JPH11264832A - プローブ又は試料の駆動装置 - Google Patents

プローブ又は試料の駆動装置

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JPH11264832A
JPH11264832A JP10088296A JP8829698A JPH11264832A JP H11264832 A JPH11264832 A JP H11264832A JP 10088296 A JP10088296 A JP 10088296A JP 8829698 A JP8829698 A JP 8829698A JP H11264832 A JPH11264832 A JP H11264832A
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Katsushi Nakano
勝志 中野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動装置が薄い構成であり、かつ、高速に走
査を行うことができ、しかも、得られた像面の湾曲が小
さいプローブ又は試料の駆動装置を提供する。 【解決手段】 積層型圧電素子4が伸長すると、2軸平
行ばね1がX軸方向に押され、それにより2軸平行ばね
1が変形してカンチレバー10の位置がX軸方向に変位
する。積層型圧電素子5が伸長すると、2軸平行ばね1
がY軸方向に押され、それにより2軸平行ばね1が変形
してカンチレバー10の位置がY軸方向に変位する。積
層型圧電素子6が伸長すると、縦方向平行ばね2がX−
Y平面内方向に押され、それにより縦方向平行ばね2が
変形してカンチレバー10の位置がZ軸方向に変位す
る。いずれの積層型圧電素子も、2軸平行ばね1及び縦
方向平行ばね2とは結合されておらず、当接しているの
みである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型プローブ顕
微鏡等において、プローブ又は試料を3次元的に移動さ
せるプローブ又は試料の駆動装置及に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡では、プローブを
試料に対して相対的に3次元的に移動させる。例えば、
走査型プローブ顕微鏡の1つである原子間力顕微鏡等で
は、試料表面の原子的尺度の凹凸形状を測定するため、
試料表面とプローブとの間の距離を一定に保ちながらプ
ローブを試料表面と平行な面内で走査している。したが
って、試料表面に対して垂直な方向であるZ方向のプロ
ーブの移動と、試料表面と平行なX、Y方向の面内走査
とが必要である。
【0003】従来、走査型プローブ顕微鏡におけるプロ
ーブや試料の駆動には、チューブ型駆動装置(G. Binni
g and D. P. E. Smith, Single-tube three dimensiona
l scanner for scanning tunneling microscopy, Rev.
Sci. Instrum. 57 (8) p 1688-1689, August 1986)等
が用いられていた。
【0004】また従来の走査型プローブ顕微鏡では、プ
ローブが固定で試料をスキャンするタイプが一般的であ
ったが、大型の試料をスキャンできない等の試料のサイ
ズに制限があったため、現在ではプローブスキャンタイ
プも広く使われるようになってきた。
【0005】図10に、従来のプローブスキャン型原子
間力顕微鏡のプローブを駆動する装置であるチューブ型
駆動装置の一例を示す。図10において、(a)はチュ
ーブ型駆動装置の斜視図であり、(b)は当該チューブ
型駆動装置を用いて得た像の様子を模式的に示す図であ
る。このチューブ型駆動装置101は、円筒状等の筒状
の形状を有した圧電体に、内側の面又は外側の面のいず
れか一方に全面的にグランド電極が設けられ、かつ他方
の面には例えば4分割された電極が設けられた構成を有
している。図10(a)に示す例では、該チューブ型駆
動装置101の自由端上にはプローブとしての原子間力
顕微鏡用カンチレバー102とそのたわみを検出するた
めの光源103と検出器104が配置されている。前記
チューブ型駆動装置101では、対向する分割電極にそ
れぞれ正負反対の電圧を印加することによって筒状の圧
電体が横方向に撓み、これによりX方向あるいはY方向
の走査駆動が行われる。また、Z方向の駆動は、分割電
極にそれぞれ同電圧のオフセット電圧を印加し、筒状の
圧電体が伸縮変位させることによって実現される。
【0006】図11に、従来のプローブスキャン型原子
間力顕微鏡のプローブを駆動する装置であるトライポッ
ト型駆動装置の一例を示す。このトライポット型駆動装
置は、3本の圧電駆動部材112a、112b、112
cを有しており、これらにより、X、Y、Z方向にそれ
ぞれ独立してプローブ111を移動させる。すなわち、
このトライポット型駆動装置は、互いに直交する3つの
平板113a、113b、113cからなる箱体114
と、この箱体114の1つの平板113c上に載置さ
れ、それぞれの一端がヒンジ115a、115bを介し
て平板113a、113bの内壁に固定され、かつ、平
板113a、113bに対して直角方向に伸縮可能な2
つの圧電駆動部材112a、112bと、平板113c
上の2つの圧電駆動部材112a、112bの交点部分
に固定配置されたブロック16と、このブロック16の
上に平板113cに垂直に固定した圧電駆動部材112
cと、圧電駆動部材112cの先端にホルダ117を介
して取付けられた探針111とから構成されている。
X、Y方向用の圧電駆動部材112a、112bとして
は、その伸縮方向に圧電層を蓄積した積層型圧電体が用
いられている。
【0007】更に、3軸方向の干渉がないプローブ駆動
装置として、特許公報第2577423号に開示されて
いるようなものが公知である。これは、1軸駆動装置の
変位端にそれと直交する向きのもう1つの駆動装置を設
け、更にその変位端に、他の2軸と直交する向きのもう
1つの駆動装置を設けるものである。
【0008】これらプローブスキャン型原子間力顕微鏡
の測定範囲は狭い範囲に限られる。よって、検査を行う
場合には、予め光学顕微鏡により試料とプローブを観察
し、プローブ位置を試料の存在位置に位置決めすること
が測定効率を上げる上で大切である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
(a)に示す従来のチューブスキャナを使ったプローブ
スキャン型原子間力顕微鏡では、チューブスキャナが縦
に長い構造のため、光学顕微鏡の先端部に取付けること
ができず、プローブと試料を光学顕微鏡を用いて位置合
わせすることが困難であるという問題点がある。
【0010】またチューブスキャナの先にプローブ10
2に作用する力検出用のレーザー103とディテクター
104が取り付けられているため、チューブスキャナの
縦方向の共振周波数が低くなってしまう。
【0011】プローブスキャン型原子間力顕微鏡を使用
して試料表面の凹凸を測定しようとする場合、プローブ
と試料の間隔を一定に保つようにチューブスキャナによ
ってプローブを駆動しながら、試料表面に沿ってプロー
ブを移動させる。このとき、チューブスキャナの共振周
波数がプローブの駆動周波数に対して十分高ければ、プ
ローブ駆動の指令に比例した振幅で位相遅れの無い変位
をプローブに生じさせることができ、正確な測定ができ
る。
【0012】しかし、チューブスキャナの縦方向の共振
周波数が低い場合には、プローブ駆動の周波数も低くし
ないと、プローブ駆動指令に対してプローブの振幅が比
例せず、かつ位相遅れが生じることになる。よって、従
来のチューブスキャナを使用したプローブ走査型原子間
力顕微鏡では、プローブ駆動周波数を低くせざるを得
ず、そのために測定速度を大きくできないという問題点
を有している。
【0013】更にもう一つの問題点として、前述した従
