以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、マルチバックロードホーン型スピーカー装置1の全体構成を説明する部分断面斜視図である。図2は、マルチバックロードホーン型スピーカー装置1に使用される音道管151を説明する斜視図である。図1は、バックロードホーンの本数が3本の例を示すが、マルチバックロードホーン15を構成するバックロードホーンの本数は、3本以上の任意の本数としてもよい。なお、後述する本発明の実施例におけるバックロードホーンの本数は、4本から6本である。また、図1における第1から第3のバックロードホーン150a〜cを構成する音道管151の本数と接続方法は、説明用に一例を示したものである。
マルチバックロードホーン型スピーカー装置1は、スピーカーユニット11と、エンクロージャー13と、マルチバックロードホーン15とで構成されている。マルチバックロードホーン15は、第1のバックロードホーン150aと、第2のバックロードホーン150bと、第3のバックロードホーン150cとで構成されている。空気室S13は、エンクロージャー13に囲まれた内側の空間である。
第1のバックロードホーン150aは、1本の音道管151aで形成されている。音道管151aに設けられた管壁開口部152aは、バックロードホーン150aの入口絞り部132aと連通するように配置されている。バックロードホーン150aの出口開口部154aは、マルチバックロードホーン型スピーカー装置1の外面に開口している。第1のバックロードホーン150aのホーン長は、音道管151の1本分であり、ホーン出口面積は、音道管151の1本分である。
第2のバックロードホーン150bは、3本の音道管151bで形成されている。エンクロージャー13と連結した音道管151bに設けられた管壁開口部152bは、バックロードホーン150bの入口絞り部132bと連通するように配置されている。互いに隣接する音道管151bの管壁に共通の開口部152bを備えている。バックロードホーン150bの出口開口部154bは、マルチバックロードホーン型スピーカー装置1の外面に開口している。第2のバックロードホーン150bのホーン長は、音道管151の2本分であり、ホーン出口面積は、音道管151の2本分である。
第3のバックロードホーン150cは、7本の音道管151cで形成されている。エンクロージャー13と連結した音道管151cに設けられた管壁開口部152cは、バックロードホーン150cの入口絞り部132cと連通するように配置されている。互いに隣接する音道管151cの管壁に共通の開口部152cを備えている。バックロードホーン150cの出口開口部154cは、マルチバックロードホーン型スピーカー装置1の外面に開口している。第3のバックロードホーン150cのホーン長は、音道管151の4本分であり、ホーン出口面積は、音道管151の3本分である。
前記3本のバックロードホーン150a〜cのホーン長は、互いに長さが異なる。かかる構成とすることで、本発明のマルチバックロードホーン型スピーカー装置1は、低い周波数用と中間の周波数用と高い周波数用との3本のバックロードホーン150a〜cを備える。
図1に示すバックロードホーン150a〜cの入口絞り部132a〜cの面積は、略ゼロから音道管の断面積までの間で変えることができる。かかる構成とすることで、本発明のマルチバックロードホーン型スピーカー装置1は、低い周波数用と中間の周波数用と高い周波数用との3本のバックロードホーン150a〜cから放出される音圧のレベルを、それぞれ個別に調整できる。
図2に示す音道管151に設ける管壁開口部152の位置は、出口開口部154の位置を基準にして、遠い位置から近い位置の間で、任意の位置に配置できる。それにより、音道管151の長さを変えることなく、バックロードホーンのホーン長を変えることができる。つまり、管壁開口部152を出口開口部154に近い位置に配置すると、ホーン長は短くなる。また、管壁開口部152を出口開口部154から遠い位置に配置すると、ホーン長は長くなる。すなわち、本発明のマルチバックロードホーン型スピーカー装置1は、音道管151の長さを変えることなく、ホーン長の異なる設計が可能である。それにより、ホーン長が互いに異なる3本のバックロードホーン150a〜cについて、それぞれ個別に最低共振周波数を調整できる。
図3から図36は、複数本の音道管を接続して形成されるバックロードホーンの説明図である。同じサイズの音道管を、折り畳まないで階段状に接続する方法と、コンパクトに折り畳んで接続する方法とを対比して説明する。
