JPH11246305A - 土壌消毒・殺虫物 - Google Patents

土壌消毒・殺虫物

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JPH11246305A
JPH11246305A JP10062059A JP6205998A JPH11246305A JP H11246305 A JPH11246305 A JP H11246305A JP 10062059 A JP10062059 A JP 10062059A JP 6205998 A JP6205998 A JP 6205998A JP H11246305 A JPH11246305 A JP H11246305A
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soil
plant
antibacterial substance
substance
disinfecting
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JP10062059A
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Tokuei Sakai
徳栄 坂井
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明が解決しようとする課題は、天然に存在
する殺菌・消毒、殺虫効果が知られている各種類の香辛
料、葱、柑橘類の皮、除虫菊などの抗菌性物質或は殺虫
物質と、処分に多大な経費と困難が伴う籾殻、大鋸屑、
果物の皮、肉魚の解体後の残留物、火山灰などを有効活
用できるように組合わせた土壌消毒・殺虫物を提供する
ことを目的としている。 【解決手段】請求項1の土壌消毒・殺虫物は、土壌を殺
菌、消毒或は土壌に侵入した害虫を殺虫するための抗菌
性物質と、その抗菌性物質を含有し或は浸透させる籾
殻、大鋸屑、紙裁断片、柑橘類の皮、肉や魚の骨や内臓
を始めとする動植物性或は軽石など内部に間隙或は繊維
質を備えた微小体と、を備え、その抗菌性物質を含有し
或は浸透させた微小体を、土壌に混入或は散布、混合
し、微小体から気化した気化抗菌性物質の抗菌作用によ
り土壌を殺菌、消毒或は土壌に侵入した害虫を殺虫する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌消毒・殺虫物
に関する。更に詳しくは、耕作物を育てる土壌に混合し
て使用し、その土壌を消毒、殺菌し、或は、土壌に侵入
した昆虫を殺虫するため、自然界に存在し、植物から抽
出され或は化学的に合成され、消毒・殺菌或は殺虫作用
を備え、山葵や生姜などの香辛料に多く含有するアリル
イソチオシアネート(アリルイソチオシアン酸アリル、
CH2 :CHCH2 NCS、以下、アリルイソチオシア
ネートと称す)、或は、百合科の葱などに多く含有し、
殺虫性物質である硫化アリル〔(CH2 CHCH2 )2
S〕、若しくは、菊科の除虫菊などに多く含有し、殺虫
性物質であるピレトリン(C21H28O3 ,C22H28O
5)を始めとした植物性抗菌性物質を浸透させた有効利
用されることの少ない籾殻や大鋸屑を始めとした動植物
性微小体或は軽石の微小体からなる土壌消毒・殺虫物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の土壌用殺菌・消毒物、土壌殺虫物
は、化学肥料と同様に化学的に合成したものが主流をな
しており、自然環境を破壊する要素の多いものであっ
た。そして、従来から、山葵、生姜、香辛料などの殺菌
・消毒効果そのものは、一般にも知られており、例え
ば、鮮魚の刺身に山葵、生姜などを添えて、それらの解
毒、消毒、殺菌作用を活用した利用法は、一般にも知ら
れていたが、これらの解毒、消毒、殺菌作用を有する植
物の含有成分であるアリルイソチオシアネートは、短時
間で気化してしまうためもあって、土壌の消毒、殺菌に
