JPH11271065A - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

Info

Publication number
JPH11271065A
JPH11271065A JP10347287A JP34728798A JPH11271065A JP H11271065 A JPH11271065 A JP H11271065A JP 10347287 A JP10347287 A JP 10347287A JP 34728798 A JP34728798 A JP 34728798A JP H11271065 A JPH11271065 A JP H11271065A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
angular velocity
beams
pair
axis direction
vibrator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10347287A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehiro Watarai
武宏 度會
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP10347287A priority Critical patent/JPH11271065A/ja
Priority to DE19902339A priority patent/DE19902339A1/de
Priority to US09/234,506 priority patent/US6151965A/en
Publication of JPH11271065A publication Critical patent/JPH11271065A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gyroscopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 4本の梁部を有する振動子を備える角速度セ
ンサにおいて、効率よくコリオリ力を感度に変換し、更
なるS/N向上を可能とする。 【解決手段】 振動子1は、4本の平行な梁部2〜5が
連結部6によってその片端部を共通に支持された櫛形音
叉状をなし、内側1対の梁部3、4を駆動用梁部、外側
1対の梁部2、5をを検出用梁部としている。振動子1
は、振動子1の中心線すなわちz軸に位置しそのy軸方
向の幅が内側の1対の梁部3、4の配列間隔よりも狭い
トーションビーム8により支持されている。z軸回りの
角速度入力時には、梁部2〜5のうち隣接する梁部同士
がx軸方向において互いに逆方向へ振動し、且つこのx
軸方向への振動において内側一対の梁部3、4の振幅X
Uと外側一対の梁部2、5の振幅XSとの比XU/XS
が、10以下となるように振動子1及びトーションビー
ム8の寸法は設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4本の梁部を有す
る櫛形音叉形状をなし駆動と検出を別個の梁部にて行う
振動子を備えた角速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の角速度センサのとして特
開平8−278141号公報に記載のものが提案されて
いる。これは4本の平行な梁部(振動腕)とこの梁部の
片端部を共通に支持する支持部を持つ櫛形状の複合音叉
(いわゆる4脚振動子)において、外側の2本の梁部を
駆動用梁部(駆動側音叉)、内側の2本の梁部を検出用
梁部(検出側音叉)として駆動・検出に対応させる構成
としたものである。
【0003】そして、駆動用梁部を梁部の配列方向に励
振させ、所定軸回りに角速度が入力されたときに、駆動
用梁部の励振方向と直交する方向への検出用梁部の振動
を検知して角速度を検出するようになっている。この4
脚振動子は梁部を駆動用と検出用とに分離している為、
2脚振動子(音叉)と比較し高S/Nが得られるとされ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記4脚振動
子タイプの角速度センサにおいては、上記のように、駆
動用梁部と検出用梁部とを分離している為、駆動用梁部
からの振動等の不要振動が検出用梁部に伝達されにく
く、角速度入力時以外、すなわちコリオリ力が入力され
ないときには、検出用梁部は振動しにくい。従って、不
要振動によるノイズNを小さくすることができる。
【0005】ところが、逆に振動しにくいが故に、コリ
オリ力入力時(角速度入力時)の検出用梁部の振幅が小
さくなり、感度(感度の利得)Sが小さくなるため、所
望の高S/Nを得られないという不具合が起こる可能性
がある。ちなみに、本発明者が上記従来技術に基づい
て、4脚振動子を試作検討したところ、十分なS/Nを
得ることはできず、むしろ、2脚振動子タイプと比較し
て1桁小さい程であった。
【0006】従って、感度Sを向上するためにコリオリ
力入力時の検出用梁部の振幅を大きくすることが必要と
なってくるが、上記従来公報においては、コリオリ力入
力時の検出用梁部の振幅を大きくするような振動子構造
及び振動子の支持方法等については、言及されていな
い。本発明は上記点に鑑みて、4本の梁部を有する櫛形
音叉形状の振動子を備える角速度センサにおいて、効率
よくコリオリ力を感度に変換し、更なるS/N向上を可
能とすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、まず、4脚
振動子タイプの角速度センサにおいて、角速度入力時に
角速度を検出する為の振動モード(検出共振モード)が
2つ存在することに着目した。すなわち、4脚振動子に
おいては、4本の梁部の内側の1対及び外側の1対のう
ちどちらか一方の1対を駆動用梁部、他方の1対を検出
用梁部とする。駆動用梁部を所定方向に互いに逆相に駆
動振動(駆動共振モード)させると、角速度入力時、駆
動用梁部はコリオリ力によって、駆動振動方向とは直交
する方向に逆相に振動する。
【0008】そのため、梁部を連結する連結部がたわん
で、検出用梁部に振動が連成される。このように、駆動
用梁部に入力されたコリオリ力による振動が検出用梁部
に伝達され、4本の梁部はそれぞれ駆動振動方向とは直
交する方向に同期して振動する。この振動が検出共振モ
ードである。ここにおいて、1つの検出共振モードは、
平行に配列された4本の梁部において隣接する各梁部が
互いに逆方向に振動するモード(後述の図6(a)参
照、以下、第1の検出共振モードという)であり、もう
1つの検出共振モードは、平行に配列された4本の梁部
において中心から片側の2本を1組、他側の2本を1組
とした場合に、組内では同方向に振動し、組同士では互
いに逆方向に振動するモード(後述の図6(b)参照、
以下、第2の検出共振モードという)である。
【0009】これら各検出共振モードにおいては、振動
子形状、例えば梁部の幅や長さ等を適宜設定することで
所望の検出共振モードを実現できる。そして、各検出共
振モードについて、4本の梁部の内側の1対及び外側の
1対のうちどちらか一方の1対を駆動用梁部、他方の1
対を検出用梁部として、S/N向上可能な振動子構造を
検討した。
【0010】駆動用梁部と検出用梁部と振動のエネルギ
ーが分散されるため、検出用梁部の振幅が不十分となる
のではないかと考え、各検出共振モードにおける内側の
一対の梁部の振幅XUと外側の一対の梁部の振幅XSと
の比XU/XSもしくはXS/XUに着目して検討を進
めた結果、この比が上記感度の利得Sと相関性があるこ
とを見出した。
【0011】そして、各検出共振モードに応じて、第1
の検出共振モードにおいては比XU/XSを10以下と
し、第2の検出共振モードにおいては、第1の検出共振
モードとは逆の比である比XS/XUを10以下とすれ
ば、従来の4脚振動子タイプよりも1桁高い、実用的な
レベルのS/Nを実現できることがわかった。請求項1
ないし請求項14の発明は、上記知見に基づいてなされ
たものである。
【0012】すなわち、請求項1記載の発明によれば、
xyz直交座標系において、z軸の両側に2本ずつy軸
方向に平行に配列された4本の梁部(2〜5)と、y軸
方向に延びるとともに4本の梁部(2〜5)の片端部を
連結支持する連結部(6)とを有する櫛形音叉状に形成
された振動子(1)を備え、4本の梁部において内側の
1対(3、4)及び外側の1対(2、5)のうちどちら
か一方の1対を駆動用梁部(3、4)、他方の1対を検
出用梁部(2、5)とし、駆動用梁部には駆動用梁部を
y軸方向へ互いに逆相に励振して駆動振動させるための
駆動手段(20、60、61)が設けられ、検出用梁部
にはz軸回りの角速度入力時に発生する検出用梁部のx
軸方向への互いに逆相な振動を検知振動として検知して
角速度を検出するための角速度検出手段(25〜27、
63、64)が設けられている角速度センサ、つまり4
脚振動子タイプの角速度センサにおいて、角速度入力時
