JPH11270460A - 脈動抑制装置付きポンプ - Google Patents

脈動抑制装置付きポンプ

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JPH11270460A
JPH11270460A JP7232098A JP7232098A JPH11270460A JP H11270460 A JPH11270460 A JP H11270460A JP 7232098 A JP7232098 A JP 7232098A JP 7232098 A JP7232098 A JP 7232098A JP H11270460 A JPH11270460 A JP H11270460A
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JP
Japan
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pump
chamber
pulsation
air
liquid
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Application number
JP7232098A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Nishio
清志 西尾
Makoto Imanishi
良 今西
Yoji Minato
洋二 湊
Masayoshi Katsura
将義 桂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Pillar Packing Co Ltd
Original Assignee
Nippon Pillar Packing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出圧の変動時にも脈動を効率よく吸収して
脈動幅を小さく抑え液体を連続してスムースに吐出で
き、また、配管構成の簡略化と全体の小型化により設置
スペースを大幅に削減できるようにする。 【解決手段】 流入路2及び流出路3を備えた仕切壁1
の一側部側には、エアシリンダ部14により駆動伸縮変
形されるベローズ7と該ベローズ7内に形成されたポン
プ作用室9aに交互に開閉作動する逆止弁16a,16
bとを設けて往復動ポンプ部4を構成する一方、仕切壁
1の他側部側には、ポンプ部4から吐出される液体を貯
溜可能な液室20aと該液室20aに対し隔離された空
気室20bとを形成する伸縮変形可能なベローズ17を
有し、液室20aの容量変化でポンプ部4から吐出され
る液体の脈動を吸収させる脈動抑制部5を構成させ、こ
の脈動抑制部5には、ベローズ17の伸縮変形を一定範
囲内に制約するように空気室20bに対し給排気作用を
司る給排気用弁機構42,43を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体製造
装置におけるICや液晶の表面洗浄等の各種処理に用い
られる薬液の循環輸送などに好適に適用される脈動抑制
装置付きポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の液体輸送用ポンプとして、従来
では、例えば特開平3−179184号公報に開示され
ているような構成のベローズ式あるいはダイヤフラム式
往復動ポンプが一般に用いられていた。この従来の往復
動ポンプの構成を図4に基づいて簡単に説明する。図4
に示されているポンプは、空気駆動型のベローズ式ポン
プであって、液体の流入路50及び流出路51を備えた
ポンプヘッド構成壁52の両側に固定連設された筒状ケ
ーシング53A,53B内にそれぞれ、同一方向に伸縮
変形可能な一対のベローズ54A,54Bを対向状態に
配設し、これら一対のベローズ54A,54Bの開口周
縁部54a,54bを環状固定板56A,56Bを介し
て上記ポンプヘッド構成壁52に気密状に固定すること
によりポンプ室59内をポンプ作用室57a,57bと
ポンプ作動室58a,58bとに密封区画してなる一対
のポンプ部60A,60Bが構成されている。
【0003】上記一対のポンプ部60A,60Bにおけ
るベローズ54A,54Bは上記ポンプヘッド構成壁5
2を貫通して設けられた円周方向に複数本の連結ロッド
55を介して、一方のベローズ54Aまたは54Bが縮
小動作するとき他方のベローズ54Bまたは54Aが伸
長動作するように連動連結されている。また、上記一対
のポンプ部60A,60Bにおけるポンプ作用室57
a,57bにそれぞれ開口するように形成された吸入口
61a,61b及び吐出口62a,62bはそれぞれ上
記流入路50及び流出路51に連通されているととも
に、これら各吸入口61a,61b及び吐出口62a,
62bにはそれぞれ、吸入用逆止弁63a,63b及び
吐出用逆止弁64a,64bが設けられている。さら
に、上記筒状ケーシング53A,53Bの底板部53
a,53bには上記一対のポンプ部60A,60Bにお
けるポンプ作動室58a,58bに所定時間毎に加圧空
気を交互に供給する空気口65a,65bが形成されて
いる。
【0004】上記構成のベローズ式ポンプ往復動ポンプ
においては、コンプレッサーなどの加圧空気供給装置
(図示省略)から送給される加圧空気を所定時間毎に交
互に上記空気口65a,65bを通して一対のポンプ部
60A,60Bのポンプ作動室58a,58bに供給す
ることにより、上記ベローズ54A,54Bを連結ロッ
ド55を介して可逆的に伸縮変形駆動させて一対のポン
プ部60A,60Bの吸入工程と吐出工程とを交互に行
なわせ、これによって、上記流入路50からポンプ作用
室57a、57bに流入される液体を流出路51へほぼ
連続的に吐出させるといったポンプ作用が行なわれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な従来の往復動ポンプでは、一対のベローズあるいはダ
イヤフラムを交互に作動させるものであるから、作動切
替え時に液体の吐出が瞬間的に停止されて脈動が発生す
る。このような脈動が発生すると、流速の大幅な変化お
よび圧力の変化を伴うことになり、特に半導体製造装置
の処理液の循環輸送においてはその清浄度が損なわれて
所定の処理精度の面で大きな問題となっている。
【0006】従来、このような脈動による処理精度の低
下を解消する手段として、ポンプによる液体輸送配管の
下流側配管部に、例えばベローズを利用したアキュムレ
ータあるいはダンパー等の脈動抑制装置を配設する手段
を採用したものが提案されているが、この場合は、ポン
プとアキュムレータ等の脈動抑制装置との併設であるた
めに、大きな場所を要する上に、両者間に亘って複雑な
配管も必要となり、設備コストが増大する。特に、半導
体製造装置用の処理液の循環輸送にあたっては、両者間
の配管として耐食性、耐熱性などに優れたPTFEやP
FA等の弗素樹脂製チューブが使用されることが多い
が、この弗素樹脂製チューブに小さな脈動や大きな脈動
が繰り返し作用すると、該チューブが疲労し、短期間の
うちに破れて液漏れを生じるなどの危険性があり、安全
性の面で好ましくない。また、弗素樹脂製チューブ及び
該チューブとポンプや脈動抑制装置との接続ポイントで
圧力ロスが生じ、その圧力ロスを見込んだ大きな容量を
もつポンプを用いる必要があることから、両者を含めて
設備がより大型化し占有設置スペースが一層大きくなる
という問題があった。
【0007】本発明は上記のような実情に鑑みてなされ
たもので、脈動を吸収するだけでなく、吐出圧に変動が
発生したときも脈動を効率よく吸収して脈動幅を小さく
抑え液体を連続して一定量で吐出させるができ、しか
も、配管構成の簡略化と全体の小型化により設置スペー
スを大幅に削減することができる脈動抑制装置付きポン
プを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明に係る脈動抑制装置付きポン
プは、液体の流入路及び流出路とを備えた仕切壁と、こ
の仕切壁の一側部に固定連設されたケーシング内を軸線
方向に沿って伸縮変形可能な第1隔膜とこの第1隔膜を
駆動伸縮変形運動させるエアシリンダ部と上記第1隔膜