は使われていなかった。又、葱類や柑橘類の皮には殺菌
力があり、それらを土壌に混合すると、その土壌に害虫
が侵入せず、侵入した害虫が殺虫されることは、園芸家
を始めとする農家には昔から知られていたが、葱類や柑
橘類を土壌用殺菌物、殺虫物として利用し商品化するま
でに至らなかった。又、菊花の除虫菊などに含有する成
分(ピレトリン)には、殺虫効果があることは広く知ら
れており、蚊取線香として昔から使われていたが、土壌
用殺虫物として利用されていなかった。一方、稲作農家
にとっての脱穀後の籾殻の処分、製材業者にとっての製
材後の大鋸屑の処分、果物や魚、肉の缶詰業者にとっ
て、それらの廃残物の処分は、悩みの種であり、果物や
魚、肉の加工業者にとっても、それらの廃残物の処分
は、悩みの種であり、更に、桜島の噴火による土石流は
社会的にも大問題であるが、噴出した火山灰即ち軽石の
処理には、地域住民、地方自治体共々大変に苦労された
ことは、記憶に新しいところである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、効用が
知られているものの、商品化できないものがある一方
で、処分に多大な経費と困難が伴うものが沢山あるのが
実情である。本発明が解決しようとする課題は、以上の
ような欠点に鑑み、誰でもが簡単且つ容易に取扱え、自
然破壊を伴わず、天然に存在する抗菌性物質と殺虫物質
を中心に、処分に困り人類に有効利用されていない各種
物質を組合わせることにより、両者の物質を有効活用し
た土壌消毒・殺虫物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る土壌用殺菌
・消毒物、土壌用殺虫物は、以上のような課題を解決す
るものであって、次のようなものである。請求項1の土
壌消毒・殺虫物は、土壌を殺菌、消毒或は土壌に侵入し
た害虫を殺虫するための抗菌性物質と、その抗菌性物質
を含有し或は浸透させる籾殻、大鋸屑、紙裁断片、柑橘
類の皮、肉や魚の骨や内臓を始めとする動植物性或は軽
石など内部に間隙或は繊維質を備えた微小体と、を備
え、その抗菌性物質を含有し或は浸透させた微小体を、
土壌に混入或は散布、混合し、微小体から気化した気化
抗菌性物質の抗菌作用により土壌を殺菌、消毒或は土壌
に侵入した害虫を殺虫することを特徴とする。
【0005】請求項2の土壌消毒・殺虫物は、土壌を殺
菌、消毒或は土壌に侵入した害虫を殺虫するため、植物
から抽出し、或は、化学的に合成した植物性抗菌性物質
と、その抗菌性物質を含有し或は浸透させる籾殻、大鋸
屑、紙裁断片、柑橘類の皮、肉や魚の骨や内臓を始めと
する動植物性或は軽石など内部に間隙或は繊維質を備え
た微小体と、その植物性抗菌性物質を含有し或は浸透さ
せる籾殻、大鋸屑、紙裁断片、柑橘類の皮、肉や魚の骨
や内臓を始めとする動植物性或は軽石など内部に微細な
間隙或は繊維質を備えた微小体と、を備え、その植物性
抗菌性物質を含有或は浸透させた動植物性或は軽石の微
小体を、土壌に混入或は散布し、微小体から気化した気
化抗菌性物質の抗菌作用により土壌を殺菌、消毒或は土
壌に侵入した害虫を殺虫することを特徴とする。
【0006】請求項3の土壌消毒・殺虫物は、土壌を殺
菌、消毒或は土壌に侵入した害虫を殺虫するため、植物
から抽出し、或は、化学的に合成したアリルイソチオシ
アネート(アリルイソチオシアン酸アリル、CH2 :C
HCH2 NCS)或は硫化アリル〔(CH2 CHCH2
)2 S〕若しくはピレトリン(C21H28O3 ,C22H2
8O5 )などの植物性抗菌性物質と、その植物性抗菌性
物質を含有し或は浸透させる籾殻、大鋸屑、紙裁断片、
柑橘類の皮、肉や魚の骨や内臓を始めとする動植物性或
は軽石など内部に微細な間隙或は繊維質を備えた微小体
と、を備え、その植物性抗菌性物質を含有或は浸透させ
た動植物性或は軽石の微小体を、土壌に混入或は散布
し、微小体から気化した気化抗菌性物質の抗菌作用によ
り土壌を殺菌、消毒或は土壌に侵入した害虫を殺虫する
ことを特徴とする。
