JPH11270443A - インジェクタ - Google Patents

インジェクタ

Info

Publication number
JPH11270443A
JPH11270443A JP10074184A JP7418498A JPH11270443A JP H11270443 A JPH11270443 A JP H11270443A JP 10074184 A JP10074184 A JP 10074184A JP 7418498 A JP7418498 A JP 7418498A JP H11270443 A JPH11270443 A JP H11270443A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
fuel
injector
port
spray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10074184A
Other languages
English (en)
Inventor
Masae Nozawa
野澤  政衛
Shigenori Isomura
磯村  重則
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP10074184A priority Critical patent/JPH11270443A/ja
Publication of JPH11270443A publication Critical patent/JPH11270443A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】適正なる燃料噴霧を形成し、ポートウエットの
低減を図る。 【解決手段】インジェクタ18において、バルブボディ
41の下端面には複数の噴射孔45aを有する噴口プレ
ート45が配設されている。エア供給アダプタ44はバ
ルブボディ41先端部に装着されている。バルブボディ
41に設けられたエア通路50は、バルブボディ下面側
において噴口プレート45を囲むように楕円状に開口
し、その開口部がエア噴出口50aになっている。燃料
噴射に際し、エア供給アダプタ44に加圧エアが供給さ
れると、その加圧エアがエア通路50に流れ込み、エア
噴出口50aすなわちインジェクタ先端から噴出され
る。この時、インジェクタ先端から噴出されるエアは筒
状のエアカーテンを形成し、燃料噴霧を包み込む。これ
により、燃圧が高圧化されインジェクタ18による噴射
燃料の噴霧角が拡大傾向にある場合にも、エアカーテン
により噴霧角の拡大が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気ポ
ートに配設され、当該吸気ポートに燃料を噴射供給する
ためのインジェクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のインジェクタを備えた内燃機関
において、インジェクタにより吸気ポート内に噴射され
た燃料は吸気バルブの開弁に伴い新気と共に気筒内に吸
入され、気筒内で燃焼に供される。また、近年のインジ
ェクタでは、燃焼の安定化や高出力化といった様々な要
望に応えるべく、 (イ)インジェクタに供給される燃料の圧力(燃圧)を
高くし、燃料粒径を微細化する。 (ロ)燃料噴出孔を多孔化する。 などの試みが実施されている。
【0003】特に上記(イ)の場合、燃料粒径の微粒化
により、燃焼の安定化を図る上で好適な燃料噴霧が得ら
れる。現状では、例えば燃料配管としてゴムホースを使
った装置において、最大で500kPa程度にまで燃料
が高圧化でき、この高圧化した燃料をインジェクタから
噴射することにより良好なる燃料噴霧が得られることが
確認されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来既存の
インジェクタでは、燃圧を増加させることで微粒化の効
果は得られるものの、インジェクタによる燃料の噴霧角
が不用意に拡がり、吸気ポートなどでの燃料ウエットが
増加してしまう。また一方で、ポートウエットの増加を
低減すべく、燃料噴射孔の角度を変更し、噴霧角を狭く
することも考えられる。しかしながら、噴霧角を狭くす
ると、燃料噴霧の再肥大化などにより燃料粒径が悪化す
るという問題が生ずる。
【0005】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、適正なる燃料噴
