JPH11247030A - コイル状炭素繊維の気相製造方法 - Google Patents

コイル状炭素繊維の気相製造方法

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JPH11247030A
JPH11247030A JP10047686A JP4768698A JPH11247030A JP H11247030 A JPH11247030 A JP H11247030A JP 10047686 A JP10047686 A JP 10047686A JP 4768698 A JP4768698 A JP 4768698A JP H11247030 A JPH11247030 A JP H11247030A
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JP
Japan
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carbon fiber
gas
reaction vessel
substrate
coiled carbon
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JP10047686A
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Seiji Motojima
栖二 元島
Katsutomi Ido
勝富 井戸
Tadasuke Niwa
禎輔 丹羽
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DENSHI BUSSEI SOGO KENKYUSHO K
DENSHI BUSSEI SOGO KENKYUSHO KK
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DENSHI BUSSEI SOGO KENKYUSHO K
DENSHI BUSSEI SOGO KENKYUSHO KK
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F9/00Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments
    • D01F9/08Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments of inorganic material
    • D01F9/12Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof
    • D01F9/127Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by thermal decomposition of hydrocarbon gases or vapours or other carbon-containing compounds in the form of gas or vapour, e.g. carbon monoxide, alcohols

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイル状炭素繊維を効率良く得ることができ
るとともに、その収率を向上させることができるコイル
状炭素繊維の気相製造方法を提供する。 【解決手段】 コイル状炭素繊維の気相製造方法におい
て、反応容器12内の加熱は、ガス燃焼ボイラーにより
発生した高温熱風ガスを熱風循環用の配管24を循環さ
せることにより行われ、反応容器12の外部から電磁場
が形成されないようになっている。基板15には、直流
電源17が接続線16を介して接続されている。そし
て、直流電源17の電源スイッチ18をオンにすること
により、基板15に直流電圧を印加するとともに、マイ
ナスイオンの電場を形成する。その結果、電磁場が形成
されない雰囲気下で、アセチレンの熱分解により生じた
反応種を基板15に効率良く誘導することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁波吸収材、
マイクロセンサー、マイクロメカニカル素子等の材料と
して使用されるコイル状炭素繊維の気相製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来のコイル状炭素繊維の製造方法は、
まず、円管状をなす反応容器内の所定位置に、表面に金
属触媒が塗布されたコイル状炭素繊維の成長の場として
の基材を配置し、両端に形成された開口部をシール部材
により閉塞する。次いで、反応容器の周面に形成された
流入口から原料ガス及び触媒ガスを反応容器内に流入さ
せるとともに、反応容器内を不活性ガス雰囲気とする。
そして、反応容器の外面に、ほぼ全体を覆うように取り
付けられた電熱加熱器等により、反応容器内を直接的に
加熱して所定の温度にまで上昇させる。その結果、原料
ガスが加熱分解され、基材上から炭素繊維がコイル状に
成長する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のコイ
