JPH11266724A - 水耕栽培システム - Google Patents

水耕栽培システム

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Publication number
JPH11266724A
JPH11266724A JP10071846A JP7184698A JPH11266724A JP H11266724 A JPH11266724 A JP H11266724A JP 10071846 A JP10071846 A JP 10071846A JP 7184698 A JP7184698 A JP 7184698A JP H11266724 A JPH11266724 A JP H11266724A
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JP
Japan
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solution
cultivation
air
cultivation container
plant
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Application number
JP10071846A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Yasuda
正幸 安田
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NANATOMI KK
Original Assignee
NANATOMI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一の植物が病気にかかってもその伝染を最小
限に抑えることができ、しかも各種の実験を容易に行う
ことができる水耕栽培システムを提供する。また、溶液
の溶存酸素を大幅に増やすことができる水耕栽培システ
ムを提供する。 【解決手段】 複数の栽培容器10は、所定の溶液の中
で植物を栽培するためのものであり、高さが20cm〜
50cmで、直径が20cm〜35cmである。各栽培
容器10は地中に埋めて使用する。溶液供給装置40
は、複数の栽培容器10に個別に溶液を供給する。各栽
培容器10の底の方には、溶液中において空気を溜める
ことができる空気貯溜部14が設けられる。空気供給装
置50は、各栽培容器10に設けられた空気貯溜部14
の下方に空気を供給する。空気貯溜部14の下方に溜ま
った空気(酸素)は溶液との差圧により溶液に溶かし込
まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の溶液の中
で、野菜や穀類等の植物を栽培する水耕栽培システムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、市場に流通しているトマト、ほう
れん草、小松菜、三つ葉等の野菜の多くは、水耕栽培で
作られている。かかる水耕栽培は、所定の溶液の中で植
物を栽培するものであり、単位面積当たりの生産性が高
く、重労働を要しないという特徴がある。
【0003】図5は従来の水耕栽培システムの概略構成
図、図6はその水耕栽培システムで使用されるベッドの
概略斜視図である。従来の水耕栽培システムは、図5に
示すように、複数のベッド110と、複数のタンク13
0a,130b,130cと、液肥混合装置140と、
溶液供給ポンプ150と、殺菌装置160とを有する。
【0004】ベッド110は栽培水槽として用いられる
ものであり、その中に所定の溶液が入れられる。ベッド
110の水槽部分はかなり大きく、例えば長さ約20
m、幅約2m、深さ約15cmである。また、ベッド1
10には、図6に示すように、脚部111が設けられて
いる。各ベッド110はその脚部111をレール112
に載せて並べられ、レール112上を移動可能に構成さ
れている。これは、作業者がベッド110間の間隔を広
げて、その間に入って作業することかできるようにする
ためである。
【0005】かかるベッド110には、多数の軽い板状
部材121を浮かべている。この板状部材121の厚さ
は約3cmであり、一つのベッド110には約40個の
板状部材121が並べられている。また、板状部材12
