JP2002210002A - 生体組織修復用組成物 - Google Patents

生体組織修復用組成物

Info

Publication number
JP2002210002A
JP2002210002A JP2001010052A JP2001010052A JP2002210002A JP 2002210002 A JP2002210002 A JP 2002210002A JP 2001010052 A JP2001010052 A JP 2001010052A JP 2001010052 A JP2001010052 A JP 2001010052A JP 2002210002 A JP2002210002 A JP 2002210002A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
biocompatible
filler
living tissue
repairing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001010052A
Other languages
English (en)
Inventor
Chikara Otsuki
主税 大槻
Masao Tanihara
正夫 谷原
Toshiki Miyazaki
敏樹 宮崎
Shinichi Ogata
信一 尾形
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nara Institute of Science and Technology NUC
Original Assignee
Nara Institute of Science and Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nara Institute of Science and Technology NUC filed Critical Nara Institute of Science and Technology NUC
Priority to JP2001010052A priority Critical patent/JP2002210002A/ja
Publication of JP2002210002A publication Critical patent/JP2002210002A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 主に骨充填材や人工関節固定用セメントとし
て用いられる生体適合性に優れたスラリー、ペースト又
はパテ様組成物並びに該組成物を水溶液中で硬化させて
得る医療用インプラント材料提供。 【解決手段】 有機溶剤に可溶で水に不溶な生体適合性
有機高分子を水と相溶する有機溶剤に溶かしてこれに生
体適合性充填材を混合して、スラリー、ペースト又はパ
テ様組成物とした、水溶液に接することにより硬化する
組成物であって、高い生体親和性や生体活性、生体吸収
性を発現する材料を調製する。該生体適合性有機高分子
化合物が酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリラク
タイド又はコポリラクタイド・グリコライド、又はこれ
らの2種以上の混合物であり、該生体適合性充填材が水
酸アパタイト、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム系
ガラス、リン酸カルシウム系ガラス等又は生体活性ガラ
ス又はこれらの2種以上の混合物である生体組織修復用
組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科、整形外科お
よび形成外科の分野で使用される生体適合性に優れた生
体組織修復用組成物および生体組織修復用材料に関する
ものである。より詳しくは、有機溶剤に可溶で水に不溶
な有機高分子化合物を、水と相溶する有機溶剤に溶かし
てこれに生体適合性充填材を加えてなる、生体組織修復
用組成物に関する。本組成物は、水溶液に接することに
より硬化するため、骨セメントまたはそれらから作られ
るインプラント材料として用いることができる。本発明
はまた、このようなインプラント材料に関する。
【0002】
【従来の技術】人工股関節、人工膝関節、骨接合材な
ど、人工材料で生体組織修復を行う場合、その固定には
手術室で混合後、数分間は任意の形状に成形でき、その
後凝固し硬化する骨セメントや骨充填材が用いられてい
る。この種の素材として最も普及しているセメントは、
アクリルおよび/またはメタクリル酸エステルの微細分
割ポリマーおよび適宜、重合化触媒、X線造影剤、充填
材および染料などの他の添加剤からなる約50〜75重量%
の固体成分とアクリルおよび/またはメタクリル酸エス
テルモノマーおよび適宜重合促進剤および安定剤などの
他の添加剤からなる約25〜50重量%の液体成分から構成
される(以下PMMA系骨セメントと略す)。例えばポリメ
チルメタクリレート(PMMA)粉末を主成分としこれに造
影剤、触媒または反応誘発剤、所望により抗生物質等の
混合した粉末を、メチルメタクリレートモノマー(MM
A)を主成分とする液体と混合して、重合硬化させる骨
セメントである。しかし当該骨セメントは、異物反応に
より比較的厚い線維性皮膜でカプセル化される生体親和
性の低い材料であり、組織との結合は機械的なかみ合わ
せだけによるものである。そのため長期間の埋入におい
てずれや緩みが生じ、再手術を余儀なくされる場合があ
る。
【0003】一方生体活性ガラスやヒドロキシアパタイ
トなどの生体活性セラミックスやそれらを含む材料は、
骨組織を伝導するなど、骨組織と一体化することが知ら
れている。これらの中でも生体活性ガラスは、カルシウ
ム及びリン酸イオンを含む擬似体液中や生体内でその表
面にアパタイト層を形成する性質を有しており、かかる
アパタイト層を介して骨や軟組織と結合することにより
生体組織と一体化するので生体組織との結合性が必要と
されるインプラント材料に好適である[C. Ohtsuki 他、
日本セラミックス協会学術論文誌(Journal of the Cer
amic Society of Japan)103[5]、 449-454 (1995).]。
そこで骨結合性を有する生体活性を示すセラミックスの
粉末をPMMA系骨セメントへ混合する手法[W. Henning、
B. A. Blencke、 H. Bromer and K. K. Deutscher、 "I
nvestigation with BioactivatedPolymethylmethacryla
tes"、 Journal of Biomedical Materials Research、
13、 89-99 (1979).]が提案された。しかし、この手法
では生体活性を発現するには多量の生体活性セラミック
ス粉末をPMMA系骨セメントに導入する必要があり、その
ためセメントとしての力学的性質が損なわれるという問
題がある。またPMMA系骨セメントと骨の間にヒドロキシ
アパタイト顆粒を介在させる手法もある[山室隆夫、 大
西啓靖、 "整形外科医用材料マニュアル”、 金原出版
株式会社 (1992) pp78-79]が、手術室における操作の簡
便性が低下するという問題があった。
【0004】生体活性セラミックスのみからなる骨セメ
ントも提案された。α型リン酸三カルシウム(α-TCP)
と酸を混合するセメント[特開2000-295]や生体活性ガラ
スとリン酸アンモニウム水溶液を混合するセメント[T.