ル状炭素繊維の製造方法において、反応容器内の加熱
は、その外周面に取り付けられたコイル状、棒状等をな
す電熱線を有する電熱加熱器により直接的に行われてい
た。そして、反応容器内を加熱する際、電熱線に電流が
流れるとともに、反応容器の内部に電磁場が形成されて
いた。その結果、反応容器内に流入された原料ガスや金
属触媒が、電磁場と相互作用し、炭素繊維が直線状に成
長したり、炭素繊維が成長せずに炭素粉末、堅い炭素固
体、炭素層等が析出したりする。そのため、コイル状に
形成された炭素繊維を効率的に得ることができず、しか
も収率が低下するという問題があった。
【0004】また、電磁場雰囲気下では、コイル状炭素
繊維は、その断面形状が扁平状に成長するため、その引
張り強度等の強度が低下するという問題もあった。加え
て、得られるコイル状炭素繊維のコイル径が大きく、コ
イルの長さが短いという問題があった。
【0005】この発明は、このような従来技術に存在す
る問題に着目してなされたものである。その目的とする
ところは、コイル状炭素繊維を効率良く得ることができ
るとともに、その収率を向上させることができるコイル
状炭素繊維の気相製造方法を提供することにある。その
他の目的は、コイル状炭素繊維の強度を向上させること
ができるとともに、コイル径を小さく、かつコイルの長
さを長くできるコイル状炭素繊維の気相製造方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載のコイル状炭素繊維の気相製造方
法は、加熱手段を設けた反応容器に、熱分解して炭素を
生成する原料ガス及び触媒ガスを流通させるための流入
口及び流出口を備えるとともに、触媒を担持した基材を
反応容器内に配設し、熱分解して炭素を生成する原料ガ
ス及び触媒ガスを前記流入口から反応容器内に流入さ
せ、電磁場を反応容器の外部より実質的に印加しない雰
囲気下で、触媒ガスの存在下に原料ガスを前記加熱手段
により700〜830℃の温度で加熱分解して、前記基
材上にコイル状炭素繊維を成長させるものである。
【0007】請求項2に記載のコイル状炭素繊維の気相
製造方法は、請求項1に記載の発明において、前記加熱
手段は、バーナー加熱、高温熱風加熱又は高温熱媒加熱
によるものである。
【0008】請求項3に記載のコイル状炭素繊維の気相
製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明におい
て、前記基材に電圧を印加して電場を形成するものであ
る。請求項4に記載のコイル状炭素繊維の気相製造方法
は、請求項3に記載の発明において、前記電場は直流電
圧を印加して形成されるマイナスイオンの電場である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て詳細に説明する。 (第1実施形態)まず、コイル状炭素繊維の製造装置1
1について説明する。
【0010】図1に示すように、反応容器12は、円筒
状をなす横型熱化学気相合成装置で、石英、アルミナ、
セラミック、金属製反応管の内面をセラミックスライニ
ングしたもの、ニッケル、タングステン及びチタンの耐
熱金属等の材料により形成されている。これらのなかで
も触媒活性、直線状炭素繊維や炭素粉末生成等のコイル
生成反応以外の副反応の抑制の点から透明又は不透明な
石英が好ましい。
【0011】反応容器12の内径は、30〜150mm
の範囲内に設定されるのが好ましく、原料ガス及び触媒
ガスを効率良く流通させるために、30〜60mmの範
囲内に設定されるのがさらに好ましい。なお、第1実施
形態では、反応容器12の内径を60mm、全長を10
00mmに設定した。開口部13は反応容器12の両端
に形成され、所定温度の耐熱性を有する材質により形成
された第1シール部材14により閉塞されている。
【0012】コイル状炭素繊維が成長する場所としての
基材を構成する基板15は、グラファイト又はニッケル
の焼結体により四角板状に形成されている。この基板1
5の表面には、金属粉末よりなる触媒が塗布されること
により担持されている。接続線16は基板15の両端に
接続され、両接続線16が第1シール部材14に貫通支
持されることにより、基板15は反応容器12内の空中
に支持されている。一方の接続線16は反応容器12内
の基板15に直流電圧を印加するための直流電源17に
接続され、他方の接続線16は解放された状態になって
いる。
【0013】このとき、直流電源17のマイナス端子1
7aは、接続線16を介して基板15に接続されるとと
もに、プラス端子17bは反応容器12に接続されてい
る。電源スイッチ18は、直流電源17のプラス端子1
7bと反応容器12の間に接続されている。直流電源1
7の電圧は、コイル状炭素繊維の収率を向上させるため
に10〜3000Vの範囲内に設定されるのが好まし
く、100〜1000Vの範囲内に設定されるのがさら
に好ましく、100〜750Vの範囲内に設定されるの
が特に好ましい。そして、電源スイッチ18をオンにす
ると、反応容器12内の基板15には、直流のマイナス
電圧が印加されてマイナスイオンの電場が形成される。
【0014】前記金属触媒は、遷移金属あるいはその酸
化物、炭化物、硫化物、リン化物、炭酸化物及び炭硫化
物から選択される少なくとも一種の化合物であり、好ま