には、梁部(2〜5)において隣接する梁部同士がx軸
方向において互いに逆方向へ振動し、且つこのx軸方向
への振動において内側の一対の梁部の振幅XUと外側の
一対の梁部の振幅XSとの比XU/XSが、10以下と
なるように振動子の寸法が設定されていることを特徴と
する。
【0013】本発明では、角速度を検出する為の検出共
振モードは、上記第1の検出共振モードを用い、そのモ
ードにおいて内側の一対の梁部(3、4)の振幅XUと
外側の一対の梁部(2、5)の振幅XSの比XU/XS
が10以下となるように該振動子の寸法を設定している
ため、機械インピーダンスを小さくでき、駆動用梁部
(3、4)に入力されたコリオリ力による振動を効率よ
く検出用梁部(2、5)に伝達し、感度を向上させS/
Nを向上できる。
【0014】また、請求項2記載の発明によれば、4脚
振動子タイプの角速度センサにおいて、角速度入力時に
は、4本の梁部のうちz軸の片側の2本(2、3)と他
側の2本(4、5)とがx軸方向において互いに逆方向
へ振動し、且つこのx軸方向への振動において内側の一
対の梁部の振幅XUと外側の一対の梁部の振幅XSとの
比XS/XUが、10以下となるように振動子の寸法が
設定されていることを特徴とする。
【0015】本発明では、角速度を検出する為の検出共
振モードは、上記第2の検出共振モードを用い、そのモ
ードにおいて内側の一対の梁部の振幅XUと外側の一対
の梁部の振幅XSとの比XS/XUが10以下となるよ
うに振動子の寸法が設定されているため、上記請求項1
記載の発明と同等の効果が得られる。また、振動子の支
持方法についても検討を進めた結果、幅が内側の1対の
梁部の配列間隔よりも狭いトーションビームを振動子の
中心線上に配置し、このトーションビームを介して振動
子を支持するようにすれば、S/Nが向上できることが
わかった。請求項3及び請求項4記載の発明は、上記支
持方法に関する知見に基づいてなされたものである。
【0016】すなわち、請求項3記載の発明は、4脚振
動子タイプの角速度センサにおいて、振動子(1)は、
z軸上に位置してz軸方向に延びるように連結部(6)
と接続されるとともにy軸方向の幅が内側の1対の梁部
(3、4)の配列間隔よりも狭いトーションビーム
(8、50、51)により支持されており、角速度入力
時には、上記第1の検出共振モードで振動し、且つ、そ
のモードにおいて上記比XU/XSが10以下となるよ
うに振動子及びトーションビームの寸法が設定されてい
ることを特徴とする。
【0017】本発明では、このように細いトーションビ
ーム(8、50、51)によって、連結部(6)にて振
動子(1)を支持するため、角速度入力時に連結部
(6)がx軸方向へたわむ際に、このトーションビーム
を軸として連結部がたわむから、このたわみは阻害され
ない。従って、トーションビームが無い場合より更に機
械インピーダンスを小さくでき、駆動振動から連成され
る検出用梁部の検知振動の振幅を大きくすることがで
き、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、より効果
的にS/Nを向上できる。
【0018】また、請求項4記載の発明は、4脚振動子
タイプの角速度センサにおいて、振動子(1)は、z軸
上に位置してz軸方向に延びるように連結部(6)と接
続されるとともにy軸方向の幅が内側の1対の梁部
(3、4)の配列間隔よりも狭いトーションビーム
(8、50、51)により支持されており、角速度入力
時には、上記第2の検出共振モードで振動し、且つ、そ
のモードにおいて上記比XS/XUが10以下となるよ
うに振動子の寸法が設定されていることを特徴とする。
【0019】それによって、本発明では、請求項2記載
の発明の効果に加えて、上述したトーションビームの効
果を備える角速度センサを提供することができる。ま
た、請求項5記載の発明は、内側の一対の梁部(3、
4)の間隔WUと外側の一対の梁部(2、5)の間隔W
Sとの比WS/WUを2.5以下としたことを特徴とし
ている。即ち、WUとWSとを近づけることにより、内
側の一対の梁部(3、4)と外側の一対の梁部(2、
5)の回転振動能率(慣性モーメント)を合わせる、も
しくは近づけることにより、振動子の機械インピーダン
スを小さくし、コリオリ力によるレスポンスを向上させ
る。
【0020】それによって、内側の一対もしくは外側の
一対の梁部にコリオリ力が入力されたときに発生する回
転捩れ振動により、外側の一対もしくは内側の一対の梁
部の回転捩れ振動を発生しやすくし、効率よくコリオリ
力による振動エネルギーを伝達し高感度を得ることがで
きる。また、請求項6記載の発明は、内側の一対の梁部
(3、4)の間隔WUと内側の一対の梁部(3、4)の
幅HUとの比WU/HUが2.5以上100以下とした
ことを特徴としている。即ち、検出側となる外側の一対
もしくは内側の一対の梁部を振動させるための回転捩れ
力(軸トルク)を大きくするために、駆動側となる内側
の一対もしくは外側の一対の梁部のコリオリ力が作用す
る力点を、一対の梁部の間の略中心軸から離すことによ
り、コリオリ入力時の検出側である外側の一対もしくは
内側の一対の梁部の振幅を大きくする、即ち高感度を得
ることができる。なお、比WU/HUが100以上であ
ると音叉としての機能が低下し、十分な駆動振幅が得ら
れない。
【0021】また、請求項7記載の発明は、トーション
ビーム(50、51)が振動子(1)とともに圧電体よ
り一体に形成されたことを特徴とするものであり、安価
にS/Nを向上した角速度センサを提供することができ
る。また、請求項8記載の発明は、トーションビーム
(8)が振動子(1)とは別体に形成され、振動子
(1)と接合されたことを特徴とするものであり、トー
ションビーム(8)を耐久性の高い材料で製造できるこ
と等のため、信頼性が高、S/Nを向上した角速度セ
ンサを提供することができる。
【0022】また、請求項9記載の発明は、トーション
ビーム(8、50)が連結部(6)からz軸方向におい
て前記4本の梁部(2〜5)の反対方向に延びるように
形成されていることを特徴とするものであり、上記請求
項7及び請求項8記載のトーションビーム構成の一手段
を提供するものである。また、請求項10記載の発明
は、トーションビーム(51)は、連結部(6)からz
軸方向において4本の梁部(2〜5)の同一方向に延び
るように形成されていることを特徴とするものであり、
振動子(1)の重心を保持することが容易に可能であ
り、外部振動に対して強く、スペース効率に優れたもの
にできる。
【0023】また、請求項11記載の発明は、トーショ
ンビーム(50、51)が連結部(6)より梁部(2〜
5)と同一、反対両方向に形成されたことを特徴とする
ものであり、外部の衝撃に強いものにできる。また、請
求項12記載の発明は、y軸方向への振動モードの共振
周波数が、内側の一対の梁部(3、4)と外側の一対の
梁部(2、5)とで異なるようにしたことを特徴とする
ものであり、両一対の共振周波数を互いに異ならせるこ
とにより、内側1対もしくは外側1対の梁部の屈曲振動
が、外側1対もしくは内側1対の梁部へ伝達しても、外
側1対もしくは内側1対の梁部は屈曲振動しないか、も
しくはほとんど屈曲振動しないようになるため、駆動振
動の影響が十分小さくなり、ノイズNが低減でき、S/
Nを向上できる。
【0024】また、請求項13記載の発明は、前記駆動
用梁部(3、4)の駆動振動の共振周波数fdと前記検
出用梁部(2、5)の検知振動の共振周波数fsの比f
d/fsが、0.8≦fd/fs≦0.99又は1.0
1≦fd/fs≦1.2、の関係にあることを特徴とす
るものであり、比fd/fsを上記の範囲とすることに
より駆動共振モードと検出共振モードの連成を抑制し、
S/Nを向上できる。
【0025】また、請求項14記載の発明は、駆動用梁
部(3、4)には、駆動振動をモニタするためのモニタ
手段(21)が設けられ、駆動振動においてモニタ手段
(21)からのモニタ信号に基づいて駆動用梁部を自励
振動させるようにしたことを特徴とするもので、温度変
化等に対して安定した駆動振動が得られる。なお、上記
各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体
的手段との対応関係を示すものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。なお、以下各実施形態で述べる各図
において、後述の各電極は外観を示すものであり、便宜
上斜線のハッチングで示してあるが断面を示すものでは
ない。 (第1実施形態)本実施形態の基本構成を図1に示す。
図1は本実施形態の角速度センサの斜視図である。1は
振動子であり、略平行に配列された4本の四角柱状の梁
部2、3、4、5を有し、内側一対の梁部3、4が駆動
用梁部、外側一対の梁部2、5が検出用梁部として構成
されている。各梁部2〜5は、片端部を共通の連結部6
にて固定支持されており、振動子1は櫛形音叉形状を成
している。
【0027】ここで、図1に示す様に、連結部6の長手