来のチューブ型駆動装置では、X、Y方向の走査は円筒
状の圧電体のX、Y方向への撓みを利用しているため、
プローブ又は試料をX、Y面内で平に走査することがで
きず、走査の軌跡は矢印105に示すように円弧を描
く。そのため得られた画像は図10(b)のように歪ん
でしまうという問題も有している。
【0014】また、図11図に示す従来のトライポット
型駆動装置においては、X、Y軸方向にプローブを駆動
する2つの圧電駆動部材112a、112bがヒンジ1
15a、115bを介して平板113a、113bの内
壁に固定されている。これらヒンジ115a、115b
は、圧電駆動部材112a、112bの伸縮に応じて変
形する必要があるため、剛性の低い材料で構成される。
よって、X、Y軸方向での機械的な共振周波数が低くな
り、前に述べた理由と同じ理由により、X、Y方向の走
査速度を速くできないという問題点を有している。
【0015】また、全体が縦に長い構造のため、光学顕
微鏡の先端部に取付けることができず、プローブと試料
を光学顕微鏡を用いて位置合わせすることが困難である
という問題点がある。
【0016】また、特許公報第2577423号に記載
されるもののようなプローブ駆動装置では、1軸駆動装
置により他の2つの駆動装置まで一緒に駆動するという
非効率な構成となりやすく、駆動装置の共振周波数が著
しく低くなってしまい、高速な走査が不可能であるとい
う問題点を有している。
【0017】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、駆動装置が、光学顕微鏡の先端部に取付けら
れる程度に薄い構成であり、かつ、駆動装置の機械的共
振周波数を高くして高速に走査を行うことができ、しか
も、得られた像面の湾曲が小さい状態で広域を走査でき
るプローブ又は試料の駆動装置を提供することを課題と
する。更に、本発明は、プローブ又は試料が受ける機械
的振動を軽減して十分な分解能を確保することができる
プローブ又は試料の駆動装置を提供することを課題とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、第1の駆動力発生装置と、第2の駆動
力発生装置の伸縮によって、プローブ又は試料を2次元
平面内で移動させるブローブ又は試料の駆動装置であっ
て、前記第1の駆動力発生装置及び前記第2の駆動力発
生装置に直接又は間接的に当接し、それらの伸縮によっ
て変形する変形部自在を有し、前記変形部材は、前記変
形によっては移動しない固定端と、前記変形によって移
動する自由端とを有し、プローブ又は試料を前記変位部
材の自由端に結合して前記変位部材を変形させることに
より、プローブ又は試料を2次元平面内で移動させるこ
とを特徴とするもの(請求項1)である。
【0019】ここで、「直接又は間接的に当接してい
る」とは、第1の駆動力発生装置又は第2の駆動力発生
装置が、変形部材に直接当接していてもよいし、変形部
材に設けられた突起等の他の部材を介して当接していて
いもよいことを示す。
【0020】たとえば、第1の駆動力発生装置がX軸方
向への駆動力を与えるものであり、第2の駆動力発生装
置がY軸方向への駆動力を与えるものであるとすると、
X軸方向、Y軸方向へのプローブ又は試料の移動は、1
つの共通の変位部材の変形を介して行われる。すなわ
ち、第1の駆動力発生装置が伸縮すると、それに応じて
変位部材が変形し、その自由端に結合されたプローブ又
は試料がX軸方向に移動する。第2の駆動力発生装置が
伸縮すると、それに応じて変位部材が変形し、その自由
端に結合されたプローブ又は試料がY軸方向に移動す
る。たとえば、1つの駆動力発生装置が伸長すると、変
形部材はそれに押されて変形し、当該駆動力発生装置が
縮小すると、変形部材は自らの弾性力で元に戻る。2つ
の駆動装置を同時に駆動すれば、X軸方向の移動とY軸
方向の移動を同時に行わせることができる。
【0021】これら、第1の駆動力発生装置、第2の駆
動力発生装置、変形部材は、高さを低くし、同一の平面
の近傍に位置するように配置することができる。よっ
て、これらを組み合せた構成要素の高さは高くならな
い。よって、光学顕微鏡の先端に設置することができ
る。
【0022】これら第1の駆動力発生装置、第2の駆動
力発生装置、変形部材は、全体として剛性の高い材料で
構成することができるため、機械的な共振周波数が高く
なる。よって、第1の方向、第2の方向について、高速
で走査を行うことができる。
【0023】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、前記変位部材は、少なくとも
4つの曲げ剛性の高い部材を互いに折れ曲がって結合す
ることにより枠が形成される形状を有し、当該曲げ剛性
の高い部材同士が結合されている部分は、曲げ剛性の低
い部分であって、前記第1の駆動力発生装置及び前記第
2の駆動力発生装置は、前記固定端に近い2つの部材に
それぞれ直接又は間接的に当接していることを特徴とす
るもの(請求項2)である。
【0024】ここで、「直接又は間接的に当接してい
る」とは、第1の駆動力発生装置又は第2の駆動力発生
装置が、変形部材に直接当接していてもよいし、変形部
材に設けられた突起等の他の部材を介して当接していて
いもよいことを示す。
【0025】この手段においては、枠を構成する少なく
とも4つの曲げ剛性の高い部材は、曲げ剛性が強いので
駆動力発生装置の力を受けても変形しない。よって、駆
動力発生装置の力を受けた場合、曲げ剛性の高い部材同
士が結合されている部分である曲げ剛性の低い部分が変
形し、枠を構成する部材が変形しないまま枠の形が変形
することになる。よって、これら剛性の高い部材のうち
固定端に近い部材に前記第1の駆動力発生装置又は前記
第2の駆動力発生装置から力を加えることにより、枠の
形が変形して自由端が移動する。第1の駆動力発生装置
が力を加える剛性の高い部材と、第2の駆動力発生装置
が力を加える剛性の高い部材とは別の部材であるので、
各々の駆動力発生装置が伸縮した場合に、枠の変形方向
が異なり、自由端に結合されたプローブ又は試料を別の
方向に移動することができる。
【0026】さらに、第1の駆動力発生装置又は前記第
2の駆動力発生装置から力を加える点を、固定端に近い
点にしておくことにより、てこの作用により自由端の動
きが拡大され、小さな駆動量で大きくプローブ又は試料
を移動させることができる。
【0027】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段又は第2の手段であって、変位部材が、
前記固定端の中心と前記自由端の中心とを結ぶ直線に対
して対称に形成され、前記第1の駆動力発生装置と前記
第2の駆動力発生装置が前記変位部材に対して当接して
いる位置が、前記直線に対して対称位置であることを特
徴とするもの(請求項3)である。
【0028】この手段によれば、第1の駆動力発生手段
の単位量の伸縮によって生じるプローブ又は試料の移動
量と、第2の駆動力発生手段の単位量の伸縮によって生
じるプローブ又は試料の移動量とを同じにすることがで
きる。
【0029】前記課題を解決するための第4の手段は、
前記第2手段又は第3の手段であって、4つの高剛性の
部材の各々の端部に設けられた曲げ剛性の低い部分のう
ち、固定端に近いものの曲げ剛性は、その他のものより
曲げ剛性が高いことを特徴とするもの(請求項4)であ
る。
【0030】この手段によれば、第1の駆動手段又は第
2の駆動手段により変位部材に与えられる変形は、より
曲げ剛性の低い固定端に近い部分を中心にして行われ
る。よって、第1の駆動手段の伸縮によって起こる変形
部材の自由端の移動方向と、第2の駆動部材の伸縮によ
って起こる変形部材の自由端の移動方向との干渉が小さ
くなる。従って、たとえば、第1の駆動手段の伸縮方向
をX方向とし、第2の駆動手段の伸縮方向をY方向とす
れば、X方向の駆動とY方向の駆動を干渉なく行わせる
ことができる。