音道管を直列に接続すれば、ホーン長が長くなる。音道管を並列に接続すれば、ホーンの断面積が大きくなる。また、音道管に設ける管壁開口部の位置を変えれば、音道管の長さを変えることなく、ホーン長を調整できる。複数本の音道管について、直列接続と並列接続とホーン長の調整とを組み合わせてバックロードホーンを形成すれば、バックロードホーンの入口から出口までの断面をラッパ状に広げることができる。
図3から図8は、バックロードホーンの最大ホーン長を説明する図面である。
図3は、同じサイズの音道管151dを4本使って、階段状に直列接続したバックロードホーン150dの斜視図である。図4は、図3のバックロードホーン150dの正面図である。図5は、図3のバックロードホーン150dを図4のD−D線で切断した断面図である。
図6は、同じサイズの音道管151eを4本使って、コンパクトに折り畳んで直列接続したバックロードホーン150eの斜視図である。図7は、図6のバックロードホーン150eの正面図である。図8は、図6のバックロードホーン150eを図7のE−E線で切断した断面図である。
図9から図14は、バックロードホーンの中間ホーン長を説明する図面である。
図9は、同じサイズの音道管151fを4本使って、階段状に直列接続したバックロードホーン150fの斜視図である。図10は、図9のバックロードホーン150fの正面図である。図11Aは、図9のバックロードホーン150fを図10のF−F線で切断した断面図である。図11Bは、図11Aの中間ホーン長のバックロードホーン150fについて、音圧レベルの低下を防止するために、隔壁板153fを追加した断面図である。
図12は、同じサイズの音道管151gを4本使って、コンパクトに折り畳んで直列接続したバックロードホーン150gの斜視図である。図13は、図12のバックロードホーン150gの正面図である。図14Aは、図12のバックロードホーン150gを図13のG−G線で切断した断面図である。図14Bは、図14Aの中間ホーン長のバックロードホーン150gについて、音圧レベルの低下を防止するために、隔壁板153gを追加した断面図である。
図15から図20は、バックロードホーンの最小ホーン長を説明する図面である。
図15は、同じサイズの音道管151hを4本使って、互い違いに直列接続したバックロードホーン150hの斜視図である。図16は、図15のバックロードホーン150hの正面図である。図17Aは、図15のバックロードホーン150hを図16のH−H線で切断した断面図である。図17Bは、図17Aの最小ホーン長のバックロードホーン150hについて、音圧レベルの低下を防止するために、隔壁板153hを追加した断面図である。
図18は、同じサイズの音道管151iを4本使って、コンパクトに折り畳んで直列接続したバックロードホーン150iの斜視図である。図19は、図18のバックロードホーン150iの正面図である。図20Aは、図18のバックロードホーン150iを図19のI−I線で切断した断面図である。図20Bは、図20Aの最小ホーン長のバックロードホーン150iについて、音圧レベルの低下を防止するために、隔壁板153iを追加した断面図である。
図21から図28は、バックロードホーンの出口面積を拡大する方法を説明する図面である。
図21は、同じサイズの音道管151jを10本使って、階段状に直列接続及び並列接続したバックロードホーン150jの斜視図である。図22は、図21のバックロードホーン150jの正面図である。図23は、図21のバックロードホーン150jの側面図である。図24は、図21のバックロードホーン150jを図23のJ−J線で切断した断面の展開図である。バックロードホーン151jのホーン長は、音道管151jの4本分であり、ホーン出口面積は、音道管151jの4本分である。
図25は、同じサイズの音道管151kを10本使って、コンパクトに折り畳んで直列接続及び並列接続したバックロードホーン150kの斜視図である。図26は、図25のバックロードホーン150kの正面図である。図27は、図25のバックロードホーン150kの側面図である。図28は、図25のバックロードホーン150kを図27のK−K線で切断した断面の展開図である。バックロードホーン151kのホーン長は、音道管151kの4本分であり、ホーン出口面積は、音道管151kの4本分である。
図29から図36は、バックロードホーンの広がり率を調整する方法を説明する図面である。
