JPH11273675A - 非水電解質電池およびその製造方法 - Google Patents

非水電解質電池およびその製造方法

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JPH11273675A
JPH11273675A JP10072788A JP7278898A JPH11273675A JP H11273675 A JPH11273675 A JP H11273675A JP 10072788 A JP10072788 A JP 10072788A JP 7278898 A JP7278898 A JP 7278898A JP H11273675 A JPH11273675 A JP H11273675A
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lithium
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secondary battery
battery
electrode
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JP10072788A
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English (en)
Inventor
Shunji Watanabe
俊二 渡邊
Hideharu Onodera
英晴 小野寺
Tsugio Sakai
次夫 酒井
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SII Micro Parts Ltd
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SII Micro Parts Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギー密度が高く、充放電特性の優れた
リチウムイオン二次電池の提供。 【解決手段】 負極活物質として用いるリチウム含有ケ
イ素酸化物を作用極5とし、過放電に強い特性を利用し
正極に対し容量を小さくし、さらに正極活物質として用
いるリチウム含有チタン硫化物を対極3とし、電池の放
電末期正極となるチタン硫化物にリチウムが過剰に挿入
されることを防止し、サイクル劣化の発生を抑制した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオンを
吸蔵放出可能な物質を正、負極活物質とし、リチウムイ
オン導電性の非水電解質を用いる非水電解質二次電池に
関するものであり、特に、2.5V前後の電圧で、高エ
ネルギー密度且つ充放電特性が優れ、サイクル寿命が長
く、信頼性の高い新規な二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯型の電子機器、通信機器等の
著しい発展に伴い、電源としての電池に対し大電流出力
を要求する機器が多種多様に出現し、経済性と機器の小
型軽量化の観点から、高エネルギー密度の二次電池が強
く要望されている。また、機器の低電圧化に伴い、2.
5V前後の高エネルギー密度を有する非水電解質二電池
の研究開発も行われている。
【0003】TiS2等の硫化物は、リチウムイオンを
挿入・脱挿入できる電極活物質として古くから研究され
てきた。リチウム金属またはリチウム合金を負極として
組み合わせることにより。2.5V前後の電圧を持つリ
チウムメタルタイプの二次電池としてしか製品化されな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】リチウム含有チタン硫化物は、MoS2,
NbSe3等の金属カルコゲン化物や、MnO2,MoO
3,V2O5,LixCoO2,LixNiO2,LixCo1-
yNiyO2,LixMn2O4,LixMnO2等の金属酸化
物等々の様に、結晶の層間や格子位置または格子間隙間
にリチウムイオン(カチオン)のみがインターカレーシ
ョン、デインターカレーション反応等に依り出入りする
タイプである。リチウム金属またはリチウム合金を負極
として組み合わせることにより。2.5V前後の電圧を
持つ二次電池とすることができる。しかし、チタン硫化
物は、リチウムを多く挿入しすぎると、サイクル劣化が
激しいという欠点があった。そのため、金属またはリチ
ウム合金を負極として用いる場合、放電時に金属または
リチウム合金にクラックが入ることを防止するため、チ
タン硫化物の正極に対し負極の容量を大きくしなければ
ならなかった。したがって、過放電時に正極であるチタ
ン硫化物にリチウムが挿入されすぎ、サイクル劣化が起
こりやすかった。かかる問題を解決するため、負極側の
容量を規制するか、電池放電末期に負極電位が上昇し、
チタン硫化物にリチウムを多く挿入しすぎないようにす
る必要があった。
【0006】一方、負極活物質としては、金属リチウム
を単独で用いた場合が電極電位が最も卑であるため、上
記の様な正極活物質を用いた正極と組み合わせると2.
5V前後の二次電池が可能である。しかしながら、充放
電に伴いリチウム負極上にデンドライトや不働態化合物
が生成し、充放電による劣化が大きく、サイクル寿命が
短いという問題があった。この問題を解決するため、負
極活物質として(1)リチウムとAl,Zn,Sn,P
b,Bi,Cd等の他金属との合金、(2)WO2,M
oO2,Fe2O3,TiS2,LixCo1-yNiyO2,L
ixWOy等の無機化合物やグラファイト、有機物を焼成
して得られる炭素質材料等々の結晶構造中もしくは非晶
質構造中にリチウムイオンを吸蔵させた層間化合物ある
いは挿入化合物、(3)リチウムイオンをドープしたポ
リアセンやポリアセチレン等の導電性高分子等々のリチ