【0007】本願発明に係る土壌消毒・殺虫物の構成要
素を説明する。本願発明でいう抗菌性物質とは、山葵や
生姜から抽出したアリルイソチオシアネート(アリルイ
ソチオシアン酸アリル、CH2 :CHCH2 NCS)、
或は、アブラナ科植物である山葵或は生姜やカラシナ科
植物から抽出したアリルイソチオシアネート、若しく
は、菊科の除虫菊などから抽出したピレトリン(C21H
28O3 ,C22H28O5 )などの植物から抽出した抗菌性
抽出物であり、更に、化学的に合成した抗菌性物質をも
含む意味であり、エタノールなどのアルコール類や水に
溶解する物質である。例えば、アリルイソチオシアネー
ト或は抗菌性物質自体、アルコール類で希釈したアリル
イソチオシアネート或は抗菌性物質、増量材に練り込ん
だアリルイソチオシアネート或は抗菌性物質(練り山葵
など)、アリルイソチオシアネート或は抗菌性物質を含
有する山葵や生姜などの動植物或は動植物の微小体な
ど。尚、その中の1つであるアリルイソチオシアネート
(CH2 :CHCH2 NCS)は、厚生省から着香食品
としての食品添加物として認可されている人畜無害の物
質である。
【0008】硫化アリル〔(CH2 CHCH2 )2 S〕
は、百合科の葱に含有される殺虫性物質であり、薬味の
成分であり、ピレトリン(C21H28O3 ,C22H28O5
)は、菊科の除虫菊などに含有される殺虫性物質であ
り、それらの植物から抽出できると共に化学的に合成で
きる殺虫性物質である。又、柑橘類の皮には、リモニン
(リモネンとも言う、C26H30O8)、リナオロール
(C10H18O)、ペクチン(酸性多糖類)、ナリギンな
どを主成分とする精油が含有されており、それらの精油
は殺菌性を備えた物質であることも知られている。
【0009】土壌消毒・殺虫物は、気化性と油溶性を備
え、植物から抽出される抗菌性物質の、殊に、抗菌性物
質を気化させ、その気化した抗菌性物質の抗菌作用を活
用するものであり、次のようなものがある。本願発明で
言う抗菌性物質は、例えば、植物から抽出したアリル
イソチオシアネート(CH2 :CHCH2 NCS、以
下、単にアリルイソチオシアネートと称す)、硫化アリ
ル〔(CH2CHCH2)2S、以下、単に硫化アリルと
称す〕、ピレトリン〔(ピレトリンI=C21H28O3,
ピレトリンII=C22H28O5)、リモニン(C26H30
O8、以下、単にリモニンと称す)、酸性多糖類である
ペク チン或は脂肪酸フラボノイドなどとそれらの含有
物、化学的に合成したアリルイソチオシアネート、硫
化アリル、ピレトリン、リモニン、酸性多糖類であるペ
ク チン或は脂肪酸フラボノイドなどとそれらの含有
物、 で列記した抗菌性物質の任意の組合せ或は
それらの抗菌性物質をエタノールやエーテルなどアルコ
ール類や水で希釈した希釈抗菌性物質を言い、それらの
抗菌性物質は、気化性と油溶性を備え、気化した抗菌性
物質にも抗菌性が備わっている。それらの抗菌性物質の
うち、アリルイソチオシアネートは、アブラナ科植物で
ある山葵或は生姜やカラシナ科植物などの香辛料から抽
出され、硫化アリルは、百合科の葱などの植物から抽出
され、ピレトリンは、菊科の除虫菊などの植物から抽出
され、酸性多糖類であるペクチン或は脂肪酸フラボノイ
ドは、柑橘類の皮などの植物から抽出される。又、それ
らの抗菌性物質は、化学的に合成でき、エタノールやエ
ーテルなどアルコール類や水で希釈できると共に練り山
葵や練り辛子のように他の食品などと混合することがで
きる。その抗菌性物質のうちのアリルイソチオシアネー
トは、厚生省から安全性が認められ、着香用の食品添加
物として認可されており、アリルイソチオシアネートの
殺菌力は周知のことであり、山葵を刺身と共に食す習慣
や鯖と生姜の裁断片を一緒に煮ることも、アリルイソチ
オシアネートの殺菌力を利用している。硫化アリルは、
百合科の葱から抽出され、廃棄処分する葱を肥料と共に
土壌に混入すると、耕作物に有害な小動物が近寄らない
ことが農家に知られている。ピレトリンは、菊科の除虫