図29は、同じサイズの音道管151mを10本使って、階段状に直列接続及び並列接続したバックロードホーン150mの斜視図である。図30は、図29のバックロードホーン150mの正面図である。図31は、図29のバックロードホーン150mの側面図である。図32は、図30のバックロードホーン150mを図31のM−M線で切断した断面の展開図である。バックロードホーン151mのホーン長は、音道管151mの略2本分であり、ホーン出口面積は、音道管151mの4本分である。図32は、バックロードホーンの入口から出口までの断面をラッパ状に広げる場合の一例を示している。
図33は、同じサイズの音道管151nを10本使って、コンパクトに折り畳んで直列接続及び並列接続したバックロードホーン150nの斜視図である。図34は、図33のバックロードホーン150nの正面図である。図35は、バックロードホーン150nの側面図である。図36は、図33のバックロードホーン150nを図35のN−N線で切断した断面の展開図である。バックロードホーン151nのホーン長は、音道管151nの略2本分であり、ホーン出口面積は、音道管151nの4本分である。図36は、バックロードホーンの入口から出口までの断面をラッパ状に広げる場合の一例を示している。
本発明の実施例1におけるマルチバックロードホーン型スピーカー装置2を図37及び図38に示す。図39は、実施例1に使用される音道管251の斜視図である。音道管251の径方向における断面の形状は、正方形である。音道管251の寸法は、外側が一辺37mmの正方形、内側が一辺25mmの正方形、厚み6mm、軸方向の長さ200mmである。スピーカーユニット21は、10cmフルレンジコーンスピーカーである。空気室S23の容積は、1.39リットルである。スピーカーユニット21を除いた状態で、マルチバックロードホーン型スピーカー装置2の外形寸法は、幅271mm、奥行291mm、高さ234mmである。
マルチバックロードホーン型スピーカー装置2は、スピーカーユニット21と、バッフル板22と、エンクロージャー23と、仕切り板24と、マルチバックロードホーン25と、外枠26と、裏板27とで構成される。空気室S23は、エンクロージャー23に囲まれた内側の空間である。
図40は、実施例1におけるマルチバックロードホーン25の分解図である。マルチバックロードホーン25は、第1のバックロードホーン250aと、第2のバックロードホーン250bと、第3のバックロードホーン250cと、第4のバックロードホーン250dと、第5のバックロードホーン250eと、第6のバックロードホーン250fとで構成されている。第1から第6のバックロードホーン250a〜fは、それぞれ2本、4本、6本、8本、10本、12本の音道管251で構成されている。音道管251の総数は、42本である。
図41は、実施例1におけるマルチバックロードホーン25の斜視図であり、図42は正面図である。図43Aから図43Fは、第1から第6のバックロードホーン250a〜fを図42のA−A線からF−F線で切断した断面の展開図である。
図43Aに示す第1のバックロードホーン250aのホーン長は、音道管251の2本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、74mm〜424mmである。最低共振周波数の調整範囲は、401Hz〜2297Hzである。
図43Bに示す第2のバックロードホーン250bのホーン長は、音道管251の4本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、148mm〜873mmである。最低共振周波数の調整範囲は、195Hz〜418Hzである。
図43Cに示す第3のバックロードホーン250cのホーン長は、音道管251の6本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、222mm〜1322mmである。最低共振周波数の調整範囲は、129Hz〜766Hzである。
図43Dに示す第4のバックロードホーン250dのホーン長は、音道管251の8本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、296mm〜1771mmである。最低共振周波数の調整範囲は、96Hz〜574Hzである。
図43Eに示す第5のバックロードホーン250eのホーン長は、音道管251の10本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、370mm〜2220mmである。最低共振周波数の調整範囲は、77Hz〜459Hzである。
図43Fに示す第6のバックロードホーン250fのホーン長は、音道管251の12本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、444mm〜2669mmである。最低共振周波数の調整範囲は、64Hz〜383Hzである。
