JPH11266060A - 半導体レ―ザ - Google Patents

半導体レ―ザ

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JPH11266060A
JPH11266060A JP2383799A JP2383799A JPH11266060A JP H11266060 A JPH11266060 A JP H11266060A JP 2383799 A JP2383799 A JP 2383799A JP 2383799 A JP2383799 A JP 2383799A JP H11266060 A JPH11266060 A JP H11266060A
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JP
Japan
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layer
algainp
gaas
semiconductor laser
laser
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JP2383799A
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Inventor
Hiroaki Fujii
宏明 藤井
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部損失が小さく、低閾値電流、高光出力効
率の得られる透明導波路型AlGaInPレーザを結晶
歪による特性悪化を伴わずに実現する。 【解決手段】 GaAs基板上に設けられる、活性層
と、活性層を上下より挟み込む上部クラッド層および下
部クラッド層と、上部クラッド層上に形成され、発振光
に対して透明でありストライプ状の開口部を有し、Al
GaInPまたはAlInPと、GaAsとの少なくと
も2層を含む電流ブロック層と、上部クラッド層と電流
ブロック層の間および電流ブロック層の開口部によりス
トライプ状に露出した上部クラッド層の上に形成される
Alを含まないエッチングストッパー層と、電流ブロッ
ク層の上、および、電流ブロック層の開口部によりスト
ライプ状に露出したエッチングストッパー層の上に形成
されたAlGaAsを含むクラッド層と、を具備し、上
部クラッド層はAlGaInPまたはAlInPを含
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルビデオデ
ィスク、あるいは光磁気ディスク等に用いられ、AlG
aInP系であり、波長として赤色〜橙色を出力する半
導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタルビデオディスク、あるい
は光磁気ディスク用にAlGaInP系短波長レーザ、
あるいはAlGaInP系高出力レーザの開発が盛んに
行われている。短波長レーザとしては、小林健一らによ
るジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィ
ジックス誌29巻L1669頁(1990年)に記載さ
れているものがあり、高出力レーザとしては、上野らに
よるエレクトロニクス・レターズ(ELECTRONICS LETTER
S)誌28巻860頁(1992年)記載のものがあ
る。
【0003】しかしながら、従来のAlGaInP赤色
半導体レーザのほとんどは、図3に示すように、発振光
を吸収するGaAs電流ブロック層を有するリッジ構造
が用いられている。図3中、301はMQW(Multi Qu
antum Well)活性層、302はn−AlGaInPクラ
ッド層、303はp−AlGaInPクラッド層、30
4はp−GaInPキャップ層、306はn−GaAs
バッファ層、308はn−GaAsブロック層、309
はp−GaAsコンタクト層、310はn−GaAs基
板、311はn側電極、312はp側電極である。
【0004】上記のようにリッジ構造を用いることか
ら、レーザ光の導波に関わる内部損失が大きく、発振閾
値電流の増大、動作電流の増大、および光出力効率の低
下を招来し、充分な特性を得ることが難しい状況にあっ
た。
【0005】これに対し、図4に示す様に、発振光に対
して透明なAlInPをブロック層とするリッジ構造の
半導体レーザが半導体レーザ国際会議(予稿集243
頁、1994年)で小林隆二らにより報告されている。
図4中、401はMQW活性層、402はn−AlGa
InPクラッド層、403はp−AlGaInPクラッ
