JPH11271505A - 光学多層膜 - Google Patents

光学多層膜

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JPH11271505A
JPH11271505A JP10077040A JP7704098A JPH11271505A JP H11271505 A JPH11271505 A JP H11271505A JP 10077040 A JP10077040 A JP 10077040A JP 7704098 A JP7704098 A JP 7704098A JP H11271505 A JPH11271505 A JP H11271505A
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JP
Japan
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thin film
refractive index
optical
optical multilayer
film
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JP10077040A
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Inventor
Katsuya Ono
勝也 小野
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防曇性を確保しながら反射率を低く抑えた光
学多層膜を提供する。 【解決手段】 空気と接する側に光触媒粒子を含有し光
励起によって親水性を呈する防曇性薄膜を備え、該防曇
性薄膜と前記光学部材の間に前記防曇性薄膜よりも低い
屈折率を有する低屈折率薄膜を少なくとも一つ有するよ
うにした。このような構成によって、光学系に曇りを生
じず、しかも明るくコントラストの良い撮影や観察が行
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、曇りを防止する
(防曇)特性を有する光学多層膜、及びこのような光学
薄膜を備えた光学部材に関する。
【0002】
【従来技術】物体を取り巻く雰囲気の温度に比べて物体
の温度が低い場合、雰囲気中の水分は細かい水滴となっ
て物体表面に現われる。このような現象はいわゆる「曇
り」と呼ばれるもので、寒冷時に窓ガラスにこの「曇
り」が生じ窓ガラスを通して向こう側の様子を見ること
ができなくなる、ということは良く経験することであ
る。
【0003】上記のような「曇り」は、ガラスを素材と
して利用する光学機器の光学系においても同様に生じ
る。例えば、医療用内視鏡で体内を観察する場合や、工
業用内視鏡で高温のエンジン内部を観察する場合では、
観察対象物の内部の温度が外部の温度に比べて高くなっ
ている。そのため、内視鏡を観察対象物の内部に挿入す
ると、内視鏡の温度と内部の温度差によって内視鏡の光
学系の表面に結露が生じ、視野が曇って観察に支障をき
たすことがある。
【0004】光学系の表面に曇りが生じることを防ぐ方
法として、特開平9−59042号公報に、透明基材の
表面に実質的に透明な光触媒性チタニアの粒子を含有す
る透明な防曇性コーティングを施す技術が開示されてい
る。これは、光触媒性チタニアが光励起されることによ
って、その表面が高度に超親水化される性質を利用した
ものである。
【0005】ところが、チタニアの一種であるルチル型
チタニアの屈折率は2.76、アナターゼ型チタニアの
屈折率は2.52というようにチタニアの屈折率は高い
ため、このチタニアを素材とする光触媒性チタニアを物
体表面にコーティングすると表面反射が顕著になり、表
面がぎらぎらして見にくいという問題が生じる。
【0006】そのため、特開平9−59042号公報で
は、光触媒性チタニアに屈折率が約2より小さな物質を
触媒として加え、コーティング膜全体の屈折率を低くす
ることが開示されている。特開平9−59042号公報
の実施例1では、チタニアとトリメトキシメチルシラン
を重量比20:80で混合した防曇性コーティングの屈
折率が1.69であることが開示されている。ここで、
屈折率が1.69の場合の分光反射率を以下に示す。な
お、膜厚における波長λの値はλ=520nmである。