【0031】前記課題を解決するための第5の手段は、
前記第1の手段から第4の手段のいずれかであって、伸
縮によってプローブ又は試料を前記2次元平面内の方向
とは異なる方向に移動させる第3の駆動力発生装置を設
け、プローブ又は資料を3次元的に移動させることを特
徴とするもの(請求項5)である。
【0032】この手段によれば、プローブ又は試料は、
第3の駆動力発生装置の伸縮によって、たとえばZ方向
に移動される。これによって、プローブ又は試料を3次
元的に動作させることができる。
【0033】また、変形部材と各駆動力発生装置は当接
しているだけであり、機械的な結合をしていないので、
各駆動力発生装置の質量が、プローブ又は材料の第3の
方向への移動に対して慣性力を発生することが無い。よ
って、第3の方向の移動に対しても、機械的な共振点を
高くすることができる。従って、第3の方向に対して
も、プローブ又は材料を高速で走査させることができ
る。
【0034】前記課題を解決するための第6の手段は、
前記第1の手段から第4の手段のいずれかであって、前
記変位部材(第1の変位部材)は、前記2次元平面内の
方向と異なる方向に変位する第2の変位部材によって支
持され、前記第2の変形部材は、前記第3の駆動力発生
装置の伸縮によって変位することを特徴とするもの(請
求項6)である。
【0035】この手段においては、第1の変位部材によ
り、前述したように、たとえばX−Y平面内でX軸、Y
軸方向へのプローブ又は材料の移動が行われる。そし
て、この第1の変位部材が、第2の変位部材によって支
持されて、第2の変位部材が、第3の駆動力発生装置の
伸縮によってX−Y平面内とは異なるたとえばZ軸方向
に変位するので、プローブ又は材料を3次元的に移動さ
せることができる。
【0036】このとき、第3の駆動力発生装置によって
たとえばZ軸方向に移動されるのは、プローブ又は材料
とその付属装置(プローブ変形検出器等)及び変形部材
のみであるので、これらの質量は小さく、従って機械振
動の共振周波数を高くすることができる。また、第2の
変位部材も、第1の変位部材と同様に剛性の高い材料で
形成することができるので、機械振動の共振周波数を高
くすることができる。よって、たとえばZ軸方向の走査
を高速で行うことが可能となる。
【0037】前記課題を解決するための第7の手段は、
前記第6の手段であって、前記第2の変位部材は、4つ
の曲げ剛性の高い部材を互いに折れ曲がって結合するこ
とにより略矩形の枠が形成される形状を有し、当該曲げ
剛性の高い部材のが結合されている部分は、曲げ剛性の
低い部分であって、前記第3の駆動力発生装置は、前記
4つの曲げ剛性の高い部材のうち、前記固定端に近い一
つの部材に直接又は間接的に当接していることを特徴と
するもの(請求項7)である。
【0038】直接又は間接的に当接しているとは、直接
当接してもよいし、前記部材に設けられた突起等に当接
していてもよいことを意味する。又、略矩形とは、望ま
しい動きの精度が確保される範囲内で、厳密な矩形でな
くても良いことを意味する(以下同じ。)
【0039】この手段によれば、第2の変形部材におい
ては、枠を構成する少なくとも4つの曲げ剛性の高い部
材は、曲げ剛性が強いので駆動力発生装置の力を受けて
も変形しない。よって、駆動力発生装置の力を受けた場
合、曲げ剛性の高い部材が結合されている部分である曲
げ剛性の低い部分が変形し、枠を構成する部材が変形し
ないまま枠の形が変形することになる。よって、これら
剛性の高い部材のうち固定端に近い部材に前記第3の駆
動力発生装置から力を加えることにより、枠の形が変形
して自由端が移動する。
【0040】また、本手段においては、4つの曲げ剛性
の高い部材によって略矩形が形成されているので、X軸
方向とY軸方向の動きの干渉を防止することができる。
【0041】本手段においては第3の駆動力発生手段か
ら力を加える位置を、固定端に近い位置にすることによ
り、てこの原理によって自由端の動きが拡大され、プロ
ーブ又は試料を大きく動かすことができる。また、枠体
の剛性が全体として高いので、機械的共振周波数が高く
なり、第3の方向への走査を高速で行うことができる。
【0042】前記課題を解決するための第8の手段は、
前記第6の手段であって、第2の変位部材は、前記第3
の駆動力発生装置から力が印加される方向に広い幅を持
ち、厚さが薄い2枚の部材を2方向からそれぞれ前記第
1の変位部材に結合して構成され、前記第3の駆動力発
生装置の伸縮に応じて前記2枚の部材が捩じれることに
より、プローブ又は試料を前記第3の方向に移動させる
ものであることを特徴とするもの(請求項8)である。
【0043】この手段においては、第1の変位部材は、
第3の駆動力発生装置から力が印加される方向に長く、
厚さが薄い2枚の部材により、2方向から支えられてい
る。第3の駆動力発生装置が、たとえば伸長した場合に
は、この2枚の部材が押されて捩じれ、プローブ又は試
料を第3の方向に移動させる。第3の駆動力発生装置が
縮小すると、この2枚の部材はその弾性力により元に戻
る。これにより、プローブ又は試料を前記第3の方向に
移動させることができる。
【0044】前記課題を解決するための第9の手段は、
前記第8の手段であって、第2の変位部材は、前記第1
の変位部材の、固定端の中心と自由端の中心とを結ぶ直
線に対して対称に形成されており、前記第3の駆動力発
生装置の力の作用点が、対称軸上にあることを特徴とす
るもの(請求項9)である。
【0045】この手段によれば、第2の変形部材を構成
する2枚の部材の捩じれ量が同じになるので、プローブ
又は試料は、2枚の部材の幅方向に移動する。よって、
幅方向をZ軸方向としておけば、第3の駆動力発生装置
の伸縮により、プローブ又は試料を正確にZ方向に移動
させることができる。
【0046】前記課題を解決するための第10の手段
は、第1の駆動力発生装置と、第2の駆動力発生装置の
伸縮によって、プローブ又は試料を2次元平面内で移動
させ、第3の駆動力発生装置の伸縮によって、プローブ
又は試料を前記2次元平面内の方向とは異なる第3の方
向に移動させるブローブ又は試料の駆動装置であって、
前記第1の駆動力発生装置と前記第2の駆動力発生装置
の伸縮によっては移動しない固定端と、前記第1の駆動
力発生装置と前記第2の駆動力発生装置の伸縮によって
移動する自由端とを有する第1の変位部材と、前記第1
の変位部材の自由端に設置され、前記第3の駆動力発生
装置の伸縮によっては移動しない固定端と、前記第3の
駆動力発生装置の伸縮により移動する自由端とを有する
第2の変位部材とを有し、前記第1の変位部材を変形さ
せることにより、前記第2の変位部材を2次元平面内に
移動させ、前記第3の駆動力発生装置によって前記第2
の変位部材を前記2次元平面内の方向とは異なる方向に
変位させ、前記第2の変位部材の自由端に結合されたプ
ローブ又は試料を3次元空間で移動させることを特徴と
するプローブ又は試料の駆動装置(請求項10)であ
る。
【0047】本手段は、前記第1の手段と類似の構成で
あるが、第1の手段と異なり、変形部材(第1の変形部
材)の自由端にプローブ又は試料を結合せず、代わりに
第2の変形部材を設置している。第1の変形部材の作用
効果は、第1の手段で述べたものと同じである。本手段
においては、第2の変位部材が第1の変位部材の自由端
に設置されているので、第2の変位部材を駆動する場合
の慣性力となるのは、プローブ又は試料及びその付属品
(プローブ変位検出機構等)のみである。よって、第2
の変位部材を第3の駆動力発生装置で駆動して、Z方向
の走査を行わせるようにすれば、Z方向走査の際の機械
的な共振点が高くなり、Z方向走査速度を速めることが
できる。また、X−Y方向の移動とZ方向の移動の干渉
を完全に無くすることができる。
【0048】また、本手段においては、全体の高さを低
くすることができるので、光学顕微鏡の先端に取りつ
け、プローブと試料の位置合わせを行うことが可能とな
る。