1には多数の孔が形成されており、その孔の中にポット
122を入れている。ポット122は野菜を栽培する容
器である。例えば、三つ葉等を栽培する場合には、スポ
ンジ等の吸水性部材をポット122の中に入れて、栽培
する。また、葉ネギ等を栽培する場合には、吸水性部材
を用いず、葉ネギ等を直接ポット122に入れる。
【0006】また、タンク130aには原水が貯蔵さ
れ、タンク130b,130cにはそれぞれ、所定の養
液が貯蔵されている。原水としては、井戸から汲んだ水
を殺菌装置160で殺菌したものが用いられる。液肥混
合装置140は原水と養液とを混合することにより所定
の溶液を作り、溶液供給ポンプ150がこの溶液を、各
ベッド110に供給する。各ベッド110に供給された
溶液は回収されて、殺菌装置160に送られる。殺菌装
置160は、溶液を殺菌した後、再度、タンク130a
に戻す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の水
耕栽培システムでは、溶液がベッド毎に供給されるた
め、各ベッドにおいて、いずれか一つのポットで野菜等
の植物に病気が発生すると、他のすべてのポットで栽培
している植物も病気にかかってしまうという問題があっ
た。しかも、各ベッドにおいては、すべてのポットで栽
培している植物に対して、ほとんど同じ成分の溶液が供
給されることになるので、例えば、各ポット毎に溶液の
成分を変え、その各溶液に対する植物の生育度合いにつ
いての実験等を行うことが困難であった。
【0008】また、一般に、植物を良好に生育するに
は、根に新鮮な酸素を与える必要がある。このため、溶
液の溶存酸素をいかにして大幅に増やすかということ
が、当業者にとって大きな課題となっていた。本発明は
上記事情に基づいてなされたものであり、一の植物が病
気にかかってもその伝染を最小限に抑えることができ、
しかも各種の実験を容易に行うことができる水耕栽培シ
ステムを提供することを目的とするものである。
【0009】また、溶液の溶存酸素を大幅に増やすこと
ができる水耕栽培システムを提供することを目的とする
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明に係る水耕栽培システムは、植物を栽培する
ために、所定の溶液が入れられた複数の栽培容器と、前
記複数の栽培容器に個別に前記溶液を供給する溶液供給
手段と、前記各栽培容器の底の方に設けられた、前記溶
液中において空気を溜めることができる、下端が開口又
は開放している空気貯溜部と、前記各栽培容器に設けら
れた前記空気貯溜部の下方に空気を供給する空気供給手
段と、を具備することを特徴とするものである。
【0011】本発明では、複数の栽培容器を用い、溶液
供給手段が複数の栽培容器に個別に溶液を供給すること
により、各栽培容器に供給された溶液は他の栽培容器に
供給されることがない。このため、一つの栽培容器で栽
培されている植物が病気になっても、その病気が他の栽
培容器で栽培されている植物に伝染することはない。し
かも、各栽培容器は独立していることにより、各栽培容
器毎に温度や成分等の異なる溶液を供給することができ
るので、各種の実験や栽培を容易に行うことができる。
【0012】また、空気供給手段から供給される空気を
溜めることができる空気貯溜部を各栽培容器の底の方に
設けたことにより、空気貯溜部の下方に溜められた空気
を溶液との差圧によって溶液に溶かし込んで、溶液の溶
存酸素を大幅に増やすことができる。しかも、空気供給
手段から供給される空気の気泡が破裂したときに、超音
波が発生するので、その超音波によって植物の根を刺激
することができる。
【0013】尚、栽培容器としては、容積が5〜50リ
ットルであるものを用いることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態
である水耕栽培システムの概略構成図である。本実施形
態の水耕栽培システムは、図1に示すように、複数の栽
培容器10と、溶液供給装置40と、空気供給装置50
と、温度制御装置60とを備えるものである。
【0015】栽培容器10は、所定の溶液の中で野菜や
穀類その他の植物を栽培するためのものである。この栽
培容器10は、従来の水耕栽培システムで使用している
ベッドに比べて、後述するように、かなり小さい。栽培
容器10に入れられる溶液は、土耕栽培における土壌の