ド層、404はp−GaInPキャップ層、406はn
−GaAsバッファ層、407はAlGaInPブロッ
ク層、408はn−GaAsブロック層、409はp−
GaAsコンタクト層、410はn−GaAs基板、4
11はn側電極、412はp側電極である。
【0006】上記の構造では、リッジ側面および底面に
形成されたAlInPのブロック層407は、電流ブロ
ック層として機能すると同時に、上部に形成されたn−
GaAsであるブロック層408との屈折率の差によっ
て実屈折率導波による水平方向の光閉じ込め層として機
能する。同レーザでは、AlInPは、発振光に対して
透明であるために内部損失が小さく、発振閾値を低減す
ること、および光出力効率が増加することが確認されて
いる。
【0007】しかしながら、上記のレーザでは以下のよ
うな問題点も存在する。AlInPブロック層は有機金
属気相成長法(MOVPE法)で埋め込み成長される
が、このときに、平坦部とリッジ側面の傾斜部でAlI
nPの格子定数が大きく異なることから結晶歪が生じ、
素子の特性および信頼性に悪影響を及ぼす点である。
【0008】この理由は、MOVPE成長において、結
晶表面でのIII族原料種間(AlとIn)の拡散係数の
違い、結晶への取り込まれやすさ(Sticking Coefficie
nt)の違いにより、2種類以上の結晶面が表面に存在す
るときに、原料種の偏析が生じるためである。従って、
短波長レーザの高温動作特性、あるいは、高出力レーザ
の高温高出力特性など厳しい動作特性を要求される用途
には上記のレーザ構造は不適であると考えられる。
【0009】一方、AlGaAs赤外光半導体レーザで
従来よりよく知られているレーザ構造として、図5に示
すセルフアラインドストラクチュア(SAS)構造があ
る。
【0010】図5中、501はAl0.15Ga0.84As活
性層、502はn−Al0.5Ga0.5Asクラッド層、5
03はp−Al0.5Ga0.5As第1光ガイド層、504
はp−Ga0.5In0.5P第2光ガイド層、505はp−
Al0.5Ga0.5Asクラッド層、506はn−GaAs
バッファ層、507はn−Al0.6Ga0.4Asブロック
層、508はn−Al0.2Ga0.8As保護層層、509
はp−GaAsコンタクト層、510はn−GaAs基
板、511はn側電極、512はp側電極である。
【0011】図5に示すレーザ構造は特開平6−132
607号公報に開示されたものであり、電流をブロック
するブロック層507は発振光に対して透明なn−Al
0.6Ga0.4Asで構成されている。また、導波路を形成
するために、ブロック層507をストライプ状に開口
し、p−Al0.5Ga0.5Asクラッド層505を埋め込
み成長するわけであるが、その際のストライプ開口のエ
ッチングストッパー層としてp−Ga0.5In0.5Pであ
る第2光ガイド層504が設けられており、これによ
り、充分な特性のAlGaAs系赤外光半導体レーザが
実現できる旨記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した各従来例のう
ち、図3に示したものにおいては、発振光を吸収するG
aAs電流ブロック層を有するリッジ構造が用いられて
いるため、レーザ光の導波に関わる内部損失が大きく、
発振閾値電流の増大、動作電流の増大、光出力効率の低
下を招来し、充分な特性を得るのが難しいという問題点
がある。
【0013】図4に示したものにおいては、AlInP
ブロック層は有機金属気相成長法(MOVPE法)で埋
め込み成長されるが、このときに、平坦部とリッジ側面
の傾斜部でAlInPの格子定数が大きく異なることか
ら結晶歪が生じ、素子の特性および信頼性に悪影響があ
るという問題点がある。
【0014】特開平6−132607号公報に開示され
るものにおいては、上記の各問題点は解消されるが、こ
れは結晶材料が全組成域でGaAs基板にほぼ格子整合
するAlGaAs系結晶に基づいているために可能とな
ったといえる。
【0015】AlGaAs系をAlGaInP系に置き
換えて特開平6−132607号公報に開示される構造
と同様なレーザ構造を試作してみた。具体的には、活性
層をGaInPとし、クラッド層をp−AlGaIn
P,n−AlGaInPとし、エッチングストッパー層
をp−GaInPとし、埋め込むクラッド層をp−Al
GaInPとしたしたところ、図4に示したリッジ構造
レーザと同様に、開口部に埋め込んだAlGaInPク
ラッドの格子定数が平坦部と傾斜部で大きくずれてしま
うという問題が発生した、その結果、活性層に歪が発生
