JPH11252672A - スピーカーシステム - Google Patents

スピーカーシステム

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JPH11252672A
JPH11252672A JP4926198A JP4926198A JPH11252672A JP H11252672 A JPH11252672 A JP H11252672A JP 4926198 A JP4926198 A JP 4926198A JP 4926198 A JP4926198 A JP 4926198A JP H11252672 A JPH11252672 A JP H11252672A
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JP
Japan
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speaker
plate
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speaker system
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JP4926198A
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Haruyuki Kato
晴之 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、従来とはまったく異なるスピーカ
ーの素材・構造を採用することにより、小型・軽量化が
容易で、低音域の音質や共振による音質劣化を改善する
スピーカーシステムを提供せんとするものである。 【解決手段】 本発明に係るスピーカーシステムは、波
状成形された中芯材を含むことにより内部に複数の空気
道15,15,…が設けられ、かつ前記複数の空気道15,1
5,…が互いに交差せずに端部間を連通してなる板材を
複数個はり合わせてなる積層体2 を備え、背面板8 にポ
ート7 が開口して設けられており、スピーカー取付孔1
1、空室12,13、空気道15,15,…およびポート7 から
なる連続的な音道が構成され、スピーカー背面から出る
音が前記音道を伝達するというものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピーカーシステ
ムを構成するボックス(エンクロージャ)の構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、直接放射形スピーカーシステム
では、振動板の前面と背面とから互いに逆位相の音が放
射される。スピーカー単体で用いると、前面および背面
の音が干渉し、低音域での放射能率が著しく低下する。
これは、低音は指向性が広く、高音は指向性が狭いため
である。そこで、スピーカーを取付ける面(以下、バッ
フル板と呼ぶ。)を設けて、振動板の前面と背面の音を
分離し、さらにバッフル板の周りを後ろに伸ばして箱
(以下、ボックスと呼ぶ。)を形成し、低音での音質を
高めている。このようなボックスとしては、たとえば図
14〜17に示すように種々のものがある。
【0003】図14は、後方密閉型スピーカーシステム
120 の断面を示す模式図である。しかしこれでは、スピ
ーカー121 の背面から出た音はボックス122 の内部123
に閉じ込められるので、小さなボックスではその音圧を
逃がことができず、また背面からの音を利用できないと
いう欠点がある。そこで、背面の音を利用すべくボック
スにポートを開けたものを、図15〜17に示す。図1
5は、バスレフ式スピーカーシステム124 、図16は、
ラビリンス式スピーカーシステム130 、図17は、バッ
クロードホーン式スピーカーシステム140 の断面を示す
模式図である。図15のバスレフ式ボックス125 では、
背後に空室126 を設け背面の音をポート127 から反転出
力させるので、低音域での放射能率を高めることができ
る。
【0004】また、図16のラビリンス(迷路)式ボッ
クス131 は、スピーカー132 の背面の空室133 、この空
室133 から伸びるスロート134 およびポート135 を備え
る。スロート134 が迷路の形状なので、中高音を減衰さ
せて共鳴を防ぐことができる。そして、図17のバック
ロードホーン式ボックス141 は、スピーカー142 の背面
の空室143 、この空室143 から伸びるスロート144 およ
びホーン145 を備える。バックロードホーン式ボックス
141 の特徴は、低音での放射能率を高めることと、ホー
ンから音を放射するので音響インピーダンス特性が広い
帯域にわたり平たんとなり放射能率を高めることであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のスピー