Kokubo、 S. Yoshihara、 N.Nishimura、 T. Yamamur
o、 T. Nakamura、 "Bioactive Bone Cement Based onC
aO-SiO2-P2O5 Glass"、 Journal of American Ceramic
Society、 74、 1739-1741 (1991).]がその代表的な例
である。しかしこれらのセメントでは凝固後の機械的特
性が脆くなり医用材料として必要な機械的強度、靭性、
柔軟性などの点で硬化後の力学的特性が不十分となる問
題がある。
【0005】加えて、従来の骨セメントおよび骨充填用
ペーストは、使用する直前に粉末と液体を混ぜ合わせる
ため、手術室にて混合の操作が必要であり、不便であ
る。従って、既に混合したペースト状またはパテ状での
供給が可能であり、埋入後に凝固し、硬化後は高い生体
適合性および/または生体活性を示す材料が必要とされ
ていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、スラリー
状、ペースト状またはパテ状等の成形可能な組成物とし
て供給され、手術室での成形が可能であり、水性媒質
(体液を含む)に接することにより凝固および硬化が進行
し、硬化後は高い生体適合性および/または生体活性を
発現する、生体適合性充填材と有機高分子化合物を含む
生体組織修復用組成物、特に生体組織充填用材料および
人工股関節等のインプラント材を固定するセメントとな
る材料を、開発することを目的とするものである。図1
にその使用形態の一例を模式的に示す。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点の解決について鋭意検討した結果、有機溶剤に可溶で
水に不溶な生体適合性有機高分子を水と相溶する有機溶
剤に溶かし、その溶液を生体適合性充填材と混合した組
成物を調製し、この調製物が水性媒質に接すると表面か
ら固化して次第に流動性を失い、凝固し硬化することを
確認した。その硬化機構の概念図を図2に示す。すなわ
ち、スラリー、ペーストまたはパテ状等の成形可能状態
の組成物は、体液(水)に触れることにより溶剤が体液
(水)中へ浸漬し、そして表面から有機高分子が析出して
硬化が始まり、時間の経過に伴って硬化が内部まで進行
する。硬化後の固化体は、生体適合性充填材と生体適合
性有機高分子化合物から構成される複合体となる。従っ
て、硬化後の当該セメントは生体活性セラミックスを複
合化したセメントと同様に骨組織結合性を発現する。
【0008】即ち、本発明は、生体組織の修復に用いる
ことを目的として、有機溶剤に可溶で水に不溶な生体適
合性有機高分子化合物を水と相溶する有機溶剤に溶か
し、その溶液を生体適合性充填材と混合した、スラリ
ー、ペーストまたはパテ形態をとり得る組成物であり、
これを水性媒質、例えば水溶液もしくは体液に接触させ
て硬化させることを特徴とする。図3に本発明の組成物
の製造手順の概略を示した。
【0009】ここで出発原料に用いる生体適合性有機高
分子化合物は、水と相溶する有機溶剤に可溶な有機高分
子化合物で、生体に対する刺激性が小さいものであれば
何れを使用してもよく、生体親和性を有するものが好ま
しい。また、天然、合成の何れの有機高分子化合物であ
ってもよい。さらに生体吸収性高分子であってもよく、
これを使用すると生体内で短期に吸収される組成物等の
調製が可能になる。好ましくは、酢酸セルロース、エチ
ルセルロース、ポリラクタイド、コポリラクタイド・グ
リコライドなどである。また、これら高分子化合物の2
種以上の混合物を用いてもよい。
【0010】有機高分子を溶解する溶剤は、当該生体適
合性有機高分子化合物を溶かし、かつ水と相溶する溶剤
であれば何れを使用してもよい。生体組織への刺激性は
小さいものが好ましい。特に、エタノール、プロパノー
ル、ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、乳酸
エチル、リン酸トリエチルなどのエステル系溶剤などが
適している。またこれら溶剤の混合物を用いても良い。
【0011】一方、生体適合性充填材は、生体親和性、
生体活性もしくは生体吸収性を示す充填材であれば何れ
も使用でき、また、例えば粉末状、粒子状、繊維状な
ど、その形状の如何を問わない。さらに、充填材は結晶
質に限られず、非晶質物質を使用してもよい。特に生体
親和性もしくは生体活性なセラミックスが好ましい。例
えば水酸アパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸四カ
ルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸
カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、カル
シウム含有ガラス、ケイ酸カルシウム系ガラス、リン酸
カルシウム系ガラス、生体活性ガラスがある。また、生