することによる特性悪化、あるいは不純物の固相拡散促
進による特性悪化が観測された。
【0016】上記のように特開平6−132607号公
報に開示される構成では、少なくともAlGaInP系
では、充分なレーザ特性を得ることが難しいことがわか
った。この原因は、AlGaInPという結晶が、結晶
組成を変えることにより、GaAs基板に格子整合する
値から大きくずれ得るためであると考えられ、MOVP
E成長において、結晶表面でのIII族原料種間(Al、
Ga、In)の拡散係数の違い、結晶への取り込まれや
すさの違いにより、2種類以上の結晶面が表面に存在す
るときに、原料種の偏析により大きな格子ずれによる歪
が生じると考えられる。
【0017】本発明は上述したような従来の技術が有す
る問題点に鑑みてなされたものであって、内部損失が小
さく、低閾値電流、高光出力効率の得られる透明導波路
型AlGaInPレーザを結晶歪による特性悪化を伴わ
ずに実現することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ
は、GaAs基板上に設けられる、活性層と、前記活性
層を上下より挟み込む上部クラッド層および下部クラッ
ド層と、前記上部クラッド層上に形成され、発振光に対
して透明でありストライプ状の開口部を有し、AlGa
InPまたはAlInPと、GaAsとの少なくとも2
層を含む電流ブロック層と、前記上部クラッド層と前記
電流ブロック層の間および前記電流ブロック層の開口部
によりストライプ状に露出した前記上部クラッド層の上
に形成されるAlを含まないエッチングストッパー層
と、前記電流ブロック層の上、および、前記電流ブロッ
ク層の開口部によりストライプ状に露出した前記エッチ
ングストッパー層の上に形成されたAlGaAsを含む
クラッド層と、を具備し、前記上部クラッド層はAlG
aInPまたはAlInPを含む半導体であることを特
徴とする。
【0019】この場合、前記エッチングストッパー層が
GaInPを含むこととしてもよい。
【0020】「作用」上記のように構成される本発明に
おいては、電流ブロック層にストライプ状の開口部を形
成することにより埋込型のリッジ構造が形成される。こ
の埋込リッジ構造を形成するクラッド層はAlGaAs
を含むものであるため、格子定数のずれによる大きな結
晶歪が発生することはない。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明による半導体レーザ
の構造を示す図であり、図2は本発明によるセルフパル
セーション型半導体レーザの構造を示す図である。
【0022】まず、図1に示した半導体レーザについて
説明する。図1中、101はMQW活性層、102はn
−AlGaInPクラッド層、103はp−AlGaI
nPクラッド層、104はp−GaInPエッチングス
トッパー層、105はp−AlGaAsクラッド層、1
06はn−GaAsバッファ層、107はn−AlGa
InPブロック層、108はn−AlGaAsブロック
層、109はp−GaAsコンタクト層、110はn−
GaAs基板、111はn側電極、112はp側電極で
ある。
【0023】図1に示す半導体レーザは、MQW活性層
101をp−AlGaInPクラッド層103,n−A
lGaInPクラッド層102で挟み込んだダブルヘテ
ロ構造を垂直方向の基本的な導波構造とするもので、こ
の上に水平方向の導波構造を形成するために以下の構造
を有している。
【0024】まず、電流ブロック層として発振光に対し
て透明なn−AlGaInP層を含むブロック層107
を形成する。このブロック層107は電流ブロックと同
時に発振光に対して実屈折率導波を行う光閉じ込め層と
しても機能する。これにより、光導波に関わる内部損失
が低減し、閾値電流の低減、光出力効率の増加が可能と
なる。
【0025】次に、電流注入経路を作製するため、ブロ
ック層107にストライプ状の開口部を形成する。この
時、エッチングストッパーとして作用し、かつ、埋め込
み成長時の酸化を防止する層としてエッチングストッパ
ー層104を形成する。この上に、クラッド層105を
形成するわけであるが、上述したように、結晶材料系を
AlGaInP系に閉じて考えた場合、必然的に格子定
数ずれによる結晶歪の問題が発生する。この問題を解決
するために、本発明ではAlGaInP系とAlGaA
s系を組み合わせて考え、埋め込みクラッド層105を
AlGaAs層とすることにより、格子定数の大きなず
れによる結晶歪を回避した。
【0026】AlGaAs系では、もしIII族組成が最
大限ずれてAlAsになったとしても、格子ずれは0.
