JPH11251217A - 露光装置 - Google Patents

露光装置

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JPH11251217A
JPH11251217A JP10049098A JP4909898A JPH11251217A JP H11251217 A JPH11251217 A JP H11251217A JP 10049098 A JP10049098 A JP 10049098A JP 4909898 A JP4909898 A JP 4909898A JP H11251217 A JPH11251217 A JP H11251217A
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wafer
stage
exposure apparatus
optical system
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエハステージ等を駆動する際に生じる駆動
反力を低減し、投影光学系等へ伝達する振動の影響を小
さくして、高精度な露光を行う。 【解決手段】 レチクルステージ4、レチクルベース9
を支持する構造体6から延びる3本の柔構造のロッド1
9A〜19Cにより投影光学系2を支持する。各ロッド
19A〜19Cの延長線の交点を投影光学系2の物体平
面と像面との間隔を投影倍率比で内分する投影光学系2
の光軸上の点と一致させるように配置する。また、レチ
クルステージ4を駆動する際には、その移動方向と反対
方向に所定の速度でレチクルベース9が移動するように
制御する。また、ウエハステージ5が載置されるウエハ
ベース7とエレベータ駆動部8との間に粘弾性体を備
え、床からの振動を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、半導体素
子、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等を製造するた
めのリソグラフィ工程でマスクパターンを感光性の基板
上に転写するために使用される露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子等を製造する際に、マスクと
してのレチクルのパターンの像を投影光学系を介して基
板としてのレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプ
レート等)上の各ショット領域に転写する投影露光装置
が使用されている。従来は、投影露光装置として、ステ
ップ・アンド・リピート方式(一括露光型)の投影露光
装置(ステッパー)が多用されていたが、最近ではレチ
クルとウエハとを、投影光学系に対して同期走査して露
光を行うステップ・アンド・スキャン方式のような走査
露光型の投影露光装置(走査型露光装置)も注目されて
いる。
【0003】従来の露光装置では、パターン原版である
レチクルとそのパターンが転写されるウエハとをそれぞ
れ支持搬送するレチクルステージ、及びウエハステージ
の駆動部が、投影光学系を支持する構造体に固定されて
おり、また、投影光学系も重心付近がその構造体に固定
されていた。また、ウエハステージを高精度に位置決め
するために、ウエハステージの位置をレーザ干渉計によ
り計測しており、ウエハステージには、レーザ干渉計用
の移動鏡が取り付けられていた。
【0004】さらに、ウエハをウエハステージ上のウエ
ハホルダに搬送するために、ウエハをウエハカセットか
ら取り出してウエハホルダ側に搬送するウエハ搬送アー
ムと、ウエハをウエハホルダからウエハカセット側に運
ぶウエハ搬送アームとが独立して備えられており、ウエ
ハの搬入の際には、ウエハ搬送アームにより運ばれてき
たウエハが、ウエハホルダに備えられた専用の昇降自在
の支持部材に一旦仮に固定して支持され、その後搬送ア
ームが退避してから支持部材が下降し、ウエハをウエハ
ホルダ上に載置していた。この後に、ウエハはウエハホ
ルダ上に真空吸着され、露光装置からウエハを搬出する
際は、この逆の動作が行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く従来の露光
装置では、ウエハステージ等の駆動部と投影光学系とが
同一の構造体に固定されていたため、ステージの駆動反
力により生じる振動が構造体に伝達し、更に投影光学系
にも振動が伝達していた。そして、全ての機械構造物は
所定の周波数の振動に対して機械共振するため、このよ
うな振動がその構造体に伝達すると、構造体の変形や共
振現象が引き起こされ、転写パターン像の位置ずれやコ
ントラストの低下が生じるという不都合があった。
【0006】また、ウエハステージは、ウエハの搬入搬
出用の搬送アームから露光位置までの長距離を移動する
ため、非常に長いレーザ干渉計用の移動鏡を備える必要
があった。そのため、ウエハステージの重量はかなり重
くなり、駆動力の大きい重いモータが必要になるため、
駆動反力も大きくなっていた。また、スループットを向
上させるために、ステージの移動速度又は加速度を増加
させる場合には、駆動反力はさらに大きくなる。そし
て、ステージの質量、加速度が上昇するにつれモータの
発熱量も上昇し、レーザ干渉計の計測安定性等が低下す
るという不都合が生じていた。
【0007】また、ウエハの露光装置への搬入搬出の際
に、一旦ウエハを専用の支持部材上に仮に固定して支持
していたため、ウエハの搬入搬出に時間を要し、スルー
プットが低下する原因となっていた。更に、一例として
搬送アーム同士でウエハの授受が行われていたため、ウ
エハが異物に汚染される確率が高く、ウエハの受け渡し
の際に動作エラーが発生する確率も高くなっていた。ま
た、搬送アームの数は搬送ユニットの大きさを規定する
要因であるため、搬送経路上で搬送アーム同士でウエハ
の授受を行うものとすると搬送経路が長くなり、露光装
置の設置に必要な床面積(フットプリント)も大きくな
っていた。
【0008】本発明は斯かる点に鑑み、ウエハステージ
等を駆動する際に生じる振動の投影光学系等への影響を
小さくして、高精度な露光を行うことができる露光装置
を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、
ウエハステージの駆動部の発熱量を抑え、位置計測装置
等の計測安定性を保ち高精度な位置決めを行うことがで
きる露光装置を提供することを第2の目的とする。さら
に、本発明は、ウエハ搬送アーム間でのウエハの授受、
及びウエハを仮の固定をすることなくウエハを露光装置
に搬送することができ、高スループットな露光装置を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の露光装置
は、マスク(1)のパターンの像を投影光学系(2)を
介して基板(3)上に転写する露光装置において、その
投影光学系(2)の物体平面(15)と像面(16)と
の間隔を投影倍率比で内分するその投影光学系(2)の
光軸上の点(以下、「基準点(17)」という。)を中
心として、その投影光学系(2)が所定範囲内で回転す
るようにその投影光学系(2)を支持する投影光学系支
持部(19A〜19C)を設けたものである。
【0010】斯かる本発明の第1の露光装置によれば、
基準点(17)を中心として投影光学系(2)が所定範
囲内で回転しても物体平面(15)と像面(16)との
位置関係は変化しない。従って、投影光学系支持部(1
9A〜19C)で投影光学系(2)を支持することで、
投影光学系(2)にマスク用のステージ(4)や基板用
のステージ(5)からの振動が伝達しても、マスク
(1)と基板(3)との位置関係がずれることがないた
め、基板(3)上に転写されるパターンの位置ずれを防
ぐことができる。
【0011】また、マスク(1)を移動させるマスクス
テージ(4)と、このマスクステージ(4)と投影光学
系(2)とを支持する構造体(6)と、基板(3)を移
動させる基板ステージ(5)とを有し、投影光学系支持
部(19A〜19C)は、その構造体(6)から延びる
