JPH11268117A - スチレン系樹脂インフレーションフィルム,積層体及 び容器 - Google Patents

スチレン系樹脂インフレーションフィルム,積層体及 び容器

Info

Publication number
JPH11268117A
JPH11268117A JP10079344A JP7934498A JPH11268117A JP H11268117 A JPH11268117 A JP H11268117A JP 10079344 A JP10079344 A JP 10079344A JP 7934498 A JP7934498 A JP 7934498A JP H11268117 A JPH11268117 A JP H11268117A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
styrene
film
resin
laminate
polystyrene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10079344A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Uchida
隆明 内田
Masaki Kogure
真己 木暮
Keisuke Funaki
圭介 舟木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP10079344A priority Critical patent/JPH11268117A/ja
Priority to KR1019990010265A priority patent/KR19990078255A/ko
Priority to DE19913419A priority patent/DE19913419A1/de
Priority to TW88104852A priority patent/TW467937B/zh
Publication of JPH11268117A publication Critical patent/JPH11268117A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/30Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising vinyl (co)polymers; comprising acrylic (co)polymers

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱ラミネート時の加工性及び密着性、熱成形
性、面衝撃性に優れたインフレーションフィルム、及び
熱成形性、耐油性に優れ、リサイクル可能な積層体,さ
らに該積層体を成形して得た容器を提供する。 【解決手段】 シンジオタクチックポリスチレンを含む
材料からなり、MIが0.5以上かつ20以下であり、結
晶化温度が236℃未満であるものを成形して得た結晶
化度30%未満、かつ縦方向と横方向の破断伸度の和が
15%以上であるスチレン系樹脂インフレーションフィ
ルム。このフィルムからなる層(A)とスチレン系樹脂
シート層(B)からなる積層体。該積層体からなる容
器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチレン系樹脂イ
ンフレーションフィルム、積層体及び容器に関し、更に
詳しくは、主としてシンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体(以下、単に「シンジオタクチックポリ
スチレン」又は「SPS」と呼ぶことがある。)又はそ
の樹脂組成物からなり、特定の性質を有するSPSイン
フレーションフィルム及びそれを用いた積層体及び容器
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食生活の変化とともに弁当、惣菜
等のように再加熱調理されて食用に供される加工食品が
多用されるようになってきたが、その包装に用いられる
容器には樹脂が用いられている。これらの加工食品は食
用油を用いて調理されたものが多く、また、加工食品は
直接容器ごと電子レンジ等により加熱されることもあ
り、そのため包装材料として用いられる樹脂には、高い
耐熱油性が要求されている。さらには、環境的な配慮よ
り、再使用できるようリサイクル性も併せ持っているこ
とも求められている。
【0003】従来、かかる材料として、一般のポリスチ
レン系シート、発泡シート、ポリスチレン共重合体の耐
熱シート、耐熱発泡シート単体、一般のポリスチレン系
フィルム、ポリスチレン共重合体フィルム、ポリプロピ
レンフィルムとの積層体が用いられている。しかし、一
般のポリスチレン系フィルム・シートやポリスチレン共
重合体フィルム・シートは熱ラミネート性、熱成形性、
リサイクル性は良好であるが、耐熱性、耐熱油性が不十
分であるという欠点がある。また、ポリスチレンシート
とポリプロピレンフィルムとの積層体は耐熱油性は良好
であるが、リサイクル性という面で問題があった。特
に、加工食品用油としては、酸化安定性や消化吸収性の
点から、やし油やそれを原料とする中鎖グリセリド(M
CTオイル)が使用されているが、上記の材料からなる
容器では、耐熱油性が十分ではなく、容器にクラックが
発生する等の問題が生じている。
【0004】ところで、近年シンジオタクチックポリス
チレン(SPS)が発明され、高結晶化度を有するSP
Sは耐熱性、耐油性に優れていることが知られている
が、この高結晶化度のSPSは熱成形性が十分ではな
く、フィルムとしてラミネートした場合は熱ラミネート
密着性が不十分なものとなるという欠点がある。また、
SPSの延伸フィルムにおいても熱成形性が十分ではな
く、これらを熱成形して容器に用いることは困難であっ
た。
【0005】さらには、SPSと発泡PSとの積層体が
耐熱性、耐油性、リサイクル性に優れたものであること
が提案されているが(特開平5−269907号公
報)、この場合、用いているSPS層は結晶化度が高い
ものであり、熱ラミネート性及び熱成形性が悪いため剥
離しやすいという欠点があった。また低結晶化度のSP
SとPS系シートの積層体が、熱成形性が良好であり、
熱成形後のSPS層の結晶化度を向上させることによ
り、対フロン性効果を有するとして提案されている(特
開平5−111984号公報)が、この場合、用いられ
ている低結晶化度のSPSはインフレーションフィルム
ではないため伸びが小さく、熱成形された容器は機械物
性に劣るという欠点もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点から
なされたものであって、熱ラミネート時の加工性及び密
着性、熱成形性、面衝撃性に優れたインフレーションフ
ィルム、及び熱成形性、耐油性に優れ、リサイクル可能
な積層体,さらに該積層体を成形して得た容器を提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、主としてシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体及び該重合体を含む樹脂組成物から
なる低結晶性の特定のインフレーションフィルムが破断
のびや耐熱性,耐熱油性,熱ラミネート性,熱成形性等
に優れ、さらにかかる樹脂材料を用いて得た積層体が、
リサイクル性及び熱成形性に優れることから、容器の成
形用材料として好適であることを見いだした。本発明は
かかる知見に基づいて完成したものである。
【0008】即ち、本発明は、以下のスチレン系樹脂イ
ンフレーションフィルム、積層体及び容器を提供するも
