JPH11276606A - レーザ照射装置 - Google Patents

レーザ照射装置

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JPH11276606A
JPH11276606A JP10103909A JP10390998A JPH11276606A JP H11276606 A JPH11276606 A JP H11276606A JP 10103909 A JP10103909 A JP 10103909A JP 10390998 A JP10390998 A JP 10390998A JP H11276606 A JPH11276606 A JP H11276606A
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JP
Japan
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laser
laser irradiation
light
irradiation apparatus
emission
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Application number
JP10103909A
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English (en)
Inventor
Shigenobu Iwahashi
茂信 岩橋
Shigeki Ariura
茂樹 有浦
Shin Maki
伸 牧
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容易かつ確実に、正常組織の損傷を防止しつ
つ、深部に位置する病変部にレーザ光を効果的に照射し
得る側射式のレーザ照射装置を提供する。 【解決手段】レーザ照射装置1は、生体深達性を有する
レーザ光を生体組織に照射する側射式のレーザ照射装置
であり、長尺状のシース2と、シース2のワーキングル
ーメン21内に設置された光ファイバー31と、反射鏡
32と、ビームスプリッタ34と、棒状のガイド部材3
21および341とを有している。反射鏡32およびビ
ームスプリッタ34は、回動自在に設置されている。ガ
イド部材321および341を移動させて、反射鏡32
およびビームスプリッタ34を回動させると、それらか
ら出射されるレーザ光の出射方向が変更され、前記レー
ザ光が集中(集光)する位置、すなわち目的位置5が移
動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管、尿道、腹腔
等の生体内管腔に挿入し、生体深達性を有するレーザ光
を生体組織に照射する側射式のレーザ照射装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】体腔を利用し、または小切開を施して生
体内管腔に長尺状のレーザ照射装置を挿入して、種々の
エネルギー密度のレーザ光を病変部へ照射することで変
性、壊死、凝固、焼灼、切開または蒸散させて治療する
技術が知られている。
【0003】一般にこれらの技術は、生体組織の表層部
またはその近傍に位置する病変部に直接レーザ光を照射
するものであるが、生体組織の深部に位置する病変部
(病変深部)の治療を目的としてその病変深部へレーザ
光を照射する技術も知られている。
【0004】しかしながら、病変深部を十分な温度に加
熱するためには、比較的高い出力のレーザ光を照射する
必要があるので、表層部を損傷させてしまうことがあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した問題を解決す
るには、例えば、レーザ照射装置の先端部に、各出射部
からのレーザ光の照射範囲が病変深部で重なるようにレ
ーザ光を出射する複数の出射部を設けることが考えられ
る。この場合には、異なる位置に設けられた各出射部か
らのレーザ光が病変深部に集まるので、ある程度は、表
層部の損傷を低減しつつ、病変深部を十分な温度に加熱
することが可能である。
【0006】しかしながら、このような構成のレーザ照
射装置では、各出射部からのレーザ光の集まる位置(集
光位置)の深さを調節することができない。このため、
病変部全体を一様に加熱することができず、局所的に加
熱過剰や加熱不足が生じる。このようなレーザ照射で
は、疼痛や合併症が生じ、満足できる治療効果を得るこ
とができず、また、再発し易い等の問題がある。
【0007】また、前述したレーザ照射装置では、集光
位置の深さが一定値に固定されているので、集光位置の
深さを目的の深さに変えるためには、レーザ照射装置
(レーザプローブ)を予め集光位置の深さが目的の深さ
に設定されているものに交換する必要がある。このた
め、集光位置の深さを段階的にしか変えることができ
ず、また、操作が煩雑である。また、レーザ照射装置を
交換する場合には、患者の負担が大きいという欠点があ
る。
【0008】本発明は、以上の点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、容易かつ確実に、正常組織(特に
表層部の正常組織)の損傷を防止しつつ、照射目的部
(特に深部に位置する照射目的部)にレーザ光を効果的
に照射し得る側射式のレーザ照射装置を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(18)の本発明により達成される。
【0010】(1) 生体深達性を有するレーザ光を生
体組織に照射する側射式のレーザ照射装置であって、長
尺状の本体と、前記本体に設置され、前記レーザ光を導
く少なくとも1つの導光部材と、前記導光部材により導
かれたレーザ光を目的位置に異なる経路を経て集めるよ
うに側方または斜方に向けて出射する複数の出射部を備
えた出射手段と、前記出射部のうちの少なくとも1つの
出射部からのレーザ光の出射方向を変更する出射方向変
更手段とを有し、前記出射方向変更手段による前記レー
ザ光の出射方向の変更により、前記目的位置を移動する
よう構成されていることを特徴とするレーザ照射装置。
【0011】(2) 生体深達性を有するレーザ光を生
体組織に照射する側射式のレーザ照射装置であって、長
尺状の本体と、前記本体に設置され、前記レーザ光を導
く複数の導光部材と、前記各導光部材の先端側に設けら
れ、前記各導光部材により導かれたレーザ光を目的位置
に異なる経路を経て集めるように側方または斜方に向け
て出射する複数の出射部を備えた出射手段と、前記出射
部のうちの少なくとも1つの出射部からのレーザ光の出
射方向を変更する出射方向変更手段とを有し、前記出射
方向変更手段による前記レーザ光の出射方向の変更によ
り、前記目的位置を移動するよう構成されていることを
特徴とするレーザ照射装置。
【0012】(3) 生体深達性を有するレーザ光を生
体組織に照射する側射式のレーザ照射装置であって、長
尺状の本体と、前記本体に設置され、前記レーザ光を導
く導光部材と、前記導光部材により導かれたレーザ光を
複数に分割し、分割された各レーザ光を目的位置に異な
る経路を経て集めるように側方または斜方に向けて出射
する複数の出射部を備えた出射手段と、前記出射部のう
ちの少なくとも1つの出射部からのレーザ光の出射方向
を変更する出射方向変更手段とを有し、前記出射方向変
更手段による前記レーザ光の出射方向の変更により、前
記目的位置を移動するよう構成されていることを特徴と
するレーザ照射装置。
【0013】(4) 前記出射部のうちの少なくとも1
つは、レーザ光の一部を反射し、残部を透過する機能を
有する光学素子である上記(3)に記載のレーザ照射装
置。
【0014】(5) 前記各出射部は、前記本体の軸線
に対して平行な方向に位置している上記(3)または
(4)に記載のレーザ照射装置。
【0015】(6) 前記出射方向変更手段による前記
レーザ光の出射方向の変更により、少なくとも前記本体
の軸線に対して垂直な方向に前記目的位置を移動するよ
う構成されている上記(1)ないし(5)のいずれかに
記載のレーザ照射装置。
【0016】(7) 前記出射方向変更手段は、前記各
出射部からのレーザ光の出射方向を変更し得るように構
成されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載
のレーザ照射装置。
【0017】(8) 前記出射方向変更手段は、前記本