体内で化学反応して生体活性もしくは生体吸収性を示す
充填材であってもかまわない。幾つかを組み合わせて混
合した混合物を用いてもよい。充填材の表面をカップリ
ング剤などにより処理して用いてもよい。カップリング
剤として、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)
3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメト
キシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシ
ラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、N-(1,3-ジメチル
ブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンア
ミン、N-[2-(ビニルベンジルアミノ)エチル]-3-アミ
ノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、N,N'-ビス
[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン
などのシランカップリング剤が含まれる。充填材の大き
さは、スラリー、ペーストまたはパテ状の組成物が得ら
れる大きさであれば任意に使用できる。充填材が粉末状
または粒子状である場合、おおむね500μm以下の大きさ
であるのが好ましく、異なる粒子径の混合粉体を用いて
も良い。また、充填材が繊維状形態である場合、繊維の
直径が0.1μm〜500μmのステープル状またはフィラメン
ト状であることが好ましい。
【0012】本発明の組成物の調製において、生体適合
性充填材および適宜、微細分割ポリマー、X線造影剤、
充填材および染料などの他の添加剤からなる混合物を固
体成分とする。次いで、所定の有機溶剤に可溶の有機高
分子を有機溶剤に溶かすか膨潤させる。この際適宜、安
定剤などの他の添加剤等を加えて液体成分とする。溶解
する高分子の量は、溶剤100mLに対しておおむね10g〜50
g程度である。ただし、この範囲は有機高分子および有
機溶剤の種別により異なる。固体成分と液体成分を混合
した本発明の組成物は、約25〜85重量%の固体成分と約1
5〜75重量%の液体成分から構成される。とりわけ、約50
〜80重量%の固体成分と約20〜50重量%の液体成分から構
成される材料は、高い圧縮強さを有する。
【0013】本発明の組成物の固体成分に、補強剤とし
てアルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、カーボン
などのセラミックス、ナイロンやポリエステルなどの有
機高分子を混合することで強度の改善も可能である。こ
れらの補強剤は2種以上が混合して用いられてもよい。
また、補強剤は、粉末状、粒子状のもののほか、繊維
状、フィルム状、シート状など補強剤としての機能に適
した形状のものを使用することができる。
【0014】さらに固体成分もしくは液体成分に、抗生
物質、抗ガン剤、骨形成因子などの生理学的活性を高め
る薬剤を混合してもよい。
【0015】本発明の組成物の硬化体は、高い生体親和
性または生体活性を発現するインプラント材料としても
利用可能である。この場合、インプラント材料の形状は
柱状、板状、ブロック状、シート状、繊維状、ペレット
状など任意の形状のものが使用できる。また、人工関節
用部材、骨補填材、人工椎体、人工椎間板、骨プレー
ト、骨スクリュー、人工顔面補綴材、人工***などの製
品形態をしていてもよい。また、金属やセラミックス等
の充填材に被覆して利用することもできる。
【0016】得られた組成物は、水溶液、体液等の水性
媒質中において、数十分以内に表面の流動性が失われ、
数時間〜7日で固化する。組成物の固体成分が生体活性
を示すセラミックスである場合には、体内で骨組織との
結合が達成される。また、高分子や生体適合性充填材が
生体内で分解される素材であれば、徐々に分解吸収され
生体組織と一体化する。
【0017】本発明により、手術室で成形可能なセメン
トペーストとして人工関節を固定するセメントや骨欠損
部を充填する生体組織修復材料ならびに軟組織補填材料
として使用できる、簡易成形性と組織親和性を併せ持つ
生体組織修復組成物を得ることが可能となる。さらに、
より過酷な力学的条件を要求される部位についても、物
理的性質の優れたセラミックスや金属材料、有機高分子
材料等の生体適合性材料の表面に被覆することによって
生体活性が付与できるので、特に骨や軟組織との接合性
が要求される組織置換用インプラント材料として好適に
用いられる。
【0018】下記実施例により本発明を具体的に説明す
る。尚、下記は例示説明のみを意図するものであり、下
記実施例に限定されるものではない。
【0019】
【実施例】実施例1 有機高分子として酢酸セルロース、有機溶剤として乳酸