のである。 (1)主としてシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体又は主としてシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体を含む樹脂組成物であって、300
℃,荷重2.16kg(10分)下でのメルトインデック
ス値(MI)が0.5以上かつ20以下であり、結晶化温
度が236℃未満であるものを成形して得たフィルムで
あって、結晶化度が30%未満であり、かつ縦方向と横
方向の破断伸度の和が15%以上であるスチレン系樹脂
インフレーションフィルム。 (2)少なくとも、上記(1)に記載のスチレン系樹脂
インフレーションフィルムからなる層(A)とスチレン
系樹脂シート層(B)とを積層してなる積層体。 (3)少なくとも、主としてシンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体又は主としてシンジオタクチッ
ク構造を有するスチレン系重合体を含む樹脂組成物を成
形してなるインフレーションフィルムであって、結晶化
温度が236℃未満であり、結晶化度が35%未満であ
るものからなる層(A)とスチレン系樹脂シート層
(B)とからなる積層体。 (4)スチレン系樹脂インフレーションフィルム層
(A)の厚みが20〜200μであり、スチレン系樹脂
シート層(B)の厚みが200〜4,000μである上記
(2)又は(3)に記載の積層体。 (5)スチレン系樹脂シート層(B)が、発泡スチレン
系樹脂である上記(2)〜(4)のいずれかに記載の積
層体。 (6)上記(2)〜(5)のいずれかに記載の積層体を
熱成形してなる容器。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。 I.スチレン系樹脂インフレーションフィルム 本発明にかかるスチレン系樹脂インフレーションフィル
ムは、以下に記す主としてシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体又は該スチレン系重合体を含む樹
脂組成物を公知のインフレーション成形方法により成形
することにより得ることができる。 1.主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン
系重合体 主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重
合体におけるシンジオタクチック構造とは、立体化学構
造がシンジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から
形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基が交互に
反対方向に位置する立体構造を有するものであり、その
タクティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C
-NMR) により定量される。13C−NMR法により測定
されるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位
の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場
合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示す
ことができるが、本発明にいう主としてシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体とは、通常はラセミ
ダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若し
くはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%
以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレ
ン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ( ハロゲン化スチ
レン) 、ポリ( ハロゲン化アルキルスチレン) 、ポリ
(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステ
ル)、これらの水素化重合体およびこれらの混合物、あ
るいはこれらを主成分とする共重合体を指称する。な
お、ここでポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ
(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ
(イソピルスチレン)、ポリ(ターシャリーブチルスチ
レン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルナフ
タレン)、ポリ(ビニルスチレン)などがあり、ポリ
(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレ
ン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレ
ン)などがある。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチ
レン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン)など、
またポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メチ
キシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)などがあ
る。
【0010】なお、これらのうち好ましいスチレン系重
合体としては、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレ
ン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−ターシ
ャリープチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレ
ン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオ
ロスチレン)、水素化ポリスチレン及びこれらの構造単
位を含む共重合体が挙げられる。特に好ましいスチレン
系重合体としては、p−メチルスチレン繰り返し単位を
3〜20モル%含有するスチレン−p−メチルスチレン
共重合体が挙げられる。
【0011】このような主としてシンジオタクチック構
造を有するスチレン系重合体は、例えば不活性炭化水素
溶媒中または溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水と
トリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、
スチレン系単量体( 上記スチレン系重合体に対応する単
量体) を重合することにより製造することができる(特
開昭62―187708号公報) 。また、ポリ(ハロゲ
ン化アルキルスチレン)については特開平1−4691
2号公報、これらの水素化重合体は特開平1−1785
05号公報記載の方法などにより得ることができる。 2.シンジオタクチックポリスチレンを含む樹脂組成物 本発明にかかるスチレン系樹脂インフレーションフィル
ム成形用材料としては、シンジオタクチックポリスチレ
ンだけではなく、シンジオタクチックポリスチレンを含
む樹脂組成物も、その成形用材料として用いることがで