体の軸線に対する前記レーザ光の角度を変更するもので
ある上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のレーザ
照射装置。
【0018】(9) 前記各出射部からのレーザ光の光
量がほぼ等しくなるように構成されている上記(1)な
いし(8)のいずれかに記載のレーザ照射装置。
【0019】(10) レーザ光の光路の途中に、該レー
ザ光を平行光または収束光にする光学系を有する上記
(1)ないし(9)のいずれかに記載のレーザ照射装
置。
【0020】(11) 前記出射部は、該出射部に入射し
たレーザ光の少なくとも一部を反射する反射面を有し、
前記出射方向変更手段による前記反射面の回動により該
反射面からのレーザ光の出射方向を変更するよう構成さ
れ、前記出射方向変更手段は、前記反射面の回動を生じ
させる操作部材を有している上記(1)ないし(10)の
いずれかに記載のレーザ照射装置。
【0021】(12) 前記目的位置に対応する目盛りが
設けられている上記(1)ないし(11)のいずれかに記
載のレーザ照射装置。
【0022】(13) 前記本体は、内視鏡を挿入するル
ーメンを有する上記(1)ないし(12)のいずれかに記
載のレーザ照射装置。
【0023】(14) 先端部に、拡張・収縮するバルー
ンを有する上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の
レーザ照射装置。
【0024】(15) 前記バルーンを拡張するための作
動流体を供給および排出する流路を有する上記(14)に
記載のレーザ照射装置。
【0025】(16) 前記作動流体は、冷却液である上
記(15)に記載のレーザ照射装置。
【0026】(17) 前記本体の表面に親水性高分子材
料を含む表面層を有する上記(1)ないし(16)のいず
れかに記載のレーザ照射装置。
【0027】(18) 前記レーザ光の波長は、800〜
1300nmである上記(1)ないし(17)のいずれかに
記載のレーザ照射装置。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明のレーザ照射装置を
添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0029】図1は、本発明のレーザ照射装置の第1実
施例を示す断面図、図2は、図1に示すレーザ照射装置
の正面図、図3は、図1に示すレーザ照射装置を体腔内
に挿入した状態を示す側面図である。なお、説明の都合
上、図1および図3中右側を「先端」、左側を「基端」
とする。
【0030】これらの図に示すレーザ照射装置1は、生
体深達性を有するレーザ光を生体組織100に照射する
側射式のレーザ照射装置であり、レーザ光の出射方向
(照射方向)を変更する出射方向変更手段を有してい
る。
【0031】図1〜図3に示すように、レーザ照射装置
1は、ワーキングルーメン(中空部)21が形成されて
いる長尺状のシース(本体)2と、このシース2のワー
キングルーメン21内に設置された光ファイバー(導光
部材)31と、反射鏡(出射部)32と、ビームスプリ
ッタ(出射部)34と、棒状のガイド部材321および
341とを有している。
【0032】前記ワーキングルーメン21は、シース2
の軸線と平行に形成され、シース2の基端側に開放して
いる。
【0033】また、シース2の少なくとも先端部23の
図1中下側の部分は、光透過性を有している。
【0034】この場合、例えば、シース2の先端部23
の図1中下側の部分に光透過性を有する窓部を形成して
もよいし、また、シース2全体が光透過性を有していて
もよい。また、シース2の先端部23の図1中下側の部
分に開口を設けてもよい。
【0035】光ファイバー31は、シース2のほぼ中心
に、シース2の軸線と平行に設置されている。
【0036】この光ファイバー31の基端部は、シース
2の基端から突出し、先端部は、シース2の先端部の近
傍に位置している。そして、光ファイバー31の基端側
には、レーザ光を発生させる図示しないレーザ光発生装
置が設けられている。
【0037】光ファイバー31は、コアと、コアを取り
囲むようにコアの外周部に配置されたコアより屈折率の
低いクラッドとで構成されている。
【0038】この光ファイバー31としては、レーザ光
を導くことが可能なものであれば特に限定されず、例え
ば、コアが、石英を主成分とするものでもよく、多成分
ガラスからなるものでもよく、アクリル等の樹脂からな
るものでもよい。また、コアが1つの構成のものでもよ
く、クラッド内に複数のコアが配列された構成のもので
もよい。また、複数の光ファイバーを束ねた光ファイバ
ーバンドルでもよい。
【0039】ビームスプリッタ34は、光ファイバー3
1の先端側(先端部23)に位置し、軸342により、
シース2に対して回動自在に支持されている。さらに、
ビームスプリッタ34は、その端部において、ガイド部
材341の先端部に回動自在に支持されている。
【0040】このガイド部材341は、シース2の長手
方向(シース2の軸線に対して平行な方向)およびシー
ス2の軸線に対して垂直な方向のぞれぞれに移動可能に
設置されている。そして、このガイド部材341の基端
部は、シース2の基端から突出している。
【0041】また、反射鏡32は、ビームスプリッタ3
4の先端側(先端部23)に位置し、軸322により、
シース2に対して回動自在に支持されている。さらに、
反射鏡32は、その端部において、ガイド部材321の
先端部に回動自在に支持されている。
【0042】このガイド部材321は、シース2の長手
方向およびシース2の軸線に対して垂直な方向のぞれぞ
れに移動可能に設置されている。そして、このガイド部
材321の基端部は、シース2の基端から突出してい
る。
【0043】前記反射鏡32とビームスプリッタ34
は、シース2の長手方向、すなわち、シース2の軸線
(光ファイバー31の軸線)に対して平行な直線上に位
置している。そして、反射鏡32を支持する軸322と
ビームスプリッタ34を支持する軸342は、平行に配
置されている。
【0044】図1に示す状態では、ビームスプリッタ3
4から出射するレーザ光、すなわちビームスプリッタ3
4の分割面(反射率は任意)340で反射したレーザ光
は、図1中下側より先端側に傾斜した方向(先端側斜
方)に出射し、反射鏡32から出射するレーザ光、すな
わち反射鏡32の反射面320で反射したレーザ光は、
図1中下側より基端側に傾斜した方向(基端側斜方)に
出射する。
【0045】従って、ビームスプリッタ34の分割面3
40で反射したレーザ光と、反射鏡32の反射面320
で反射したレーザ光は、図1中下側の所定の位置で重な
る(集まる)。以下、前記レーザ光が重なる(集まる)
位置を「目的位置」という。
【0046】このレーザ照射装置1では、反射鏡32の
反射面320で反射したレーザ光の光軸201とシース
2の軸線に平行な直線204とのなす角をθ1 、ビーム
スプリッタ34の分割面340で反射したレーザ光の光
軸202と直線204とのなす角をθ2 としたとき、θ
1 <θ2 の条件を満たすように、ガイド部材321やガ
イド部材341を操作して、反射鏡32の反射面320
やビームスプリッタ34の分割面340の角度、すなわ
ち、レーザ光の出射方向(照射方向)を変更することに
より、目的位置(集光位置)5を任意の方向に移動させ
ることができる。なお、これについては、後に詳述す
る。
【0047】前記ビームスプリッタ34の反射率(分割
面340の反射率)は、特に限定されないが、1/2と
するのが好ましい。
【0048】ビームスプリッタ34の反射率を1/2に
設定することにより、反射鏡32の反射面320で反射
したレーザ光と、ビームスプリッタ34の分割面340
で反射したレーザ光の光量(強度)が等しくなる。これ
により、生体組織100の表層部101の温度をより低
くすることができるので、患者に対する安全性が高い。
【0049】使用されるレーザ光は、生体深達性を有す
るものであれば特に限定されないが、波長が800〜1
300nm程度のものが好ましい。波長が800〜130
0nm程度のレーザ光は、特に生体深達性に優れるので、
レーザ光を生体組織100に照射したときに、その表層
部101でのエネルギーの吸収が少なく、このため、よ
り効果的に生体組織100の深部に位置する照射目的部
(病変部)120にレーザ光を照射することができる。