エチル、充填材としてリン酸三カルシウムを用いたパテ
状組成物調製の実施例である。乳酸エチル100mLに30gの
酢酸セルロースを溶解して液体成分とした。リン酸三カ
ルシウム粉末の表面を3−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランにてシランカップリング処理した試料を固
体成分とした。固体成分:液体成分=2.0:1.0(重量
比)で混ぜ合わせた後120℃で10分間熱処理してパテ状
組成物を得た。このパテ状組成物を直径6 mm、高さ12 m
mの円柱状に成形した後、37℃の蒸留水に浸漬し、37℃
で保持した。パテ状組成物の力学的性質を、材料試験機
(インストロンデジタル万能材料試験機5566型)を用い
た圧縮強度測定により評価した。10 kNのロードセルを
用い、負荷速度20 mm/minで上記パテ状組成物に破壊が
生じるまで圧縮応力を与え、破壊が生じたときの荷重と
試料の断面積からパテ状組成物の圧縮強さを求めた。そ
の結果を図4に示す。パテ状組成物は水中投入までは自
由に形状を変化させることができた。これを水に浸漬す
ると、次第に流動性を失い硬化した。水中にて37℃で保
持した試料は1日後に約5MPa、7日後に約10MPaの圧縮
強さを与え、硬化体となることが確かめられた。
【0020】実施例2 有機高分子として酢酸セルロース、有機溶剤として乳酸
エチル、充填材として粒度の異なる水酸アパタイト粉末
を用いたパテ状組成物調製の実施例である。乳酸エチル
100mLに30gの酢酸セルロースを溶解して液体成分とし
た。平均粒子径1.5μmまたは16μmの水酸アパタイト粉
末(宇部マテリアルズ製)の表面を3−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシランにてシランカップリング処理
した試料を固体成分とした。平均粒子径1.5μmの水酸ア
パタイト粉末では、固体成分:液体成分=1.0:1.0
(重量比)にて、平均粒子径16μmの水酸アパタイト粉
末では、固体成分:液体成分=1.1:1.0(重量比)で混
ぜ合わせた後120℃で10分間熱処理してパテ状組成物を
得た。このパテ状組成物を直径6 mm、高さ12 mmの円柱
状に成形した後、蒸留水に浸漬して37℃で保持した。パ
テ状組成物の力学的性質を、材料試験機(インストロン
デジタル万能材料試験機5566型)を用いた圧縮強度測定
により評価した。10 kNのロードセルを用い、負荷速度2
0 mm/minで上記パテ状組成物に破壊が生じるまで圧縮応
力を与え、破壊が生じたときの荷重と試料の断面積から
パテ状組成物の圧縮強さを求めた。その結果を図5に示
す。パテ状組成物は水中投入までは自由に形状を変化さ
せることができた。これを水に浸漬すると、次第に流動
性を失い硬化した。水中にて37℃で保持した試料は7日
後に、平均粒子径1.5μmの水酸アパタイト粉末を用いた
場合には約14MPa、平均粒子径16μmの水酸アパタイト粉
末を用いた場合には約3.5MPaの圧縮強さを与え、硬化体
となることが確かめられた。パテ状組成物の流動性と硬
化後の力学的性質は、粉末の粒子径に依存し、それによ
り流動性を得るための固体成分:液体成分の混合割合も
異なってくるものの、何れにおいても流動性パテ状組成
物が水中で硬化体へと変化することが確かめられた。
【0021】実施例3 有機高分子として酢酸セルロース、有機溶剤として乳酸
エチル、充填材としてリン酸四カルシウムとリン酸水素
カルシウムをモル比で1:1に混合した粉末を用いたパ
テ状組成物調製の実施例である。乳酸エチル100mLに30g
の酢酸セルロースを溶解して、液体成分とする。リン酸
四カルシウム(4CaO・P25)とリン酸水素カルシ
ウム無水和物(CaHPO4)をモル比で1:1に混合
した粉末の表面を3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランにてシランカップリング処理した試料を固体成
分とした。この粉末を固体成分:液体成分=2.2:1.0
(重量比)または2.0:1.0(重量比)にて、液体成分と
混ぜ合わせた後120℃で10分間熱処理してパテ状組成物
を得た。このパテ状組成物を直径6 mm、高さ12 mmの円
柱状に成形した後、蒸留水に浸漬して37℃で保持した。
パテ状組成物の力学的性質を、材料試験機(インストロ
ンデジタル万能材料試験機5566型)を用いた圧縮強度測
定により評価した。10 kNのロードセルを用い、負荷速
度20 mm/minで上記パテ状組成物に破壊が生じるまで圧
縮応力を与え、破壊が生じたときの荷重と試料の断面積
からパテ状組成物の圧縮強さを求めた。その結果を図6
に示す。パテ状組成物は水中投入までは自由に形状を変
化させることができた。これを水に浸漬すると、次第に
流動性を失い硬化した。水中にて37℃で保持した試料の
圧縮強さは、固体成分:液体成分=2.2:1.0(重量比)
では7日後に約19MPaであり、固体成分:液体成分=2.