の伸縮変形運動に伴い交互に開閉作動して液体の吸入作
用および吐出作用を行なう逆止弁が設けられたポンプ作
用室とを備えてなるエア駆動型往復動ポンプ部と、上記
仕切壁の他側部に固定連設されたケーシング内に上記往
復動ポンプ部の第1隔膜に対向して配設され該第1隔膜
の伸縮変形方向に伸縮変形可能な第2隔膜とこの第2隔
膜の内側に形成されて上記往復動ポンプ部のポンプ作用
室から吐出用逆止弁を経て吐出される液体を一時的に貯
溜可能な液室と上記第2隔膜の外側に液室に対し隔離形
成されて脈動抑制用の気体が封入される気室とを備え、
上記第2隔膜の伸縮変形運動に伴う上記液室の容量変化
により上記往復動ポンプ部のポンプ作用室から吐出され
る液体の吐出圧による脈動を吸収させるように構成した
脈動抑制部と、上記脈動抑制部側に設けられて上記液室
の容量が所定範囲を越えて増大したとき、上記気室内へ
給気して該気室内の封入圧を上昇させる自動給気用弁機
構と、上記脈動抑制部側に設けられて上記液室の容量が
所定範囲を越えて減少したとき、上記気室から排気して
該気室内の封入圧を下降させる自動排気用弁機構とを具
備していることを特徴とするものである。
【0009】請求項1に記載の発明によれば、エアシリ
ンダ部を介して仕切壁一側部の往復動ポンプ部における
第1隔膜を駆動伸縮変形運動させると、ポンプ作用室内
の吸入用逆止弁と吐出用逆止弁とが交互に開閉作動して
液体の流入路からポンプ作用室への液体の吸入とポンプ
作用室内から流出路への液体の吐出とが反復され所定の
ポンプ作用が行なわれる。このとき、上記往復動ポンプ
部におけるポンプ作用室から上記吐出用逆止弁を経て吐
出される液体は仕切壁他側部の脈動抑制部における液室
を通って流出路へ流出され、この際、その吐出液体の吐
出圧の脈動の山部においては脈動抑制部における第2隔
膜が液室容量を増大する方向に運動して圧力を吸収し、
かつ、脈動の谷部においては上記第2隔膜が液室容量を
減少する方向に運動して吐出液体の圧力が上がって脈動
を吸収することになって、液体を脈動なく連続してスム
ースに流出させることが可能となる。
【0010】また、上記の動作において、上記往復動ポ
ンプ部による吐出圧が変動して脈動抑制部における液室
容量が所定範囲を越えて増大したときは、自動給気用弁
機構の働きによって気室内へ給気されて気室内の封入圧
が上昇され、それ以上の第2隔膜の伸長変形が制約さ
れ、また、液室容量が所定範囲を越えて減少したとき
は、自動排気用弁機構の働きによって気室内から排気さ
れて気室内の封入圧が下降され、それ以上の第2隔膜の
収縮変形が制約される。これによって、上記往復動ポン
プ部による吐出圧が変動しても、第2隔膜の伸縮変形量
が一定範囲内に制約されて脈動幅を小さく抑えることが
可能となる。
【0011】上述のように動作する脈動抑制装置付きポ
ンプにおいて、往復動ポンプ部と脈動抑制部とが一体化
されて、両者間を接続するための外部配管が不要である
ために、全体の低コスト化及び小型化が図れて設置スペ
ースの大幅な削減が可能であるばかりでなく、外部配管
の省略によって長期間に使用によっても配管が破れるな
どして液漏れを発生するなどの危険性がなくなり、ま
た、圧力ロスも非常に少ないので、ポンプ容量も小さく
てよく、より一層の小型化を図れ、ポンプの設置占有面
積の縮小を達成することが可能である。
【0012】上記構成の脈動抑制装置付きポンプにおい
て、上記往復動ポンプ部における第1隔膜及び脈動抑制
部における第2隔膜としては、脈動の発生を一層抑える
ことと、応答性のよいポンプ作用を行なわせることか
ら、請求項2に記載のように、ベローズもしくはダイヤ
フラムから構成することが望ましい。
【0013】また、上記請求項1または2に記載の脈動
抑制装置付きポンプにおいて、上記脈動抑制部側に設け
られている自動給気用弁機構および自動排気用弁機構と
しては、請求項3に記載のように、上記ケーシングの互
いに離れた箇所で上記気室に通じるように形成されてい
る給気通路および排気通路それぞれに独立して開閉可能
に設けられた第1および第2弁体と、これら第1および
第2弁体を上記第2隔膜の伸縮変形動作に連動して自動
開閉させる第1および第2の連動部材とから構成されて
いる給・排気弁機構が独立したもの、あるいは、請求項
4に記載のように、上記液室内に挿入されて第2隔膜の
伸縮変形運動に応動可能な一本の操作杆と、この操作杆
に操作されて上記気室に通じる一つの給排気通路を給気
口と排気口に選択的に連通させる単一弁体とを備えた1
つの給排気用切換弁機構により構成されているもののい
ずれであってもよく、請求項3の構成の場合は、自動給
気および自動排気のタイミング調整などがやりやすく、
また、請求項4の構成の場合は、構造の簡素化およびポ
ンプへの組付性が容易となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1は本発明に係る半導体製造
装置用の脈動抑制装置付きポンプの実施の形態として適
用した空気駆動型ベローズ式ポンプの全体縦断正面図で
あり、同図において、1は液体の流入路2及び流出路3
が形成された仕切壁で、この仕切壁1の両側に往復動ポ
ンプ部4と脈動抑制部5とを対向して一体に配設してな
る。
【0015】上記仕切壁1の一側部に固定連設された有
底筒状ケーシング6内にその筒軸線方向に沿って伸縮変
形可能な第1隔膜となる有底筒状のベローズ7が配設さ
れており、このベローズ7の開口周縁部7aを環状固定
板8により上記仕切壁1の一側面に気密状に押圧固定す
ることにより、ケーシング6の内部空間をベローズ7内
のポンプ作用室9aとベローズ7外のポンプ作動室9b
とに密閉区画されている。上記有底筒状ケーシング6の
底壁部6aの外側には連結部材10を介して上記ベロー
ズ7の閉鎖端部材7bに固定連結されたピストン体11
を摺動可能に内蔵するシリンダ体12が固定されてお
り、このシリンダ体12および上記ケーシング6の底壁
部6aに形成した空気孔13a,13bを通して、コン
プレッサーなどの加圧空気供給装置(図示省略)から送
給される加圧空気をシリンダ体11の内部または上記ポ
ンプ作動室9bに供給することによって、上記ベローズ
7を駆動伸縮変形運動させるエアシリンダ部14が構成
されている。
【0016】また、上記ポンプ作用室9aにそれぞれ開
口するように形成された吸入口15a及び吐出口15b
は上記流入路2及び流出路3に連通されているととも
に、これら吸入口15a及び吐出口15bにはそれぞ
れ、上記ベローズ7の駆動伸縮変形に伴って交互に開閉
作動される吸入用逆止弁16a及び吐出用逆止弁16b
が設けられており、以上の各構成要素により上記ポンプ
部4が構成されている。
【0017】一方、上記仕切壁1の他側部に上記有底筒
状ケーシング6と同軸状に固定連設された有底筒状ケー
シング17内にも上記ポンプ部4における有底筒状ベロ
ーズ7に対向させて、その筒軸線方向に沿って伸縮変形
可能な第2隔膜となる有底筒状のベローズ18が配設さ
れており、このベローズ18の開口周縁部18aを環状
固定板19により上記仕切壁1の他側面に気密状に押圧
固定することにより、ケーシング17の内部空間がベロ
ーズ18内で上記ポンプ部4における吐出用逆止弁16
b及び上記仕切壁1の肉厚内に貫設した連通路21を経
て吐出される液体を一時的に貯溜する液室20aとベロ
ーズ18外で脈動抑制用の空気が封入される空気室20
bとに隔離形成されている。
【0018】以上の各構成要素によって、ベローズ18
の伸縮変形に伴う液室20aの容量変化により上記ポン
プ部4のポンプ作用室9aから吐出される液体の吐出圧
による脈動を吸収させる上記脈動抑制部5が構成されて
いる。
【0019】そして、上記脈動抑制部5における有底筒
状ケーシング17の底壁部17aの互いに離れた箇所に
は上記空気室20bに通じる給気通路40及び排気通路
41が形成されており、給気通路40には、上記液室2
0aの容量が所定範囲を越えて増大したとき、上記空気
室20b内へ給気して該空気室20b内の封入圧を上昇
させる自動給気用弁機構42が設けられているととも
に、上記排気通路41には、液室20aの容量が所定範
囲を越えて減少したとき、上記空気室20b内から排気
して該空気室20b内の封入圧を下降させる上記及び自