少なくとも3つの柔構造の支持部材(19A〜19C)
を備え、その支持部材(19A〜19C)は、それぞれ
の延長線が基準点(17)で交わることが望ましい。こ
の場合、投影光学系(2)に振動が伝達しても、投影光
学系(2)が基準点(17)を中心に微小回転するだけ
であるため、基板(3)上に転写されるパターンの位置
ずれを防ぐことができ、また、投影光学系支持部が柔構
造の支持部材(19A〜19C)であるため、簡単な構
成で微小振動が減衰され、投影像のコントラストの悪化
を防ぐことができる。
【0012】次に、本発明の第2の露光装置は、マスク
(1)のパターンの像を投影光学系(2)を介して基板
(3)上に転写する露光装置において、そのマスク
(1)を保持して移動させるマスクステージ(4)と、
このマスクステージ(4)を移動させるマスクベース
(9)と、このマスクベース(9)とその投影光学系
(2)とを支持する構造体(6)と、そのマスクステー
ジ(4)及びそのマスクベース(9)の動作を制御する
制御系(52)とを有し、そのマスクベース(9)を制
御することによって、そのマスクステージ(4)の駆動
反力のその構造体(6)に対する影響を低減するもので
ある。
【0013】斯かる本発明の第2の露光装置によれば、
マスクステージ(4)の移動方向と反対方向に所定の速
度でマスクベース(9)が移動するように制御すること
により、マスクステージ(4)を駆動する際の駆動反力
の構造体(6)への影響が低減され、機械共振の励起を
抑え、構造体(6)、及び投影光学系(2)に伝達する
振動を低減することができる。
【0014】次に、本発明の第3の露光装置は、マスク
(1)のパターンの像を投影光学系(2)を介して基板
(3)上に転写する露光装置において、その基板(3)
を保持して移動させる基板テーブル(20)と、この基
板テーブル(20)を保持して所定範囲内で往復運動さ
せる基板ステージ(5)とを有し、この基板ステージ
(5)は、その基板テーブル(20)が往復運動をする
案内軸(22B)の両端部に弾性部材(27A,27
B)を備えるものである。
【0015】斯かる本発明の第3の露光装置によれば、
案内軸(22B)の両端に弾性部材(27A,27B)
を備えることにより、基板テーブル(20)が案内軸
(22B)に沿って上で等速往復運動を行う際には、基
板テーブル(20)の運動エネルギーがポテンシャルエ
ネルギーに変換され弾性部材(27A,27B)に貯え
られるため、基板テーブル(20)を等速往復運動させ
る際に消費されるエネルギーは、主に基板テーブル(2
0)の空気(気体)に対する粘性抵抗と弾性部材が変形
するときの発熱とに消費されるエネルギーだけとなり、
基板テーブル(20)を等速移動させる際の駆動部(2
3A,24A)の発熱量を抑えることができる。
【0016】また、その弾性部材(27A,27B)
は、その案内軸(22B)の両端部に設けられた第1の
磁気部材(29)と、対応して配置された第2の磁気部
材(30)とを有することが望ましい。この場合、第1
の磁気部材(29)と第2の磁気部材(30)との間に
吸引力を発生させるようにしておけば、案内軸(22
B)の端部において基板テーブル(20)を静止位置決
めする際に弾性部材(27A,27B)の抗力に対向す
るために要する基板テーブル(20)の駆動部(23
A,24A)の推力を低減することができ、基板テーブ
ル(20)を静止位置決めする際の駆動部(23A,2
4A)の発熱量を抑えることができる。
【0017】次に、本発明の第4の露光装置は、マスク
(1)のパターンの像を投影光学系(2)を介して基板
(3)上に転写する露光装置において、そのマスク
(1)を保持して移動させるマスクステージ(4)と、
その基板(3)を保持して移動させる基板テーブル(2
0)と、この基板テーブル(20)を保持して移動させ
る基板ステージ(5)と、この基板ステージ(5)を支
持する構造体(7)とを有し、その基板テーブル(2
0)は、その構造体(7)上でこの基板テーブル(2
0)を支持する少なくとも3つの支持脚(31A〜31
C)を有し、この支持脚(31A〜31C)は、支持方
向に対して伸縮自在であり、この支持脚(31A〜31
C)とその構造体(7)との間に流体軸受け機構(32
A〜32C)を有するものである。
【0018】斯かる本発明の第4の露光装置によれば、
支持方向に対して所定範囲内で伸縮自在の支持脚(31
A〜31C)の伸縮量を制御することにより、基板テー
ブル(20)の傾斜角、又は高さ方向の位置を制御する
ことができ、簡単な構成で基板(3)の表面を投影光学
系(2)の像面に合わせ込んで露光を行うことができ
る。
【0019】また、露光時にそのマスク(1)及びその
基板(3)は同期して移動されると共に、その構造体
(7)の基板ステージ(5)の走り面の走査方向の傾斜
角、非走査方向の傾斜角、及び高さを検出し、この検出
結果に基づいて、その伸縮自在の支持脚(31A〜31
C)を制御することが望ましい。これによってステップ
・アンド・スキャン方式のように走査露光を行う際に、
基板(3)の表面を像面に合わせ込みながら高精度に露
光を行うことができる。
【0020】また、その基板ステージ(5)のその投影
光学系(2)の光軸周りの回転角、及び位置ずれ量を検
出し、この検出結果に基づいて、そのマスクステージ
(4)、又はその基板ステージ(5)の位置を制御する
ことが望ましい。これによって、マスク(1)と基板
(3)との重ね合わせを高精度に行うことができる。次
に、本発明の第5の露光装置は、マスク(1)のパター
ンの像を投影光学系(2)を介して基板(3)上に転写
する露光装置において、その基板(3)を保持して移動
させる基板テーブル(20)と、この基板テーブル(2
0)を保持して移動させる基板ステージ(5)と、この
基板ステージ(5)を支持する構造体(7)と、この構
造体(7)を支持して高さ方向に駆動する支持部(8)
とを有し、この支持部(8)とその構造体(7)との間
に粘弾性体を有するものである。
【0021】斯かる本発明の第5の露光装置によれば、
構造体(7)とこの構造体(7)を支持して高さ方向に
駆動する支持部(8)との間に粘弾性体を有することに
より、露光装置が設置されている床からの振動を低減す
ることができる。また、本発明の第6の露光装置は、マ
スク(1)のパターンの像を投影光学系(2)を介して
基板(3)上に転写する露光装置において、その基板
(3)を保持して移動させる基板テーブル(20)と、
この基板テーブル(20)を保持して移動させる基板ス
テージ(5)と、この基板ステージ(5)を支持する構
造体(7)と、その基板(3)のその基板テーブル(2
0)との間での受け渡しを行う基板搬送アーム(40
A,40B)を備えた基板搬送機構(40A,40B,
47,48,67A〜69A,67B,69B)とを有
し、その基板テーブル(20)は、その基板(3)をこ
の基板テーブル(20)に載置した際、その基板搬送ア
ーム(40A,40B)を、この基板テーブル(20)
に接触させることなく移動させるための溝(38)を有
するものである。
【0022】斯かる本発明の第6の露光装置によれば、
基板テーブル(20)に溝(38)が設けられており、
基板搬送アーム(40A,40B)を基板テーブル(2
0)に接触させることなく基板(3)を基板テーブル
(20)上に載置し、基板(3)を基板テーブル(2
0)上で一旦仮に固定して支持することなく露光装置に
搬入又は搬出でき、スループットが向上するという利点
がある。また、基板ステージ(5)を基板搬出アーム
(40A)又は基板搬入アーム(40B)の下部まで移
動し、基板(3)を基板搬送アーム(40A,40B)
間で受け渡すことなく基板を露光装置に搬送でき、異物
が付着する確率や搬送中に動作エラーが生じる確率が減
少するという利点がある。
【0023】また、その基板搬送機構は、少なくとも2
つの基板搬送アーム(40A,40B)と、基板収納ケ
ース支持部(47)とを備え、その基板搬送アーム(4
0A,40B)は、その投影光学系(2)の光軸周りの
回転方向、水平方向、及び鉛直方向の3方向に移動自在