【0050】なお、前記波長のレーザ光を発生させるレ
ーザ光発生装置としては、例えば、He−Neレーザ等
の気体レーザ、Nd−YAGレーザ等の固体レーザ、G
aAlAsレーザ等の半導体レーザ等が挙げられる。
【0051】レーザ照射装置1の挿入部の外径(直
径)、すなわち、シース2の外径は、体腔110内に挿
入可能であれば特に限定されないが、例えば、2〜20
mm程度が好ましく、3〜8mm程度がより好ましい。
【0052】また、シース2の構成材料としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリウ
レタン、ポリスチレン、フッ素樹脂等、これらのうちの
1種を含むポリマーアロイ、またはこれらのうちの2以
上を組み合わせたものが挙げられる。
【0053】なお、このレーザ照射装置1では、反射鏡
32およびビームスプリッタ34により、出射手段が構
成される。
【0054】次に、前述したレーザ照射装置1の作用を
説明する。まず、図3に示すように、レーザ照射装置1
の挿入部、すなわちシース2を先端部23から体腔11
0内に挿入し、その先端部23を照射目的部120の図
3中上側またはその近傍に位置させる。
【0055】次いで、目的位置(集光位置)5が照射目
的部120の中の所望の位置に位置するように調節(設
定)する。
【0056】シース2の軸線に対して垂直な方向(図1
および図3中上下方向)における目的位置5の位置の調
節においては、反射鏡32およびビームスプリッタ34
のうちのいずれか一方または両方を所定方向に回転させ
て、レーザ光の出射方向、すなわち、θ1 およびθ2
うちのいずれか一方または両方を調節する。
【0057】この場合、θ1 を増大またはθ2 を減少さ
せると、目的位置5は、シース2から離間する方向(図
1および図3中下側)に移動する。
【0058】逆に、θ1 を減少またはθ2 を増大させる
と、目的位置5は、シース2に接近する方向(図1およ
び図3中上側)に移動する。
【0059】また、シース2の長手方向における目的位
置5の位置の調節においては、レーザ照射装置1全体を
所定方向(シース2の長手方向)に移動させるか、また
は、反射鏡32およびビームスプリッタ34をそれぞれ
所定方向に回転させて、レーザ光の出射方向、すなわ
ち、θ1 およびθ2 のそれぞれを調節する。
【0060】反射鏡32およびビームスプリッタ34を
回転させることにより、シース2の長手方向における目
的位置5の位置の調節を行う場合には、シース2を移動
させなくてよいので、患者の負担を軽減することがで
き、また、操作も容易である。
【0061】また、シース2の周方向における目的位置
5の位置の調節においては、レーザ照射装置1全体を図
2中時計回りまたは反時計回りに回転させる。
【0062】なお、前述したシース2の軸線に対して垂
直な方向、シース2の長手方向およびシース2の周方向
における目的位置5の位置の調節は、それぞれ、必要に
応じて行えばよい。
【0063】次いで、図示しないレーザ光発生装置を作
動させ、レーザ光を光ファイバー31の各基端部からそ
れぞれ入射させる。
【0064】図1に示すように、光ファイバー31の基
端部から入射したレーザ光は、光ファイバー31により
基端部から先端部へ導かれ、その一部は、ビームスプリ
ッタ34の分割面340で反射し、残部は、前記分割面
340を透過する(反射光と透過光とに分割される)。
前記ビームスプリッタ34の分割面340で反射したレ
ーザ光は、目的位置5に照射される。
【0065】また、前記ビームスプリッタ34の分割面
340を透過したレーザ光は、反射鏡32の反射面32
0で反射し、その反射光は、目的位置5に照射される。
【0066】すなわち、光ファイバー31により導かれ
たレーザ光は、ビームスプリッタ34で2つに分割さ
れ、これらの分割レーザ光(反射鏡32の反射面320
で反射したレーザ光と、ビームスプリッタ34の分割面
340で反射したレーザ光)は、異なる経路を経て図1
中下側の目的位置5に集まる(集光する)。
【0067】図3に示すように、生体組織100のうち
の目的位置5およびその近傍の部位(領域)は、照射さ
れたレーザ光により、所望の温度に加熱される。
【0068】一方、照射目的部120の図3中上側の部
位(例えば、生体組織100の表層部101)および下
側の部位では、反射鏡32の反射面320で反射したレ
ーザ光と、ビームスプリッタ34の分割面340で反射
したレーザ光とが重なっていないので、その温度は、そ
れぞれ、比較的低い温度に保持される。
【0069】次いで、目的位置5を移動させて(目的位
置5を連続的に変えて)、照射目的部120全体を所望
の温度に加熱する。
【0070】図4、図5および図6は、図1に示すレー
ザ照射装置の先端部およびその近傍を示す断面図であ
る。なお、説明の都合上、図4〜図6中右側を「先
端」、左側を「基端」とする。
【0071】目的位置5をシース2の軸線に対して垂直
な方向(図1および図3中上下方向)に移動させる場合
には、前述したように、反射鏡32およびビームスプリ
ッタ34のうちのいずれか一方または両方を所定方向に
回転させて、レーザ光の出射方向、すなわち、θ1 およ
びθ2 のうちのいずれか一方または両方を変更する。
【0072】例えば、図4に示す状態で、ガイド部材3
21を図4中左側に移動させると、反射鏡32が図4中
反時計回りに回転し、反射鏡32からのレーザ光の出射
方向、すなわち、シース2の軸線に対する反射鏡32の
反射面320で反射したレーザ光の光軸201の角度が
変更される。この場合、図5に示すように、レーザ光の
光軸201とシース2の軸線に平行な直線204とのな
す角θ1 が大きくなる。
【0073】そして、ガイド部材341を図4中右側に
移動させると、ビームスプリッタ34が図4中時計回り
に回転し、ビームスプリッタ34からのレーザ光の出射
方向、すなわち、シース2の軸線に対するビームスプリ
ッタ34の分割面340で反射したレーザ光の光軸20
2の角度が変更される。この場合、図5に示すように、
レーザ光の光軸202と直線204とのなす角θ2 が小
さくなる。従って、目的位置5は、図4中下側に移動
し、図5に示すようになる。
【0074】逆に、目的位置5を図5中上側に移動させ
る場合には、ガイド部材321を図5中右側に移動さ
せ、反射鏡32を図5中時計回りに回転させる。そし
て、ガイド部材341を図5中左側に移動させ、ビーム
スプリッタ34を図5中反時計回りに回転させる。
【0075】これにより、θ1 が小さくなり、θ2 が大
きくなって、目的位置5は、図5中上側に移動する。
【0076】なお、目的位置5をシース2の軸線に対し
て垂直な方向に移動させる場合、θ1 およびθ2 のうち
のいずれか一方を90°に設定し、他方を変更すること
により(反射鏡32からのレーザ光およびビームスプリ
ッタ34からのレーザ光のうちのいずれか一方の出射方
向を側方とし、他方の出射方向を変更することによ
り)、目的位置5をシース2の長手方向に移動させるこ
となく、シース2の軸線に対して垂直な方向のみに移動
させることができる。
【0077】また、目的位置5をシース2の長手方向に
移動させる場合には、前述したように、レーザ照射装置
1全体を所定方向(シース2の長手方向)に移動させる
か、または、反射鏡32およびビームスプリッタ34を
それぞれ所定方向に回転させて、レーザ光の出射方向、
すなわち、θ1 およびθ2 のそれぞれを変更する。この
場合、前述した理由と同様の理由で、反射鏡32および
ビームスプリッタ34を回転させることにより、目的位
置5をシース2の長手方向に移動させるのが好ましい。
【0078】例えば、図4に示す状態で、ガイド部材3
21を図4中左側に移動させると、反射鏡32が図4中
反時計回りに回転し、反射鏡32からのレーザ光の出射
方向、すなわち、シース2の軸線に対する反射鏡32の
反射面320で反射したレーザ光の光軸201の角度が
変更される。この場合、図6に示すように、レーザ光の
光軸201と直線204とのなす角θ1 が大きくなる。
【0079】同様に、ガイド部材341を図4中左側に
移動させると、ビームスプリッタ34が図4中反時計回
りに回転し、ビームスプリッタ34からのレーザ光の出
射方向、すなわち、シース2の軸線に対するビームスプ
リッタ34の分割面340で反射したレーザ光の光軸2
02の角度が変更される。この場合、図6に示すよう
に、レーザ光の光軸202と直線204とのなす角θ2