【0007】 屈折率 膜厚 防曇性薄膜 1.69 λ/2(λ=520nm) 波長(λ) 反射率(%) 波長(λ) 反射率(%) 波長(λ) 反射率(%) 400 7.634 500 4.342 600 5.134 410 7.148 510 4.278 610 5.315 420 6.669 520 4.258 620 5.501 430 6.214 530 4.277 630 5.690 440 5.796 540 4.330 640 5.880 450 5.422 550 4.413 650 6.070 460 5.099 560 4.522 660 6.258 470 4.830 570 4.652 670 6.444 480 4.615 580 4.800 680 6.625 490 4.453 590 4.962 690 6.801 700 6.972 上記の分光反射率の値からもわかるように、特開平9−
59042号公報では、400nmから700nm波長
で反射率が約4%〜7%となっている。一方、特開平9
−56549号公報に記載されているように、チタニア
単体の場合の反射率は10数%であるから、両者を比べ
ると特開平9−59042号公報のコーティングにおい
て反射率の低下が認められる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ガラス表面
に何もコーティングしていない場合のガラス表面での反
射率は約4%であることからすると、特開平9−590
42号公報のコーティングによる反射率は、ガラス表面
にコーティングしていない状態と同じということにな
る。そのため、曇りの発生を防ぐ目的で特開平9−59
042号公報のコーティングを光学系に施したとして
も、従来より用いられてきたマルチーコートのような反
射防止膜のレベルまで反射率を低減することはできな
い。
【0009】特に、カメラや内視鏡などの光学機器の光
学系ではレンズを多数使用するため、レンズの表面にお
ける反射が約4%〜7%もあると、光量ロスによって被
写体の像が暗く撮影や観察に支障をきたすという問題が
生じる。また、反射した光は、フレアやゴーストとなっ
て被写体の像に重なるため、コントラストの良い像を得
ることができないという問題もある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
問題に鑑みてなされたもので、その目的は防曇性を確保
しながら反射率を低く抑えた光学多層膜を提供すること
である。
【0011】上記目的を達成するために、本発明の光学
多層膜は、光学部材上に形成された複数の薄膜で構成さ
れた光学多層膜であって、該光学多層膜は空気と接する
側に光触媒粒子を含有し光励起によって親水性を呈する
防曇性薄膜を備え、該防曇性薄膜と前記光学部材の間に
前記防曇性薄膜よりも低い屈折率を有する低屈折率薄膜
を少なくとも一つ有することを特徴としている。
【0012】また、本発明の光学多層膜は、前記低屈折
率薄膜のうち少なくとも一つの薄膜は、前記光学部材の
屈折率よりも低い屈折率を有することを特徴としてい
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の光学多層膜は、空気と接
する側に光触媒粒子を含有し光励起によって親水性を呈
する防曇性薄膜を備え、防曇性薄膜とガラス(レンズ)
などの光学部材の間に防曇性薄膜よりも低い屈折率を有
する低屈折率薄膜を少なくとも一つ有している。ここ
で、防曇性薄膜は、酸化チタンに低屈折率の物質(シリ
カ、フッ化マグネシウム、酸化スズ、アルミナ)を混合
したものである。
【0014】このように、防曇性薄膜とガラス(レン
ズ)の間に防曇性薄膜よりも低い屈折率の薄膜を設ける
と、薄膜の数が増えるため、複数の薄膜による干渉を利
用して反射率を低減することができる。ここで、複数の
薄膜は3層以上であれば、より効果的に反射率を低減す
ることができる。
【0015】また、複数の薄膜のうち、少なくとも一つ
の薄膜の屈折率を光学部材の屈折率よりも低くすること
によって、防曇性薄膜の屈折率と複数の薄膜の屈折率と
の差を大きくすることができ、更に反射率の低減が実現
できる。
【0016】また、複数の薄膜は、防曇性薄膜側から光
学部材に向かって順に、屈折率が小さくなるようにすれ
ば、屈折率差の小さい面を連続して徐々に反射率を低減
することになるので、広い波長範囲において反射率を低
減することができる。
【0017】また、複数の薄膜を、防曇性薄膜側から順
に、第1の薄膜、第2の薄膜、第3の薄膜の3つの薄膜
で構成した場合、以下の条件を満足することが望まし
い。 n1>1.8 (1) 2.0>n2>1.5 (2) 1.6>n3 (3) ただし、n1,n2,n3は、それぞれ第1の薄膜の屈
折率、第2の薄膜屈折率、第3の薄膜の屈折率である。
【0018】ここで、条件式(1)、(2)、(3)を
満足しない場合、特定の膜面での屈折率の変化が大きく