0:1.0(重量比)では2日後に約28MPaを達成した。混合
充填材を用いても水中で硬化するパテ状組成物が得られ
てるとともに、固体成分と液体成分の比率を変えること
により、高い圧縮強さが得られることが分かった。
【0022】実施例4 有機高分子としてエチルセルロース、有機溶剤としてエ
タノール、充填材としてリン酸三カルシウムを用いたパ
テ状組成物調製の実施例である。エタノール100mLに30g
のエチルセルロースを溶解して液体成分とした。リン酸
三カルシウム(ナカライテスク製)粉末を固体成分とし
た。この粉末と液体成分を固体成分:液体成分=1.6:1.
0(重量比)にて混ぜ合わせパテ状組成物を得た。この
パテ状組成物を直径6 mm、高さ12 mmの円柱状に成形し
た後、蒸留水に浸漬して37℃で保持した。パテ状組成物
の力学的性質を、材料試験機(インストロンデジタル万
能材料試験機5566型)を用いた圧縮強度測定により評価
した。10 kNのロードセルを用い、負荷速度20 mm/minで
上記パテ状組成物に破壊が生じるまで圧縮応力を与え、
破壊が生じたときの荷重と試料の断面積からパテ状組成
物の圧縮強さを求めた。その結果を図7に示す。パテ状
組成物は水中投入までは自由に形状を変化させることが
できた。これを水に浸漬すると、次第に流動性を失い硬
化した。水中にて37℃で7日間保持した試料の圧縮強さ
は、約7.1MPaに到達している。有機高分子と有機溶剤の
組み合わせを変えても同様な機構で硬化体を作成できる
ことが分かった。また充填材の表面処理は硬化現象には
影響しないことが明らかになった。
【0023】実施例5 有機高分子としてコポリラクタイド・グリコライド、有
機溶剤として乳酸エチル、粉末としてリン酸三カルシウ
ム粉末を用いたパテ状組成物調製の実施例である。乳酸
エチル10mLに3gのコポリラクタイド・グリコライド(Al
drich製、Poly(DL-lactide-co-glycolide)(85:15)平均
分子量Mw 50000〜75000)を溶解して、液体成分とし
た。固体成分としては、リン酸三カルシウム(ナカライ
テスク製)粉末を用いた。固体成分:液体成分=3.3:
1.0(重量比)にて、固体成分と液体成分を混ぜ合わせ
てパテ状組成物を得た。このパテ状組成物を直径6 mm、
高さ12mmの円柱状に成形した後、蒸留水に浸漬して37℃
で保持した。パテ状組成物の力学的性質を、材料試験機
(インストロンデジタル万能材料試験機5566型)を用い
た圧縮強度測定により評価した。10 kNのロードセルを
用い、負荷速度20 mm/minで上記パテ状組成物に破壊が
生じるまで圧縮応力を与え、破壊が生じたときの荷重と
試料の断面積からパテ状組成物の圧縮強さを求めた。そ
の結果を図8に示す。パテ状組成物は水中投入までは自
由に形状を変化させることができた。これを水に浸漬す
ると、次第に流動性を失い硬化した。水中にて37℃で保
持した試料は7日後に、約1.3MPaの圧縮強さを与え、硬
化体となることが確かめられた。ポリラクタイド系高分
子は著名な生体吸収性高分子であり、これらを使用する
ことにより生体内で短期に吸収される組成物の調製が可
能となる。
【0024】実施例6 有機高分子として酢酸セルロース、有機溶剤として乳酸
エチル、充填材として生体活性ガラス粉末を用いたパテ
状組成物調製の実施例である。乳酸エチル100mLに30gの
酢酸セルロースを溶解して、液体成分とした。固体成分
としては、Na O−CaO−SiO−P系の
生体活性ガラスを粉砕して、45μm以下にふるい分けし
て得た粉末を用いた。粉末を固体成分:液体成分=2.2:
1.0(重量比)にて、液体成分と混ぜ合わせてパテ状組
成物を得た。このパテ状組成物を直径6 mm、高さ12 mm
の円柱状に成形した後、蒸留水に浸漬して37℃で保持し
た。パテ状組成物の力学的性質を、材料試験機(インス
トロンデジタル万能材料試験機5566型)を用いた圧縮強
度測定により評価した。10 kNのロードセルを用い、負
荷速度20 mm/minで上記パテ状組成物に破壊が生じるま
で圧縮応力を与え、破壊が生じたときの荷重と試料の断
面積からパテ状組成物の圧縮強さを求めた。その結果を
図9に示す。パテ状組成物は水中投入までは自由に形状
を変化させることができた。これを水に浸漬すると、次
第に流動性を失い硬化した。水中にて37℃で保持した試
料の圧縮強さは7 日後で約2.8MPaに到達している。従っ
てパテ状組成物に用いる生体適合性充填材としては、結
晶質および非晶質どちらの物質でも利用できることが分
かる。
【0025】実施例7 有機高分子としてエチルセルロース、有機溶剤としてリ
ン酸トリエチル、充填材として水酸化カルシウム粉末を
用いたパテ状組成物調製の実施例である。リン酸トリエ
チル100mLに20gのエチルセルロースを溶解して、液体成
分とする。固体成分には、水酸化カルシウム(ナカライ
テスク製)粉末を用いた。この粉末を液体成分と、固体
成分:液体成分=1.6:1.0(重量比)で混ぜ合わせてパ
テ状組成物を得た。このパテ状組成物を直径6 mm、高さ
12 mmの円柱状に成形した後、蒸留水に浸漬して37℃で
保持した。パテ状組成物の力学的性質を、材料試験機
(インストロンデジタル万能材料試験機5566型)を用い
た圧縮強度測定により評価した。10 kNのロードセルを
用い、負荷速度20 mm/minで上記パテ状組成物に破壊が
生じるまで圧縮応力を与え、破壊が生じたときの荷重と
試料の断面積からパテ状組成物の圧縮強さを求めた。そ
の結果を図10に示す。パテ状組成物は水中投入までは自
由に形状を変化させることができた。これを水に浸漬す
ると、次第に流動性を失い硬化した。水中にて37℃で保
持した試料の圧縮強さは7 日後で約3.4MPaに到達した。
【0026】
【発明の効果】本発明は、手術室で成形可能なセメント
ペーストとして人工関節を固定するセメントや骨欠損部
を充填する生体組織修復用組成物および生体組織修復用
材料に関する。これらは、より過酷な力学的条件を要求
される部位についても、物理的性質の優れたセラミック