【0049】前記課題を解決するための第11の手段
は、前記第10の手段であって、前記第2の変位部材
は、4つの曲げ剛性の高い部材を互いに折れ曲がって結
合することにより略矩形の枠が形成される形状を有し、
当該曲げ剛性の高い部材のが結合されている部分は、曲
げ剛性の低い部分であって、前記第3の駆動力発生装置
は、前記4つの曲げ剛性の高い部材のうち、前記固定端
に近い一つの部材に直接又は間接的に当接していること
を特徴とするもの(請求項11)である。
【0050】直接的又は間接的に当接しているとは、第
3の駆動力発生装置が直接当該部材に当接していてもよ
いし、当該部材に設けられた突起等を介して当該部材に
接触していてもよいことを示す。
【0051】この手段によれば、前記第2の手段で説明
したと同じように、枠を構成する少なくとも4つの曲げ
剛性の高い部材は、曲げ剛性が強いので駆動力発生装置
の力を受けても変形しない。よって、駆動力発生装置の
力を受けた場合、曲げ剛性の高い部材が結合されている
部分である曲げ剛性の低い部分が変形し、枠を構成する
部材が変形しないまま枠の形が変形することになる。よ
って、これら剛性の高い部材のうち固定端に近い部材の
一つに前記第3の駆動力発生装置から力を加えることに
より、枠の形が変形して自由端が移動する。
【0052】また、本手段においては、4つの曲げ剛性
の高い部材によって略矩形が形成されているので、X軸
方向とY軸方向の動きの干渉を防止することができる。
【0053】本手段においては第3の駆動力発生手段か
ら力を加える位置を、固定端に近い位置にすることによ
り、てこの原理によって自由端の動きが拡大され、プロ
ーブ又は試料を大きく動かすことができる。また、枠体
の剛性が全体として高いので、機械的共振周波数が高く
なり、第3の方向への走査を高速で行うことができる。
【0054】前記課題を解決するための第12の手段
は、前記第11の手段であって、第2の変位部材は、前
記固定端に接続されている2つの剛性の高い部材のうち
一つが内側に突起部を有し、当該突起部と、前記固定端
に接続されている2つの剛性の高い部材のうち突起部を
有さない部材の間に、前記第3の駆動力発生装置が設け
られていることを特徴とするもの(請求項12)であ
る。
【0055】この手段においては、第3の駆動力発生装
置が伸長した場合に、前記突起部を押すので、前記突起
部には曲げモーメントが作用する。そしてその分力によ
り、突起部が、突起部を有する剛性の高い部材を外側に
押す。よって、第3の駆動力発生装置により、当該突起
部を有する剛性の高い部材が外側に押されたのと同じこ
とになり、4つの剛性の高い部材で形成された4変形の
枠が、第3の駆動力発生装置の伸長方向と直角な方向に
力が加わって変形する。よって、自由端に設けられたプ
ローブ又は試料は、第3の駆動力発生装置の伸長方向と
直角な方向に移動する。
【0056】よって、この手段においては、プローブ又
は試料をZ軸方向に移動させたい場合に、第3の駆動力
発生装置の伸縮方向をX−Y平面上に置くことができ
る。従って、第3の駆動力発生装置もX−Y平面上に置
くことができ、Z軸方向の高さを低く抑えることができ
る。
【0057】前記課題を解決するための第13の手段
は、前記第2の手段から第9の手段、又は第11の手
段、第12の手段のいずれかであって、変位部材(第1
の変位部材)の固定端に近い剛性の高い部材に反射部材
を設け、前記反射部材に光を照射して反射角度の変化を
検知することにより、前記変位部材(第1の変位部材)
の変位を測定する機構を設けたことを特徴とするもの
(請求項13)である。
【0058】この手段においては、いわゆる光てこ法を
用いて、変位部材(第1の変位部材)の変位を測定する
ことができる。変位の測定機構として変位部材(第1の
変位部材)に取付けられるものは、反射部材のみである
ので、当該変位部材の質量が増えることがなく、従って
機械系の共振周波数が低くなることはない。また、全体
の高さを高くしないで済ますことができ、光学顕微鏡の
先端に取付けるのに都合がよい。光源及び光センサは、
当該変位部材を支持する支持台等、当該変位部材の変位
によって位置の変化しない部分に設けることができる。
【0059】前記課題を解決するための第14の手段
は、前記第7の手段、第11の手段、第12の手段のう
ちいずれかであって、第2の変位部材の固定端に近い剛
性の高い部材に反射部材を設け、前記反射部材に光を照
射して反射角度の変化を検知することにより、第2の変
位部材の変位を測定する機構を設けたことを特徴とする
もの(請求項14)である。
【0060】本手段においても、前記第13の手段と同
じように、光てこ法を用いて、第2の変位部材の変位を
測定することができる。変位の測定機構として第2の変
位部材)に取付けられるものは、反射部材のみであるの
で、当該変位部材の質量が増えることがなく、従って機
械系の共振周波数が低くなることはない。光源及び光セ
ンサは、当該変位部材を支持する支持台等、当該変位部
材の変位によって位置の変化しない部分に設けることが
できる。
【0061】前記課題を解決するための他の手段とし
て、前記第1の手段から第13の手段の内プローブ駆動
装置のいずれかであって、プローブは、一端が固定され
たカンチレバーと、このカンチレバーの他端に設けられ
た探針を有し、更に、前記レバーの変位を光てこ法で検
出するために備えられた、前記カンチレバーに光を投射
する投光器及び前記カンチレバーからの反射光を検出す
る受光器が備えられているものにおいて、前記投光器と
前記カンチレバーとの間の光路上にハーフミラーを設
け、当該ハーフミラーで反射された光を第2の受光器で
受光することにより、前記プローブの位置を検出する機
構を有することを特徴とするものがある。
【0062】本手段においては、プローブのカンチレバ
ーの変位を光てこ法で検知するための投射光を、ハーフ
ミラーで分割し、それを、カンチレバーの変位を検出す
るための受光器とは異なる第2の受光器で受けて、プロ
ーブの位置(たとえばZ軸方向位置)を検出している。
よって、プローブ位置を検出するための投光器を省略す
ることができる。
【0063】また、更に前記課題を解決するための手段
として、前記第1から第14の手段又は前記他の手段の
いずれかを備えたことを特徴とする走査型プローブ顕微
鏡がある。
【0064】この手段によれば、高さが高くないので光
学顕微鏡の先端に取付けることができ、かつ走査速度を
速くすることができる。
【0065】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形
態であるプローブ駆動装置を示す斜視図である。図1に
おいて、1は第1の変位部材である2軸平行ばね、2は
第2の変位部材である縦方向平行ばね、3は支持基材、
4、5、6はそれぞれ駆動力発生装置である積層型圧電
素子、7は光てこ用の光源、8はミラー、9は光てこ用
のディテクタ、10はカンチレバー、11は光てこの撓
みを検出する光てこ用の投光器、12はそのディテクタ
であり、カンチレバー10、投光器11、ディテクタ1
2はプローブの一部をなしている。13は支持基材3を
支持するマイクロメータである。
【0066】本実施の形態は、プローブ駆動装置を特徴
付ける2軸平行ばね1を有している。2軸平行ばねは、
金属板、例えば、剛性の高い金属であるステンレスから
なる板や、軽量なアルミや、軽量かつ剛性に富むチタン
を、例えばワイヤーカット法により形成した構造を有し
ている。その2軸平行ばね1の固定端は、上記と同様の
材料と方法により形成した、縦方法平行ばね2の自由端
により支持されており、縦方向平行ばね2の他端(固定
端)は支持基材3に固定されている。
【0067】前記2軸平行ばね1と縦方向平行ばね2を
駆動するための積層型圧電素子4、5、6がそれぞれの
平行ばねと支持基板3との間に挟み込まれている。その
圧電素子4、5、6の変位によりそれぞれの平行ばねの
駆動量を測定するための光源7、ミラー8とディテクタ