カーシステムでは、ボックスの素材として、合板、中密
度繊維板、ポリカーボネートおよび大理石などの堅い素
材が用いられてきた。堅い素材を使うと、ボックス内の
気圧変動を防ぐという点で有利だからである。
【0006】しかし、前記素材を用いる従来のスピーカ
ーシステムでは、以下の〜の問題があった。空室
の反射雑音を減らし、スピーカーシステムの反響や共鳴
などを調整するため、ボックス内部に吸音材などを設け
る必要があった。特にバスレフ式ボックスでは、この必
要性が高かった。ボックス内部にスロートを設けるラ
ビリンス式やバックロードホーン式のボックスの場合、
ボックスの内容積に制限があるために、スロートの長さ
や数には設計上の限界がある。また多量の板材や、複雑
かつ精密な加工を要するので高価なボックスになり易
い。前記またはのような対策を採ると、スピーカ
ーシステムの小型化が難しい。
【0007】本発明は、このような問題点に鑑み、従来
とはまったく異なるスピーカーの素材・構造を採用する
ことにより、小型・軽量化が簡単で、低音域の音質や共
振による音質劣化を改善するスピーカーシステムを提供
せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のスピーカーボッ
クスは、波状成形された中芯材を含むことにより内部に
複数の空気道が設けられ、かつ前記複数の空気道が互い
に交差せずに端部間を連通してなる板材の単または複数
個から構成される積層体を備え、前記積層体に設けられ
た単または複数の空室と、前記積層体の表面に開口され
たスピーカー取付孔と、該スピーカー取付孔を有する積
層体表面に接着されたバッフル板と、他の積層体表面に
接着された表面板と、を備えるとともに、スピーカー取
付孔、空室、空気道からなる連続的な音道が構成される
ことより、スピーカー背面から出る音が前記音道を伝達
するというものである。
【0009】前記表面板または前記バッフル板に単また
は複数のポートが開口して設けられるとともに、スピー
カー取付孔、空室、空気道およびポートからなる連続的
な音道が構成されることより、スピーカー背面から出る
音が前記音道を伝達しポートから開放されるという構成
を採ることもできる。
【0010】前記波状成形された中芯材、板材、表面板
およびバッフル板の少なくとも1つが紙からなること
が、好ましい。
【0011】また、バッフル板、表面板または板材に、
音道またはスピーカーに連通しない単または複数の開口
部または凹部を設けることが、望ましい。
【0012】そして、上記したポートを備えたスピーカ
ーシステムにおいては、バスレフ式、バックロードホー
ン式またはラビリンス式の音道を構成することができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明に係る代表的な種々の実施例を説明する。
【0014】図1は、本発明に係るラビリンス式スピー
カーシステム1 の第1の実施例を示す模式図である。ラ
ビリンス式ボックスは、波状成形された中芯材3 ,3 ,
…と板材4 ,4 ,…とを交互にはり合わせた6面からな
る積層体2 と、スピーカー5を取付けたバッフル板6
と、ポート7 を設けた背面板8 と、側面板9 ,10とから
構成される。前記積層体2 には、スピーカー5 の後部を
納めるスピーカー取付孔11と、積層体2 の表裏を貫通す
る空室12,13とが設けられている。また前記積層体2
は、波状成形された中芯材3 ,3 ,…を含むことで、積
層体2 の端部間を連通するように長手方向に多数の直線
状の空気道が形成されている。このような積層体2 に、
バッフル板6 、背面板8 および側面板9 ,10を矢印で示
す積層体2 の表面に、接着剤などを用いて接着して、本
実施例のラビリンス式スピーカーシステム1 が作製され
る。
【0015】図2は、図1に示した第1の実施例の断面
を示す模式図である。積層体2 の長手方向に走る直線1
4,14,…は、前記波状成形された中芯材の山を意味す
る。山と山との間には互いに交差することのない空気道
15,15,…が形成されている。バッフル板6 に取付けら
れたスピーカー5 の背面から出た音は、矢印に示すよう
に、スピーカー取付孔11から空気道15を経て第1の空室
12へ伝達し、この空室12から空気道を経て第2の空室13
へ伝達し、さらに、第2の空室13から空気道を経て背面
板8 に設けられたポート7 へ伝達して、ここで開放され
る。
【0016】また、本発明は、図1および図2に係る実
施例のスピーカー取付孔、空室およびポートの形状を変
えることにより、スピーカー背面から出た音が伝達する
音道の断面積を徐々に大きくするボックス構造をも含
む。図3は、このようなボックス構造の断面の一例を示
す模式図である。スピーカー背面から出た音は、高さL
1 のスピーカー取付孔、空気道、幅L2 の空室、高さL
3 の空気道、幅L4 の空室および高さL5 のポートから