スや金属材料、有機高分子材料等の生体適合性材料の表
面に被覆することによって生体活性を付与できるので、
特に骨との接合性が要求される人工骨用材料として好適
に用いられる医療産業上優れた効果を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の人工股関節への使用例の概
略図である。
【図2】 図2は、本発明のパテ状組成物の硬化機構の
概念図である。
【図3】 図3は、本発明のパテ状組成物の合成手順の
概略図である。
【図4】 図4は、実施例1で作成したパテ状組成物
(有機高分子:酢酸セルロース、有機溶剤:乳酸エチ
ル、充填材:リン酸三カルシウム)を水に1または7日間
浸漬して得られた硬化体の圧縮強さを測定した結果であ
る。
【図5】 図5は、実施例2で作成したパテ状組成物
(有機高分子:酢酸セルロース、有機溶剤:乳酸エチ
ル、充填材:水酸アパタイト)を水に7日間浸漬して得
られた硬化体の圧縮強さを測定した結果である。平均粒
子径の異なる水酸アパタイト粉末(1.5μmと16μm)を
使用した。
【図6】 図6は、実施例3で作成したパテ状組成物
(有機高分子:酢酸セルロース、有機溶剤:乳酸エチ
ル、充填材:リン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウ
ムのモル比1:1の混合物)を水に2または7日間浸漬し
て得られた硬化体の圧縮強さを測定した結果である。
【図7】 図7は、実施例4で作成したパテ状組成物
(有機高分子:エチルセルロース、有機溶剤:エタノー
ル、充填材:リン酸三カルシウム)を水に7日間浸漬し
て得られた硬化体の圧縮強さを測定した結果である。
【図8】 図8は、実施例5で作成したパテ状組成物
(有機高分子:コポリラクタイド・グリコライド、有機
溶剤:乳酸エチル、充填材:リン酸三カルシウム)を水
に7日間浸漬して得られた硬化体の圧縮強さを測定した
結果である。
【図9】 図9は、実施例6で作成したパテ状組成物
(有機高分子:酢酸セルロース、有機溶剤:乳酸エチ
ル、充填材:生体活性ガラス)を水に7日間浸漬して得
られた硬化体の圧縮強さを測定した結果である。
【図10】 図10は、実施例7で作成したパテ状組成
物(有機高分子:エチルセルロース、有機溶剤:リン酸
トリエチル、充填材:水酸化カルシウム)を水に7日間
浸漬して得られた硬化体の圧縮強さを測定した結果であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 敏樹 奈良県生駒市高山町8916−5 大学宿舎D −102 (72)発明者 尾形 信一 奈良県生駒市高山町8916−5 大学宿舎D −407 Fターム(参考) 4C081 AB04 AB05 AC04 BA13 BA16 CA162 CA171 CA232 CC01 CD021 CD28 CE01 CE02 CE11 CF012 CF022 CF032 CF062 CF112 CF122 CF132 CF142 CF152 CF162 CF22 DA12 DA13 DA14 DC03 DC12

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶剤に可溶で水に不溶な生体適合性
    有機高分子化合物を、水と相溶する有機溶剤に溶かして
    これに生体適合性充填材を加えてなる生体組織修復用組
    成物。
  2. 【請求項2】 該生体適合性有機高分子化合物が生体に
    対する刺激性が小さい有機高分子化合物である、請求項
    1に記載の生体組織修復用組成物。
  3. 【請求項3】 該生体適合性有機高分子化合物が酢酸セ
    ルロース、エチルセルロース、ポリラクタイドまたはコ
    ポリラクタイド・グリコライド、またはこれらの2種以
    上の混合物である、請求項1または2に記載の生体組織
    修復用組成物。
  4. 【請求項4】 該生体適合性充填材が生体親和性、生体
    活性もしくは生体吸収性充填材である、請求項1〜3に
    記載の生体組織修復用組成物。
  5. 【請求項5】 該生体適合性充填材が水酸アパタイト、
    リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、リン酸カル
    シウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化カ
    ルシウム、酸化カルシウム、カルシウム含有ガラス、ケ
    イ酸カルシウム系ガラス、リン酸カルシウム系ガラスま
    たは生体活性ガラスまたはこれらの2種以上の混合物で
    ある、請求項1〜4に記載の生体組織修復用組成物。
  6. 【請求項6】 生体適合性充填材が、予め表面処理を施
    した生体適合性充填材である、請求項1〜5に記載の材
    料。
  7. 【請求項7】 生体適合性充填材が、予めシランカップ
    リング剤で表面処理を施した生体適合性充填材である、
    請求項6に記載の材料。
  8. 【請求項8】 スラリー状、ペースト状またはパテ状組
    成物である、請求項1〜7に記載の生体組織修復用組成
    物。
  9. 【請求項9】 補強剤および/または生理活的活性剤を
    さらに添加してなる、請求項1〜8に記載の生体組織修
    復用組成物。
  10. 【請求項10】 補強剤がアルミナ、シリカ、ジルコニ
    ア、チタニア、カーボン、ナイロンまたはポリエステル
    またはこれらの2種以上の混合物である、請求項9に記
    載の生体組織修復用組成物。
  11. 【請求項11】 生理的活性剤が抗生物質、抗ガン剤ま
    たは骨形成因子である、請求項9または10に記載の生
    体組織修復用組成物。
  12. 【請求項12】 有機溶剤に可溶で水に不溶な生体適合
    性有機高分子化合物を、水と相溶する有機溶剤に溶かし
    てこれに生体適合性充填材を加えてなる組成物を水性媒
    質と接触させて得られる生体組織修復用インプラント材