図43Aから図43Fに示す第1から第6のバックロードホーン250a〜fの出口面積は、すべて音道管251の1本分であり、バックロードホーンの入口から出口まで同じ面積である。
図44は、本発明の実施例1におけるガイドプレート231a〜fを説明する斜視図である。マルチバックロードホーン型スピーカー装置2は、空気室S23にガイドプレート231a〜fを備える。かかる構成とすれば、吸音材を使用することなく、空気室S23に発生する音の乱れを抑制し、スピーカーユニット21の背面から放出される音を、効率良く音道管251へ誘導できる。
本発明の実施例2におけるマルチバックロードホーン型スピーカー装置3を図45及び図46に示す。図47は、実施例2に使用される音道管351の斜視図である。音道管351の径方向における断面の形状は、正方形である。音道管351の寸法は、外側が一辺36mmの正方形、内側が一辺25mmの正方形、厚み5.5mm、軸方向の長さ240mmである。スピーカーユニット31は、10cmフルレンジコーンスピーカーである。空気室S33の容積は、1.39リットルである。スピーカーユニット31を除いた状態で、マルチバックロードホーン型スピーカー装置3の外形寸法は、幅191mm、奥行364mm、高さ227mmである。
マルチバックロードホーン型スピーカー装置3は、スピーカーユニット31と、バッフル板32と、エンクロージャー33と、仕切り板34と、マルチバックロードホーン35と、外枠36と、裏板37と、バックロードホーンの出口拡大部38とで構成される。空気室S33は、エンクロージャー33に囲まれた内側の空間である。
図48は、実施例2におけるマルチバックロードホーン35の分解図である。マルチバックロードホーン35は、第1のバックロードホーン350aと、第2のバックロードホーン350bと、第3のバックロードホーン350cと、第4のバックロードホーン350dと、第5のバックロードホーン350eとで構成されている。第1から第5のバックロードホーン350a〜eは、それぞれ2本、4本、6本、8本、10本の音道管351で構成されている。音道管351の総数は、30本である。
図49は、実施例2におけるマルチバックロードホーン35の斜視図である。図50Aから図50Cは、第1から第5のバックロードホーン350a〜eの正面図である。図51Aから図51Eは、第1から第5のバックロードホーン350a〜eを図50Aから図50CのA−A線からE−E線で切断した断面の展開図である。
図51Aに示す第1のバックロードホーン350aのホーン長は、音道管351の2本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、85mm〜515mmである。最低共振周波数の調整範囲は、330Hz〜2000Hzである。
図51Bに示す第2のバックロードホーン350bのホーン長は、音道管351の4本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、157mm〜1017mmである。最低共振周波数の調整範囲は、167Hz〜1083Hzである。
図51Cに示す第3のバックロードホーン350cのホーン長は、音道管351の6本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、229mm〜1519mmである。最低共振周波数の調整範囲は、112Hz〜742Hzである。
図51Dに示す第4のバックロードホーン350dのホーン長は、音道管351の8本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、301mm〜2021mmである。最低共振周波数の調整範囲は、84Hz〜565Hzである。
図51Eに示す第5のバックロードホーン350eのホーン長は、音道管351の10本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、373mm〜2523mmである。最低共振周波数の調整範囲は、67Hz〜456Hzである。
図51Aから図51Eに示す第1から第5のバックロードホーン350a〜eの出口面積は、すべて音道管351の1本分であり、バックロードホーンの入口から出口まで同じ面積である。この実施例2では、バックロードホーン出口に図46に示す出口拡大部38を備えており、バックロードホーンの出口面積を拡大している。