きる。この樹脂組成物においては、(1)樹脂成分とし
てシンジオタクチックポリスチレンが含まれていればよ
いが、他の樹脂成分として、ゴム状弾性体及び/又はシ
ンジオタクチックポリスチレン以外の熱可塑性樹脂が挙
げられる。好ましい樹脂成分としては、シンジオタクチ
ックポリスチレンとして、p−メチルスチレン繰り返し
単位を3〜20モル%含有するスチレン−p−メチルス
チレン共重合体を用い、シンジオタクチックポリスチレ
ン以外の熱可塑性樹脂として、高圧法低密度ポリエチレ
ン等の分岐鎖タイプのポリマーを用いることである。こ
の場合、ゴム状弾性体としては特に制限はなく後述のも
のから適宜選択すればよい。
【0012】さらに(2)無機充填材、及び(3)各種
の添加剤、例えば、アンチブロッキング剤、酸化防止
剤、核剤、帯電防止剤、プロセスオイル、可塑剤、離型
剤、難燃剤、難燃助剤、顔料等を配合することができ
る。また、上記各成分の混練については、シンジオタ
クチックポリスチレン製造工程のいずれかの段階におい
てブレンドし溶融混練する方法や、組成物を構成する
各成分をブレンドし溶融混練する方法や、インフレー
ションフィルム成形時にドライブレンドし、インフレー
ション成形機の押出機中で混練するなど様々な方法で行
なえばよい。 (1)樹脂成分 樹脂成分中における配合割合については、シンジオタク
チックポリスチレンが10〜98重量%、好ましくは2
0〜98重量%、さらには40〜98重量%であり、ゴ
ム状弾性体及びシンジオタクチックポリスチレン以外の
熱可塑性樹脂の合計量が2〜90重量%、好ましくは2
〜80重量%、さらには2〜60重量%である。
【0013】ゴム状弾性体 ゴム状弾性体の具体例としては、例えば、天然ゴム、ポ
リブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ネ
オプレン、ポリスルフィドゴム、チオコールゴム、アク
リルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロ
ヒドリンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共
重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレ
ン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添加
スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、ス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SI
S)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体(SEPS)、またはエチレンプロピレンゴ
ム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPD
M)、直鎖状低密度ポリエチレン系エラストマー等のオ
レフィン系ゴム、あるいはブタジエン−アクリロニトリ
ル−スチレン−コアシェルゴム(ABS)、メチルメタ
クリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム
(MBS)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレー
ト−スチレン−コアシェルゴム(MAS)、オクチルア
クリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム
(MABS)、アルキルアクリレート−ブタジエン−ア
クリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(AAB
S)、ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(SB
R)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−シ
ロキサンをはじめとするシロキサン含有コアシェルゴム
等のコアシェルタイプの粒子状弾性体、またはこれらを
変性したゴム等が挙げられる。
【0014】シンジオタクチックポリスチレン以外の
熱可塑性樹脂 シンジオタクチックポリスチレン以外の熱可塑性樹脂と
しては、直鎖状高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリ
エチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクチッ
クポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレ
ン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレ
ン、ポリブテン、1,2−ポリブタジエン、4−メチル
ペンテン、環状ポリオレフィン及びこれらの共重合体に
代表されるポリオレフィン系樹脂、アタクチックポリス
チレン、アイソタクチックポリスチレン、HIPS、A
BS、AS、スチレンーメタクリル酸共重合体、スチレ
ンーメタクリル酸・アルキルエステル共重合体、スチレ
ンーメタクリル酸・グリシジルエステル共重合体、スチ
レンーアクリル酸共重合体、スチレンーアクリル酸・ア
ルキルエステル共重合体、スチレンーマレイン酸共重合
体、スチレンーフマル酸共重合体に代表されるはじめと
するポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートをは
じめとするポリエステル系樹脂、ポリアミド6、ポリア
ミド6,6をはじめとするポリアミド系樹脂、ポリフェ
ニレンエーテル、PPS等公知のものから任意に選択し
て用いることができる。なお、これらの熱可塑性樹脂は
一種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用
いることができる。
【0015】本発明にかかるスチレン系樹脂フィルムに
おいて、特に、その破断伸度、フィルムインパクトを発
現させるためには、好ましくは、SBR、SEB、SB
S、SEBS、SIR、SEP、SIS、SEPS、コ
アシェルゴム、EPM、EPDM、直鎖状高密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリ
エチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオ
タクチックポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、
ランダムポリプロピレン、ポリブテン、1,2−ポリブ
タジエン、4−メチルペンテン、環状ポリオレフィン及
びこれらの共重合体に代表されるポリオレフィン系樹
脂、アタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリ
スチレン、HIPS、ABS、AS、スチレンーメタク
リル酸共重合体、スチレンーメタクリル酸・アルキルエ
ステル共重合体、スチレンーメタクリル酸・グリシジル
エステル共重合体、スチレンーアクリル酸共重合体、ス
チレンーアクリル酸・アルキルエステル共重合体、スチ
レンーマレイン酸共重合体、スチレンーフマル酸共重合
体に代表されるポリスチレン系樹脂をシンジオタクチッ
クポリスチレンに対し、一種のみを単独で、または、二
種以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】またインフレーションフィルムのバブル安
定性を向上するためには、高圧法低密度ポリエチレン等