なるため、反射率の増大を生じる。そのため、例えば可
視領域の広い波長範囲で平坦な反射率特性を得ることが
困難になる。
【0019】なお、第2の薄膜の屈折率は、以下の条件
を満足することが望ましい。 1.8>n2>1.6 (2’) また、第2の薄膜、第3の薄膜は、以下の式を満足する
ことが望ましい。
【0020】 1.1λ/4>n2d2>0.9λ/4 (4) 1.1λ/4>n3d3>0.9λ/4 (5) ただし、λは波長、n2,n3はそれぞれ前記第2の薄
膜、第3の薄膜の屈折率、d2,d3はそれぞれそれぞ
れ前記第2の薄膜、第3の薄膜の膜厚である。
【0021】また、防曇性薄膜、第1の薄膜は、以下の
式を満足することが望ましい。 1.1λ/4>n0d0>0.9λ/4 (6) 1.1λ/4>n1d1>0.9λ/4 (7) ただし、n0,n1はそれぞれ防曇性薄膜、第1の薄膜
の屈折率、d0,d1はそれぞれそれぞれ防曇性薄膜、
第1の薄膜の膜厚である。以下、本発明の実施例ついて
説明する。
【0022】第1実施例 本実施例の光学多層膜の断面図を図1に示す。本実施例
の光学多層膜は空気と接する側から順に、防曇性薄膜、
酸化チタンからなる第1の薄膜、酸化アルミニウムから
なる第2の薄膜、及びフッ化マグネシウムからなる第3
の薄膜の4つの薄膜層からなり、これらの薄膜層は屈折
率が1.52のガラス上に形成されている。本実施例の光学
多層膜の構成と分光反射率を以下に示す。なお、膜厚に
おける波長λの値は全ての実施例においてλ=520nmであ
る。
【0023】 屈折率 膜厚 防曇性薄膜 1.69 λ/4 第1の薄膜 2.3 (TiO2) λ/4 第2の薄膜 1.65 (Al2O3) λ/4 第3の薄膜 1.38 (MgF2) λ/4 ガラス 1.52 波長(λ) 反射率(%) 波長(λ) 反射率(%) 波長(λ) 反射率(%) 400 9.225 500 0.546 600 0.435 410 6.449 510 0.612 610 0.601 420 4.201 520 0.635 620 0.850 430 2.530 530 0.614 630 1.182 440 1.404 540 0.558 640 1.599 450 0.735 550 0.482 650 2.098 460 0.411 560 0.404 660 2.672 470 0.318 570 0.343 670 3.314 480 0.357 580 0.317 680 4.017 490 0.450 590 0.344 690 4.771 700 5.566 上記のように、本実施例の光学多層膜は可視波長域の広
い範囲において、反射率が1%以下に抑えられている。
したがって、本実施例の光学多層膜は窓ガラスや鏡の他
に、カメラや、顕微鏡、内視鏡などのレンズを多数使用
する光学装置の光学系でも十分使用することができる。
【0024】本実施例の光学多層膜を光学装置の光学系
に適用した例を図7に示す。図7は内視鏡先端部1の断
面を示したもので、内視鏡先端部1の長手方向に沿って
3つの長穴が形成されて、各長穴に観察光学系2及びレ
ーザ照射光学系3、照明光学系4が設けられている。
【0025】観察光学系2は、基本的に対物レンズ5と
固体撮像素子6で構成され、それぞれ長穴に接着などの
法方によって固定されている。対物レンズ5はレンズL
1,L2,L3からなり、後方に配置された固体撮像素
子6上に観察対象物11の像を形成する。固体撮像素子
6は観察対象物11の像を電気信号に変換し、電気信号
を図示しないコントローラに送る。観察対象物11の像
はコントローラを経て図示しないCRT上に表示され
る。
【0026】一方、レーザ照射光学系3は、基本的に集
光レンズ7とファイバ8で構成され、それぞれの直径に
合わせて形成された長穴に接着などの方法によって固定
されている。そして図示しないレーザ光源からのレーザ
光を、ファイバ8で伝送し、集光レンズ7によって観察
対象物11上に集光する。レーザ照射光学系3は、観察
対象物11に異物があるような場合にこの異物を焼いて
除去する時に用いられる。
【0027】また、照明光学系4は、基本的に照明レン
ズ9とライトガイドファイバ束10で構成されて、それ
ぞれの直径に合わせて形成された長穴に接着などの方法
によって固定されている。そして図示しない白色光源か
らの白色光を、ライトガイドファイバ束10で伝送し照
明レンズ9によって観察対象物11の広い範囲を照明す
る。
【0028】本実施例では、上記の光学多層膜を観察光
学系2のレンズL1,L2,L3の表面に設けているの
で、観察光学系2において曇りを生じること無く、しか
も明るくコントラストの良い観察が行える。また、レー
