JPH11270316A - 可変動弁機構 - Google Patents

可変動弁機構

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JPH11270316A
JPH11270316A JP7204598A JP7204598A JPH11270316A JP H11270316 A JPH11270316 A JP H11270316A JP 7204598 A JP7204598 A JP 7204598A JP 7204598 A JP7204598 A JP 7204598A JP H11270316 A JPH11270316 A JP H11270316A
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JP
Japan
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vane
oil
side oil
retard
oil passage
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Withdrawn
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JP7204598A
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Inventor
Shinichi Murata
真一 村田
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カム位相可変装置の位相制御に供される油路
の加工工数を低減する。 【解決手段】 カム位相可変装置は、ベーンハウジング
(32)に対して相対回転可能かつカムシャフトと一体
回転可能に設けられたベーンロータ(40)を有してい
る。ベーンロータには、4つの遅角側油路区間(46
a)がベーンロータ回転中心に関して等角度間隔で放射
状をなしかつベーンロータを貫通して形成されている。
遅角側油路区間のうちベーンロータ直径方向に対向する
もの同士は、一直線をなしており一度に加工される。4
つの進角側油路区間(46b)についても同様である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のクラン
ク軸と同期回転可能な回転伝達部材に対するカムシャフ
トの回転位相を可変調整する可変動弁機構に関する。
【0002】
【関連する背景技術】油圧ベーン式カム位相可変装置
は、カムシャフトと一体回転可能なベーン部材のベーン
とこれを収容する収容部材との間に形成された油室に対
して圧油を給排することによりカム位相を変化させて吸
気弁と排気弁のバルブオーバラップ期間を可変調整し、
エンジン始動性やエンジン出力の向上を図るようになっ
ている。
【0003】油室に対する圧油の給排のため、カムシャ
フトやベーンまたは収容部材には油路が形成される。例
えば、特開平9−60508号公報に記載されたバルブ
タイミング調整装置は、この公報に記載の参照符号を付
して説明すると、ベーン9a、9bとカムシャフト先端
部2aに嵌合するインロー部9cとを有すると共にボル
ト15によりカムシャフト2に固定されたベーンロータ
9と、ベーンを収容する扇状空間部を形成するシュー3
a、3bを有したシューハウジング3とを備え、シュー
とベーンとの間には遅角油圧室10、11及び進角油圧
室12,13が形成されている。そして、遅角油圧室及
び進角油圧室とポンプ46とを接続するべく、ベーンロ
ータ9には油路29〜36が形成され、また、カムシャ
フト2には油路38及び39が形成されている。ベーン
ロータ9内を半径方向に延び遅角油圧室に連通する油路
31、32の内方端は、ベーンロータのインロー部9c
に形成された円弧状油路29に連通している。同様に、
進角油圧室に連通する油路34、35の内方端は、円弧
状油路30に連通している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載のバル
ブタイミング調整装置における、ベーンロータ9の径方