代わりとなるものである。また、各栽培容器10は地中
に埋めて使用する。これは、栽培容器10内の溶液の温
度が、土耕栽培と比べて、時間的・季節的に大きく変動
しないようにするためである。すなわち、例えば、地面
から約20cm〜25cm下のところは、真夏の炎天下
でも温度が約20℃程度で、あまり温度が上昇しない。
一方、冬の寒い時期では逆に温度があまり冷えない。こ
のように、栽培容器10を地中に埋めることにより、特
別な装置を用いなくとも、栽培容器10内の溶液をほぼ
一定の温度に保つことができる。したがって、植物の根
の温度が安定し、植物の生育に良好な環境を作り出すこ
とができる。また、栽培容器10を地中に埋めることに
より、栽培容器10に入れられた溶液の温度コントロー
ルに対するエネルギーコストの低減化を図ることができ
るという利点もある。
【0016】溶液供給装置40は、所定の溶液を複数の
栽培容器10に供給するものである。溶液供給装置40
は、第一貯蔵タンク41と、第二貯蔵タンク42a,4
2bと、液肥混入装置43と、ポンプ44と、複数の溶
液供給用管45と、タイマ46とを有する。第一貯蔵タ
ンク41には原水が貯蔵され、第二貯蔵タンク42a,
42bにはそれぞれ、所定の養液A,Bが貯蔵されてい
る。但し、原水は、その性質によっては、殺菌したり、
混入物を除去する処理を行った後に、第一貯蔵タンク4
1に入れられる。液肥混入装置43は、第一貯蔵タンク
41から送られた原水に第二貯蔵タンク42a,42b
から送られた養液A,Bを混入して、所定の成分の溶液
を作るものである。タイマ46は、一定の時間が経過し
たことを計時するものである。ポンプ44は、タイマ4
6からの信号に基づいて一定時間毎に一定量の溶液を、
複数の溶液供給用管45を介して、複数の栽培容器10
に個別(並列的)に供給する。
【0017】ところで、植物体の95%は、炭素、酸
素、水素から出来ている。これらの元素は、水並びに酸
素、炭酸ガスの形で、周囲から植物体内に摂取され、光
合成及び体内酵素の働きにより植物体を形成する。通
常、肥料と呼ばれているものは、これらの構成要素(炭
素、酸素、水素)に結び付いて植物体を構成するため
に、比較的多量に必要とされる元素群のことであり、窒
素・燐・カリウム・マグネシウム・カルシウム・硫黄等
がその組成の中心となっている。植物体の99.5%は
上記の諸元素からなるのであるが、近年、これらの主た
る元素以外の微量元素の働きが、植物の活性を左右し、
その成長のみならず健康にも重大な影響を及ぼしている
ことが明らかにされつつある。本実施形態の水耕栽培シ
ステムでは、このような微量元素を植物に供給するため
に、養液Aとして、天然ミネラル抽出液を用いることに
している。
【0018】この天然ミネラル抽出液には、有機物は全
く含まれていない。また、この天然ミネラル抽出液は、
実際の使用に際しては、用途、目的に応じて成分並びに
濃度を調整する。本実施形態では、天然ミネラル抽出液
を含む溶液を使用することにより、水中の悪玉バクテリ
アの発生を抑制して、植物の成長の促進を図っている。
【0019】空気供給装置50は、空気を複数の栽培容
器10に供給するものである。空気供給装置50は、コ
ンプレッサ51と、空気供給用管52と、タイマ53と
を有する。タイマ53は一定の時間が経過したことを計
時するものである。コンプレッサ51は、タイマ53か
らの信号に基づいて一定時間毎に一定量の空気を、空気
供給用管52を介して、各栽培容器10に供給する。
【0020】温度制御装置60は、各栽培容器10内の
溶液の温度をコントロールするものである。ここでは、
温度制御装置60としてマット状のものを用いている。
かかる温度制御装置60は、複数の栽培容器10の底面
から一定間隔だけ下に離れたところに設置される。本実
施形態では、上述したように栽培容器10を地中に埋め
ることにより、栽培容器10内の溶液をある程度一定の
温度に保つことができるが、温度制御装置60を用いる
のは、植物の種類に応じて、栽培容器10の温度をその
植物に適した温度となるように微調整するためである。
【0021】次に、栽培容器10について詳しく説明す
る。図2は本実施形態の水耕栽培システムに用いられる
栽培容器10の概略斜視図、図3はその栽培容器10の
概略断面図である。栽培容器10は、図1乃至図3に示
すように、容器本体11と、蓋部12と、溶液排出口1