ザ照射光学系3の集光レンズ7に使用すれば、曇りによ
ってレーザ光が散乱されて観察対象物にレーザ光がうま
く集束せず、異物の除去ができないというような問題も
発生しない。また、照明光学系4の発散レンズ9に使用
すれば、曇りによって照明光が弱められることがなく明
るい照明ができる。
【0029】第2実施例 本発明の第2実施例を図2に示す。本実施例の光学多層
膜は空気と接する側から順に、防曇性薄膜とフッ化マグ
ネシウムからなる第1の薄膜の2つの薄膜層からなり、
屈折率が1.52のガラス上に形成されている。本実施例の
光学多層膜の構成と分光反射率を以下に示す。
【0030】 屈折率 膜厚 防曇性薄膜 1.69 λ/2 第1の薄膜 1.38 (MgF2) λ/4 ガラス 1.52 波長(λ) 反射率(%) 波長(λ) 反射率(%) 波長(λ) 反射率(%) 400 11.839 500 1.067 600 4.670 410 10.764 510 1.344 610 5.315 420 9.542 520 1.260 620 5.960 430 8.245 530 1.338 630 6.595 440 6.941 540 1.588 640 7.213 450 5.689 550 1.898 650 7.808 460 4.541 560 2.336 660 8.376 470 3.537 570 2.851 670 8.915 480 2.704 580 3.423 680 9.421 490 2.059 590 4.034 690 9.894 700 10.333 上記のように、本実施例の光学多層膜は可視波長域の短
波長側と長波長側において反射率が高いものの、520
nm前後で反射率が2%以下に抑えられている。したが
って、本実施例の光学多層膜は、レーザ照射光学系2の
集光レンズ7や、照明光学系4の発散レンズ9で十分使
用することができる。なお、レーザ照射光学系2に使用
する場合は、レーザ光の波長で反射率が最も小さくなる
ように、膜厚の調整を行えば良い。
【0031】第3実施例 本発明の第3実施例を図3に示す。本実施例の光学多層
膜は空気と接する側から順に、防曇性薄膜、酸化シリコ
ンからなる第1の薄膜、及び酸化チタンからなる第2の
薄膜の3つの薄膜層からなり、屈折率が1.52のガラス上
に形成されている。本実施例の光学多層膜の構成と分光
反射率を以下に示す。
【0032】 屈折率 膜厚 防曇性薄膜 2.42 λ/2 第1の薄膜 1.46 (SiO2) λ/4 第2の薄膜 2.3 (TiO2) λ/2 ガラス 1.52 波長(λ) 反射率(%) 波長(λ) 反射率(%) 波長(λ) 反射率(%) 400 53.404 500 2.363 600 7.884 410 47.108 510 2.679 610 11.058 420 39.160 520 2.805 620 14.744 430 30.141 530 2.688 630 18.758 440 21.062 540 2.413 640 22.917 450 13.141 550 2.152 650 27.062 460 7.324 560 2.123 660 31.065 470 3.871 570 2.543 670 34.841 480 2.373 580 3.590 680 38.334 490 2.101 590 5.367 690 41.519 700 44.388 上記のように、本実施例の光学多層膜は520nm前後
で反射率が2%程度に抑えられている。したがって、本
実施例の光学多層膜は、レーザ照射光学系2の集光レン
ズ7で十分使用することができる。
【0033】第4実施例 本発明の第4実施例を図4に示す。本実施例の光学多層
膜は空気と接する側から順に、防曇性薄膜、酸化シリコ
ンからなる第1の薄膜、酸化チタンからなる第2の薄
膜、及び酸化シリコンからなる第3の薄膜の4つの薄膜
層からなり、屈折率が1.52のガラス上に形成されてい
る。本実施例の光学多層膜の構成と分光反射率を以下に
示す。
【0034】 屈折率 膜厚 防曇性薄膜 1.76 λ/4 第1の薄膜 1.46 (SiO2) λ/2 第2の薄膜 2.3 (TiO2) λ/4 第3の薄膜 1.46 (SiO2) λ/2 ガラス 1.52 波長(λ) 反射率(%) 波長(λ) 反射率(%) 波長(λ) 反射率(%) 400 41.581 500 3.226 600 22.778 410 41.127 510 1.055 610 25.883 420 39.302 520 0.338 620 28.593 430 36.292 530 1.002 630 31.046 440 32.277 540 2.829 640 33.196 450 27.468 550 5.525 650 35.056 460 22.134 560 8.783 660 36.641 470 16.622 570 12.328 670 37.971 480 11.347 580 15.940 680 39.063 490 6.749 590 19.459 690 39.938 700 40.612 上記のように、本実施例の光学多層膜は520nmで反