であり、その基板収納ケース支持部(47)を介して基
板収納ケースを上下方向(鉛直方向)に移動すること
で、所望の基板を取り出すことができることが望まし
い。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
につき図面を参照して説明する。本例はステップ・アン
ド・スキャン方式の投影露光装置に本発明を適用したも
のである。図1は、本例の投影露光装置を示し、この図
1において、露光時には照明光学系(不図示)からの水
銀ランプのi線、又はKrF、ArF、F2 等のエキシ
マレーザ光等の露光光が、レチクル1のパターン面の照
明領域を照明する。そして、レチクル1の照明領域内の
パターン像が投影光学系2を介して所定の投影倍率β
(βは通常1/4,1/5等)で、フォトレジストが塗
布されたウエハ3上に投影露光される。以下、振動がな
い状態での投影光学系2の光軸AXに平行にZ軸を取
り、その光軸AXに垂直な平面内での直交座標系をX
軸、Y軸として説明する。
【0025】先ず、レチクル1はレチクルステージ4上
に保持され、レチクルステージ4は、レチクルベース9
上でリニアモータ方式でX方向(走査方向)に連続移動
すると共に、XY平面内でのレチクル1の位置の微調整
を行う。レチクルステージ4上の移動鏡43X,43
Y、及びレーザ干渉計18X,18Yによりレチクルス
テージ4(レチクル1)の2次元的な位置が計測され、
この計測値が装置全体の動作を統轄制御するコンピュー
タよりなる主制御系50に供給され、主制御系50は、
その計測値に基づいてレチクルステージ制御系52を介
してレチクルステージ4の位置、及び移動速度を制御す
る。
【0026】一方、ウエハ3は、ウエハステージ5上に
真空吸着によって保持され、ウエハステージ5はZ方向
に所定範囲内で伸縮自在の3個の支持脚31A〜31C
を介してウエハベース7上に載置されている。支持脚3
1A〜31Cの伸縮量は支持脚制御系63(図16参
照)によって制御され、支持脚31A〜31Cの伸縮量
を同じにすることによって、ウエハ3のZ方向の位置
(フォーカス位置)の制御が行われ、支持脚31A〜3
1Cの伸縮量を独立に制御することによってウエハ3表
面の傾斜角の制御(レベリング)が行われる。
【0027】また、ウエハステージ5は、ウエハベース
7上を例えばリニアモータ方式でX方向、及びY方向に
連続移動することができる。また、その連続移動によっ
てステッピングも行うことができる。また、ウエハ3
(ウエハステージ5)の座標計測を行うために、ウエハ
ステージ5の側面にはX軸にほぼ垂直な反射面を有する
X軸の移動鏡44X(図3参照)、及びY軸にほぼ垂直
な反射面を有するY軸の移動鏡44Y(図3参照)が固
定されている。これらの移動鏡に対応して、投影光学系
2の側面にX軸の参照鏡14、及びY軸の参照鏡13が
固定されている。
【0028】そして、走査露光時には、レチクルステー
ジ4をX軸方向に等速移動させ、それと同期してレチク
ルステージ4の移動速度を投影倍率β倍で縮小した速度
でウエハ3が載置されたウエハステージ5を逆方向に移
動し走査露光を行う。走査露光終了後、ウエハステージ
5は走査方向、又は走査方向と直交するY軸方向にステ
ップ移動し、先程とは逆方向にレチクルステージ4とウ
エハステージ5とを同期して移動させ走査露光を行う。
以下、同様の操作でウエハ3上の全部のショット領域に
レチクル1のパターン像が転写される。
【0029】次に、本例の露光装置のレチクルステー
ジ、及びレチクルベースについて説明する。レチクルス
テージ4は、特開平8−63231号公報に開示されて
いるようなガイドレスステージであり、X軸方向、Y軸
方向、及び投影光学系2の光軸AX回りの回転方向に駆
動自在である。また、レチクルステージ4の側面に固定
されたコイルと、対向してレチクルベース9上に固定さ
れた1対のモータマグネット11A,11Bとからレチ
クルステージ4を駆動する1対のリニアモータが構成さ
れ、レチクルベース9は構造体6の上面10に対して空
気軸受けのような流体軸受け(不図示)を介して支持さ
れている。モータマグネット11A,11Bの端部から
構造体6上に設置されたコイルユニット12A,12B
の端部が挿入され、モータマグネット11A,11Bと
コイルユニット12A,12Bとから構成される1対の
リニアモータによって、構造体6に対して、レチクルベ
ース9をX軸方向に位置決めする。そして、構造体6は
4本の脚部6aを介して防振パッド49により床上に支
持されており、床からの振動を低減する。
【0030】レチクルベース9は、走査露光時にレチク
ルステージ4が移動する際にモータマグネット11A,
11Bにより加えられる駆動反力を受けると、コイルユ
ニット12A,12Bを有するリニアモータによってレ
チクルステージ4の移動方向と反対方向に運動量を保存
するように移動する。例えば、レチクルステージ4、及
びレチクルベース9の質量がそれぞれ20kg、100
0kgで、レチクルベース9がレチクルステージ4の5
0倍の質量であるときに、レチクルステージ4が走査時
に約300mm移動した場合には、レチクルベース9を
約6mmレチクルステージ4の移動方向の逆方向に移動
する。運動量を保存するようにレチクルステージ4とレ
チクルベース9とを移動することにより、レチクルステ
ージ4の駆動反力の構造体6への伝達を防ぎ、レチクル
ステージ4の位置決め時の外乱となる振動の発生を防ぐ
ことができる。なお、レチクルベース9の変位量は常に
リニアエンコーダ(不図示)により計測されており、こ
の計測値に基づいてレチクルステージ9の駆動時の電流
信号が生成されている。
【0031】また、本例の投影露光装置では、レチクル
ベース9よりも上部の系の重心移動がないため、レチク
ルベース9を支持する構造体6に変動荷重がかかること
がなく、レチクルステージ4と投影光学系2との相対位
置の計測に使用される参照鏡13,14の位置が変動す
ることはない。なお、レチクルベース9が所定量以上に
変位すると他の部材と機械的に干渉する場合には、レチ
クルベース9と構造体6との間に設けられた電磁駆動部
であるコイルユニット12A,12Bを制御し構造体6
に伝達する振動を低減しつつ、常にレチクルベース9を
ほぼ一定の位置に保つようにすればよい。これによっ
て、レチクルベース9が他の部材と干渉することを防ぐ
ことができる。
【0032】次に、本例の露光装置の投影光学系の支持
方法について説明する。図2は、本例の露光装置の投影
光学系2を示し、この図2において、光軸AX上で物体
平面15と像面16を縮小投影倍率比β(=a/bとす
る)で内分する点を投影光学系2の基準点17とする。
この基準点17を中心として光軸AXと直交する平面内
の任意の軸に対して投影光学系2が微小回転しても、物
体平面15と像面16の位置関係は変化しない。この基
準点17を通り光軸AXに垂直な平面上に、参照鏡1
3,14の中心が設定され、これらの中心にレーザビー
ムが照射されている。従って、投影光学系2が外乱振動
により揺動した場合であっても、基準点17を含み、か
つ投影光学系2の光軸AXと直交する平面と投影光学系
2を包む鏡筒の外面との交点(参照鏡13,14)と、
レチクルステージ4、及びウエハステージ5との相対変
位を常にレーザ干渉計18X,18Yで計測し、その計
測値と目標値とが一致するようにレチクルステージ4、
及びウエハステージ5を制御することにより、ウエハ3
上に形成されるパターンの位置ずれを防ぐことができ
る。
【0033】また、投影光学系2の下部は脚部6aの間
に架設された支持板6bの開口にギャップをあけて通さ
れると共に、投影光学系2の支持部は、構造体6から延
びる3本の柔構造のロッド19A〜19Cから成り、そ
れぞれのロッド19A〜19Cの延長線は1点で交わ
り、その交点が基準点17と一致するような構造になっ
ている。従って、投影光学系2が外乱振動を受けて揺動
した場合でも、投影光学系2は基準点17を中心に微小
回転するため、参照鏡13,14のX方向、Y方向の位
置はほとんど変位しない。また、ロッド19A〜19C
は柔構造であるため、高周波の振動が減衰され、パター