向に形成された油圧室10〜13に連通する油路は、個
々に孔加工を行わなければならず、加工の観点からみて
複雑であり、加工工数がかかりコスト高になる。また、
ロータ外周からの加工により油路毎に油路を形成する必
要があるので、油路の加工深さや加工位置にバラツキが
生じ易く、ベーンロータにその回転バランスを損なう不
釣り合いが発生し易い。このため、ベーンロータ9に回
転振動が生じて、エンジンの振動、運転不調やカムシャ
フト軸受部に偏荷重によるフリクション増大や焼き付き
を招来することがある。
【0005】本発明の目的は、ベーン位相制御用の油路
の加工工数を低減できると共に回転バランスに優れた可
変動弁機構を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の可変動弁機構
は、一対の遅角側または進角側油室を連通する遅角側ま
たは進角側油路がベーン部材を一直線に貫通しているこ
とを特徴とする。本発明によれば、一対の遅角側または
進角側油室を連通する油路は一度に加工可能であり、加
工工数が低減すると共に加工精度が向上し、更に、ベー
ン部材の回転バランスが向上する。
【0007】本発明において、好ましくは、一対の遅角
側油室を連通する遅角側油路がベーン部材を一直線に貫
通し、一対の進角側油室を連通する進角側油路がベーン
部材を一直線に貫通する。この場合、遅角側および進角
側油路の各々を一度に加工できる。複数対の遅角側油室
および複数対の進角側油室を含む可変動弁機構の場合、
複数対の遅角側および進角側油室のそれぞれに対応して
複数の遅角側および進角側油路が設けられる。好ましく
は、遅角側油路は、ベーン部材の回転中心に関してベー
ン部材の周方向に等角度間隔で形成され、同様に、進角
側油路は、ベーン部材の周方向に等角度間隔で形成され
る。この好適態様によれば、ベーン部材の回転バランス
が向上し、ベーン部材の回転振動に起因するエンジンの
振動、運転不調やカムシャフト軸受部でのフリクション
増大や焼き付きが防止される。
【0008】カムシャフト先端部又はカムシャフト延長
部が挿通する軸孔が形成されたベーン部材を備える可変
動弁機構の場合、好ましくは、一対の遅角側油室を連通
する遅角側油路は軸孔を挟んで同一直線上を延びる2つ
の油路区間を含み、同様に、一対の進角側油室を連通す
る進角側油路は同一直線上を延びる2つの油路区間を含
む。各該油路区間はこれに対応する一つの遅角側または
進角側油室に開口する外方開口端とベーン部材の軸孔に
開口する内方開口端とを有する。そして、遅角側および
進角側油路の一方を構成する2つの油路区間のそれぞれ
の内方開口端は、カムシャフト先端部またはカムシャフ
ト延長部により閉塞され、他方の油路を構成する2つの
油路区間のそれぞれの内方開口端は、カムシャフト先端
部またはカムシャフト延長部に関して反カムシャフト側
のカムシャフト軸線方向位置においてベーン部材の軸孔
にそれぞれ連通する。
【0009】この好適態様によれば、ベーン部材に軸孔
が形成された可変動弁機構において油路区間をベーン部
材に貫通形成した場合にも、特別の手段を講じることな
しに、遅角側油路区間と進角側油路区間とをカムシャフ
ト先端部またはカムシャフト延長部により互いに遮断で
きる。油路区間を貫通形成することにより、油路加工が
容易かつ正確になり、ベーン部材の回転バランスが向上
する。
【0010】可変動弁機構が、ロック・ロック解除制御
用またはロック解除制御用の油路を介する油圧供給に応
動するロック機構を備える場合、遅角側油路および進角
側油路は、ロック・ロック解除制御用またはロック解除
制御用の油路と別個独立に形成される。この好適態様に
よれば、遅角側油路および進角側油路の形成上の自由度
が増して、例えば、可変動弁機構の回転バランス向上に
適するような油路形成が可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態によ
る可変動弁機構としてのベーン式カム位相可変装置を説
明する。本実施形態のカム位相可変装置は、DOHCエ
ンジンの吸気側カムシャフトに付設されて排気弁に対す
る吸気弁のオーバラップ量を可変制御するもので、以下
の説明では吸気弁側の構成を主に説明する。但し、本装