3%程度で非常に小さなために大きな問題は引き起こさ
ない。これにより、本発明では、発振光に対して透明な
ブロック層107を有し、かつ結晶歪の無い良好なレー
ザ構造が実現可能となった。
【0027】また、本発明では、さらに、電流ブロック
層をそれぞれAlGaInPおよびGaAsで形成され
るブロック層107およびブロック層108の2層構造
とし、埋め込み成長時のブロック層となるブロック層1
08が表面に酸化しやすいAlを含まないので埋め込み
層の結晶性を良好に保つことが可能となっている。
【0028】次に、図2の本発明のセルフパルセーショ
ン型半導体レーザについて説明する。図2中、201は
MQW活性層、202はn−AlGaInPクラッド
層、203はp−AlGaInPクラッド層、204は
p−GaInPエッチングストッパー層、205はp−
AlGaAsクラッド層、206はn−GaAsバッフ
ァ層、207はn−AlGaInPブロック層、208
はn−AlGaAsブロック層、209はp−GaAs
コンタクト層、210はn−GaAs基板、211はn
側電極、212はp側電極である。
【0029】図2の構造は本発明の優位性を示す一つの
応用例である。近年、光ディスク用途の半導体レーザに
はセルフパルセーション特性が強く要求される傾向にあ
る。セルフパルセーションとは、レーザ導波路内部に過
飽和吸収領域を有している構造において、発振光が数1
00MHz程度の周期で振動する自励発振現象である。
セルフパルセーションが起こると光ディスクからの戻り
光に対して位相がずれるために雑音が小さくなる利点が
有る。具体的には、現在高周波モジュールを付加して低
雑音化しているシステムの場合、高周波モジュールが不
要となることから小型化できるという利点を有してい
る。
【0030】セルフパルセーション実現の一般的な方法
として、光導波路脇の活性層が過飽和吸収層として機能
することがよく知られている。これは、光導波路脇の活
性層の電流注入レベルが小さく、かつ、禁制帯幅が発振
光と一致しているために起こる。通常、リッジ型の半導
体レーザでは、リッジ脇のクラッド残り厚を厚くする等
の方法で実現される。
【0031】図2の構造では、この活性層の過飽和吸収
効果をもっと効率良く利用でき、しかも至って簡便に作
製することができる。即ち、電流注入部の開口部形成の
際に、GaAsとAlGaInPで大きなエッチングレ
ート差の取れるエッチング液を用いることにより、図2
に示すようなAlGaInPブロック層207が大きく
サイドエッチングされた構造を作製できる。
【0032】上記のような構造では、AlGaInPブ
ロック層で規定される光導波路幅に比べて、GaAsブ
ロック層208で規定される電流注入幅が小さなため、
活性層に電流が注入されない部分が生じ、この部分の活
性層は過飽和吸収層となる。これにより、良好な特性を
有するセルフパルセーション型AlGaInPレーザを
実現することができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の半導体レーザの実施例につい
て説明する。まず、図1に示した半導体レーザの実施例
について説明する。
【0034】本実施例の半導体レーザは2回のMOVP
E気相成長法および選択エッチングプロセスにより作製
した。1回目のMOVPE成長では発光部となる活性層
を含むダブルヘテロ構造を形成する。
【0035】n−GaAs基板110上にMOVPE法
により、0.3μm厚のn−GaAsバッファ層10
6、1.0μm厚のn−(Al0.7Ga0.30.5In0.5
Pクラッド層102、MQW活性層101、0.25μ
m厚のp−(Al0.7Ga0.3 0.5In0.5Pクラッド層
103、50nm厚のp−Ga0.5In0.5Pエッチング
ストッパー層104、0.25μm厚のn−(Al0.75
Ga0.250.5In0.5Pブロック層107、0.7μm
厚のn−GaAsブロック層108を順に形成する。
【0036】なお、n−GaAs基板110の結畠方位