の分岐鎖タイプのポリマーを用いることが好適である。 (2)無機充填材 無機充填材としては、繊維状のものであると、粒状、粉
状のものであるとを問わない。繊維状充填材としては、
例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ウイスカ−等が挙げら
れる。形状としてはクロス状、マット状、集束切断状、
短繊維、フィラメント状、ウイスカ−等があるが、集束
切断状の場合、長さが0.05mm〜50mm、繊維径
が5〜20μmのものが好ましい。
【0017】一方、粒状、粉状充填材としては、例え
ば、タルク、カ−ボンブラック、グラファイト、二酸化
チタン、シリカ、マイカ、炭酸カルシウウム、硫酸カル
シウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネ
シウム、硫酸バリウム、オキシサルフェ−ト、酸化ス
ズ、アルミナ、カオリン、炭化ケイ素、金属粉末、ガラ
スパウダ−、ガラスフレ−ク、ガラスビ−ズ等が挙げら
れる。
【0018】上記のような各種充填材の中でも、特にガ
ラス充填材、例えばガラスパウダ−、ガラスフレ−ク、
ガラスビ−ズ、ガラスフィラメント、ガラスファイバ
−、ガラスロビング、ガラスマットが好ましい。また、
これらの充填材としては表面処理したものが好ましい。
表面処理に用いられるカップリング剤は、充填材と樹脂
との接着性を良好にするために用いられるものであり、
いわゆるシラン系カップリング剤、チタン系カップリン
グ剤等、従来公知のものの中から任意のものを選択して
用いることができる。中でもγ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のアミノシラ
ン、エポキシシラン、イソプロピルトリ(N−アミドエ
チル、アミノエチル)チタネ−トが好ましい。
【0019】また、フィルムフォ−マ−としては従来公
知のものを用いることができるが、中でも、ウレタン
系、エポキシ系、ポリエ−テル系等が好ましく用いられ
る。なお、これらの無機充填材については一種のみを単
独で、または、二種以上を組み合わせて用いることがで
きる。無機充填剤の配合量については、前記樹脂成分1
00重量部に対し、1〜350重量部である。 (3)各種添加剤 本発明の目的を阻害しない限り、以下に例示する各種の
添加剤を配合することができる。
【0020】アンチブロッキング剤(AB剤) アンチブロッキング剤としては、以下のような無機粒子
又は有機粒子が挙げられる。無機粒子としては、IA
族、IIA族、IVA族、VIA族、VIIA族、VI
II族、IB族、IIB族、IIIB族、IVB族元素
の酸化物、水酸化物、硫化物、窒素化物、ハロゲン化
物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機
カルボン酸塩、珪酸塩、チタン酸塩、硼酸塩及びそれら
の含水化合物、それらを中心とする複合化合物及び天然
鉱物粒子が挙げられる。
【0021】具体的には、弗化リチウム、ホウ砂(硼酸
ナトリウム含水塩)等のIA族元素化合物、炭酸マグネ
シウム、燐酸マグネシウム、酸化マグネシウム(マグネ
シア)、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、弗化マ
グネシウム、チタン酸マグネシウム、珪酸マグネシウ
ム、珪酸マグネシウム含水塩(タルク)、炭酸カルシウ
ム、燐酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム(石膏)、酢酸カルシウム、テレフタル酸カルシウ
ム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、弗化カルシウ
ム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、炭
酸バリウム、燐酸バリウム、硫酸バリウム、亜硫酸バリ
ウム等のIIA族元素化合物、二酸化チタン(チタニ
ア)、一酸化チタン、窒化チタン、二酸化ジルコニウム
(ジルコニア)、一酸化ジルコニウム等のIVA族元素
化合物、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン、硫化モ
リブデン等のVIA族元素化合物、塩化マンガン、酢酸
マンガン等のVIIA族元素化合物、塩化コバルト、酢
酸コバルト等のVIII族元素化合物、沃化第一銅等の
IB族元素化合物、酸化亜鉛、酢酸亜鉛等のIIB族元
素化合物、酸化アルミニウム(アルミナ)、水酸化アル
ミニウム、弗化アルミニム、アルミナシリケート(珪酸
アルミナ、カオリン、カオリナイト)等のIIIB族元
素化合物、酸化珪素(シリカ、シリカゲル)、石墨、カ
ーボン、グラファイト、ガラス等のIVB族元素化合
物、カーナル石、カイナイト、雲母(マイカ、キンウン
モ)、バイロース鉱等の天然鉱物の粒子が挙げられる。
【0022】有機粒子としては、テフロン、メラミン系
樹脂、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、アクリル
系レジン及びおよびそれらの架橋体が挙げられる。ここ
で、用いる無機粒子の平均粒径は0.1〜10μm、添
加量は前記樹脂成分100重量部に対し、0.01〜15
重量部が好ましい。なおこれらの無機充填材は一種のみ
を単独または二種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0023】酸化防止剤 酸化防止剤としてはリン系、フェノール系、イオウ系等
公知のものから任意に選択して用いることができる。な
お、これらの酸化防止剤は一種のみを単独で、または、
二種以上を組み合わせて用いることができる。 核剤 核剤としてはアルミニウムジ(p−t−ブチルベンゾエ
ート)をはじめとするカルボン酸の金属塩、メチレンビ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)アシッドホス
フェートナトリウムをはじめとするリン酸の金属塩、タ
ルク、フタロシアニン誘導体等、公知のものから任意に
選択して用いることができる。なお、これらの核剤は一
種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用い
ることができる 可塑剤 可塑剤としてはポリエチレングリコール、ポリアミドオ
リゴマー、エチレンビスステアロアマイド、フタル酸エ
ステル、ポリスチレンオリゴマー、ポリエチレンワック
ス、シリコーンオイル等公知のものから任意に選択して
用いることができる。なお、これらの可塑剤は一種のみ
を単独で、または、二種以上を組み合わせて用いること
ができる。
【0024】離型剤 離型剤としてはポリエチレンワックス、シリコーンオイ
ル、長鎖カルボン酸、長鎖カルボン酸金属塩等公知のも
のから任意に選択して用いることができる。なお、これ
らの離型剤は一種のみを単独で、または、二種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0025】プロセスオイル 本発明においては、伸度の向上のために、さらに40℃
での動粘度が15〜600センチストークス(cs)で
あるプロセスオイルを配合することが好ましい。プロセ
スオイルは油種により、パラフィン系オイル、ナフテン
系オイル、アロマ系オイルに大別されるが、この中でも
n−d−M法で算出されるパラフィン(直鎖)に関わる
炭素数の全炭素数に対する百分率が60%Cp以上のパ
ラフィン系オイルが好ましい。
【0026】プロセスオイルの粘度としては、40℃で
の動粘度が15〜600csが好ましく、15〜500
csが更に好ましい。プロセスオイルの動粘度が15c
s未満では伸度向上効果があるものの、沸点が低くSP