3と、空気貯溜部14とを有する。栽培容器10は略円
筒形状をしており、通常、高さ20cm〜50cm、直
径20cm〜35cmのものを用いる。特に、栽培容器
10としては、一般に市販されているゴミ容器を使用す
ることができる。実際にどの程度の大きさの栽培容器1
0を使用するかは、栽培する植物の種類に応じて決めら
れる。例えば、トマトの木、稲等を栽培する場合には、
高さ約50cm、直径約30cmの栽培容器10を使用
する。また、三つ葉等のように小さな植物を栽培する場
合には、例えば、高さ約20cm、直径約20cmの栽
培容器10を用いる。但し、小さな植物を栽培する場合
でも、高さが少なくとも20cmである栽培容器10を
使用することが望ましい。これは次の理由による。すな
わち、本実施形態では、栽培容器10内の溶液を一定の
温度に保つために、栽培容器10を地中に埋めている。
しかし、このとき、栽培容器10の高さが小さいと、栽
培容器10を地中に深く埋めることができないため、栽
培容器10内の溶液の温度は外界の影響を受けて、大き
く変動してしまうからである。
【0022】容器本体11の側面であって、その上端か
ら3cm〜5cmだけ下の位置には、溶液排出口13を
設けている。溶液排出口13は容器本体11に入れるこ
とができる溶液の最大量をコントロールするものであ
る。すなわち、栽培容器10に溶液排出口13の高さま
で溶液が供給された後、さらに溶液が供給されても、そ
の溶液は溶液排出口13から外部に排出され、栽培容器
10には最高でも溶液排出口13までしか溶液が溜まら
ない。このように水排出口13を設けたことにより、水
位を計測するための専用器具等を用いなくとも、栽培容
器10内の溶液の最大量を容易に調整することができ
る。尚、溶液排出口13から排出された溶液は、そのま
ま地中に流してもよいし、また回収してもよい。
【0023】また、溶液排出口13を、容器本体11の
上端から3cm〜5cm下の位置に設けることにしたの
は、次の理由による。植物の水耕栽培では、栽培容器1
0の溶液排出口13から蓋12までの空間部分の存在が
とても重要である。植物の根が溶液にすっかり浸ってし
まうと、その根は腐ってしまう。このため、容器本体1
1の上側には空間部分を作ることにしている。一方、溶
液排出口13を栽培容器10の上端から5cmよりも下
に設けると、植物によっては根が溶液に届かないことが
ある。植物は、ある程度、芽が出た段階では湿気だけで
生育することができる。しかし、種子の中の養分を全部
吸い尽くした後は、根が水につかないと枯れてしまう。
このため、その際に根の先端が溶液に着くぐらいの位置
に溶液排出口13を設ける必要がある。この位置は植物
の種類によって異なるが、一般には、溶液排出口13を
容器本体11の上端から3cm〜5cmだけ下の位置と
すれば、大抵の植物にとって問題がない。
【0024】蓋部12は、図2に示すように、容器本体
11の口部を覆うものであり、真ん中から二つに分かれ
るようになっている。ここで、図2及び図3に示す蓋部
12は、トマトの木を水耕栽培する場合に用いられるも
のである。この場合、各栽培容器10には一本のトマト
の木が栽培される。蓋部12は、植物挿入用孔21と、
溶液供給用孔22と、空気供給用孔23と、子木挿入用
孔24とを有する。植物挿入用孔21は、トマトの木を
挿入するためのものであり、蓋部12の中央部に形成さ
れている。トマトの木は、この植物挿入用孔21で支え
られると共に、栽培容器10の近くに張られたネットに
幹を紐で縛り付けることにより支えられることになる。
また、溶液供給用孔22には、溶液供給装置40の溶液
供給用管45が通され、空気供給用孔23には、空気供
給装置50の空気供給用管52が通される。
【0025】子木挿入用孔24は、植物挿入用孔21に
挿入して生育させたトマトの木(親木)から切り取られ
た枝(子木)を挿し木として無性生殖させる場合に使用
されるものである。一般に、子木は、一定期間、親木と
同じ環境の下で生育させる必要がある。このため、子木
は最初に、子木挿入用孔24に挿入される。そして、子
木がある程度、根付いた段階で、子木を他の栽培用容器
10に移植する。
【0026】空気貯溜部14は、例えばお碗を伏せたよ
うな形状をしており、溶液の溶存酸素を増やすために使
用されるものである。この空気貯溜部14は容器本体1
1の底の方に取り付けられる。空気貯溜部14は空気供