置は、エンジンの排気側または吸排気側の双方に配設可
能である。
【0012】図1において、DOHCエンジンのシリン
ダヘッドとその上方に配されたロッカーカバー2との接
合部位には、吸気側のカムシャフト10を回転自在に支
持するカムジャーナル15が設けられている。カムシャ
フト10には、ロッカアームを介して吸気弁に当接する
カム4が形成され、カムシャフトの回転につれて吸気弁
が開閉するようになっている。
【0013】エンジンのクランク軸は、図示しない回転
力伝達要素(例えば合成樹脂製の歯付きベルト)を介し
て吸気側の回転伝達部材(例えばカムプーリ20)に連
結されている。カムプーリ20は、円板状の主体部22
と、歯付きベルトと噛み合う歯付きフランジ24と、カ
ムシャフト10の端部に外嵌されたボス部26とを有し
ている。図2中、参照符号20aは、クランク軸に対す
るカムシャフト10の位相差決めに供されるマークを示
し、22aは、軽量化のためにカムプーリ主体部22の
外周側に形成される溝孔を表す。
【0014】カムプーリ20のボス部26及びカムジャ
ーナル15の対向周面間には、リング状のオイルシール
17が配されている。カムシャフト10回りの潤滑など
に用いられた油は、カムジャーナル15の油路15cを
介してエンジン内部に戻される。カム位相可変装置は、
ボルト23(図4)によりカムプーリ主体部22の外方
端面に固定されてカムプーリ20と一体回転可能なベー
ンハウジング(収容部材)30と、ボルト14によりカ
ムシャフト10の端面に固定されてカムシャフト10と
一体に回転可能なベーンロータ(ベーン部材)40とを
有し、要素30、40はカムシャフト10およびカムプ
ーリ20と同軸に配されている。
【0015】カムプーリ20は、カムシャフト10に対
して相対回転可能にされ、ベーンロータ40は、ハウジ
ング30の内部において所定角度範囲内で回動可能にな
っている。詳しくは、ベーンロータ40は、円筒状の主
体部42と、ロータ主体部42の周面に等角度間隔で設
けられた例えば4つのベーン44とを有している(図
2)。ベーン44は、ベーンロータ主体部42から半径
方向外方へ延び、縦断面でみて先細形状に形成され、そ
の回転慣性は小さい。ロータ主体部42のピン穴42b
とこれに整合してカムシャフト10に形成したピン孔と
に配されるピン8により、カムシャフト10に対するベ
ーンロータ40の取付位置が位置決めされている。
【0016】ベーンハウジング30は、ハウジング本体
32とハウジング端壁34とを有している。ハウジング
本体32はベーン数と同数の周壁部32aを有し、各ハ
ウジング周壁部32aの両縁から一対の隔壁32b、3
2cが互いに平行にベーンロータ半径方向内方へ延びて
いる。隔壁32bの内方端部は、この隔壁32bとベー
ンロータ周方向に隣る隔壁32cの内方端部に結合され
ている。ハウジング30において、隔壁結合部32dの
内周面はベーンロータ主体部42の外周面に摺接してお
り、ベーンロータ40を回転自在に支持している。隔壁
結合部32dには、ボルト23が挿通するボルト孔23
aが形成されている。
【0017】ベーンハウジング30の各対の隔壁32
b、32cは、ハウジング端壁34及びカムプーリ主体
部22と協働してベーン44を収容するベーン収容室を
画成している。換言すれば、カムプーリ主体部22は、
ハウジング要素32及び34と共に収容部材を構成して
いる。ベーン44とハウジング周壁部32aとの間に配
されたシール49とベーン44とにより、ベーン収容室
は進角側油室47と遅角側油室48との2つに区分され
ている。
【0018】次に、油室47、48に対する圧油の給排
について説明する。図1に示すように、カムジャーナル
15には、カムシャフト軸線に略直交して第1及び第2
油路15a、15bが形成されている。油路15a、1
5bは、オイルコントロールバルブ(OCV)50の第
1及び第2出口ポート51、52にそれぞれ連通してい
る。OCV50の第1入口ポート53は、油タンク60
からの油を加圧する油ポンプ62に連通する油供給パイ
プ63に接続され、第2入口ポート54はリターンパイ
プ64に接続されている。第1油路15aは遅角側油室