なる音道を順次伝達する。この音道の断面積は、これら
高さや幅に比例して、徐々に大きくなる。このように、
音道の断面積を徐々に大きくするボックス構造を採用す
ることにより、変換能率の良いスピーカーシステムを得
ることができる。
【0017】上記した実施例の積層体2 の素材として
は、段ボール、すなわち波状成形した中芯紙の片面また
は両面に表面紙をはった紙を用いる。内部損失の大きな
段ボールを用いることで、紙の特性により空室や空気道
での反射雑音を減らすことができ、また、ボックス内部
に吸音材を設ける必要が無く、さらに、空室の数を調整
することで、スピーカーシステムの反響や共鳴を容易に
調整することが可能となる。したがって、優れた音質を
実現可能であって、軽量・小型化が容易で、比較的安価
なスピーカーシステムを作製できる。また、バッフル板
や背面板、側面板にも段ボールを用いることができる。
なお、本発明に係る積層体、バッフル板、背面板および
側面板などの素材には、必ずしも段ボールを用いる必要
はなく、段ボールと類似の特性を有する素材であれば何
れを用いても良い。また、上記した紙としては、白板
紙、黄板紙または建材原紙などを用いて良い。
【0018】背面板や側面板などの表面板の素材として
紙を用いた場合は、スピーカー背面から出た音が紙を透
過してスピーカー前面から出た音と適度に干渉するた
め、紙以外の素材を用いた場合と比べて、明瞭な音質を
得ることができる。このとき、表面板の厚みを紙一重の
状態にすることもできることから、障子越しに隣接する
部屋の音を聴くような音質を得ることもできる。
【0019】以下に説明する種々の実施例においても、
それらの素材として、上記した段ボールなどを用いて、
同様の効果を得ることができる。
【0020】次に、図4は、本発明に係るラビリンス式
スピーカーシステム20の第2の実施例を示す模式図であ
る。ラビリンス式ボックスは、波状成形された中芯材2
1,21,…と板材22,22,…とを交互にはり合わせた6
面からなる積層体23と、スピーカー24を取付けたバッフ
ル板25と、背面板26と、ポート27を設けた右側面板28
と、左側面板29とから構成される。前記積層体23には、
スピーカー24の後部を納めるスピーカー取付孔30と、積
層体23の表裏を貫通する空室31,32とが設けられてい
る。また前記積層体23には、上記した第1の実施例と同
じく、長手方向に多数の直線状の空気道が形成されてい
る。このような積層体23に、バッフル板25、背面板26お
よび左右の側面板29,28を矢印で示す積層体23の表面
に、接着剤などを用いて接着して、本実施例のラビリン
ス式スピーカーシステム20が作製される。
【0021】図5は、図4に示した第2の実施例の断面
を示す模式図である。第1の実施例と同じく、積層体の
長手方向に走る直線33,33,…は、前記波状成形された
中芯材の山を意味し、互いに交差することのない空気道
34,34,…が形成されている。バッフル板25に取付けら
れたスピーカー24の背面から出た音は、矢印に示すよう
に、スピーカー取付孔30から空気道34,34,…を経て第
1の空室32へ伝達し、この空室32から空気道を経て第2
の空室31へ伝達し、さらに、第2の空室31から空気道3
4,34,…を経て右側面板28に設けられたポート27へ伝
達して、ここで開放される。
【0022】次に、図6を参照しながら、ラビリンス式
スピーカーシステムの第3の実施例について説明する。
ラビリンス式ボックスの一部を構成する積層体41は、波
状成形された中芯材42,42,…と板材43,43,…とを交
互にはり合わせた積層材44,45,46,47,48と、仕切板
49,50,51,52とからなり、前記積層材44,45,46,4
7,48と仕切板49,50,51,52とを交互にはり合わせて
構成される。本実施例のラビリンス式ボックスは、この
積層体41と、スピーカー53を取付けたバッフル板54と、
ポート55を設けた下面板56と、上面板57と、背面板58と
から構成される。前記積層体41には、スピーカー53の後
部を納めるスピーカー取付孔59が設けられ、図示してい
ないが内部に複数の空室が設けられている。また前記積
層材44,45,46,47,48には、長手方向の直角方向に多
数の直線状の空気道が形成されている。このような積層
体41に、バッフル板54、背面板58、上面板57および下面
板56を矢印で示す積層体41の表面に、接着剤などを用い
て接着して、本実施例のラビリンス式スピーカーシステ
ム40が作製される。なお、前記仕切板の素材および厚み
に特に制限はなく、素材としては段ボールや合板などを
用いることができ、前記仕切板の厚みは紙一枚程度であ
って良い。
【0023】図7は、図6に示した第3の実施例の断面
を示す模式図である。積層材44,45,46,47,48の長手
方向の直角方向に走る直線60,60,…は、前記波状成形
された中芯材の山を意味する。山と山との間には互いに