給用孔14aを有し、この空気供給用孔14aに、蓋部
12の空気供給用孔23を通して引き伸ばされた空気供
給用管52が挿入される。空気供給装置50から空気供
給用管52を介して空気が送られると、空気貯溜部14
の下方に空気が溜まる。この溜まった空気(酸素)は溶
液との差圧により溶液に溶かし込まれる。尚、多量の酸
素を溶液に溶かし込むためには、空気貯溜部14を、そ
の下方に溜まる空気と溶液とが接触する部分の面積をな
るべく大きくなるような形状に形成することが望まし
い。
【0027】現在、この空気貯溜部を用いた方法は、し
尿処理の分野で使用されており、農業分野には適用され
ていない。本発明者等は、かかる方法を実際に本実施形
態の水耕栽培システムに適用してみたところ、溶液の溶
存酸素が8ppmにまで増大することを確認した。従来
の溶存酸素を増やす方法では、溶液の溶存酸素が2〜3
ppm程度までしか増えないことを考えると、この空気
貯溜部を用いて溶存酸素を増やす方法は、抜群の効果が
あると言える。したがって、この空気貯溜部を用いた方
法を水耕栽培システムに適用することにより、植物の根
に新鮮な酸素を与えることができ、植物の生育に好適な
環境を作り出すことができる。また、この方式は、とて
も簡易であるため、エネルギーコストも安いという利点
がある。
【0028】また、本実施形態では、容器本体11の底
に、いわゆるバイオの巣31を複数入れている。バイオ
の巣31とは、塩化ビニール製の糸状部材を巻いて略卵
形の状態にしたものである。このバイオの巣31はバク
テリアに住みやすい環境を提供する。バイオの巣31を
栽培容器10に入れておくと、そのバイオの巣31に住
みついたバクテリアが溶液を浄化し、溶液を常に綺麗な
状態にすることができる。特に、本実施形態では、空気
貯溜部14を用いて溶液の溶存酸素を多量に増やすこと
ができるので、これによってバクテリアの活動が一層活
発化する。このため、バイオの巣31を用いると共に、
空気貯溜部14を用いて溶液の溶存酸素を増やす方法を
適用することにより、バクテリアが活動しやすい環境を
作ることができるので、バクテリアによる溶液の浄化作
用が良好に働く。したがって、本実施形態の水耕栽培シ
ステムで栽培されている植物の根は真っ白になり、植物
は良好に成長する。
【0029】本実施形態の水耕栽培システムにおいて
は、溶液供給装置50のポンプ54は、例えば一日に一
回だけ、溶液を各栽培容器10に供給する。このとき、
供給する溶液の量は、植物により吸収されて減った分の
量である。溶液を常時、各栽培容器10に供給する必要
はない。これは、上述したように、バイオの巣31を用
いると共に、空気貯溜部14を用いて溶液の溶存酸素を
増やす方法を適用することにより、溶液を常に浄化した
状態に維持することができるからである。尚、このよう
に溶液は一定時間毎に各栽培容器に供給すればよいた
め、溶液供給装置50のポンプ54としては、従来の水
耕栽培システムで使用するものに比べて、簡易なものを
用いることができるという利点がある。
【0030】一方、空気供給装置60のコンプレッサ6
1は、所定時間毎に空気を各栽培容器10に供給する。
溶液を供給する場合に比べて、空気を頻繁に送るのは、
溶液の溶存酸素を常に高い割合に維持するためである。
本実施形態の水耕栽培システムでは、複数の栽培容器を
用い、溶液供給装置が複数の栽培容器に個別に溶液を供
給することにより、各栽培容器に供給された溶液は他の
栽培容器に供給されることがないので、各栽培容器を独
立したものとすることができる。このため、一つの栽培
容器で栽培されている植物が病気になっても、その病気
が他の栽培容器で栽培されている植物に伝染することは
ない。
【0031】また、各栽培容器を独立したものとするこ
とができるので、各栽培容器毎に成分等の異なる溶液を
供給することが可能である。しかも、温度制御装置を各
栽培容器毎に設けることにより、各栽培容器内の溶液の
温度を個別にコントロールすることが可能である。この
ため、複数の栽培容器で一種類の植物を栽培する場合だ
けでなく、いろいろな種類の植物を栽培する場合であっ
ても、個々の植物に対してその生育状態に応じた溶液を
与えて、植物の成長を個別的に管理することができる。
さらには、各種の実験を容易に行うことができる。例え
ば、溶液の温度や成分が植物の成長に及ぼす影響を調べ