霧を形成し、ポートウエットの低減を図ることができる
インジェクタを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、燃料を噴射するための噴
射孔の周囲にエア噴出口を設け、このエア噴出口よりエ
アを噴出させて燃料噴霧を囲むようにエアカーテンを形
成することを特徴とする。
【0007】エア噴出口からエアが噴出されてそのエア
によりエアカーテン(空気の壁)が形成されることで、
インジェクタによる燃料噴霧がエアカーテンにて包み込
まれる。これにより、燃料噴霧と吸気ポートの壁面との
間がエアカーテンにより遮られ、燃料噴霧がポートウエ
ットになることなく内燃機関の気筒内に流入する。その
結果、適正なる燃料噴霧を形成し、ポートウエットの低
減を図ることができる。また、ポートウエットが低減さ
れることで、同ポートウエットに起因する過渡空燃比で
の制御性の悪化が大幅に改善できる。
【0008】特に、噴霧燃料の微粒化を図るべく高圧燃
料が供給されるインジェクタでは(請求項7)、その燃
料の高圧化に伴い燃料噴霧角が拡がり、ポートウエット
の問題が顕著になる。しかしながら、上記請求項1の発
明によれば、燃料の高圧化に伴い噴霧角が拡がっても燃
料のポートウエットが確実に低減される。
【0009】請求項2に記載の発明では、内燃機関の吸
気ポートでウエットが発生しない燃料噴霧となるよう
に、前記エア噴出口から噴出されるエアカーテンを形成
する。この場合、ポートウエットのない良好な噴霧形状
にするには、エア噴出口を円形状或いは断面楕円形状に
し、その形状に応じたエアカーテンを形成するとよい。
例えばインジェクタの取付位置や吸気ポートの曲がり具
合などに応じてエアカーテンの形状を決めるとよい。
【0010】請求項3に記載の発明では、2ジェット式
のインジェクタにおいて、2方向の燃料噴霧の外周部を
囲むエアカーテンが形成されるように、エア噴出口を設
けている。この2ジェット式のインジェクタにおいて
は、請求項4に記載したように、2つの吸気ポートに噴
射される燃料噴霧の間にエアカーテンを形成するため
に、エア噴出口にエア分岐部を設けるとよい。
【0011】上記請求項3,4の構成によれば、2ジェ
ット式のインジェクタへの適用時において、各々の吸気
ポートで良好なる噴霧形状が得られる。そのため、ポー
トウエットのない状態で燃料噴霧が気筒内に流入する。
特に、請求項4の構成によれば、2方向の燃料噴霧の間
にもエアカーテンが形成されるため、2つの噴霧間に存
在するポート壁面に対してもウエット低減を図ることが
できる。
【0012】また、請求項5に記載の発明では、2ジェ
ット式のインジェクタにおいて、2方向の燃料噴霧に対
して、少なくとも燃料噴霧の外周部を囲むエアカーテン
が形成されるように、複数に分割された円弧状のエア噴
出口を設けている。この場合、少なくとも燃料噴霧の外
周部を囲むようにエアカーテンが形成されることで、燃
料ウエットに比較的なりやすい燃料噴霧の外周部近傍に
てウエット防止が実現できる。またこのとき、エア噴出
口を分割して設けることにより、当該エア噴出口の開口
面積を減らすことが可能となり、エア供給量が低減でき
る。その結果、機関出力にて駆動されるエア供給源とし
てのポンプなどの負荷が軽減され、ひいては内燃機関の
エネルギ負担も軽減されるようになる。
【0013】請求項6に記載の発明では、噴射孔より噴
射される燃料噴霧を囲むようにしてエアカーテンを形成
することを特徴とする。この場合、インジェクタによる
燃料噴霧がエアカーテンにて包み込まれ、ポートウエッ
トになることなく内燃機関の気筒内に流入する。従っ
て、請求項1の発明と同様に、適正なる燃料噴霧を形成
し、ポートウエットの低減を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、この
発明を内燃機関の燃料噴射制御装置に具体化した第1の
実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態にお
ける燃料噴射制御装置は、ガソリン噴射式内燃機関の燃
料噴射量を最適に制御するものであり、各気筒に燃料を
噴射供給するためのインジェクタは、マイクロコンピュ
ータを主体とする電子制御装置(以下、ECUという)
によりその駆動が制御される。本実施の形態では、内燃
機関の吸気ポートに配設されるインジェクタ(燃料噴射
弁)にあって、燃料噴霧を囲むようにエアカーテンを作