方向すなわち梁部2〜5の配列方向をy軸、梁部2〜5
の長手方向をz軸、梁部2〜5及び連結部6の厚み方向
をx軸としてxyz直交座標系が構成される。ここで、
z軸は内側一対の梁部3、4の間の中央部に位置する。
以下、このxyz直交座標系に基づいて説明する。な
お、以下x軸方向というのはx軸と平行な方向をいうも
のとし、y軸、z軸についても同様である。
【0028】なお、連結部6はz軸方向の寸法が、内側
一対の梁部3、4の間の方が外側一対の梁部2、5間よ
りも大きくなっている。換言すれば、z軸方向において
内側一対の梁部3、4の長さは、外側一対の梁部2、5
の長さよりも短くなっている。これら梁部2〜5及び連
結部6は、例えばPZTのような圧電体をダイシング等
の機械加工することによって一体成形されている。そし
て振動子1は、図1に示す白抜き矢印に示す様に、x軸
方向に分極処理されている。
【0029】7は支持部であり、中央部が細くくびれた
略エの字型形状を成し、このくびれた部分はトーション
ビーム8として構成され、トーションビーム8の一端側
に位置する部分は連結部6と固定される連結部側接続部
7a、トーションビーム8の他端側に位置する部分は後
述のスペーサ7cと固定される基板側接続部7bとして
構成されている。両接続部7a、7bのy軸方向の長さ
は、共に連結部6と略同等としている。なお、両接続部
7a、7bはなくてもよく、直接トーションビーム8の
両端にて連結部6及びスペーサ7cと接続してもよい。
【0030】トーションビーム8は、連結部6の略中央
部位(すなわち内側の1対の梁部3、4の支持部位の間
の略中央部位)から、z軸方向において梁部2〜5とは
反対側に延びるように位置する。また、そのy軸方向の
幅は内側の1対の梁部3、4の配列間隔よりも狭いもの
としている。支持部7は、例えば42アロイ等の金属か
ら形成されており、図1に示す様に、一方側で連結部6
と接着等により固定され、他方側で上記スペーサ7cを
介して基板(ベース)10と溶接等により接合固定され
ている。
【0031】従って、振動子1は支持部7及びスペーサ
7cを介し、基板10に対して浮遊した状態で支持され
る。また、トーションビーム8の中心軸はz軸とほぼ一
致し、換言すればトーションビーム8は、実質的に振動
子1の中心線上に位置する。さらに、振動子1及び支持
部7の寸法関係は、後述するように、内側一対の梁部
3、4の振幅XUと外側一対の梁部2、5の振幅XSと
の比XU/XSを10以下とすること、y軸方向への
振動モードの共振周波数を内側一対の梁部3、4(f
d)と外側一対の梁部2、5(fd0 )とで異なるよう
にすること、駆動用梁部(本例では内側一対の梁部)
3、4の駆動振動の共振周波数fdと検出用梁部(本例
では外側一対の梁部)2、5の検知振動の検知共振周波
数fsの比fd/fsが所定範囲になるようにするこ
と、等の制約条件を満足するように設定されている。
【0032】ここで、図2の説明図を参照して、上記振
動子1及び支持部7の各部の具体的寸法の一例を挙げ
る。図2は振動子1及び支持部7をx軸方向からみたも
のである。まず、z軸方向において、内側一対の梁部
3、4の長さL1は9mmであり、外側一対の梁部2、
5の長さL2は11mmであり、連結部6も含めた振動
子1全体の最大寸法L3は14mmである。また、支持
部7の連結部側接続部7a、及びトーションビーム8の
z軸方向寸法L4及びL5は、それぞれ共に1mmであ
る。
【0033】一方、y軸方向において、各梁部2〜5の
寸法(梁部の幅)W1は、いずれも1.2mmである。
隣接する各梁部2〜5の間隔(スリット幅)について
は、梁部2と梁部3との間隔W2、及び、梁部4と梁部
5との間隔W3が、それぞれ0.4mmであり、梁部3
と梁部4との間隔W4が4.0mmである。従って、振
動子1全体では9.6mmとなる。また、トーションビ
ーム8のy軸方向寸法W5は2.0mmとしている。さ
らに、内側一対の梁部3、4の中心軸間隔WUと外側一
対の梁部2、5の中心軸間隔WSの比WS/WUは約
1.6となるようにしてある。
【0034】このように、トーションビーム8のy軸方
向寸法W5は梁部3と梁部4との間隔W4よりも小さ
い。つまり、上述のように、トーションビーム8のy軸
方向の幅は内側の1対の梁部3、4の配列間隔よりも狭
いものとしている。また、振動子1及び支持部7のx軸
方向寸法(厚み)tは1.55mmとしている。次に、
振動子1上に形成された電極構成について説明する。こ
こで、振動子1においてx軸と直交する面のうち基板1
と対向する面をX2面とし、このX2面とは反対側の面
をX1面とする。また振動子1においてy軸と直交する
外側一対の梁部2、5の外周面のうち梁部2側の面をY
2面とし、梁部5側の面をY1面とする。
【0035】本実施形態では、これらX1、X2、Y
1、Y2面上に後述の各電極が構成されており、その電
極構成は図3の展開図に示される。図3において(a)
はX1面、(b)はX2面、(c)はY1面、(d)は
Y2面の電極構成を示す。以下、図3を参照して説明す
る。20は駆動電極(駆動手段)であり、X1面におい
て梁部3の外周側から連結部6を通って梁部4の外周側
に渡って連続して形成されている。21はモニタ電極
(モニタ手段)であり、X1面において梁部3の内周側
から連結部6を通って梁部4の内周側に渡って連続して
形成されている。
【0036】22、23及び24は角速度検出用の角速
度検出電極(角速度検出手段)である。角速度検出電極
22は、Y1面において梁部5の略全域に渡って形成さ
れている。一方角速度検出電極23はX1面において梁
部2の略全域に渡り、角速度検出電極24はX2面にお
いて梁部2の略全域に渡って形成されている。そして、
全ての角速度検出電極22〜24は、図3に示す様に、
各面上に形成された引出し電極25、26及び27によ
って接続され導通している。角速度検出電極22と23
とは、引出し電極25(Y1面上)及び引出し電極26
(X1面上)を介して接続され、角速度検出電極23と
24とは、引出し電極27(Y2面上)を介して接続さ
れている。
【0037】28、29、30及び31は、上記駆動、
モニタ、及び角速度検出電極20〜24の基準電位とな
る共通電極である。共通電極28はX1面において梁部
5の略全域、共通電極29はX2面において梁部5の略
全域に渡り形成されている。また、共通電極30はX2
面において梁部3の略全域から連結部6を通って梁部4
の略全域に渡って連続して形成されており、共通電極3
1はY2面において梁部2の略全域に渡り形成されてい
る。
【0038】そして、全ての各共通電極28〜31は、
図3に示す様に、各面上に形成された引出し電極32、
33、34及び35によって接続され導通している。共
通電極28と29とは、引出し電極32(Y1面)を介
して接続され、共通電極29及び30と共通電極31と
は、引出し電極33、34(共にX2面)及び引出し電
極35(Y2面)を介して接続されている。
【0039】また、X1面において、連結部6には、後
述のワイヤボンディング用のパット電極36及び37が
形成されている。パット電極36は、角速度検出電極2
2〜24と導通する引出し電極26の途中部に、パット
電極37は、共通電極28から延びる引出し電極38の
終端部に位置し、それぞれ引出し電極26、38よりも
幅広に形成されている。従って、パット電極36は角速
度検出電極22〜24と導通し、パット電極37は共通
電極28〜31と導通する形となる。
【0040】なお、振動子1におけるy軸方向と直交す
る面のうち梁部2と梁部3との対向面、梁部3と梁部4
との対向面、梁部4と梁部5との対向面には電極は形成
されていない。また、駆動電極20とモニタ電極21、
角速度検出電極22と共通電極28、29、及び角速度
検出電極23、24と共通電極31は、それぞれ隙間を
開けて形成され、導通していない。
【0041】また、図1に示す様に、基板10には、後
述の制御回路(制御手段)A10と接続されるターミナ
ル(リード端子)T1〜T4が設けられている。そし
て、ターミナルT1はワイヤW1を介して駆動電極20
と接続され、ターミナルT2はワイヤW2を介してパッ
ト電極37と接続され、ターミナルT3はワイヤW3を
介してモニタ電極21と接続され、ターミナルT4はワ
イヤW4を介してパット電極36と接続されている。上
記各ワイヤの結線は、例えばワイヤボンディングにて行
われる。
【0042】次に、本実施形態の角速度センサに備えら
れた上記制御回路A10について、図4に示すブロック
図を参照して述べる。制御回路A10は大きくは、駆動
用梁部3、4を自励発振(自励振動)によって駆動振動
させる駆動系A11と、検出用梁部2、5の検知振動を
検知して角速度検出を行う検出系A12とに分かれる。
振動子1はパット電極37より回路に接続され基準電位
に設置されている。
【0043】駆動系A11は、モニタ電極21からの出
力(電流)を電圧に変換するチャージアンプ100と、
チャージアンプ100以降に設けられたAGC(オート
ゲインコントロール)回路101とから構成される。A
GC回路101は、チャージアンプ100からのフィー