たり、栽培容器でバクテリアの培養を行ったりすること
ができる。かかる実験は栽培容器単位で行われるため、
リスクも少ない。
【0032】また、本実施形態の水耕栽培システムで
は、各栽培容器の底の方に、空気供給装置から供給され
る空気を溜めることができる空気貯溜部を設けたことに
より、空気貯溜部に溜められた空気を溶液との差圧によ
って溶液に溶かし込んで、溶液の溶存酸素を大幅に増や
すことができる。このため、溶液を常に綺麗な状態にす
ることができる。しかも、空気供給装置から供給される
空気の気泡が破裂したときに、超音波が発生するので、
その超音波によって植物の根を刺激することができる。
【0033】また、本実施形態の水耕栽培システムで
は、高さ20cm〜50cm、直径20cm〜35cm
の小さな栽培容器を用いることにより、設備費が非常に
安いという利点がある。また、栽培容器が小さいため、
たとえ傾斜地であっても栽培容器を水平状態になるよう
に容易に設置することができる。したがって、本実施形
態の水耕栽培システムはどんな場所においても構築する
ことができ、所望の植物を栽培することができる。さら
に、栽培容器が小さいため、栽培容器を地面に穴を掘っ
て埋める作業が容易であり、かかる作業は個人でも行う
ことができる。
【0034】更に、本実施形態の水耕栽培システムで
は、上述したように、植物に対してその生育に良好な環
境を与えることができる。実際、本発明者等は、かかる
水耕栽培システムで野菜等を栽培したところ、収穫され
た野菜等は、従来のシステムで栽培されたものに比べ
て、糖度が抜群によいことが分かった。加えて、本実施
形態の水耕栽培システムでは、従来の水耕栽培システム
で用いられるベッドの代わりに、複数の栽培容器を使用
することにしているが、これによって、従来よりも生産
性が劣ることはない。複数の栽培容器を密に配置すれ
ば、この点をカバーすることができるからである。
【0035】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が
可能である。上記の実施形態では、栽培容器を地中に埋
める場合について説明したが、必ずしも栽培容器を地中
に埋める必要はない。例えば、建物の中に栽培容器を置
いて、植物を育成してもよい。
【0036】また、上記の実施形態では、略円筒形状の
栽培容器を用いる場合について説明したが、栽培容器と
しては、例えば、中空の直方体形状のものを用いてもよ
い。また、上記の実施形態では、少なくとも高さが20
cmである栽培容器を用いる場合について説明した。し
かし、例えば、栽培容器を地中に埋めずに、温度管理が
なされた場所に置いて、水耕栽培を行う場合等には、栽
培容器として、さらに高さの低いものを用いることがで
きる。一般に、栽培容器としては、容積が5〜50リッ
トルのものを用いることが望ましい。これは、次の理由
による。すなわち、容積が5リットルよりも小さい栽培
容器を用いると、空気貯溜部の下側に多量の空気を溜め
ることができなくなると共に、溶液を頻繁に栽培容器に
補給しなければならなくなるからである。一方、容積が
50リットルよりも大きい栽培容器を用いると、設備費
が安いという利点が失われてしまうからである。尚、設
備費をあまり考慮する必要がなければ、例えば、容積が
500〜1000リットルであるような、大型の栽培容
器を用いてもよい。
【0037】更に、上記の実施形態では、植物、例えば
トマトの木を、蓋部に形成された植物挿入用孔に挿入す
る場合について説明したが、蓋部の代わりに、植物を専
用の保持具に挿入するようにしてもよい。図4は専用の
保持具を説明するための図である。この専用の保持具7
0は、図4に示すように、金網状の本体部71に金具7
2を取り付けたものである。本体部71は、植物を挿入
するためのものであり、本体部71の中にはロックウー
ル75が入れられている。また、金具72の先端部は外
側に折り曲げられている。金具72の先端部を栽培容器
10の側面にひっかけることにより、保持具70が栽培
容器10に固定される。かかる保持具70を用い、その
本体部71内に植物を挿入することにより、植物を安定
して支えることができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数の栽培容器を用い、溶液供給手段が複数の栽培容器に
個別に溶液を供給することにより、各栽培容器に供給さ