交差することのない空気道61,61,…が形成されてい
る。また、バッフル板54と仕切板49との間において、長
手方向に円筒状のスピーカー取付孔59が設けられ、バッ
フル板54と仕切板50との間において、長手方向に仕切板
49を貫通して円筒状の第1の空室62が設けられ、仕切板
49と仕切板51との間において、長手方向に仕切板50を貫
通して円筒状の第2の空室63が設けられ、仕切板50と仕
切板52との間において、長手方向に仕切板51を貫通して
円筒状の第3の空室64が設けられ、そして、仕切板51と
背面板58との間において、長手方向に仕切板52を貫通し
て円筒状の第4の空室65が設けられている。
【0024】バッフル板54に取付けられたスピーカー53
の背面から出た音は、矢印に示すように、スピーカー取
付孔59から空気道を経て第1の空室62へ伝達し、空気道
を経ながら、第2〜第4の空室63,64,65を順次伝達
し、ポート55から開放される。このように、本実施例に
係るスピーカーボックスは、図16に示した従来のラビ
リンス式スピーカーシステムと比べて、その外形が同じ
であっても内部により長いスロート部を容易に形成でき
るので、中高音を減衰させて共鳴を防ぐという効果をさ
らに高めることができる。
【0025】次に、図8を参照しながら、本発明に係る
バスレフ式スピーカーシステム70の実施例について説明
する。バスレフ式ボックスは、波状成形された中芯材7
1,71,…と板材72,72,…とを交互にはり合わせた6
面からなる積層体73、スピーカー74を取付けたバッフル
板75、右ポート76を設けた右側面板77,左ポート78を設
けた左側面板79、および背面板80とから構成される。前
記積層体73には、スピーカー74の後部を納めるスピーカ
ー取付孔兼空室81が、積層体表裏を貫通して設けられて
いる。また積層体73には、波状成形された中芯材71,7
1,…を含むことで、積層体の端部間を連通するように
長手方向に多数の直線状の空気道が形成されている。こ
のような積層体73に、バッフル板75、背面板80および左
右の側面板79,77を矢印に示す積層体表面に、接着剤な
どを用いて接着して、本実施例のバスレフ式スピーカー
システム70が作製される。
【0026】図9は、図8に示した実施例の断面を示す
模式図である。積層体73の長手方向に走る直線82,82,
…は、前記波状成形された中芯材の山を意味する。山と
山との間には互いに交差することのない空気道83,83,
…が形成されている。バッフル板75の背面から出た音
は、矢印に示すように、スピーカー取付孔兼空室81の上
部84と下部85とに連通する空気道を伝達し、それぞれ
が、ポート76,78において開放される。
【0027】次に、図10を参照しながら、本発明に係
るラビリンス式スピーカーシステム90の実施例について
説明する。ラビリンス式ボックスは、波状成形された中
芯材と板材とを交互にはり合わせた積層材91,92,93,
94,95を組み合わせた積層体96、スピーカー97を取付け
たバッフル板98、ポート99を設けた背面板100 および左
右の側面板101 ,102 から構成される。前記積層体96に
は、スピーカー97の後部を納めるスピーカー取付孔兼空
室103 が設けられている。積層材91,92,93には、積層
体96の長手方向に多数の直線状の空気道が形成され、ま
た、積層材94,95には、積層体96の長手方向と垂直方向
に多数の直線状の空気道が形成されている。このような
積層体96に、バッフル板98、背面板100 および左右の側
面板101,102 を矢印に示す積層体表面に、接着剤など
を用いて接着して、本実施例のラビリンス式スピーカー
システム90が作製される。
【0028】図11は、図10に示した実施例の断面を
示す模式図である。積層材91,92,93,94,95における
直線104 ,104 ,…は、前記波状成形された中芯材の山
を意味する。山と山との間には互いに交差することのな
い空気道105 ,105 ,…が形成されている。スピーカー
97の背面から出た音は、矢印に示すように、スピーカー
取付孔兼空室103 に連通する空気道105 を伝達し、積層
材91の空気道、積層材95の空気道、積層材94の空気道、
および積層材93の空気道を順次伝達して、ポート99から
開放される。
【0029】本実施例のように、内部に空気道を備える
複数の積層材を組み合わせることにより、任意の形状を
もつスロート部を構成できる。
【0030】上記した種々の実施例において、スピーカ
ーボックスの共振を防ぐために、バッフル板や表面板、
積層体の構成部材に、音が伝達する音道に連通しないよ
うに複数の開口部または凹部を設けることができる。図
12は、本発明に係るスピーカーシステム110 のバッフ
ル板111 にこのような開口部および凹部を設けた模式図
である。図13は、本実施例の正面図である。本実施例