射率が0.3%程度に抑えられている。すなわち、本実
施例の光学多層膜は特定の波長において反射率を非常に
小さく抑えることができるので、レーザ照射光学系2の
集光レンズ7で十分使用することができる。
【0035】第5実施例本発明の第5実施例を図5に示
す。本実施例の光学多層膜は空気と接する側から順に、
防曇性薄膜、酸化チタンからなる第1の薄膜、及び酸化
シリコンからなる第2の薄膜の3つの薄膜層からなり、
屈折率が1.52のガラス上に形成されている。本実施例の
光学多層膜の構成と分光反射率を以下に示す。
【0036】 屈折率 膜厚 防曇性薄膜 1.69 λ/4 第1の薄膜 2.3 (TiO2) λ/4 第2の薄膜 1.46 (SiO2) λ/2 ガラス 1.52 波長(λ) 反射率(%) 波長(λ) 反射率(%) 波長(λ) 反射率(%) 400 16.208 500 1.321 600 4.730 410 13.933 510 1.055 610 5.528 420 11.702 520 0.970 620 6.358 430 9.599 530 1.049 630 7.209 440 7.687 540 1.271 640 8.072 450 6.006 550 1.620 650 8.938 460 4.575 560 2.080 660 9.802 470 3.400 570 2.635 670 10.656 480 2.476 580 3.271 680 11.495 490 1.778 590 3.973 690 12.315 700 13.112 上記のように、本実施例の光学多層膜は可視波長域の短
波長側と長波長側において反射率が高いものの、520
nm前後で反射率が2%以下に抑えられている。したが
って、本実施例の光学多層膜は、レーザ照射光学系2の
集光レンズ7や、照明光学系4の発散レンズ9で十分使
用することができる。
【0037】第6実施例 本発明の第6実施例を図6に示す。本実施例の光学多層
膜は空気と接する側から順に、防曇性薄膜、酸化シリコ
ンからなる第1の薄膜、及び酸化チタンからなる第2の
薄膜の3つの薄膜層からなり、屈折率が1.52のガラス上
に形成されている。本実施例の光学多層膜の構成と分光
反射率を以下に示す。
【0038】 屈折率 膜厚 防曇性薄膜 1.76 λ/4 第1の薄膜 1.46 (SiO2) λ/2 第2の薄膜 2.3 (TiO2) λ/4 ガラス 1.52 波長(λ) 反射率(%) 波長(λ) 反射率(%) 波長(λ) 反射率(%) 400 39.169 500 3.354 600 22.833 410 39.096 510 1.089 610 25.723 420 37.728 520 0.338 620 28.293 430 35.203 530 1.034 630 30.541 440 31.655 540 2.941 640 32.480 450 27.250 550 5.728 650 34.127 460 22.218 560 9.056 660 35.504 470 16.877 570 12.626 670 36.633 480 11.643 580 16.208 680 37.535 490 6.984 590 19.643 690 38.232 700 38.741 上記のように、本実施例の光学多層膜は520nmで反
射率が0.3%程度に抑えられている。すなわち、本実
施例の光学多層膜は特定の波長において反射率を非常に
小さく抑えることができるので、レーザ照射光学系2の
集光レンズ7で十分使用することができる。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の光学多層膜
は、物質の表面に曇りを生じること無く、物質の表面で
の反射を低く抑えることができる。そのため、カメラの
撮影光学系や顕微鏡や内視鏡の観察光学系に本発明の光
学多層膜を用いることによって、光学系に曇りを生じ
ず、しかも明るくコントラストの良い撮影や観察が行え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の光学多層膜の構成を示す
図である。
【図2】本発明の第2実施例の光学多層膜の構成を示す