り、そのエアカーテンによりポートウエットを大幅に低
減することをその特徴とする。以下には本装置を詳細に
説明する。
【0015】図1は、本実施の形態における燃料噴射制
御装置の概要を示す全体構成図である。図1において、
内燃機関は4気筒4サイクルエンジン(以下、単にエン
ジン1という)として構成されており、エンジン1には
吸気管2と排気管3とが接続されている。吸気管2には
図示しないアクセルペダルに連動するスロットル弁5が
設けられている。また、吸気管2のサージタンク7には
吸気圧センサ8が配設されている。エンジン1の気筒を
構成するシリンダ9内には図の上下方向に往復動するピ
ストン10が配設されている。ピストン10の上方には
シリンダ9及びシリンダヘッド12にて区画された燃焼
室13が形成されており、燃焼室13は、吸気バルブ1
4及び排気バルブ15を介して吸気管2及び排気管3に
連通している。
【0016】エンジン1の吸気ポート17には電磁駆動
式のインジェクタ18が配設されており、このインジェ
クタ18には燃料タンク19から燃料(ガソリン)が供
給される。本実施の形態では、吸気マニホールドの各分
岐管毎に1つずつインジェクタ18を有するマルチポイ
ントインジェクション(MPI)システムが構成されて
いる。インジェクタ18は、各気筒2個ずつの吸気バル
ブ14に対して同時に燃料を噴射供給する、いわゆる2
ジェット式のインジェクタとして構成され、吸気バルブ
14の傘部14aの中心に向けて燃料を噴射供給する。
但し、その詳細な構成については後述する。
【0017】燃料タンク19とインジェクタ18との間
には、燃料圧力(燃圧)を調整しつつ燃料を図示しない
デリバリパイプに給送するための燃料ポンプ26が配設
されている。本実施の形態では、燃料ポンプ26が35
0kPa程度にまで燃料を高圧化し、その高圧化された
燃料がインジェクタ18に給送されるようになってい
る。シリンダヘッド12には、図示しないイグナイタか
らの点火用高電圧により発火する点火プラグ27が配設
されている。
【0018】エンジン1においては、吸気管上流から供
給される新気とインジェクタ18による噴射燃料とが吸
気ポート17にて混合され、その混合気が吸気バルブ1
4の開弁動作に伴い燃焼室13内(シリンダ9内)に流
入する。そして、点火プラグ27の点火火花により、燃
焼室13内に流入した混合気が燃焼に供される。
【0019】ECU30は、周知のマイクロコンピュー
タシステムを中心に構成され、CPU,ROM,RA
M,入出力インターフェース(I/O)等を備える。E
CU30は、前記各センサの検出信号に基づくエンジン
運転状態に応じて燃料噴射量や点火時期等の制御信号を
演算し、その制御信号をインジェクタ18やイグナイタ
に出力する。
【0020】次に、インジェクタ18の構成を図2及び
図3を用いて説明する。図2はインジェクタ18の全体
構成を示す断面図であり、図3はインジェクタ18の噴
口部近傍の構成を拡大して示す要部拡大図である。なお
本実施の形態のインジェクタ18は、電磁式の常閉弁と
して構成されている。
【0021】インジェクタ18の主要部は、バルブボデ
ィ41、弁体42、電磁アクチュエータ43及びエア供
給アダプタ44に大別される。略筒状をなすバルブボデ
ィ41において、図の下端面には噴口プレート45が配
設されている。噴口プレート45には複数の噴射孔45
aが形成されており、この噴射孔45aから略円錐状の
燃料噴霧が噴出される。本実施の形態では、噴口プレー
ト45に計4個の噴射孔45aが設けられている。バル
ブボディ41内部には弁体42を摺動可能に収容する摺
動孔46が形成され、噴口プレート45と摺動孔46と
の間には、円錐面からなる弁座47が形成されている。
【0022】エア供給アダプタ44は略円筒状をなし、
バルブボディ41先端部に被せるようにして装着されて
いる。当該アダプタ44の内壁とバルブボディ41の外
壁との間には、環状のエア室48が設けられ、このエア
室48にはエア導入ポート49を介して加圧エアが導入
される。エア導入ポート49には、プレッシャレギュレ
ータ71を介してエア供給ポンプ72が接続されてい
る。この場合、エア導入ポート49に供給されるエア
は、エア供給ポンプ72の駆動により吸気管2内のスロ
ットル弁上流側から送り込まれる。
【0023】エア供給ポンプ72は、車載バッテリ+B
からの給電により作動するモータ72aを有し、IGキ
ーのオン操作に伴い駆動される。プレッシャレギュレー