菊などの植物から抽出され、明治以来蚊取線香に使用さ
れ、殺虫剤として知れ渡っている。酸性多糖類であるペ
クチン或は脂肪酸フラボノイドは、柑橘類に大量に含ま
れており、柑橘類の皮を乾燥して土壌に散布或は混入す
ると、耕作物に有害な小動物が近寄らないことが農家に
知られており、柑橘類から抽出される。これらの抗菌性
物質は、自然界に存在する物質であり、そのまま投棄処
分しても、環境汚染に繋がることはない。本願では、植
物から抽出し、或は、化学的に合成したアリルイソチオ
シアネート、硫化アリル、ピレトリン、ペクチン或は脂
肪酸フラボノイドなどを総称して抗菌性物質と称す。
【0010】
【図4】
【0011】上記アリルイソチオシアネートの抗菌効果
比較図の測定法は、殺菌剤や防腐剤を含まずに調理した
ライス及び惣菜を、熱湯消毒したアルミ皿に各20gづ
つ秤量し、プラスティック製容器に入れ、アリルイソチ
オシアネート溶液を浸透させた爪楊枝1本を添加したも
の(+)及び無添加のもの(−)を20°Cの室温で
0,6,24及び48時間放置した後、各食材に生息す
る菌本体をコロニーアッセイ法にて測定したものであ
る。
【0012】
【図5】
【0013】上記アリルイソチオシアネートの抗菌効果
比較図(写真)は、前記図4により測定したうちの48
時間放置時の顕微鏡撮影写真である。図13は、アリル
イソチオシアネートを浸透させた爪楊枝を白飯や惣菜な
どの食材と共に容器に封入すると、例えば、その爪楊枝
を食材と共に弁当に収納し、数時間後にその弁当を食す
時には、混入した前述の各種雑菌が滅菌されており、食
中毒など人間への弊害をもたらさないことを示してい
る。
【0014】
【表1】
【0015】上記表1は、微量のアリルイソチオシアネ
ート濃度下におけるアリルイソチオシアネートの抗菌効
果を示しており、麹黴(Aspergillus ni
ger,Aspergillus flavus)、青
黴(Penicilliumislandicum,P
enicillium Chrysogenum,Pe
nicillium curinum)、アルコール酵
母(Saccharomyces cerevisia
e)、カンディダ酵母(Candida albica
ns,Candida toropicalis)、大
腸菌(Escherichia coli)、サルモネ
ラ(Salmonella typhimurium,
Salmonella enteritidis)、緑
膿菌(Pseudomonas aeruginos
a)、ブドウ球菌(Staphylococcus a
ureus,Staphylococcus epid
ermidis)、枯草菌(Bacillus sub
tilis,Bacillus cereus)などに
顕著な効果を示す。表1は、例えば、麹黴、アルコール
酵母、カンディダ酵母、大腸菌は、アリルイソチオシア
ネートの5〜10ppm雰囲気下では、アリルイソチオ
シアネートがない場合の1/2しか育たないことを示し
ている。
【0016】上記図12、図13、表1に示すようなア
リルイソチオシアネートを始めとした抗菌性物質の顕著
な作用効果を土壌消毒・殺虫物に活用したものである。
【0017】微小体とは、粒体、粉体、小さく裁断或は
破砕した裁断片或は破砕片などを含み、例えば、籾殻や
米糠、大鋸屑、山葵や生姜などを小さく裁断したもの、
葱や柑橘類の皮などを乾燥して破砕したもの、雪花菜や
農作物の残滓など廃棄物として破棄されているもの、火
山灰や軽石の破砕体など種々の物質が考えられる。
【0018】
【作用】本願発明に係る土壌消毒・殺虫物を作物を耕作
する田畑や植木鉢の土壌に混入或は散布すると、土壌の
雑菌が殺菌・消毒され或は侵入した害虫が殺虫されるか
ら、それらの土壌に植える耕作物の特に発芽、育苗を順
調に進め、構成要素である抗菌性物質、殺虫性物質を含
有する植物性微小体、籾殻、大鋸屑、蜜柑の皮、肉魚の
解体後の廃棄物などの動植物性微小体、軽石の微小体
は、全て天然に存在する自然物であり、それらを使った