しくは、ニッケル、チタン、タングステン等の金属又は
それらの酸素との固溶体、酸化物、炭化物、硫化物、リ
ン化物、炭酸化物又は炭硫化物である。その中でも、金
属触媒の結晶面での異方性の点からニッケルがさらに好
ましい。金属触媒の形態は、粉末、金属板、粉末の焼結
板のいずれでも良く、好ましくは平均粒径が5μm程度
の微粉末又は焼結板である。
【0015】また、コイル状炭素繊維のコイル径、コイ
ルピッチ及びコイル長さは、金属触媒の各結晶面での異
方性や粒径に依存している。そのため、水素ガス等によ
り結晶面での触媒活性の異方性が変化すると、コイル
径、コイルピッチ及びコイル長さも変化する。例えば、
金属触媒の粒径が小さくなるとコイル径は小さくなる。
微粉末金属触媒の場合は、基板15上へ散布又は塗布し
ても良い。これらの金属触媒は、あらかじめ固溶体或い
は化合物となったもののほか、金属粉末或いは板材を反
応前に所定条件で酸化、炭化、リン化、炭酸化及び炭硫
化処理して得られたものでも使用される。
【0016】円筒状をなす流入口19は、反応容器12
の中央周面に接合されている。そして、反応時には、原
料ガス、触媒ガスが流入され、さらに必要に応じて反応
系に有害な影響が加えられるのを防止するために、流入
口19を流通するガス量に対して20〜30容量%のシ
ールガスが流入される。流入口19の内径は、流入口1
9を流通する原料ガス、触媒ガス及び必要に応じて流入
されるシールガスの流量や流速を所定範囲に保持するた
めに、5〜50mmの範囲内に設定されるのが好まし
く、5〜20mmの範囲内に設定されるのがさらに好ま
しい。なお、第1実施形態では、流入口19の内径を1
0mmに設定した。
【0017】また、原料ガス、触媒ガス及び必要に応じ
て流入されるシールガスの流量を流入口19を1分間に
流れる原料ガス、触媒ガス及び必要に応じて流入される
シールガスの量を示す線速度で示した場合、コイル状炭
素繊維の収率を向上させるために、室温、1気圧の条件
下で線速度100〜3000cm/minの範囲内に設
定されるのが好ましい。そして、200〜1500cm
/minの範囲内に設定されるのがさらに好ましく、4
00〜1300cm/minの範囲内に設定されるのが
特に好ましい。
【0018】流入口19と対向する基板15との距離
は、コイル状炭素繊維の収率を向上させるために、所定
範囲内に保たれるように設定され、1〜100mmの範
囲内に設定されるのが好ましい。この距離は、10〜2
5mmの範囲内に設定されるのがさらに好ましい。流入
口19と対向する基板15との距離が短いほど、コイル
状炭素繊維の収率を向上させることができる。しかし、
流入口19と基板15との距離が1mm未満又は100
mmを越えると、コイル状炭素繊維を全く得ることがで
きず、炭素粉末又は直線状の炭素繊維のみが析出するよ
うになる。
【0019】さらに、室温、1気圧の条件下で流入口1
9を1分間に流れる原料ガス、触媒ガス及び必要に応じ
て流入されるシールガスの量を示す線速度は、流入口1
9と対向する基板15との距離と密接な関係を有し、室
温、1気圧の条件下で線速度が400〜800cm/m
inのときは、流入口19と対向する基板15との距離
が1〜20mmに設定される。さらに、800〜120
0cm/minのときは、5〜40mmに、1200〜
1500cm/minのときは、10〜100mmに設
定される。
【0020】つまり、流入口19と対向する基板15と
の距離は、コイル状炭素繊維の収率を向上させるため
に、室温、1気圧の条件下で原料ガスの線速度の0.0
001〜0.1倍の範囲内に設定される。そして、0.
0005〜0.01倍の範囲内に設定されるのが好まし
く、0.002〜0.1倍の範囲内に設定されるのが特
に好ましい。
【0021】前記原料ガスは、熱分解して炭素を生成す
るアセチレン、メタン、プロパン等の炭素元素を含むガ
ス又は一酸化炭素ガスが使用される。炭素繊維をコイル
状に形成するために各結晶面での触媒活性の異方性から
アセチレンが好ましい。触媒ガスは、周期律表の第15
族及び第16族元素を含むガスで、硫黄、チオフェン、
メチルメルカプタン、硫化水素等の硫黄原子を含む化合
物又は、リン、3塩化リン等のリン原子を含む化合物が
使用される。これらのうち、コイル状炭素繊維の収率を
向上させることができるという点から、好ましくはチオ
フェン又は硫化水素である。
【0022】反応雰囲気中における触媒ガスの濃度は、
好ましくは0.01〜5容量%の範囲内で、さらに好ま
しくは0.1〜0.5容量%の範囲内である。前記濃度
が0.01容量%未満又は5容量%を越えると、コイル
状炭素繊維を成長させることが困難になる。
【0023】円筒状をなす一対の注入口20は、反応容
器12の両端部の周面に接合され、シールガスを反応容
器12内に注入させるようになっている。前記シールガ
スは窒素ガス、ヘリウムガス等の化学的に不活性で、系
の物質と反応しない不活性ガス又は水素ガスが使用され
る。シールガスが反応容器12内に注入されると、酸素
ガス等により余分な、あるいは有害な影響が反応系に加
えられるのを防止できるようになっている。
【0024】円筒状をなす流出口21は、反応容器12
の中央周面に前記流入口19と180度反対側に接合さ
れている。排気管22は、耐熱性を有する材質により形
