JPH11262700A - スプレー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】非使用時、空気ノズル及び液ノズルの両者を同
時に外部損傷から保護し、適正な霧化を維持できるスプ
レー装置を提供する。 【解決手段】スプレー装置は、空気ノズル５と、液ノズ
ル６と、キャップ７とを備える。前記空気ノズル５は、
水平方向前方に突出し、先端から圧縮空気が吐出され
る。前記液ノズル６は、垂直方向上方に突出し、その先
端が前記空気ノズル５先端に近接配置され、前記圧縮空
気の吸引作用によってその先端から液体が吐出される。
前記キャップ７は、スプレー装置本体１と着脱自在であ
り、非使用時、前記空気ノズル５と前記液ノズル６を同
時に覆う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スプレー装置に関
する。さらに詳細には、水平方向に突出する空気ノズル
と垂直方向に露出する液ノズルとを備えた吸い上げ式の
スプレー装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の吸い上げ式スプレー装置におい
て、空気ノズルや液ノズルは、スプレー装置本体から外
部に突出する構造である。そのため、非使用時、落下等
によって前記両ノズルと外部物体とが衝突し、前記両ノ
ズル先端を損傷させるおそれがある。前記スプレー装置
における両ノズル先端は、非常にデリケートな部分であ
るため、もし、そこに僅かでも損傷を受けると、適正な
霧化が不能となる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、非使用時、
空気ノズル及び液ノズルの両者を同時に外部損傷から保
護し、適正な霧化を維持できるスプレー装置を提供しよ
うとするものである。

【０００４】尚、本発明スプレー装置における「前方」
とは、水平方向の空気ノズル先端側を指し、「後方」と
は、空気ノズル先端側とは逆方向を指し、「上方」と
は、垂直方向の液ノズル先端側を指し、「下方」とは液
タンク側を指す。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、水平方向前方
に突出し、先端から圧縮空気を吐出させる空気ノズル５
と、垂直方向上方に突出し、先端が前記空気ノズル５先
端に近接配置され、前記圧縮空気の吸引作用によって先
端から液体を吐出させる液ノズル６とを備えたスプレー
装置であって、非使用時、前記空気ノズル５と前記液ノ
ズル６を同時に覆う着脱自在のキャップ７を設けたこと
（請求項１）を要件とする。

【０００６】また、前記請求項１のスプレー装置におい
て、前記キャップ７が、一端部より開口する内孔８と、
該内孔８と同一方向に開口し且つ該内孔８から径方向外
方に貫通するスリット９とを備えた筒状体であり、非使
用時、前記空気ノズル５又は前記液ノズル６の何方か一
方のノズル先端を、前記内孔８内に挿入させ、前記内孔
８内面と本体１外面とを係合させると同時に、他方のノ
ズル先端を、前記スリット９を介して前記内孔８内に挿
入させたこと（請求項２）が好ましい。

【０００７】前記キャップ７は、形状が筒状体であれば
よく、その横断面形状は、例えば、円形、多角形、楕円
形等が挙げられる。また、前記キャップ７の材質として
は、合成樹脂、金属、木材、合成ゴム等が適宜採用され
る。

【０００８】また、前記キャップ７の内孔８は、少なく
ともキャップ７の一端部より開口すればよく、例えば、
キャップ７の両端部から開口する構成（図４，図８）、
あるいはキャップ７の一端部のみから開口し、他端部は
閉鎖された構成（図９）等が挙げられる。

【０００９】また、前記キャップ７のスリット９は、少
なくとも内孔８が開口するキャップ７の同一の一端部か
ら開口すればよく、例えば、キャップ７の一端部のみか
ら開口する構成（図４，図９）、あるいはキャップ７の
両端部から開口する構成（図８）等が挙げられる。

【００１０】また、キャップ７と本体１との係合構造
は、具体的には、キャップ７を本体１に装着した際、内
孔８内面が本体１外面と係合するもの（図７，図９）
や、スリット９内面が本体１外面と係合するもの（図
８）等が例示でき、少なくともキャップ７が本体１と取
り外しが容易であると共に、本体１から簡単には脱落し
ない程度に本体１に保持される構成ならばよい。

【００１１】前記キャップ７を本体１に装着した際、キ
ャップ７と軸方向に当接するストッパ１１を設けること
が好ましい。前記ストッパ１１は、具体的には、突出部
や段部を本体１外面に設け、そこにキャップ７の挿入端
７１を当接させる構成（図４，図８，及び図９）、ある
いはスリット９の閉塞端と該スリット９を貫通するノズ
ルの外面とを当接させる構成（図示せず）等を挙げるこ
とができる。

【００１２】

【作用】〔請求項１の作用〕非使用時、キャップ７が空
気ノズル５先端と液ノズル６先端とを同時に覆うため、
空気ノズル５と液ノズル６の両ノズルを外部損傷から確
実に保護できる。また、空気ノズル５及び液ノズル６の
両ノズルを同時に一つのキャップ７によって覆うため
（即ち、両ノズルのそれぞれに装着させるよう二つのキ
ャップ７を用意する構成ではないため）、キャップ７の
着脱動作が一回で済み、迅速にキャップ７の着脱が行え
ると共にキャップ７の紛失のおそれも少なくなり、その
上、部品点数が抑えられ、安価に提供することができ
る。

