合、オ
ペレータによる利得YG、オフセット値OFYを受け付
け、この利得YG、オフセット値OFYを対応するソー
スベクトルの重み付け関数K(θ)により重み付けす
る。さらに編集装置1は、各ソースベクトルの重み付け
処理結果より総合的な補正値を生成し、これら補正値を
ルックアップテーブル33に格納する。
【0161】このとき編集装置1は、処理対象でなる映
像信号SV2が10ビットの輝度データ、色差データに
より構成されているのに対し、色相θの補正用データに
ついては、14ビット長により、飽和度rの補正用デー
タについては、11ビット長により演算処理して生成
し、これにより色相θを基準にして映像信号SV2等を
処理する際に必要な分解能を確保し、色相、飽和度の不
自然な変化を有効に回避する。
【0162】このようにして条件が入力された後、各ル
ックアップテーブルをセットすると、編集装置1は、フ
レームバッファ4に格納された静止画をカラーコレクタ
部3により処理し、その処理結果をフレームバッファ8
に格納する。さらにこれらフレームバッファ4及び8に
それぞれ格納した処理前後の静止画をモニタ9に表示す
る。これにより編集装置1では、モニタ9により処理前
後の画像を確認しながら、必要に応じてソースベクトル
等を再設定し、インタラクティブに条件を設定して、所
望の特性により映像信号SV2を処理できるようになさ
れている。
【0163】このようにしてフレームバッファ4に格納
した静止画を処理する場合、また最終的にオペレータの
設定した条件によりハードディスク装置2に記録された
映像信号SV2を処理する場合、編集装置1において
は、フレームバッファ4より静止画又は映像信号SV2
の輝度データ、色差データをカラーコレクタ部3に入力
し、オーバーサンプリング回路22U、22Vにおいて
(図10)、色差データU、Vをオーバーサンプリング
し、これにより輝度データ及び色差データを同一のサン
プリング周波数に設定する。
【0164】このように処理された輝度データ及び色差
データは、マトリックス回路23により色データに変換
された後、ルックアップテーブル24R、24G、24
Bを介して、オペレータの設定した入出力特性に従って
信号レベルが補正される。これにより輝度データ及び色
差データは、それぞれ各色信号についてホワイトレベル
等が補正された後、続くマトリックス回路25におい
て、元の輝度データ、色差データに変換される。
【0165】これによりこれら輝度データ、色差データ
は、プライマリー処理により信号レベルが補正され、こ
のときルックアップテーブル24R、24G、24Bに
より信号レベルを補正したことにより、短い処理時間に
よりリアルタイムで処理される。また必要に応じてルッ
クアップテーブル24R、24G、24Bを更新できる
ことにより、このルックアップテーブル24R、24
G、24Bに格納する特性曲線、さらには特性曲線生成
のアルゴリズムを変更して、種々の特性により処理する
ことができ、これにより高い自由度を得ることができ
る。
【0166】このようにプライマリー処理された輝度デ
ータ、色差データは、続いてセカンダリー処理される。
このセカンダリー処理において、輝度データ、色差デー
タは、座標変換回路26において、色相θのデータがそ
れぞれ14ビット長及び11ビット長による色相θ及び
飽和度rのデータに変換され、このうちの色相θのデー
タによりルックアップテーブル27がアクセスされる。
【0167】これにより色差データは、この色相θに対
応する飽和度rの補正用データΔrがルックアップテー
ブル27より出力され、乗算回路28において、この補
正用データΔrが元の飽和度rと乗算される。これによ
り色差データは、図23に示すように、ソースベクトル
の飽和度が目的ベクトルの飽和度になるように、またこ
のソースベクトルの近傍、処理対象範囲Wの内側の色彩
がこのソースベクトルの変化に滑らかに追従するように
補正される。
【0168】さらに色差データは、色相の水平軸成分及
び垂直軸成分に色相θの補正量を分解してなる補正用デ
ータΔX、ΔYがルックアップテーブル27より出力さ
れ、これら補正用データΔX、ΔYが乗算回路28より
出力される飽和度rのデータとそれぞれ乗算回路29、
30で乗算される。これにより色差データは、ソースベ
クトルの色相が目的ベクトルの色相になるように、また
このソースベクトルの近傍、処理対象範囲Wの内側の色
相がこのソースベクトルの変化に滑らかに追従するよう
に補正される(図23)。
【0169】これに対して輝度データは、同様にして色
相θによりルックアップテーブル33がアクセスされ、
このルックアップテーブル33より総合的な利得FK
(GY)、オフセット量FK(OFY)が出力される。
輝度データは、乗算回路34において、この利得FK
(GY)により信号レベルが補正された後、続く加算回
路35においてオフセット量FK(OFY)が加算さ
れ、これによりソースベクトルの輝度レベルがオペレー
タの設定した利得GY及びオフセット値OFYにより補
正されて、またこのソースベクトルの近傍、処理対象範