タ71は、エア導入ポート49に供給するエアの圧力を
調整するものであり、吸気管2のスロットル弁下流の圧
力に対して一定の差圧が生じるようエア圧を調整する。
【0024】また、バルブボディ41には、一端が前記
エア室48に開口し、他端がバルブボディ下面に開口す
るエア通路50が形成されている。エア通路50の図の
下端開口部はエア噴出口50aとなっている。図6に示
されるように、エア噴出口50aは、バルブボディ下面
側において噴口プレート45を囲むように楕円状に形成
されている。
【0025】よって、エア供給ポンプ72の駆動に伴い
加圧エアがエア導入ポート49から導入されると、エア
室48及びエア通路50を介して加圧エアがエア噴出口
50aより噴出される。この噴出エアにより、燃料噴霧
を包み込むようにしてエアカーテンが形成される。本実
施の形態では、プレッシャレギュレータ71及びエア供
給ポンプ72によりエア導入ポート49に所定圧力(例
えば、300〜500kPa程度)の加圧エアが連続的
に給送される。加圧エアの供給方法としては、燃料噴射
のタイミングに同期させてエア供給ポンプ72によるエ
ア加圧を行うようにしてもよく、かかる場合には例えば
噴射開始直前からエア加圧を開始し、噴射終了と共に加
圧を停止すればよい。
【0026】ニードル形状の弁体42にはその軸方向の
上下二位置に摺接部51a,51bが形成されており、
この摺接部51a,51bが摺動孔46の内周面に当接
することで、弁体42が摺動孔46内を摺動する。ま
た、この弁体42において、摺接部51a,51bに周
方向に隣接する部位には平坦部52a,52bが形成さ
れており、平坦部52a,52bと摺動孔46の内周面
との間に形成される隙間を燃料が流通するようになって
いる。
【0027】弁体42には、バルブボディ41の弁座4
7に当接する当接部53が形成されており、弁体42
は、その当接部53が弁座47に当接する閉弁位置(図
示する位置)と、当接部53が弁座47から所定量だけ
離れる開弁位置との間で移動可能となっている。
【0028】一方、バルブボディ41の図2の上端面に
はリング状をなすストッパ54が配設されており、弁体
42はこのストッパ54に挿通されてケーシング55側
に突出している。弁体42には周方向に張り出したフラ
ンジ56が形成されており、弁体42が電磁アクチュエ
ータ43の駆動により引き上げられた時には、フランジ
56がストッパ54に当たり弁体42の開弁位置が規制
される。
【0029】ケーシング55内に収容された電磁アクチ
ュエータ43は、大別してコア(アーマチュア)57、
ステータ58及び電磁コイル59から構成されている。
コア57は、弁体42に一体移動可能に連結され、リタ
ーンスプリング60によって常に弁体42の閉弁側(図
2の下側)に付勢されている。筒状の磁性体からなるス
テータ58は、コア57と同軸上に配設され、そのフラ
ンジ部58aがケーシング55の端部によりカシメ着さ
れることによりケーシング55に対して固定されてい
る。ステータ58内には円管状の筒体61が配設されて
いる。筒体61の上流部には燃料を流入するための流入
口62が形成され、同流入口62にはフィルタ63が配
設されている。
【0030】電磁コイル59には、外部装置(ECU3
0)からの制御信号を取り込むための端子64が接続さ
れている。この端子64はコネクタ65内に支持される
ものであって、同コネクタ65はケーシング55端部に
配設されたモールド樹脂66により形成されている。
【0031】図5は、インジェクタ18による燃料の噴
霧角度と、燃料噴霧を包み込むエアカーテンの形状とを
示す図であり、インジェクタ18を90°回転させたも
のを同図(a),(b)に示す。図5(a),(b)に
示されるように、2ジェット式インジェクタ18の場
合、2方向に噴出される燃料噴霧はα角、β角、γ角で
規定される。また、エアカーテンは、θ1角(横方向の
拡がり角)とθ2角(縦方向の拡がり角)とで規定され
る。この場合、角度θ1,θ2は、エンジン1の吸気ポ
ート形状に合わせて設計され、燃料噴霧のポートウエッ
トが遮られるような角度になっている。
【0032】上記構成のインジェクタ18は、以下のよ
うに動作する。燃料が流入口62から流入すると、同燃
料はフィルタ63、筒体61、コア57、さらにストッ
パ54と弁体42との間の間隙を介して摺動孔46内に
導かれる。そして、電磁コイル59がECU30によっ