動排気用弁機構43が独立して設けられている。
【0020】上記自動給気用弁機構42は、給気通路4
0に連通する弁室42a、ボール弁よりなる第1弁体4
2b、該第1弁体42bを閉成位置に付勢する弁ばね4
2c及び内端部が第1弁体42bの弁座をなすとともに
給気通路40の一部を形成する貫通孔42dを有し、上
記有底筒状ケーシング17の底壁部17aにねじ込み固
定されたガイド部材42eと、このガイド部材42eの
貫通孔42d内にスライド自在で、かつ、その外周部に
は空気の流通を許容する隙間を形成する状態に挿入保持
されている第1の連動部材となる弁押し棒42fとを有
してなり、この弁押し棒42fの下端部は貫通孔42d
より下方へ突出し、液室20a内の液圧が平均圧の状態
で基準位置Sにある第2隔膜となるベローズ18の閉鎖
端板18bとストロークAだけ離間されている。
【0021】上記自動排気用弁機構43は、下端部が上
記有底筒状ケーシング17の底壁部17aにねじ込み固
定されるとともに内側に弁室43aを形成した筒状ガイ
ド部材43b、該ガイド部材43bにスライド自在に嵌
合され、弁室43a内に設けた弁ばね43cにより上方
に押圧付勢されるとともに該付勢によって上端がベロー
ズ18の閉鎖端板18bの下面中央に常時接触する状態
に維持される第2の連動部材となるスライダー43d及
びこのスライダー43dの下端折曲部43eと係合可能
な拡大係合部43fを有するとともに該スライダー43
dの下端開口を通して相対移動可能とされた第2弁体と
なる棒状の弁体43gとを有してなり、上記ベローズ1
8が基準位置Sにある状態において、拡大係合部43f
はスライダー43dの下端折曲部43eに対してストロ
ークBだけ離間されている。なお、ガイド部材43bの
側部には空気室20bと弁室43aとを連通する貫通孔
43hが形成されている。
【0022】なお、以上のような構成の脈動抑制装置付
きポンプにおいて、上記ポンプ部4におけるベローズ
7、脈動抑制部5におけるベローズ18、仕切壁1、両
ケーシング6,17、吸入用逆止弁16a及び吐出用逆
止弁16bの可動弁体16a1,16b1は、耐蝕性及
び耐熱製に優れたPTFEやPFA等の弗素樹脂材料か
ら構成されており、両ケーシング6,17の外面にはア
ルミのテフロンコートが施されている。また、上記ポン
プ部4及び脈動抑制部5における環状固定板8,19は
ガラス繊維入り不飽和ポリエステル等のFRP製であ
る。さらに、図1中、35a,35bは上記ポンプ部4
におけるエアシリンダ部14に取り付けられた近接セン
サであって、コンプレッサーなどの加圧空気供給装置
(図示省略)から送給される加圧空気のシリンダ体11
内部への供給と上記ポンプ作動室9bへの供給とを自動
的に切り替えるものである。
【0023】次に、上記構成の脈動抑制装置付きポンプ
の動作について説明する。コンプレッサーなどの加圧空
気供給装置(図示省略)から送給される加圧空気を往復
動ポンプ部4におけるエアシリンダ部14のシリンダ体
11の内部に供給してベローズ7を図1のx方向に伸長
動作させると、流入路2内の移送液体が吸入用逆止弁1
6aを経てポンプ作用室9a内に吸入され、次いで、上
記加圧空気をエアシリンダ部14のポンプ作動室9b内
に供給してベローズ7を図1のy方向に収縮動作させる
と、ポンプ作用室9a内に吸入された移送液体が吐出用
逆止弁16bを経て吐出されるといったように、エアシ
リンダ部14を介して往復動ポンプ部4におけるベロー
ズ7を駆動伸縮変形運動させることにより、上記吸入用
逆止弁16aと吐出用逆止弁16bとが交互に開閉作動
して流入路2からポンプ作用室9aへの液体の吸入とポ
ンプ作用室9a内から流出路3への液体の吐出とが反復
され所定のポンプ作用が行なわれる。このような往復動
ポンプ部4の作動により移送液体が所定の部位に向けて
送給されると、ポンプ吐出圧は山部と谷部との繰り返し
による脈動を発生する。
【0024】ここで、上記往復動ポンプ部4におけるポ
ンプ作用室9a内から吐出用逆止弁16bを経て吐出さ
れる移送液体は連通路21を通って脈動抑制部5におけ
る液室20a内に送られて該液室3に一時的に貯溜され
たのち流出路3へと流出される。このとき、移送液体の
吐出圧が吐出圧曲線の山部にある場合、移送液体は液室
20aの容量を増大するようにベローズ18を伸張変形
させるので、その圧力が吸収される。この時、液室20
aから流出される移送液体の流量は往復動ポンプ部4か
ら送給されてくる流量よりも少なくなる。
【0025】また、上記移送液体の吐出圧が吐出圧曲線
の谷部にさしかかると、上記ベローズ18の伸張変形に
ともない圧縮された空気室20b内の封入圧よりも移送
液体の圧力が低くなるので、ベローズ18は収縮変形す
る。この時、往復動ポンプ部4から液室20a内に流入
する移送液体の流量よりも液室20aから流出する流量
が多くなる。この繰り返し動作、つまり液室20aの容
量変化によって上記脈動が吸収され抑制される。
【0026】ところで、上記のような動作中において、
往復動ポンプ部4からの吐出圧が上昇変動すると、移送
液体によって液室20aの容量が増大し、ベローズ18
が大きく伸張変形することになる。このベローズ18の
伸張変形量が所定範囲Aを越えると、ベローズ18の閉
鎖端板18bが弁押し棒42fに当接して該弁押し棒4
2fを押し下げる。これによって、自動給気用弁機構4
2における第1弁体42bが弁ばね42cに抗して開成
されて給気通路40を通じて空気室20b内へ給気さ
れ、該空気室20b内の封入圧が上昇する。したがっ
て、ベローズ18のストロークAを越えての伸長が阻止
されて、液室20aの容量が過度に増大することが抑え
られる。そして、空気室20b内の封入圧の上昇に伴い
ベローズ18が基準位置Sに向けて収縮するので、弁押
し棒42fがベローズ18の閉鎖端板18bから離れ、
第1弁体42bが再び閉成位置に戻って空気室20b内
の封入圧が調整状態に固定される。
【0027】また、往復動ポンプ部4からの吐出圧が下
降変動すると、移送液体によって液室20aの容量が減
少し、ベローズ18が大きく収縮変形することになる。
このベローズ18の収縮変形量が所定範囲Bを越える
と、ベローズ18の閉鎖端板18bの上昇とともにスラ
イダー43dが弁ばね43cの付勢によって上昇し、下
端折曲部43eが自動排気用弁機構43における第2弁
体である棒状の弁体43gの拡大係合部43fに係合す
る。これによって、自動給気用弁機構43における棒状
の弁体43gが押し上げられ排気通路41を開成するの
で、空気室20b内の空気が排気通路41を通じて外部
に排出され、該空気室20b内の封入圧が低下する。し
たがって、ベローズ18のストロークBを越えての収縮
が阻止されて、液室20aの容量が過度に減少すること
が抑えられる。そして、空気室20b内の封入圧の減少
に伴いベローズ18が基準位置Sに向けて伸長するの
で、スライダー43dも共に下降して下端折曲部43e
が棒状の弁体43gの拡大係合部43fより離れ、該弁
体43gが再び閉成位置に戻って空気室20b内の封入
圧が調整状態に固定される。その結果、上記往復ポンプ
部4のポンプ作用室9aからの吐出圧の変動にかかわら
ず、脈動を効率的に吸収して脈動幅が小さく抑えられる
ことになる。
【0028】図2は本発明の他の実施の形態を示す空気
駆動型ベローズ式ポンプの全体縦断正面図であり、この
他の実施の形態における空気駆動型ベローズ式ポンプ
も、仕切壁1の両側に往復動ポンプ部4と脈動抑制部5
とを対向して一体に配設してなるもので、それら往復動
ポンプ部4及び脈動抑制部5の構成は図1に示す上記実
施の形態で説明したものと同様であるため、同一または
相当部分に同一の符号を付して、それらの詳しい説明は
省略する。
【0029】この図2に示す空気駆動型ベローズ式ポン
プが図1に示すものと相違するところは、図1のものに
おいて、脈動抑制部5側に設けられている自動給気用弁
機構及び自動排気用弁機構を1つの給排気用切換弁機構
70により構成し、この1つの給排気用切換弁機構70
を上記脈動抑制部5における有底筒状ケーシング17の
底壁部17aの外面中央部に装備させているた点であ
り、この給排気用切換弁機構70は図3に示すように構
成されている。