成された第2シール部材23が嵌挿された状態で、流出
口21内に装着されている。そして、反応容器12内を
流通した原料ガス、触媒ガス、シールガス及び分解反応
により生成した廃ガスを排気管22を介して反応容器1
2外へ流出するようになっている。
【0025】加熱手段としての熱風循環用の配管24
は、反応容器12のほぼ全体を覆うように円環状に取り
付けられている。導入管25は、前記熱風循環用の配管
24の一端下部に接合され、導出管26は、他端上部に
接合されている。そして、図示しないガス燃焼ボイラー
により発生した高温熱風ガスを、導入管25から熱風循
環用の配管24内に送り込むことができるようになって
いる。さらに、熱風循環用の配管24内を循環させて、
導出管26から排出することにより、反応容器12内を
所定温度にまで上昇させることができるようになってい
る。さらに、液化天然ガス(LPG)等の燃焼ガスを熱
風循環用の配管24内を循環させて高温熱風加熱を行っ
ても良い。また、熱風循環用の配管24内を、所定温度
を有する流体等の熱媒を流通させて加熱を行う高温熱媒
加熱を行っても良い。高温熱媒としては窒素、二酸化炭
素、アルゴン等の不活性ガスが使用される。
【0026】前記温度は、コイル状炭素繊維の収率の向
上の観点から700〜830℃の範囲内に設定されるの
が好ましく、750〜780℃の範囲内に設定されるの
がさらに好ましい。反応温度が700℃未満又は830
℃を越えるとコイル状炭素繊維の収率が急激に低下す
る。そして、上記温度で反応容器12内を加熱すること
により、反応ガスが熱分解されてイオン化し、プラスの
電荷を帯びた反応種となる。
【0027】次に、コイル状炭素繊維の気相製造方法に
ついて説明する。ニッケル粉末が塗布されることにより
担持された基板15は、流入口19と対向するように接
続線16により反応容器12内の所定位置に支持され
る。このとき、流入口19と対向する基板15との間は
所定距離を有するようになっている。そして、反応容器
12の両端の開口部13が第1シール部材14により閉
塞される。
【0028】次に、流入口19よりアセチレン、チオフ
ェン及び水素ガスが反応容器12内に流入されるととも
に、反応容器12内の基板15に接触しながら流通し、
排気管22を介して流出口21から外部へ流出される。
また、一対の注入口20から窒素ガスが注入され、基板
15上で、酸素ガス等による余分な、或いは有害な影響
が反応系に加えられるのが防止される。
【0029】次いで、直流電源17の電源スイッチ18
をオンにし、接続線16を介して基板15に直流のマイ
ナス電圧を印加してマイナスイオンの電場を形成させ
る。さらに、図示しないガス燃焼ボイラーにより発生し
た高温熱風ガスを、導入管25から熱風循環用の配管2
4内に送り込み、反応容器12内の温度を750℃まで
上昇させ、2時間反応を行った。
【0030】ニッケル、炭素、水素、少量の硫黄又はリ
ン及び微量の酸素の5元系からなる反応の場において、
基板15にはマイナスイオンの電場が形成され、基板1
5はマイナスの電荷を帯びた状態になっている。そし
て、アセチレンの熱分解により生じたプラスの電荷を帯
びた反応種が、マイナスの電荷を帯びた基板15に強く
引き寄せられ、その上の金属触媒に効率良く誘導され
る。その結果、ニッケルによりアセチレンが接触的な触
媒作用に基づいて熱分解され、炭化ニッケルの単結晶
{炭化ニッケル(Ni3 C)に少量の硫黄原子(S)と
微量の酸素原子(O)が含まれるもの}が形成される。
【0031】さらに、炭化ニッケル単結晶がニッケルと
炭素に分解され、各結晶面において粒子内及び粒界拡散
が生じ、基板15上に炭素繊維が形成される。この場
合、ニッケル結晶面での触媒活性の異方性より、触媒活
性の大きい結晶面から成長した炭素繊維は成長が大き
く、触媒活性の小さい結晶面から成長した炭素繊維の外
側になるようにカールしながら成長し、2つの炭素繊維
はコイルを形成しながら成長する。また、得られるコイ
ル状炭素繊維は断面円形状に成長する。従って、生物の
デオキシリボ核酸(DNA)の構造に類似した二重螺旋
構造のコイル状炭素繊維が得られる。このコイル状炭素
繊維は、いわゆるコスモミメティック(宇宙を手本にし
た)カーボンマイクロコイルと称すべきものである。
【0032】このとき、ガス燃焼ボイラーにより発生し
た高温熱風ガスが、熱風循環用の配管24内を循環して
反応容器12内を加熱するため、反応容器12内に電磁
場は形成されない。そのため、反応種が電磁場に負ける
ことにより生じる直線状の炭素繊維や、炭素繊維が成長
せずに炭素粉末、堅い炭素固体、炭素層等が析出するの
を防止することができる。その結果、ニッケル結晶面か
ら成長するコイル状炭素繊維の割合を増大させることが
できる。
【0033】さらに、基板15に担持された金属触媒に
マイナスの電荷が作用するため、ニッケル結晶面での触
媒活性の異方性が大きく働き、コイル径の小さい炭素繊
維が成長するようになる。また、電磁場との相互作用に
よる直線状の炭素繊維の成長や炭素粉末の析出等のアセ
チレンの副反応を抑制することができる。従って、アセ
チレンの反応率を低く抑えることができるため、未反応
アセチレンを再利用することができる。
【0034】以上のように、第1実施形態によれば、次