が大きくなる。従って、目的位置5は、図4中右側に移
動し、図6に示すようになる。
【0080】逆に、目的位置5を図6中左側に移動させ
る場合には、ガイド部材321および341をそれぞれ
図6中右側に移動させ、反射鏡32およびビームスプリ
ッタ34をそれぞれ図6中時計回りに回転させる。
【0081】これにより、θ1 およびθ2 がそれぞれ小
さくなって、目的位置5は、図6中左側に移動する。
【0082】また、目的位置5をシース2の周方向に移
動させる場合には、前述したように、レーザ照射装置1
全体を図2中時計回りまたは反時計回りに回転させる。
【0083】例えば、図7に示すように、シース2の軸
線を中心としてレーザ照射装置1全体を1回転以上回転
させると、環状の照射目的部120全体を所望の温度に
加熱することができる。
【0084】なお、前述したシース2の軸線に対して垂
直な方向、シース2の長手方向およびシース2の周方向
への目的位置5の移動は、それぞれ、必要に応じて行え
ばよい。
【0085】照射目的部120へのレーザ光の照射が終
了した後、レーザ照射装置1全体を図3中左側に移動さ
せて体腔110内から引き抜く。
【0086】以上説明したように、このレーザ照射装置
1によれば、照射目的部120にレーザ光を照射する
際、反射鏡32の反射面320で反射したレーザ光と、
ビームスプリッタ34の分割面340で反射したレーザ
光が、異なる経路を経て目的位置5に集中(集光)する
ので、照射目的部120以外の部位(正常組織)の温度
は、比較的低い温度に保持される(照射目的部120以
外の部位を温存することができる)。これにより、照射
目的部120以外の部位の損傷を防止(低減)すること
ができ、特に、照射目的部120が深部に位置する場合
でも表層部101の損傷を防止することができるので、
患者に対する安全性が高い。
【0087】そして、反射鏡32の反射面320で反射
したレーザ光およびビームスプリッタ34の分割面34
0で反射したレーザ光は、目的位置5に集中するので、
目的位置5およびその近傍においてレーザ光のエネルギ
ー密度が高まり、これにより照射目的部120を所望の
温度に加熱することができる。
【0088】また、このレーザ照射装置1では、目的位
置5を任意の方向に移動させることができ、特に、目的
位置5をシース2の軸線に対して垂直な方向に移動させ
ることができるので、容易かつ確実に、任意の位置に位
置する照射目的部120や、任意の形状、任意の寸法の
照射目的部120に対して、その照射目的部120全体
を均一に所望の温度に加熱することができる(局所的に
加熱過剰や加熱不足が生じるのを防止することができ
る)。
【0089】また、このレーザ照射装置1では、反射鏡
32およびビームスプリッタ34のうちのいずれか一方
または両方を回転させることにより、目的位置5をシー
ス2の軸線に対して垂直な方向に移動させることができ
るので、目的位置5の深さを変えるためにレーザ照射装
置を交換する必要がない。このため、操作が容易であ
り、また、患者の負担を軽減することができる。
【0090】また、このレーザ照射装置1では、反射鏡
32およびビームスプリッタ34を回転させることによ
り、シース2を移動させることなく目的位置5をシース
2の長手方向に移動させることができるので、体腔11
0が比較的狭い等の理由からレーザ照射装置1の挿入部
を途中までしか挿入することができない場合でも、照射
目的部120にレーザ光を照射して、その照射目的部1
20を所望の温度に加熱することができる。
【0091】また、このレーザ照射装置1では、反射鏡
32およびビームスプリッタ34を回転させることによ
り、反射鏡32およびビームスプリッタ34からのレー
ザ光の出射方向、すなわち、角θ1 およびθ2 を変更す
ることができるので、レーザ光の透過が困難な部位や、
比較的低いエネルギー密度のレーザ光の照射でも合併症
が生じ易い部位を避けて照射目的部120にレーザ光を
照射することができる。
【0092】また、このレーザ照射装置1では、単一の
光ファイバー31を用い、その光ファイバー31により
導かれたレーザ光を複数に分割し、分割された各レーザ
光を出射するよう構成されているので、レーザ照射装置
1の挿入部(シース2)を細径化することができる。こ
れにより、レーザ照射装置1の挿通性が向上し、レーザ
照射装置1の挿入および引き抜き時の疼痛や擦過傷等の
患者の負担を低減することができる。
【0093】なお、本発明では、出射手段(反射鏡3
2、ビームスプリッタ34)から出射されるレーザ光
は、発散光、平行光および収束光のいずれであってもよ
いが、これらのうち、平行光または収束光が好ましい。
【0094】出射手段から出射されるレーザ光が平行光
または収束光の場合には、目的位置5にレーザ光をより
集中させることができ、目的位置5およびその近傍にお
けるレーザ光のエネルギー密度をより高めることができ
る。換言すれば、平行光または収束光の場合には、目的
位置5に照射されるレーザ光のエネルギー密度が同一の
ときは、発散光の場合に比べ、表層部101に照射され
るレーザ光のエネルギー密度を低くすることができるの
で、表層部101の損傷をより確実に防止することがで
きる。
【0095】また、出射手段から出射されるレーザ光が
収束光の場合には、そのレーザ光が目的位置5に収束、
すなわち、レーザ光が収束する位置(レーザ光の光軸に
垂直な面へのスポット光の面積が最小となる位置)と目
的位置5とが一致するよう構成されているのが好まし
い。
【0096】レーザ光を目的位置5に収束させることに
より、目的位置5およびその近傍におけるレーザ光のエ
ネルギー密度をさらに高めることができる。
【0097】出射手段から出射されるレーザ光が平行光
または収束光となるようにするには、レーザ光の光路の
途中に、レーザ光を平行光または収束光にする光学系を
設ける。
【0098】また、本発明では、反射鏡32およびビー
ムスプリッタ34のうちのいずれか一方のみが回動自在
に設置されていてもよい。この場合も反射鏡32および
ビームスプリッタ34のうちの一方を所定方向に回転さ
せて、レーザ光の出射方向(θ1 またはθ2 )を変更す
ることにより、目的位置5をシース2の軸線に対して垂
直な方向に移動させることができる。
【0099】また、本発明では、各出射部からのレーザ
光の光量は、等しくてもよく、また、異なっていてもよ
いが、特に各出射部からのレーザ光の光量が等しくなる
ように構成されているのが好ましい。各出射部からのレ
ーザ光の光量を等しくすることにより、各出射部からの
レーザ光の光量の合計値が同一の場合、表層部の温度を
より低くすることができるので、患者に対する安全性が
高い。
【0100】また、本発明では、出射手段の出射部の数
は、2つに限らず、3つ以上であってもよい。
【0101】この場合、出射部の数が多すぎると構造が
複雑になるので、出射部の数は、2〜6程度が好まし
く、2〜4程度がより好ましい。
【0102】次に、本発明のレーザ照射装置の第2実施
例を説明する。図8は、本発明のレーザ照射装置の第2
実施例を示す断面図である。なお、説明の都合上、図8
中右側を「先端」、左側を「基端」とする。また、前述
した第1実施例との共通点については、説明を省略し、
主な相違点を説明する。
【0103】同図に示すように、このレーザ照射装置1
では、シース2のワーキングルーメン21内に、光ファ
イバー(導光部材)31および41と、反射鏡(出射
部)32および35と、棒状のガイド部材321および
341とが設置されている。
【0104】光ファイバー41は、光ファイバー31の
図8中上側に位置している。そして、光ファイバー41
の先端部は、光ファイバー31の先端部より先端側(図
8中右側)に位置している。
【0105】反射鏡35は、光ファイバー31の先端側
(先端部23)に位置し、軸352により、シース2に
対して回動自在に支持されている。さらに、反射鏡35
は、その端部において、ガイド部材341の先端部に回
動自在に支持されている。
【0106】また、反射鏡32は、光ファイバー41の
先端側(先端部23)に位置し、軸322により、シー
ス2に対して回動自在に支持されている。さらに、反射
鏡32は、その端部において、ガイド部材321の先端
部に回動自在に支持されている。
【0107】そして、反射鏡32を支持する軸322と
反射鏡35を支持する軸352は、平行に配置されてい
る。
【0108】次に、このレーザ照射装置1の作用を説明