47に連通しており、OCV50が図1に示す遅角位置
50aをとったとき、遅角側油室48に圧油が供給され
るようになっている。一方、OCV50が進角位置50
bをとったとき、進角側油室47への圧油供給が行われ
る。また、OCV50が中立位置50cをとると、回転
位相が維持される。即ち、OCVは、油ポンプ62等と
共にベーンロータ40を油圧により遅角側または進角側
へ回転させる油圧供給手段を構成している。
【0019】第1及び第2油路15a、15bの内方端
は、カムシャフト10の周面に形成された第1及び第2
環状溝11a、11bにそれぞれ開口している。カムシ
ャフト10には、第1環状溝11aからカムシャフト軸
線の手前まで延びる第1半径方向孔12aと、第2環状
溝11bからカムシャフト軸線まで延びる第2半径方向
孔12bとが形成されている。孔12aはベーン数と同
数設けられている。カムシャフト10の回転位置にかか
わらず、孔12aは第1環状溝11aに連通し、孔12
bは第2環状溝11bに連通する。また、カムシャフト
10には、孔12a、12bの内方端からカムシャフト
端面まで延びる第1及び第2長手方向孔13a、13b
が形成されている。孔13bはカムシャフト軸線上に一
つ設けられ、孔13aはカムシャフト軸線から偏倚した
半径方向位置においてベーン数と同数設けられている。
【0020】第2長手方向孔13bは、孔12bに連通
する小径部と、六角穴付きの中空ボルト14が螺着され
る大径部とを有している。ボルト14は、ベーンロータ
主体部42に同軸に形成された段付き貫通孔42a内に
配されている。ボルト中空部14aは、ベーンロータ主
体部42とハウジング端壁34のネジ孔35に螺着され
た六角穴付きボルト36とボルト14とにより画成され
る油路41に連通している(図1)。
【0021】油室47,48への圧油給排経路に関連し
て、ロータ主体部42には、カムシャフト10の4つの
孔13aに整合して4つの短い第1長手方向孔45aが
ベーンロータ軸線方向に形成され、また、それぞれの孔
45aからベーンロータ半径方向外方に延びる4つの第
1半径方向孔(遅角側油路区間)46aが形成されてい
る(図1)。孔46aの外方端は、ベーン44の根元付
近でロータ主体部42の外周面に開口して遅角側油室4
8に連通している。孔46aの内方端は、段付き貫通孔
42aに開口しているが、ボルト(カムシャフト延長
部)14の外周面により閉塞されている。
【0022】また、第1半径方向孔46aに関して反カ
ムシャフト側に偏倚したベーンロータ厚さ方向位置にお
いて、ベーンロータ主体部42には第2半径方向孔(進
角側油路区間)46bが形成されている。孔46bは、
その内方端が、ボルト14に関して反カムシャフト側の
カムシャフト軸線方向位置において、段付き貫通孔(軸
孔)42aの大径部に開口し、その外方端がベーン44
の根元付近においてロータ主体部42の外周面に開口し
て進角側油室47に連通している。
【0023】上記の環状溝、半径方向孔および長手方向
孔は、油路15aまたは15bと油室48または47と
を連通させる遅角側油路または進角側油路を構成してい
る。図2から明らかなように、遅角側油室48にそれぞ
れ連通する4つの孔46a(遅角側油路区間)は、ベー
ンロータ回転中心に関してベーンロータの周方向に等角
度間隔で形成され、4つの孔46aのうちベーンロータ
直径方向に対向するもの同士は、同一直線上に延びてい
る。即ち、一対の孔46aはベーンロータ回転中心を通
る一つの直線上に設けられ、別の一対の孔46aはベー
ンロータ回転中心を通り上記の直線に直交する別の直線
上に設けられている。この様な孔配列によれば、同一直
線上に配列すべき一対の孔46aを一回の孔加工で同時
に形成して加工コスト低減を図れる。また、各対の孔4
6aが、ベーンロータ40の回転中心に関して対称に配
されているので、4つの孔46aをベーンロータ40に
形成した場合にも、ベーンロータ回転中心に対するベー
ンロータ40の回転バランスが損なわれることがない。
【0024】進角側油室47にそれぞれ連通する4つの
孔46b(進角側油路区間)についても、遅角側油室用
の第1半径方向孔46aの場合と同様である。すなわ
ち、ベーンロータ直径方向に対向する一対の孔46bは