のような効果が発揮される。 ・第1実施形態のコイル状炭素繊維の気相製造方法によ
れば、反応容器12内の加熱はガス燃焼ボイラーにより
発生した高温熱風ガスを熱風循環用の配管24を循環さ
せることにより行われるため、反応容器12の外部から
電磁場が形成されていない。従って、ニッケル結晶面が
電磁場と相互作用し、炭素繊維が直線状に成長したり、
炭素繊維が成長せずに炭素粉末、堅い炭素固体、炭素層
等が析出したりするのを防止することができる。そのた
め、コイル状に成長する炭素繊維の量を増大させること
ができるとともに、その収率を向上させることができ
る。
【0035】また、コイル状炭素繊維は断面円形状に成
長するため、断面扁平状の場合と比較して、その引張り
強度等の機械的強度を向上させることができる。従っ
て、コイル状炭素繊維を実用化した場合、その製品の強
度等の性質を向上させることができる。
【0036】・第1実施形態のコイル状炭素繊維の気相
製造方法によれば、反応容器12の加熱手段は、ガス燃
焼ボイラーにより発生した高温熱風ガスを、反応容器1
2の外周面に取り付けられた熱風循環用の配管24を循
環させることにより行われる。そのため、反応容器12
内を均一にかつ容易に加熱することができる。
【0037】・第1実施形態のコイル状炭素繊維の気相
製造方法によれば、基板15に直流電圧が印加され、基
板15にはマイナスイオンの電場が形成される。そのた
め、加熱分解により生じたプラスに帯電している反応種
を効率良くニッケルに誘導させることができ、ニッケル
に誘導されず副反応を起こすアセチレンの量を減少させ
ることができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0038】・第1実施形態のコイル状炭素繊維の気相
製造方法によれば、基板15に直流電圧が印加され、基
板15にはマイナスイオンの電場が形成される。そのた
め、交流電圧を基板15に印加し、基板15がプラスと
マイナスに交互に帯電する場合と比較して、反応種をよ
り効率良くニッケルに誘導させることができる。その結
果、ニッケルに誘導されず副反応を起こすアセチレンの
量を減少させることができ、製造コストの低減をより一
層図ることができる。
【0039】・第1実施形態のコイル状炭素繊維の気相
製造方法によれば、基板15に直流電圧が印加され、基
板15にはマイナスイオンの電場が形成される。そのた
め、ニッケルにマイナスの電荷が作用し、ニッケル結晶
面での触媒活性の異方性が大きく働き、コイル径の小さ
い及びコイル長さの長い炭素繊維を成長させることがで
きる。
【0040】・第1実施形態のコイル状炭素繊維の気相
製造方法によれば、基板15に直流電圧が印加され、基
板15にはマイナスイオンの電場が形成される。そのた
め、加熱分解により生じたプラスに帯電している反応種
を効率良くニッケルに誘導させることができ、副反応を
起こすアセチレンの量を低く抑えることができる。従っ
て、未反応アセチレンを大量に再利用することができ、
全体的なコイル状炭素繊維の収率を向上させることがで
きる。
【0041】・第1実施形態のコイル状炭素繊維の気相
製造方法により得られたコイル状炭素繊維は、断面円形
状で強度が高いとともに、コイル径が小さく、かつコイ
ルの長さが長いため、電磁波吸収材、マイクロマシー
ン、マイクロデバイス等に利用することができる。
【0042】・第1実施形態のコイル状炭素繊維の気相
製造方法によれば、原料ガス、触媒ガス及び必要に応じ
て流入されるシールガスの流量を流入口19を1分間に
流れる原料ガス、触媒ガス及び必要に応じて流入される
シールガスの量を示す線速度で示した場合、室温、1気
圧の条件下で100〜3000cm/minの範囲内に
設定されている。そのため、コイル状炭素繊維を効率良
く確実に成長させることができる。
【0043】・第1実施形態のコイル状炭素繊維の気相
製造方法によれば、流入口19と対向する基板15との
距離と、室温、1気圧の条件下で流入口19を1分間に
流れる原料ガス、触媒ガス及び必要に応じて流入される
シールガスの量を示す線速度の関係で示した場合、前記
距離は線速度の0.0001〜0.1倍の範囲内に設定
される。そのため、線速度を調節することにより流入口
19と対向する基板15との距離を設定することができ
る。従って、コイル状炭素繊維を効率良くかつ確実に成
長させることができる。
【0044】(第2実施形態)次に第2実施形態につい
て説明する。なお、この第2実施形態においては、上記
第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0045】図2に示すように、第2実施形態のコイル
状炭素繊維の製造装置11は、第1実施形態と同様のも
のが使用され、基板15に直流電圧を印加して電場を形
成するための直流電源17は省略されている。
【0046】耐熱用のアスベスト27は、反応容器12
の外周面に取り付けられ、5基のプロパンバーナー28
は、反応容器12の下方位置に所定間隔をおいて設けら
れている。そして、反応容器12全体を均一に加熱する
ことができるとともに、反応容器12内を一定温度にま
で上昇させることができるようになっている。
【0047】さて、第1実施形態と同様の原料を反応容
器12内に導入し、5基のプロパンバーナー28を使用