【0030】すなわち、図3において、71は有底筒形
のケーシングで、このケーシング71内に収容されたシ
リンダ部72内にはその軸線方向に沿って摺動変位可能
にスライド弁体73が嵌合されている。74は上記有底
筒状ケーシング17の底壁部17aに形成した孔17b
を貫通して上記空気室20b内に挿入された一本の操作
杆であり、その一端部が上記スライド弁体73の一端に
同軸状に連結されており、かつ、この操作杆74の他端
側の連結つば部74aが上記ベローズ18の閉鎖端板1
8bの中央部にスプリング75の弾性力によって押し付
けられている筒形連結部材76内の基準位置に連結され
ている。
【0031】上記ケーシング71の周壁には、ケーシン
グ17の底壁部17a側寄り位置に給気口77が形成さ
れているとともに、他側寄り位置に排気口78が形成さ
れている。上記給気口77は、移送液体の最大圧力値以
上の圧力の空気を供給するようになされており、また、
排気口78は大気に開放されている。これら給気口77
および排気口78に対応して上記シリンダ部72の周壁
にポート79,80が形成されている。81は上記ケー
シング71の周壁に形成された給排気用通路で、上記空
気室20bとシリンダ部72内とを連通するものであ
る。82は上記給排気用通路81を介して空気室20b
とつば部74aとシリンダ部72とケーシング71で囲
まれた領域を連通させる通路である。この通路82によ
りスライド弁体73に作用する空気室20b内の空気圧
の影響を打ち消すことができ、移送液体の圧力を正確に
スライド弁体73に伝えることが可能となる。
【0032】上記スライド弁体73にはその軸線方向に
所定間隔を隔てて3つの摺動用つば部73a,73b,
73cが形成されており、中央つば部73bと一端側つ
ば部73cとの間が給気用空間S1に構成され、中央つ
ば部73bと他端側つば部73aとの間が排気用空間S
2に構成されている。このスライド弁体73はポンプ吐
出圧の変動により、液室20aの容量増大が所定範囲A
を越えると、変位して給排気用通路81を空間S1に連
通させ、かつ、液室20aの容量減少が所定範囲Bを越
えると、上記給排気用通路81を空間S2に連通させる
ように構成されている。83は上記ケーシング71内に
設置されてスライド弁体73に上方へのばね力を付勢し
て該スライド弁体73を基準位置に保持させるばね部材
である。
【0033】上記のような1つの自動給排気用切換弁機
構70を装備してなる図2に示す空気駆動型ベローズ式
ポンプにおいても、図1に示すものと同様に、脈動抑制
作用を発揮し、液体を連続してスムースに流出させるこ
とが可能であり、また、このようなポンプ動作中に往復
動ポンプ部4からの吐出圧が上昇変動または下降変動し
たときに脈動幅を小さく抑えることも可能であるが、そ
のときの空気室20bに対する給排気作用が上記図1の
ものとは相違するので、以下、この点についてのみ簡単
に説明する。
【0034】すなわち、往復動ポンプ部4からの吐出圧
の上昇変動に伴い液室20aの容量が増大し、ベローズ
18が所定範囲Aを越えて伸長変形した場合は、操作杆
74を介してスライド弁体73が外方に摺動変位して、
給排気通路81が空間S1を介して給気口77に連通さ
れる。このため、給気口77から高い空気圧が上記空間
S1および通路81を経て空気室20bに供給されて該
空気室20bの封入圧が高められることになり、これに
よって、ベローズ18の伸張変形量が制約されて液室2
0aの容量が過度に増大することが抑えられる。
【0035】一方、往復動ポンプ部4からの吐出圧の下
降変動に伴い液室20aの容量が減少し、ベローズ18
が所定範囲Bを越えて収縮変形した場合は、操作杆74
を介してスライド弁体73が内方に摺動変位して、給排
気通路81が空間S2を介して排気口78に連通され
る。このため、上記空気室20b内の封入空気が給排気
通路81および空間S2を経て排気口78から大気に排
出されて該空気室20bの封入圧が下げられることにな
り、これによって、ベローズ18の収縮変形量が制約さ
れて液室20aの容量が過度に減少することが抑えられ
る。その結果、上記往復動ポンプ部4のポンプ作用室9
aからの吐出圧の変動にかかわらず、脈動を効率的に吸
収して脈動幅を小さく抑えることになる。
【0036】なお、図2および図3に示す実施の形態で
説明したような1つの自動給排気用切換弁機構70を脈
動抑制部5の外側に設ける構成を採用する場合は、たと
え該給排気用切換弁機構70が故障等しても、ポンプ側
はなんら分解等することなく、この給排気用切換弁機構
70のみを対象とした補修や部品交換などのメンテナン
スを容易に行なうことが可能で、特に強酸性や強アルカ
リ性の薬液を取り扱う半導体製造装置用のポンプとして
有用である。さらに、給排気用切換弁機構70として、
図2に示す実施の形態のように、スライド弁体73を使
用した筒形の弁機構を用いる場合は、コンパクト化が図
れるとともに、空気室20bとの連通構造も簡単になる
という利点がある。
【0037】また、上記の各実施の形態では、往復動ポ
ンプ部4における第1隔膜及び脈動抑制部5における第
2隔膜として共にベローズ7,18を使用したものにつ
いて説明したが、これらはダイヤフラムであってもよ
い。
【0038】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜4に記載の発
明によれば、往復動ポンプ部と脈動抑制部とを一体化し
て両者間を接続するための外部配管を不要としているた
めに、全体の低コスト化及び小型化が図れて設置スペー
スの大幅な削減を達成できるばかりでなく、外部配管の
省略に伴い長期間の使用によっても配管が破れるなどし
て液漏れを発生するなどの危険性がなく、また、圧力ロ
スも非常に少ないので、ポンプ容量も小さくてよく、ポ
ンプ全体の小型化を図れ、ポンプの設置占有面積の縮小
を達成することができる。しかも、脈動を吸収するだけ
でなく、吐出圧に変動が発生したときの液室容量の増減
を液体圧と気体圧の圧力バランスにより所定範囲内に保
持させても脈動を効率よく吸収し脈動幅を小さく抑える
ことができ、液体を連続してスムースに、かつ、一定量
に吐出させるができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポンプの脈動抑制装置付きポンプ
の実施の形態として適用した空気駆動型ベローズ式ポン
プの全体縦断正面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す空気駆動型ベロ
ーズ式ポンプの全体縦断正面図である。
【図3】図2に示す実施の形態における要部の拡大縦断
正面図である。
【図4】従来の脈動抑制装置付きポンプの全体縦断正面
図である。
【符号の説明】
1 仕切壁 2 流入路 3 流出路 4 往復動ポンプ部 5 脈動抑制部 6,17 ケーシング 7 ベローズ(第1隔膜) 9a ポンプ作用室 14 エアシリンダ部 16a,16b 逆止弁 18 ベローズ(第2隔膜) 20a 液室 20b 空気室 40 給気通路 41 排気通路 42 自動給気用弁機構 42b 第1弁体 42f 弁押し棒(第1の連動部材) 43 自動排気用弁機構 43g 棒状弁体(第2弁体) 43d スライダー(第2の連動部材) 70 給排気用切換弁機構 73 スライド弁体 74 操作杆 77 給気口 78 排気口 81 給排気通路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 脈動抑制装置付きポンプ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体製造
装置におけるICや液晶の表面洗浄等の各種処理に用い
られる薬液の循環輸送などに好適に適用される脈動抑制
装置付きポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の液体輸送用ポンプとして、従来
では、例えば特開平3−179184号公報に開示され
ているような構成のベローズ式あるいはダイヤフラム式
往復動ポンプが一般に用いられていた。この従来の往復
動ポンプの構成を図4に基づいて簡単に説明する。図4
に示されているポンプは、空気駆動型のベローズ式ポン