本発明の土壌用殺菌・消毒物、土壌用殺虫物には、自然
破壊を伴う要素が存在しない。特に、それらの動植物性
微小体、軽石の微小体は、有効活用されていないのみな
らず、処分に多大な経費と困難を伴うものであり、それ
らの発生元は勿論のこと、最終処分担当者である地方自
治体にとっても、喜ばしいことである。
【0019】
【発明の実施の形態】「実施の形態1」以下、本発明の
実施例を、図示例と共に説明する。図1は、本発明に係
る土壌消毒・殺虫物の説明用概念図である。図1に基づ
き土壌消毒・殺虫物を説明する。本発明の土壌消毒・殺
虫物は、山葵、生姜、唐辛子などの香辛料に含有されて
いる抗菌性物質であるアリルイソチオシアネートなどの
抗菌作用を利用すると共に、一般には廃棄物として処理
されている籾殻、大鋸屑、柑橘類など果物の皮、動物や
魚を解体したのちに残る頭、骨、内臓など残留物(利用
可能部分であっても良い)、噴火灰即ち軽石などを有効
利用するために開発したものである。アリルイソチオシ
アネートは、前述のように抗菌性物質であり、アブラナ
科植物である山葵或は生姜やカラシナ科植物、或は、唐
辛子など各種香辛料に含有されており、それらの植物か
ら抽出できると共に、化学的に合成できるから、アリル
イソチオシアネートは、植物から抽出したものであって
も、化学的に合成したものであっても良い。
【0020】先ず始めに、抗菌性物質を含有する前記香
辛料の1種或は復数種を粉砕、破砕し、粉体状、粒体状
とした植物性微小体1,1を形成する。当然のことでは
あるが、この植物性微小体1,1には、殺菌性物質であ
るアリルイソチオシアネート含有されている。次に、前
記のような籾殻や大鋸屑のように一般に廃棄物として処
分される植物性微小体、缶詰など食品加工後に残留物と
して残る柑橘類や林檎などの皮を粉砕、破砕し、粉体
状、粒体状とした植物性微小体、肉魚などの解体残留物
を粉砕、破砕し、粉体状、粒体状とした動物性微小体、
或は、軽石や火山灰を粉砕、破砕し、粉体状、粒体状と
した鉱物性微小体など、動植物性、鉱物性微小体2,2
を形成する。前者のアリルイソチオシアネートを含有す
る植物性微小体1,1と、後者の動植物性微小体或は軽
石の微小体2,2を混合する。以上のような構成を備え
た植物性微小体1,1と、動植物性微小体或は軽石の微
小体2,2を混合した土壌消毒・殺虫物であるから、田
畑や植木鉢などの土壌に混合すると、根腐れ病などを始
め、土壌内の病原菌が殺菌・消毒され、耕作物が順調に
発芽、育成する。又、両者の植物性微小体1,1、動植
物性微小体2,2は、何れ腐敗して肥料となり、後者の
中の軽石の微小体2,2は、自然物であり、耕作物の阻
害要因ではなく、自然の有機農法であり、天然破壊に繋
がる要素はない。特に、後者の動植物性微小体2,2と
軽石の微小体2,2は、本来廃棄処分されるものであ
り、発生源である農家や企業にとっても、最終処分担当
者である地方公共団体にとっても大変喜ばしいことであ
る。
【0021】「実施の形態2」再度、図1を使用して本
発明の異なる実施の形態を説明する。尚、本実施の形態
以下の説明に当たって、本発明の記載済み実施の形態と
同一構成部分には、同一符号を付して重複する説明は省
略し、図面上同一であっても、構成の異なるものには、
異なる符号を付して、重複する図面は省略する。前記本
発明の実施の形態と主に異なる点は、殺菌性物質である
アリルイソチオシアネートを含有する植物性微小体1,
1を、硫化アリルを含有する植物性微小体3,3に代え
たことである。その硫化アリルは、百合科の葱類に含有
されており、葱類から抽出できると共に化学的に合成で
きる殺虫性物質である。以上のような構成の土壌消毒・
殺虫物であるから、前記実施の形態同様、土壌に混入し
或は散布すると、土壌内に侵入した害虫を殺害し、侵入
を妨げるから、耕作物を順調に発芽、育成し、前記実施
の形態と同様の効果が得られる。
【0022】「実施の形態3」更に、図1を使用して本
発明の異なる実施の形態を説明する。前記本発明の実施
の形態と主に異なる点は、抗菌性物質であるアリルイソ