囲Wの内側の色彩がこのソースベクトルにおける輝度レ
ベルの変化に滑らかに追従するように補正される。
【0170】このようにして信号レベル等が補正された
輝度データ、色差データは、色相θを基準にした極座標
形式の色差データが座標変換回路31において元の色差
データのフォーマットに変換され、輝度データと共に続
くフレームバッファ8に出力される。
【0171】(1−4)第1の実施の形態の効果 以上の構成によれば、ルックアップテーブル27、33
を用いて色相、飽和度を高速度で高い自由度により補正
するにつき、3次元色空間で表される処理対象の画素を
uv平面に投影してなる色分布の画像を表示することに
より、視覚を介して直観的に処理対象の色彩の分布を把
握することができる。これによりこの色分布の画像を参
考にして簡易な操作で、パラメータを種々に設定して所
望の特性を得ることができる。
【0172】またこのとき色分布の画像上で、各画素の
明度により重なり合う画素数を表現したことにより、全
体の明暗により簡易に分布を把握することができる。
【0173】またこのときuv平面に対応する色見本で
なる色相リングR2、処理結果の色見本でなる色相リン
グR1を表示することにより、処理による色彩の変化を
色分布の画像と対比して観察することができ、これによ
りさらに操作を簡略化することができる。
【0174】さらに色分布の画像上において、静止画像
上で指定された画素に対応してマーカーを表示すること
により、色分布の画像と処理対象の画像との関係を簡易
に把握することができ、その分色分布の画像による認識
を容易にして、使い勝手を向上することができる。
【0175】また色分布の画像上に、ソースベクトルの
マーカー等を表示することにより、さらにはソースベク
トル等の変更を受け付けることにより如何なる範囲で色
彩が変更されるか等を視覚を通じて容易に把握し、さら
には条件を変更することができ、これによっても操作を
簡略化することができる。
【0176】またこれらの表示に加えて重み付け関数k
(θ)の形状を表示することにより、処理の程度を容易
に把握することができ、これによっても操作を簡略化す
ることができる。
【0177】(2)他の実施の形態 なお上述の実施の形態においては、白黒の画像により色
分布の画像を作成する場合について述べたが、本発明は
これに限らず、各画素に色彩を付加したカラー画像によ
り色分布の画像を形成してもよい。
【0178】また上述の実施の形態においては、色分布
の画像を囲むように2重のリング状に色見本でなる色相
リングを配置する場合について述べたが、本発明はこれ
に限らず、例えば高い明度の白黒の画像により色分布を
表示し、この色分布の背景に色見本を薄く表示する場
合、さらには重み付け関数の範囲に対応して部分的に表
示する場合等、色分布の画像との関係で種々の表示方法
を広く適用することができる。
【0179】さらに上述の実施の形態においては、色分
布の画像を囲むように2重のリング状に色見本でなる色
相リングを配置する場合について述べたが、本発明はこ
れに限らず、例えばソースベクトル、目的ベクトルの選
択に対応して、又はオペレータの設定により何れか1つ
だけを選択的に表示するようにしてもよく、また必要に
応じて表示を中止してもよい。
【0180】また上述の実施の形態においては、色分布
の画像上に、円形のマーカーを表示する場合について述
べたが、本発明はこれに限らず、種々の形状のマーカー
を表示する場合、さらには部分的に輝度レベルを点滅さ
せてマーカーの表示としてもよく、また必要に応じてこ
れらマーカーの表示を省略してもよい。
【0181】さらに上述の実施の形態においては、ソー
スベクトルと目的ベクトルのマーカーによる表示により
補正量を把握できるようにした場合について述べたが、
本発明はこれに限らず、図23について説明した目的ベ
クトルとソースベクトルとを結ぶ矢印等の表示により、
補正量を把握できるようにしてもよい。
【0182】また上述の実施の形態においては、ソース
ベクトル、目的ベクトル等の円形のマーカーに併せて、
これらマーカーと原点とを結ぶカーソルを表示する場合
について述べたが、本発明はこれに限らず、必要に応じ
て何れかの表示を省略してもよい。
【0183】さらに上述の実施の形態においては、重み
付け関数の形状を併せて表示する場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、必要に応じて重み付け関数
の形状の表示を省略してもよい。
【0184】さらに上述の実施の形態においては、セカ
ンダリー処理部21の乗算回路28において飽和度を乗
算することにより、目的ベクトル及びソースベクトル間
の飽和度の差分を考慮して、この差分を重み付け関数に
より処理して飽和度を補正する場合について述べたが、
本発明はこれに限らず、例えば図24に示すように、単
に色相を回転させて、目的ベクトル及びソースベクトル
間の飽和度の差分だけ飽和度を変化させるようにしても
よい。なおこの処理は、乗算回路28において、常時値
1により乗算処理することにより実施することができ
る。