プであって、液体の流入路50及び流出路51を備えた
ポンプヘッド構成壁52の両側に固定連設された筒状ケ
ーシング53A,53B内にそれぞれ、同一方向に伸縮
変形可能な一対のベローズ54A,54Bを対向状態に
配設し、これら一対のベローズ54A,54Bの開口周
縁部54a,54bを環状固定板56A,56Bを介し
て上記ポンプヘッド構成壁52に気密状に固定すること
によりポンプ室59内をポンプ作用室57a,57bと
ポンプ作動室58a,58bとに密封区画してなる一対
のポンプ部60A,60Bが構成されている。
【0003】上記一対のポンプ部60A,60Bにおけ
るベローズ54A,54Bは上記ポンプヘッド構成壁5
2を貫通して設けられた円周方向に複数本の連結ロッド
55を介して、一方のベローズ54Aまたは54Bが縮
小動作するとき他方のベローズ54Bまたは54Aが伸
長動作するように連動連結されている。また、上記一対
のポンプ部60A,60Bにおけるポンプ作用室57
a,57bにそれぞれ開口するように形成された吸入口
61a,61b及び吐出口62a,62bはそれぞれ上
記流入路50及び流出路51に連通されているととも
に、これら各吸入口61a,61b及び吐出口62a,
62bにはそれぞれ、吸入用逆止弁63a,63b及び
吐出用逆止弁64a,64bが設けられている。さら
に、上記筒状ケーシング53A,53Bの底板部53
a,53bには上記一対のポンプ部60A,60Bにお
けるポンプ作動室58a,58bに所定時間毎に加圧空
気を交互に供給する空気口65a,65bが形成されて
いる。
【0004】上記構成のベローズ式往復動ポンプにおい
ては、コンプレッサーなどの加圧空気供給装置(図示省
略)から送給される加圧空気を所定時間毎に交互に上記
空気口65a,65bを通して一対のポンプ部60A,
60Bのポンプ作動室58a,58bに供給することに
より、上記ベローズ54A,54Bを連結ロッド55を
介して可逆的に伸縮変形駆動させて一対のポンプ部60
A,60Bの吸入工程と吐出工程とを交互に行なわせ、
これによって、上記流入路50からポンプ作用室57
a、57bに流入される液体を流出路51へほぼ連続的
に吐出させるといったポンプ作用が行なわれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な従来の往復動ポンプでは、一対のベローズあるいはダ
イヤフラムを交互に作動させるものであるから、作動切
替え時に液体の吐出が瞬間的に停止されて脈動が発生す
る。このような脈動が発生すると、流速の大幅な変化お
よび圧力の変化を伴うことになり、特に半導体製造装置
の処理液の循環輸送においてはその清浄度が損なわれて
所定の処理精度の面で大きな問題となっている。
【0006】従来、このような脈動による処理精度の低
下を解消する手段として、ポンプによる液体輸送配管の
下流側配管部に、例えばベローズを利用したアキュムレ
ータあるいはダンパー等の脈動抑制装置を配設する手段
を採用したものが提案されているが、この場合は、ポン
プとアキュムレータ等の脈動抑制装置との併設であるた
めに、大きな場所を要する上に、両者間に亘って複雑な
配管も必要となり、設備コストが増大する。特に、半導
体製造装置用の処理液の循環輸送にあたっては、両者間
の配管として耐食性、耐熱性などに優れたPTFEやP
FA等の弗素樹脂製チューブが使用されることが多い
が、この弗素樹脂製チューブに小さな脈動や大きな脈動
が繰り返し作用すると、該チューブが疲労し、短期間の
うちに破れて液漏れを生じるなどの危険性があり、安全
性の面で好ましくない。また、弗素樹脂製チューブ及び
該チューブとポンプや脈動抑制装置との接続ポイントで
圧力ロスが生じ、その圧力ロスを見込んだ大きな容量を
もつポンプを用いる必要があることから、両者を含めて
設備がより大型化し占有設置スペースが一層大きくなる
という問題があった。
【0007】本発明は上記のような実情に鑑みてなされ
たもので、脈動を吸収するだけでなく、吐出圧に変動が
発生したときも脈動を効率よく吸収して脈動幅を小さく
抑え液体を連続して一定量で吐出させることができ、し
かも、配管構成の簡略化と全体の小型化により設置スペ
ースを大幅に削減することができる脈動抑制装置付きポ
ンプを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明に係る脈動抑制装置付きポン
プは、液体の流入路及び流出路とを備えた仕切壁と、こ
の仕切壁の一側部に固定連設されたケーシング内を軸線
方向に沿って伸縮変形可能な第1隔膜とこの第1隔膜を
駆動伸縮変形運動させるエアシリンダ部と上記第1隔膜
の伸縮変形運動に伴い交互に開閉作動して液体の吸入作
用および吐出作用を行なうスプリング式逆止弁が設けら
れたポンプ作用室とを備えてなるエア駆動型往復動ポン
プ部と、上記仕切壁の他側部に固定連設されたケーシン
グ内に上記往復動ポンプ部の第1隔膜に対向して配設さ
れ該第1隔膜の伸縮変形方向に伸縮変形可能な第2隔膜
とこの第2隔膜の内側に形成されて上記往復動ポンプ部
のポンプ作用室から吐出用スプリング式逆止弁を経て吐
出される液体を一時的に貯溜可能な液室と上記第2隔膜
の外側に液室に対し隔離形成されて脈動抑制用の気体が
封入される気室とを備え、上記第2隔膜の伸縮変形運動
に伴う上記液室の容量変化により上記往復動ポンプ部の
ポンプ作用室から吐出される液体の吐出圧による脈動を
吸収させるように構成した脈動抑制部と、上記脈動抑制
部側に設けられて上記液室の容量が所定範囲を越えて増
大したとき、上記気室内へ給気して該気室内の封入圧を
上昇させる自動給気用弁機構と、上記脈動抑制部側に設
けられて上記液室の容量が所定範囲を越えて減少したと
き、上記気室から排気して該気室内の封入圧を下降させ
る自動排気用弁機構とを具備していることを特徴とする
ものである。
【0009】請求項1に記載の発明によれば、エアシリ
ンダ部を介して仕切壁一側部の往復動ポンプ部における
第1隔膜を駆動伸縮変形運動させると、ポンプ作用室内
スプリング式吸入用逆止弁とスプリング式吐出用逆止
弁とが交互に開閉作動して液体の流入路からポンプ作用
室への液体の吸入とポンプ作用室内から流出路への液体
の吐出とが反復され所定のポンプ作用が行なわれる。こ
のとき、上記往復動ポンプ部におけるポンプ作用室から
上記吐出用スプリング式逆止弁を経て吐出される液体は
仕切壁他側部の脈動抑制部における液室を通って流出路
へ流出され、この際、その吐出液体の吐出圧の脈動の山
部においては脈動抑制部における第2隔膜が液室容量を
増大する方向に運動して圧力を吸収し、かつ、脈動の谷
部においては上記第2隔膜が液室容量を減少する方向に
運動して吐出液体の圧力が上がって脈動を吸収すること
になって、液体を脈動なく連続してスムースに流出させ
ることが可能となる。
【0010】また、上記の動作において、上記往復動ポ
ンプ部による吐出圧が変動して脈動抑制部における液室
容量が所定範囲を越えて増大したときは、自動給気用弁
機構の働きによって気室内へ給気されて気室内の封入圧
が上昇され、それ以上の第2隔膜の伸長変形が制約さ
れ、また、液室容量が所定範囲を越えて減少したとき
は、自動排気用弁機構の働きによって気室内から排気さ
れて気室内の封入圧が下降され、それ以上の第2隔膜の
収縮変形が制約される。これによって、上記往復動ポン
プ部による吐出圧が変動しても、第2隔膜の伸縮変形量
が一定範囲内に制約されて脈動幅を小さく抑えることが
可能となる。
【0011】上述のように動作する脈動抑制装置付きポ
ンプにおいて、往復動ポンプ部と脈動抑制部とが一体化
されて、両者間を接続するための外部配管が不要である
ために、全体の低コスト化及び小型化が図れて設置スペ
ースの大幅な削減が可能であるばかりでなく、外部配管
の省略によって長期間に使用によっても配管が破れるな
どして液漏れを発生するなどの危険性がなくなり、ま
た、圧力ロスも非常に少ないので、ポンプ容量も小さく
てよく、より一層の小型化を図れ、ポンプの設置占有面
積の縮小を達成することが可能である。
【0012】上記構成の脈動抑制装置付きポンプにおい
て、上記往復動ポンプ部における第1隔膜及び脈動抑制
部における第2隔膜としては、脈動の発生を一層抑える
ことと、応答性のよいポンプ作用を行なわせることか