チオシアネートを含有する植物性微小体1,1を、ピレ
トリン(C21H28O3 ,C22H28O5 )を含有する植物
性微小体4,4に代えたことである。このピレトリン
は、菊科の除虫菊などに含有され、その除虫菊から抽出
できると共に化学的に合成できる殺虫性物質である。以
上のような構成の土壌消毒・殺虫物であるから、実施の
形態2と同様の作用効果が得られる。
【0023】「実施の形態4」今一つ、図1を使用して
本発明の異なる実施の形態を説明する。前記本発明の実
施の形態と主に異なる点は、アリルイソチオシアネート
を含有する植物性微小体1,1を、リモニン(リモネン
とも言う、C26H30O8)、リナオロール(C10H18
O)、ペクチン(酸性多糖類)、ナリギンなどを主成分
とする精油を含有する植物性微小体5,5に代えたこと
である。その精油は柑橘類の皮に大量に含有されてお
り、殺菌性を備えた精油であり、柑橘類の皮から抽出す
ることができると共に<化学的に合成できる殺菌性物質
である。以上のような構成の土壌消毒・殺虫物であるか
ら、実施の形態1と同様の作用効果が得られる。
【0024】「実施の形態5」図2は、本発明に係る土
壌消毒・殺虫物の動植物性微小体に抗菌性物質を浸透さ
せる前の状態を示す説明用概念図、 図3は、本発明に
係る土壌消毒・殺虫物の動植物性微小体に抗菌性物質を
浸透させた状態を示す説明用概念図である。図2,図3
に基づき次の実施例を説明する。前記本発明の実施の形
態と主に異なる点は、前述の植物から抽出し、或は、化
学的に合成した前記アリルイソチオシアネート、硫化ア
リル、ピレトリン、精油など油性の抗菌性物質或は殺虫
性物質を含有する微小体1,1,3,3,4,4,5,
5,を、液状の溶油性抗菌性物質或は殺虫性物質6,6
とし、籾殻や大鋸屑、山葵や生姜などを小さく裁断した
もの、葱や柑橘類の皮などを乾燥して破砕したもの、噴
火物即ち火山灰や軽石の破砕体など、主に廃棄処分さ
れ、有効活用されていない物質の微小体7,7に浸透さ
せたことである。以上のような構成の土壌消毒・殺虫物
であるから、前記実施の形態1〜4と同様の作用効果が
得られる。
【0025】
【発明の効果】本発明に係る土壌消毒・殺虫物は、以上
のような構成を備えているので、以下に列記するような
諸々の効果を奏する。即ち、本願発明に係る土壌消毒・
殺虫物を作物を耕作する田畑や植木鉢の土壌に混入或は
散布すると、構成要素である植物性微小体には、抗菌性
物質或は殺虫性物質であるアリルイソチオシアネート、
硫化アリル、ピレトリン、油性の精油などが含有されて
いるから、土壌の雑菌が殺菌・消毒され或は侵入した害
虫が殺害されるから、それらの土壌に植える耕作物の特
に発芽、育苗を順調に進める。
【0026】又、構成要素である抗菌性物質、殺虫性物
質自体、抗菌性物質、殺虫性物質を含有する植物性微小
体、籾殻、大鋸屑、蜜柑の皮、肉魚の解体後の廃棄物な
どの動植物性微小体、軽石の微小体は、全て天然に存在
する自然物であり、それらを使った本発明の土壌用殺菌
・消毒物、土壌用殺虫物には、自然破壊を伴う要素が存
在しない。特に、後者の動植物性微小体、軽石の微小体
は、有効活用されていないのみならず、処分に多大な経
費と困難を伴うものであり、それらの発生元は勿論のこ
と、最終処分担当者である地方自治体にとっても、非常
に喜ばしいことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る土壌用殺菌・消毒物、土壌用殺虫
物の説明用概念図である。
【図2】本発明に係る土壌用殺菌・消毒剤、土壌用殺虫
剤の動植物性微小体に抗菌性物質を浸透させる前の状態
を示す説明用概念図である。
【図3】本発明に係る土壌用殺菌・消毒剤、土壌用殺虫
剤の動植物性微小体に抗菌性物質を浸透させる前の状態
を示す説明用概念図である。
【図4】アリルイソチオシアネートの抗菌効果比較図
【図5】図4のうち48時間放置時の顕微鏡撮影写真
【表1】アリルイソチオシアネートの対菌増殖抑止効果
表である。