ウムイオンを吸蔵放出可能な物質を用いることが提案さ
れている。
【0007】しかしながら、一般に、負極活物質として
上記の様な金属リチウム以外のリチウムイオンを吸蔵放
出可能な物質を用いて電池を構成した場合には、これら
の負極活物質の電極電位が金属リチウムの電極電位より
貴であるため、金属リチウムを単独で用いた場合より電
池の作動電圧がかなり低下するという欠点がある。例え
ば、リチウムとAl,Zn,Pb,Sn,Bi,Cd等
の合金を用いる場合には0.2〜0.8V、炭素−リチ
ウム層間化合物では0〜1V、MoO2やWO2等のリチ
ウムイオン挿入化合物では0.5〜1.5V作動電圧が
低下する。そのため、リチウム含有チタン硫化物の正極
と組み合わせても2.5Vの二次電池にはなり難かっ
た。
【0008】また、リチウム以外の元素も負極構成要素
となるため、体積当り及び重量当りの容量及びエネルギ
ー密度が著しく低下する。更に、上記の(1)のリチウ
ムと他金属との合金を用いた場合には、充放電時のリチ
ウムの利用効率が低く、且つ充放電の繰り返しにより電
極にクラックが発生し割れを生じる等のためサイクル寿
命が短いという問題がある。(2)のリチウム層間化合
物または挿入化合物の場合には、過充放電により結晶構
造の崩壊や不可逆物質の生成等の劣化があり、また電極
電位が高い(貴な)ものが多い為、これを用いた電池の
出力電圧が低いという欠点がある。(3)の導電性高分
子の場合には、充放電容量、特に体積当りの充放電容量
が小さいという問題がある。
【0009】このため、高電圧、高エネルギー密度で、
且つ充放電特性が優れ、サイクル寿命の長い二次電池を
得るためには、リチウムに対する電極電位が低く(卑
な)、充放電時のリチウムイオンの吸蔵放出に依る結晶
構造の崩壊や不可逆物質の生成等の劣化が無く、かつ可
逆的にリチウムイオンを吸蔵放出できる量即ち有効充放
電容量のより大きい負極活物質が必要であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0011】先に、本発明者等は、組成式LixSiOy
(但し、0≦x、0<y<2)で示されるリチウムを含
有するケイ素の酸化物が、非水電解質中においてリチウ
ム基準極(金属リチウム)に対し少なくとも0〜3Vの
電極電位の範囲で電気化学的に安定に繰り返しリチウム
イオンを吸蔵放出することが出来、その様な充放電反応
により、特に0〜1Vの卑な電位領域に於て著しく高い
充放電容量を有し、優れた負極活物質となる事を見い出
し特許を出願した(特願平4−265179、同5−3
5851、同5−162958等)。
【0012】この負極活物質は、過放電に強いため、正
極に対し容量を小さくすることが可能である。そのた
め、電池の放電末期正極であるチタン硫化物にリチウム
が挿入されすぎ、サイクル劣化が著しく起こることがな
くなった。
【0013】本発明では、組成式LixSiOy(但し、
0≦x、0<y<2)で示されるリチウムを含有するケ
イ素の酸化物を負極とし、リチウム含有チタン硫化物を
正極として用いることにより、従来よりサイクル特性が
安定で大容量の2.5V前後の二次電池の実現が可能で
あることを見出した。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の負極活物質として用いる
リチウム含有ケイ素酸化物LixSiOyを有する作用極
とリチウム金属から成る対極と非水電解質とから構成さ
れたテストセルを充放電し、電気化学的にLixSiOy
中にリチウムイオンを吸蔵放出させ、作用極のリチウム
含有量xと電位及び分極との関係を調べた。その結果、
安定に繰り返し充放電できる容量、即ち該酸化物Lix
SiOy中に電気化学的に吸蔵放出できるリチウムイオ
ン量には制限があり、且つリチウム含有量xによってL
ixSiOy電極の分極(内部抵抗)が著しく変化するこ
とが分かった。該酸化物LixSiOyは、酸素量yによ
っても異なるが、x>4.5では分極が著しく大きくな
り、実用的に大きな電流密度ではこれ以上リチウムイオ
ンが吸蔵されにくく、該電極上や集電体上に析出しデン
ドライトを生成する。このデンドライトが甚だしい場合
にはセパレータを貫通し対極に達し内部短絡を引き起こ
すことが分かった。また、充電後の放電においても、X
<1.5ではやはり分極が大きく、電位も著しく高い
(貴である)ことが分かった。即ち、リチウム含有ケイ
素酸化物LixSiOyは、酸素量yによっても異なる
が、リチウム含有量xが1.5≦x≦4.5の範囲で充
放電時の分極(内部抵抗)が小さく、電位が卑であり、
負極としての充放電特性が優れている。特に、2≦x≦
3.9において電位が卑であり、分極が小さく、且つ繰
り返し充放電の効率(可逆性)が高く、これを負極活物
質として用いた電池の内部抵抗が小さく特に充放電特性
が優れている。
【0015】本発明は、上記の様な知見に基づいて成さ
れたものであり、この種の電池の負極活物質として、組
成式LixSiOyで表され、リチウム含有量xと酸素量
yがそれぞれ1.5≦x≦4.5、0<y<2であるリ
チウム含有ケイ素酸化物から成るリチウムイオン吸蔵放
出可能物質を用いる。即ち、その結晶構造中または非晶
質構造内にリチウムを含有し、非水電解質中で電気化学
反応によりリチウムイオンを吸蔵及び放出可能なケイ素
の酸化物であって、ケイ素原子数に対するリチウム原子
数の比であるxが1.5以上且つ4.5以下であり、且
つケイ素原子数に対する酸素原子数の比であるyが0よ
り大きく且つ2より小さい組成を有する複合酸化物を用
いる。(xの値は±10%程度変動しても特性に影響が
ないことが確認されている。)この複合酸化物中でのリ
チウムの状態は主としてイオンであることが好ましいが
必ずしも限定はされない。
【0016】本発明電池の負極活物質として用いられる
該リチウム含有ケイ素酸化物LixSiOy(但し、1.