では、バッフル板111および背面板112 として、段ボー
ルのような、波状成形された中芯材の両面に板材をはり
合わせた素材を用いている。バッフル板内部の多数の空
気道は、積層体115 の長手方向に走っている。このバッ
フル板111 の表面には、開口部113 ,113 ,…が設けら
れ、また、図13に示すようにバッフル板の裏面にも、
凹部114,114 ,…が設けられている。これら開口部113
,113 ,…や凹部114 ,114 ,…は、バッフル板111
の表裏を貫通しないように、また、スピーカーの背面に
連通する空気道と交差しない位置に設けられる。これは
スピーカー背面から出る音が開口部や凹部から外へ漏れ
るのを防ぐためである。また、バッフル板の裏面に凹部
114 ,114 ,…を設けていることで、スピーカーシステ
ムの内容積が増える。
【0031】上記した各実施例は、そのポートの形状を
ホーン形状にして、バックロードホーン式スピーカーシ
ステムとすることもできる。ホーン形状としては、スロ
ート部からホーンを見た音響インピーダンス特性が広い
帯域にわたり平たん、かつ変換能率が良いという観点か
らは、パラボリックホーン、円錐形ホーン、エクスポネ
ンシャルホーン、ハイパボリックホーン、そしてホーン
の断面積が階段状に変化するステップホーンなどが、好
ましい。
【0032】本発明においては、上記したバスレフ式、
ラビリンス式のスピーカーシステムに限らず、空室の
数、設け方によっては、種々の音響構造を有するスピー
カーシステムを作製できる。上述したように、空室の数
や設け方によっては、音道の長さ(ダクト長)を任意の
ものにすることができるのである。従来のスピーカーシ
ステムでは、ダクト長を長くするためには、多数の長さ
や直径が異なるパイプなどのダクトを用いる必要があっ
た。
【0033】また本発明に係るスピーカーシステムは、
小型・軽量・薄形化が容易であるため、狭い部屋での壁
掛けスピーカー、音声多重テレビやパーソナルコンピュ
ータのCRT、LEDなどのモニタの両端に位置する薄
形スピーカー、自動車の内部に組み込む組み込みスピー
カー、または、天井埋め込み型スピーカーとして利用す
ることが可能である。
【0034】
【発明の効果】上述の如く、本発明のスピーカーシステ
ムは、波状成形された中芯材を含むことにより内部に複
数の空気道が設けられ、かつ前記複数の空気道が互いに
交差せずに端部間を連通してなる板材の単または複数個
から構成される積層体を備え、この積層体内部に複数の
空室を設けて、スピーカー取付孔、空室および空気道か
らなる連続的な音道を構成するものであるから、ボック
ス内の空室の数や大きさ、空室の位置を調整すること
で、任意の音道を構成することができる。また、空室の
数や大きさ、その位置を調整することによりボックスの
共鳴・共振を防いで、音質劣化を防ぐことができる。
【0035】また、前記表面板または前記バッフル板に
単または複数のポートを開口して設けて、スピーカー取
付孔、空室、空気道およびポートからなる連続的な音道
を構成することにより、非常に長いスロート部を容易に
形成できるので、中高音を減衰させて共鳴・共振を防ぐ
ことができ、また、積層体内部の空室の数や大きさ、空
室の位置を容易に調整できるので、低音域の音質を増強
し改善することができる。
【0036】また、前記波状成形された中芯材、板材お
よびバッフル板の少なくとも1つを紙から構成すること
により、段ボールのように、比較的安価で外力に強く、
加工も簡単な素材を用いることができるので、スピーカ
ーシステムの大型化のみならず、小型・軽量・薄形化が
容易に達成できる。また、スピーカー背面から出た音が
紙を透過してスピーカー前面から出た音と適度に干渉す
るため、紙以外の素材を用いた場合と比べて、明瞭な音
質を得ることができる。
【0037】そして、前記バッフル板、表面板または板
材に、音道またはスピーカーに連通しない単または複数
の開口部または凹部を設けることにより、スピーカーシ
ステムの共振を抑えることができるので、高い音量・音
質を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラビリンス式スピーカーシステム
の第1の実施例を示す模式図である。
【図2】第1の実施例の断面を示す模式図である。
【図3】音道の断面積が徐々に大きくなるボックス構造
を示す模式図である。
【図4】本発明に係るラビリンス式スピーカーシステム
の第2の実施例を示す模式図である。
【図5】第2の実施例の断面を示す模式図である。
【図6】本発明に係るラビリンス式スピーカーシステム
の第3の実施例を示す模式図である。
【図7】第3の実施例の断面を示す模式図である。
【図8】本発明に係るバスレフ式スピーカーシステムの
実施例を示す模式図である。
【図9】図8に示した実施例の断面を示す模式図であ
る。
【図10】本発明に係るラビリンス式スピーカーシステ
ムの実施例である。