ン転写時のコントラストの悪化がほとんど生じない。
【0034】次に、本例の露光装置のウエハステージに
ついて説明する。図1に示すように、ウエハステージ5
は、ウエハベース7上で位置決めされ、ウエハベース7
は、垂直方向に数百μmの変位が可能なエレベータ駆動
部8により支持されている。また、ウエハベース7とエ
レベータ駆動部8との間に粘弾性体(不図示)が備えら
れており、床からの振動を低減することができるように
なっている。また、ウエハベース7には5つの速度セン
サ(図16にその内の2つ36A,36Bを示す)が備
えられ、ウエハステージ5の動きが計測されている。な
お速度センサの代わりに加速度センサを使用してもよ
い。
【0035】図3(a)〜(d)は、本例の露光装置の
ウエハステージ5を拡大して示し、図3(a)はウエハ
テーブル20の平面図、図3Bは図3(a)のBB線に
沿う断面図、図3(c)は図3(a)の正面図(但し、
キャリア21は不図示)、図3(d)は図3(a)のD
D線に沿う断面図である。先ず図3(d)において、ウ
エハステージ5はウエハ3を載置するウエハテーブル2
0とその駆動案内部を搬送するキャリア21とを有して
いる。キャリア21は、ウエハベース7上で移動自在で
あり、パルスモータ方式の平面モータ(例えばソイヤモ
ータ)によりX方向、Y方向に駆動される。本例では、
キャリア21の駆動の際にオープンループ方式で、目標
位置までの距離に応じたパルスにパルスモータ(不図
示)を使用しており、目標位置までのパルスがモータコ
ントローラに対して出力されるため、キャリア21の位
置計測装置を新たに備える必要はない。なお、平面モー
タとしては、超音波モータを使用することもできる。
【0036】一方、ウエハテーブル20の上面には、図
3(a)に示すように、ウエハ3を真空吸着するための
複数の平行な浅溝39が設けられ、浅溝39の多数の孔
が不図示の真空ポンプに連通している。また、中央の4
本の浅溝39の隙間には後述のウエハ搬送アームを出し
入れするための深溝38が、浅溝39と干渉することな
く設けられており、ウエハ3がウエハテーブル20上に
固定された際に、ウエハ3の搬送に使用するウエハ搬送
アームを、ウエハテーブル20に接触させることなく出
し入れすることができるようになっている。
【0037】また、図3(b)に示すように、キャリア
21上に支持部材22Cを介して走査方向(X方向)に
案内軸22Bが架設され、ウエハテーブル20の底面に
案内軸をまたぐように案内部材22Aが固定されてい
る。ウエハテーブル20は、ウエハテーブル20をキャ
リア21上でX方向に案内する案内部材22A及び案内
軸22Bよりなる非接触式の案内軸(例えば流体軸受
け、又は磁気軸受け)により拘束されている。また、図
3(d)において、キャリア21に固定されたコイル部
23A,23Bと、ウエハテーブル20の底面に固定さ
れたマグネット部24A,24Bとから1対のリニアモ
ータ23A,24A、及び23B,24Bが構成され、
非接触式の電磁駆動部としてのリニアモータ23A,2
4A、及び23B,24Bによりウエハテーブル20が
Y方向、及び回転方向に駆動され、非接触式の位置計測
器としてのリニアエンコーダ(不図示)により、キャリ
ア21に対するウエハテーブル20の変位が計測されて
いる。また、案内軸22Bは、回転部材22Dにより、
案内軸回りに回転できる構造になっている。また、リニ
アモータ23A,24A、及び23B,24Bが同じ方
向に駆動力を発生した場合、ウエハテーブル20は案内
軸方向(X方向)に移動し、逆に、リニアモータ23
A,24A、及び23B,24Bが互いに異なる方向に
駆動力を発生した場合には、ウエハテーブル20はその
重心を中心に回転する。
【0038】また、リニアモータ23A,24A、及び
23B,24Bの推力の中心と、案内部材22Aの中心
とをウエハテーブル20の重心を含みウエハベース7の
上面と平行な平面上に位置するように配置しており、ウ
エハテーブル20の加速時に不要なウエハテーブルの傾
斜が生じることがないようにしている。また、案内軸2
2Bとリニアモータ23A,24A、及び23B,24
Bとの大きさは走査露光時のウエハの移動に要する長さ
があれば充分であるため、キャリア21をウエハテーブ
ル20の下側に収まるように小型に構成し、ウエハを高
速、かつ高精度に移動できるようにしている。
【0039】また、ウエハ3を授受する際に要する位置
決め精度は数μm程度であるため、ウエハ3を授受する
領域では、レーザ干渉計による計測は特に必要がなく、
パルスモータの分解能、又はキャリア21の位置計測器
の分解能で十分である。従って、レーザ干渉計18X,
18Y用の図3のウエハテーブル20に備える移動鏡4
4X,44Yは必ずしもウエハテーブル20の全移動領
域をカバーする必要がなく、nm単位の精密位置決めを
する必要がある領域の長さ、即ち、ウエハ3の直径の長
さだけあればよい。
【0040】本例のウエハテーブル20の側面にはレー
ザ干渉計18用の移動鏡44X,44Yが設けられてお
り、ウエハテーブル20の位置、及びZ軸回りの回転角
が計測される。ウエハテーブル20の側面をレーザ干渉
計18X,18Y用の移動鏡44X,44Yとして使用
するため、ウエハテーブル20は、ほぼウエハ3を外接
する程度の大きさであり、従来のウエハテーブルに比べ
非常に小型で軽量なものとなっている。なお、ウエハテ
ーブル20をシリコンカーバイドを用い、3mm程度の
厚さで底面にリブ構造を設けたような構造にした場合、
ウエハテーブル20は5kg程度の重量になる。
【0041】図4は、ウエハテーブル20とキャリア2
1とを制御する制御系の構成を表すブロック図であり、
この図4において、主制御系50はウエハステージ制御
系25内の減算部54及び57にそれぞれウエハテーブ
ル20及びキャリア21の目標位置を供給する。そし
て、キャリア21に対するウエハテーブル20の相対的
な変位量が、仮想的な減算部56及び変位センサ(リニ
アエンコーダ)60により検出され、テーブル制御系5
5は減算部54、又は変位センサ60の出力に基づいて
ウエハテーブル20を駆動し、キャリア制御系58は減
算部57の出力に基づいてキャリア21を駆動する。減
算部54は目標値からレーザ干渉計18X,18Yの計
測値を差し引いた値を出力し、減算部57は目標値から
キャリア21用の仮想的なリニアエンコーダ59の計測
値を差し引いた値を出力する。
【0042】モードスイッチ26がオフの状態でレーザ
干渉計18X,18Y(図1参照)が使用されないと
き、即ち、粗位置決め時には、ウエハステージ制御系2
5はリニアエンコーダとしての変位センサ60からの信
号に基づき、ウエハテーブル20を常にキャリア21に
対する移動範囲の中点に位置させるように図3のリニア
モータ23A,24A、及び23B,24Bを制御す
る。そして、キャリア制御系58は、キャリア21の駆
動部がエンコーダ59を持つ場合はそれを参照しながら
目標位置までキャリア21を移動させ、また、本例のパ
ルスモータのようにエンコーダを特に有しない場合には
目標位置までのパルスをモータコントローラに対して出
力し、キャリア21を制御する。従って、エンコーダの
有無に関わらずウエハテーブル20がキャリア21に追
従しながら移動するように制御される。
【0043】また、図4のモードスイッチ26がオンの
状態でありウエハテーブル20がレーザ干渉計18X,
18Yの計測値に基づいて移動するとき、即ち、精密位
置決め時には、テーブル制御系55はレーザ干渉計18
X,18Yの計測値を参照した減算部54の出力に基づ
いて、ウエハテーブル20に対してリニアモータ23
A,24A、及び23B,24Bに推力を発生させウエ
ハテーブル20を移動させる。なお、キャリア21は粗
位置決め時と同様に制御される。
【0044】また、ウエハテーブル20がレーザ干渉計
18X,18Yを使用しながら等速移動するとき、即
ち、走査露光時には、テーブル制御系55はレーザ干渉
計18X,18Yの計測値を減算した減算部54の出力
を参照しながら、リニアモータ23A,24A、及び2
3B,24Bに推力を発生させウエハテーブル20を移