    料。
  13. 【請求項13】 該組成物が請求項1〜11に記載され
    た生体組織修復用組成物である、請求項12に記載のイ
    ンプラント材料。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13に記載の材料を、表面
    に被覆して得られるインプラント材料。
JP2001010052A 2001-01-18 2001-01-18 生体組織修復用組成物 Pending JP2002210002A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001010052A JP2002210002A (ja) 2001-01-18 2001-01-18 生体組織修復用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001010052A JP2002210002A (ja) 2001-01-18 2001-01-18 生体組織修復用組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002210002A true JP2002210002A (ja) 2002-07-30

Family

ID=18877433

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001010052A Pending JP2002210002A (ja) 2001-01-18 2001-01-18 生体組織修復用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002210002A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005053762A1 (de) * 2003-12-04 2005-06-16 Friedrich-Baur-Gmbh Bioresorbierbares material
JP2007536038A (ja) * 2004-05-06 2007-12-13 ディグレイダブル ソリューションズ アクチエンゲゼルシャフト 生体適合性骨インプラント組成物及び骨欠損の修復のための方法
WO2008079672A2 (en) * 2006-12-19 2008-07-03 Warsaw Orthopedic, Inc Flowable carrier compositions for orthopedic implants and methods of use
JP2009045108A (ja) * 2007-08-14 2009-03-05 Purzer Pharmaceutical Co Ltd 生分解可能性を有する骨折治療用セメント及びその製造方法
WO2011152873A2 (en) * 2010-06-02 2011-12-08 Cap Biomaterials, Llc Glassy calcium phosphate particulates, coatings and related bone graft materials
US8545866B2 (en) 2004-10-29 2013-10-01 Smith & Nephew, Inc. Bioabsorbable polymers
CN108114312A (zh) * 2018-02-26 2018-06-05 王由 一种可塑性45s5生物活性玻璃及其制备方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005053762A1 (de) * 2003-12-04 2005-06-16 Friedrich-Baur-Gmbh Bioresorbierbares material
JP2007536038A (ja) * 2004-05-06 2007-12-13 ディグレイダブル ソリューションズ アクチエンゲゼルシャフト 生体適合性骨インプラント組成物及び骨欠損の修復のための方法
US8545866B2 (en) 2004-10-29 2013-10-01 Smith & Nephew, Inc. Bioabsorbable polymers
US9387274B2 (en) 2004-10-29 2016-07-12 Smith & Nephew, Inc. Bioabsorbable polymers
US9173981B2 (en) 2004-10-29 2015-11-03 Smith & Nephew, Inc. Bioabsorbable polymers
WO2008079672A3 (en) * 2006-12-19 2008-12-24 Warsaw Orthopedic Inc Flowable carrier compositions for orthopedic implants and methods of use
US8048857B2 (en) 2006-12-19 2011-11-01 Warsaw Orthopedic, Inc. Flowable carrier compositions and methods of use
WO2008079672A2 (en) * 2006-12-19 2008-07-03 Warsaw Orthopedic, Inc Flowable carrier compositions for orthopedic implants and methods of use
JP2009045108A (ja) * 2007-08-14 2009-03-05 Purzer Pharmaceutical Co Ltd 生分解可能性を有する骨折治療用セメント及びその製造方法
WO2011152873A2 (en) * 2010-06-02 2011-12-08 Cap Biomaterials, Llc Glassy calcium phosphate particulates, coatings and related bone graft materials