5≦x≦4.5、0<y<2)の好ましい製造方法とし
ては、下記の2種類の方法が上げられるが、これらに限
定はされない。第一の方法は、ケイ素とリチウムの各々
の単体またはそれらの化合物を所定のモル比で混合しま
たは混合しながら、不活性雰囲気中や真空中等の非酸化
性雰囲気中またはケイ素とリチウムが所定の酸化数と成
るように酸素量を制御した雰囲気中で熱処理してケイ素
とリチウムの複合酸化物とする方法である。出発原料と
なるケイ素及びリチウムのそれぞれの化合物としては、
各々の酸化物、水酸化物、あるいは炭酸塩、硝酸塩等の
塩あるいは有機化合物等々の様な、各々を非酸化性雰囲
気中で熱処理することにより各々の酸化物を生成する化
合物が好ましい。これらの出発原料の混合方法として
は、各原料の粉末を直接乾式混合する方法の他、これら
の原料を水、アルコールやその他の溶媒に溶解もしくは
分散し、溶液中で均一に混合または反応させた後、乾燥
する方法、これらの原料を加熱や電磁波、光等によりア
トマイズまたはイオン化し、同時にもしくは交互に蒸着
または析出させる方法等々の種々の方法が可能である。
この様にして原料を混合した後、または混合しながら行
う熱処理の温度は、出発原料や熱処理雰囲気によっても
異なるが、400゜C以上で合成が可能であり、好まし
くは600゜C以上の温度がよい。一方、不活性雰囲気
中や真空中等では800゜C以上の温度でケイ素と4価
のケイ素酸化物に不均化反応する場合があるため、その
ような場合には600〜800゜Cの温度が好ましい。
【0017】これらの出発原料の組合せの中で、リチウ
ムの供給原料として酸化リチウムLi2O、水酸化リチ
ウムLiOH、Li2CO3またはLiNO3等の塩やそ
れらの水和物等々の様な熱処理により酸化リチウムを生
成するリチウム化合物を用い、ケイ素の供給源としてケ
イ素単体もしくはケイ素の低級酸化物SiOy'(但し、
0<y’<2)を用いる場合には、それらの混合物を不
活性雰囲気中または真空中等の様な酸素を断った雰囲気
中で熱処理することによって合成することが出来、熱処
理雰囲気中の酸素量もしくは酸素分圧等の制御がし易く
製造が容易であり特に好ましい。
【0018】また、出発原料にケイ素の化合物として水
素を有する各種のケイ酸を用いた場合やリチウム化合物
として水酸化リチウム等を用いた場合には、加熱処理に
より水素が完全には脱離せず、熱処理後の生成物中に一
部残り、リチウムと水素が共存することも可能であり、
本発明に含まれる。更に、リチウムもしくはその化合物
及びケイ素もしくはその化合物と共に、ナトリウム、カ
リウム、ルビジウム等他のアルカリ金属、マグネシウ
ム、カルシウム等のアルカリ土類金属及び/または鉄、
ニッケル、コバルト、マンガン、バナジウム、チタン、
ニオブ、タングステン、モリブデン、銅、亜鉛、スズ、
鉛、アルミニウム、インジウム、ビスマス、ガリウム、
ゲルマニウム、炭素、ホウ素、窒素、リン等々のその他
の金属または非金属元素の単体もしくはそれらの化合物
等をも加えて混合し加熱処理することにより、これらの
リチウム以外の金属もしくは非金属をリチウム及びケイ
素と共存させることもでき、これらの場合も本発明に含
まれる。
【0019】この様にして得られたリチウム含有ケイ素
酸化物は、これをそのままもしくは必要により粉砕整粒
や造粒等の加工を施した後に負極活物質として用いるこ
とが出来る。また、下記の第二の方法と同様にこのリチ
ウム含有ケイ素酸化物とリチウムもしくはリチウムを含
有する物質との電気化学的反応に依り、このリチウム含
有ケイ素酸化物に更にリチウムイオンを吸蔵させるか、
または逆にこの複合酸化物からリチウムイオンを放出さ
せることにより、リチウム含有量を増加または減少させ
たものを負極活物質として用いても良い。
【0020】第二の方法は、予め、リチウムを含有しな
いケイ素の低級酸化物SiOy(但し、2>y>0)を
合成し、得られたケイ素の低級酸化物SiOyとリチウ
ムもしくはリチウムを含有する物質との電気化学的反応
に依り、該ケイ素の低級酸化物SiOyにリチウムイオ
ンを吸蔵させて、リチウムを含有するケイ素の低級酸化
物LixSiOyを得る方法である。この様なケイ素の低
級酸化物SiOyとしては、SiO1.5(Si2O3)、S
iO1.33(Si3O4)、SiO及びSiO0.5(Si2
O)等々の化学量論組成のものの他、yが0より大きく
2未満の任意の組成のものでよい。また、これらのケイ
素の低級酸化物SiOyは、下記のような種々の公知の
方法に依り製造することが出来る。即ち、(1)二酸化
ケイ素SiO2とケイ素Siとを所定のモル比で混合し
非酸化性雰囲気中または真空中で加熱する方法、(2)
二酸化ケイ素SiO2を水素H2等の還元性ガス中で加熱
して所定量還元する方法、(3)二酸化ケイ素SiO2
を所定量の炭素Cや金属等と混合し、加熱して所定量還
元する方法、(4)ケイ素Siを酸素ガスまたは酸化物