動させる。このとき、キャリア21は静止状態を保ち、
ウエハテーブル20のみが等速移動する。従って、走査
露光時にウエハベース7に対して駆動反力を発生するの
は軽量なウエハテーブル20のみとなるため、発生する
外乱力は極めて小さくなり、高速、且つ高精度に走査露
光することができる。
【0045】次に、本例の露光装置のウエハテーブル2
0の案内部材22A、及び案内軸22Bについて説明す
る。図5は、図3の案内部材22A及び案内軸22Bを
拡大して示し、この図5において、案内軸22Bの両端
部には弾性体としてのばね27A,27Bが備えられて
いる。ウエハテーブル20がキャリア21に対して往復
運動を行う際には、先ず図5(a)に示すように、ウエ
ハテーブル20の持つ運動エネルギーが案内部材22A
を介してポテンシャルエネルギーに変換され、ばね27
Aに貯えられる。次に、図5(b)のように、ばね27
Aに貯えられたポテンシャルエネルギーは再びウエハテ
ーブル20の運動エネルギーに変換され、図1のウエハ
ステージ制御系25はその運動エネルギーを利用してウ
エハテーブル20を−Vの速度で等速移動するように制
御する。そして、図5(c)のように、支持部材22A
がバネ27Bに当たると、バネ27Bには+Fの反発力
が発生し再びウエハテーブル20の運動エネルギーはポ
テンシャルエネルギーに変換され、ばね27Bに貯えら
れる。従って、ウエハテーブル20の往復運動を行う際
に消費される力学的エネルギーは主にウエハテーブル2
0の空気に対する粘性抵抗と弾性体が変形するときの発
熱とだけになり、リニアモータ23A,24A及び23
B,24Bの発熱量は極めて小さなものとなる。
【0046】図6(a)は、弾性体を備えていない案内
軸と仮定した案内軸22B上でウエハテーブル20の移
動速度を一定速度(0.5m/s)まで推移させて移動
させた場合のウエハテーブル20の速度曲線を示し、こ
の図6(a)において、横軸は時間t(s)、縦軸はウ
エハテーブル20の移動速度V(m/S)を表す。ま
た、図6(b)は、そのときのリニアモータ23A,2
4A及び23B,24B、の推力を示し、この図6
(b)において、横軸は時間t(s)、縦軸はリニアモ
ータの推力F(N)である。なお、使用したウエハテー
ブル20の重量は5kgである。図7(a)は、図6
(a)に対応させて所定のばねを備えた案内軸上で共振
のない理想的なウエハテーブル20を一定速度まで加速
した場合を仮定して計算したウエハテーブル20の速度
曲線を示し、図7(b)は、図7(a)の速度曲線を速
度司令値として共振を行うウエハテーブル20を制御し
た場合を仮定して計算したリニアモータ23A,24
A、及び23B,24Bの推力F(N)を示す。図6と
図7とを比較した場合、リニアモータ23A,24A及
び23B,24Bの発熱量の比は1:0.94でほぼ同
じである。
【0047】図8(a)は、図7(a)の速度曲線を速
度司令値として図5のばね27A,27Bを備えた案内
軸22Bを使用してウエハテーブル20を一定速度まで
加速した場合の速度曲線を示し、図8(b)は、そのと
きのウエハテーブル20の推力及びリニアモータ23
A,24A及び23B,24Bが発生した推力を示し、
この図8(b)において、横軸は時間t(s)、縦軸は
推力F(N)を表し、実線の曲線Aはウエハテーブル2
0に加えられた推力、一点鎖線の曲線Bはそのうちのリ
ニアモータ23A,23Bの推力を示す。なお、ばね2
7A,27Bのばね定数は1000N/mで、理想的な
ばね定数(2500N/m)の40%である。ばね27
A、27Bを使用することにより、リニアモータ23
A,24A及び23B,24Bの発熱量を弾性体を使用
しない場合の発熱量の約35%まで低減することができ
る。
【0048】図9(a)は、ばね定数が最適値である2
500N/mのばね27A,27Bを備えた案内軸22
Bを使用してウエハテーブル20を一定速度まで加速し
た場合の速度曲線を示し、図9(b)は、そのときのウ
エハテーブル20の推力Fを示す。リニアモータ23
A,24A及び23B,24Bの発熱量は、弾性体を使
用しない場合の1%以下まで低減される。このように、
案内軸22Bの両端部にばね27A,27Bを備えるこ
とにより、ウエハテーブル20を等速移動させるときの
リニアモータ23A,24A及び23B,24Bの発熱
量を低減することができる。
【0049】しかし、案内軸22Bの端部においてウエ
ハテーブル20を静止位置決めする際には、リニアモー
タ23A,24A,23B,24Bは、ばね27A,2
7Bの抗力とつり合うだけの推力を発生させる必要があ
り、リニアモータ23A,24A及び23B,24Bの
発熱量が逆に増加してしまう場合がある。図10は、ば
ね27A,27Bを備えた案内軸22Bの端部における
ばね27A,27Bの抗力を示し、この図10におい
て、横軸は案内軸22Bの端部からの距離D(m)、縦
軸はばね27A,27Bの抗力FP (N)を表す。ウエ
ハテーブル20を案内軸22Bの端部に静止位置決めす
るためには、リニアモータ23A,24A及び23B,
24Bがばね27A,27Bの抗力とつり合うだけの大
きな推力(50N)を発生する必要があり、発熱量が増
加してしまう。そこで、このような場合には、案内軸2
2Bの端部に磁気部材を取り付け、その吸引力を利用し
てウエハテーブル20を静止位置決めする際に生じる発
熱量を低減することが望ましい。
【0050】図11は、図5に対応させて磁気部材を取
り付けた案内部材22A及び案内軸22Bを示し、この
図11において、案内部材22Aの両端に鉄板29が、
案内軸22Bの両端部に磁石30が取り付けられてい
る。図11(a)又は図11(c)に示すように、案内
軸22Bの端部において案内部材22Aを介してウエハ
テーブル20を静止位置決めする際には、鉄板29と磁
石30との吸引力を利用し、ばね27A,27Bの抗力
に対向するために要するリニアモータ23A,24A及
び23B,24Bの推力を低減し発熱量を抑えることが
できる。また、ウエハテーブル20を等速移動させる際
には、図11(b)に示すように、ばね27A,27B
の抗力を利用してリニアモータ23A,24A及び23
B,24Bの発熱量を低減する。この場合、それらのリ
ニアモータの発熱量は案内軸22にばねなどを使用しな
い場合の約6分の1に低減される。なお、それらのリニ
アモータの推力に制限がない場合、案内軸22Bの両端
部におけるポテンシャルエネルギーを零に設定すること
もできる。なお、鉄板29と磁石30との設置関係は逆
にしてもよく、案内軸22Bの端部に設けるものは、ば
ね27A,27B等の弾性部材の抗力に対向しうる吸引
力を発生するものであればよい。
【0051】図12(a)は、ばねと鉄板と磁石とを備
えた案内軸22B上で共振のない理想的なウエハテーブ
ル20を一定速度まで加速した場合を仮定して計算した
速度曲線を示し、この図12(a)において、横軸は時
間t(s)、縦軸はウエハテーブル20の移動速度V
(m/s)を表す。図12(b)は、図12(a)の速
度曲線を速度司令値として共振を行うウエハテーブル2
0を制御した場合を仮定し計算したリニアモータ23
A,24A及び23B,24Bの推力を示し、この図1
2(b)において、横軸は時間t(s)、縦軸はリニア
モータの推力F(N)を表す。図13(a)は、図12
(a)の速度曲線を速度司令値として鉄板29と磁石3
0とを備えた案内軸22上でウエハテーブル20を一定
速度まで加速したときの速度曲線を示し、図13(b)
は、そのときのウエハテーブル20に加えられた推力F
(実線の曲線A)、及びリニアモータ23A,24A及
び23B,24Bの推力F(一点鎖線の曲線B)を示
す。ばね27A,27Bのばね定数は2000N/mで
あり、最適なばね定数である。この場合のリニアモータ
23A,24A及び23B,24Bの発熱量は、ばねと
磁石と鉄板とを使用しない場合の場合の1%以下にな
る。また、磁石等を備えていない場合に比べて、移動開
始時に要する推力が小さく、ウエハテーブル20が徐々
に加速していくため、ウエハテーブル20の機械共振を
和らげられるという利点もある。