Sとの溶融混練、及び成形時に白煙、ガス焼け、ロール
付着等の発生原因になる。また動粘度が600csを超
えると、白煙ガス焼け等は抑制されるものの、伸度向上
効果に乏しい。
【0027】上記プロセスオイルの添加量としては、前
記樹脂組成物中の樹脂成分の総和100重量部に対し
て、0.01〜1.5重量部が好ましく、0.05〜
1.4重量部がより好ましく、0.1〜1.3重量部が
更に好ましい。添加量が0.01重量部未満ではプロセ
スオイル添加の伸度向上効果が期待できず、また1.5
重量部よりを超えると、高粘度のプロセスオイルを用い
ても白煙、ガス焼け等の抑制が困難になるおそれがあ
る。
【0028】なおこれらのプロセスオイルは一種のみを
単独または、二種以上を組み合わせて用いることができ
る。。 3.シンジオタクチックポリスチレン又はそれを含む樹
脂組成物の性状 本発明にかかるスチレン系樹脂インフレーションフィル
ム成形に用いるシンジオタクチックポリスチレン又はそ
れを含む樹脂組成物においては、次の性状を満たしてい
ることが必要である。 (1)温度300℃、荷重2.16kg(10分)の条件
で測定したメルトインデックス値(MI)が、0.5以
上、20以下、好ましくは1以上、15以下であるこ
と。
【0029】MIが0.5未満である場合、押出成形性が
悪化し、メルトフラクチャー等のフィルムの外観不良が
生じやすい。また、MIが20を超える場合、バブルが
不安定になる等、インフレーション成形性が悪化し、得
られるフィルムの厚み均一性不良、表面のしわの発生等
が生じやすいばかりでなく、インフレーションによる配
向効果が得にくく、破断伸度、フィルムインパクトが不
十分となるおそれがある。 (2)結晶化温度が236℃未満、好ましくは230℃
未満であること。
【0030】結晶化温度(Tc)とは、示差走査熱量計
(DSC)を用い、300℃から20℃/分の速度で降
温させたときの結晶化ピーク温度を言う。結晶化温度が
236℃を超えると、結晶化度30%未満のインフレー
ションフィルムが得られにくくなるおそれがある。 4.本発明にかかるスチレン系樹脂インフレーションフ
ィルムの性状 (1)結晶化度が30%未満、好ましくは25%未満、
さらに好ましくは20%未満であること。
【0031】結晶化度(Xc)が30%以上であると、
熱ラミネーションにおけるラミ密着性が不十分であるば
かりでなく、熱成形性時の型再現性が不良となりやす
く、また容器として加熱使用する際にラミ表面にふくれ
を生じ易くなるおそれがある。 (2)フィルムの縦方向と横方向の破断伸度の和が15
%以上、好ましくは20%以上であること。
【0032】15%未満であると、熱ラミネーション加
工適性、熱成形時の型再現性が不良となりやすく、かつ
熱成形品の面衝撃性が低下するおそれがある。 5.本発明にかかるスチレン系樹脂インフレーションフ
ィルムの製造方法 公知のインフレーション成形を用いて行なえばよいが、
好適な具体的方法としては、例えば、以下に示す方法が
挙げられる。
【0033】まずシンジオタクチックポリスチレン又は
その組成物を270〜320℃で円環ダイより溶融押出
する。ここで押出時のスクリューは単軸、二軸のいずれ
でもよく、円環ダイのリップ開度は0.5〜2.0mmが好
ましい。ここでダイスからの押出方向は上方向(上吹
き)、下方向(下吹き)のいずれでもよい。なお、ダイ
出口速度は押出量とダイ口径およびダイギャップを選択
することにより調整でき、1m/分以上であることが好
ましい。ダイスから押出された後、引き取りニップロー
ル間に形成されるバブル内に封入する気体圧力によりブ
ローされ、引き取りによりドローされた後、ニップロー
ルにより折りたたまれることによりインフレーションフ
ィルムを得ることができる。バブル温度の冷却及びバブ
ル安定化のために一般的にエアリングと称される環状の
ノズルをダイ出口付近から巻き取りニップロールの間に
1つ以上設けることが好ましく、吹き出しエアーの温度
は100℃以下が好ましい。また、バブル安定板に保温
材を設けてもよいがフロスト高さ以上で保温材に接触さ
せることが好ましい。
【0034】ブロー開始高さのバブル表面温度は290
度以下が好ましく、ブロー比(ブロー後のフィルム径/
ダイス径)が3.5以下、ドロー比(巻き取り速度/ダイ
出口の溶融樹脂の法線速度)が5以上であることが好ま
しい。ブロー開始高さのバブル表面温度は290度を超
えるか又はブロー比が3.5を越えるとフィルムの結晶化
が促進される場合があり、ドロー比が5未満である場合
は、フィルムの破断伸度が低くなりやすくなる。
【0035】さらに上記のいずれの方法においても、ニ
ップロールにおける折り畳み時のフィルム表面温度は、
50〜130℃であることがフィルムの外観上好まし
い。フィルム表面温度が50℃未満であるとフィルムに
しわが生じ易く、130℃を超えるとフィルムがブロッ
キングを生じやすい。尚、ブロー開始高さのバブル表面
温度、ニップ時のフィルム表面温度は、ダイ出口速度
(ダイリップ面積/押出量)、引き取り速度、ブロー
比、エアリング風量、温度等により調整することができ
る。またこれらの表面温度は赤外線方式等の非接触温度
計にて測定することができる。 II. 積層体 本発明にかかる積層体は、少なくとも、前記シンジオタ
クチックポリスチレン又は前記シンジオタクチックポリ
スチレンを含む樹脂組成物を成形してなるインフレーシ
ョンフィルム層(A)と、スチレン系樹脂シート層
(B)とを積層させてなるものである。 (1)インフレーションフィルム層(A) インフレーションフィルム層(A)は、前記シンジオタ
クチックポリスチレン又は前記シンジオタクチックポリ
スチレンを含む樹脂組成物からなり、300℃,荷重
2.16kg(10分)下でのメルトインデックス値(M
I)が0.5以上かつ20以下であり、結晶化温度が23
6℃未満である材料をインフレーション成形して得たフ
ィルムであって、結晶化度が30%未満であり、かつ縦
方向と横方向の破断伸度の和が15%以上であるスチレ
ン系樹脂インフレーションフィルムが好ましく用いられ
る。さらには前記シンジオタクチックポリスチレン又は
前記シンジオタクチックポリスチレンを含む樹脂組成物
を成形して得たインフレーションフィルムであって、イ
ンフレーションフィルムであって、結晶化温度が236
℃未満であり、結晶化度が35%未満であるものも用い
ることができる。結晶化度が35%を超えると熱成形不
良が生じ易く、熱成形時の型再現性不足、層剥離が生じ
やすい。
【0036】インフレーションフィルム層(A)の厚さ
は、20μ以上200μ以下であることが好ましい。2
0μ未満の場合は本発明の目的とする耐熱油性が十分で
なくなるおそれがあり、200μを超えると、このA層
の結晶化度を抑制しにくくなり、結果として熱成形不良
を生じやすくなる。 (2)シート層(B) シート層(B)はスチレン系樹脂を成形してなるもので
あればよく、特に問わない。リジッドシート、発泡シー
トのいずれでもよい。スチレン系樹脂としては、例え
ば、アタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリ
スチレン、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)の
ような一般的なポリスチレンや、アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン系樹脂(ABS樹脂)、アクリロニ
トリル−スチレン系樹脂(AS樹脂)、スチレンーメタ
クリル酸共重合体、スチレンーメタクリル酸・アルキル
エステル共重合体、スチレンーメタクリル酸・グリシジ
ルエステル共重合体、スチレンーアクリル酸共重合体、
スチレンーアクリル酸・アルキルエステル共重合体、ス