ドバック信号が一定電圧となるように維持しつつ、この
一定電圧を駆動電極20に印加する。
【0044】検出系A12は、パット電極36を介して
角速度検出電極22〜24からの出力(電流)を電圧に
変換する電流−電圧変換回路102と、電流−電圧変換
回路102以降に設けられた同期検波回路103と、同
期検波回路103以降に設けられたLPF(ローパスフ
ィルタ)104と、チャージアンプ100からのフィー
ドバック信号を90°移相する移相回路105とから構
成されている。
【0045】そして、電流−電圧変換回路102からの
出力は、同期検波回路103にて、上記移相回路105
で移相されたフィードバック信号に基づき同期検波され
た後、LPF104にて、平滑化されて直流電圧に変換
されて角速度信号として出力されるようになっている。
次に、本実施形態の作動について説明する。まず、X1
面、X2面に形成された駆動電極20と共通電極30と
の間に交流電圧を印加することにより、駆動用梁部(内
側一対の梁部)3、4において電荷の偏在が発生する。
そのため、駆動用梁部3、4が、図5に示す様に、y軸
方向において互いに振動子の中心線に対して対称な(つ
まり互いに逆相の)屈曲振動をするモード(駆動共振モ
ード)にて共振する。
【0046】この駆動共振モードにおける振幅に比例し
た電流をモニタ電極21からの出力としてチャージアン
プ100で電圧に変換し、AGC回路101によりこの
電圧、すなわちモニタ信号が常に一定となるようにモニ
タしながら、一定電圧の信号(駆動信号)を駆動電極2
0に印加する。以上の閉じた系にて自励発振が行われ、
駆動用梁部3、4において駆動振動が行われる。
【0047】この駆動共振モードにおいてz軸回りの角
速度入力が0ならば、検出用梁部(外側一対の梁部)
2、5は、ほとんどy軸方向に振動しないため、角速度
検出電極22〜24からの出力即ちノイズNは極めて小
さい。例えば、駆動用梁部3、4の振幅に比べて検出用
梁部2、5の振幅は約1/200程度である。これは、
上記駆動共振モード(駆動振動)の共振周波数と、検出
用梁部2、5がy軸方向に屈曲振動するモードの共振周
波数とを異ならせるように、駆動用梁部3、4の長さL
1と検出用梁部2、5の長さL2とを異ならせる等、寸
法及び形状を設定しているためである。
【0048】従って、駆動共振モードにおいては、実質
的には駆動用梁部3、4の駆動振動だけが行われている
状態となる。そして、駆動振動中に、振動子1にz軸回
りの角速度が入力された場合、振動している駆動用梁部
3、4にはコリオリ力が発生する。すると、駆動用梁部
3、4は、駆動振動方向(駆動共振モードの方向)と直
交するx軸方向において、各駆動用梁部3、4が互いに
逆方向に力を受ける。この力によって、連結部6のうち
梁部3の支持部位近傍と梁部4の支持部位近傍とにおい
ても、x軸方向(図5において紙面垂直方向)に互いに
逆方向の力が発生する。
【0049】従って、連結部6が捩じられてx軸方向に
たわむため、その反作用で検出用梁部2、5も連成して
x軸方向に互いに逆方向に振動し、振動子1全体のx軸
方向への振動モード(検出共振モード)は、図6(a)
に示す様に、上述の第1の検出共振モードとなる。つま
り、隣接する梁部2〜5同士がx軸方向において互いに
逆方向へ振動する。
【0050】ここで、検出用梁部2、5のx軸方向への
互いに逆相の振動を検知振動として、その角速度に比例
した振幅を角速度検出電極22〜24からの出力(電
流)として電流−電圧変換回路102にて電圧に変換す
る。この電圧を、移相回路105からのフィードバック
信号(モニタ信号)を基準に同期検波回路103にて検
波処理を行い、LPF104を通して平滑化された信号
を最終出力とする。この最終出力は角速度に比例したD
C出力(角速度信号)を発生する。
【0051】なお、梁部2側における角速度検出電極2
3、24と共通電極31との位置関係は、梁部5側にお
ける角速度検出電極22と共通電極28、29との位置
関係の逆の位置関係としている。そのため、梁部2と梁
部5とが互いに逆方向に対称に(逆相に)振動するよう
な上記検知振動においては、角速度検出電極22と角速
度検出電極23及び24とから検出される電流は同位相
となる。
【0052】ところで、本実施形態によれば、第1の検
出共振モードを用いているため、上述した寸法の一例の
如く、駆動用梁部3、4の振幅XUと検出用梁部2、5
の振幅XSとの振幅比XU/XSを10以下とするよう
に、シミュレーション等により振動子1及び支持部7の
寸法を設定している。なお、本発明者の検討によれば、
内側一対の梁部3、4の中心軸間隔WUと外側一対の梁
部2、5の中心軸間隔WSの間隔比WS/WUを所定の
範囲(本実施形態では約1.6)とすれば、他の寸法に
関係なく、振幅比XU/XSを10以下とすることがで
きることを確認している。
【0053】ここで、上記振幅比XU/XSと上記間隔
比WS/WUとの関係について、上記した従来技術(特
開平8−278141号公報)の4脚音叉振動子にも言
及しつつ述べる。本実施形態においては、上記検出共振
モードにおいて、上記振幅比XU/XSが10以下とな
るように振動子1とトーションビーム8の寸法が形成さ
れているのが特徴であり、S/N比を向上させるポイン
トである。
【0054】上記従来技術の実施例に記載されている振
動子は検出共振モードにおいて振幅比XU/XSが1
0.7以上と大きい。このような形状の場合、駆動用梁
部(駆動用振動子)にコリオリ力が入力された時、梁の
配列方向に直交する方向への振幅は非常に小さく、それ
に伴い検出用梁部(検出用振動子)の振幅も小さくな
る。これは外側一対の梁部を駆動用、内側一対の梁部を
検出用とした場合もしくはその逆の場合でも同じであ
る。
【0055】これでは従来の2脚の音叉に対してコリオ
リ力入力時の振幅は1/10以下しか得られず、即ち感
度は1/10以下しか得られない。また、駆動用と検出
用の梁部(振動子)を 分離した効果についても、2脚
音叉に対しノイズ低減効果は1/5であり、感度の低下
分と合わせると、従来技術記載の構造ではS/N向上は
十分ではない。また、例えば感度Sが低下するため。外
部Gに対しても感度Sの低下分だけ弱くなり、例えば車
載を考えた場合はセンサの適用は困難となる。
【0056】感度という問題に対し、振動子の構造につ
いて研究した結果、高感度化を達成するためには検出共
振モードにおける内側一対の梁部の検出方向の振幅XU
と外側一対の梁部の振幅XSの比である上記振幅比XU
/XSが重要であることを解明した。そして、振幅比X
U/XSを小さくしていくと、検出用梁部(検出用振動
子)にも振動エネルギーが分配され、コリオリ力入力時
に検出用梁部の検出方向の振幅が大きくなる、即ち感度
が大きくなり、従来の問題点を解決し、センサのS/N
を向上することができる。
【0057】4脚音叉の機械インピーダンスを低減し、
コリオリ力に対するレスポンスを向上させ感度を向上さ
せるという観点から検討した結果、振幅比XU/XSを
小さくしていくことにより、駆動用音叉(駆動用梁部)
と検出用音叉(検出用梁部)にコリオリ力による振動エ
ネルギーが分散され感度を大きくでき、また、振幅比X
U/XSを小さくしていくと、振動子全体のエネルギー
が大きくなる即ち振動子の機械インピーダンスを低減で
きることがわかった。以上より、振幅比XU/XSを小
さくすることにより、振動子の機械インピーダンスを低
減でき、高感度な振動子が得られることが分かり、高感
度なセンサを得るには振幅比XU/XSを10以下にす
る必要がある。
【0058】次に、具体的に振幅比XU/XSを小さく
する方法として、上記間隔比WS/WUを小さくするこ
とが効果的であることがわかった。振幅比XU/XSを
小さくする(即ち、内側一対の梁部3、4と外側一対の
梁部2、5のx軸方向の振幅を同じにする)には、これ
ら2つの一対の梁部2〜5の回転振動のしやすさを合わ
せる、即ち両者の慣性モーメントを合わせるという考え
に着目し、それぞれの回転の腕の長さを合わせる即ち上
記間隔比WS/WUを小さくすることを検討した。その
結果、高感度な振動子を実現するには、間隔比WS/W
Uを2.5以下にすることが望ましいことを見いだし
た。
【0059】また、駆動用梁部(内側一対の梁部)3、
4にコリオリ力が入力された時に検出用梁部(外側一対
の梁部)2、5に発生する捩れ回転力即ちトルクを大き
くするため、内側一対の梁部3、4の間隔WUを大きく
することが望ましく、該間隔WUは、図2に示す各梁部
2〜5の幅W1のうちの内側一対の梁部3、4の幅HU
に対し、2.5以上にすることが望ましい。
【0060】上記従来技術記載の実施例においては間隔
比WS/WUが2.82であり、トーションビームを有
していないため、慣性モーメントが大きく、振幅比XU
/XSは10.7程度であり、高感度を得ることができ
ない。これに対し、本実施形態では、上記間隔比WS/
WUを1.6とし且つトーションビーム8を有している
ため、振幅比XU/XSは1.6と小さくなり、従来技
術よりも1桁以上大きな感度を得ることができる、即