する。光ファイバー31の基端部から入射したレーザ光
は、光ファイバー31により基端部から先端部へ導か
れ、反射鏡35の反射面350で反射し、その反射光
は、目的位置5に照射される。
【0109】同様に、光ファイバー41の基端部から入
射したレーザ光は、光ファイバー41により基端部から
先端部へ導かれ、反射鏡32の反射面320で反射し、
その反射光は、目的位置5に照射される。
【0110】すなわち、反射鏡32の反射面320で反
射したレーザ光と、反射鏡35の反射面350で反射し
たレーザ光は、異なる経路を経て目的位置5に集光す
る。
【0111】このレーザ照射装置1でも前述した第1実
施例のレーザ照射装置1と同様の効果が得られる。
【0112】次に、本発明のレーザ照射装置の第3実施
例を説明する。図9は、本発明のレーザ照射装置の第3
実施例を示す断面図である。なお、説明の都合上、図9
中右側を「先端」、左側を「基端」とする。また、前述
した第1実施例との共通点については、説明を省略し、
主な相違点を説明する。
【0113】同図に示すように、このレーザ照射装置1
では、光ファイバー31の先端部とビームスプリッタ3
4との間に、コリメートレンズ36が設置されている。
【0114】次に、このレーザ照射装置1の作用を説明
する。光ファイバー31の基端部から入射したレーザ光
は、光ファイバー31により基端部から先端部へ導か
れ、コリメートレンズ36で平行光とされ、その一部
は、ビームスプリッタ34の分割面340で反射し、残
部は、前記分割面340を透過する(反射光と透過光と
に分割される)。前記ビームスプリッタ34の分割面3
40で反射したレーザ光は、目的位置5に照射される。
【0115】また、前記ビームスプリッタ34の分割面
340を透過したレーザ光(平行光)は、反射鏡32の
反射面320で反射し、その反射光は、目的位置5に照
射される。
【0116】すなわち、光ファイバー31により導かれ
たレーザ光は、コリメートレンズ36で平行光とされた
後、ビームスプリッタ34で2つに分割され、これらの
分割レーザ光(反射鏡32の反射面320で反射したレ
ーザ光と、ビームスプリッタ34の分割面340で反射
したレーザ光)は、異なる経路を経て目的位置5に集光
する。
【0117】このレーザ照射装置1でも前述した第1実
施例のレーザ照射装置1と同様の効果が得られる。
【0118】そして、このレーザ照射装置1では、平行
光を照射するので、拡散光を照射する場合に比べ、目的
位置5にレーザ光をより集中させることができ、目的位
置5およびその近傍におけるレーザ光のエネルギー密度
をより高めることができる。換言すれば、目的位置5に
照射されるレーザ光のエネルギー密度が同一のときは、
発散光の場合に比べ、表層部に照射されるレーザ光のエ
ネルギー密度を低くすることができるので、表層部の損
傷をより確実に防止することができる。
【0119】なお、本発明では、コリメートレンズ36
の位置は、光ファイバー31の先端部とビームスプリッ
タ34との間に限らない。すなわち、コリメートレンズ
36は、レーザ光の光路の途中に位置していればよい。
【0120】次に、本発明のレーザ照射装置の第4実施
例を説明する。図10は、本発明のレーザ照射装置の第
4実施例を示す断面図、図11は、図10に示すレーザ
照射装置の側面図である。なお、説明の都合上、図10
および図11中右側を「先端」、左側を「基端」とす
る。また、前述した第3実施例との共通点については、
説明を省略し、主な相違点を説明する。
【0121】これらの図に示すように、このレーザ照射
装置1では、ガイド部材321には、そのガイド部材3
21を移動操作して反射鏡32を回動させるレバー(操
作部材)6aが設けられている。
【0122】また、ガイド部材341には、そのガイド
部材341を移動操作してビームスプリッタ34を回動
させるレバー(操作部材)6bが設けられている。
【0123】レバー6aは、頭部61と、この頭部61
より細い軸部63とで構成されている。また、頭部61
には、直線状の指標62が設けられている。
【0124】同様に、レバー6bは、頭部61と、この
頭部61より細い軸部63とで構成されている。また、
頭部61には、直線状の指標62が設けられている。
【0125】また、シース2の基端側には、前記レバー
6aおよび6bをそれぞれ案内する長孔(案内溝)24
が形成されている。
【0126】この長孔24は、シース2の軸線と平行に
形成されており、ワーキングルーメン21に連通してい
る。
【0127】また、この長孔24の幅(図11中上下方
向の長さ)は、レバー6aおよび6bの軸部63の外径
(直径)より大きく、かつ頭部61より小さく設定され
ている。
【0128】この長孔24には、前記レバー6aおよび
6bの軸部63がそれぞれ挿入され、レバー6aおよび
6bの頭部61は、それぞれシース2の外周側に位置し
ている。
【0129】また、シース2の外周面の長孔24の近傍
(長孔24の図11中下側)には、シース2の軸線と平
行、すなわち、長孔24と平行に目盛り25が設けられ
ている。
【0130】この目盛り25は、角θ1 およびθ2 、す
なわち、目的位置5の位置に対応している。
【0131】従って、レバー6aの指標62と一致する
目盛り25の値と、レバー6bの指標62と一致する目
盛り25の値とを読み取れば、これらの値から、目的位
置5の位置を把握することができ、特に、シース2の軸
線に対して垂直な方向における目的位置5とシース2の
外周面(生体組織の表面)との間の距離、すなわち、目
的位置5の深さを把握することができる。
【0132】次に、このレーザ照射装置1の作用を説明
する。作業者が、レバー6aの頭部61を把持して、そ
のレバー6aを移動操作すると、レバー6aは、長孔2
4に沿って摺動し、これとともにガイド部材321がシ
ース2の長手方向に移動して、反射鏡32が所定方向に
回転する。すなわち、θ1 が変更される。
【0133】また、作業者が、レバー6bの頭部61を
把持して、そのレバー6bを移動操作すると、レバー6
bは、長孔24に沿って摺動し、これとともにガイド部
材341がシース2の長手方向に移動して、ビームスプ
リッタ34が所定方向に回転する。すなわち、θ2 が変
更される。
【0134】このレーザ照射装置1でも前述した第3実
施例のレーザ照射装置1と同様の効果が得られる。
【0135】そして、このレーザ照射装置1では、レバ
ー6aおよび6bが設けられているので、ガイド部材3
21および341の移動操作、すなわち、反射鏡32お
よびビームスプリッタ34の回動によるレーザ光の出射
方向の変更を容易に行うことができる。
【0136】また、レバー6aの指標62と一致する目
盛り25の値と、レバー6bの指標62と一致する目盛
り25の値を読み取れば、これらの値から、目的位置5
の位置(特に、目的位置5の深さ)を把握することがで
きるので、容易かつ確実に、目的位置5を目標の位置に
移動させることができる(特に、目的位置5の深さを目
標の深さに変えることができる)。このため、容易かつ
確実に、照射目的部120以外の部位の温度を比較的低
い温度に保持しつつ、照射目的部120全体を均一に所
望の温度に加熱することができる。
【0137】次に、本発明のレーザ照射装置の第5実施
例を説明する。図12は、本発明のレーザ照射装置の第
5実施例を示す断面図である。なお、説明の都合上、図
12中右側を「先端」、左側を「基端」とする。また、
前述した第4実施例との共通点については、説明を省略
し、主な相違点を説明する。
【0138】同図に示すように、このレーザ照射装置1
では、反射鏡32のレーザ光の出射側(図12中下側)
に、収束レンズ(集光レンズ)37が設置されている。
【0139】また、ビームスプリッタ34のレーザ光の
出射側(図12中下側)に、収束レンズ(集光レンズ)
38が設置されている。
【0140】次に、このレーザ照射装置1の作用を説明
する。光ファイバー31の基端部から入射したレーザ光
は、光ファイバー31により基端部から先端部へ導か
れ、コリメートレンズ36で平行光とされ、その一部
は、ビームスプリッタ34の分割面340で反射し、残
部は、前記分割面340を透過する(反射光と透過光と
に分割される)。前記ビームスプリッタ34の分割面3
40で反射したレーザ光は、収束レンズ38で収束光と
され、目的位置5に照射される。
【0141】また、前記ビームスプリッタ34の分割面
340を透過したレーザ光(平行光)は、反射鏡32の