して、反応容器12を下部から加熱した。このとき、基
板15に電圧は印加されておらず、電場は形成されてい
ない。そして、750℃で2時間反応を行った。その結
果、ほとんどコイル状に成長した炭素繊維を効率良く成
長させることができた。
【0048】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、前記実施
形態をさらに具体的に説明する。 (実施例1)実施例1では、前記第2実施形態の製造装
置11と同様の装置を用い、4基のプロパンバーナー2
8を使用し、基板15に電場を形成しないでコイル状炭
素繊維の合成を行い、全コイル状炭素繊維の収率、アセ
チレンの反応率、長尺コイル状炭素繊維の収率、短尺コ
イル状炭素繊維の収率及び未反応アセチレンを回収して
アセチレンを100重量%反応させた場合のコイル状炭
素繊維の収率をそれぞれ算出した。また、得られたコイ
ル状炭素繊維のコイル径、コイルの断面形状及びその引
張り強度を測定した。
【0049】横型に配置された長さ1000mm、内径
60mmの透明石英製の反応容器12内に、ニッケル粉
末が塗布されることにより担持された基板15を、流入
口19から所定距離を保つように配置した。そして、反
応容器12の両端の開口部13が第1シール部材14に
より閉塞される。
【0050】次に、アセチレン、チオフェン及び水素ガ
スを流入口19より反応容器12内に流入させ、このと
き、アセチレン60ml/min、チオフェン1.1m
l/min、水素ガス200ml/min、窒素ガス1
00ml/minの流速で流入させた。さらに、窒素ガ
スを一対の注入口20より反応容器12内に流入させ
た。
【0051】次いで、ガス燃焼ボイラーより発生した高
温熱風ガスを、導入管25から熱風循環用の配管24内
に送り込み、配管24内を循環させた。そして、反応容
器12内を外部から加熱し、反応容器12内の温度を7
50℃まで上昇させ、2時間反応を行った。
【0052】得られた全コイル状炭素繊維の収率は、導
入原料ガス中の炭素量(g)に対する得られたコイル状
炭素繊維の量(g)を計測して算出し、さらに、その中
の長尺コイル状炭素繊維及び短尺コイル状炭素繊維の収
率も算出した。アセチレンの反応率は、排出されたガス
中の未反応アセチレンの量をガスクロマトグラフィー分
析法により求め、数1に示す式を用いて算出した。
【0053】
【数1】 なお、実施例2〜5及び比較例1〜2でも上記方法を用
いて、全コイル状炭素繊維の収率、アセチレンの反応
率、長尺コイル状炭素繊維の収率、短尺コイル状炭素繊
維の収率及び未反応アセチレンを回収してアセチレンを
100重量%反応させた場合のコイル状炭素繊維の収率
をそれぞれ算出した。それらの結果を表1に示した。
【0054】
【表1】 表1に示すように、アセチレンは20%反応し、そのう
ち17%がコイル状に成長した炭素繊維で、そのなかの
15%が長尺のコイル状炭素繊維であった。未反応のア
セチレンを回収してアセチレンを100重量%反応させ
た場合、コイル状に成長した炭素繊維を85%得ること
ができると推測される。
【0055】また、得られたコイル状炭素繊維は、コイ
ル径2μmの断面円形状に形成され、非常に均一に螺旋
状に巻回されたものであった。このコイル状炭素繊維
は、元の長さの約5倍まで弾性的に伸縮した。さらに、
このコイル状炭素繊維の引張り強度は、120〜150
kg/mm2 であった。
【0056】(比較例1)比較例1では、加熱手段とし
て、コイル状に形成されたニクロム線を用いた電熱加熱
器を使用した。そして、反応容器12の外部から電磁場
を形成した状態で加熱した以外は、実施例1と同様の方
法でコイル状炭素繊維の合成を行った。また、コイルの
断面形状及びその引張り強度を測定した。その結果を表
2に示す。
【0057】
【表2】 表2に示すように、実施例1と比較して、全コイル状炭
素繊維の収率と長尺コイル状炭素繊維の収率が低下する
とともに、短尺コイル状炭素繊維の収率が上昇した。ま
た、未反応アセチレンを回収してアセチレンを100重
量%反応させた場合のコイル状炭素繊維の収率は17%
と低いものであった。また、得られたコイル状炭素繊維
は、断面扁平状に形成され、元の長さの約3倍にまで引
っ張ったとき破断し、その引張り強度は45〜60kg
/mm2 であった。
【0058】(実施例2)実施例2では、触媒ガスとし
て硫化水素を使用した以外は、実施例1と同様の方法で
コイル状炭素繊維の合成を行った。なお、硫化水素は
0.5ml/minの流速で反応容器12内に流入させ
た。その結果を表3に示す。
【0059】
【表3】 表3に示すように、触媒ガスを硫化水素に変更した場
合、実施例1と比較して長尺コイル状炭素繊維の収率と
全コイル状炭素繊維の収率を向上させることができた
が、未反応のアセチレンを100重量%反応させた場合
の収率は、少し低下した。
【0060】(実施例3)実施例3では、触媒ガスとし
て三塩化リンを使用した以外は、実施例1と同様の方法
でコイル状炭素繊維の合成を行った。なお、三塩化リン
は0.5ml/minの流速で反応容器12内に流入さ
せた。その結果を表4に示す。
【0061】
【表4】 表4に示すように、触媒ガスを三塩化リンに変更した場
合、実施例1と比較して長尺コイル状炭素繊維の収率と