は、(001)EXACTおよび(001) 15 d
eg OFF TO [110]の2種類を試作した。
前者は、670nm近傍に発振波長を有するレーザ、後
者は、650nm近傍に発振波長を有するレーザとな
る。これは、AlGaInP結晶で良く知られている自
然超格子(III族副格子上のオーダリング現象。これに
より結晶の禁制帯幅が変化することが知られている。)
により生じる違いで、[001]EXACT基板では自
然超格子が強く形成されるために禁制帯幅が小さなため
に670nmレーザとなるが、15度オフ基板では自然
超格子の形成が弱く、禁制帯幅が大きなために650n
mレーザとなる。
【0037】また、MQW活性層101の構成は、50
nm厚のn−(Al0.5Ga0.50. 5In0.5Pガイド
層、8nm厚のGa0.5In0.5Pウェル4枚と4nm厚
の(Al0.5Ga0.50.5In0.5Pバリア3枚の多重量
子井戸構造、50nm厚のp−(Al0.5Ga0.50.5
In0.5Pガイド層の多層構造とした。
【0038】次に、電流注入部として電流ブロック層に
ストライプ状の開口部を形成する。開口部作製にあたっ
ては、フォトリソグラフィー技術により、幅約5μmの
ストライプ状マスクを開口する。そして、選択エッチン
グによりn−GaAsブロック層108、n−AlGa
InPブロック層107を順次除去する。GaAsのエ
ッチングには燐酸系エッチング液を、AlGaInPの
エッチングにはハロゲン系エッチング液を用いた。
【0039】その後、2回目のMOVPE成長で順次、
p−Al0.6Ga0.4Asクラッド層105、p−GaA
sコンタクト層109を形成した。最後に、n−GaA
s基板110を100μm程度まで研磨したのち、p側
電極112,n側電極111を形成し、劈開による共振
器面形成、素子分離を経てレーザ構造を作製した。
【0040】上記作製工程において、本発明によるレー
ザを設計する上で特に重要なことは、異なる材料系であ
るAlGaInPとAlGaAsを組み合わせているた
めに屈折率の関係を良く考慮することである。具体的に
は、p−AlGaInPクラッド層103とp−AlG
aAsクラッド層105の屈折率がほぼ一致するように
各層の組成を設計した。また、n−AlGaInPブロ
ック層107については各クラッド層103,105に
比べて屈折率が若干小さくなり、屈折率導波構造となる
ように、Al組成を少し高めに設計した。
【0041】これにより、水平方向の導波に関しては、
等価屈折率差を3×10-3程度にすることができる。
【0042】本発明の特徴は、上述したように、電流注
入の開口部を埋め込むクラッド層にAlGaAs層を用
いていることである。これにより、本実施例では格子ず
れによる結晶歪の導入、あるいは不純物固相拡散など結
晶性悪化が無く、良好なレーザ発振特性が得られた。
【0043】また、本実施例では電流ブロック層をn−
AlGaInP107とn−GaAs108の2層構造
とすることでAlGaAsクラッド層105埋め込み時
に表面酸化による結晶性が低下する問題を回避できるも
のとなっている。なお、発振光の垂直方向の拡がりはn
−GaAsブロック層108には殆ど達しておらず、吸
収損失は殆ど無い。
【0044】上記の方法で作製した半導体レーザを評価
したところ、従来のn−GaAsブロック層を有するレ
ーザに比べると発振閾値電流が大幅に低いものとなり、
光出力効率が改善されたことを確認することができた。
また、結晶歪の影響が無いことから実用上充分な特性が
得られた。具体的にいうと、670nmレーザでは発振
閾値10mA以下という良好な特性が確認され、また、
650nmレーザにおいても発振閾値20mA程度の良
好な特性が確認された。さらに、両者のいずれのレーザ
においても、実用的な2,000h以上の推定寿命が得
られた。
【0045】次に、図2の本発明のセルフパルセーショ
ン型半導体レーザについて説明する。図2の半導体レー
ザの作製方法は、図1のものと殆ど同様であるが、n−