【0052】図14は、図10に対応させて鉄板29と
磁石30とを取り付けた案内軸22Bの端部における鉄
板29と磁石30との吸引力とばね27A,27Bの抗
力との合力FP (N)を示し、この図14において、横
軸は案内軸22Bの端部からの距離D(m)である。案
内軸22Bの端部に磁石30を、案内部材22Aに鉄板
29を取り付けることにより、案内軸22Bの端部にお
いてウエハテーブル20を静止位置決めするために要す
るリニアモータ23A,24A及び23B,24Bの推
力が低減され発熱量が抑えられる。
【0053】次に、本例の露光装置のウエハテーブル2
0をウエハベース7に対して支持する支持脚31A〜3
1Cの構造について説明する。図15(a)は、ウエハ
テーブル20の支持脚31A等を示す拡大図、図15
(b)はその側面図であり、この図15において、支持
脚31Aにはすり割り部31Aa及び31Abの底部が
変位部34となっている。また変位部34の底部に球面
軸受け35を介して流体軸受け32Aが回転できるよう
に取り付けられている。流体軸受け32Aが回転できる
ように取り付けられている。同様に、図3に示すよう
に、他の支持脚31B,31Cにも流体軸受け32B,
32Cが取り付けられている。流体軸受け32Aは図3
のウエハベース7の上に静圧気体軸受け方式で載置され
ている。また、図3(c)の支持脚31Bで示すよう
に、支持脚31A〜31Cにピエゾアクチュエータ33
が取り付けられ、ピエゾアクチュエータ33は取り付け
部材53を介してウエハテーブル20に固定されてい
る。
【0054】図15に戻り、支持方向に対して伸縮自在
の変位拡大機構がピエゾアクチュエータ33、及び変位
部34より構成されている。流体軸受け32Aは与圧の
ための磁石、又は真空吸着部を備えている。一般に、ピ
エゾアクチュエータによる変位は60μm程度しかない
ため変位拡大機構が必要になる。本例の変位拡大機構は
スコット・ラッセルの平行運動リンク構造を用いてい
る。ピエゾアクチュエータ33の伸縮部が支持脚31A
のすり割り部31Aaの入力点Aを押すと、入力点Aは
微小変位領域において水平方向に直線変位する。する
と、変位拡大機構の変位部34のリンク機構部のB点は
C点を中心に回転し、その結果としてD点は鉛直方向に
変位する。本例の変位拡大機構の変位部34ではリンク
の傾きが26.6度で変位拡大率が2倍となり、最大1
20μm変位することができるようになっている。そし
て、支持脚31A〜31Cの変位部34の変位を調整し
てウエハテーブル20の傾斜角の補正(レベリング)、
及びウエハベース7に対する垂直方向の位置の補正(フ
ォーカス調整)を行う。
【0055】なお、支持脚31A〜31Cを最大変位幅
である120μm変位させてもフォーカス調整又はレベ
リングを適切に行うことができない場合には、露光開始
前にウエハ3の表面位置を予め計測しておき、ウエハ3
の表面の位置が所定の位置(投影光学系2の像面)に来
るように図1のエレベータ駆動部8を駆動しウエハベー
ス7を位置決めしてから、支持脚31A〜31Cを調整
してフォーカス調整又はレベリングを行うとよい。
【0056】図16は、レチクルステージ4、及びウエ
ハステージ5を制御する制御系の構成を表すブロック図
を示し、この図16において、主制御系50はウエハス
テージ5のウエハテーブル20のX方向、Y方向の目標
位置、及び支持脚31A〜31CのZ方向の変位量の目
標値をそれぞれ減算部61及び62に供給する。減算部
61で目標位置から、レーザ干渉計18X,18Yの計
測値を変換部65で、−1/4倍した値を差し引いた値
に基づいて、ウエハステージ制御系25がウエハステー
ジ5を駆動する。減算部62は目標値に速度センサ36
Bで計測されるウエハベース7のZ方向の速度を積分し
て得られる値を加算し、更にウエハステージ5について
不図示のオートフォーカスセンサで計測されるデフォー
カス量を差し引いて得られる値を支持脚制御系63に供
給し、支持脚制御系63は、その供給される値に基づい
てウエハステージ5を支持する支持脚31A〜31Cの
伸縮量を制御して、フォーカス調整、又はレベリングを
行う。また、速度センサ36Aによって検出されたウエ
ハベース7の走査方向と直交する方向の変位と投影光学
系2の光軸周りの回転方向の振動成分(ヨーイング)と
の検出結果及び変換部65の出力からレーザ干渉計18
X,18Yの計測値を差し引いた値に基づいて、レチク
ルステージ制御系52がレチクルステージ4の制御を行
うことにより、ウエハベース7の水平方向の振動の影響
を低減する。そして、ウエハベース7のZ方向の振動は
粘弾性体64によって低減される。
【0057】次に、本例の露光装置のウエハ搬送機構に
ついて説明する。図1において、ウエハベース7の手前
側に、防振台51を介して搬送ベース45が設置され、
搬送ベース45上にウエハ搬送アーム40A,40B、
及びウエハカセット48等のウエハ搬送機構が載置され
ている。図17(a)は、本例の露光装置のウエハ搬送
機構の一部を示す平面図、図17(b)はその側面図で
あり、この図17において、先ず、露光を終えたウエハ
3Aを載置したウエハステージ5は露光終了位置Aから
ウエハ搬出位置Bに移動し、ウエハ3Aは位置P1に移
動する。このとき、ウエハ搬送アーム40Aの3本のア
ームはウエハテーブル20の深溝38とウエハ3Aとに
囲まれた空間に入り込み、ウエハテーブル20と接触す
ることはない。ウエハ搬送アーム40Aは、回転及びZ
方向への伸縮ができる回転上下部69Aを介して支持部
67Aに載置され、支持部67Aは駆動部68Aによっ
て搬送ベース45上を移動する。他方のウエハ搬送アー
ム40Bにも、支持部67B、回転上下部69B、及び
駆動部(不図示)が備えられている。ウエハステージ5
が静止すると、ウエハテーブル20がウエハ3Aの真空
吸着による固定を解除し、ウエハ搬送アーム40Aがウ
エハ3Aを真空吸着し、回転上下部69Aによって上昇
する。そして、露光を終えたウエハ3Aが図18に示さ
れているウエハカセット48に回収される。
【0058】ウエハ搬送アーム40Aが上昇すると同時
にウエハステージ5は高速で未露光のウエハ3Bを保持
しているウエハ搬送アーム40Bの下(ウエハ搬入位置
C)に移動する。ウエハステージのウエハテーブル20
が静止すると、ウエハ搬送アーム40Bが回転上下部6
9Bによって下降し、未露光のウエハ3Bがウエハテー
ブル20の上に載置され真空吸着される。このときも、
ウエハ搬送アーム40Bは深溝38の間に入り込むた
め、ウエハテーブル20と接触することはない。その
後、ウエハステージ5はウエハ搬入位置Cから露光開始
位置Dに高速で移動し、ウエハ3Bは位置P2に移動し
て、露光を開始する。それと同時にウエハ搬送アーム4
0Bは新しいウエハを図18のウエハカセット48から
取り出し待機する。
【0059】また、重ね合わせ露光をする場合には、予
め露光対象のウエハの回転角を計測し、その角度を相殺
するようにウエハステージ5をウエハ搬入位置Cにおい
て位置決めする際にウエハテーブル20を回転する。こ
れにより、ウエハテーブル20の向きを走査方向にあわ
せたときに、ウエハ上に既に格子状に配列されたショッ
ト領域に形成されているパターンとレチクル1のパター
ン像とが所定の位置関係になるようにすることができ
る。
【0060】図18(a)は、ウエハ搬出時におけるウ
エハカセット48の周辺部を示す平面図、図18(b)
は図18(a)の側面図であり、この図18において、
ウエハ搬送アーム40A,40BはZ軸回りの回転方
向、走査方向(X方向)、及び鉛直方向(Z方向)の3
方向に駆動自在であり、ウエハカセット48を搬送ベー
ス45上で支持するウエハカセット支持部47は鉛直方
向に駆動自在である。露光済みのウエハ3Aをウエハカ
セット48に回収する際には、先ず、ウエハ3Aを保持
するウエハ搬送アーム40Aが回転上下部69Aによっ
て旋回する。ウエハ3Aが位置P4を経てウエハカセッ
ト48の前面にきた瞬間、ウエハ3AがY軸方向に直線
移動するように、ウエハ搬送アーム40Aの支持部67
AがX軸方向に位置P3まで直線移動すると共に、ウエ