全コイル状炭素繊維の収率を向上させることができた
が、未反応のアセチレンを100重量%反応させた場合
の収率は、少し低下した。
【0062】(実施例4)実施例4では、基板15に直
流電圧を印加して、基板15にマイナスイオンの電場を
形成した以外は実施例1と同様の方法でコイル状炭素繊
維の合成を行った。なお、基板15には、500Vの電
圧を印加した。その結果を表5に示す。
【0063】
【表5】 表5に示すように、基板15に直流の電圧を印加して、
基板15にマイナスイオンの電場を形成した場合、実施
例1と比較して長尺コイル状炭素繊維の収率、全コイル
状炭素繊維の収率及び未反応のアセチレンを100重量
%反応させた場合の収率を向上させることができた。
【0064】(実施例5)実施例5では、基板15に交
流電圧を印加して、基板15に交流の電場を形成した以
外は実施例1と同様の方法でコイル状炭素繊維の合成を
行った。なお、基板15には、7000Vの電圧を印加
した。その結果を表6に示す。
【0065】
【表6】 表6に示すように、全コイル状炭素繊維の収率、アセチ
レンの反応率、長尺コイル状炭素繊維の収率及び短尺コ
イル状炭素繊維の収率は、実施例1とほぼ同じであった
が、未反応のアセチレンを100重量%反応させた場合
の収率が実施例1と比較して低下した。
【0066】(比較例2)比較例2では、加熱手段とし
て、コイル状に形成されたニクロム線を用いた電熱加熱
器を使用した。そして、反応容器12の外部から電磁場
を形成した状態で加熱し、さらに基板15に交流電圧を
印加して交流の電場を形成した以外は、実施例1と同様
の方法でコイル状炭素繊維の合成を行った。その結果を
表7に示す。
【0067】
【表7】 表7に示すように、アセチレンの反応率は実施例と比較
してかなり高いものであった。そのため、未反応アセチ
レンを回収し、アセチレンを100重量%反応させた場
合のコイル状炭素繊維の収率はかなり低いものであっ
た。また、全コイル状炭素繊維の収率は実施例1〜実施
例5とほぼ同じであったが、長尺コイル状炭素繊維の占
める割合が高いことが示された。
【0068】なお、前記実施形態を以下のように変更し
て具体化することも可能である。 ・第1実施形態と第2実施形態の反応容器12をそれぞ
れ縦型に配置し、流入口19を水平となるように設ける
とともに、流入口19までの距離を所定範囲内に保つよ
うに基板15を垂直に配置すること。または、反応容器
12及び流入口19を斜状に配置し、流入口19に対向
し、かつ流入口19までの距離を所定範囲内に保つよう
に基板15を斜状に設定すること。
【0069】このように構成した場合も、コイル状炭素
繊維を基板15上に成長させることができる。 ・横型の反応容器12を上に数段積み上げ、各反応容器
12に原料ガス及び触媒ガスが流入するように、流入口
19を反応容器12の側面に設けること。このとき、基
板15は、流入口19に対向するように配置されるとと
もに、流入口19から対向する基板15までの距離は所
定範囲内に保たれるように設定される。
【0070】このように構成した場合、一度のコイル状
炭素繊維の製造作業により、コイル状炭素繊維をさらに
効率良く、大量に合成することができる。 ・第1実施形態と第2実施形態の反応容器12の周面に
複数の流入口19を所定間隔をおいて設けるとともに、
前記複数の流入口19に対向するように基板15を拡大
すること。
【0071】このように構成した場合、コイル状炭素繊
維を一度に効率良く、大量に合成することができる。 ・第1実施形態と第2実施形態の基板15に高電圧の静
電場を形成することができる高電圧静電場発生装置を一
方の接続線16を介して接続すること。このとき、他方
の接続線16は解放された状態になっている。
【0072】このように構成した場合、基板15に静電
場を形成することができるとともに、コイル状炭素繊維
の収率を向上させることができる。 ・第1実施形態の熱風循環用の配管24による高温熱風
加熱と第2実施形態のプロパンバーナー28による加熱
を相互に取り替えてコイル状炭素繊維の合成を行うこ
と。
【0073】このように構成した場合も、反応容器12
の外部から電磁場が形成されず、コイル状炭素繊維の収
率を向上させることができる。 ・第1実施形態の基板15に電場を形成せずにコイル状
炭素繊維の合成を行うこと。
【0074】このように構成した場合も、反応容器12
の外部から電磁場が形成されず、コイル状炭素繊維の収
率を向上させることができる。 ・反応容器12から離れた場所で電熱加熱によりガスを
加熱し、加熱されたガスを反応容器12の加熱に用いる
こと。
【0075】このように構成した場合、電磁場を反応容
器12の外部より実質的に印加しないため、電磁場との
相互作用によるコイル状炭素繊維の副反応を抑制し、コ
イル状炭素繊維を効率良く成長させることができる。
【0076】さらに、前記実施形態より把握される技術
的思想について以下に記載する。 ・前記電圧を10〜3000Vの範囲内に設定した請求
項3又は請求項4に記載のコイル状炭素繊維の気相製造
方法。
【0077】このように構成した場合、基材に電圧を印
加して電場を形成することができるとともに、コイル状
炭素繊維の収率を向上させることができる。 ・前記直流電圧は10〜750Vの範囲内である請求項
