JPH11267194A - 生体用リン酸カルシウムセメント組成物 - Google Patents

生体用リン酸カルシウムセメント組成物

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JPH11267194A
JPH11267194A JP10077815A JP7781598A JPH11267194A JP H11267194 A JPH11267194 A JP H11267194A JP 10077815 A JP10077815 A JP 10077815A JP 7781598 A JP7781598 A JP 7781598A JP H11267194 A JPH11267194 A JP H11267194A
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JP
Japan
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calcium phosphate
base material
calcium
cement composition
calcium titanate
Prior art date
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Pending
Application number
JP10077815A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsugio Sato
次雄 佐藤
Yoshinobu Fujishiro
芳伸 藤代
Kentaro Takahashi
健太郎 高橋
Minoru Yasuki
稔 安喜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体親和性に優れ、かつ高い強度を有し、強
度のばらつきが少なく、練和時における操作性に優れた
生体用リン酸カルシウムセメント組成物を得る。 【解決手段】 リン酸カルシウムを主成分とする基材
と、混和溶媒とからなる生体用リン酸カルシウムセメン
ト組成物であり、基材としてさらにチタン酸カルシウム
繊維を含有させたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、骨欠損部もしくは
骨空隙部の充填剤、または歯牙根管部の充填剤などに利
用可能な生体用リン酸カルシウムセメント組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】天然骨は、形状が複雑で、手術中、骨欠
損部に合わせて金属やセラミックスを成形し、インプラ
ントすることは非常に難しい。そのため、成形性に優れ
た、骨と人工材料間の隙間を充填する材料が必要とされ
ている。このような材料として、水と練和することによ
り硬化するリン酸カルシウムセメントが従来より知られ
ている(特開昭64−37445号公報等)。
【0003】しかしながら、リン酸カルシウムセメント
は、天然骨と比べると、機械的特性が低く、荷重の加わ
る部位へ応用する場合に問題があった。このようなリン
酸カルシウムセメントの強度を向上させることを目的と
して、セメント中に繊維状物質を混合したセメント組成
物が種々提案されている。例えば、特開昭59−161
307号公報においては、アパタイトと酸化亜鉛からな
る粉剤にナイロン繊維を混合したセメント組成物が提案
されている。このような組成物によれば、セメントの物
性は向上するものの、分解物の生体内への溶出により安
全性の点に問題がある。また、特開平2−167171
号公報においては、PMMAを主成分とする骨セメント
に、アパタイト綿状体を混合し、該骨セメントの物性を
向上させる方法が開示されている。しかしながら、この
ようなPMMAを主成分とする骨セメントは、それ自体
の生体親和性に問題がある。
【0004】また、特開平4−314449号公報に
は、第3リン酸カルシウムと第2リン酸カルシウムにア
パタイトウィスカーを混合した生体用リン酸カルシウム
セメントが提案されている。このような生体用リン酸カ
ルシウムによれば、生体親和性を高めることができる
が、製造工程が複雑であるため、操作性に劣り、また得
られる硬化物において物性のばらつきが大きく、またマ
トリックスと同質のウィスカー材であるアパタイトウィ
スカーが用いられているため、十分な補強効果が得られ
ていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
生体用リン酸カルシウムセメントにおいては、十分な機
械的強度を有するものがなく、機械的強度の改善が要望
されている。
【0006】本発明の目的は、生体親和性に優れ、かつ
高い強度を有し、強度のばらつきが少なく、練和時にお
ける操作性に優れた生体用リン酸カルシウムセメント組
成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、リン酸カルシ
ウムを主成分とする基材と、混和溶媒とからなる生体用
リン酸カルシウムセメント組成物であり、基材としてさ
らにチタン酸カルシウム繊維を含有させたことを特徴と
している。
【0008】本発明の生体用リン酸カルシウムセメント
組成物において、基材の主成分として用いられるリン酸
カルシウムは、水または擬似体液の存在下にて反応し、
ハイドロキシアパタイト(Ca10(PO4 6 (OH)
2 )を生成し硬化する成分であれば特に限定されない
が、例えば、α−TCP(α−Ca3 (PO4 2 )、
β−TCP(β−Ca3 (PO4 2 )、α−TCP−
TeCP(Ca4 O(PO4 2 )、α−TCP−DC
PD(CaHPO4 ・2H2 O)、TeCP−DCPD
等が挙げられる。
【0009】本発明においては、基材として、上記リン
酸カルシウムの他に、チタン酸カルシウム繊維が含有さ
れる。チタン酸カルシウムは、生体親和性に優れた物質
として知られている。例えば、チタン系金属からなるイ
ンプラント材において、チタン金属と骨組織(リン酸カ
ルシウム)が結合し易いのは、チタン系金属の表面にチ
タン酸カルシウムが生成するためと考えられている。本
発明においては、このようなチタン酸カルシウムからな