ハ搬送アーム40Aが旋回運動する。次に、ウエハ3A
がウエハカセット48内の所定の位置に到達すると、ウ
エハ搬送アーム40Aによる真空吸着が解除され、ウエ
ハカセット支持部47が上昇し、ウエハ3Aを持ち上げ
る。そして、ウエハ搬送アーム40Aは先程と逆の動作
を行い退避する。
【0061】図19(a)は、ウエハ搬入時におけるウ
エハカセット48の周辺部を示す平面図、図19(b)
は図19(a)の側面図であり、この図19において、
未露光のウエハ3Bの下部に移動する。ウエハカセット
48より搬出する際に、先ずウエハ搬送アーム40Bが
未露光のウエハ3Bの下部に移動する。ウエハ搬送アー
ム40Bが静止すると、ウエハカセット支持部47が下
降し、ウエハ3Bがウエハ搬送アーム40B上に載置さ
れる。そして、ウエハ搬送アーム40Bがウエハ3を真
空吸着した後、ウエハ搬送アーム40Bの支持部67B
がX軸方向に直線移動すると共に、回転上下部69Bに
よってウエハ搬送アーム40Bが旋回運動して、ウエハ
3Bをウエハカセット48から取り出す。そして、ウエ
ハステージ5が到着するまで待機する。なお、ウエハ搬
送アーム40Bは装置前面と平行して直線移動すること
ができるため、コーターデベロッパのような周辺装置と
のインラインを構成することもできる。
【0062】このように、図17のウエハステージ5を
ウエハの搬出位置、又は搬入位置に移動することによ
り、従来の露光装置のようにウエハを仮に固定して支持
する必要がなくなり、また、ウエハ搬送アーム間でウエ
ハの受け渡しを行う必要もなくなるため、ウエハに異物
が付着する確率や搬送エラーの確率が減少する。また、
ウエハ搬送アームで露光位置までウエハを搬送するより
もウエハの重量に起因するウエハ搬送アームの振動の影
響を受けにくく、より重量の大きいウエハを搬送するこ
とができ、ウエハの大型化に対応することができる。
【0063】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取
り得ることは勿論である。
【0064】
【発明の効果】本発明の第1の露光装置によれば、基準
点を中心として投影光学系が所定範囲内で回転するよう
に投影光学系を支持する投影光学系支持部を設けること
により、投影光学系にマスクステージや基板ステージか
らの振動が伝達しても、物体平面(マスク)と像面(基
板)との位置関係がずれないため、転写されるパターン
の位置ずれを防ぐことができ、高精度な露光を行うこと
ができる。
【0065】また、マスクを移動させるマスクステージ
と、このマスクステージと投影光学系とを支持する構造
体と、基板を移動させる基板ステージとを有し、投影光
学系支持部は、その構造体から延びる少なくとも3つの
柔構造の支持部材を備え、各支持部材の延長線が基準点
で交わるように構成されている場合には、投影光学系に
振動が伝達しても、投影光学系が基準点を中心に微小回
転するため、基板上に転写されるパターンの位置ずれを
防ぐことができ、また、支持部材が柔構造であるため、
微小振動が減衰され、形成されるパターンのコントラス
トの悪化を防ぐことができる。
【0066】次に、本発明の第2の露光装置によれば、
マスクステージの移動方向と反対方向に所定の速度でマ
スクベースが移動するように制御することにより、マス
クステージの駆動反力の構造体への影響が低減され、機
械共振の励起を抑え、構造体、及び投影光学系に伝達す
る振動を低減することができる。従って、高精度な露光
を行うことができる。
【0067】次に、本発明の第3の露光装置によれば、
案内軸の両端に弾性部材を備えることにより、基板テー
ブルが案内軸上で等速往復運動を行う際には、基板テー
ブルの運動エネルギーがポテンシャルエネルギーに変換
され弾性部材に貯えられるため、基板テーブルを等速往
復運動させる際に消費されるエネルギーは、主に基板テ
ーブルの空気に対する粘性抵抗と弾性部材が変形すると
きの発熱とに消費されるエネルギーだけとなり、基板テ
ーブルを等速移動させる際の駆動部の発熱量を抑えるこ
とができる。
【0068】また、弾性部材が、案内軸の両端部に設け
られた第1の磁気部材と、対応して配置された第2の磁
気部材とを有する場合には、第1の磁気部材と第2の磁
気部材との吸引力により、案内軸の端部において基板テ
ーブルを静止位置決めする際に弾性部材の抗力に対向す
るために要する基板テーブルの駆動部の推力を低減する
ことができ、基板テーブルを静止位置決めする際の駆動
部の発熱量を抑えることができる。
【0069】次に、本発明の第4の露光装置によれば、
支持方向に対して伸縮自在の支持脚の長さを制御するこ
とにより、基板テーブルの傾斜角、又は高さ方向の位置
を制御することができ、基板の表面を像面に合わせ込ん
で高精度に露光を行うことができる。また、露光時にマ
スク及び基板が同期して移動されると共に、構造体の基
板ステージの走り面の走査方向の傾斜角、非走査方向の
傾斜角、及び高さを検出し、この検出結果に基づいて、
伸縮自在の支持脚を制御する場合には、基板の表面を像
面に合わせ込みながら高精度に走査露光を行うことがで
きる。
【0070】また、基板ステージの投影光学系の光軸周
りの回転角、及び位置ずれ量を検出し、この検出結果に
基づいて、マスクステージ、又は基板ステージの位置を
制御する場合には、基板の表面と像面との位置合わせを
高精度に行うことができる。次に、本発明の第5の露光
装置によれば、支持部と構造体との間に粘弾性体を有す
るため、露光装置が設置されている床からの振動を低減
することができる。従って高精度に露光を行うことがで
きる。
【0071】次に、本発明の第6の露光装置によれば、
基板テーブルに溝が設けられており、基板搬送アームを
基板テーブルに接触させることなく基板を基板テーブル
上に載置できる。即ち、基板を基板テーブル上で一旦仮
に固定して支持することなく露光装置に搬入又は搬出で
き、スループットが向上するという利点がある。また、
基板搬送機構が、少なくとも2つの基板搬送アームと、
基板収納ケース支持部とを備え、基板搬送アームが、投
影光学系の光軸周りの回転方向、水平方向、及び鉛直方
向の3方向に移動自在であり、その基板収納ケース支持
部が、鉛直方向に移動自在である場合には、基板ステー
ジを基板搬出アーム又は基板搬入アームの下部まで移動
し、基板を基板搬送アーム間で受け渡すことなく基板を
露光装置に搬送でき、ウエハに異物が付着する確率や搬
送中に故障が生じる確率が減少するという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例で使用される投影露
光装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1の投影光学系2の支持方法を示す一部を切
り欠いた断面図である。
【図3】(a)は図1のウエハステージ5を示す平面
図、(b)は図3(a)のBB線に沿う断面図、(c)
は図3(a)の一部を省略した正面図、(d)は図3
(a)のDD線に沿う断面図である。
【図4】ウエハテーブル20とキャリア21とを制御す
る制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】図3のウエハテーブル20の案内部材22A及
び案内軸22Bの動作説明に供する概略図である。
【図6】(a)は弾性体を備えていない案内軸上でウエ
ハテーブル20の移動速度を一定速度まで推移させて移
動させた場合のウエハテーブル20の速度を示す図、
(b)はそのときのリニアモータの推力を示す図であ
る。
【図7】(a)はばね備えた案内軸上で共振のない理想
的なウエハテーブルを一定速度まで加速した場合を仮定
して計算したウエハテーブルの速度曲線を示す図、
(b)は図7(a)の速度曲線を速度司令値として共振
を持つウエハテーブルを制御した場合を仮定して計算し
たリニアモータの推力を示す図である。
【図8】(a)は図7(a)の速度曲線を速度司令値と
してばねを備えた案内軸を使用してウエハテーブル20
を一定速度まで加速した場合の速度を示す図、(b)は
そのときのウエハテーブル20の推力及びリニアモータ
が発生した推力を示す図である。