て通電されると、磁力が発生しコア57がリターンスプ
リング60の付勢力に抗して図2の上方へ引き上げられ
る。これにより、弁座47と当接部53との隙間が開放
され、燃料が噴口プレート45の噴射口45aから吸気
管2内に噴射される。
【0033】また、この燃料噴射に際し、エア導入ポー
ト49に所定圧力の加圧エアが供給されると、その加圧
エアがエア室48からエア通路50に流れ込み、エア噴
出口50a、すなわちインジェクタ先端から噴出され
る。この時、エア噴出口50aから噴出されるエアは、
前記の角度θ1,θ2で規定される筒状のエアカーテン
を形成し、燃料噴霧を包み込む。なお図4は、インジェ
クタ18から燃料が噴射された際に、燃料噴霧の周囲に
エアカーテンが形成される様子を示す斜視図である(但
し、エア導入ポート49の図示は略している)。
【0034】これにより、インジェクタ18に供給され
る燃料が高圧化され、インジェクタ18による噴射燃料
の噴霧角(β角、γ角)が拡大傾向にある場合にも、エ
アカーテンにより噴霧角の拡大が抑制される。つまり、
インジェクタ18による噴射燃料は噴霧角の拡大が制約
された状態で、吸気バルブ14の傘部14aに向けて飛
行し、吸気バルブ14の開弁に伴い筒内へ流入する。因
みに、燃料がバルブ傘部14aに向けて噴射されると、
当該傘部14aへの衝突時の破砕分離、気化促進効果に
より燃料微粒化が促されることとなる。
【0035】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (a)本実施の形態では、噴口プレート45の噴射孔4
5aの周囲にエア噴出口50aを設け、このエア噴出口
50aよりエアを噴出させて燃料噴霧を囲むようにエア
カーテンを形成するようにした。これにより、適正なる
燃料噴霧を形成し、ポートウエットの低減を図ることが
できる。また、ポートウエットが低減されることで、同
ポートウエットに起因する過渡空燃比での制御性の悪化
が大幅に改善できる。
【0036】(b)噴霧燃料の微粒化を図るべく高圧燃
料が供給される場合、その燃料の高圧化に伴い燃料噴霧
角が拡がり、ポートウエットの問題が顕著になる。しか
しながら、上記構成によれば、燃料の高圧化に伴い噴霧
角が拡がっても燃料のポートウエットが確実に低減され
る。
【0037】(c)また、設計上の噴霧角の大小にかか
わらずポートウエットが回避できるため、噴霧角の設計
が比較的ラフなものでよいという効果も得られる。 (d)また本実施の形態では、エアカーテンを形成する
ためのエアを、吸気管2内のスロットル弁上流側から取
り込むようにした。そのため、例えばエアを吸気管以外
から取り込む構成に比べて吸入空気量の変動が抑制さ
れ、空燃比制御等への影響を最小限に抑えることができ
る。
【0038】次に、本発明における第2〜第5の実施の
形態を説明する。但し、以下の各実施の形態の構成にお
いて、上述した第1の実施の形態と同等であるものにつ
いては図面に同一の記号を付すと共にその説明を簡略化
する。そして、以下には第1の実施の形態との相違点を
中心に説明する。
【0039】(第2の実施の形態)第2の実施の形態を
図7を用いて説明する。図7は、インジェクタ先端面の
構成を示す平面図である。上記第1の実施の形態(図
6)との相違点として、図7の構成では、2つに分割さ
れたエア噴出口80がバルブボディ41に設けられてい
る。つまり、インジェクタ先端面において、2つのエア
噴出口80は半円弧状をなす。この場合、各々のエア噴
出口80から噴出されるエアにより、2つに分割された
エアカーテンが形成されるが、そのエアカーテンは少な
くとも噴射燃料のβ角及びγ角(前記図5参照)を規制
するものであるため、上記実施の形態と同様にポートウ
エットの低減を図ることができる。
【0040】また、上記構成によれば、エア噴出口80
から噴出されるエア量が削減できる。そのため、エア供
給ポンプ72(モータ72a)の負荷が軽減され、ひい
てはその動力源たるエンジンの負担が軽減されることと
なる。なお、図7のように、エア噴出口を2分割するも
のに限らず、ポートウエットが低減できることを条件に
当該噴出口を3つ以上に分割し、更なるエア量の削減を
図ることも望ましい。要は、少なくとも燃料噴霧の外周
部を囲むエアカーテンが形成されるように、複数に分割
された円弧状のエア噴出口を設ける構成であればよい。
【0041】(第3の実施の形態)上記各実施の形態で
は、エアカーテンにより燃料噴霧のβ角とγ角とを規制