る繊維状物を基材として含有することにより、セメント
硬化体の強度等を向上させている。
【0010】本発明において用いるチタン酸カルシウム
繊維としては、平均繊維長0.1μm〜100μm、平
均繊維径0.01μm〜10μm、アスペクト比3〜5
0である微細な繊維が好ましい。さらに好ましくは、平
均繊維長0.5μm〜10μm、平均繊維径0.05μ
m〜1μm、アスペクト比5〜30のものが用いられ
る。本発明において用いるチタン酸カルシウム繊維の製
造方法は特に限定されるものではなく、例えば、繊維状
チタニア化合物の表面に炭酸カルシウムを沈着させた
後、加熱処理することにより得られるチタン酸カルシウ
ム繊維を用いることができる。
【0011】本発明において用いるチタン酸カルシウム
繊維は、分散性向上のため、アルカリ水溶液中における
水熱処理を施してもよい。このようなアルカリ水溶液中
での水熱処理の条件としては、pH10〜13、120
℃〜300℃、1〜10時間の範囲を挙げることができ
る。
【0012】本発明において、チタン酸カルシウム繊維
の含有量は、基材全体に対し0.2重量%〜50重量%
が好ましく、さらに好ましくは0.5重量%〜30重量
%であり、さらに好ましくは1重量%〜25重量%であ
る。チタン酸カルシウム繊維の含有量が少なすぎると、
セメント硬化体の強度が向上しない場合があり、逆にチ
タン酸カルシウム繊維の含有量が多すぎると、セメント
ペーストの粘性が高くなり、練和時に巻き込んだ気泡が
抜けず、強度低下が起こる場合がある。
【0013】本発明において用いられる混和溶媒は、基
材を練和するための溶媒であり、一般的には水あるいは
イオン交換水が用いられる。また、必要に応じて、体液
の組成に近似した組成を有する擬似体液が用いられる。
【0014】また、操作性の向上のために、コンドロイ
チン硫酸ナトリウムやヒアルロン酸ナトリウム等のムコ
多糖類を添加してもよいし、硬化時間を短縮するために
コハク酸ナトリウムや乳酸ナトリウム等の水溶性ナトリ
ウム塩等を添加して用いてもよい。
【0015】また、本発明のリン酸カルシウムセメント
組成物には、必要に応じて、硫酸バリウム、次炭酸ビス
マス等のX線造影剤、ヨードホルム、クロルヘキシジン
等の抗菌剤等を添加して用いてもよい。
【0016】
【発明の効果】本発明の生体用リン酸カルシウムセメン
ト組成物は、生体親和性に優れたリン酸カルシウムとチ
タン酸カルシウム繊維を基材として含有しているので、
生体親和性に優れている。また、チタン酸カルシウム繊
維の補強効果により、高い強度が得られる。また、チタ
ン酸カルシウム繊維は均一に分散され易い繊維であるの
で、強度のばらつきが少ない。また、チタン酸カルシウ
ム繊維は微細な繊維であるので、流動性に富み、操作性
に優れている。従って、複雑な形態をした部位等の隅々
にまで充填することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】実施例1〜4 α−TCP(Ca3 (PO4 2 )(太平化学産業株式
会社製)を、振動ボードミルで粉砕し、42μm以下に
分級した。このセメント原料2gに、チタン酸カルシウ
ム繊維(大塚化学株式会社製、CTW:平均繊維長3.
6μm、平均繊維径0.49μm、アスペクト比7.
3)を、5、10、20、30、50重量%となるよう
にそれぞれ混合し、これにイオン交換水を固液重量比
0.35となるように加え、練和した後、直径6mm高
さ12mmのテフロン管に詰め込み、擬似体液中に含浸
し、37℃で4日間育成して硬化させた。
【0018】得られた硬化セメントの圧縮強度を、オー
トグラフ(島津製作所製、AG20KNG)により、ヘ
ッドスピード0.5mm/分で測定した。測定結果を表
1に示す。
【0019】比較例1 セメント原料にチタン酸カルシウム繊維を含有させない
以外は、上記と同様にしてセメント組成物を硬化させ、
その圧縮強度を測定した。測定結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかなように、本発明に従いチ
タン酸カルシウム繊維を含有させることにより、圧縮強
度が高められることがわかる。
【0022】実施例6〜9 チタン酸カルシウム繊維として、1M水酸化ナトリウム
水溶液中で、250℃、2時間水熱処理したチタン酸カ
ルシウム繊維を用いる以外は、上記実施例1〜4と同様
にしてセメント組成物を調製し、硬化させた。得られた
硬化セメントの圧縮強度を、上記実施例と同様に測定し
た。測定結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】表2から明らかなように、アルカリ水溶液
中で水熱処理を行ったチタン酸カルシウム繊維を用いた
場合にも、同様に硬化セメントの圧縮強度が向上するこ
とがわかる。
【0025】上記実施例では、基材に用いるリン酸カル
シウム成分として、α−TCP(Ca3 (PO4 2
を用いたが、本発明はその他のリン酸カルシウム成分を
基材とした場合にも同様に適用することができるもので
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C04B 28/34 14:38)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸カルシウムを主成分とする基材
    と、混和溶媒とからなる生体用リン酸カルシウムセメン
    ト組成物であって、前記基材としてさらにチタン酸カル
    シウム繊維を含有させたことを特徴とする生体用リン酸
    カルシウムセメント組成物。
  2. 【請求項2】 前記チタン酸カルシウム繊維が、アルカ
    リ水溶液中で水熱処理を行ったチタン酸カルシウム繊維
    である請求項1に記載の生体用リン酸カルシウムセメン
    ト組成物。
JP10077815A 1998-03-25 1998-03-25 生体用リン酸カルシウムセメント組成物 Pending JPH11267194A (ja)

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Cited By (3)

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