ー9がそれぞれ3組、支持基板3に固定されている。光
源7としては半導体レーザーレーザーやLED等が使用
可能であるが、本実施の形態ではより指向性の良い半導
体レーザーを使用している。2軸平行ばね1の先端(自
由端)にはプローブであるカンチレバー10とそのカン
チレバーのたわみを検出するための投光器11とディテ
クター12が位置調整されて固定されている。支持基板
3は3つのマイクロメータ13により支持されている。
【0068】積層型圧電素子4が伸長すると、2軸平行
ばね1がX軸方向に押され、それにより2軸平行ばね1
が変形してカンチレバー10の位置がX軸方向に変位す
る。積層型圧電素子5が伸長すると、2軸平行ばね1が
Y軸方向に押され、それにより2軸平行ばね1が変形し
てカンチレバー10の位置がY軸方向に変位する。積層
型圧電素子6が伸長すると、縦方向平行ばね2がX−Y
平面内方向に押され、それにより縦方向平行ばね2が変
形してカンチレバー10の位置がZ軸方向に変位する。
いずれの積層型圧電素子も、2軸平行ばね1及び縦方向
平行ばね2とは結合されておらず、当接しているのみで
ある。よって、積層型圧電素子が縮小した場合には、2
軸平行ばね1及び縦方向平行ばね2は、自己の弾性力に
より元の位置に戻る。
【0069】次に図2を用いて本発明のプローブ駆動装
置の水平方向(X−Y平面方向)の駆動とその駆動量の
検出原理を説明する。なお、以下の図において、本発明
の実施の形態を説明する前出の図に示された構成要素に
は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0070】図2(a)は本発明のプローブ駆動装置を
特徴付ける2軸平行ばね1の概念斜視図であり、圧電素
子や光てこの検出系は図示していない。図2(b)は2
軸平行ばね1を上から見た図である。図2において、2
1〜24は4つの曲げ剛性の強い部材であり、25〜2
9は、部材21〜24の端部に設けられた曲げ剛性の弱
いヒンジ部である。また、30は2軸平行ばね1の固定
端、31は積層型圧電素子によって発生する力の方向、
32は、プローブ10の移動方向を示している。
【0071】この2軸平行ばね1においては、4つの曲
げ剛性の高い部材21〜24によって枠が形成され、当
該枠は正方形の1角が削られて5角形となった形状をし
ている。そして削られた1角が固定端となり、それと相
対する角が自由端となって、その自由端にカンチレバー
10が取付けられている。図示されていないが、X方向
駆動用、Y方向駆動用の積層型圧電素子4、5の一端
は、前記部材のうち、固定端に近い部材24、23にそ
れぞれ当接している。
【0072】図2(a)において、積層型圧電素子によ
り発生する力31を、部材24に垂直な方向(X軸方
向)より加えると、2軸平行ばね1は実線で示した形状
から各5つのヒンジ部25〜29を中心に機械てこ部分
(部材21〜24)が回転運動をし、図の2点鎖線の形
状に変形する。この時2軸平行ばね1先端に設けられた
カンチレバー10は図中の矢印32の方向に駆動され
る。このとき、部材23は、後に述べる理由のためほと
んど変位せず、部材24はヒンジ部29を中心に回転
し、部材22はヒンジ27を中心に回転し、部材21は
力31の方向に略平行に移動するような変形をする。よ
って、カンチレバー10は、力31の方向と同じ方向に
(X軸方向)移動する。厳密にいうと、カンチレバー1
0の移動軌跡は緩やかな円弧を描くが、変位が微少なた
め直線とみなすことができる。
【0073】ここで、積層型圧電素子により発生する力
を2軸平行ばねの固定端付近に加えると、てこの原理に
より、てこの変位端は大きく変位するため、結果として
カンチレバー10の駆動量を大きくすることができる。
【0074】また、積層型圧電素子による力を、部材2
3に垂直な方向(Y軸方向)から加えた場合、同様の理
由により、カンチレバー10はY軸方向に移動する。
【0075】このように、変位部材である2軸平行ばね
1は、変位部材21、22、23、24が互いに直交し
ているため、部材23と部材24に力が加えられた場合
に、それぞれの場合のカンチレバー10の変位に干渉が
無い。それ故、このような平行ばねを2軸平行ばねと呼
んでいる。
【0076】特に、図2に示すように、4つの部材21
〜24で形成される枠を略正方形とし、正方形の各辺を
X軸又はY軸に平行とし、X軸方向、Y軸方向に力を加
える位置を正方形の対角線に対して対称となるような位
置とすれば、X軸方向駆動用の積層型圧電素子ではX軸
方向のみに、Y軸方向駆動用の積層型圧電素子ではY軸
方向のみに、プローブを駆動することができ、しかも、
X軸方向駆動用の積層型圧電素子の動きとY軸方向駆動
用の積層型圧電素子の動きの量が同じであれば、プロー
ブの動きの量が同じであるようにすることができる。
【0077】端にX軸方向とY軸方向の干渉を防止する
ためであれば、4つの部材は略正方形とする必要はな
く、略矩形であれば十分である。しかし、てこ比を同一
にするためには、略正方形とすることが好ましい。
【0078】次に図2(b)を使い、圧電素子による2
軸平行ばねの駆動量を測定する方法を説明する。2軸平
行ばね1の支持端(固定端)30に近い方の2つの部材
23、24にはミラー8が設けられていて(部材23に
設けられているものは図示を省略する)、積層型圧電素
子による駆動力によりこの部材23、24が回転運動を
起こすと、ミラー8も同時に傾く。そのミラー8にレー
ザーからの光33を入射させ、反射光34をポジション
センサーダイオードに入射させる。ポジションセンサー
ダイオードは例えば2分割型のフォトダイオードであ
り、それぞれの受光面に入射する光量を引き算すること
により入射光の重心の動きを検出できる。機械てこ2
3、24が駆動され、ミラー8が傾くと、そこから反射
するレーザー28の光軸が傾く。それによりポジション
センサーに入射するレーザースポットの位置が動くた
め、2軸平行ばねの駆動量を測定することができる。
【0079】さて、図2を使い2軸平行ばねの駆動の原
理を説明したが、2軸方向の駆動が本当に干渉し合わな
いためには2軸平行ばねの設計に若干の制約がある。図
3を用いてその制約と、その解消方法について説明す
る。図3(a)は2軸平行ばね1に駆動力31が作用し
たときの様子を示している。矢印31の駆動力が部材2
4に作用すると、その駆動力は2軸平行ばねを伝わりも
う1方の部材23に伝わる。部材23に伝わった力がも
う一方のY(Y軸駆動の)積層型圧電素子に伝わり、積
層型圧電素子が縮んでしまうと、2軸平行ばねの先端の
駆動の軌跡は矢印32の様に円弧となる。つまり1軸方
向の駆動が他軸に干渉し、矢印35で示したような変位
が生じてしまう。この干渉を低減するためには、一方の
部材24に作用した駆動力を他方の部材23に伝達させ
ないようにすることが必要である。
【0080】以上の理由により、(b)に示すように、
2軸平行ばね1の部材23、24の固定端30に近い方
のヒンジ部28、29は、その他のヒンジ部26、2
7、30に比べ強い弾性を持つように設計されている。
このため部材24に加えられた駆動力は大部分が2軸平
行ばね1の固定端30に近い方のヒンジ部29により大
部分が受け止められる。
【0081】このように設計することにより、力31が
部材24に加わった場合においては、図3(b)に示す
ように、部材23はほとんど変位せず、カンチレバー1
0の変位はX軸方向に限られる。
【0082】次に、カンチレバーを縦方向に駆動する原
理とその駆動量の検出方法の例を図4を用いて説明す
る。図4に示される実施の形態では、縦方向平行ばね2
によりカンチレバー10を縦方向(Z軸方向)に駆動す
る。縦方向平行ばね2は、略正方形を形成するように結
合された4つの部材から構成され、その4隅には曲げ剛
性の弱いヒンジ部が形成されていて、2軸平行ばね1と
同様の働きをする。
【0083】縦方向平行ばね2は、その上部の部材の上
面に突起36を有している。そして、その突起36に縦