ち、本実施形態は、振動エネルギーが効率良く検出梁部
に伝達されて利得が得られる構造である。
【0061】また、本実施形態においては、トーション
ビーム8により振動子1が支持されていることによる効
果は、上記の感度向上効果のみならず、上記検出共振モ
ードを安定して実現させることができるという効果も有
する。トーションビーム以外、例えば振動子の下部をリ
ジッドに固定したり、上記従来技術の実施例の一部にお
いて振動子の板厚方向に円柱型の支持用の穴を設けるこ
とが記載されている。
【0062】しかし、後者の場合、円柱状のピンをこの
穴に接合し、振動子を側面から支持した場合、上記従来
技術に記載されている検出共振モードは発生するが、本
発明にて提案している検出共振モードは発生しないか、
安定して得ることができない。更に追記するならば、上
記従来技術において、振動子の支持方法は明記されてお
らず、振動子の支持方法は、振動子の構造と同レベルな
ほど重要な要素であり、相互が一体となって構成される
べきものである。そして、本実施形態では、振動子の支
持方法と振動子の構造とが一体となった構成を提供する
ものである。
【0063】また、本実施形態においては、実質的に振
動子1の中心線上に位置するトーションビーム8により
振動子1が支持されていることも特徴である。このトー
ションビーム8は、連結部6の略中央部位から、z軸方
向において梁部2〜5とは反対側に延びるように位置
し、そのy軸方向の幅は、検出用梁部(外側1対の梁
部)2、5の配列間隔よりも狭いものとしている。
【0064】そのため、上述したように角速度入力時に
連結部6がx軸方向へたわむ際に、トーションビーム8
を軸として連結部6がたわむから、このたわみは阻害さ
れない。従って、検出用梁部2、5の検知振動の振幅を
大きくすることができる。更に、本実施形態では、駆動
用梁部2、5と検出用梁部3、4の幅W1を同じとし、
且つ駆動用梁部2、5の長さL1と検出用梁部3、4の
長さL2とを異なるものとしている。そのため、駆動共
振モードにおいて互いの屈曲モードの共振周波数が異な
り、駆動用梁部3、4の駆動振動(例えばfd=643
9Hz)が伝達されたとしても検出用梁部2、5の屈曲
振動(例えばfd0 =4429Hz)は減衰しS/Nを
向上させることができる。
【0065】また、本実施形態では、駆動振動の共振周
波数(駆動共振周波数)fdと検知振動の共振周波数
(検知共振周波数)fsの比fd/fsを、例えば1.
04となるように振動子1及びトーションビーム8の寸
法を設定している為、駆動共振モードと検出共振モード
の連成を抑制しS/Nを向上させることができる。な
お、本発明者の検討によれば、上記両モードの連成を抑
制するには、比fd/fsが、0.8≦fd/fs≦
0.99又は1.01≦fd/fs≦1.2、の関係に
あることが好ましい。
【0066】また、本実施形態において、トーションビ
ーム8を梁部2〜5と反対方向に配置する構成とするこ
とにより振動子1とトーションビーム8を別体で形成し
接合しやすくなるため、構造的に最も弱いトーションビ
ームを金属で形成することができ、耐衝撃性を向上する
ことが出来る。なお、本実施形態において、他の圧電材
料、例えばZカット水晶をエッチングしたり、ニオブ酸
リチウムやランガサイトをダイシングしたりすることよ
り、振動子1を形成してもよい。また、半導体を用いた
振動子についても適用できるものである。
【0067】また、本実施形態において、振動子1をト
ーションビーム8を介して支持しなくても、振動子1の
底部すなわち連結部6をクランプして支持するものとし
ても、従来より高いS/Nが得られる。また、20をモ
ニタ電極とし、21を駆動電極としてもよい。その場合
には制御回路A10との結線を適宜変えることは勿論で
ある。
【0068】なお、振動子1の厚さの限定は記述してい
ないが、体格上の制約や駆動周波数、そして製造上から
考えた常識から梁部の幅(W1)は0.01〜5mmを
前提に考えており、fsとfdとの関係から、厚さは、
その半分から2倍即ち0.005〜10mmを前提に考
えている。 (第2実施形態)上記第1実施形態では、検出共振モー
ドとして、第1の検出共振モード、すなわち隣接する梁
部2〜5同士がx軸方向において互いに逆方向へ振動す
るモードを用いたが、本実施形態は、検出共振モード
を、図6(b)に示す第2の検出共振モードとした点が
上記第1実施形態と異なる。
【0069】本実施形態の第2の検出共振モードでは、
内側一対の梁部(駆動用梁部)3、4が互いに逆相振動
し、外側一対の梁部(検出用梁部)2、5が互いに逆相
振動しつつ、4本の梁部のうちz軸の片側の2本の梁部
2、3と他側の2本の梁部4、5とがx軸方向において
互いに逆方向へ振動する。この第2の検出共振モードを
実現するには、上記振動子1において、上記第1実施形
態よりも、各梁部2〜5の幅W1(図2参照)を小さく
すればよい。また、本実施形態においては、振動子1等
の寸法は、内側の一対の梁部3、4の振幅XUと外側の
一対の梁部2、5の振幅XSとの比XS/XUが10以
下とすること、及び上記第1実施形態にて述べた制約条
件、を満足するように設定されている。
【0070】この第2の検出共振モードは、第1の検出
共振モードに対し、同じ大きさの振動子でも低い共振周
波数を有するため、振動子の低周波数化が可能である。
そのため、低周波振動が要求される検出回路(制御回路
の検出系A12)構成やセンサの応答性等に応じて使用
することが出来る。 (第3実施形態)本実施形態は、上記第1及び第2実施
形態と比べて、主として、上記支持部7の代わりに、振
動子と一体成形された2本のトーションビームで振動子
1が支持されてた構造であることが異なる。本実施形態
の基本構成を図7に示す。図7は本実施形態の角速度セ
ンサの斜視図である。なお、以下、主として上記第1及
び第2実施形態と異なる点について述べ、同一部分には
図中同符号を付して説明を省略する。
【0071】本実施形態の振動子1も上記第1実施形態
と同様の構成であり、略平行に配列された4本の四角柱
状の梁部2、3、4、5を有し、内側一対の梁部3、4
が駆動用梁部、外側一対の梁部2、5が検出用梁部とし
て構成されている。各梁部2〜5は、片端部を共通の連
結部6にて固定支持されており、振動子1は櫛形音叉形
状を成している。ここで、振動子1とxyz直交座標系
の各軸との関係は、上記第1実施形態と同様である。
【0072】図7に示す様に、本実施形態では2本のト
ーションビーム50、51がある。第1トーションビー
ム50は、連結部6の略中央部位(すなわち内側の1対
の梁部3、4の支持部位の間の略中央部位)から、z軸
方向において梁部2〜5とは反対側に延びるように位置
する。第2トーションビーム51は、連結部6の略中央
部位から、z軸方向において梁部2〜5と同一方向に延
びるように位置する。そして、両トーションビーム5
0、51は振動子1の中心線(すなわちz軸)上に位置
する。
【0073】また、両トーションビーム50、51のう
ち連結部6とは反対側の端部は、それぞれ、後述するフ
レーム52に接続される接続部50a、51aとして構
成される。両トーションビーム50、51のうち接続部
50a、51a以外の部分は、上記第1実施形態と同じ
く、y軸方向の幅が内側の1対の梁部3、4の配列間隔
よりも狭いものとしている。
【0074】本実施形態の振動子1も第1実施形態同
様、圧電体から構成されるが、振動子1及び両トーショ
ンビーム50、51を一体成形するため、例えばxカッ
トの水晶のような圧電体をダイシングすることにより一
体形成することが好ましい。なお、水晶の軸はxyz直
交座標系とは無関係であり、所望の方向とする。そし
て、振動子1及び両トーションビーム50、51は、ガ
ラス製のフレーム52に対して、化学的な結合により結
合されており振動子1は自由に振動出来るように浮遊し
た状態としている。
【0075】本実施形態においても、検出共振モードと
して上記第1及び第2の検出共振モードが使用可能であ
るが、上記第1及び第2実施形態と同様にして、用いる
検出共振モードに応じた振動子1及び両トーションビー
ム50、51の寸法を設定することができることは勿論
である。以下、第2の検出共振モードを用いるものとし
て説明する。
【0076】次に、振動子1上の電極構成について説明
する。振動子1におけるX1、X2、Y1、Y2面は上
記第1実施形態と同様であり、図8において(a)はX
1面、(b)はX2面、(c)はY1面、(d)はY2
面の電極構成を示す。以下、図8を参照して説明する。
60及び61は駆動電極(駆動手段)であり、X1面に
おいて、それぞれ、梁部3の外周側部位及び梁部4の外
周側部位に形成されている。62はモニタ電極(モニタ
手段)であり、X1面において梁部4の内周側部位に形
成されている。
【0077】63及び64は、角速度検出用の角速度検
出電極(角速度検出手段)である。角速度検出電極63
は、Y1面において梁部5の略全域に渡って形成されて
おり、角速度検出電極64は、Y2面において梁部2の
略全域に渡って形成されている。そして、X1面におい