するものであったが、α角をも規制するように構成す
る。図8(a),(b)に示されるように、エア通路5
0のエア噴出口50aには、インジェクタ18の中心部
に向けて傾斜するテーパ部81a,81bが設けられ
る。テーパ部81a,81b以外の構成は上記実施の形
態(前記図3,図6)に準ずる。テーパ部81a,81
bが請求項記載のエア分岐部に相当する。
【0042】この場合、テーパ部81a,81bから加
圧エアが噴出されることにより、燃料噴霧全体を囲む筒
状のエアカーテンに加え、2方向に噴射される燃料噴霧
の間にもエアカーテンが形成される。これにより、α角
(2つの燃料噴霧の間の角度)で燃料噴霧が規制され、
2つの吸気バルブ14に対応する吸気ポート17を区画
するためのポート壁面についても燃料ウエットが低減さ
れるようになる。
【0043】(第4の実施の形態)図9(a),(b)
に示されるように、エア噴出口の形状を変更する。図9
(a)では、バルブボディ41の先端(インジェクタ先
端)に2つの噴口プレート82,83が設けられ、噴口
プレート82,83には複数の噴射孔82a,82bが
形成されている。そして、噴口プレート82,83をそ
れぞれ囲むように円形状のエア噴出口84,85が形成
されている。一方、図9(b)では、同図(a)と比較
して、エア噴出口84,85が楕円形状をなす点のみが
相異する。図9(a),(b)いずれの場合において
も、エア噴出口84,85から噴出される加圧エアでエ
アカーテンが形成され、そのエアカーテンにより燃料噴
霧が包み込まれる。それにより、上記実施の形態と同様
に、ポートウエット等の諸問題が解消される。
【0044】エア噴出口84,85を円形にするか、或
いは楕円形にするかは、インジェクタの取付位置や、イ
ンジェクタ下流側の吸気ポート17の形状に応じて決定
されるとよい。例えば吸気ポート17にコーナー部があ
れば、図9(b)のようにエア噴出口84,85を楕円
形状にし、ポート壁面に向かって飛行する燃料噴霧を強
制的に遮るようにするとよい。
【0045】(第5の実施の形態)上記各実施の形態で
はいずれも2ジェット式インジェクタへの適用例を説明
したが、1ジェット式インジェクタへの適用も勿論可能
である。1ジェット式インジェクタへの適用時には、2
ジェット式との相違点としてエア噴出口の形状が変更さ
れる。図10を用いて説明すれば、同図(a),(b)
に示されるように複数の噴射孔86を囲むようにエア噴
出口87が形成されている。図10(a)ではエア噴出
口87が円形状をなし、図10(b)ではエア噴出口8
7が楕円形状をなす。図10(a),(b)いずれの場
合においても、エア噴出口87から噴出される加圧エア
でエアカーテンが形成され、そのエアカーテンにより燃
料噴霧が包み込まれる。それにより、上記実施の形態と
同様に、ポートウエット等の諸問題が解消される。
【0046】図10(a),(b)の場合、エアカーテ
ンの拡がり角は、インジェクタによる燃料噴霧の噴霧角
に応じて設定される。また、エア噴出口87の形状を円
形にするか、或いは楕円形にするかは、インジェクタの
取付位置や、インジェクタ下流側の吸気ポート17の形
状などに応じて決定されるとよい。例えば吸気ポート1
7にコーナー部があれば、図10(b)のようにエア噴
出口87を楕円形状にし、ポート壁面に向かって飛行す
る燃料噴霧を強制的に遮るようにするとよい。
【0047】なお、本発明の実施の形態は、上記以外に
次の形態にて具体化できる。インジェクタ18に供給さ
れる燃料の圧力(燃圧)を可変とする。この場合、燃圧
に応じて加圧エアの圧力も変更するのが望ましい。例え
ば燃圧が高いほど、エア圧も高くする。
【0048】エンジン運転状態に応じてインジェクタ1
8に供給されるエア量(エア圧力)を調整することも可
能である。例えばエンジンの過渡運転時や暖機前運転時
など、燃料ウエットが発生しやすい状況下においては、
その燃料ウエットを確実に防止すべく、エア供給ポンプ
72により比較的多量(高圧)の加圧エアを供給する。
また一方で、全負荷(WOT)での定常運転時には、吸
入空気の流速が速く燃料ウエットが比較的発生しにくい
と考えられるため、エア量を少なくするか或いはエア供
給を停止する。必要最小限のエア量を供給することで、
省エネルギ化に貢献できる。こうしたエア量の制御はE
CU30により実施されればよい。
【0049】上記各実施の形態では、インジェクタ18
に供給される燃料の高圧化に際して噴霧角が拡大される