ら、請求項2に記載のように、ベローズもしくはダイヤ
フラムから構成することが望ましい。
【0013】また、上記請求項1または2に記載の脈動
抑制装置付きポンプにおいて、上記脈動抑制部側に設け
られている自動給気用弁機構および自動排気用弁機構と
しては、請求項3に記載のように、上記ケーシングの互
いに離れた箇所で上記気室に通じるように形成されてい
る給気通路および排気通路それぞれに独立して開閉可能
に設けられた第1および第2弁体と、これら第1および
第2弁体を上記第2隔膜の伸縮変形動作に連動して自動
開閉させる第1および第2の連動部材とから構成されて
いる給・排気弁機構が独立したもの、あるいは、請求項
4に記載のように、上記液室内に挿入されて第2隔膜の
伸縮変形運動に応動可能な一本の操作杆と、この操作杆
に操作されて上記気室に通じる一つの給排気通路を給気
口と排気口に選択的に連通させる単一弁体とを備えた1
つの給排気用切換弁機構により構成されているもののい
ずれであってもよく、請求項3の構成の場合は、自動給
気および自動排気のタイミング調整などがやりやすく、
また、請求項4の構成の場合は、構造の簡素化およびポ
ンプへの組付性が容易となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1は本発明に係る半導体製造
装置用の脈動抑制装置付きポンプの実施の形態として適
用した空気駆動型ベローズ式ポンプの全体縦断正面図で
あり、同図において、1は液体の流入路2及び流出路3
が形成された仕切壁で、この仕切壁1の両側に往復動ポ
ンプ部4と脈動抑制部5とを対向して一体に配設してな
る。
【0015】上記仕切壁1の一側部に固定連設された有
底筒状ケーシング6内にその筒軸線方向に沿って伸縮変
形可能な第1隔膜となる有底筒状のベローズ7が配設さ
れており、このベローズ7の開口周縁部7aを環状固定
板8により上記仕切壁1の一側面に気密状に押圧固定す
ることにより、ケーシング6の内部空間をベローズ7内
のポンプ作用室9aとベローズ7外のポンプ作動室9b
とに密閉区画されている。上記有底筒状ケーシング6の
底壁部6aの外側には連結部材10を介して上記ベロー
ズ7の閉鎖端部材7bに固定連結されたピストン体11
を摺動可能に内蔵するシリンダ体12が固定されてお
り、このシリンダ体12および上記ケーシング6の底壁
部6aに形成した空気孔13a,13bを通して、コン
プレッサーなどの加圧空気供給装置(図示省略)から送
給される加圧空気をシリンダ体11の内部または上記ポ
ンプ作動室9bに供給することによって、上記ベローズ
7を駆動伸縮変形運動させるエアシリンダ部14が構成
されている。
【0016】また、上記ポンプ作用室9aにそれぞれ開
口するように形成された吸入口15a及び吐出口15b
は上記流入路2及び流出路3に連通されているととも
に、これら吸入口15a及び吐出口15bにはそれぞ
れ、上記ベローズ7の駆動伸縮変形に伴って交互に開閉
作動される吸入用スプリング式逆止弁16a及び吐出用
スプリング式逆止弁16bが設けられており、以上の各
構成要素により上記ポンプ部4が構成されている。
【0017】一方、上記仕切壁1の他側部に上記有底筒
状ケーシング6と同軸状に固定連設された有底筒状ケー
シング17内にも上記ポンプ部4における有底筒状ベロ
ーズ7に対向させて、その筒軸線方向に沿って伸縮変形
可能な第2隔膜となる有底筒状のベローズ18が配設さ
れており、このベローズ18の開口周縁部18aを環状
固定板19により上記仕切壁1の他側面に気密状に押圧
固定することにより、ケーシング17の内部空間がベロ
ーズ18内で上記ポンプ部4における吐出用スプリング
逆止弁16b及び上記仕切壁1の肉厚内に貫設した連
通路21を経て吐出される液体を一時的に貯溜する液室
20aとベローズ18外で脈動抑制用の空気が封入され
る空気室20bとに隔離形成されている。
【0018】以上の各構成要素によって、ベローズ18
の伸縮変形に伴う液室20aの容量変化により上記ポン
プ部4のポンプ作用室9aから吐出される液体の吐出圧
による脈動を吸収させる上記脈動抑制部5が構成されて
いる。
【0019】そして、上記脈動抑制部5における有底筒
状ケーシング17の底壁部17aの互いに離れた箇所に
は上記空気室20bに通じる給気通路40及び排気通路
41が形成されており、給気通路40には、上記液室2
0aの容量が所定範囲を越えて増大したとき、上記空気
室20b内へ給気して該空気室20b内の封入圧を上昇
させる自動給気用弁機構42が設けられているととも
に、上記排気通路41には、液室20aの容量が所定範
囲を越えて減少したとき、上記空気室20b内から排気
して該空気室20b内の封入圧を下降させる自動排気用
弁機構43が独立して設けられている。
【0020】上記自動給気用弁機構42は、給気通路4
0に連通する弁室42a、ボール弁よりなる第1弁体4
2b、該第1弁体42bを閉成位置に付勢する弁ばね4
2c及び内端部が第1弁体42bの弁座をなすとともに
給気通路40の一部を形成する貫通孔42dを有し、上
記有底筒状ケーシング17の底壁部17aにねじ込み固
定されたガイド部材42eと、このガイド部材42eの
貫通孔42d内にスライド自在で、かつ、その外周部に
は空気の流通を許容する隙間を形成する状態に挿入保持
されている第1の連動部材となる弁押し棒42fとを有
してなり、この弁押し棒42fの下端部は貫通孔42d
より方へ突出し、液室20a内の液圧が平均圧の状態
で基準位置Sにある第2隔膜となるベローズ18の閉鎖
端板18bとストロークAだけ離間されている。
【0021】上記自動排気用弁機構43は、下端部が上
記有底筒状ケーシング17の底壁部17aにねじ込み固
定されるとともに内側に弁室43aを形成した筒状ガイ
ド部材43b、該ガイド部材43bにスライド自在に嵌
合され、弁室43a内に設けた弁ばね43cにより上方
に押圧付勢されるとともに該付勢によって上端がベロー
ズ18の閉鎖端板18bの下面中央に常時接触する状態
に維持される第2の連動部材となるスライダー43d及
びこのスライダー43dの下端折曲部43eと係合可能
な拡大係合部43fを有するとともに該スライダー43
dの下端開口を通して相対移動可能とされた第2弁体と
なる棒状の弁体43gとを有してなり、上記ベローズ1
8が基準位置Sにある状態において、拡大係合部43f
はスライダー43dの下端折曲部43eに対してストロ
ークBだけ離間されている。なお、ガイド部材43bの
側部には空気室20bと弁室43aとを連通する貫通孔
43hが形成されている。
【0022】なお、以上のような構成の脈動抑制装置付
きポンプにおいて、上記ポンプ部4におけるベローズ
7、脈動抑制部5におけるベローズ18、仕切壁1、両
ケーシング6,17、吸入用スプリング式逆止弁16a
及び吐出用スプリング式逆止弁16bの可動弁体16a
1,16b1は、耐蝕性及び耐熱製に優れたPTFEや
PFA等の弗素樹脂材料から構成されており、両ケーシ
ング6,17の外面にはアルミのテフロンコートが施さ
れている。また、上記ポンプ部4及び脈動抑制部5にお
ける環状固定板8,19はガラス繊維入り不飽和ポリエ
ステル等のFRP製である。さらに、図1中、35は上
記ポンプ部4におけるエアシリンダ部14に取り付けら
れた近接センサであって、コンプレッサーなどの加圧空
気供給装置(図示省略)から送給される加圧空気のシリ
ンダ体11内部への供給と上記ポンプ作動室9bへの供
給とを自動的に切り替えるものである。
【0023】次に、上記構成の脈動抑制装置付きポンプ
の動作について説明する。コンプレッサーなどの加圧空
気供給装置(図示省略)から送給される加圧空気を往復
動ポンプ部4におけるエアシリンダ部14のシリンダ体
11の内部に供給してベローズ7を図1のx方向に伸長
動作させると、流入路2内の移送液体が吸入用スプリン
グ式逆止弁16aを経てポンプ作用室9a内に吸入さ
れ、次いで、上記加圧空気をエアシリンダ部14のポン
プ作動室9b内に供給してベローズ7を図1のy方向に
収縮動作させると、ポンプ作用室9a内に吸入された移
送液体が吐出用スプリング式逆止弁16bを経て吐出さ
れるといったように、エアシリンダ部14を介して往復
動ポンプ部4におけるベローズ7を駆動伸縮変形運動さ