反射面320で反射し、その反射光は、収束レンズ37
で収束光とされ、目的位置5に照射される。
【0142】すなわち、光ファイバー31により導かれ
たレーザ光は、コリメートレンズ36で平行光とされた
後、ビームスプリッタ34で2つに分割され、これらの
分割レーザ光(反射鏡32の反射面320で反射したレ
ーザ光と、ビームスプリッタ34の分割面340で反射
したレーザ光)は、それぞれ、収束光とされ、異なる経
路を経て目的位置5に集光する。
【0143】このレーザ照射装置1でも前述した第4実
施例のレーザ照射装置1と同様の効果が得られる。
【0144】そして、このレーザ照射装置1では、収束
光を照射するので、拡散光を照射する場合に比べ、目的
位置5にレーザ光をより集中させることができ、目的位
置5およびその近傍におけるレーザ光のエネルギー密度
をより高めることができる。換言すれば、目的位置5に
照射されるレーザ光のエネルギー密度が同一のときは、
発散光の場合に比べ、表層部に照射されるレーザ光のエ
ネルギー密度を低くすることができるので、表層部の損
傷をより確実に防止することができる。
【0145】図13は、この第5実施例のレーザ照射装
置1から照射されたレーザ光(収束光)と、図10に示
す第4実施例のレーザ照射装置1から照射されたレーザ
光(平行光)とを模式的に示す図である。
【0146】同図に示すように、このレーザ照射装置1
から照射されたレーザ光301は、一旦収束した後、拡
散する。従って、このレーザ照射装置1では、平行光3
02を照射する場合に比べ、図13に示す範囲303に
おいて、ビーム径が小さく、レーザ光のエネルギー密度
が高い。
【0147】なお、本発明では、収束レンズ37の位置
は、反射鏡32のレーザ光の出射側に限らない。すなわ
ち、収束レンズ37は、レーザ光の光路の途中に位置し
ていればよい。
【0148】同様に、本発明では、収束レンズ38の位
置は、ビームスプリッタ34のレーザ光の出射側に限ら
ない。すなわち、収束レンズ38は、レーザ光の光路の
途中に位置していればよい。
【0149】また、本発明では、コリメートレンズ36
を省略し、収束レンズ37および38で発散光を収束光
にするように構成してもよい。
【0150】次に、本発明のレーザ照射装置の第6実施
例を説明する。図14は、本発明のレーザ照射装置の第
6実施例を示す断面図である。なお、説明の都合上、図
14中右側を「先端」、左側を「基端」とする。また、
前述した第3実施例との共通点については、説明を省略
し、主な相違点を説明する。
【0151】同図に示すように、このレーザ照射装置1
では、シース2に、内視鏡8が着脱自在に挿入される内
視鏡用ルーメン(中空部)22が形成されている。
【0152】内視鏡用ルーメン22は、光ファイバー3
1の図14中下側(レーザ光の出射側)に、シース2の
軸線と平行に形成されている。
【0153】また、内視鏡用ルーメン22は、シース2
の基端に開放し、かつ、ワーキングルーメン21に連通
している。
【0154】次に、このレーザ照射装置1の作用を説明
する。例えば、斜方視用の内視鏡8をその先端部81か
ら内視鏡用ルーメン22に挿入し、内視鏡8の先端部8
1を内視鏡用ルーメン22から突出させて、シース2の
先端部23、すなわち、ビームスプリッタ34の近傍に
位置させる。
【0155】内視鏡8により、図14に示す観察範囲1
40を観察することができ、作業者は、前記内視鏡8に
より、例えば、レーザ光の照射位置、レーザ光の照射方
向(レーザ光の出射方向)、レーザ光が照射された生体
組織100の表面の状態等を観察する。
【0156】また、内視鏡8を回転させたり、また、シ
ース2の長手方向に移動させることにより、観察範囲1
40を任意の方向に移動させることができる。
【0157】このレーザ照射装置1でも前述した第3実
施例のレーザ照射装置1と同様の効果が得られる。
【0158】そして、このレーザ照射装置1では、内視
鏡8により、観察範囲140を観察することができるの
で、照射目的部120に対応する生体組織100の表面
における位置を目視で確認することができるとともに、
レーザ光を照射したとき、そのレーザ光の照射位置や照
射方向を目視で確認することができる。これにより、よ
り確実に、照射目的部120にレーザ光を照射すること
ができる。
【0159】また、レーザ光の照射中に、そのレーザ光
が照射された生体組織100の表面の状態等を観察し、
それに応じて、照射条件等を最適な条件に変更すること
ができる。
【0160】なお、本発明では、内視鏡8がシース2に
対して固定的に設置されていてもよい。また、本発明で
は、使用する内視鏡8の構造は、特に限定されない。
【0161】次に、本発明のレーザ照射装置の第7実施
例を説明する。図15は、本発明のレーザ照射装置の第
7実施例を示す断面図である。なお、図15の一部は、
模式的に示す。また、説明の都合上、図15中右側を
「先端」、左側を「基端」とする。また、前述した第3
実施例との共通点については、説明を省略し、主な相違
点を説明する。
【0162】同図に示すように、このレーザ照射装置1
では、シース2の先端部23に、拡張・収縮するバルー
ン9が設けられている。このバルーン9の少なくとも図
15中下側の部分は、光透過性を有している。
【0163】バルーン9の構成材料としては、例えば、
ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ラテック
ス、セルロース等のレーザ光透過性に優れた材料が好ま
しい。これにより、バルーン9でのレーザ光の吸収によ
るエネルギーの損失や発熱を低減することができる。
【0164】シース2には、前記バルーン9を拡張する
ための作動流体を供給するインフレーションルーメン
(流路)26と、前記作動流体を排出するインフレーシ
ョンルーメン(流路)27とが、それぞれ、形成されて
いる。
【0165】これらインフレーションルーメン26およ
び27は、それぞれ、シース2の基端側に形成されてい
る作動流体の供給部28および排出部29に開放し、か
つ、シース2の先端部23において、バルーン9の中空
部91に連通している。
【0166】また、インフレーションルーメン26とイ
ンフレーションルーメン27は、シース2の軸線に対し
て対称に配置されている。
【0167】また、シース2のワーキングルーメン21
は、基端側に開放している。このワーキングルーメン2
1は、前記したように、光ファイバー31と、反射鏡3
2およびその反射鏡32を支持するガイド部材321
と、ビームスプリッタ34およびそのビームスプリッタ
34を支持するガイド部材341との集合体11が設置
されている(図9参照)。
【0168】前記作動流体としては、バルーン9を拡張
・収縮し得るものであれば特に限定されないが、冷却液
が好ましい。
【0169】作動流体として冷却液を用いることによ
り、レーザ照射の際、その冷却液により生体組織の表層
部を冷却することができ、これにより、表層部の損傷を
より確実に防止することができる。
【0170】例えば、照射目的部120が前立腺の場合
には、照射目的部120の温度が48〜55℃程度にな
り、かつ、照射目的部120の図15中上側の部位およ
び下側の部位の温度がそれぞれ44℃以下になるように
レーザ光を照射するのが好ましいが、このレーザ照射装
置1では、そのようにレーザ光を照射することができ
る。
【0171】前記冷却液の温度は、生体組織の表層部を
冷却し得る程度であれば特に限定されないが、37℃以
下が好ましく、0〜25℃程度がより好ましく、0〜1
0℃程度がさらに好ましい。
【0172】また、作動流体としては、生理食塩水が好
ましい。作動流体として生理食塩水を用いることによ
り、何らかの原因で作動流体が体内に漏出した場合、そ
の漏出による影響を低減することができる。
【0173】また、作動流体として冷却液を用いる場合
には、冷却液を循環させるのが好ましく、レーザ照射前
からレーザ照射が終了するまで冷却液を循環させるのが
より好ましい。
【0174】冷却液を循環させることにより、冷却能率
を向上させることができ、レーザ照射前からレーザ照射
が終了するまで冷却液を循環させることにより、表層部
をより一層冷却することができる。
【0175】また、排出部29には、例えば、一定の圧
力を超えると開放する圧力弁を設けるのが好ましい。こ
れにより、冷却液の流量によらず、一定の圧力でバルー
ン9を拡張することができる。
【0176】また、冷却液の温度や冷却液の流量をレー