AlGaInPブロック層207の選択エッチングの際
にオーバーエッチングすることで、図2のようなサイド
エッチの形状を作製した。エッチング液は上述と同様の
ハロゲン系のエッチング液で、AlGaInPとGaI
nPのエッチング選択比を充分に確保できるために図示
するような形状を作製することができる。
【0046】作製した半導体レーザ(波長650nm)
を評価したところ、良好な静特性に加えて、明瞭なセル
フパルセーションが観測された。また、同レーザを光デ
ィスクの光ヘッドに組み立てて戻り光雑音評価を行った
ところ、戻り光3%まで−130dB/Hz以下の低雑
音特性が得られ、光ディスク用途に充分な特性を持つこ
とを確認できた。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の半導体レー
ザによれば、内部損失が小さく低閾値電流、高光出力効
率の得られる透明導波路型のAlGaInP半導体レー
ザを、簡便かつ結晶歪の導入による特性悪化を伴わずに
実現することができる効果がある。
【0048】また、過飽和吸収領域を有するセルフパル
セーション型レーザについても簡便かつ容易に実現する
ことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体レーザの一実施例の構造を
示す図である。
【図2】本発明による半導体レーザの一実施例の構造を
示す図である。
【図3】半導体レーザの従来例の構造を示す図である。
【図4】半導体レーザの従来例の構造を示す図である。
【図5】半導体レーザの従来例の構造を示す図である。
【符号の説明】
101 MQW活性層 102 n−AlGaInPクラッド層 103 p−AlGaInPクラッド層 104 p−GaInPエッチングストッパー層 105 p−AlGaAsクラッド層 106 n−GaAsバッファ層 107 n−AlGaInPブロック層 108 n−GaAsブロック層 109 p−GaAsコンタクト層 110 n−GaAs基板 111 n側電極 112 p側電極 201 MQW活性層 202 n−AlGaInPクラッド層 203 p−AlGaInPクラッド層 204 p−GaInPエッチングストッパー層 205 p−AlGaAsクラッド層 206 n−GaAsバッファ層 207 n−AlGaInPブロック層 208 n−GaAsブロック層 209 p−GaAsコンタクト層 210 n−GaAs基板 211 n側電極 212 p側電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaAs基板上に設けられる、 活性層と、 前記活性層を上下より挟み込む上部クラッド層および下
    部クラッド層と、 前記上部クラッド層上に形成され、発振光に対して透明
    でありストライプ状の開口部を有し、AlGaInPま
    たはAlInPと、GaAsとの少なくとも2層を含む
    電流ブロック層と、 前記上部クラッド層と前記電流ブロック層の間および前
    記電流ブロック層の開口部によりストライプ状に露出し
    た前記上部クラッド層の上に形成されるAlを含まない
    エッチングストッパー層と、 前記電流ブロック層の上、および、前記電流ブロック層
    の開口部によりストライプ状に露出した前記エッチング
    ストッパー層の上に形成されたAlGaAsを含むクラ
    ッド層と、を具備し、 前記上部クラッド層はAlGaInPまたはAlInP
    を含む半導体であることを特徴とする半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 前記エッチングストッパー層がGaIn
    Pを含むことを特徴とする請求項1記載の半導体レー
    ザ。
JP2383799A 1999-02-01 1999-02-01 半導体レ―ザ Pending JPH11266060A (ja)

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