れた溶液は他の栽培容器に供給されることがない。この
ため、一つの栽培容器で栽培されている植物が病気にな
っても、その病気が他の栽培容器で栽培されている植物
に伝染することはない。しかも、各栽培容器は独立して
いることにより、各栽培容器毎に温度や成分等の異なる
溶液を供給することができるので、各種の実験や栽培を
容易に行うことができる。
【0039】また、各栽培容器の底の方に、空気供給手
段から供給される空気を溜めることができる空気貯溜部
を設けたことにより、空気貯溜部の下方に溜められた空
気を溶液との差圧によって溶液に溶かし込んで、溶液の
溶存酸素を大幅に増やすことができる。しかも、空気供
給手段から供給される空気の気泡が破裂したときに、超
音波が発生するので、その超音波によって植物の根を刺
激することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である水耕栽培システムの
概略構成図である。
【図2】その水耕栽培システムに用いられる栽培容器の
概略斜視図である。
【図3】その栽培容器の概略断面図である。
【図4】専用の保持具を説明するための図である。
【図5】従来の水耕栽培システムの概略構成図である。
【図6】その水耕栽培システムで使用されるベッドの概
略斜視図である。
【符号の説明】
10 栽培容器 11 容器本体 12 蓋部 13 溶液排出口 14 空気貯溜部 21 植物挿入用孔 22 溶液供給用孔 23 空気供給用孔 24 子木挿入用孔 31 バイオの巣 40 溶液供給装置 41 第一貯蔵タンク 42a,42b 第二貯蔵タンク 43 液肥混入装置 44 ポンプ 45 溶液供給用管 46 タイマ 50 空気供給装置 51 コンプレッサ 52 空気供給用管 53 タイマ 60 温度制御装置 70 保持具 71 本体部 72 金具 75 ロックウール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物を栽培するために、所定の溶液が入
    れられた複数の栽培容器と、 前記複数の栽培容器に個別に前記溶液を供給する溶液供
    給手段と、 前記各栽培容器の底の方に設けられた、前記溶液中にお
    いて空気を溜めることができる、下端が開口又は開放し
    ている空気貯溜部と、 前記各栽培容器に設けられた前記空気貯溜部の下方に空
    気を供給する空気供給手段と、 を具備することを特徴とする水耕栽培システム。
  2. 【請求項2】 前記栽培容器は、容積が5〜50リット
    ルであることを特徴とする請求項1記載の水耕栽培シス
    テム。
  3. 【請求項3】 前記複数の栽培容器を地中に埋めたこと
    を特徴とする請求項1又は2記載の水耕栽培システム。
  4. 【請求項4】 前記各栽培容器の側面に、前記溶液の水
    位を一定に保つための溶液排出口を設けたことを特徴と
    する請求項1、2又は3記載の水耕栽培システム。
  5. 【請求項5】 前記溶液は、天然ミネラル抽出液を含む
    ものであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記
    載の水耕栽培システム。
  6. 【請求項6】 前記各栽培容器に、塩化ビニール製の糸
    状部材を巻いて作られた略卵形の物体を複数入れたこと
    を特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の水耕栽
    培システム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100349242C (zh) * 2002-11-26 2007-11-14 内桥艾斯泰克股份有限公司 合金型温度熔断器及温度熔断器元件用材料
JP2009038988A (ja) * 2007-08-06 2009-02-26 Hiroshima Pref Gov 辛味成分の少ないアリウム属植物の栽培方法
WO2010046959A1 (ja) * 2008-10-20 2010-04-29 株式会社フェアリーエンジェル 植物の水耕栽培装置
CN107372076A (zh) * 2017-06-29 2017-11-24 浙江大学 一种无土栽培装置及控制方法

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