WO2011152873A3 (en) * 2010-06-02 2012-04-26 Cap Biomaterials, Llc Glassy calcium phosphate particulates, coatings and related bone graft materials
US9511170B2 (en) 2010-06-02 2016-12-06 Cap Biomaterials, Llc Glassy calcium phosphate particulates, coatings and related bone graft materials
CN108114312A (zh) * 2018-02-26 2018-06-05 王由 一种可塑性45s5生物活性玻璃及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Krüger et al. Fiber reinforced calcium phosphate cements–on the way to degradable load bearing bone substitutes?
Xu et al. Calcium phosphate cement containing resorbable fibers for short-term reinforcement and macroporosity
Xu et al. Synergistic reinforcement of in situ hardening calcium phosphate composite scaffold for bone tissue engineering
Miyamoto et al. Basic properties of calcium phosphate cement containing atelocollagen in its liquid or powder phases
Yokoyama et al. Development of calcium phosphate cement using chitosan and citric acid for bone substitute materials
Xu et al. Strong and macroporous calcium phosphate cement: Effects of porosity and fiber reinforcement on mechanical properties
Kucko et al. Tough and osteocompatible calcium phosphate cements reinforced with poly (vinyl alcohol) fibers
JPS6241662A (ja) 人工補整的目的のための生体活性ある複合材料
JP6048858B2 (ja) 接着性骨補填剤及び接着性骨補填剤キット
Lu et al. Histological and biomechanical studies of two bone colonizable cements in rabbits
Goto et al. The biocompatibility and osteoconductivity of a cement containing β–TCP for use in vertebroplasty
JP2002210002A (ja) 生体組織修復用組成物
EP3468632B1 (en) Settable bone void filler
Puska et al. Improvement of mechanical properties of oligomer-modified acrylic bone cement with glass-fibers
Ohtsuki et al. Design of novel bioactive materials through organic modification of calcium silicate
Kobayashi et al. Effect of polymerization reaction inhibitor on mechanical properties and surface reactivity of bioactive bone cement
El-Maghraby et al. Preparation, structural characterization, and biomedical applications of gypsum-based nanocomposite bone cements
Belaid et al. Fabrication of radio-opaque and macroporous injectable calcium phosphate cement
KR100559171B1 (ko) 생체활성 골 시멘트 제조용 혼합물 및 이를 이용한생체활성 골 시멘트의 제조방법
JP3871298B2 (ja) 医療用インプラント材
CN112675358A (zh) 一种透钙磷石骨水泥及其制备方法和应用
Wang et al. Calcium phosphate composite cement
Hablee et al. Recent developments on injectable calcium phosphate bone cement
JPH04114655A (ja) 医療用硬化組成物
JPH01166763A (ja) 医科用および歯科用硬化性材料

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20040701

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040727

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040727