本発明の実施例3におけるマルチバックロードホーン型スピーカー装置4を図52及び図53に示す。図54は、実施例3に使用される音道管451の斜視図である。音道管451の径方向における断面の形状は、正三角形である。音道管451の寸法は、外側が一辺62mmの正三角形、内側が一辺41.2mmの正三角形、厚み6mm、軸方向の長さ240mmである。スピーカーユニット41は、10cmフルレンジコーンスピーカーである。空気室S43の容積は、1.66リットルである。スピーカーユニット41を除いた状態で、マルチバックロードホーン型スピーカー装置4の外形寸法は、幅393mm、奥行335mm、高さ340mmである。
マルチバックロードホーン型スピーカー装置4は、スピーカーユニット41と、バッフル板42と、エンクロージャー43と、仕切り板44と、マルチバックロードホーン45と、外枠46と、裏板47とで構成される。空気室S43は、エンクロージャー43に囲まれた内側の空間である。
図55は、実施例3におけるマルチバックロードホーン45の分解図である。マルチバックロードホーン45は、第1のバックロードホーン450aと、第2のバックロードホーン450bと、第3のバックロードホーン450cと、第4のバックロードホーン450dと、第5のバックロードホーン450eとで構成されている。第1から第5のバックロードホーン450a〜eは、それぞれ2本、4本、6本、8本、10本の音道管451で構成されている。音道管451の総数は、30本である。
図56は、実施例3におけるマルチバックロードホーン45の部分断面斜視図であり、図57は正面図である。図58Aから図58Eは、第1から第5のバックロードホーン450a〜eを図57のA−A線からE−E線で切断した断面の展開図である。
図58Aに示す第1のバックロードホーン450aのホーン長は、音道管451の2本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、73mm〜503mmである。最低共振周波数の調整範囲は、338Hz〜2329Hzである。
図58Bに示す第2のバックロードホーン450bのホーン長は、音道管451の4本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、144mm〜1004mmである。最低共振周波数の調整範囲は、169Hz〜1181Hzである。
図58Cに示す第3のバックロードホーン450cのホーン長は、音道管451の6本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、216mm〜1506mmである。最低共振周波数の調整範囲は、113Hz〜787Hzである。
図58Dに示す第4のバックロードホーン450dのホーン長は、音道管451の8本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、288mm〜2008mmである。最低共振周波数の調整範囲は、85Hz〜590Hzである。
図58Eに示す第5のバックロードホーン450eのホーン長は、音道管451の10本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、359mm〜2509mmである。最低共振周波数の調整範囲は、68Hz〜474Hzである。
図58Aから図58Eに示す第1から第5のバックロードホーン450a〜eの出口面積は、すべて音道管451の略2本分である。この実施例3では、マルチバックロードホーン45と、外枠46との間にできた三角形の空間を利用して、バックロードホーンの出口面積を拡大している。
本発明の実施例4におけるマルチバックロードホーン型スピーカー装置5を図59及び図60に示す。図61は、実施例4に使用される音道管551の斜視図である。音道管551の径方向における断面の形状は、直角二等辺三角形である。音道管551の寸法は、外側が等辺56mmの直角二等辺三角形、内側が等辺35.5mmの直角二等辺三角形、厚み6mm、軸方向の長さ240mmである。スピーカーユニット51は、10cmフルレンジコーンスピーカーである。空気室S53の容積は、1.40リットルである。スピーカーユニット51を除いた状態で、マルチバックロードホーン型スピーカー装置5の外形寸法は、幅180mm、奥行342mm、高さ292mmである。
マルチバックロードホーン型スピーカー装置5は、スピーカーユニット51と、バッフル板52と、エンクロージャー53と、仕切り板54と、マルチバックロードホーン55と、外枠56と、裏板57とで構成される。空気室S53は、エンクロージャー53に囲まれた内側の空間である。