と加熱して所定量酸化する方法、(5)シランSiH4
等のケイ素化合物ガスと酸素O2の混合ガスを加熱反応
またはプラズマ分解反応させるCVD法またはプラズマ
CVD法等々である。
【0021】また、該ケイ素の低級酸化物SiOyに
は、ケイ素と共に、水素やナトリウム、カリウム、ルビ
ジウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等
のアルカリ土類金属及び/または鉄、ニッケル、コバル
ト、マンガン、バナジウム、チタン、ニオブ、タングス
テン、モリブデン、銅、亜鉛、スズ、鉛、アルミニウ
ム、インジウム、ビスマス、ガリウム、ゲルマニウム、
炭素、ホウ素、窒素、リン等々のその他の金属または非
金属元素を含有させることもでき、これらの場合も本発
明に含まれる。
【0022】このケイ素の低級酸化物SiOyへの電気
化学的反応に依るリチウムイオンの吸蔵は、電池組立後
電池内で、または電池製造工程の途上において電池内も
しくは電池外で行うことが出来、具体的には次の様にし
て行うことが出来る。即ち、(1) 該ケイ素の低級酸
化物またはそれらと導電剤及び結着剤等との混合合剤を
所定形状に成形したものを一方の電極(作用極)とし、
金属リチウムまたはリチウムを含有する物質をもう一方
の電極(対極)としてリチウムイオン導電性の非水電解
質に接して両電極を対向させて電気化学セルを構成し、
作用極がカソード反応をする方向に適当な電流で通電し
電気化学的にリチウムイオンを該ケイ素の低級酸化物に
吸蔵させる。得られた該作用極をそのまま負極としてま
たは負極を構成する負極活物質として用いて非水電解質
二次電池を構成する。(2)該ケイ素の低級酸化物また
はそれらと導電剤及び結着剤等との混合合剤を所定形状
に成形し、これにリチウムもしくはリチウムの合金等を
圧着してもしくは接触させて積層電極としたものを負極
として非水電解質二次電池に組み込む。電池内でこの積
層電極が電解質に触れることにより一種の局部電池を形
成し、自己放電し電気化学的にリチウムが該ケイ素の低
級酸化物に吸蔵される方法。(3)該ケイ素の低級酸化
物を負極活物質とし、リチウムを含有しリチウムイオン
を吸蔵放出可能な物質を正極活物質として用いた非水電
解質二次電池を構成する。電池として使用時に充電を行
うことにより正極から放出されたリチウムイオンが該ケ
イ素の低級酸化物に吸蔵される方法。
【0023】本発明のケイ素酸化物にリチウムを吸蔵さ
せる物質としては、リチウム金属、リチウム合金などや
リチウムイオンまたはリチウム金属を吸蔵・放出できる
焼成炭素質化合物などがある。
【0024】また、ケイ素酸化物もしくはリチウム含有
ケイ素酸化物の粒径は、500μm以下が好ましく、よ
り好ましくは100μm以下、特に50〜0.1μmが
良い。比表面積は0.05〜100m3/gが好まし
く、より好ましくは0.1〜50m3/g、とくに0.
1〜30m3/gが良い。この様にして得られるリチウ
ム含有ケイ素酸化物LixSiOyを負極活物質として用
いる。
【0025】本発明のリチウム含有量x及び酸素量yが
それぞれ1.5≦x≦4.5、及び0<y<2と成るよ
うに規制されたリチウム含有ケイ素酸化物LixSiOy
を活物質とする負極は、非水電解質中での充放電に伴う
該酸化物LixSiOy中へのリチウムイオンの吸蔵放出
が容易な為、分極が小さく大電流充放電特性が著しく改
善される。また、充放電時に負極や集電体上へのリチウ
ムデンドライトの析出や不可逆反応物質の生成等がない
為、充放電の繰り返しの効率(可逆性)が高く、内部短
絡等の不良が発生しない。、更に、電位が卑(金属リチ
ウムに対し1V以下)であり、高エネルギー密度の非水
電解質二次電池が得られるため、2.5V前後の電圧を
有するリチウム含有チタン酸化物の正極と組み合わせる
ことにより、2.5V前後のに次電池を提供することが
できる。
【0026】本発明では、正極としてリチウム含有チタ
ン硫化物もリチウム含有ケイ素酸化物を活物質として用
いた負極と組み合わせることにより、2.5V二次電池
が構成できることを見出した。チタンの硫化物は従来よ
り電池活物質として検討されてきた物質である。リチウ
ム金属またはリチウム合金を負極として組み合わせるこ
とにより。2.5V前後の電圧を持つ二次電池とするこ
とができる。しかし、チタン硫化物は、リチウムを多く
挿入しすぎると、サイクル劣化が激しいという欠点があ
った。
【0027】図1は、本発明に依る非水電解質二次電池
の活物質の充放電特性評価に用いたテストセルの一例を
示す断面図である。図において、1は対極端子を兼ねる
対極ケースであり、外側片面をNiメッキしたステンレ
ス鋼製の板を絞り加工したものである。3は対極であ
り、所定厚みのリチウムフォイルを直径14mmに打ち
抜いたものを、対極ケース1の内側に圧着したものであ
る。7は外側片面をNiメッキしたステンレス鋼製の作
用極ケースであり、作用極端子を兼ねている。5は後述