チレンーマレイン酸共重合体、スチレンーフマル酸共重
合体のような、いわゆる耐熱性ポリスチレンが挙げられ
る。シート層(B)としては、熱伝導性、軽量性等の実
用的な観点から発泡ポリスチレンが好ましく、中でも発
泡耐熱ポリスチレンがより好ましく用いられる。
【0037】さらには、これらのスチレン系樹脂とポリ
フェニレンエーテル(PPO)を70重量%以上含む樹
脂組成物も用いることができる。スチレン系樹脂シート
層(B)の厚さは200μ〜4,000μであることが好
ましい。200μ未満では容器の剛性が不足し、結果と
して耐熱油性が不十分となる場合があり、4,000μを
超えると熱成形不良が生じ易くなるおそれがある。スチ
レン系樹脂シート層(B)が発泡シートである場合、発
泡倍率が3〜100倍のものが好適である。 (3)本発明にかかる積層体は、少なくとも、前記イン
フレーションフィルム層(A)とスチレン系樹脂シート
層(B)とが積層されたものであればよく、これら2層
の他に、必要に応じて、2層間の中間層として又は2層
の外層として、1又は複数の他の層が積層されていても
よい。 (4)積層体の製造方法 本発明にかかる積層体の製造方法としては特に制限はな
く、公知の方法を用いればよいが、積層後のインフレー
ションフィルム層の結晶化を抑制し、結晶化度を35%
未満にすることが必要である。例えば、機械物性が良好
である点から、前記インフレーションフィルム層(A)
とシート層(B)の熱ラミネーション(120〜220
℃)が好ましく用いられる。 III.容器 本発明にかかる容器は、前記積層体を熱成形することに
よって得られるものであり、熱成形方法としては、例え
ば、真空成形,圧空成形,真空圧空成形,熱板成形等の
公知の方法を用いることができる。またプラグ等を用い
てもよい。熱成形の金型についても、特に制限はなく、
凸型のみ、凹型のみ、凸型と凹型の併用等を用いること
ができ、積層シートの表面を100〜230℃に加熱
後、熱成形する方法が好適である。型温度は前記スチレ
ン系樹脂シート層(B)が接触する場合は20〜180
℃、シンジオタクチックポリスチレン又はその組成物か
らなるインフレーションフィルム層(A)が接触する場
合は20〜220℃の範囲が好適であり、熱成形方法、
成形品の形状、積層体の厚み・層比、各層の組成等によ
り適宜選択することができる。
【0038】
〔インフレーションフィルムの評価方法〕
(1)結晶化度 フィルムを示差走査熱量計にて20℃/分の速度で昇温
することにより測定して得た融解エンタルピー(ΔH
f)及び冷結晶化のエンタルピー(ΔHTcc )の値よ
り、次式にて算出した。
【0039】結晶化度(%)=100× (ΔHf−ΔH
Tcc )/53(J/g) (2)破断伸度 JIS Z1702に準拠して測定 (3)熱ラミネーション特性 試料となるフィルムとポリスチレンシートを重ね、試料
となるフィルム側より180℃の温度、2kg重/cm
2 の圧力で2秒間でプレスした後、試料となるフィルム
層を引き剥がし、下記に基準にてラミネーション密着性
を評価した。
【0040】 ○ :層剥離せずフィルムそのものが破壊(破断、引裂
け)した場合 △ :フィルム層は剥離するが、剥離表面が荒れている
場合 × :容易に層剥離し、各基材表面がほとんど積層前と
変化がない場合 (4)耐熱油性 直径100mmφの円形にカットし、ロートに挿入後、
100℃の環境でMCTオイル(中鎖グリセリド(MCT
オイル))を10cc入れ、油もれするまでの時間にて
評価した。
【0041】 ◎ : 漏れるまでの時間が120分以上の場合 ○ : 漏れるまでの時間が20分以上の場合 △ : 漏れるまでの時間が5分以上の場合 × : 漏れるまでの時間が5分未満の場合 〔積層体、容器の評価方法〕 (1)SPS又はその樹脂組成物層におけるフィルム層
(A)の結晶化度 フィルムにおける上記の測定法と同様に行なった。 (2)熱成形性 積層シートの表面温度が110〜180℃になるように
加熱後、プラグアシスト・真空圧空成形法にて型温度8
0℃で、長辺15cm、短辺8cm、深さ3cmであ
る、SPS又はその樹脂組成物層におけるフィルム層
(A)層が内面であるグラタン容器を成形した。
【0042】 ○ :層剥離せずに、型再現性よく成形可能 × :層剥離あるいは、型再現性が不良 (3)耐熱油性 120℃のサラダオイルを含ませたキッチンタオル片
5×5×3mmを容器内面の底面及び側面へ貼付し、5
分後の成形品を観察した。
【0043】 ○:底面および側面ともに容器変形、穴空きなし ×:底面あるいは側面に容器変形あるいは穴空きが生じ
た。 〔用いた原料〕 (1)シンジオタクチックポリスチレン 以下、MIは300℃、1.2kgでの値である。
【0044】・SPS1: シンジオタクチックポリ
(スチレン−p−メチルスチレン)共重合体(p−メチ
ルスチレン含有量12モル%),MI=3 ・SPS2: シンジオタクチックポリスチレンホモポ
リマー,MI=3 ・SPS3: シンジオタクチックポリスチレンホモポ
リマー,MI=13 ・SPS4: シンジオタクチックポリ(スチレン−p
−メチルスチレン)共重合体(p−メチルスチレン含有
量7モル%),MI=14 これらのシンジオタクチックポリスチレンは、例えば、
不活性炭化水素溶媒中又は溶媒の存在下に、チタン化合
物及び水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触
媒として製造することができる(特開昭62−1877
08号公報,特開昭62−104818号公報参照)。 (2)ゴム状弾性体 ・SEBS1 : SEBSタイプエラストマー 旭化成工業社製 タフテック H1081 ・SEBS2 : SEBSタイプエラストマー クラレ社製 SeptonKL8006 (3)熱可塑性樹脂 ・GPPS: 汎用ポリスチレン、出光石油化学製 H
H30E ・耐熱PS: 耐熱性ポリスチレン 大日本インキ化学工業製 リューレックスA-15 ・HIPS: ハイインパクトポリスチレン 出光石油化学製 ET63 ・PE1 : 高圧法低密度ポリエチレン 日本ポリケム製 ノバテック LD HE30 ・PE2 : 高圧法低密度ポリエチレン 日本ポリケム製 ノバテック LD LH100N ・PE3 : 超低密度ポリエチレン 日本ユニカー製 ナフレックス DFDA−1138 ・PE4 : 超低密度ポリエチレン 日本ユニカー製 ナフレックス DFDA−1210 ・PE5 : 低密度ポリエチレン デュポン・ダウエラストマー製 ENGAGE 815
0 ・PE6 : 高圧法低密度ポリエチレン 日本ポリケム製 ノバテックLD LF 405M ・PPO : ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレンエーテル) 25℃のクロロホルム中での固有粘度 0.55dL/g 〔実施例1〕SPS1を70wt%、PE1を24wt
%、SEBS1を6wt%、酸化防止剤としてチバガイ
ギー社製,Irganox1010、旭デンカ社製,P
EP36、住友化学製,スミライザーGSをそれぞれS
PS成分に対し0.1重量部配合し、ドライブレンドした
後、65mmφ二軸押出機にて溶融混練してペレットを
得た。
【0045】得られたペレットの300℃、2.16k
g、10分のメルトフローインデックス(MI)7、示
差走査熱量計(DSC)にて測定した結晶化温度(Tc)
は184℃であった。該ペレットを用いて、50mmφ
単軸(ダルメージタイプスクリュー)押出機に50mm
φ、ギャップ1mmの円環ダイを取り付け、押出量10
kg・hrにて300℃で溶融押出し、ブロー比2.0、
ドロー比8.3となるように調整し30μ厚みのインフレ
ーションフィルムを得た。なおインフレーション成形時