図62は、実施例4におけるマルチバックロードホーン55の分解図である。マルチバックロードホーン55は、第1のバックロードホーン550aと、第2のバックロードホーン550bと、第3のバックロードホーン550cと、第4のバックロードホーン550dと、第5のバックロードホーン550eとで構成されている。第1から第5のバックロードホーン550a〜eは、それぞれ2本、4本、6本、8本、10本の音道管551で構成されている。音道管551の総数は、30本である。
図63は、実施例4におけるマルチバックロードホーン55の斜視図である。図64Aから図64Cは、第1から第5のバックロードホーン550a〜eの正面図である。図65Aから図65Eは、第1から第5のバックロードホーン550a〜eを図64Aから図64CのA−A線からE−E線で切断した断面の展開図である。
図65Aに示す第1のバックロードホーン550aのホーン長は、音道管551の2本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、80mm〜510mmである。最低共振周波数の調整範囲は、333Hz〜2125Hzである。
図65Bに示す第2のバックロードホーン550bのホーン長は、音道管551の4本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、136mm〜996mmである。最低共振周波数の調整範囲は、171Hz〜1250Hzである。
図65Cに示す第3のバックロードホーン550cのホーン長は、音道管551の6本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、192mm〜1482mmである。最低共振周波数の調整範囲は、115Hz〜885Hzである。
図65Dに示す第4のバックロードホーン550dのホーン長は、音道管551の8本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、248mm〜1968mmである。最低共振周波数の調整範囲は、86Hz〜685Hzである。
図65Eに示す第5のバックロードホーン550eのホーン長は、音道管551の10本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、304mm〜2454mmである。最低共振周波数の調整範囲は、69Hz〜559Hzである。
図65Aから図65Eに示す第1から第5のバックロードホーン550a〜eの出口面積は、すべて音道管551の1本分であり、バックロードホーンの入口から出口まで同じ面積である。
本発明の実施例5におけるマルチバックロードホーン型スピーカー装置6を図66及び図67に示す。図68は、実施例5に使用される音道管651の斜視図である。音道管651の径方向における断面の形状は、正六角形である。音道管651の寸法は、外側が一辺24mmの正六角形、内側が一辺17.1mmの正六角形、厚み6mm、軸方向の長さ240mmである。スピーカーユニット61は、10cmフルレンジコーンスピーカーである。空気室S63の容積は、1.36リットルである。スピーカーユニット61を除いた状態で、マルチバックロードホーン型スピーカー装置6の外形寸法は、幅523mm、奥行331mm、高さ384mmである。
マルチバックロードホーン型スピーカー装置6は、スピーカーユニット61と、バッフル板62と、エンクロージャー63と、仕切り板64と、マルチバックロードホーン65と、外枠66と、裏板67とで構成される。空気室S63は、エンクロージャー63に囲まれた内側の空間である。
69は、実施例5におけるマルチバックロードホーン65の分解図である。マルチバックロードホーン65は、第1のバックロードホーン650aと、第2のバックロードホーン650bと、第3のバックロードホーン650cと、第4のバックロードホーン650dと、第5のバックロードホーン650eとで構成されている。第1から第5のバックロードホーン650a〜eは、それぞれ2本、6本、12本、20本、30本の音道管651で構成されている。音道管651の総数は、70本である。
図70は、実施例5におけるマルチバックロードホーン65の斜視図であり、図71は正面図である。図72Aから図72Eは、第1から第5のバックロードホーン650a〜eの正面図である。図73Aから図73Eは、第1から第5のバックロードホー650a〜eンを図72Aから図72EのVA〜VE方向から見た矢示図である。図74Aから図74Eは、第1から第5のバックロードホーン650a〜eを図73Aから図73EのA−A線からE−E線で切断した断面の展開図である。
図74Aに示す第1のバックロードホーン650aのホーン長は、音道管651の2本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、110mm〜505mmである。最低共振周波数の調整範囲は、337Hz〜1545Hzである。