方向駆動用圧電素子からの駆動力を矢印37の方向に加
えると4つの部材がヒンジ部を中心に回転運動をする。
そのため前記突起部36も円弧矢印38の方向に傾く。
その結果縦方向用平行ばね2の自由端は縦方向に変位す
る。この時実際には縦方向平行ばね2の自由端の軌跡は
円弧となるが、その変位が機械てこの長さに比べて微少
なため、直線とみなすことができる。そのため縦方向平
行ばね2の自由端に固定されている2軸平行ばね1とそ
の先端のカンチレバー10は直線的に上下方向(矢印3
9方向)に駆動され、他軸との干渉がない。
【0084】また、この実施の形態においては、略正方
形を構成する部材の一つに設けられた突起に横方向から
力を加えることにより、プローブ10を縦方向に駆動し
ている。よって、Z軸方向駆動用の積層型圧電素子を、
図1に示すように横方向に長い位置で設置することがで
きる。従って、装置全体の高さが高くならず、光学顕微
鏡の先端に設置することも可能となる。
【0085】なお、本実施の形態においては、縦方向平
行ばね2は、略正方形を構成する4つの部材を結合して
構成されているが、特に正方形に限られず、矩形であっ
てもよい。
【0086】縦方向平行ばね2の縦方向の変位量の測定
方法は、水平方向の変位の測定方法と原理的に等しい。
前記突起部36にはミラー8が設けられていて、そのミ
ラー8に光源であるレーザーからの光40を入射させ、
反射光41をポジションセンサーダイオードに入射させ
ることによりレーザー光の重心の動きを測定する。それ
が縦方向平行ばねの駆動量に比例した値となる。
【0087】次に、図5を用いて本発明の第2の実施の
形態を説明する。図5は、本発明の第2の実施の形態に
よるプローブ駆動装置を示す斜視図である。図5におい
て、51、52は請求項7でいう「第3の駆動力発生装
置から力が印加される方向に広い幅を持ち、厚さが薄い
2枚の部材」に相当するねじれ板部、53は、第3の駆
動力発生装置である積層型圧電素子6の力をねじれ板部
に伝える回転力伝達部、54は圧電素子支持体、55は
ハーフミラー、56はディテクタである。
【0088】第2の実施の形態が第1の実施の形態と異
なる部分は、まず初めに、カンチレバーの縦方向の駆動
方法である。第1の実施例では縦方向平行ばねを使用し
たが、本実施例では、平行ばねではなく縦方向回転駆動
機構を用いてカンチレバーを縦方向に駆動する。縦方向
回転駆動機構は2つのねじれ方向の自由度を持つねじれ
板部51、52と、外力をねじれ板部51、52の回転
中心に伝える1つの回転力伝達部53からなる。
【0089】回転力伝達部53は、2軸平行ばね1に接
合されている。また、ねじれ板部51、52は、積層型
圧電素子6の伸縮方向に広い幅を持った厚さの薄い部材
であり、お互いに直交して2方向から2軸平行ばね1に
接合されている。
【0090】積層型圧電素子6が伸長すると、その力は
回転力伝達部53の作用点に作用する。この力は、ねじ
れ板部51、52をねじる力となってねじれ板部51、
52に伝わり、ねじれ板部51、52がねじれることに
より、2軸平行ばね1がZ軸方向に回転する。よって、
カンチレバー10もZ軸方向に移動する。
【0091】第2の実施の形態が第1の実施の形態と異
なるもう一つの点は、カンチレバーの10縦方向(Z軸
方向)の変位の検出法である。第2の実施の形態におい
ては、縦方向駆動量の検出用の光源として新たな光源は
使わず、原子間力顕微鏡用にカンチレバー10上部に設
けられたレーザー11を光源として用いる。光てこ用レ
ーザーにより発生した光の一部をハーフミラー55によ
り反射させ、支持基板3上に位置調整されて固定された
ポジションセンサーダイオードからなるディテクタ56
に入射させる。このことにより、カンチレバー10の縦
方向の駆動量を測定する。
【0092】図6を用い、第2の実施の形態におけるカ
ンチレバーの駆動方法とその駆動量の検出方法を説明す
る。図6(a)は第1の実施の形態と同じ原理により、
2軸平行ばね1によりカンチレバー10が水平方向に駆
動させる様子を示したものである。図6(b)は第2の
実施の形態の、カンチレバー10を縦方向に駆動する方
法とその検出方法を示す斜視図である。図6において、
57は縦方向駆動用積層型圧電素子により加えられる
力、58、59はハーフミラー55による光の反射方向
を示す。
【0093】矢印57の方向に圧電素子からの駆動力が
回転力伝達部53に作用すると、2つのねじれ板部5
1、52がそれぞれ内側にねじれを起こす。そのねじれ
により縦方向回転駆動機構の自由端部分が傾きを起こ
す。そのことによりその先端に固定された2軸平行ばね
1とカンチレバー10は2点鎖線に示す状態に傾き、縦
方向に駆動される。なお、その駆動の軌跡は円弧となる
が、その駆動量が小さいため、直線と近似できる。
【0094】また、その駆動量の検出は、以下のように
行われる。ハーフミラー55に入射するカンチレバーの
撓み検出のための光てこ用レーザー(図示せず)からの
レーザー光の一部はハーフミラー55により反射され実
線矢印58の方向に反射される。ここでカンチレバー1
0が縦方向回転駆動機構により駆動されるとハーフミラ
ー55も傾きが変化する。そのハーフミラー55により
反射されたレーザーは点線矢印59の向きに光軸が動
く。その動きをポジションセンサーダイオードを用いた
ディテクタで検出することにより、カンチレバー10の
縦方向の駆動量を測定することができる。
【0095】次に、図7を用いて、本発明の第3の実施
の形態におけるカンチレバーの駆動方法とその駆動量の
検出方法を説明する。図7は、本発明の第3の実施の形
態によるプローブ駆動装置を示す斜視図である。図7に
おいて、60はポジションセンサーダイオードを使用し
たディテクタである。
【0096】本実施の形態が、前記第1及び第2の実施
の形態と異なる点は、まず初めに、カンチレバー10の
縦方向の駆動方法である。本実施の形態では、第1の実
施例と同じく縦方向平行ばね2を使用するが、第1の実
施例と異なる点は、その縦方向平行ばね2が、2軸平行
ばね1の先端(自由端)に設けられている点である。
【0097】すなわち、本実施の形態においては、積層
型圧電素子4、5によって、2軸平行ばね1が変形さ
れ、その自由端に取付けられている縦方向平行ばね2
(とカンチレバー10)のX−Y軸位置がまず決定され
る。そして、縦方向平行ばね2の変位によって、カンチ
レバー10のZ軸方向位置が決定される。
【0098】本実施の形態が、前記第1及び第2の実施
の形態と異なるもう一つの点は、カンチレバー10の縦
方向の変位の検出法である。本実施の形態においては、
第2の実施の形態と同じく、縦方向駆動量の検出用の光
源として新たな光源は使わず、原子間力顕微鏡用にカン
チレバー10上部に設けられたレーザー11を光源とし
て用いる。ただ第2の実施例と異なる点は、縦方向駆動
量の検出用のディテクタ60が支持基板3ではなく、2
軸平行ばね1側面に設けられている点である。
【0099】次に、第3の実施の形態で使用される縦方
向平行ばね2の駆動の原理を図8、9を用いて説明す
る。図8は縦方向平行ばねの実施の形態の一例を示して
いる。図8において、61〜64は曲げ剛性の高い部
材、65〜68はヒンジ部、69、70は突起部であ
る。
【0100】縦方向平行ばね2は、部材61〜64が長
方形の枠を形成するように繋がって構成され、その4角
の接続部には、曲げ剛性の小さいヒンジ部65〜68が
形成されている。部材61と部材63はそれぞれ突起部
69、70を有し、これら突起部69、70間に積層型
圧電素子6が挟持されている。
【0101】積層型圧電素子6が、(b)に示す矢印の
方向に伸長すると、(b)に示すように縦方向平行ばね
2が変形し、その変位端に設けられたカンチレバー10
は縦方向に駆動される。
【0102】図9は、縦方向平行ばねの他の実施の形態
を示すもので、請求項11に対応する実施の形態であ
る。図9において、71〜74は曲げ剛性の高い部材、
75〜78はヒンジ部、79突起部である。