【００１３】〔請求項２の作用〕前記キャップ７は、内
孔８とスリット９とを兼ね備えたシンプルな形状の筒状
体である。そのため、製造が容易となり、安価に提供す
ることができる。また、前記キャップ７が、内孔８と同
一方向に開口し且つ内孔８から径方向外方に貫通するス
リット９を備える構成によって、キャップ７の装着部の
径方向の弾性変形が容易となり、本体１へのキャップ７
の装着力が緩和され、スムーズなキャップ７の装着が可
能となるばかりか、内孔８又はスリット９の本体１外面
との係合部の寸法ばらつきが吸収され、高い寸法精度が
不要となり、製造がより一層、容易となる。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に従っ
て説明する。

【００１５】〔第１実施例〕図１、図２、図３、及び図
４に本発明スプレー装置の第１実施例を示す。

【００１６】・スプレー装置：スプレー装置本体１は、
空気ノズル側本体２と、液ノズル側本体３と、両本体
２，３を一体的に接続する連結部４とからなる。前記空
気ノズル側本体２の水平方向前方には、先端の吐出孔５
１から圧縮空気が吐出可能な空気ノズル５が突設され
る。一方、前記液ノズル側本体３の垂直方向上方には、
先端の吐出孔６１から液体が吐出可能な液ノズル６が突
設されると共に、前記液ノズル側本体３の垂直方向下方
には、前記液ノズル６と連通する液タンク３１が設けら
れる。そして、前記空気ノズル５先端と前記液ノズル６
先端とは互いに近接配置され、それにより、使用時、空
気ノズル５から吐出される圧縮空気の吸引作用によっ
て、液タンク３１から液体（例えば、塗料、薬液等）が
吸い上げられ、それが液ノズル６から噴霧される。

【００１７】・空気ノズル：前記空気ノズル５は、先細
形状の金属加工体であり、その先端に圧縮空気が吐出可
能な吐出孔５１を有する。前記空気ノズル５は、空気ノ
ズル側本体２、及び該本体２に接続された可撓性チュー
ブ２３を介して、外部の圧縮空気供給源（例えば、コン
プレッサ、ボンベ等）と接続されている。また、前記空
気ノズル側本体２内には、圧縮空気の供給を制御するバ
ルブ装置２１が配設される。前記バルブ装置２１は、空
気ノズル側本体２外部に突出の操作ボタン２２により開
閉操作される。

【００１８】・液ノズル：前記液ノズル６は、先細形状
の金属加工体であり、先端に液タンク３１内の液体が吐
出可能な吐出孔６１を備える。前記液ノズル６は、液ノ
ズル側本体３の上面に取り付けられ、液タンク３１内に
垂下する供給パイプ（図示せず）を通して液タンク３１
内と連通している。また、前記液ノズル側本体３は、液
タンク３１の上部開口を塞ぐための、螺合等により着脱
自在な蓋部材を兼ねる構成となっている。

【００１９】・キャップ：キャップ７は、両端部に開口
部を備え軸方向に貫通した内孔８と、一端部に開口部を
有するスリット９とを備えた合成樹脂製円筒体である。
そのため、前記キャップ７に両ノズル５，６を挿入させ
る側である挿入端７１は、スリット９の開口側となる。

【００２０】・作用：スプレー装置を使用しない時（即
ち非使用時）、前記キャップ７は、その挿入端７１より
空気ノズル側本体２の前部に装着される。

【００２１】この時、前記キャップ７の内孔８にその開
口部より空気ノズル側本体２の前部が挿入され、空気ノ
ズル５をキャップ７の内孔８内に収容配置させると共
に、前記キャップ７の内孔８内面の挿入端７１側が空気
ノズル側本体２の外周面と嵌合し、前記キャップ７の挿
入端７１が前記連結部４の前端面（ストッパ１１）と当
接する。

【００２２】さらに、それと同時に、前記キャップ７の
スリット９の開口部より液ノズル６が、キャップ７の外
部より内孔８へ径方向内方に貫通しながらスリット９内
を水平方向前方に移動し、内孔８内に収容配置される。
これにより、非使用時、キャップ７の装着により、空気
ノズル５と液ノズル６の両ノズルの先端を同時に保護で
きる。尚、前記キャップ７は、使用時、取り外される。

【００２３】〔第２実施例〕図５、図６、図７、及び図
８に本発明スプレー装置の第２実施例を示す。本実施例
は、第１実施例の変形例である。第１実施例と異なる点
は、キャップ７の内孔８及びスリット９の両端を長手方
向に貫通させ、キャップ７の両端部に内孔８の開口部と
スリット９の開口部を設け、挿入端７１をキャップ７の
両端部に設けた点、及びスリット９内に板状の連結部４
を挿入させ、前記スリット９と前記連結部４とを係合さ
せると共に、キャップ７の挿入端７１と当接する段部
（ストッパ１１）を空気ノズル側本体２又は連結部４に
突設した点である。