せることにより、上記吸入用スプリング式逆止弁16a
と吐出用スプリング式逆止弁16bとが交互に開閉作動
して流入路2からポンプ作用室9aへの液体の吸入とポ
ンプ作用室9a内から流出路3への液体の吐出とが反復
され所定のポンプ作用が行なわれる。このような往復動
ポンプ部4の作動により移送液体が所定の部位に向けて
送給されると、ポンプ吐出圧は山部と谷部との繰り返し
による脈動を発生する。
【0024】ここで、上記往復動ポンプ部4におけるポ
ンプ作用室9a内から吐出用スプリング式逆止弁16b
を経て吐出される移送液体は連通路21を通って脈動抑
制部5における液室20a内に送られて該液室3に一時
的に貯溜されたのち流出路3へと流出される。このと
き、移送液体の吐出圧が吐出圧曲線の山部にある場合、
移送液体は液室20aの容量を増大するようにベローズ
18を伸張変形させるので、その圧力が吸収される。こ
の時、液室20aから流出される移送液体の流量は往復
動ポンプ部4から送給されてくる流量よりも少なくな
る。
【0025】また、上記移送液体の吐出圧が吐出圧曲線
の谷部にさしかかると、上記ベローズ18の伸張変形に
ともない圧縮された空気室20b内の封入圧よりも移送
液体の圧力が低くなるので、ベローズ18は収縮変形す
る。この時、往復動ポンプ部4から液室20a内に流入
する移送液体の流量よりも液室20aから流出する流量
が多くなる。この繰り返し動作、つまり液室20aの容
量変化によって上記脈動が吸収され抑制される。
【0026】ところで、上記のような動作中において、
往復動ポンプ部4からの吐出圧が上昇変動すると、移送
液体によって液室20aの容量が増大し、ベローズ18
が大きく伸張変形することになる。このベローズ18の
伸張変形量が所定範囲Aを越えると、ベローズ18の閉
鎖端板18bが弁押し棒42fに当接して該弁押し棒4
2fを押し下げる。これによって、自動給気用弁機構4
2における第1弁体42bが弁ばね42cに抗して開成
されて給気通路40を通じて空気室20b内へ給気さ
れ、該空気室20b内の封入圧が上昇する。したがっ
て、ベローズ18のストロークAを越えての伸長が阻止
されて、液室20aの容量が過度に増大することが抑え
られる。そして、空気室20b内の封入圧の上昇に伴い
ベローズ18が基準位置Sに向けて収縮するので、弁押
し棒42fがベローズ18の閉鎖端板18bから離れ、
第1弁体42bが再び閉成位置に戻って空気室20b内
の封入圧が調整状態に固定される。
【0027】また、往復動ポンプ部4からの吐出圧が下
降変動すると、移送液体によって液室20aの容量が減
少し、ベローズ18が大きく収縮変形することになる。
このベローズ18の収縮変形量が所定範囲Bを越える
と、ベローズ18の閉鎖端板18bの上昇とともにスラ
イダー43dが弁ばね43cの付勢によって上昇し、下
端折曲部43eが自動排気用弁機構43における第2弁
体である棒状の弁体43gの拡大係合部43fに係合す
る。これによって、自動給気用弁機構43における棒状
の弁体43gが押し上げられ排気通路41を開成するの
で、空気室20b内の空気が排気通路41を通じて外部
に排出され、該空気室20b内の封入圧が低下する。し
たがって、ベローズ18のストロークBを越えての収縮
が阻止されて、液室20aの容量が過度に減少すること
が抑えられる。そして、空気室20b内の封入圧の減少
に伴いベローズ18が基準位置Sに向けて伸長するの
で、スライダー43dも共に下降して下端折曲部43e
が棒状の弁体43gの拡大係合部43fより離れ、該弁
体43gが再び閉成位置に戻って空気室20b内の封入
圧が調整状態に固定される。その結果、上記往復ポンプ
部4のポンプ作用室9aからの吐出圧の変動にかかわら
ず、脈動を効率的に吸収して脈動幅が小さく抑えられる
ことになる。
【0028】図2は本発明の他の実施の形態を示す空気
駆動型ベローズ式ポンプの全体縦断正面図であり、この
他の実施の形態における空気駆動型ベローズ式ポンプ
も、仕切壁1の両側に往復動ポンプ部4と脈動抑制部5
とを対向して一体に配設してなるもので、それら往復動
ポンプ部4及び脈動抑制部5の構成は図1に示す上記実
施の形態で説明したものと同様であるため、同一または
相当部分に同一の符号を付して、それらの詳しい説明は
省略する。
【0029】この図2に示す空気駆動型ベローズ式ポン
プが図1に示すものと相違するところは、図1のものに
おいて、脈動抑制部5側に設けられている自動給気用弁
機構及び自動排気用弁機構を1つの給排気用切換弁機構
70により構成し、この1つの給排気用切換弁機構70
を上記脈動抑制部5における有底筒状ケーシング17の
底壁部17aの外面中央部に装備させているた点であ
り、この給排気用切換弁機構70は図3に示すように構
成されている。
【0030】すなわち、図3において、71は有底筒形
のケーシングで、このケーシング71内に収容されたシ
リンダ部72内にはその軸線方向に沿って摺動変位可能
にスライド弁体73が嵌合されている。74は上記有底
筒状ケーシング17の底壁部17aに形成した孔17b
を貫通して上記空気室20b内に挿入された一本の操作
杆であり、その一端部が上記スライド弁体73の一端に
同軸状に連結されており、かつ、この操作杆74の他端
側の連結つば部74aが上記ベローズ18の閉鎖端板1
8bの中央部にスプリング75の弾性力によって押し付
けられている筒形連結部材76内の基準位置に連結され
ている。
【0031】上記ケーシング71の周壁には、ケーシン
グ17の底壁部17a側寄り位置に給気口77が形成さ
れているとともに、他側寄り位置に排気口78が形成さ
れている。上記給気口77は、移送液体の最大圧力値以
上の圧力の空気を供給するようになされており、また、
排気口78は大気に開放されている。これら給気口77
および排気口78に対応して上記シリンダ部72の周壁
にポート79,80が形成されている。81は上記ケー
シング71の周壁に形成された給排気用通路で、上記空
気室20bとシリンダ部72内とを連通するものであ
る。82は上記給排気用通路81を介して空気室20b
とつば部74aとシリンダ部72とケーシング71で囲
まれた領域を連通させる通路である。この通路82によ
りスライド弁体73に作用する空気室20b内の空気圧
の影響を打ち消すことができ、移送液体の圧力を正確に
スライド弁体73に伝えることが可能となる。
【0032】上記スライド弁体73にはその軸線方向に
所定間隔を隔てて3つの摺動用つば部73a,73b,
73cが形成されており、中央つば部73bと一端側つ
ば部73との間が給気用空間S1に構成され、中央つ
ば部73bと他端側つば部73との間が排気用空間S
2に構成されている。このスライド弁体73はポンプ吐
出圧の変動により、液室20aの容量増大が所定範囲A
を越えると、変位して給排気用通路81を空間S1に連
通させ、かつ、液室20aの容量減少が所定範囲Bを越
えると、上記給排気用通路81を空間S2に連通させる
ように構成されている。83は上記ケーシング71内に
設置されてスライド弁体73に上方へのばね力を付勢し
て該スライド弁体73を基準位置に保持させるばね部材
である。
【0033】上記のような1つの自動給排気用切換弁機
構70を装備してなる図2に示す空気駆動型ベローズ式
ポンプにおいても、図1に示すものと同様に、脈動抑制
作用を発揮し、液体を連続してスムースに流出させるこ
とが可能であり、また、このようなポンプ動作中に往復
動ポンプ部4からの吐出圧が上昇変動または下降変動し
たときに脈動幅を小さく抑えることも可能であるが、そ
のときの空気室20bに対する給排気作用が上記図1の
ものとは相違するので、以下、この点についてのみ簡単
に説明する。
【0034】すなわち、往復動ポンプ部4からの吐出圧
の上昇変動に伴い液室20aの容量が増大し、ベローズ
18が所定範囲Aを越えて伸長変形した場合は、操作杆
74を介してスライド弁体73が外方に摺動変位して、
給排気通路81が空間S1を介して給気口77に連通さ
れる。このため、給気口77から高い空気圧が上記空間
S1および通路81を経て空気室20bに供給されて該
空気室20bの封入圧が高められることになり、これに
よって、ベローズ18の伸張変形量が制約されて液室2