の本発明に係わる活物質を用いて構成された作用極であ
り、6は炭素を導電性フィラーとする導電性接着剤から
なる作用極集電体であり、作用極5と作用極ケース7と
を接着し電気的に接続している。4はポリプロピレンの
多孔質フィルムからなるセパレータであり、電解液が含
浸されている。8はポリプロピレンを主体とするガスケ
ットであり、対極ケース1と作用極ケース7の間に介在
し、対極と作用極との間の電気的絶縁性を保つと同時
に、作用極ケース開口縁が内側に折り曲げられカシメら
れることに依って、電池内容物を密封、封止している。
【0028】電解質はエチレンカーボネートとエチルメ
チルカーボネートの体積比1:1混合溶媒に六フッ化燐
酸リチウムLiPF6を1モル/l溶解したものを用い
た。テストセルの大きさは、外径20mm、厚さ1.6
mmであった。
【0029】作用極5は次の様にして作製した。市販の
TiS2を自動乳鉢により粉砕整粒したものを作用極の
活物質として用いた。この活物質に導電剤としてグラフ
ァイトを、結着剤としてポリフッ化ビニリデンをそれぞ
れ重量比45:45:10の割合で混合して作用極合剤
とした。次に、この作用極合剤を2ton/cm2で直
径4.05mm厚さ約0.3mmのペレットに加圧成形
して作用極5を作製した。その後、この様にして得られ
た作用極5を炭素を導電性フィラーとする導電性樹脂接
着剤からなる作用極集電体6を用いて作用極ケース7に
接着し一体化した後、100℃で8時間減圧加熱乾燥し
たものを用いて上述のテストセルを作製した。
【0030】この様にして作製したテストセルを0.1
mAの定電流で、放電(D)の終止電圧0.3V、充電
(C)の終止電圧2.7Vの条件で充放電サイクルを行
ったときのサイクル特性を図2に示した。図中のD1は
1回目の放電、D2は2回目の放電、Dnはn回目の放
電、Cnはn回目の充電を示す。
【0031】図2を見ると1回目の放電(D1)以降容
量が減少していることがわかる。これは、D1の放電カ
ーブの二段目の平らな部分(約0.5V以下)でTiS
2の構造変化が起こり容量減少がおきていることが推測
される。つまり、TiS2にリチウムイオンが入りすぎ
るとTiS2構造を破壊し充放電できなくなってくる。
【0032】そこで、同様のテストセルを0.1mAの
定電流で、放電(D)の終止電圧1.0V、充電(C)
の終止電圧2.7Vの条件で充放電サイクルを行い、二
段目の平らな部分までリチウムイオンが入らないように
したときのサイクル特性を図3に示した。図2に比べ容
量が大きく劣化も少なくなっていることがわかる。これ
らの結果より、TiS2の電位を0.5V以下に下げな
いリチウム量、つまりTiS2 1molあたりに対し
リチウムを約0.9mol以下にすることを考慮して、
電池を設計しなければTiS2の特性を殺すことにな
る。また、TiS2は通常S欠損を生じ易いことや製造
上のばらつきのため、Tiに対するSの量は±30%程
度まで変動するが、活物質として問題なく使用できる。
すなわち、リチウム含有するチタンの硫化物が組成式L
ixTiS2yで表され、リチウム含有量xと硫黄量yが
それぞれx≦0.9、0.7<y<1.3であることが重要
である。
【0033】更に、リチウム含有チタン硫化物と共に、
ナトリウム、カリウム、ルビジウム等他のアルカリ金
属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属及
び/または鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、バナジ
ウム、チタン、ニオブ、タングステン、モリブデン、
銅、亜鉛、スズ、鉛、アルミニウム、インジウム、ビス
マス、ガリウム、ゲルマニウム、炭素、ホウ素、窒素、
リン等々のその他の金属または非金属元素の単体もしく
はそれらの化合物等をも加えて混合し加熱処理すること
により、これらのリチウム以外の金属もしくは非金属を
リチウム及びチタンと共存させることもでき、これらの
場合も本発明に含まれる。
【0034】本発明では、容量の大きなリチウム含有す
るチタンの硫化物を2.5V前後の電池の電池活物質と
して用いることにより容量を格段に増加できることを見
出した。特に、本発明者等が先に出願した組成式Lix
SiOy(但し、0≦x、0<y<2)で示されるリチ
ウムを含有するケイ素の酸化物を負極とし、TiS2を
正極として用いることによる容量増加は著しい。
【0035】本発明で用いる正極活物質の平均粒子サイ
ズは、500μm以下が好ましく、より好ましくは10
0μm以下、特に50〜0.1μmが良い。活物質の形
態は、平均粒径0.1ミクロン以上2.5ミクロン以下
の一次粒子が集合して成る平均粒径1ミクロン以上20
ミクロン以下の一次粒子集合体からなることが好まし
く、特に好ましくは、平均粒径0.1ミクロン以上2.
5ミクロン以下の一次粒子が集合して成る平均粒径3.