はエアーリングを用い、安定板には保温材を取り付けバ
ブルを安定化させた。バブルのブロー開始高さのバブル
表面温度、ニップ直前のバブルの表面温度を赤外線式非
接触温度計にて測定したところ、それぞれ240℃、1
02℃であった。
【0046】得られたインフレーションフィルムの特性
および実用特性を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】〔実施例2〜3〕押出量、ブロー比、ドロ
ー比を変更したことの他は実施例1と同様にした。結果
を表1に示す。 〔実施例4〜11,及び比較例1,2〕表1に示すよう
に材料組成を変更した各種の混練材料を調製し、各種イ
ンフレーションフィルムを得た。
【0049】なお、比較例1においては、アンチブロッ
キング剤としてタルク(浅田製粉社製,商品名タルクF
FR)を、樹脂成分100重量部に対し、0.5重量部加
えた。結果を表1に示す。 〔実施例12〕実施例1と同様な組成でドライブレンド
した材料を用い、予めペレットを作ることなく、直接イ
ンフレーション成形を行った。結果を表1に示す。 〔実施例13〕実施例1で得たインフレーションフィル
ムと厚さ2,000μ、発泡倍率10倍の発泡ポリスチレ
ンシート(日本スチレンペーパー社製,商品名A18
0)を160℃で熱ラミネーションし、総厚み3,000
μの積層体を得た。
【0050】この積層体において、インフレーションフ
ィルム層を引き剥がし、結晶化度を測定した。またこの
積層体の熱成形性、及びこの積層体を用いて成形して得
た熱成形容器の耐熱油性を評価した。結果を表2に示
す。
【0051】
【表2】
【0052】〔実施例14〜17、比較例3〜4及び6
〜7〕表2に示すように、積層体におけるインフレーシ
ョンフィルムとして、実施例3,8,9,10及び比較
例1,2で得たインフレーションフィルム、又は市販の
一般ポリスチレンフィルム又は、耐熱ポリスチレンフィ
ルムを用いたことの他は実施例13と同様にした。結果
を表2に示す。 〔実施例18〕ハイインパクトポリスチレン(出光石油
化学製HIPS ET 63)を用いて、一般的なシート成
形法により厚さ270μのシートを作製した。このシー
トと実施例1のインフレーションフィルムを150℃で
熱ラミネーションして積層体を得た。この積層体の結晶
化度、熱成形性および熱成形容器の耐熱油性、結晶化度
を表2に示す。 〔実施例19、比較例5〕実施例8又は比較例2のイン
フレーションフィルムを用いたことの他は実施例18と
同様にした。結果を表3に示す。 〔実施例20〕実施例9のインフレーションフィルムと
耐熱ポリスチレン(大日本インキ化学工業製 リューレ
ックスA−15)から作製したシートを用い、熱ラミネ
ーション温度を180℃にしたことの他は実施例18と
同様にした。結果を表3に示す。 〔実施例21〕ハイインパクトポリスチレン(出光石油
化学製HIPS ET 63)とPPOを7:3の比率で混
練しながらシートを作製した。このシートと実施例10
のインフレーションフィルムを用いたことの他は実施例
18と同様にした。結果を表3に示す。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、破断のびや耐熱性,耐
熱油性,熱ラミネート性,熱成形性等に優れたスチレン
系樹脂インフレーションフィルム、またかかる樹脂フィ
ルムを用いてリサイクル性及び熱成形性に優れた積層
体、さらにこの積層体を用いることにより、耐熱性,耐
熱油性に優れた加工食品等の包装用として好適な容器を
得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 25:00 B29L 7:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてシンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体又は主としてシンジオタクチック構
    造を有するスチレン系重合体を含む樹脂組成物であっ
    て、300℃,荷重2.16kg(10分)下でのメルト
    インデックス値(MI)が0.5以上かつ20以下であ
    り、結晶化温度が236℃未満であるものを成形して得
    たフィルムであって、結晶化度が30%未満であり、か
    つ縦方向と横方向の破断伸度の和が15%以上であるス
    チレン系樹脂インフレーションフィルム。
  2. 【請求項2】 少なくとも、請求項1に記載のスチレン
    系樹脂インフレーションフィルムからなる層(A)とス
    チレン系樹脂シート層(B)とを積層してなる積層体。
  3. 【請求項3】 少なくとも、主としてシンジオタクチッ
    ク構造を有するスチレン系重合体又は主としてシンジオ
    タクチック構造を有するスチレン系重合体を含む樹脂組
    成物を成形してなるインフレーションフィルムであっ
    て、結晶化温度が236℃未満であり、結晶化度が35
    %未満であるものからなる層(A)とスチレン系樹脂シ
    ート層(B)とからなる積層体。
  4. 【請求項4】 スチレン系樹脂インフレーションフィル
    ム層(A)の厚みが20〜200μであり、スチレン系
    樹脂シート層(B)の厚みが200〜4,000μである
    請求項2又は3に記載の積層体。
  5. 【請求項5】 スチレン系樹脂シート層(B)が、発泡
    スチレン系樹脂である請求項2〜4のいずれかに記載の
    積層体。
  6. 【請求項6】 請求項2〜6のいずれかに記載の積層体
    を熱成形してなる容器。
JP10079344A 1998-03-26 1998-03-26 スチレン系樹脂インフレーションフィルム,積層体及 び容器 Pending JPH11268117A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10079344A JPH11268117A (ja) 1998-03-26 1998-03-26 スチレン系樹脂インフレーションフィルム,積層体及 び容器
KR1019990010265A KR19990078255A (ko) 1998-03-26 1999-03-25 스티렌계 수지 인플레이션 필름, 이의 적층체 및 이를 사용하여 제조된 용기
DE19913419A DE19913419A1 (de) 1998-03-26 1999-03-25 Styrolharzschlauchfolie, Laminat und Behälter
TW88104852A TW467937B (en) 1998-03-26 1999-03-26 Styrene resin tubular film, laminate, and container

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10079344A JPH11268117A (ja) 1998-03-26 1998-03-26 スチレン系樹脂インフレーションフィルム,積層体及 び容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11268117A true JPH11268117A (ja) 1999-10-05

Family

ID=13687297

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10079344A Pending JPH11268117A (ja) 1998-03-26 1998-03-26 スチレン系樹脂インフレーションフィルム,積層体及 び容器