【0185】さらに上述の実施の形態においては、輝度
データ及び色差データを極座標形式に変換して色彩を補
正する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、
輝度データ及び色差データの形式で色彩を補正する場合
にも広く適用することができる。
【0186】なおこの場合、ソースベクトルの輝度レベ
ル、色差レベルをYS、US、VS、目的ベクトルの輝
度レベル、色差レベルをYD、UD、VDとおいて、次
式により示される輝度データ及び色差データによる差分
データΔY、ΔU、ΔVを生成してこれを補正量(Δ
Y、ΔU、ΔV)に設定する。
【0187】
【数14】
【0188】さらに次式の演算処理により、各ソースベ
クトルの補正量(ΔY、ΔU、ΔV)をそれぞれ対応す
る重み付け関数K(θ)により重み付けした後、輝度デ
ータ、色差データ毎に、色相を基準にしてこれら重み付
け結果を集計し、輝度レベル及び色差レベルについて、
それぞれ総合的な補正値を計算することができる。
【0189】
【数15】
【0190】
【数16】
【0191】
【数17】
【0192】これによりこのようにして計算した総合的
な補正値により、処理対象の輝度レベル、色差レベルを
順次乗算して補正することにより、輝度データ及び色差
データの形式で色彩を補正することができる。
【0193】また上述の実施の形態においては、有意な
部分が二等辺三角形形状に立ち上がる重み付け関数を用
いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例
えばガラス分布曲線による重み付け関数等、種々の重み
付け関数を広く適用することができる。
【0194】さらに上述の実施の形態においては、色相
に加えて輝度レベルを補正する場合について述べたが、
本発明はこれに限らず、必要に応じて輝度レベルの補正
を省略してもよい。
【0195】さらに上述の実施の形態においては、10
ビットの入力データに対して色相及び飽和度を14ビッ
ト及び11ビットにより処理する場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、実用上充分な処理結果を得
ることができる場合、入力データのビット長に対してこ
れより長いビット数により色相等を処理してもよい。
【0196】また上述の実施の形態においては、ルック
アップテーブルにより信号レベルを補正する場合につい
て述べたが、本発明はこれに限らず、必要に応じてセカ
ンダリー処理だけルックアップテーブルにより構成して
もよく、さらには処理対象の映像信号を順次演算処理し
て色彩を補正する場合にも適用することができる。
【0197】さらに上述の実施の形態においては、輝度
データ及び色差データにより映像信号を処理する場合に
ついて述べたが、本発明はこれに限らず、色信号による
映像信号を処理する場合等、種々の映像信号を処理する
場合、画像データを処理する場合に広く適用することが
できる。
【0198】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、3次元色
空間における処理対象画像の画素をuv平面に投影した
色分布画像を表示することにより、処理対象画像の画素
の分布を視覚的に把握することができ、これにより自由
度の高い処理を実行する場合でも、簡易な操作により所
望の処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るセカンダリー処理の
条件設定画面を示す略線図である。
【図2】図1の条件設定画面により映像信号を処理する
編集装置を示すブロック図である。
【図3】プライマリー処理の説明に供する略線図であ
る。
【図4】重み付け関数の説明に供する特性曲線図であ
る。
【図5】重み付け関数と補正量との関係を示す略線図で
ある。
【図6】複数のソースベクトルの関係を示す略線図であ
る。
【図7】補正量の重み付け処理の説明に供する略線図で
ある。
【図8】分解能の説明に供する略線図である。
【図9】図2のカラーコレクタ部におけるプライマリー
処理部を示すブロック図である。
【図10】図2のカラーコレクタ部のセカンダリー処理
部を示すブロック図である。
【図11】図1の条件設定画面のベクトル選択部、シス
テム設定部を詳細に示す略線図である。
【図12】図1の条件設定画面のベクトルパラメータ設
定部を詳細に示す略線図である。
【図13】ベクトルパラメータ設定部の説明に供する略
線図である。
【図14】重み付け関数の設定の説明に供する略線図で
ある。
【図15】図1の条件設定画面のベクトルスコープ部を
詳細に示す略線図である。
【図16】色空間の説明に供する略線図である。
【図17】カラバーの基準色とuv平面との関係を示す
略線図である。
【図18】色分布画像の作成手順を示すフローチャート
である。
【図19】ベクトルスコープ部におけるソースベクトル
の操作の説明に供する略線図である。
【図20】ベクトルスコープ部における重み付け関数の
範囲の操作の説明に供する略線図である。