0aの容量が過度に増大することが抑えられる。
【0035】一方、往復動ポンプ部4からの吐出圧の下
降変動に伴い液室20aの容量が減少し、ベローズ18
が所定範囲Bを越えて収縮変形した場合は、操作杆74
を介してスライド弁体73が内方に摺動変位して、給排
気通路81が空間S2を介して排気口78に連通され
る。このため、上記空気室20b内の封入空気が給排気
通路81および空間S2を経て排気口78から大気に排
出されて該空気室20bの封入圧が下げられることにな
り、これによって、ベローズ18の収縮変形量が制約さ
れて液室20aの容量が過度に減少することが抑えられ
る。その結果、上記往復動ポンプ部4のポンプ作用室9
aからの吐出圧の変動にかかわらず、脈動を効率的に吸
収して脈動幅を小さく抑えることになる。
【0036】なお、図2および図3に示す実施の形態で
説明したような1つの自動給排気用切換弁機構70を脈
動抑制部5の外側に設ける構成を採用する場合は、たと
え該給排気用切換弁機構70が故障等しても、ポンプ側
はなんら分解等することなく、この給排気用切換弁機構
70のみを対象とした補修や部品交換などのメンテナン
スを容易に行なうことが可能で、特に強酸性や強アルカ
リ性の薬液を取り扱う半導体製造装置用のポンプとして
有用である。さらに、給排気用切換弁機構70として、
図2に示す実施の形態のように、スライド弁体73を使
用した筒形の弁機構を用いる場合は、コンパクト化が図
れるとともに、空気室20bとの連通構造も簡単になる
という利点がある。
【0037】また、上記の各実施の形態では、往復動ポ
ンプ部4における第1隔膜及び脈動抑制部5における第
2隔膜として共にベローズ7,18を使用したものにつ
いて説明したが、これらはダイヤフラムであってもよ
い。
【0038】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜4に記載の発
明によれば、往復動ポンプ部と脈動抑制部とを一体化し
て両者間を接続するための外部配管を不要としているた
めに、全体の低コスト化及び小型化が図れて設置スペー
スの大幅な削減を達成できるばかりでなく、外部配管の
省略に伴い長期間の使用によっても配管が破れるなどし
て液漏れを発生するなどの危険性がなく、また、圧力ロ
スも非常に少ないので、ポンプ容量も小さくてよく、ポ
ンプ全体の小型化を図れ、ポンプの設置占有面積の縮小
を達成することができる。しかも、脈動を吸収するだけ
でなく、吐出圧に変動が発生したときの液室容量の増減
を液体圧と気体圧の圧力バランスにより所定範囲内に保
持させても脈動を効率よく吸収し脈動幅を小さく抑える
ことができ、液体を連続してスムースに、かつ、一定量
に吐出させるができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポンプの脈動抑制装置付きポンプ
の実施の形態として適用した空気駆動型ベローズ式ポン
プの全体縦断正面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す空気駆動型ベロ
ーズ式ポンプの全体縦断正面図である。
【図3】図2に示す実施の形態における要部の拡大縦断
正面図である。
【図4】従来の脈動抑制装置付きポンプの全体縦断正面
図である。
【符号の説明】 1 仕切壁 2 流入路 3 流出路 4 往復動ポンプ部 5 脈動抑制部 6,17 ケーシング 7 ベローズ(第1隔膜) 9a ポンプ作用室 14 エアシリンダ部 16a,16b スプリング式逆止弁 18 ベローズ(第2隔膜) 20a 液室 20b 空気室 40 給気通路 41 排気通路 42 自動給気用弁機構 42b 第1弁体 42f 弁押し棒(第1の連動部材) 43 自動排気用弁機構 43g 棒状弁体(第2弁体) 43d スライダー(第2の連動部材) 70 給排気用切換弁機構 73 スライド弁体 74 操作杆 77 給気口 78 排気口 81 給排気通路
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桂 将義 兵庫県三田市下内神字打場541番地の1 日本ピラー工業株式会社三田工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体の流入路及び流出路とを備えた仕切
    壁と、 この仕切壁の一側部に固定連設されたケーシング内を軸
    線方向に沿って伸縮変形可能な第1隔膜とこの第1隔膜
    を駆動伸縮変形運動させるエアシリンダ部と上記第1隔
    膜の伸縮変形運動に伴い交互に開閉作動して液体の吸入
    作用および吐出作用を行なう逆止弁が設けられたポンプ
    作用室とを備えてなるエア駆動型往復動ポンプ部と、 上記仕切壁の他側部に固定連設されたケーシング内に上
    記往復動ポンプ部の第1隔膜に対向して配設され該第1
    隔膜の伸縮変形方向に伸縮変形可能な第2隔膜とこの第
    2隔膜の内側に形成されて上記往復動ポンプ部のポンプ
    作用室から吐出用逆止弁を経て吐出される液体を一時的
    に貯溜可能な液室と上記第2隔膜の外側に液室に対し隔
    離形成されて脈動抑制用の気体が封入される気室とを備
    え、上記第2隔膜の伸縮変形運動に伴う上記液室の容量
    変化により上記往復動ポンプ部のポンプ作用室から吐出
    される液体の吐出圧による脈動を吸収させるように構成
    した脈動抑制部と、 上記脈動抑制部側に設けられて上記液室の容量が所定範
    囲を越えて増大したとき、上記気室内へ給気して該気室
    内の封入圧を上昇させる自動給気用弁機構と、 上記脈動抑制部側に設けられて上記液室の容量が所定範
    囲を越えて減少したとき、上記気室から排気して該気室
    内の封入圧を下降させる自動排気用弁機構と、を具備し
    ていることを特徴とする脈動抑制装置付きポンプ。
  2. 【請求項2】 上記エア駆動型往復動ポンプ部における
    第1隔膜及び脈動抑制部における第2隔膜が、ベローズ
    もしくはダイヤフラムから構成されている請求項1に記
    載の脈動抑制装置付きポンプ。
  3. 【請求項3】 上記脈動抑制部側に設けられている自動
    給気用弁機構および自動排気用弁機構が、上記ケーシン
    グの互いに離れた箇所で上記気室に通じるように形成さ
    れている給気通路および排気通路それぞれに独立して開
    閉可能に設けられた第1および第2弁体と、これら第1
    および第2弁体を上記第2隔膜の伸縮変形動作に連動し
    て自動開閉させる第1および第2の連動部材とから構成
    されている請求項1または2に記載の脈動抑制装置付き
    ポンプ。
  4. 【請求項4】 上記脈動抑制部側に設けられている自動
    給気用弁機構および自動排気用弁機構が、上記液室内に
    挿入されて第2隔膜の伸縮変形運動に応動可能な一本の
    操作杆と、この操作杆に操作されて上記気室に通じる一
    つの給排気通路を給気口と排気口に選択的に連通させる
    単一弁体とを備えた1つの給排気用切換弁機構により構
    成されている請求項1または2に記載の脈動抑制装置付
    きポンプ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6572347B2 (en) * 2000-02-14 2003-06-03 Nippon Pillar Packing Co., Ltd. Fluid apparatus such as a pump or an accumulator
TWI452207B (zh) * 2012-01-12 2014-09-11 Hong Kel Trading Co Ltd 往復式泵浦

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6572347B2 (en) * 2000-02-14 2003-06-03 Nippon Pillar Packing Co., Ltd. Fluid apparatus such as a pump or an accumulator
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