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JPH11268117A (ja)
KR (1) KR19990078255A (ja)
DE (1) DE19913419A1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002113756A (ja) * 2000-10-05 2002-04-16 Idemitsu Petrochem Co Ltd 透明スチレン系樹脂成形体の製造方法及び透明スチレン系樹脂成形体
JP2003073486A (ja) * 2001-09-04 2003-03-12 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリスチレン系樹脂フィルム、これを用いたラベル、及び容器
WO2003097354A1 (fr) * 2002-05-17 2003-11-27 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Film a base de polystyrene syndiotactique oriente
JP4644349B2 (ja) * 2000-10-12 2011-03-02 出光興産株式会社 スチレン系樹脂組成物及びその成形体
JP2017075210A (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 デンカ株式会社 熱可塑性樹脂シートおよびこれを用いた容器
JP2018123280A (ja) * 2017-02-03 2018-08-09 古河電気工業株式会社 接着性組成物及びこれを用いた接着性フィルム

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6451917B1 (en) * 1998-10-29 2002-09-17 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Styrene resin material
SG96626A1 (en) * 2000-06-29 2003-06-16 Rexam Med Packaging Ltd Polymeric films and packages produced therefrom
KR100967806B1 (ko) * 2008-07-04 2010-07-05 (주)반도 폴리올레핀 발포필름의 제조방법 및 상기 방법으로 제조된발포필름
GB201122017D0 (en) 2011-12-20 2012-02-01 Styron Europe Gmbh Process for preparing polystyrene having a high melt flow rate
JP6777508B2 (ja) * 2016-11-16 2020-10-28 倉敷紡績株式会社 ポリスチレン系フィルムおよび多層フィルム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002113756A (ja) * 2000-10-05 2002-04-16 Idemitsu Petrochem Co Ltd 透明スチレン系樹脂成形体の製造方法及び透明スチレン系樹脂成形体
JP4644349B2 (ja) * 2000-10-12 2011-03-02 出光興産株式会社 スチレン系樹脂組成物及びその成形体
JP2003073486A (ja) * 2001-09-04 2003-03-12 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリスチレン系樹脂フィルム、これを用いたラベル、及び容器
WO2003097354A1 (fr) * 2002-05-17 2003-11-27 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Film a base de polystyrene syndiotactique oriente
JP2017075210A (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 デンカ株式会社 熱可塑性樹脂シートおよびこれを用いた容器
JP2018123280A (ja) * 2017-02-03 2018-08-09 古河電気工業株式会社 接着性組成物及びこれを用いた接着性フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
DE19913419A1 (de) 1999-11-18
KR19990078255A (ko) 1999-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3080671B2 (ja) 積層体
JP5933478B2 (ja) 積層発泡シート
JPH11268117A (ja) スチレン系樹脂インフレーションフィルム,積層体及 び容器
JP2001310428A (ja) 積層フィルムおよびその用途
JP5883308B2 (ja) 熱可塑性多層樹脂シート及び成形容器
JP2000038461A (ja) 離型フィルム
JP2000094599A (ja) 耐熱油性発泡容器
JP2001310422A (ja) 離型フィルム
JP2000000886A (ja) スチレン系樹脂インフレーションフィルム及びその製造方法
JP4059415B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡体/ポリオレフィン系樹脂多層体
JP2008031236A (ja) 熱可塑性樹脂製発泡シート、およびこの発泡シート製容器
JP3851651B2 (ja) 高密度ポリエチレン樹脂製発泡シート、およびこのシート製容器の製造方法
TW467937B (en) Styrene resin tubular film, laminate, and container
JP2016193539A (ja) 熱成型用多層シート及びその製造方法、並びに加熱用容器
WO1999014266A1 (fr) Materiau de resine pour le moulage de mousse, feuille de mousse obtenue et son procede de fabrication
JP4338114B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡体/ポリオレフィン系樹脂多層体
JP7457619B2 (ja) ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、およびポリスチレン系樹脂積層発泡容器
JP2012006356A (ja) 熱可塑性樹脂積層発泡シート、及び、容器
JP4213516B2 (ja) 発泡成形品
JP4494664B2 (ja) スチレン系樹脂積層フィルム及び包装体
JP4422985B2 (ja) スチレン系樹脂発泡シート、成形容器およびその製造方法
JP2008074951A (ja) 耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シート、耐熱シート及びその製造方法並びに食品用容器
JP2000185251A (ja) マスキングカバー
JP2000026679A (ja) 熱可塑性樹脂シート
JP2023079814A (ja) ポリスチレン系樹脂発泡シート、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、および、ポリスチレン系樹脂発泡容器。