5ミクロン以上9.5ミクロン以下の一次粒子集合体か
らなることが好ましい。更に、上記一次粒子集合体にお
いて全体積の80%以上が粒径1ミクロン以上15ミク
ロン以下であることが好ましく、更に好ましくは全体積
の85%以上であり、更に好ましく全体積の90%以上
である。比表面積は0.05〜100m2/gが好まし
く、より好ましくは0.1〜50m2/g、特に0.1
〜30m2/gが良い。
【0036】電極形状は、目的とする電池により、板
状、フィルム状、円柱状、あるいは、金属箔上に成形す
るなど、種々の形状をとることが出来る。電池の形状が
コインやボタンのときは、正極活物質や負極活物質の合
剤はペレットの形状に圧縮されて主に用いられる。ま
た、薄型のコインやボタンのときは、シート状に成形し
た電極を打ち抜いて用いてもよい。そのペレットの厚み
や直径は電池の大きさにより決められる。
【0037】また、電池の形状がシ−ト、シリンダ−、
角のとき、正極活物質や負極活物質の合剤は、集電体の
上にコート、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。その
コート厚み、長さや巾は、電池の大きさにより決められ
るが、コートの厚みは、ドライ後の圧縮された状態で、
1〜2000μmが特に好ましい。ペレットやシートの
プレス法は、一般に採用されている方法を用いることが
できるが、特に金型プレス法やカレンダープレス法が好
ましい。プレス圧は、特に限定されないが、0.2〜3
t/cm2 が好ましい。カレンダープレス法のプレス速度
は、0.1〜50m/分が好ましい。プレス温度は、室
温〜200℃が好ましい。
【0038】電極合剤には、導電剤や結着剤やフィラー
などを添加することができる。導電剤の種類は特に限定
されず、金属粉末でもよいが、炭素系のものが特に好ま
しい。炭素材料はもっとも一般的で、天然黒鉛(鱗状黒
鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カ−ボン
ブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、フ
ァーネスブラック、アセチレンブラック、炭素繊維等が
使われる。また、金属では、銅、ニッケル、銀等の金属
粉、金属繊維が用いられる。導電性高分子も使用され
る。
【0039】炭素の添加量は、混合比は活物質の電気伝
導度、電極形状等により異なり特に限定されないが、負
極の場合1〜50重量%が好ましく、特に2〜40重量
%が好ましい。本発明の正極の場合抵抗をできるだけ低
くする必要があるため、7〜50重量%が好ましく、特
に9〜40重量%が好ましい。炭素の粒径は平均粒径で
0.5〜50μmの範囲、好ましくは0.5〜15μm
の範囲、より好ましくは0.5〜6μmの範囲にすると
活物質間の接触性が良好になり、電子伝導のネットワー
ク形成が向上し、電気化学的な反応に関与しない活物質
が減少する。
【0040】結着剤は、電解液に不溶のものが好ましい
が特に限定されるもではない。通常、ポリアクリル酸お
よびポリアクリル酸中和物、ポリビニルアルコール、カ
ルボキシメチルセルロース、でんぷん、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロー
ス、ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、テト
ラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエン
ポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレン
ブタジエンゴム、ポリブタジエン、フッ素ゴム、ポリエ
チレンオキシド、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂などの多糖類、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴ
ム弾性を有するポリマーなどが1種またはこれらの混合
物として用いられる。 結着剤の添加量は、特に限定さ
れないが、1〜50重量%が好ましい。フィラーは、構
成された電池において、化学変化を起こさない繊維状材
料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガ
ラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量
は特に限定されないが、0〜30重量%が好ましい。
【0041】電解液は、特に限定されることなく従来の
非水二次電池に用いられている有機溶媒が用いられる。
上記有機溶媒には、環状エステル類、鎖状エステル類、
環状エーテル類、鎖状エーテル類等が用いられ、具体的
には、プロピレンカ−ボネ−ト(PC)、エチレンカ−
ボネ−ト(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビ
ニレンカーボネート、ジメチルカーボネート(DM
C)、ジエチルカーボネート(DEC)、γ−ブチロラ
クトン(γBL)、2メチル‐γ‐ブチロラクトン、ア
セチル‐γ‐ブチロラクトン、γ‐バレロラクトン、
1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2‐エトキ
シエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジア
ルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエー
テル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テ
トラエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピ
ルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブ
チルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチ
ルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、
ブチルプロピルカーボネート、プロピオン酸アルキルエ
ステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエ
ステル、テトラヒドロフラン(THF)、アルキルテト
ラヒドロフラン、ジアルキルアルキルテトラヒドロフラ
ン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテト
ラヒドロフラン、1,3‐ジオキソラン、アルキル‐
1,3‐ジオキソラン、1,4‐ジオキソラン、2−メ
チルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、
1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルム
アミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタ
ン、蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プ
ロピオン酸エチル、リン酸トリエステルなどの有機溶媒
およびこれらの誘導体や混合物などが好ましく用いられ
る。