4に記載のコイル状炭素繊維の気相製造方法。
【0078】このように構成した場合、コイル状炭素繊
維を基材に効率良く合成することができるとともに、そ
の収率を向上させることができる。 ・加熱手段を設けた反応容器に、熱分解して炭素を生成
する原料ガス及び触媒ガスを流通させるための流入口及
び流出口を備えるとともに、触媒を担持した基材を反応
容器内に配設し、前記基材の一端に接続線を介して、基
材に電圧を印加するための電源を設けたコイル状炭素繊
維の製造装置。
【0079】このように構成した場合、反応容器内の基
材に電圧を印加して電場を形成することができ、原料ガ
スの熱分解により生じた反応種を基板に効率良く誘導す
ることができる。その結果、コイル状炭素繊維を効率良
く得ることができ、その収率を向上させることができ
る。
【0080】・室温、1気圧の条件下で流入口から流入
される原料ガス及び触媒ガスを含む供給ガスの1分間当
たりの流入量を示す線速度は、100〜3000cm/
minの範囲内である請求項1〜請求項4のいずれかに
記載のコイル状炭素繊維の気相製造方法。
【0081】このように構成した場合、コイル状炭素繊
維を効率良く成長させることができる。 ・前記流入口と対向する基材との距離は、室温、1気圧
の条件下で流入口から流入される原料ガス及び触媒ガス
を含む供給ガスの1分間当たりの流入量を示す線速度の
0.0001〜0.1倍の範囲である請求項1〜請求項
4のいずれかに記載のコイル状炭素繊維の気相製造方
法。
【0082】このように構成した場合、線速度を調節す
ることにより流入口と対向する基材との距離を設定する
ことができ、コイル状炭素繊維を効率良くかつ確実に成
長させることができる。
【0083】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明のコイル状炭素繊維の気相製造方法によれば、コイル
状炭素繊維を効率良く得ることができるとともに、その
収率を向上させることができる。また、コイル状炭素繊
維の強度を向上させることができるとともに、コイル径
を小さく、かつコイルの長さを長くすることができる。
【0084】請求項2に記載の発明のコイル状炭素繊維
の気相製造方法によれば、請求項1に記載の発明の効果
に加え、反応容器の外部からその中に電磁場を形成する
のを防止することができ、電磁場との相互作用によるコ
イル状炭素繊維の副反応を抑制して、コイル状の炭素繊
維を効率良く成長させることができる。
【0085】請求項3に記載の発明のコイル状炭素繊維
の気相製造方法によれば、請求項1又は請求項2に記載
の発明の効果に加え、原料ガスの分解により生じた反応
種を基材上に効率良く誘導することができるとともに、
コイル状の炭素繊維を効率良く成長させることができ
る。
【0086】請求項4に記載のコイル状炭素繊維の気相
製造方法によれば、請求項3に記載の発明の効果に加
え、原料ガスの分解により生じた反応種を基材上により
効率良く誘導することができるとともに、コイル状の炭
素繊維を効率良く成長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のコイル状炭素繊維の製造装置を
示す断面図。
【図2】第2実施形態のコイル状炭素繊維の製造装置を
示す断面図。
【符号の説明】 11…コイル状炭素繊維の製造装置、12…反応容器、
15…基材としての基板、17…直流電源、19…流入
口、20…注入口、21…流出口、24…熱風循環用の
配管、28…プロパンバーナー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹羽 禎輔 愛知県大府市横根町箕手41−36 揖斐電ア セチレン 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱手段を設けた反応容器に、熱分解し
    て炭素を生成する原料ガス及び触媒ガスを流通させるた
    めの流入口及び流出口を備えるとともに、触媒を担持し
    た基材を反応容器内に配設し、熱分解して炭素を生成す
    る原料ガス及び触媒ガスを前記流入口から反応容器内に
    流入させ、電磁場を反応容器の外部より実質的に印加し
    ない雰囲気下で、触媒ガスの存在下に原料ガスを前記加
    熱手段により700〜830℃の温度で加熱分解して、
    前記基材上にコイル状炭素繊維を成長させるコイル状炭
    素繊維の気相製造方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱手段は、バーナー加熱、高温熱
    風加熱又は高温熱媒加熱によるものである請求項1に記
    載のコイル状炭素繊維の気相製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基材に電圧を印加して電場を形成す
    る請求項1又は請求項2に記載のコイル状炭素繊維の気
    相製造方法。
  4. 【請求項4】 前記電場は直流電圧を印加して形成され
    るマイナスイオンの電場である請求項3に記載のコイル
    状炭素繊維の気相製造方法。
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