【図11】図10に示した実施例の断面を示す模式図で
ある。
【図12】本発明に係るバッフル板と背面板に設けた複
数の開口部を示す模式図である。
【図13】図12に示した実施例の正面図である。
【図14】従来の後方密閉型スピーカーシステムの断面
を示す模式図である。
【図15】従来のバスレフ式スピーカーシステムの断面
を示す模式図である。
【図16】従来のラビリンス式スピーカーシステムの断
面を示す模式図である。
【図17】従来のバックロードホーン式スピーカーの断
面を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ラビリンス式スピーカーシステム 2 積層体 3 中芯材 4 板材 5 スピーカー 6 バッフル板 7 ポート 8 背面板 9 ,10 側面板 11 スピーカー取付孔 12,13 空室 14 中芯材の山 15 空気道 20 ラビリンス式スピーカーシステム 21 中芯材 22 板材 23 積層体 24 スピーカー 25 バッフル板 26 背面板 27 ポート 28 右側面板 29 左側面板 30 スピーカー取付孔 31,32 空室 33 中芯材の山 34 空気道 40 ラビリンス式スピーカーシステム 41 積層体 42 中芯材 43 板材 44,45,46,47,48 積層材 49,50,51,52 仕切板 53 スピーカー 54 バッフル板 55 ポート 56 下面板 57 上面板 58 背面板 59 スピーカー取付孔 60 中芯材の山 61 空気道 62 空室 70 バスレフ式スピーカーシステム 71 中芯材 72 板材 73 積層体 74 スピーカー 75 バッフル板 76 右ポート 77 右側面板 78 左ポート 79 左側面板 80 背面板 81 スピーカー取付孔兼空室 82 中芯材の山 83 空気道 90 ラビリンス式スピーカーシステム 91,92,93,94,95 積層材 96 積層体 97 スピーカー 98 バッフル板 99 ポート 100 背面板 101 左側面板 102 右側面板 103 スピーカー取付孔兼空室 104 中芯材の山 105 空気道 110 スピーカーシステム 111 バッフル板 112 背面板 113 ,114 開口部 115 積層体 116 ,117 側面板 118 スピーカー 120 後方密閉型スピーカーシ
ステム 121 スピーカー 122 ボックス 123 ボックスの内部 124 バスレフ式スピーカーシ
ステム 125 バスレフ式ボックス 126 空室 127 ポート 128 スピーカー 130 ラビリンス式スピーカーシステム 131 ラビリンス式ボックス 132 スピーカー 133 空室 134 スロート 135 ポート 140 バックロードホーン式スピーカーシステム 141 バックロードホーン式ボックス 142 スピーカー 143 空室 144 スロート 145 ホーン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波状成形された中芯材を含むことにより
    内部に複数の空気道が設けられ、かつ前記複数の空気道
    が互いに交差せずに端部間を連通してなる板材の単また
    は複数個から構成される積層体を備え、 前記積層体に設けられた単または複数の空室と、前記積
    層体の表面に開口されたスピーカー取付孔と、該スピー
    カー取付孔を有する積層体表面に接着されたバッフル板
    と、他の積層体表面に接着された表面板と、を備えると
    ともに、 スピーカー取付孔、空室、空気道からなる連続的な音道
    が構成されることより、スピーカー背面から出る音が前
    記音道を伝達することを特徴とするスピーカーシステ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記表面板または前記バッフル板に単ま
    たは複数のポートが開口して設けられるとともに、スピ
    ーカー取付孔、空室、空気道およびポートからなる連続
    的な音道が構成されることより、スピーカー背面から出
    る音が前記音道を伝達しポートから開放されることを特
    徴とする請求項1記載のスピーカーシステム。
  3. 【請求項3】 前記波状成形された中芯材、板材、表面
    板およびバッフル板の少なくとも1つが紙からなる請求
    項1または請求項2記載のスピーカーシステム。
  4. 【請求項4】 バッフル板、表面板または板材に、音道
    またはスピーカーに連通しない単または複数の開口部ま
    たは凹部を設けてなる請求項1〜3の何れか1項に記載
    のスピーカーシステム。
  5. 【請求項5】 バスレフ式、バックロードホーン式また
    はラビリンス式の音道を構成してなる請求項2〜4の何
    れか1項に記載のスピーカーシステム。
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