ベーンロータ回転中心を通る一直線上に設けられ、別の
一対の孔46bはベーンロータ回転中心を通る別の一直
線上に設けられ、これら4つの孔46はベーンロータ回
転中心に関して等角度間隔で形成され、加工工数の低減
ならびにベーンロータ40の回転バランス向上が図られ
ている。
【0025】カム位相可変装置は、ベーン44を最遅角
側回転位置にロックするためのロック機構を有してい
る。図2及び図3に示すように、本実施形態の装置は、
ベーン数と同数のロック機構を有している。各ロック機
構のロックピン70は、ベーン厚さ方向にベーン44を
貫通して形成されたロックピン孔44a内に移動自在に
配されている。
【0026】ロックピン70は、図5に示すように、進
角側油室47への圧油供給によりカムプーリ主体部22
側(ロック解除方向)へ移動する一方、遅角側油室48
への圧油供給によりハウジング端壁34側(ロック方
向)へ移動するようにされている。そして、ロックピン
70が最遅角側回転位置付近まで移動したとき、ロック
ピン70のカムプーリ主体部側の先端部70aが、カム
プーリ主体部22の対向端面に形成されたロック穴22
bに嵌入してロックピン70がロックされるようになっ
ている。
【0027】進角側油室47からロックピン70への圧
油印加のため、各ベーン44のカムプーリ主体部22側
の端面には、第1油通路44cが形成されている。進角
側油室47からのロック解除用の圧油は、第1油通路4
4cを介してロックピン70のカムプーリ主体部22側
の先端部70aの受圧面に加えられ、ロックピン70を
ロック解除方向へ移動させるように作用する。
【0028】遅角室側油室48からロックピン70への
圧油印加のため、各ベーン44のハウジング端壁34側
の端面には第2油通路44dが形成されている。遅角側
油室48からのロック用の圧油は、第2油通路44dを
介してロックピン70のハウジング端壁34側の基端部
70bの受圧面に加えられ、ロックピン70をロック方
向へ移動させるように作用する。
【0029】以下、上記構成のカム位相可変装置の作用
を説明する。エンジン運転中、エンジン回転数が略一定
であって現在のカム位相が適正であれば、オイルコント
ロールバルブ50は中立位置50cに保持され、カム位
相が維持された状態で、クランク軸の回転に同期してカ
ムプーリ20、ベーンハウジング30、ベーンロータ4
0及びカムシャフト10が回転し、カム4により吸気弁
が開閉される。
【0030】エンジン回転が上昇すると、オイルコント
ロールバルブ50は進角位置50bに切り換えられ、油
ポンプ62からの圧油は、カムジャーナル15の油路1
5b等を介してボルト14の中空部14aへ流入し、更
に、油路41等を介して進角側油室47に供給される。
油室47への圧油供給により、ベーン44は遅角側油室
48内の油を排出しつつベーンハウジング30のベーン
収容室内で進角方向へ移動し、カム位相が進角される。
【0031】進角方向へのベーン44の移動中、遅角側
油室48内の油は、ベーンロータ主体部42の孔46
a、45a等やオイルコントロールバルブ50を介して
シリンダヘッド内へ排出され、油タンク60へ戻る。ま
た、上記のように進角側油室47へ圧油が供給される
と、ベーン44の油通路44cを介して油室47からロ
ックピン先端部70aの受圧面に圧油が供給され、ロッ
クピン70をロック解除方向へ付勢する。このとき、ロ
ックピン70は既にロック解除状態にあるので、このロ
ック解除状態が維持される(図2)。
【0032】エンジン回転が低下すると、オイルコント
ロールバルブ50は、図1に示す遅角位置50aに切り
換えられ、油ポンプ62からの圧油は遅角側油室48に
供給される。油室48への圧油供給により、ベーン44
は進角側油室47内の油を排出しつつベーンハウジング
30のベーン収容室内で遅角方向へ移動し、カム位相が
遅角される。
【0033】また、遅角側油室48への圧油供給時、ベ
ーン44の油通路44dを介して油室48からロックピ
ン基端部70bの受圧面に圧油が供給され、ロックピン
70をロック方向へ付勢するが、通常はロックピン70
はロック穴22bと整合しておらず、ロックピン70は
ロック解除状態に維持される(図2)。エンジンを運転