【0103】縦方向平行ばね2は、部材71〜74が長
方形の枠を形成するように繋がって構成され、その4角
の接続部には、曲げ剛性の小さいヒンジ部75〜78が
形成されている。部材71はそれぞれ突起部79を有
し、突起部79と部材72間に積層型圧電素子6が挟持
されている。
【0104】積層型圧電素子6が(b)に示す矢印の方
向に伸長すると、縦方向平行ばね2が(b)に示すよう
に変形し、その変位端に設けられたカンチレバー10は
縦方向に駆動される。
【0105】この実施の形態は、積層型圧電素子が横向
きに設置されているところに特徴を有する。すなわち、
縦方向に大きな変位を必要とする場合、当然変位量の大
きな圧電素子を使うこととなる。このような場合に、図
8に示すような実施の形態では、縦方向平行ばねの高さ
が高くなってしまい、光学顕微鏡の先端に取付けて、試
料とカンチレバーの位置合わせを行うことが難しくな
る。
【0106】図9に示す縦方向平行ばね2では、積層型
圧電素子6は横向きで挿入されており、周囲の縦方向平
行ばね2を構成する部材が、積層型圧電素子6の横方向
の駆動力を縦方向の変位に変換している。よって、図9
に示した実施の形態によれば、縦方向の高さを高くしな
くて済むので、光学顕微鏡の先端への取付が容易にな
る。
【0107】第3の実施の形態における縦横方向のカン
チレバーの駆動量の検出方法は第1、第2の実施例と同
様であるため、説明を省略する。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1にかかる
発明においては、プローブ又は試料を前記変位部材の自
由端に結合して前記変位部材を変形させることにより、
プローブ又は試料を2次元平面内で移動させるようにし
ているので、全体としての高さを低いものとし、光学顕
微鏡の先端に取りつけ可能なものとすることができる。
また、変形部材は剛性の高い物で構成することができる
ので、機械的な共振周波数を高くして高速な走査を実施
することができる。さらに、変形部材と各駆動力発生装
置は当接しているだけであり、機械的な結合をしていな
いので、各駆動力発生装置の質量が、プローブ又は材料
の第3の方向への移動に対して慣性力を発生することが
無く、この点においても、機械的な共振周波数を高くし
て高速な走査を実施することができる。
【0109】請求項2に係る発明においては、一つの変
形部材を媒介として、第1の駆動力発生装置と第2の駆
動力発生装置により、プローブ又は試料を別々の方向に
移動させることができる。
【0110】請求項3に係る発明においては、第1の駆
動力発生手段の単位量の伸縮によって生じるプローブ又
は試料の移動量と、第2の駆動力発生手段の単位量の伸
縮によって生じるプローブ又は試料の移動量とを同じに
することができる。
【0111】請求項4に係る発明においては、X方向の
駆動とY方向の駆動を干渉なく行わせることができる。
【0112】請求項5に係る発明については、プローブ
又は試料を3次元的に動作させることができる。また、
第3の方向の移動に対しても、機械的な共振点を高くす
ることができ、第3の方向に対しても、プローブ又は材
料を高速で走査させることができる。
【0113】請求項6に係る発明においては、第2の変
位部材を剛性の高い材料で構成することにより、機械振
動の共振周波数を高くすることができ、Z軸方向の走査
を高速で行うことが可能となる。
【0114】請求項7に係る発明においても、第2の変
位部材を剛性の高い材料で構成することにより、機械振
動の共振周波数を高くすることができ、Z軸方向の走査
を高速で行うことが可能となる。
【0115】請求項8に係る発明においては、簡単な構
成で、Z軸方向へのプローブ又は試料の移動を行わせる
ことができる。
【0116】請求項9に係る発明においては、第3の駆
動力発生装置の伸縮により、プローブ又は試料を正確に
Z方向に移動させることができる。
【0117】請求項10に係る発明においては、Z方向
走査の際の機械的な共振点が高くなり、Z方向走査速度
を速めることができる。また、X−Y方向の移動とZ方
向の移動の干渉を完全に無くすることができる。
【0118】請求項11に係る発明においては、剛性の
高い材料で枠を構成することにより、機械的共振周波数
を高くし、走査速度を上げることができる。
【0119】請求項12に係る発明においては、第3の
駆動力発生装置もX−Y平面上に置くことができ、Z軸
方向の高さを低く抑えることができる。
【0120】請求項13に係る発明、請求項第14に係
る発明においては、変位の測定機構として変位部材(第
1の変位部材)に取付けられるものは、反射部材のみで
あるので、当該変位部材の質量が増えることがなく、従
って機械系の共振周波数が低くなることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるプローブ駆動
装置を示す図である。
【図2】プローブ駆動装置の駆動原理を示す図である。
【図3】2軸平行ばねの制約と、制約の解消方法を示す
図である。
【図4】カンチレバーを縦方向に駆動し、駆動量を検出
する方法を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態であるプローブ駆動
装置を示す図である。
【図6】カンチレバーの駆動方法とその駆動量の検出方
法を説明する図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態であるプローブ駆動
装置を示す図である。
【図8】縦方向平行ばねの実施の形態の一例を示す図で
ある。
【図9】縦方向平行ばねの実施の形態の他の例をを示す
図である。
【図10】従来のチューブ型駆動装置の一例を示す図で
ある。
【図11】従来のトライポット型駆動装置の一例を示す
図である。
【符号の説明】
1…2軸平行ばね、2…縦方向平行ばね、3…支持基
材、4〜6…積層型圧電素子、7…光源、8…ミラー、
9…ディテクタ、10…カンチレバー、11…投光器、
12…ディテクタ、13…マイクロメータ、21〜24
…曲げ剛性の強い部材、25〜29…ヒンジ部、30…
2軸平行ばねの固定端、31…積層型圧電素子によって
発生する力の方向、32…カンチレバーの移動方向、3
3…入射光、34…反射光、35…部材の移動方向、3
6…突起、37…縦方向駆動用圧電素子からの駆動力の
方向、38…突起部の移動方向、39…カンチレバーの
移動方向、40…入射光、41…反射光、51、52…
ねじれ板部、53…回転力伝達部、54…圧電素子支持
体、55…ハーフミラー、56…ディテクタ、57…縦
方向駆動用積層型圧電素子により加えられる力の方向、
58、59…ハーフミラーよる光の反射方向、60…デ
ィテクタ、61〜64…曲げ剛性の高い部材、65〜6
8…ヒンジ部、69、70…突起部、71〜74…曲げ
剛性の高い部材、75〜78…ヒンジ部、79…突起部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の駆動力発生装置と第2の駆動力発
    生装置の伸縮によって、プローブ又は試料を2次元平面
    内で移動させるブローブ又は試料の駆動装置において、 前記第1の駆動力発生装置及び前記第2の駆動力発生装
    置に直接又は間接的に当接し、それらの伸縮によって変
    形する変形部材を有し、 前記変形部材は、前記変形によっては移動しない固定端
    と、前記変形によって移動する自由端とを有し、 プローブ又は試料を前記変位部材の自由端に結合して前
    記変位部材を変形させることにより、プローブ又は試料
    を2次元平面内で移動させることを特徴とするプローブ
    又は試料の駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプローブ又は試料の駆
    動装置であって、前記変位部材は、少なくとも4つの曲
    げ剛性の高い部材を互いに折れ曲がって結合することに