【図9】(a)はばね定数が最適値であるばねを備えた
案内軸を使用してウエハテーブル20を一定速度まで加
速した場合の速度曲線を示す図、(b)はそのときのウ
エハテーブル20の推力を示す図である。
【図10】ばねを備えた案内軸の端部におけるばねの抗
力を示す図である。
【図11】図3において、更に磁気部材を備えた場合の
案内部材22A及び案内軸22Bの動作説明に供する概
略図である。
【図12】(a)はばねと鉄板と磁石とを備えた案内軸
上で共振のない理想的なウエハテーブル20を一定速度
まで加速した場合を仮定して計算した速度を示す図、
(b)は図12(a)の速度曲線を速度司令値として共
振を持つウエハテーブル20を制御した場合を仮定し計
算したリニアモータの推力を示す図である。
【図13】(a)は図12(a)の速度曲線を速度司令
値として鉄板と磁石とを備えた案内軸上でウエハテーブ
ル20を一定速度まで加速したときの速度曲線を示す
図、(b)はそのときのウエハテーブル20の推力及び
リニアモータの推力を示す図である。
【図14】鉄板と磁石とを取り付けた案内軸の端部にお
ける鉄板と磁石との吸引力とばねの抗力との合力を示す
図である。
【図15】(a)はウエハテーブル20を支持する支持
脚31A及びこの周辺を拡大して示す概略図、(b)は
図15(a)の側面図である。
【図16】レチクルステージ4、ウエハステージ5、及
びウエハベース7を制御する制御系の構成を示すブロッ
ク図である。
【図17】ウエハを露光装置に搬入、又は搬出する際の
ウエハステージ5の動作を説明するための図である。
【図18】露光済みのウエハ3Aを露光装置から搬出す
る際のウエハ搬送アーム40Aの動作を説明するための
図である。
【図19】未露光のウエハ3Bを露光装置に搬入する際
のウエハ搬送アーム40Bの動作を説明するための図で
ある。
【符号の説明】
1 レチクル 2 投影光学系 3 ウエハ 4 レチクルステージ 5 ウエハステージ 6 構造体 7 ウエハベース 8 エレベータ駆動部 9 レチクルベース 15 物体平面 16 像面 17 基準点 19A〜C ロッド 20 ウエハテーブル 22A 案内部材 22B 案内軸 23A,23B リニアモータのコイル部 24A,24B リニアモータのマグネット部 25 ウエハステージ制御系 27A,27B ばね 29 鉄板 30 磁石 31A〜31C 支持脚 32A〜32C 流体軸受け 38 深溝 40A,40B ウエハ搬送アーム 47 ウエハカセット支持部 48 ウエハカセット 52 レチクルステージ制御系

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクのパターンの像を投影光学系を介
    して基板上に転写する露光装置において、 前記投影光学系の物体平面と像面との間隔を投影倍率比
    で内分する前記投影光学系の光軸上の基準点を中心とし
    て、前記投影光学系が所定範囲内で回転できるように前
    記投影光学系を支持する投影光学系支持部を設けたこと
    を特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の露光装置であって、前記
    マスクを移動させるマスクステージと、該マスクステー
    ジと前記投影光学系とを支持する構造体と、前記基板を
    移動させる基板ステージと、を有し、 前記投影光学系支持部は、前記構造体から延びる少なく
    とも3つの柔構造の支持部材を備え、該支持部材は、そ
    れぞれの延長線が前記基準点で交わることを特徴とする
    露光装置。
  3. 【請求項3】 マスクのパターンの像を投影光学系を介
    して基板上に転写する露光装置において、 前記マスクを保持して移動させるマスクステージと、該
    マスクステージを移動させるマスクベースと、該マスク
    ベースと前記投影光学系とを支持する構造体と、前記マ
    スクステージ及び前記マスクベースの動作を制御する制
    御系と、を有し、 前記マスクベースを制御することによって、前記マスク
    ステージの駆動反力の前記構造体に対する影響を低減す
    ることを特徴とする露光装置。
  4. 【請求項4】 マスクのパターンの像を投影光学系を介
    して基板上に転写する露光装置において、 前記基板を保持して移動させる基板テーブルと、該基板
    テーブルを保持して所定範囲内で往復運動させる基板ス
    テージと、を有し、 前記基板ステージは、前記基板テーブルが往復運動をす
    る案内軸の両端部に弾性部材を備えることを特徴とする
    露光装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の露光装置であって、前記
    弾性部材は、前記案内軸の両端部に設けられた第1の磁
    気部材と、対応して配置された第2の磁気部材と、を有
    することを特徴とする露光装置。
  6. 【請求項6】 マスクのパターンの像を投影光学系を介
    して基板上に転写する露光装置において、 前記マスクを保持して移動させるマスクステージと、前
    記基板を保持して移動させる基板テーブルと、該基板テ
    ーブルを保持して移動させる基板ステージと、該基板ス
    テージを支持する構造体と、を有し、 前記基板テーブルは、前記構造体上で該基板テーブルを
    支持する少なくとも3つの支持脚を有し、 該支持脚は、支持方向に対して伸縮自在であり、該支持
    脚と前記構造体との間に流体軸受け機構を有することを
    特徴とする露光装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の露光装置であって、露光
    時に前記マスク及び前記基板は同期して移動されると共
    に、前記構造体の前記基板ステージの走り面の走査方向
    の傾斜角、非走査方向の傾斜角、及び高さを検出し、該
    検出結果に基づいて、前記伸縮自在の支持脚を制御する
    ことを特徴とする露光装置。
  8. 【請求項8】 請求項6、又は7記載の露光装置であっ
    て、前記基板ステージの前記投影光学系の光軸周りの回
    転角、及び位置ずれ量を検出し、該検出結果に基づい
    て、前記マスクステージ、又は前記基板ステージの位置
    を制御することを特徴とする露光装置。
  9. 【請求項9】 マスクのパターンの像を投影光学系を介
    して基板上に転写する露光装置において、 前記基板を保持して移動させる基板テーブルと、該基板
    テーブルを保持して移動させる基板ステージと、該基板
    ステージを支持する構造体と、該構造体を支持して高さ
    方向に駆動する支持部と、を有し、 該支持部と前記構造体との間に粘弾性体を有することを
    特徴とする露光装置。
  10. 【請求項10】 マスクのパターンの像を投影光学系を
    介して基板上に転写する露光装置において、 前記基板を保持して移動させる基板テーブルと、該基板
    テーブルを保持して移動させる基板ステージと、該基板
    ステージを支持する構造体と、前記基板の前記基板テー
    ブルとの間での受け渡しを行う基板搬送アームを備えた
    基板搬送機構と、を有し、 前記基板テーブルは、前記基板を該基板テーブルに載置
    した際、前記基板搬送アームを、該基板テーブルに接触
    させることなく移動させるための溝を有することを特徴
    とする露光装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の露光装置であって、
    前記基板搬送機構は、少なくとも2つの基板搬送アーム
    と、基板収納ケース支持部と、を備え、 前記基板搬送アームは、前記投影光学系の光軸周りの回
    転方向、水平方向、及び鉛直方向の3方向に移動自在で
    あり、 前記基板収納ケース支持部は、鉛直方向に移動自在であ
    ることを特徴とする露光装置。
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