停止させる直前でのアイドル運転中、図1に示す遅角位
置にあるオイルコントロールバルブ50を介して油ポン
プ62から遅角側油室48へ圧油が供給され、ロックピ
ン70はロック穴22bに略整合する。このとき、油室
48からロックピン基端部70bの受圧面に圧油が供給
されているので、ロックピン70がロック方向へ付勢さ
れており、ロックピン70はロック穴22bに嵌入し、
ベーン44が最遅角位置にロックされる(図6および図
7)。
【0034】エンジンが運転停止状態にある間、ロック
ピン70はロック穴22bに嵌入したままであり(図6
および図7)、ベーン44は最遅角位置にロックされて
いる。次のエンジン始動時、ベーン44はエンジン始動
に適した最遅角位置にロックされており、エンジンは失
火発生を伴うことなく円滑に始動する。以下、本発明の
第2実施形態による可変動弁機構としてのベーン式カム
位相可変装置を説明する。
【0035】スプリングなどの付勢手段を用いずにベー
ンロータを最遅角位置にロックするように構成された第
1実施形態に比べ、本実施形態の装置は、2枚ベーンで
ある点と、ロックピンをスプリングのバネ力によりロッ
ク方向に付勢するようにした点とが主に相違する。以下
において、第1実施形態のものと同一または類似の構成
については説明を省略し、図8ないし図11を参照し
て、主にロック機構について説明する。
【0036】本実施形態の装置は、第1実施形態の場合
と同様、ベーンロータ40の直径方向に互いに対向する
カム位相遅角制御用の一対の油路46aは、ベーンロー
タ40を貫通しかつ一直線をなしてベーンロータに形成
されている。一対の油路46bについても同様である。
各ロック機構のロックピン70は、ベーン厚さ方向にベ
ーン44を貫通して形成されたロックピン孔44a内に
移動自在に配されている。ロックピン70のハウジング
端壁側半部には、スプリング80を収容するスプリング
室71が形成されている。ロックピン70は、スプリン
グ80によりロック方向へ常時付勢されており、ベーン
ロータ40が最遅角側回転位置まで移動したとき、ロッ
ク穴への油圧供給がなければ、ロックピン先端部70a
がロック穴22bに嵌入して、ベーンロータ40を最遅
角位置にロックするようになっている(図10)。
【0037】また、ロックピン70は、進角側及び遅角
側油室47、48のいずれか一方への圧油供給に応じて
ハウジング端壁34側へ移動して、ロックを解除するよ
うになっている。本実施形態では、進角側油室47への
圧油供給および遅角側油室48への圧油供給に応動する
切替バルブにより、進角側油室47と遅角側油室48と
の連通を遮断しつつ、進角側油室47または遅角側油室
48からの圧油をロック穴22b内へロック解除用油圧
として選択的に導入するようにしている。
【0038】図10に示すように、切替バルブはストレ
ートピンからなるバルブピストン90を有し、バルブピ
ストン90は、ロックピン孔44aよりも半径方向外方
位置においてベーン厚さ方向にベーン44を貫通して延
びるバルブピストン孔44b内に移動自在に配されてい
る。図11に示すように、各ベーン44のハウジング端
壁34側の端面及びカムプーリ主体部22側の端面に
は、ロック解除油圧供給用の油通路44c、44dがそ
れぞれ形成されている。油通路44cの両端は進角側油
室47及びバルブピストン孔44bに開口し、油通路4
4dの両端は遅角側油室48及びバルブピストン孔44
bに開口している。このバルブピストン孔44bは、ロ
ック穴22bに連通している。油通路44eの両端はバ
ルブピストン孔44bおよびロックピン孔44aにそれ
ぞれ開口している。油通路72の両端はロックピン70
の外周面にそれぞれ開口している。また、ロックピン7
0が図9に示すロック解除位置にあるか或いは図10に
示すロック位置にあるかにかかわらず、油通路44eと
油通路72とが連通するようになっている。油通路73
の両端は油通路72およびロック穴22bにそれぞれ開
口している。
【0039】ロック解除時の背圧除去のため、各ベーン
44のハウジング端壁側にはスプリング室71に連通す
る溝44iが形成され、この溝44iに連通する呼吸孔