て、両駆動電極60、61は、連結部6に形成された引
出し電極65と連結部6及びトーションビーム51に形
成された引出し電極66とによって、接続部51aに形
成されたパット電極67に電気的に接続されている。ま
た、X1面において、モニタ電極62は、連結部6から
トーションビーム51に渡って形成された引出し電極6
8によって、接続部51aに形成されたパット電極69
に電気的に接続されている。
【0078】そして、角速度検出電極63は、Y1面に
形成された引出し電極70及びX1面において連結部6
及びトーションビーム50に形成された引出し電極71
を介して、接続部50aに形成されたパット電極72と
電気的に接続されている。一方、角速度検出電極64
は、Y2面に形成された引出し電極73及びX1面にお
いて連結部6及びトーションビーム50に形成された引
出し電極74を介して、接続部50aに形成されたパッ
ト電極75と電気的に接続されている。
【0079】76、77及び78は、上記駆動、モニ
タ、及び角速度検出電極60〜64の基準電位となる共
通電極である。共通電極76はX1面において梁部2の
略全域から連結部6を通り梁部5の略全域に渡って連続
して形成されており、共通電極77はX2面において梁
部2〜5の略全域及び連結部6に渡って連続して形成さ
れている。また、共通電極78はX1面において梁部3
の内周側に形成され、梁部3において梁部4と対向する
面に形成された短絡用電極78a(図7参照)によって
共通電極77と導通している。
【0080】各共通電極76〜78は、Y1面に形成さ
れた引出し電極79を介して導通しており、共通電極7
6は、X1面において連結部6に形成された引出し電極
80を介して、接続部50aに形成されたパット電極8
1に電気的に接続されている。従って、パット電極67
は駆動電極60、61と、パット電極69はモニタ電極
62と、パット電極72は角速度検出電極63と、パッ
ト電極75は角速度検出電極64と、パット電極81は
共通電極76〜78と、それぞれ導通する形となる。こ
れらパット電極は、後述の制御回路(制御手段)B10
とワイヤボンディングによって結線される部分である。
なお、上記各電極60〜81は、Cr、Au等の蒸着等
によって形成している。
【0081】次に、本実施形態の角速度センサに備えら
れた上記制御回路B10について、図9に示すブロック
図を参照して述べる。制御回路B10は大きくは、駆動
用梁部3、4を自励発振(自励振動)によって駆動振動
させる駆動系B11と、検出用梁部2、5の検知振動を
検知して角速度検出を行う検出系B12とに分かれる。
振動子1はパット電極81よりワイヤボンディング等で
回路に接続され基準電位に設置されている。
【0082】駆動系B11は、上記駆動系A11と同様
の構成であり、チャージアンプ100とAGC回路10
1とから構成される。ここで、チャージアンプ100に
はモニタ電極62の出力がパット電極69から入力さ
れ、フィードバック信号によってAGC回路101から
はパット電極67を通して駆動電極60、61に一定電
圧が印加される。
【0083】検出系B12は、パット電極72、75を
介して角速度検出電極63、64からの出力(電流)を
電圧に変換する電流−電圧変換回路202a、202b
と、電流−電圧変換回路202a、202bからの出力
を減算処理する差動回路203と、差動回路203以降
に設けられた同期検波回路103と、LPF104と、
移相回路105とから構成されている。すなわち、上記
検出系A12に比べて、電流−電圧変換回路が2つある
こと、及び差動回路203を有することが異なる。
【0084】そして、電流−電圧変換回路202a、2
02bからの出力は差動回路203で減算処理され、そ
して、上記第1実施形態と同様に、同期検波回路103
にて上記移相回路105で移相されたフィードバック信
号に基づき同期検波された後、LPF104にて、平滑
化されて直流電圧に変換されて角速度信号として出力さ
れるようになっている。
【0085】次に、本実施形態の作動について説明す
る。まず、X1面、X2面に形成された駆動電極60、
61と共通電極77との間に交流電圧を印加することに
より、上記第1実施形態と同様に、駆動用梁部3、4
が、図5に示す様に、駆動共振モードにて共振する。こ
の駆動共振モードにおける振幅をモニタ電極62からの
出力を、上記第1実施形態と同様にモニタして、自励発
振を行い、駆動用梁部3、4を駆動振動させる。
【0086】本実施形態においても、駆動共振モード
(駆動振動)の共振周波数と、検出用梁部2、5がy軸
方向に屈曲振動するモードの共振周波数とを異ならせる
ように、駆動用梁部3、4の長さL1と検出用梁部2、
5の長さL2とを異ならせて設定している為、z軸回り
の角速度入力が0ならば、検出用梁部2、5は、ほとん
どy軸方向に振動せず、角速度検出電極63、64から
の出力即ちノイズNは極めて小さい。従って、駆動共振
モードにおいては、実質的には駆動用梁部3、4の駆動
振動だけが行われている状態となる。
【0087】そして、駆動振動中に、振動子1にz軸回
りの角速度が入力された場合、上記第1実施形態と同様
に、振動している駆動用梁部3、4に発生するコリオリ
力によって連結部6のx軸方向へのたわみが生じ、検出
用梁部2、5のx軸方向への逆相の振動(検知振動)が
連成され、図6(b)に示す第2の検出共振モードが発
生する。
【0088】この検知振動により、角速度検出電極6
3、64からはx軸方向への振幅、すなわち角速度に比
例した電流が発生する。その電流は、パット電極72、
75を介し、電流−電圧変換回路202a、202bに
て電圧に変換される。本実施形態の場合、角速度検出電
極63、64からの出力が逆相に発生するようになって
いるため、差動回路203にて減算処理を行い、移相回
路105からのフィードバック信号(モニタ信号)を基
準に同期検波回路103にて検波処理を行い、LPF1
04を通して平滑化された信号を最終出力とする。この
最終出力は角速度に比例したDC出力(角速度信号)を
発生する。
【0089】ところで、本実施形態では、第2の検出共
振モードを用いているため、駆動用梁部3、4の振幅X
Uと検出用梁部2、5の振幅XSとの振幅比XS/XU
を10以下とするように、上記梁部の間隔比WS/WU
等、振動子1及びトーションビーム50、51の寸法を
設定している。また、本実施形態においても、実質的に
振動子1の中心線上に位置するトーションビーム50、
51によって、角速度入力時の連結部6のたわみを阻害
することの無い振動子1の支持が実現でき、検出用梁部
2、5の検知振動の振幅を大きくすることができる。従
って、本実施形態でも、高S/Nを実現できる。
【0090】さらに、本実施形態は、振動子1を両持ち
のトーションビーム50、51により支持しているため
片持ち支持に比べて耐衝撃性に優れていること、2つの
トーションビーム50、51に駆動系B11と検出系B
12の配線を分離出来るため耐電気ノイズに優れている
こと、及び、圧電体にて一体形成しているため安価であ
ることという特長を有する。
【0091】また、本実施形態においても、駆動共振モ
ードと検出共振モードの連成を抑制するように、振動子
1及びトーションビーム50、51の寸法は設定されて
いる。なお、本実施形態において、第1の検出共振モー
ドを用いる場合は、上記第2実施形態とは逆に各梁部2
〜5の幅W1(図2参照)を大きくするとともに、上記
第1実施形態と同様に、比XU/XSが10以下となる
ように寸法設定すればよい。
【0092】(第4実施形態)本実施形態の構成を図1
0に示す。本実施形態では、連結部6からz軸方向にお
いて4本の梁部2〜5の同一方向に延びるように、振動
子1と一体形成された1本のトーションビーム90で、
振動子1を支持することが特徴である。このトーション
ビーム90も、その中心軸(長軸)はz軸とほぼ一致
し、実質的に振動子1の中心線上に位置する。トーショ
ンビーム90のうち連結部6とは反対側の端部は、上記
第1〜第3実施形態に記載のような基板もしくはフレー
ム等に接続される接続部90aとして構成されている。
そして、接続部90a以外の部分において、y軸方向の
幅は内側の1対の梁部3、4の配列間隔よりも狭いもの
としている。
【0093】振動子1は、上記と同じく圧電体から構成
され、梁部2〜5及び連結部6を備える櫛形音叉形状を
成す。また、トーションビーム90は、振動子1と同じ
圧電体(例えば水晶等)から一体成形されている。振動
子1上の電極構成は、基本的には、上記第3実施形態と
同様であるが、第3実施形態と比べて、梁部2〜5と反
対側のトーションビームが無いため、パット電極72、
75及び81は、連結部6に形成され、引出し電極7
1、74及び80は連結部6にのみ形成されている。
【0094】本実施形態においても、検出共振モードに
応じて上記各実施形態と同様に、S/N向上可能なよう
に寸法を設定し、又トーションビーム90の効果も実現
できる。更に、本実施形態では、トーションビーム90
を振動子1の重心位置で支持することができ、外部振動