図である。
【図3】本発明の第3実施例の光学多層膜の構成を示す
図である。
【図4】本発明の第4実施例の光学多層膜の構成を示す
図である。
【図5】本発明の第5実施例の光学多層膜の構成を示す
図である。。
【図6】本発明の第6実施例の光学多層膜の構成を示す
図である。
【図7】本発明の光学多層膜を施した光学系を備えた内
視鏡を示す図である。
【図8】従来の光学多層膜の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 内視鏡先端部 2 観察光学系 3 レーザ照射光学系 4 照明光学系 5 対物レンズ 6 固体撮像素子 7 集光レンズ 8 ファイバ 9 照明レンズ 10 ライトガイドファイバ束 11 観察対象物 L1,L2,L3 対物レンズを構成するレンズ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学部材上に形成された複数の薄膜で構
    成された光学多層膜であって、該光学多層膜は空気と接
    する側に光触媒粒子を含有し光励起によって親水性を呈
    する防曇性薄膜を備え、該防曇性薄膜と前記光学部材の
    間に前記防曇性薄膜よりも低い屈折率を有する低屈折率
    薄膜を少なくとも一つ有することを特徴とする光学多層
    膜。
  2. 【請求項2】 前記低屈折率薄膜のうち少なくとも一つ
    の薄膜は、前記光学部材の屈折率よりも低い屈折率を有
    することを特徴とする請求項1に記載の光学多層膜。
  3. 【請求項3】 前記光学多層膜は、前記防曇性薄膜を含
    み少なくとも3つの薄膜から構成されていることを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載の光学多層膜。
  4. 【請求項4】 前記低屈折率薄膜は、前記防曇性薄膜側
    から前記光学部材に向かって屈折率が順番に小さくなっ
    ていく、第1の薄膜、第2の薄膜、第3の薄膜からなる
    ことを特徴とする請求項3に記載の光学多層膜。
  5. 【請求項5】 前記第1の薄膜、第2の薄膜、第3の薄
    膜は、以下の条件(1)、(2)、(3)を満足するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の光学多層膜。 n1>1.8 (1) 2.0>n2>1.5 (2) 1.6>n3 (3) ただし、n1,n2,n3は、 それぞれ前記第1の薄
    膜の屈折率、第2の薄膜屈折率、第3の薄膜の屈折率で
    ある。
  6. 【請求項6】 前記低屈折率薄膜は、前記防曇性薄膜側
    から前記光学部材に向かって屈折率が順番に小さくなっ
    ていく、第1の薄膜、第2の薄膜、第3の薄膜からなる
    ことを特徴とする請求項5に記載の光学多層膜。
  7. 【請求項7】 前記第2の薄膜の屈折率は、以下の条件
    を満足することを特徴とする請求項5または請求項6に
    記載の光学多層膜。 1.8>n2>1.6 (2’)
  8. 【請求項8】 前記第2の薄膜、第3の薄膜は、以下の
    式を満足すること特徴とする請求項4乃至7に記載の光
    学多層膜。 1.1λ/4>n2d2>0.9λ/4 (4) 1.1λ/4>n3d3>0.9λ/4 (5) ただし、λは波長、n2,n3はそれぞれ前記第2の薄
    膜、第3の薄膜の屈折率、d2,d3はそれぞれそれぞ
    れ前記第2の薄膜、第3の薄膜の膜厚である。
  9. 【請求項9】 前記防曇性薄膜、前記第1の薄膜は、
    以下の式を満足すること特徴とする請求項8に記載の光
    学多層膜。 1.1λ/4>n0d0>0.9λ/4 (6) 1.1λ/4>n1d1>0.9λ/4 (7) ただし、n0,n1はそれぞれ前記防曇性薄膜、第1の
    薄膜の屈折率、d0,d1はそれぞれそれぞれ前記防曇
    性薄膜、第1の薄膜の膜厚である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004071762A1 (ja) * 2003-02-13 2004-08-26 Hisashi Ohsaki 光触媒活性積層膜
JP2007536137A (ja) * 2004-05-10 2007-12-13 サン−ゴバン グラス フランス 光触媒被覆物を有する基板
WO2018216540A1 (ja) * 2017-05-23 2018-11-29 Hoya株式会社 親水性反射防止膜付きレンズ及びその製造方法

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