【００２４】特に、キャップ７の両端部に、内孔８の開
口部、及びスリット９の開口部を設けたことにより、キ
ャップ７装着時の方向性を無くし、キャップ７の両端の
いずれの側からでも装着可能となり、装着がより一層、
容易となる。尚、他の構成及び作用効果は第１実施例と
同様である。

【００２５】〔第３実施例〕図９に本発明スプレー装置
の第３実施例を示す。本実施例は、第１実施例の変形例
であり、第１実施例と異なる点は、キャップ７の内孔８
の一端部及びスリット９の一端部を閉鎖し、内孔８及び
スリット９の他端部を開口させ挿入端７１を形成した
点、及びキャップ７を液ノズル側本体３上部に装着した
点である。

【００２６】キャップ７を液ノズル側本体３にその挿入
端７１より装着した際、キャップ７の内孔８の内面の挿
入端７１側が、液ノズル側本体３の突出部外周面及び連
結部４と係合すると共に、キャップ７の挿入端７１が前
記液ノズル側本体３上面のストッパ１１と当接し、液ノ
ズル６をキャップ７の内孔８内に収容配置させる。さら
に、それと同時に、前記キャップ７のスリット９の開口
部から空気ノズル５が、キャップ７の外部よりスリット
９を内孔８へ貫通しながらスリット９内を垂直方向上方
へ移動し、内孔８内に収容配置される。尚、他の構成及
び作用効果は第１実施例と同様である。

【００２７】

【発明の効果】本発明スプレー装置は、請求項１の構成
により、非使用時、キャップの装着により、キャップが
空気ノズル先端と液ノズル先端とを同時に覆うため、空
気ノズルと液ノズルを外部損傷から確実に保護し、適正
な霧化を維持することが可能となる。また、空気ノズル
及び液ノズルの両ノズルを同時に一つのキャップによっ
て覆うため、キャップの着脱動作が一回で済み、迅速に
キャップの着脱が行えると共にキャップの紛失のおそれ
も少なくなり、その上、部品点数が抑えられ、安価に提
供することができる。

【００２８】本発明スプレー装置は、請求項２の構成に
より、キャップが、内孔とスリットとを兼ね備えたシン
プルな形状の筒状体であるため、製造が容易となり、安
価に提供することができる。また、前記キャップが、内
孔と同一方向に開口し且つ内孔から径方向外方に貫通す
るスリットを備える構成によって、キャップの装着部の
径方向の弾性変形が容易となり、本体へのキャップ装着
力が緩くなり、スムーズなキャップ装着が可能となると
共に、内孔又はスリットの本体外面との係合部の寸法ば
らつきが吸収され、高い寸法精度が不要となり、製造が
より一層、容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す要部拡大縦断面図で
ある。

【図２】図１のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【図３】図１のキャップの斜視図である。

【図４】本発明の第１実施例を示す縦断面図である。

【図５】本発明の第２実施例を示す要部拡大縦断面図で
ある。

【図６】図５のＢ−Ｂ線拡大断面図である。

【図７】図５のキャップの斜視図である。

【図８】本発明の第２実施例を示す縦断面図である。

【図９】本発明の第３実施例を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ 本体 １１ 段部 ２ 空気ノズル側本体 ２１ バルブ装置 ２２ 操作ボタン ２３ 可撓性チューブ ３ 液ノズル側本体 ３１ 液タンク ４ 連結部 ５ 空気ノズル ５１ 吐出孔 ６ 液ノズル ６１ 吐出孔 ７ キャップ ７１ 挿入端 ８ 内孔 ９ スリット

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水平方向前方に突出し、先端から圧縮空気
   を吐出させる空気ノズル（５）と、垂直方向上方に突出
   し、先端が前記空気ノズル（５）先端に近接配置され、
   前記圧縮空気の吸引作用によって先端から液体を吐出さ
   せる液ノズル（６）とを備えたスプレー装置であって、
   非使用時、前記空気ノズル（５）と前記液ノズル（６）
   を同時に覆う着脱自在のキャップ（７）を設けたことを
   特徴とするスプレー装置。
2. 【請求項２】前記キャップ（７）が、一端部より開口す
   る内孔（８）と、該内孔（８）と同一方向に開口し且つ
   該内孔（８）から径方向外方に貫通するスリット（９）
   とを備えた筒状体であり、非使用時、前記空気ノズル
   （５）又は前記液ノズル（６）の何方か一方のノズル先
   端を、前記内孔（８）内に挿入させ、前記内孔（８）内
   面と本体（１）外面とを係合させると同時に、他方のノ
   ズル先端を、前記スリット（９）を介して前記内孔
   （８）内に挿入させたことを特徴とする請求項１記載の
   スプレー装置。