    より枠が形成される形状を有し、当該曲げ剛性の高い部
    材同士が結合されている部分は、曲げ剛性の低い部分で
    あって、前記第1の駆動力発生装置及び前記第2の駆動
    力発生装置は、前記固定端に近い2つの部材にそれぞれ
    直接又は間接的に当接していることを特徴とするプロー
    ブ又は試料の駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のプローブ
    又は試料の駆動装置であって、前記変位部材は、前記固
    定端の中心と前記自由端の中心とを結ぶ直線に対して対
    称に形成され、前記第1の駆動力発生装置と前記第2の
    駆動力発生装置が前記変位部材に対して当接している位
    置が、前記直線に対して対称位置であることを特徴とす
    るプローブ又は試料の駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載のプローブ
    又は試料の駆動装置であって、前記曲げ剛性の低い部分
    のうち、固定端に近いものの曲げ剛性は、その他のもの
    より曲げ剛性が高いことを特徴とするプローブ又は試料
    の駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のうちいずれか1
    項に記載のプローブ又は試料の駆動装置であって、伸縮
    によってプローブ又は試料を前記2次元平面内の方向と
    は異なる方向に移動させる第3の駆動力発生装置を設
    け、プローブ又は試料を3次元的に移動させることを特
    徴とするプローブ又は試料の駆動装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のうちいずれか1
    項に記載のプローブ又は試料の駆動装置であって、前記
    変位部材(第1の変位部材)は、前記2次元平面内の方
    向と異なる方向に変位する第2の変位部材によって支持
    され、前記第2の変形部材は、前記第3の駆動力発生装
    置の伸縮によって変位することを特徴とするプローブ又
    は試料の駆動装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のプローブ又は試料の駆
    動装置であって、前記第2の変位部材は、4つの曲げ剛
    性の高い部材を互いに折れ曲がって結合することにより
    略矩形の枠が形成される形状を有し、当該曲げ剛性の高
    い部材同士が結合されている部分は、曲げ剛性の低い部
    分であって、前記第3の駆動力発生装置は、前記4つの
    曲げ剛性の高い部材のうち、前記固定端に近い一つの部
    材に直接又は間接的に当接していることを特徴とするプ
    ローブ又は試料の駆動装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のプローブ又は試料の駆
    動装置であって、前記第2の変位部材は、前記第3の駆
    動力発生装置から力が印加される方向に広い幅を持ち、
    厚さが薄い2枚の部材を2方向からそれぞれ前記第1の
    変位部材に結合して構成され、前記第3の駆動力発生装
    置の伸縮に応じて前記2枚の部材が捩じれることによ
    り、プローブ又は試料を前記第3の方向に移動させるも
    のであることを特徴とするプローブ又は試料の駆動装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のプローブ又は試料の駆
    動装置であって、前記第2の変位部材は、前記第1の変
    位部材の、固定端の中心と自由端の中心とを結ぶ直線に
    対して対称に形成されており、前記第3の駆動力発生装
    置の力の作用点が、対称軸上にあることを特徴とするプ
    ローブ又は試料の駆動装置。
  10. 【請求項10】 第1の駆動力発生装置と、第2の駆動
    力発生装置の伸縮によって、プローブ又は試料を2次元
    平面内で移動させ、第3の駆動力発生装置の伸縮によっ
    て、プローブ又は試料を前記2次元平面内の方向とは異
    なる第3の方向に移動させるブローブ又は試料の駆動装
    置において、 前記第1の駆動力発生装置と前記第2の駆動力発生装置
    の伸縮によっては移動しない固定端と、前記第1の駆動
    力発生装置と前記第2の駆動力発生装置の伸縮によって
    移動する自由端とを有する第1の変位部材と、 前記第1の変位部材の自由端に設置され、前記第3の駆
    動力発生装置の伸縮によっては移動しない固定端と、前
    記第3の駆動力発生装置の伸縮により移動する自由端と
    を有する第2の変位部材とを有し、 前記第1の変位部材を変形させることにより、前記第2
    の変位部材を2次元平面内に移動させ、 前記第3の駆動力発生装置によって前記第2の変位部材
    を前記2次元平面内の方向とは異なる方向に変位させ、 前記第2の変位部材の自由端に結合されたプローブ又は
    試料を3次元空間で移動させることを特徴とするプロー
    ブ又は試料の駆動装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のプローブ又は試料
    の駆動装置であって、前記第2の変位部材は、4つの曲
    げ剛性の高い部材を互いに折れ曲がって結合することに
    より略矩形の枠が形成される形状を有し、当該曲げ剛性
    の高い部材のが結合されている部分は、曲げ剛性の低い
    部分であって、前記第3の駆動力発生装置は、前記4つ
    の曲げ剛性の高い部材のうち、前記固定端に近い一つの
    部材に直接又は間接的に当接していることを特徴とする
    プローブ又は試料の駆動装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のプローブ又は試料
    の駆動装置であって、前記第2の変位部材は、前記固定
    端に接続されている2つの剛性の高い部材のうち一つが
    内側に突起部を有し、 当該突起部と、前記固定端に接続されている2つの剛性
    の高い部材のうち突起部を有さない部材の間に、 前記第3の駆動力発生装置が設けられていることを特徴
    とするプローブ又は試料の駆動装置。
  13. 【請求項13】 請求項2から請求項9又は請求項1
    1、請求項12のうちいずれか1項に記載のプローブ又
    は試料の駆動装置であって、前記変位部材(第1の変位
    部材)の固定端に近い剛性の高い部材に反射部材を設
    け、前記反射部材に光を照射して反射角度の変化を検知
    することにより、前記変位部材(第1の変位部材)の変
    位を測定する機構を設けたことを特徴とするプローブ又
    は試料の駆動装置。
  14. 【請求項14】 請求項7、請求項11、請求項12の
    うちいずれか1項にい記載のプローブ又は試料の駆動装
    置であって、前記第2の変位部材の固定端に近い剛性の
    高い部材に反射部材を設け、前記反射部材に光を照射し
    て反射角度の変化を検知することにより、第2の変位部
    材の変位を測定する機構を設けたことを特徴とするプロ
    ーブ又は試料の駆動装置。
JP10088296A 1998-03-18 1998-03-18 プローブ又は試料の駆動装置 Pending JPH11264832A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006170971A (ja) * 2004-12-10 2006-06-29 Korea Electronics Telecommun 駆動ヘッド及びそれを備えた個人用原子顕微鏡

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