【0042】溶媒の還元分解反応を抑える観点から、炭
酸ガス(CO2 )を溶解した電解液を用いると、容量と
サイクル寿命の向上に効果的である。前記混合溶媒(非
水溶媒)中に存在する主な不純物としては、水分と、有
機過酸化物(例えばグリコール類、アルコール類、カル
ボン酸類)などが挙げられる。前記各不純物は、黒鉛化
物の表面に絶縁性の被膜を形成し、電極の界面抵抗を増
大させるものと考えられる。したがって、サイクル寿命
や容量の低下に影響を与える恐れがある。また高温(6
0℃以上)貯蔵時の自己放電も増大する恐れがある。こ
のようなことから、非水溶媒を含む電解液においては前
記不純物はできるだけ低減されることが好ましい。具体
的には、水分は50ppm以下、有機過酸化物は100
0ppm以下であることが好ましい支持塩としては過塩
素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化リン酸リチウ
ム(LiPF6 )、ホウフッ化リチウム(LiBF4
)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフ
ルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、
ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[L
iN(CF3 SO2 )2]、チオシアン塩、アルミニウ
ムフッ化塩などのリチウム塩(電解質)などの1種以上
の塩を用いることができる。非水溶媒に対する溶解量
は、0.5〜3.0モル/1とすることが望ましい。
【0043】また、電解液の他に次の様な固体電解質も
用いることができる。固体電解質としては、無機固体電
解質と有機固体電解質に分けられる。無機固体電解質に
は、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく
知られている。有機固体電解質では、ポリエチレンオキ
サイド誘導体か該誘導体を含むポリマ−、ポリプロピレ
ンオキサイド誘導体か該誘導体を含むポリマ−、リン酸
エステルポリマ−等が有効である。 無機と有機固体電
解質を併用する方法も知られている。
【0044】また、放電や充放電特性を改良する目的
で、添加物を加えてもよい。活物質に直接添加してもよ
いが、電解液に添加する方法がもっとも一般的である。
例えば、トルエン、ピリジン等がある。また、電解液を
不燃性にするために含ハロゲン溶媒、例えば、四塩化炭
素、三弗化塩化エチレンを電解液に含ませることができ
る。
【0045】また、正極や負極の合剤には電解液あるい
は電解質を含ませることができる。例えば、前記イオン
導電性ポリマ−やニトロメタン(特開昭48−36,6
33)、電解液(特開昭57−124,870)を含ま
せる方法が知られている。電極活物質の集電体として
は、電気抵抗の小さい金属板または金属箔が好まれる。
例えば、正極には、材料としてステンレス鋼、ニッケ
ル、アルミニウム、チタン、タングステン、金、白金、
焼成炭素などの他に、アルミニウムやステンレス鋼の表
面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させ
たものが用いられる。ステンレス鋼は二相ステンレスが
腐食に対して有効である。コイン、ボタン電池の場合は
電池の外部になる方にニッケルめっきすることが行われ
る。処理の方法としては、湿式めっき、乾式めっき、C
VD、PVD、圧着によるクラッド化、塗布等がある。
【0046】負極には、材料としてステンレス鋼、ニッ
ケル、銅、チタン、アルミニウム、タングステン、金、
白金、焼成炭素などの他に、銅やステンレス鋼の表面に
カーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたも
の、Al−Cd合金などが用いられる。処理の方法とし
ては、湿式めっき、乾式めっき、CVD、PVD、圧着
によるクラッド化、塗布等がある。
【0047】これらの材料の表面を酸化することもある
が、防錆処理としてベンゾトリアゾール、トリアジンチ
オール、アルキルチオール、フッ素系発水剤、シリコン
系発水剤等が用いられることもある。形状は、フォイル
の他、コインボタン電池の缶、フィルム、シート、ネッ
ト、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊
維群の成形体などが用いられる。厚みは、特に限定され
ない。コインボタン電池の缶の場合、基板に実装するた
め端子を抵抗溶接、レーザー溶接等により取り付けるこ
とも行われる。端子の材料としてはステンレス鋼、ステ
ンレス・ニッケルクラッド材、ステンレス鋼にニッケル
や金のめっきを施したもの等があり、金属であれば特に
限定されるものではない。
【0048】セパレーターは、電解液或は電極活物質等
に対し、耐久性のある連通気孔を有する電子伝導性のな
い多孔体であり、通常ガラス繊維、ポリエチレン或はポ
リプロピレン等からなる布、不織布或は多孔体が用いら
れる。セパレーターの孔径は、一般に電池用として用い
られる範囲が用いられる。例えば、0.01〜10μm
が用いられる。セパレーターの厚みは、一般に電池用の
範囲で用いられる例えば、5〜300μmが用いられ
る。セパレーターは電池ケース内に実用上問題が生じな
いように固定される。また、安全対策とし温度によりイ
オン透過性を変化させるセパレーターを用いることも有
効である。
【0049】電極活物質と集電体を導電性の接着剤によ
り固定することも可能である。導電性の接着剤として
は、溶剤に溶かした樹脂に炭素や金属の粉末や繊維を添
加したものや導電性高分子を溶解したもの等が用いられ
る。ペレット状の電極の場合は、集電体と電極ペレット
の間に塗布し電極を固定する。この場合の導電性接着剤
には熱硬化型の樹脂が含まれる場合が多い。シート状の
場合の電極の場合は集電体と電極を物理的に接着すると
いうよりは、電気的に接続する目的で用いられる。
【0050】コイン、ボタン電池として用いる場合は、
ガスケットとして、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リアミド樹脂、各種エンジニアリングプラスチックが用
いられる。通常は、ポリプロピレン製が一般的である
が、電池を基板に実装する際のリフロー温度に対応する
ため耐熱温度の高いエンジニアリングプラスチック等の
材料を用いてもよい。
【0051】コイン、ボタン電池の場合ガスケットと正
・負極缶の間にアスファルトピッチ、ブチルゴム、フッ
素系オイル、クロロスルホン化ポリエチレン、エポキシ
樹脂等の1種または混合物のシール剤が用いられる。シ
ール剤が透明の場合は着色して、塗布の有無を明確にす
ることも行われる。シール剤の塗布法としては、ガスケ
ットへのシール剤の注入、正・負極缶への塗布、ガスケ
ットのシール剤溶液へのディッピング等がある。
【0052】電池の形状はコイン、ボタン、シ−ト、シ
リンダ−、角などいずれにも適用できる。本発明の非水
電解質二次電池の用途には、特に限定されないが、例え
ば、携帯電話、ページャー等のバックアップ電源、発電
機能を有する腕時計の電源等がある。
【0053】本発明の電池は除湿雰囲気または、不活性
ガス雰囲気で組み立てることが望ましい。また、組み立
てる部品も事前に乾燥するとこが好ましい。ペレットや
シートおよびその他の部品の乾燥又は脱水方法として
は、一般に採用されている方法を利用することができ