【符号の説明】
1・・・・・植物性微小体 2・・・・・動植物性、鉱物性微小体 3・・・・・植物性微小体 4・・・・・植物性微小体 5・・・・・植物性微小体 6・・・・・液状の溶油性抗菌性物質或は殺虫性物質 7・・・・・動植物性、鉱物性微小体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 31/14 A01N 31/14 47/46 47/46 53/02 65/00 A 65/00 53/00 502C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土壌を殺菌、消毒或は土壌に侵入した害
    虫を殺虫するための抗菌性物質と、 その抗菌性物質を含有し或は浸透させる籾殻、大鋸屑、
    紙裁断片、柑橘類の皮、肉や魚の骨や内臓を始めとする
    動植物性或は軽石など内部に間隙或は繊維質を備えた微
    小体と、 を備え、 その抗菌性物質を含有し或は浸透させた微小体を、土壌
    に混入或は散布、混合し、微小体から気化した気化抗菌
    性物質の抗菌作用により土壌を殺菌、消毒或は土壌に侵
    入した害虫を殺虫することを特徴とする土壌消毒・殺虫
    物。
  2. 【請求項2】 土壌を殺菌、消毒或は土壌に侵入した害
    虫を殺虫するため、植物から抽出し、或は、化学的に合
    成した植物性抗菌性物質と、 その抗菌性物質を含有し或は浸透させる籾殻、大鋸屑、
    紙裁断片、柑橘類の皮、肉や魚の骨や内臓を始めとする
    動植物性或は軽石など内部に間隙或は繊維質を備えた微
    小体と、 その植物性抗菌性物質を含有し或は浸透させる籾殻、大
    鋸屑、紙裁断片、柑橘類の皮、肉や魚の骨や内臓を始め
    とする動植物性或は軽石など内部に微細な間隙或は繊維
    質を備えた微小体と、 を備え、 その植物性抗菌性物質を含有或は浸透させた動植物性或
    は軽石の微小体を、土壌に混入或は散布し、微小体から
    気化した気化抗菌性物質の抗菌作用により土壌を殺菌、
    消毒或は土壌に侵入した害虫を殺虫することを特徴とす
    る土壌消毒・殺虫物。
  3. 【請求項3】 土壌を殺菌、消毒或は土壌に侵入した害
    虫を殺虫するため、植物から抽出し、或は、化学的に合
    成したアリルイソチオシアネート(アリルイソチオシア
    ン酸アリル、CH2 :CHCH2 NCS)或は硫化アリ
    ル〔(CH2CHCH2 )2 S〕若しくはピレトリン
    (C21H28O3 ,C22H28O5 )などの植物性抗菌性物
    質と、 その植物性抗菌性物質を含有し或は浸透させる籾殻、大
    鋸屑、紙裁断片、柑橘類の皮、肉や魚の骨や内臓を始め
    とする動植物性或は軽石など内部に微細な間隙或は繊維
    質を備えた微小体と、 を備え、 その植物性抗菌性物質を含有或は浸透させた動植物性或
    は軽石の微小体を、土壌に混入或は散布し、微小体から
    気化した気化抗菌性物質の抗菌作用により土壌を殺菌、
    消毒或は土壌に侵入した害虫を殺虫することを特徴とす
    る土壌消毒・殺虫物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002068902A (ja) * 2000-08-31 2002-03-08 Fumakilla Ltd 土壌生活性の不快害虫駆除剤及びそれを用いた駆除方法
JP2008230993A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Nagano Prefecture イネ健全苗の生育方法
JP2012236785A (ja) * 2011-05-10 2012-12-06 Earth Chemical Co Ltd 植物成長調整剤およびそれを用いた植物の生育方法

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