に対し優れるという特長を有する。また、梁部2〜5と
反対側にトーションビームを有さず、スペース効率の高
い構成なため、トーションビームを長くとることが可能
であり、比XU/XSもしくはXS/XUを小さくする
ことが出来る、即ち感度Sを大きくすることが出来ると
いう特長を有する。
【0095】(他の実施形態)なお、上記各実施形態に
おいては内側一対の梁部3、4を駆動用梁部とし、外側
一対の梁部2、5を検出用梁部としたが、逆に、内側一
対の梁部3、4を検出用梁部とし、外側一対の梁部2、
5を駆動用梁部としても、同様の効果が得られる。
【0096】また、振動子1の形状は図11に示す様な
ものであってもよい。図11においては、内側一対の梁
部3、4の間において、連結部6から各梁部2〜5と同
方向に延び且つ振動しない部分である非振動部M1が形
成されたものである。この非振動部M1を形成すること
により、振動子1の成形が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る角速度センサの構
成を示す斜視図である。
【図2】図1の振動子及び支持部の各寸法を示す説明図
である。
【図3】図1の振動子上の電極構成を示す展開図であ
る。
【図4】上記第1実施形態における制御回路のブロック
図である。
【図5】本発明の駆動共振モードを示す説明図である。
【図6】本発明の検出共振モードを示す説明図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る角速度センサの構
成を示す斜視図である。
【図8】図7の振動子上の電極構成を示す展開図であ
る。
【図9】上記第3実施形態における制御回路のブロック
図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係る角速度センサの
構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1…振動子、2、5…駆動用梁部、3、4…検出用梁
部、6…連結部、8、90…トーションビーム、20、
60、61…駆動電極、21…モニタ電極、25、2
6、27、63、64…角速度検出電極、50…第1ト
ーションビーム、51…第2トーションビーム。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 xyz直交座標系において、z軸の両側
    に2本ずつy軸方向に平行に配列された少なくとも4本
    の梁部(2〜5)と、y軸方向に延びるとともに前記4
    本の梁部(2〜5)の片端部を連結支持する連結部
    (6)とを有する櫛形音叉状に形成された振動子(1)
    を備え、 前記4本の梁部において内側の1対(3、4)及び外側
    の1対(2、5)のうちどちらか一方の1対を駆動用梁
    部(3、4)、他方の1対を検出用梁部(2、5)と
    し、 前記駆動用梁部には、前記駆動用梁部をy軸方向へ互い
    に逆相に励振して駆動振動させるための駆動手段(2
    0、60、61)が設けられ、 前記検出用梁部には、z軸回りの角速度入力時に発生す
    る前記検出用梁部のx軸方向への互いに逆相な振動を検
    知振動として検知して前記角速度を検出するための角速
    度検出手段(25〜27、63、64)が設けられてい
    る角速度センサであって、 前記角速度入力時には、前記梁部(2〜5)のうち隣接
    する梁部同士がx軸方向において互いに逆方向へ振動
    し、且つこのx軸方向への振動において前記内側の一対
    の梁部の振幅XUと前記外側の一対の梁部の振幅XSと
    の比XU/XSが、10以下となるように前記振動子の
    寸法が設定されていることを特徴とする角速度センサ。
  2. 【請求項2】 xyz直交座標系において、z軸の両側
    に2本ずつy軸方向に平行に配列された少なくとも4本
    の梁部(2〜5)と、y軸方向に延びるとともに前記4
    本の梁部(2〜5)の片端部を連結支持する連結部
    (6)とを有する櫛形音叉状に形成された振動子(1)
    を備え、 前記4本の梁部において内側の1対(3、4)及び外側
    の1対(2、5)のうちどちらか一方の1対を駆動用梁
    部(3、4)、他方の1対を検出用梁部(2、5)と
    し、 前記駆動用梁部には、前記駆動用梁部をy軸方向へ互い
    に逆相に励振して駆動振動させるための駆動手段(2
    0、60、61)が設けられ、 前記検出用梁部には、z軸回りの角速度入力時に発生す
    る前記検出用梁部のx軸方向への互いに逆相な振動を検
    知振動として検知して前記角速度を検出するための角速
    度検出手段(25〜27、63、64)が設けられてい
    る角速度センサであって、 前記角速度入力時には、前記4本の梁部のうちz軸の片
    側の2本(2、3)と他側の2本(4、5)とがx軸方
    向において互いに逆方向へ振動し、 且つこのx軸方向への振動において前記内側の一対の梁
    部の振幅XUと前記外側の一対の梁部の振幅XSとの比
    XS/XUが、10以下となるように前記振動子の寸法
    が設定されていることを特徴とする角速度センサ。
  3. 【請求項3】 xyz直交座標系において、z軸の両側
    に2本ずつy軸方向に平行に配列された4本の梁部(2
    〜5)と、y軸方向に延びるとともに前記4本の梁部
    (2〜5)の片端部を連結支持する連結部(6)とを有
    する櫛形音叉状に形成された振動子(1)を備え、 前記4本の梁部において内側の1対(3、4)及び外側
    の1対(2、5)のうちどちらか一方の1対を駆動用梁
    部(3、4)、他方の1対を検出用梁部(2、5)と
    し、 前記駆動用梁部には、前記駆動用梁部をy軸方向へ互い
    に逆相に励振して駆動振動させるための駆動手段(2
    0、60、61)が設けられ、 前記検出用梁部には、z軸回りの角速度入力時に発生す
    る前記検出用梁部のx軸方向への互いに逆相な振動を検
    知振動として検知して前記角速度を検出するための角速
    度検出手段(25〜27、63、64)が設けられてい
    る角速度センサであって、 前記振動子(1)は、z軸上に位置してz軸方向に延び
    るように連結部(6)と接続されるとともにy軸方向の
    幅が前記内側の1対の梁部(3、4)の配列間隔よりも
    狭いトーションビーム(8、50、51、90)により
    支持されており、 前記角速度入力時には、前記梁部(2〜5)のうち隣接
    する梁部同士がx軸方向において互いに逆方向へ振動
    し、且つこのx軸方向への振動において前記内側の一対
    の梁部の振幅XUと前記外側の一対の梁部の振幅XSと
    の比XU/XSが、10以下となるように前記振動子及
    び前記トーションビームの寸法が設定されていることを
    特徴とする角速度センサ。
  4. 【請求項4】 xyz直交座標系において、z軸の両側
    に2本ずつy軸方向に平行に配列された4本の梁部(2
    〜5)と、y軸方向に延びるとともに前記4本の梁部
    (2〜5)の片端部を連結支持する連結部(6)とを有
    する櫛形音叉状に形成された振動子(1)を備え、 前記4本の梁部において内側の1対(3、4)及び外側
    の1対(2、5)のうちどちらか一方の1対を駆動用梁
    部(3、4)、他方の1対を検出用梁部(2、5)と
    し、 前記駆動用梁部には、前記駆動用梁部をy軸方向へ互い
    に逆相に励振して駆動振動させるための駆動手段(2
    0、60、61)が設けられ、 前記検出用梁部には、z軸回りの角速度入力時に発生す
    る前記検出用梁部のx軸方向への互いに逆相な振動を検
    知振動として検知して前記角速度を検出するための角速
    度検出手段(25〜27、63、64)が設けられてい
    る角速度センサであって、 前記振動子(1)は、z軸上に位置してz軸方向に延び
    るように連結部(6)と接続されるとともにy軸方向の
    幅が前記内側の1対の梁部(3、4)の配列間隔よりも
    狭いトーションビーム(8、50、51、90)により
    支持されており、 前記角速度入力時には、前記4本の梁部のうちz軸の片
    側の2本(2、3)と他側の2本(4、5)とがx軸方
    向において互いに逆方向へ振動し、 且つこのx軸方向への振動において前記内側の一対の梁
    部の振幅XUと前記外側の一対の梁部の振幅XSとの比
    XS/XUが、10以下となるように前記振動子の寸法
    が設定されていることを特徴とする角速度センサ。
  5. 【請求項5】 前記内側の一対の梁部(3、4)の間隔
    WUと前記外側の一対の梁部(2、5)の間隔WSとの
    比WS/WUが2.5以下であることを特徴とする請求
    項1ないし4のいずれか1つに記載の角速度センサ。
  6. 【請求項6】 前記内側の一対の梁部(3、4)の間隔