る。特に、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び
低湿風を単独あるいは組み合わせて用いることが好まし
い。温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特に10
0〜250℃の範囲が好ましい。含水量は、電池全体で
2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や
電解質ではそれぞれ50ppm以下にすることがサイク
ル性の点で好ましい。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。本実施例は、正極活物質としてTiS2、負極活
物質としてSiOを用いた場合である。電池断面図を図
4に示した。また、電池の大きさは外径6.8mm、厚
さ2.1mmとした。
【0055】正極は次の様にして作製した。 市販Ti
S2を粉砕したものに導電剤としてグラファイトを、結
着剤として架橋型アクリル酸樹脂を重量比82:10:
8の割合で混合して正極合剤とし、次にこの正極合剤を
2ton/cm2で直径4.05mm厚さ1.1mmのペ
レットに加圧成形し重量は24.5mgとした。その
後、この様にして得られた正極ペレット101を炭素を
導電性フィラーとする導電性樹脂接着剤からなる電極集
電体102を用いて正極ケース103に接着し一体化し
た後、150℃で8時間減圧加熱乾燥した。
【0056】負極は、次の様にして作製した。市販の一
酸化ケイ素(SiO)を自動乳鉢により粒径44μm以
下に粉砕整粒したものを作用極の活物質として用いた。
この活物質に導電剤としてグラファイトを、結着剤とし
てポリフッ化ビニリデンをそれぞれ重量比45:45:
10の割合で混合して負極合剤とした。合剤を2ton
/cm2で直径4.05mm厚さ0.23mmのペレッ
トに加圧成形した。ペレット重量は6.7mgとした。
その後、この様にして得られた負極ペレット104を炭
素を導電性フィラーとする導電性樹脂接着剤からなる電
極集電体102を用いて負極ケース105に接着し一体
化した後、100℃で8時間減圧加熱乾燥した。さら
に、ペレット上にリチウムフォイル106を直径4m
m、厚さ0.2mmに打ち抜いたものを圧着し、リチウ
ム−負極ペレット積層電極とした。
【0057】電解液107は、プロピレンカーボネー
ト、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート
の体積比1:1:2混合溶媒にLiClO4を1モル/
l溶解したものを用いた。この様にして作製された電池
について50μA定電流、終止電圧1.2Vの放電と5
0μA定電流、2.5Vまでの充電という条件で充放電
サイクルを行った。このときの充放電特性を図5に示し
た。
【0058】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明は、非水電解
質二次電池の負極活物質として組成式がLixSiOyで
示され、リチウム含有量xと酸素量yがそれぞれ1.5
≦x≦4.5、及び0<y<2となる様に規制されたリ
チウム含有ケイ素酸化物を用いたものであり、 正極と
して、一般式LixTiS2yで表され、前記式中x≦
0.9、0.5<y<2.5であるリチウム含有チタン
硫化物を用いたものであり、高エネルギー密度で且つ内
部抵抗が少なく、充放電特性が優れた2.5V前後の二
次電池を得ることが出来る。
【0059】また、充放電効率が高く、デンドライト生
成による内部短絡等の不良の発生が無く、極めて安定で
サイクル寿命の長い二次電池を得ることが出来る。ま
た、充放電効率が高く、デンドライト生成による内部短
絡等の不良の発生が無く、極めて安定でサイクル寿命の
長い特性となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電極活物質の性能評価に用いたテストセルの構
造の一例を示した断面図である。
【図2】作製したテストセルを0.1mAの定電流で、
放電(D)の終止電圧0.3V、充電(C)の終止電圧
2.7Vの条件で充放電サイクルを行ったときのサイク
ル特性図である。
【図3】作製したテストセルを0.1mAの定電流で、
放電(D)の終止電圧1.0V、充電(C)の終止電圧
2.7Vの条件で充放電サイクルを行ったときのサイク
ル特性図である。
【図4】本発明のコイン型リチウム二次電池の断面図で
ある。
【図5】正極活物質にTiS2を用い、負極活物質にS
iOを用いた本発明のリチウム二次電池の充放電特性図
である。
【符号の説明】
1 対極ケース 3 対極 4 セパレータ 5 作用極 6 作用極集電体 7 作用極ケース 8 ガスケット 101 正極ペレット 102 電極集電体 103 正極ケース 104 負極ペレット 105 負極ケース 106 リチウムホイル 107 電解液 108 ガスケット 109 セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01M 10/40 H01M 10/40 Z (72)発明者 酒井 次夫 宮城県仙台市太白区西多賀5丁目30番1号 株式会社エスアイアイ・マイクロパーツ 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム含有ケイ素酸化物を活物質とし
    て用いた負極と、リチウム含有チタン硫化物を活物質と
    して用いた正極と、非水電解質とから少なくともなる非
    水電解質二次電池。
  2. 【請求項2】 リチウム含有ケイ素酸化物が組成式Li
    xSiOyで表され、リチウム含有量xと酸素量yがそれ
    ぞれ0≦x、0<y≦2であることを特徴とする請求項
    1記載の非水電解質二次電池。
  3. 【請求項3】 リチウム含有ケイ素酸化物が組成式Li
    xSiOyで表され、リチウム含有量xと酸素量yがそれ
    ぞれ1.5≦x≦4.5、0<y<2であることを特徴
    とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
  4. 【請求項4】 該非水電解質二次電池の使用状態におけ
    るリチウム含有チタン硫化物が組成式LixTiSyで表
    され、リチウム含有量xと硫黄量yがそれぞれx≦1.0
    、0.5<y<2.5であることを特徴とする請求項
    1記載の非水電解質二次電池。
  5. 【請求項5】 該非水電解質二次電池の使用状態におけ
    るリチウム含有チタン硫化物が組成式LixTiSyで表
    され、リチウム含有量xと硫黄量yがそれぞれx≦0.
    9、0.7<y<1.3であることを特徴とする請求項1記
    載の非水電解質二次電池。
  6. 【請求項6】 電池組立後電池内で、または電池製造工
    程の途上において電池内もしくは電池外で、ケイ素の酸
    化物もしくはケイ酸塩とリチウムもしくはリチウムを含
    有する物質との電気化学的反応に依り該ケイ素の酸化物
    もしくは該ケイ酸塩にリチウムイオンを吸蔵させてリチ
    ウムを含有する該ケイ素の酸化物もしくは該ケイ酸塩を
    得ることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次
    電池の製造方法。
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