場合にもその噴霧角の拡大が抑えられる旨を記載した
が、燃料を高圧化しない場合にも、本発明の構成が有効
となる。つまり、燃料を高圧化しない通常のインジェク
タについてもこのエアカーテンによる噴霧角最適化の効
果は大きいものとなる。
【0050】上記各実施の形態では、エア源としてエア
供給ポンプ72を用い、当該ポンプ72からインジェク
タ18に対して加圧エアを給送したが、この構成を変更
する。例えばスロットル弁の上流側及び下流側の差圧を
エア源として使い、その差圧に応じた加圧エアをインジ
ェクタ18に給送する。この場合、スロットル弁の上流
側及び下流側の差圧を発生させる必要があるため、適用
できる条件領域が限定され、また加圧エアも最大100
kPaに制限されるものの、加圧エアによるエアカーテ
ンを形成することでウエット低減等の効果が得られる。
かかる構成によれば、エア供給ポンプ等の構成が省略で
き、コストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるエンジンの燃料噴射
制御装置の概要を示す構成図。
【図2】インジェクタの詳細な構成を示す断面図。
【図3】インジェクタの要部を拡大して示す断面図。
【図4】燃料噴霧とエアカーテンとを示すインジェクタ
の斜視図。
【図5】燃料噴霧とエアカーテンとの各々の噴出角度を
示す図。
【図6】エア噴出口の形状を示す平面図。
【図7】第2の実施の形態において、エア噴出口の形状
を示す平面図。
【図8】第3の実施の形態において、インジェクタ先端
部の構成を示す図。
【図9】第4の実施の形態において、エア噴出口の形状
を示す平面図。
【図10】第5の実施の形態において、エア噴出口の形
状を示す平面図。
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関)、17…吸気ポート、18…
インジェクタ、41…バルブボディ、44…エア供給ア
ダプタ、45…噴口プレート、45a…噴射孔、50…
エア通路、50a…エア噴出口、81a,81b…エア
分岐部としてのテーパ部、82a,83a,86…噴射
孔、84,85,87…エア噴出口。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を噴射するための噴射孔の周囲にエア
    噴出口を設け、このエア噴出口よりエアを噴出させて燃
    料噴霧を囲むようにエアカーテンを形成することを特徴
    とするインジェクタ。
  2. 【請求項2】内燃機関の吸気ポートでウエットが発生し
    ない燃料噴霧となるように、前記エア噴出口から噴出さ
    れるエアカーテンを形成する請求項1に記載のインジェ
    クタ。
  3. 【請求項3】内燃機関の2つの吸気ポートに対して同時
    に燃料噴射を行う2ジェット式のインジェクタにおい
    て、 2方向の燃料噴霧の外周部を囲むエアカーテンが形成さ
    れるように、前記エア噴出口を設けた請求項1又は請求
    項2に記載のインジェクタ。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のインジェクタにおいて、 前記2つの吸気ポートに噴射される燃料噴霧の間にエア
    カーテンを形成するために、前記エア噴出口にエア分岐
    部を設けたインジェクタ。
  5. 【請求項5】内燃機関の2つの吸気ポートに対して同時
    に燃料噴射を行う2ジェット式のインジェクタにおい
    て、 2方向の燃料噴霧に対して、少なくとも燃料噴霧の外周
    部を囲むエアカーテンが形成されるように、複数に分割
    された円弧状のエア噴出口を設けた請求項1又は請求項
    2に記載のインジェクタ。
  6. 【請求項6】噴射孔より噴射される燃料噴霧を囲むよう
    にしてエアカーテンを形成することを特徴とするインジ
    ェクタ。
  7. 【請求項7】噴霧燃料の微粒化のために、高圧燃料が供
    給されるものである請求項1〜請求項6のいずれかに記
    載のインジェクタ。