ザ照射と連動して制御するのが好ましい。これにより、
表層部の過剰冷却や過剰加熱を防止することができる。
【0177】また、バルーン9に生体組織の表面温度を
検出する温度センサを設けるのが好ましい。この場合に
は、温度センサにより生体組織の表面温度を検出し、そ
の情報(検出値)を冷却制御に利用することができる。
これにより、効率良く、必要かつ十分に冷却することが
できる。
【0178】次に、このレーザ照射装置1の作用を説明
する。バルーン9が収縮した状態で、レーザ照射装置1
を先端部23から体腔内に挿入し、その先端部23を照
射目的部120の図15中上側に位置させる。
【0179】そして、供給部28に接続されたポンプ等
により、供給部28から冷却液(作動流体)を注入し、
バルーン9を所定の大きさに拡張させる。
【0180】この場合、冷却液は、供給部28からイン
フレーションルーメン26を経て、バルーン9の中空部
91内に流入し、これによりバルーン9が拡張する。
【0181】バルーン9を拡張させることにより、レー
ザ照射装置1の位置および向きが固定される。これによ
り、容易かつ確実に、照射目的部120へレーザ光を照
射することができる。
【0182】また、バルーン9を拡張させて生体組織を
その表面から深部に向けて所定の圧力で加圧することに
より、生体組織が圧迫されて虚血状態となり、またはレ
ーザ照射装置1から照射目的部120までのレーザ光の
光路長が短縮され、これによりレーザ光がより透過し易
くなる。
【0183】また、バルーン9と接触する部分およびそ
の近傍、すなわち、生体組織の表層部が、冷却液により
冷却され、これにより、表層部の損傷をより確実に防止
することができる。
【0184】冷却液を循環させる場合には、供給部28
から冷却液を注入しつつ、排出部29から冷却液を排出
する。
【0185】この場合、冷却液は、供給部28からイン
フレーションルーメン26を経て、バルーン9の中空部
91内に流入する。中空部91内に流入した冷却液は、
その中空部91内を少なくとも半周し(循環し)、その
後、インフレーションルーメン27を経て、排出部29
から排出される。
【0186】照射目的部120へのレーザ照射が終了
し、レーザ照射装置1を体腔内から引き抜く際は、供給
部28からの冷却液の注入を行わず、排出部29からの
冷却液の排出のみを行う。
【0187】この場合、バルーン9の中空部91内の冷
却液は、中空部91からインフレーションルーメン27
を経て、排出部29から排出され、これによりバルーン
9が収縮する。
【0188】そして、バルーン9が収縮した状態で、レ
ーザ照射装置1全体を図15中左側に移動させて体腔内
から引き抜く。
【0189】このレーザ照射装置1でも前述した第3実
施例のレーザ照射装置1と同様の効果が得られる。
【0190】そして、このレーザ照射装置1では、前述
したように、バルーン9により、容易かつ確実に、レー
ザ照射装置1の位置および向きを固定することができ
る。
【0191】また、このレーザ照射装置1では、バルー
ン9の中空部91内の冷却液により、生体組織の表層部
を冷却することができる。
【0192】なお、本発明では、前述した実施例のレー
ザ照射装置1においても、この第7実施例のレーザ照射
装置1のように、シース2にバルーン9等を設けてもよ
い。
【0193】次に、本発明のレーザ照射装置の第8実施
例を説明する。図16は、本発明のレーザ照射装置の第
8実施例を示す断面図である。なお、図16の一部は、
模式的に示す。また、説明の都合上、図16中右側を
「先端」、左側を「基端」とする。また、前述した第7
実施例との共通点については、説明を省略し、主な相違
点を説明する。
【0194】同図に示すレーザ照射装置1では、シース
2のワーキングルーメン21に、シース7が着脱自在に
挿入(設置)されている。
【0195】このシース7には、ワーキングルーメン7
1が形成されている。このワーキングルーメン71に
は、前記した集合体11、すなわち、光ファイバー31
と、反射鏡32およびその反射鏡32を支持するガイド
部材321と、ビームスプリッタ34およびそのビーム
スプリッタ34を支持するガイド部材341との集合体
11が設置されている(図9参照)。
【0196】このレーザ照射装置1でも前述した第7実
施例のレーザ照射装置1と同様の効果が得られる。
【0197】そして、このレーザ照射装置1では、集合
体11が設置されているシース7が、シース2のワーキ
ングルーメン21に着脱自在に挿入されているので、生
体組織に接触するシース2を交換可能(例えば、使い捨
て)、またはシース7を交換可能にすることができる。
特に、シース2を体腔内に挿入したままの状態でシース
7を交換することができるので、患者の負担が少ないと
いう利点がある。
【0198】次に、本発明のレーザ照射装置の第9実施
例を説明する。なお、前述した第8実施例との共通点に
ついては、説明を省略し、主な相違点を説明する。
【0199】このレーザ照射装置1では、シース2の表
面、または、シース2およびバルーン9の表面に、親水
性高分子材料を含む表面層が設けられている。
【0200】親水性高分子材料としては、例えば、カル
ボキシメチルセルロース、多糖類、ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ソーダ、
メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、水溶
性ポリアミド等が好ましく、これらのうち、特にメチル
ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体が好ましい。
【0201】このレーザ照射装置1を使用する際は、例
えば、生理食塩水等に、レーザ照射装置1の表面層を浸
す。これにより、表面層が湿潤し、レーザ照射装置1の
表面の潤滑性が生じる。
【0202】このレーザ照射装置1でも前述した第8実
施例のレーザ照射装置1と同様の効果が得られる。
【0203】そして、このレーザ照射装置1では、親水
性高分子材料を含む表面層を有しているので、生体組織
に対するレーザ照射装置1の摩擦が減少し、これによ
り、患者の負担が軽減されるとともに、安全性が向上す
る。
【0204】例えば、レーザ照射装置1の体腔内への挿
入、体腔内からの引き抜き、体腔内での移動や回転を円
滑に行うことができる。
【0205】本発明のレーザ照射装置は、医療用のレー
ザ照射装置であり、例えば、前立腺肥大症や、各種の腫
瘍(例えば、癌)等の治療に用いられる。
【0206】以上、本発明のレーザ照射装置を、図示の
各実施例に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定
されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有す
る任意の構成のものに置換することができる。
【0207】例えば、本発明では、前述した各実施例の
特徴を適宜組み合わせてもよい。また、本発明では、導
光部材は、レーザ光を導くことが可能なものであれば光
ファイバーに限らず、この他、例えば、ロッドレンズ等
であってもよい。
【0208】また、本発明では、出射部は、前述した各
実施例のものに限らず、この他、例えば、プリズム、ウ
エッジ板等であってもよい。
【0209】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のレーザ照
射装置によれば、複数の出射部からのレーザ光が異なる
経路を経て目的位置に集中(集光)するので、照射目的
部以外の部位(正常組織)の温度は、比較的低い温度に
保持される。これにより、照射目的部以外の部位の損傷
を防止(低減)することができ、特に、照射目的部が深
部に位置する場合でも表層部の損傷を防止することがで
きるので、患者に対する安全性が高い。
【0210】そして、複数の出射部からのレーザ光が目
的位置に集中するので、目的位置およびその近傍におい
てレーザ光のエネルギー密度が高まり、これにより照射
目的部を所望の温度に加熱することができる。
【0211】特に、本発明のレーザ照射装置では、出射
方向変更手段によりレーザ光の出射方向を変更すること
で、目的位置を本体の軸線に対して平行な方向や垂直な
方向に移動させることができるので、容易かつ確実に、
照射目的部以外の部位の温度を比較的低い温度に保持し
つつ、照射目的部全体を均一に所望の温度に加熱するこ