【図21】ベクトルスコープ部における目的ベクトルの
操作の説明に供する略線図である。
【図22】編集装置における操作手順を示すフローチャ
ートである。
【図23】色相の補正結果の説明に供する略線図であ
る。
【図24】他の実施の形態による色相の補正の説明に供
する略線図である。
【符号の説明】
1……編集装置、2……ハードディスク装置、3……カ
ラーコレクタ部、4、8……フレームバッファ、9……
モニタ、10……中央処理ユニット、20……プライマ
リー処理部、21、41、51……セカンダリー処理
部、24R、24G、24B、27、33、42、53
……ルックアップテーブル、26、31……座標変換回
路、AR1……画像確認部、AR2……ベクトルスコー
プ部、AR3……ベクトル選択部、AR4……システム
設定部、AR5……ベクトルパラメータ設定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04N 9/79 K

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】処理対象画像の色相を補正する画像処理装
    置において、 3次元色空間で表される前記処理対象画像の画素を、u
    v平面に投影してなる色分布画像を表示したことを特徴
    とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】前記色分布画像における各画素の輝度レベ
    ルにより、前記uv平面上で重なり合う画素数を表現す
    ることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】前記処理対象画像上において画素の指定を
    受け付け、 前記色分布画像において、該受け付けた画素に対応する
    箇所にマーカーを表示することを特徴とする請求項1に
    記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】前記色分布画像と共に、前記uv平面にお
    ける色相を示す色見本を表示することを特徴とする請求
    項1に記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】前記色見本を、 前記色分布画像を囲むリング状に形成することを特徴と
    する請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】前記色見本と共に、対応する補正後の色相
    を示す処理結果の色見本を表示することを特徴とする請
    求項4に記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】前記色見本と同心円状に、対応する補正後
    の色相を示す処理結果の色見本をリング状に表示するこ
    とを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】所定の基準色相を基準にした範囲で有意な
    値に保持される重み付け関数により所定の補正値を重み
    付けして、前記処理対象画像の各画素の色相を処理目標
    の色相に補正することにより、前記処理対象画像の色相
    を補正し、 前記重み付け関数の形状を表示することを特徴とする請
    求項1に記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】前記重み付け関数による補正の範囲を前記
    色分布画像に表示することを特徴とする請求項8に記載
    の画像処理装置。
  10. 【請求項10】所定の基準色相を基準にした範囲で有意
    な値に保持される重み付け関数により所定の補正値を重
    み付けして、前記処理対象画像の各画素の色相を処理目
    標の色相に補正することにより、前記処理対象画像の色
    相を補正し、 前記基準色相を前記色分布画像に表示することを特徴と
    する請求項1に記載の画像処理装置。
  11. 【請求項11】所定の基準色相を基準にした範囲で有意
    な値に保持される重み付け関数により所定の補正値を重
    み付けして、前記処理対象画像の各画素の色相を処理目
    標の色相に補正することにより、前記処理対象画像の色
    相を補正し、 前記基準色相に対応する前記補正による色相を前記色分
    布画像に表示することを特徴とする請求項1に記載の画
    像処理装置。
  12. 【請求項12】所定の基準色相を基準にした範囲で有意
    な値に保持される重み付け関数により所定の補正値を重
    み付けして、前記処理対象画像の各画素の色相を処理目
    標の色相に補正することにより、前記処理対象画像の色
    相を補正し、 前記重み付け関数により補正された後の色相の範囲を前
    記色分布画像に表示することを特徴とする請求項1に記
    載の画像処理装置。
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