44jがベーン44に形成されている(図10)。スプ
リング室71は、この呼吸孔44j等を介して、エンジ
ン内部に連通している。上記構成において、油通路44
cを介して進角側油室47からバルブピストン孔44b
に圧油が供給されると、バルブピストン90がカムプー
リ主体部22側へ移動し(図11)、油通路44dと油
通路44eとの連通がピストン90により遮断されると
共に油通路44cと油通路44eとがピストン孔44b
を介して連通し、油室47からの圧油は、油通路44e
等を介してロック穴22b内に流入する。また、油通路
44dを介して遅角側油室48からバルブ44bに圧油
が供給されると、バルブピストン90がハウジング端壁
34側へ移動し、圧油が油通路44e等を介してロック
穴22b内に流入する。油室47または48からロック
穴へ供給された圧油は、ロックピン70をスプリング8
0のバネ力に抗してハウジング端壁側へ付勢する。この
とき、スプリング室71内の油は、ベーン44の溝44
iやカムジャーナル15の油路15c等を介してエンジ
ン内部へ戻され、ロックピン70は、スプリング室71
内の油による背圧を受けずにロック穴22bから離脱
し、ロック解除が円滑に行われる。
【0040】図10中、参照符号44hは、ロック解除
油圧供給用の油通路44eを加工するときの加工孔を表
す。進角側または遅角側油室47、48からピストン孔
44bに供給された圧油は加工孔44hを介してベーン
シール49の直下に作用し、シール性を向上させる。本
実施形態のカム位相可変装置の作用は、第1実施形態の
ものと略同一であり、以下、簡略に説明する。
【0041】オイルコントロールバルブ50が中立位置
50cに保持されていれば、カム位相が維持される。バ
ルブ50が進角位置50bに切り換えられると、進角側
油室47に圧油が供給されて、カム位相が進角される。
油室47内の圧油は、ロック穴22b内に流入して、ロ
ックピン70のロック解除状態を維持する(図8および
図9)。オイルコントロールバルブ50が遅角位置50
aに切り換えられると、遅角側油室48に圧油が供給さ
れ、カム位相が遅角される。油室48内の圧油は、ロッ
ク穴22b内に流入してロックピン70をロック解除状
態にする。
【0042】エンジンを運転停止させる直前でのアイド
ル運転中、遅角側油室48へ圧油が供給されてベーンロ
ータ40が最遅角位置に保持されるが、油室48からロ
ック穴22bへの圧油供給によりロック解除状態が維持
される。エンジン停止時、ロックピン70はスプリング
80のバネ力を受けてロック穴22bに嵌入し(図1
0)、ベーン44は最遅角位置にロックされる。従っ
て、次のエンジン始動時、エンジンは失火発生を伴うこ
となく円滑に始動する。
【0043】本発明の装置は、第1及び第2実施形態に
限定されず、更に変形可能である。例えば、上記第1及
び第2実施形態では、ロック機構付きのカム位相可変装
置に対して本発明を適用した場合について説明したが、
本発明はロック機構を具備しない装置にも適用可能であ
る。また、ロック機構付きの装置において、ロック機構
は上記実施形態に記載のものに限定されない。
【0044】また、実施形態では、進角側油路の、油路
区間46b以外の部分を、カムシャフト軸線上を延びる
ボルト中空部14aで主に構成すると共に、遅角側油路
の、油路区間46a以外の部分を、ボルト中空部14a
に対して同軸配置された複数の孔13aで主に構成した
が、これとは逆に遅角側油路の一部をボルト中空部14
aで構成するようにしても良い。また、進角側および遅
角側油路の各部の構成たとえば形成位置は、実施形態の
ものに限定されない。
【0045】更に、実施形態では、ベーン部材をカムシ
ャフト端面に固定するボルト(カムシャフト延長部)が
挿通する軸孔が形成されたベーン部材を備えたカム位相
可変装置について説明したが、本発明において、カムシ
ャフトとベーン部材とをベーン部材を挿通するカムシャ
フト先端部やカムシャフト延長部を介して結合すること
は必須ではない。換言すれば、本発明は、カムシャフト
先端部またはカムシャフト延長部を挿通する軸孔を有し
ないベーン部材を備えるカム位相可変装置にも適用可能
である。この場合、ベーンロータ回転中心に関して直径