JP10074184A 1998-03-23 1998-03-23 インジェクタ Pending JPH11270443A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10074184A JPH11270443A (ja) 1998-03-23 1998-03-23 インジェクタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10074184A JPH11270443A (ja) 1998-03-23 1998-03-23 インジェクタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11270443A true JPH11270443A (ja) 1999-10-05

Family

ID=13539843

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10074184A Pending JPH11270443A (ja) 1998-03-23 1998-03-23 インジェクタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11270443A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1375905A1 (en) * 2002-06-20 2004-01-02 Denso Corporation Fuel injection device
JP2011174412A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Denso Corp 燃料噴射弁

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1375905A1 (en) * 2002-06-20 2004-01-02 Denso Corporation Fuel injection device
US6994279B2 (en) 2002-06-20 2006-02-07 Denso Corporation Fuel injection device
JP2011174412A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Denso Corp 燃料噴射弁

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2746568B1 (en) Mount structure of fuel injection valve and fuel injection system
JP2669819B2 (ja) 燃焼室を有する火花点火式内燃機関に液体燃料を噴射する方法
JP3053934B2 (ja) 多孔式インジェクタ
US6095437A (en) Air-assisted type fuel injector for engines
US6125818A (en) Fuel injector and internal combustion engine having the same
EP0350885B1 (en) Electromagnetic fuel injection valve
US4475486A (en) Engine induction system
JP4229597B2 (ja) 噴射弁
JPH11159424A (ja) 内燃機関の燃料噴射装置
JPH11270443A (ja) インジェクタ
JPH0475391B2 (ja)
EP0934460B1 (en) Air assist fuel injector
US6047904A (en) Fuel injector for an internal combustion engine
JP2004332657A (ja) 燃料噴射弁
KR100692132B1 (ko) 컷오프 솔레노이드 인젝터 구조
JP6862284B2 (ja) 燃料噴射弁及びエンジンシステム
JP2771254B2 (ja) 電磁式燃料噴射弁
JP3748116B2 (ja) 燃料噴射装置
JPH05288136A (ja) アシストエア式燃料噴射装置
JP3036118B2 (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JPH06241147A (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JPS61247865A (ja) 燃料噴射式エンジン
JPH11270444A (ja) エアアシスト式インジェクタ
JP2005273600A (ja) 燃料噴射装置
JP2531526Y2 (ja) 内燃機関の燃料噴射装置