図74Bに示す第2のバックロードホーン650bのホーン長は、音道管651の4本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、193mm〜987mmである。最低共振周波数の調整範囲は、172Hz〜881Hzである。
図74Cに示す第3のバックロードホーン650cのホーン長は、音道管651の6本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、276mm〜1470mmである。最低共振周波数の調整範囲は、116Hz〜616Hzである。
図74Dに示す第4のバックロードホーン650dのホーン長は、音道管651の8本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、359mm〜1952mmである。最低共振周波数の調整範囲は、87Hz〜474Hzである。
図74Eに示す第5のバックロードホーン650eのホーン長は、音道管651の10本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、442mm〜2434mmである。最低共振周波数の調整範囲は、70Hz〜385Hzである。
図74Aから図74Eに示す第1から第5のバックロードホーン650a〜eの出口面積は、それぞれ、音道管651の1本分、2本分、3本分、4本分、5本分である。第1のバックロードホーン650a以外の第2から第5のバックロードホーンは、入口から出口に向かって段階的に面積を増加させている。
本発明の実施例6におけるマルチバックロードホーン型スピーカー装置7を図75及び図76に示す。図77は、実施例6に使用される音道管751の斜視図である。音道管751の径方向における断面の形状は、正六角形である。音道管751の寸法は、外側が一辺24mmの正六角形、内側が一辺17.1mmの正六角形、厚み6mm、軸方向の長さ240mmである。スピーカーユニット71は、10cmフルレンジコーンスピーカーである。空気室S73の容積は、1.40リットルである。スピーカーユニット71を除いた状態で、マルチバックロードホーン型スピーカー装置7の外形寸法は、幅319mm、奥行340mm、高さ276mmである。
マルチバックロードホーン型スピーカー装置7は、スピーカーユニット71と、バッフル板72と、エンクロージャー73と、仕切り板74と、マルチバックロードホーン75と、外枠76と、裏板77とで構成される。空気室S73は、エンクロージャー73に囲まれた内側の空間である。
図78は、実施例6におけるマルチバックロードホーン75の分解図である。マルチバックロードホーン75は、第1のバックロードホーン750aと、第2のバックロードホーン750bと、第3のバックロードホーン750cと、第4のバックロードホーン750dと、第5のバックロードホーン750eとで構成されている。第1から第5のバックロードホーン750a〜eは、それぞれ3本、5本、7本、9本、11本の音道管751で構成されている。音道管751の総数は、35本である。
図79は、実施例6におけるマルチバックロードホーン75の斜視図であり、図80は正面図である。図81Aから図81Eは、第1から第5のバックロードホーン750a〜eの正面図である。図82Aから図82Eは、第1から第5のバックロードホーン750a〜eを図81Aから図81EのVA〜VE方向から見た矢示図である。図83Aから図83Eは、第1から第5のバックロードホーン750a〜eを図82Aから図82EのA−A線からE−Eで切断した断面図である。
図83Aに示す第1のバックロードホーン750aのホーン長は、音道管751の2本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、110mm〜502mmである。最低共振周波数の調整範囲は、339Hz〜1545Hzである。
図83Bに示す第2のバックロードホーン750bのホーン長は、音道管751の4本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、193mm〜987mmである。最低共振周波数の調整範囲は、172Hz〜881Hzである。
図83Cに示す第3のバックロードホーン750cのホーン長は、音道管751の6本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、276mm〜1488mmである。最低共振周波数の調整範囲は、114Hz〜616Hzである。