方向に対向する一対の油室を連通する油路を軸孔を挟ん
で同一直線上を延びる2つの油路区間で構成した実施形
態の場合と異なり、ベーン部材を一直線に貫通する一つ
の油路(互いに直接に接続された2つの油路区間)を介
して一対の油室が互いに連通することになる。
【0046】
【発明の効果】本発明の可変動弁機構は、一対の遅角側
または進角側油室を連通する遅角側または進角側油路が
ベーン部材を一直線に貫通しているので、一対の遅角側
または進角側油室を連通する油路を一度に加工できる。
この結果、加工工数および加工コストを低減できると共
に、油路の加工精度およびベーン部材の回転バランスを
向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるカム位相可変装置
を図2のI−I線に沿って示す断面図である。
【図2】図3のII−II線に沿うカム位相可変装置の
横断面図である。
【図3】ロック解除状態のカム位相可変装置を示す、図
4のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】カム位相可変装置の端面図である。
【図5】図2のV−V線に沿う断面図である。
【図6】カム位相可変装置の断面図である。
【図7】ロック状態のカム位相可変装置を示す、図6の
VII−VII線に沿う断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態によるカム位相可変装置
を図9のVIII−VIII線に沿って示す横断面図で
ある。
【図9】カム位相可変装置を図8のIX−IX線に沿っ
て示す断面図である。
【図10】カム位相可変装置の部分拡大断面図である。
【図11】図8のXI−XI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
4 カム 10 カムシャフト 11a、11b、12a、12b、13a、13b、1
4a、15a、15b、41、45a、46a、46b
油路 20 カムプーリ 30 ベーンハウジング 40 ベーンロータ 44 ベーン 47 進角側油室 48 遅角側油室 50 オイルコントロールバルブ 62 油ポンプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のクランク軸から回転力が伝達
    される回転伝達部材と一体回転可能な収容部材と、 上記収容部材内に配されるベーン部を有し、上記内燃機
    関の吸気弁または排気弁を開閉するカム部が形成された
    カムシャフトと一体回転可能でかつ上記収容部材に対し
    て相対回転可能なベーン部材と、 上記ベーン部と上記収容部材とで該収容部材の軸線を挟
    んで対向して形成される一対の遅角側油室および一対の
    進角側油室と、 上記ベーン部材を一直線に貫通し、上記一対の遅角側油
    室または上記一対の進角側油室を連通する遅角側油路ま
    たは進角側油路と、 上記遅角側油路または上記進角側油路を介して上記遅角
    側油室または上記進角側油室に油圧を選択的に供給する
    油圧供給手段とを備えることを特徴とする可変動弁機
    構。
JP7204598A 1998-03-20 1998-03-20 可変動弁機構 Withdrawn JPH11270316A (ja)

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ID=13478039

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100955586B1 (ko) 2002-04-19 2010-04-30 보그워너 인크. 가변 캠축 타이밍 장치용 페이저

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KR100955586B1 (ko) 2002-04-19 2010-04-30 보그워너 인크. 가변 캠축 타이밍 장치용 페이저

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Effective date: 20050607