    WUと前記内側の一対の梁部(3、4)の幅HUとの比
    WU/HUが2.5以上100以下であることを特徴と
    する請求項1ないし5のいずれか1つに記載の角速度セ
    ンサ。
  7. 【請求項7】 前記トーションビーム(50、51、9
    0)と前記振動子(1)とは、圧電体により一体に形成
    されていることを特徴とする請求項3または4に記載の
    角速度センサ。
  8. 【請求項8】 前記トーションビーム(8)は、前記振
    動子(1)とは別体に形成され、前記振動子(1)と接
    合されたものであることを特徴とする請求項3または4
    に記載の角速度センサ。
  9. 【請求項9】 前記トーションビーム(8、50)は、
    前記連結部(6)からz軸方向において前記4本の梁部
    (2〜5)の反対方向に延びるように形成されているこ
    とを特徴とする請求項7または8に記載の角速度セン
    サ。
  10. 【請求項10】 前記トーションビーム(51、90)
    は、前記連結部(6)からz軸方向において前記4本の
    梁部(2〜5)の同一方向に延びるように形成されてい
    ることを特徴とする請求項7または8に記載の角速度セ
    ンサ。
  11. 【請求項11】 前記トーションビーム(50、51)
    は2個であり、一方の前記トーションビーム(51)
    は、前記連結部(6)からz軸方向において前記4本の
    梁部(2〜5)と同一方向に延び、他方の前記トーショ
    ンビーム(50)は、前記連結部(6)からz軸方向に
    おいて前記4本の梁部(2〜5)と反対方向に延びるよ
    うに形成されていることを特徴とする請求項7または8
    に記載の角速度センサ。
  12. 【請求項12】 y軸方向への振動モードの共振周波数
    が、前記内側の一対の梁部(3、4)と前記外側の一対
    の梁部(2、5)とで異なるようにしたことを特徴とす
    る請求項1ないし11のいずれか1つに記載の角速度セ
    ンサ。
  13. 【請求項13】 前記駆動用梁部(3、4)の駆動振動
    の共振周波数fdと前記検出用梁部(2、5)の検知振
    動の共振周波数fsの比fd/fsが、 0.8≦fd/fs≦0.99、又は、1.01≦fd
    /fs≦1.2、の関係にあることを特徴とする請求項
    1ないし11のいずれか1つに記載の角速度センサ。
  14. 【請求項14】 前記駆動用梁部(3、4)には、前記
    駆動振動をモニタするためのモニタ手段(21、62)
    が設けられ、 前記駆動振動において前記モニタ手段(21、62)か
    らのモニタ信号に基づいて前記駆動用梁部を自励振動さ
    せるようにしたことを特徴とする請求項1ないし13の
    いずれか1つに記載の角速度センサ。
JP10347287A 1998-01-21 1998-12-07 角速度センサ Pending JPH11271065A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10347287A JPH11271065A (ja) 1998-01-21 1998-12-07 角速度センサ
DE19902339A DE19902339A1 (de) 1998-01-21 1999-01-21 Verbesserter Aufbau eines Winkelgeschwindigkeitssensors zur Minimierung von Ausgangsrauschen
US09/234,506 US6151965A (en) 1998-01-21 1999-01-21 Structure of angular rate sensor for minimizing output noise

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-9775 1998-01-21
JP977598 1998-01-21
JP10347287A JPH11271065A (ja) 1998-01-21 1998-12-07 角速度センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11271065A true JPH11271065A (ja) 1999-10-05

Family

ID=26344570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10347287A Pending JPH11271065A (ja) 1998-01-21 1998-12-07 角速度センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11271065A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006250850A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Japan Aviation Electronics Industry Ltd 振動ジャイロ
JP2010060361A (ja) * 2008-09-02 2010-03-18 Murata Mfg Co Ltd 音叉型振動子、音叉型振動子の製造方法および角速度センサ
JP2015141182A (ja) * 2014-01-30 2015-08-03 京セラクリスタルデバイス株式会社 角速度センサ及びセンサ素子
JP2016090254A (ja) * 2014-10-30 2016-05-23 セイコーエプソン株式会社 振動素子、電子デバイス、電子機器、および移動体
CN107329500A (zh) * 2012-12-12 2017-11-07 塞阿姆斯特朗有限公司 经协调的无传感器控制***

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006250850A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Japan Aviation Electronics Industry Ltd 振動ジャイロ
JP2010060361A (ja) * 2008-09-02 2010-03-18 Murata Mfg Co Ltd 音叉型振動子、音叉型振動子の製造方法および角速度センサ
CN107329500A (zh) * 2012-12-12 2017-11-07 塞阿姆斯特朗有限公司 经协调的无传感器控制***
CN107329500B (zh) * 2012-12-12 2020-11-03 塞阿姆斯特朗有限公司 经协调的无传感器控制***
JP2015141182A (ja) * 2014-01-30 2015-08-03 京セラクリスタルデバイス株式会社 角速度センサ及びセンサ素子
JP2016090254A (ja) * 2014-10-30 2016-05-23 セイコーエプソン株式会社 振動素子、電子デバイス、電子機器、および移動体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6151965A (en) Structure of angular rate sensor for minimizing output noise
JP3882973B2 (ja) 角速度センサ
JP6078901B2 (ja) 検出素子及びこの検出素子を用いた角速度センサ
JP2000199714A (ja) 角速度センサ
JP6620243B2 (ja) 角速度センサ、センサ素子および多軸角速度センサ
JP4449128B2 (ja) 角速度センサ
JP2006201118A (ja) 圧電振動ジャイロ素子およびジャイロセンサ
JP4206975B2 (ja) 振動子、電子機器および振動子の周波数調整方法
JPH09126783A (ja) 圧電振動ジャイロ
EP0744593A2 (en) Vibrating gyroscope
JPH11271065A (ja) 角速度センサ
JPH11271066A (ja) 角速度センサ
JP3724403B2 (ja) 振動子およびそれを用いた振動ジャイロおよびそれを用いた電子装置
JP3674013B2 (ja) 角速度検出装置
JP5144004B2 (ja) 慣性センサ素子
JPH116738A (ja) 角速度センサ
JPH09273934A (ja) 振動ジャイロ
JP3861456B2 (ja) 角速度検出用振動子の製造方法
JPH10288525A (ja) 角速度センサ
JP2003214855A (ja) 角速度センサ
KR100310140B1 (ko) 진동자이로스코프
JP3356013B2 (ja) 振動ジャイロ
JPH1054724A (ja) 角速度検出装置
JPH09304081A (ja) 圧電振動角速度計用振動子
JP3640003B2 (ja) エネルギー閉じ込め振動モードを利用した圧電振動ジャイロ