図83Dに示す第4のバックロードホーン750dのホーン長は、音道管751の8本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、359mm〜1898mmである。最低共振周波数の調整範囲は、90Hz〜474Hzである。
図83Eに示す第5のバックロードホーン750eのホーン長は、音道管751の10本分である。音道管に設ける管壁開口部の位置を変更することによるホーン長の調整範囲は、442mm〜2405mmである。最低共振周波数の調整範囲は、71Hz〜385Hzである。
図83Aから図83Eに示す第1から第5のバックロードホーン750a〜eの出口面積は、すべて音道管751の2本分である。
本発明の実施例7におけるマルチバックロードホーン型スピーカー装置8を図84及び図85に示す。図86は、実施例7に使用される音道管851の斜視図である。音道管851の径方向における断面の形状は、長方形である。音道管851の寸法は、外側が縦30mmと横47mmの長方形、内側が縦18mmと横35mmの長方形、厚み6mm、軸方向の長さ400mmである。スピーカーユニット81は、8cmフルレンジコーンスピーカーである。空気室S83の容積は、0.77リットルである。マルチバックロードホーン型スピーカー装置7の外形寸法は、幅94mm、奥行300mm、高さ350mmである。
マルチバックロードホーン型スピーカー装置8は、スピーカーユニット81と、バッフル板82と、エンクロージャー83と、マルチバックロードホーン85と、裏板87とで構成される。空気室S83は、エンクロージャー83に囲まれた内側の空間である。
図87は、実施例7におけるマルチバックロードホーン85の分解図である。マルチバックロードホーン85は、第1のバックロードホーン850aと、第2のバックロードホーン850bと、第3のバックロードホーン850cと、第4のバックロードホーン850dとで構成されている。第1から第4のバックロードホーン850a〜dは、それぞれ3分の1本、1本、3と3分の2本、9本の音道管851で構成されている。音道管851の総数は、14本である。
図88は、実施例7におけるマルチバックロードホーン85の斜視図であり、図89及び図90は正面図である。図91A及び図91Bは、第1から第4のバックロードホーン850a〜dを図90のA−A線及びB−B線で切断した断面図である。
図91Aに示す第1のバックロードホーン850aのホーン長は、音道管851の3分の1本分であり、100mmである。最低共振周波数は、1700Hzである。図91Bに示す第2のバックロードホーン850bのホーン長は、音道管851の1本分であり、299mmである。最低共振周波数は、569Hzである。図91Aに示す第3のバックロードホーン850cのホーン長は、音道管851の3と3分の2本分であり、1100mmである。最低共振周波数は、155Hzである。図91Bに示す第4のバックロードホーン850dのホーン長は、音道管851の9本分であり、2685mmである。最低共振周波数は、63Hzである。なお、音道管に設ける管壁開口部の位置を変更すれば、ホーン長の調整が可能である。
図91Aから図91Bに示す第1から第4のバックロードホーン850a〜dの出口面積は、すべて音道管851の1本分である。
実施例7におけるマルチバックロードホーン型スピーカー装置8は、マルチバックロードホーン85とエンクロージャー83とを分離可能な構成としてもよい。また、前記分離可能部には、音漏れを防止するために例えばゴムシート(図示せず)を備えてもよい。かかる構成とすることにより、異なる設計のマルチバックロードホーン85へ変更できる。
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されない。請求項に記載された発明の範囲内において、種々の修正や変形を加えてもよい。例えば、マルチバックロードホーンは、3Dプリンター装置とか金型とか木型とかを用いて、一体成型されてもよい。
本発明の実施例7におけるマルチバックロードホーン型スピーカー装置8を図84及び図85に示す。図86は、実施例7に使用される音道管851の斜視図である。音道管851の径方向における断面の形状は、長方形である。音道管851の寸法は、外側が縦30mmと横47mmの長方形、内側が縦18mmと横35mmの長方形、厚み6mm、軸方向の長さ300mmである。スピーカーユニット81は、8cmフルレンジコーンスピーカーである。空気室S83の容積は、0.77リットルである。マルチバックロードホーン型スピーカー装置7の外形寸法は、幅94mm、奥行300mm、高さ350mmである。