とができる。
【0212】また、出射方向変更手段により目的位置を
本体の軸線に対して垂直な方向に移動させることができ
るので、レーザ照射装置を交換することなく、目的位置
の深さを任意の深さに変えることができる。このため、
操作が容易であり、また、患者の負担を軽減することが
できる。
【0213】また、出射方向変更手段により、本体を移
動させることなく目的位置を本体の軸線に対して平行な
方向に移動させることができるので、例えば、レーザ照
射装置の挿入部を体腔の途中までしか挿入することがで
きない場合でも、照射目的部にレーザ光を照射して、そ
の照射目的部を所望の温度に加熱することができる。
【0214】また、出射方向変更手段により、レーザ光
の出射方向(本体の軸線に対するレーザ光の角度)を変
更することができるので、例えば、レーザ光の透過が困
難な部位や、比較的低いエネルギー密度のレーザ光の照
射でも合併症が生じ易い部位を避けて照射目的部にレー
ザ光を照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ照射装置の第1実施例を示す断
面図である。
【図2】図1に示すレーザ照射装置の正面図である。
【図3】図1に示すレーザ照射装置を体腔内に挿入した
状態を示す側面図である。
【図4】図1に示すレーザ照射装置の先端部およびその
近傍を示す断面図である。
【図5】図1に示すレーザ照射装置の先端部およびその
近傍を示す断面図である。
【図6】図1に示すレーザ照射装置の先端部およびその
近傍を示す断面図である。
【図7】図1に示すレーザ照射装置の使用例を示す断面
図である。
【図8】本発明のレーザ照射装置の第2実施例を示す断
面図である。
【図9】本発明のレーザ照射装置の第3実施例を示す断
面図である。
【図10】本発明のレーザ照射装置の第4実施例を示す
断面図である。
【図11】図1に示すレーザ照射装置の側面図である。
【図12】本発明のレーザ照射装置の第5実施例を示す
断面図である。
【図13】図12に示すレーザ照射装置から照射された
レーザ光(収束光)と、図10に示すレーザ照射装置か
ら照射されたレーザ光(平行光)とを模式的に示す図で
ある。
【図14】本発明のレーザ照射装置の第6実施例を示す
断面図である。
【図15】本発明のレーザ照射装置の第7実施例を示す
断面図である。
【図16】本発明のレーザ照射装置の第8実施例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 レーザ照射装置 2 シース 21 ワーキングルーメン 22 内視鏡用ルーメン 23 先端部 24 長孔 25 目盛り 26、27 インフレーションルーメン 28 供給部 29 排出部 31 光ファイバー 32 反射鏡 320 反射面 321 ガイド部材 322 軸 34 ビームスプリッタ 340 分割面 341 ガイド部材 342 軸 35 反射鏡 350 反射面 352 軸 36 コリメートレンズ 37、38 収束レンズ 41 光ファイバー 5 目的位置 6a、6b レバー 61 頭部 62 指標 63 軸部 7 シース 71 ワーキングルーメン 8 内視鏡 81 先端部 9 バルーン 91 中空部 11 集合体 100 生体組織 101 表層部 110 体腔 120 照射目的部 140 観察範囲 201〜203 光軸 204 直線 301 レーザ光 302 平行光 303 範囲

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体深達性を有するレーザ光を生体組織
    に照射する側射式のレーザ照射装置であって、 長尺状の本体と、 前記本体に設置され、前記レーザ光を導く少なくとも1
    つの導光部材と、 前記導光部材により導かれたレーザ光を目的位置に異な
    る経路を経て集めるように側方または斜方に向けて出射
    する複数の出射部を備えた出射手段と、 前記出射部のうちの少なくとも1つの出射部からのレー
    ザ光の出射方向を変更する出射方向変更手段とを有し、 前記出射方向変更手段による前記レーザ光の出射方向の
    変更により、前記目的位置を移動するよう構成されてい
    ることを特徴とするレーザ照射装置。
  2. 【請求項2】 生体深達性を有するレーザ光を生体組織
    に照射する側射式のレーザ照射装置であって、 長尺状の本体と、 前記本体に設置され、前記レーザ光を導く複数の導光部
    材と、 前記各導光部材の先端側に設けられ、前記各導光部材に
    より導かれたレーザ光を目的位置に異なる経路を経て集
    めるように側方または斜方に向けて出射する複数の出射
    部を備えた出射手段と、 前記出射部のうちの少なくとも1つの出射部からのレー
    ザ光の出射方向を変更する出射方向変更手段とを有し、 前記出射方向変更手段による前記レーザ光の出射方向の
    変更により、前記目的位置を移動するよう構成されてい
    ることを特徴とするレーザ照射装置。
  3. 【請求項3】 生体深達性を有するレーザ光を生体組織
    に照射する側射式のレーザ照射装置であって、 長尺状の本体と、 前記本体に設置され、前記レーザ光を導く導光部材と、 前記導光部材により導かれたレーザ光を複数に分割し、
    分割された各レーザ光を目的位置に異なる経路を経て集
    めるように側方または斜方に向けて出射する複数の出射
    部を備えた出射手段と、 前記出射部のうちの少なくとも1つの出射部からのレー
    ザ光の出射方向を変更する出射方向変更手段とを有し、 前記出射方向変更手段による前記レーザ光の出射方向の
    変更により、前記目的位置を移動するよう構成されてい
    ることを特徴とするレーザ照射装置。
  4. 【請求項4】 前記出射部のうちの少なくとも1つは、
    レーザ光の一部を反射し、残部を透過する機能を有する
    光学素子である請求項3に記載のレーザ照射装置。
  5. 【請求項5】 前記各出射部は、前記本体の軸線に対し
    て平行な方向に位置している請求項3または4に記載の
    レーザ照射装置。
  6. 【請求項6】 前記出射方向変更手段による前記レーザ
    光の出射方向の変更により、少なくとも前記本体の軸線
    に対して垂直な方向に前記目的位置を移動するよう構成
    されている請求項1ないし5のいずれかに記載のレーザ
    照射装置。
  7. 【請求項7】 前記出射方向変更手段は、前記各出射部
    からのレーザ光の出射方向を変更し得るように構成され
    ている請求項1ないし6のいずれかに記載のレーザ照射
    装置。
  8. 【請求項8】 前記出射方向変更手段は、前記本体の軸
    線に対する前記レーザ光の角度を変更するものである請
    求項1ないし7のいずれかに記載のレーザ照射装置。
  9. 【請求項9】 前記各出射部からのレーザ光の光量がほ
    ぼ等しくなるように構成されている請求項1ないし8の
    いずれかに記載のレーザ照射装置。
  10. 【請求項10】 レーザ光の光路の途中に、該レーザ光
    を平行光または収束光にする光学系を有する請求項1な
    いし9のいずれかに記載のレーザ照射装置。
  11. 【請求項11】 前記出射部は、該出射部に入射したレ
    ーザ光の少なくとも一部を反射する反射面を有し、前記
    出射方向変更手段による前記反射面の回動により該反射
    面からのレーザ光の出射方向を変更するよう構成され、 前記出射方向変更手段は、前記反射面の回動を生じさせ
    る操作部材を有している請求項1ないし10のいずれか
    に記載のレーザ照射装置。
  12. 【請求項12】 前記目的位置に対応する目盛りが設け
    られている請求項1ないし11のいずれかに記載のレー
    ザ照射装置。
  13. 【請求項13】 前記本体は、内視鏡を挿入するルーメ
    ンを有する請求項1ないし12のいずれかに記載のレー
    ザ照射装置。
  14. 【請求項14】 先端部に、拡張・収縮するバルーンを
    有する請求項1ないし13のいずれかに記載のレーザ照
    射装置。
  15. 【請求項15】 前記本体の表面に親水性高分子材料を
    含む表面層を有する請求項1ないし14のいずれかに記
    載のレーザ照射装置。
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