JPH11245750A - エアバッグ - Google Patents

エアバッグ

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JPH11245750A
JPH11245750A JP4728398A JP4728398A JPH11245750A JP H11245750 A JPH11245750 A JP H11245750A JP 4728398 A JP4728398 A JP 4728398A JP 4728398 A JP4728398 A JP 4728398A JP H11245750 A JPH11245750 A JP H11245750A
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JP
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sewn
sewing
airbag
stitching
flat
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JP4728398A
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Tadao Shikanuma
忠雄 鹿沼
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Nihon Plast Co Ltd
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Nihon Plast Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 量産に適し、かつ耐圧特性にも優れたエ
アバッグの提供。 【解決手段】 部材を縫合して構成されてなるエアバッ
グであって、前記部材の被縫着部を互いに縫合する縫合
部の少なくとも一部が扁平縫いによって縫製されるエア
バッグ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車の衝突時
に乗員を保護するためのエアバッグに関し、展開時の突
出に伴い発生する衝撃力に耐えうる、堅牢で強固で耐圧
特性に優れるエアバッグに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、乗員保護用安全装置としてエアバ
ッグシステムが普及してきており、運転席用、助手席
用、側突防護用(サイドエアバッグ)、後席用など装着
部位も増加している。
【0003】しかるに、搭載されるエアバッグシステム
の部位・数量が増えるにつれ、システムの軽量化、小型
化が求められるようになり、システムの各部品は小型化
・軽量化を目指した設計が行われてきている。その中で
エアバッグも、袋体を構成する基布を軽く薄い材料にす
るため、使用する原糸も840デニールから420デニ
ール、さらに315デニールへと細くなって一部210
デニールまでが使用の検討対象になっている。細いデニ
ールの原糸を用いた基布は軽くて薄くなる反面、太いデ
ニールの原糸を用いた基布に比べて力学的特性が不足す
る傾向がある。
【0004】そのため、エアバッグの縫製法を検討して
袋体としての耐圧特性を向上させるという試みがなされ
てきた。例えば特開平4−362442号公報には、袋
体の外周の縫製に主として用いられる二重環縫いの縫糸
の総繊度や縫目線間の幅、縫製ピッチなどを特定して縫
製強力利用率を高める工夫が開示されている。
【0005】また、特開平6−156172号公報に
は、インフレータ取付口の周囲に補強布を取付ける場合
に、補強布を本体基布に対して放射方向で周方向にジグ
ザグ状に連結して縫製して、取付口周囲の補強効果を高
める提案がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法は、エアバッグの特定の部位にしか適さない縫製方
法であったり、縫製工程が煩雑で量産に好適でない縫製
仕様であるとの問題を有している。本発明は、これら従
来の縫製工程の問題点を解消し、エアバッグを構成する
基布同志の縫合のすべての場合に好適である等、量産に
合理的な縫製法によりなり、かつ性能面においても堅牢
にして強固で耐圧特性にも優れたエアバッグを提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、軽量の基布
で構成したエアバッグの縫製法であって、耐圧特性を改
善できるものを鋭意検討した結果、扁平縫いを用いるこ
とで、所期の耐圧特性に到達できることを見出し、本発
明に至った。
【0008】すなわち、本発明は、(1)部材を縫合し
て構成されてなるエアバッグであって、前記部材の被縫
着部を互いに縫合する縫合部の少なくとも一部が扁平縫
いによって縫製されるエアバッグ、(2)縫糸番手T、
運針数S(針/cm)としたとき、下記(1)式と
(2)式を満足する縫製条件で縫製される請求項1記載
のエアバッグ、 (1)20≦T≦60 (2)2≦T/S≦8 (3)扁平縫いによって縫製される縫合部が、エアバッ
グ本体を構成する部材である一つの本体基布のインフレ
ータ取付口周辺の縫着部と他の部材である補強布の縫着
部を互いに縫合する縫合部である前記(1)または
(2)記載のエアバッグ、(4)扁平縫いによって縫製
される縫合部が、エアバッグ本体を構成する部材である
一つの本体基布の排気口周辺の縫着部と他の部材である
補強布の縫着部を互いに縫合する縫合部である前記
(1)または(2)記載のエアバッグ、(5)扁平縫い
によって縫製される縫合部が、エアバッグ本体を構成す
る部材である二つの本体基布の外周部の縫着部を互いに
縫合する縫合部である前記(1)または(2)記載のエ
アバッグ、(6)扁平縫いによって縫製される縫合部
が、エアバッグ本体を構成する部材である一つの本体基
布のインフレータ取付口周辺の縫着部と、該インフレー
タ取付口に相対する他の本体基布内面の縫着部と、これ
ら両者を結合する吊紐の両端の縫着部とを縫合する縫合
部である前記(1)または(2)記載のエアバッグ、に
関する。
【0009】本発明のエアバッグにおいて、最も重要な
ことは、エアバッグの互いに縫合される部材の縫合部の
少なくとも一部を扁平縫いにより縫合することである。
本願発明における扁平縫いは、通常エアバッグが縫合さ
れている部位のうちの、展開時の突出による衝撃を受け
やすい部位に適用するのが好ましい。
【0010】そのような部位としては、エアバッグ本体
を構成する部材である本体基布同志の縫合部、本体基布
とエアバッグ取付口や排気口の周縁を補強する補強布あ
るいは吊紐との縫合部などがある。本発明のエアバッグ
は、縫合部の少なくとも一部が扁平縫いを用いて縫合さ
れるが、インフレータ取付口の補強布縫い付け固定部に
扁平縫いを適用するのが極めて有効である。エアバッグ
に大きな衝撃力が作用する展開プロセスの初期段階にお
いては、エアバッグのインフレータ取付口はステアリン
グホイールのボスプレートなどを介してまたは直接に車
体にエアバッグシステムを取付けるための支持部材に共
締めなどして固定され、強大な引張力が作用するので、
取付口周縁部と補強布を縫合している縫目、特に取付口
周縁に施された複層の縫目のうちの最外層の縫目に大き
な剪断力が加わる。縫目の耐剪断特性は、縫い糸の太さ
や運針数、縫目仕様に依存するが、とりわけ縫い付け固
定されている幅に比例して高くなると考えられる。
【0011】そのため、従来用いられていた本縫いや二
重環縫いでは縫目本数を集中して多数本並べたり、ある
幅にジグザグ状に縫っていた。しかし、これらの方法で
は、縫製工程で工数がかかり、量産に向かないし、縫目
の幅が大きくなり縫シロを確保するためより大きな基布
が必要になるとともに、常用の5番手糸や8番手糸など
の太い縫糸に対応した太い縫針を用いて特定箇所に集中
的に縫製することで却って基布を痛め、結果として縫目
強力を低下させる場合もあった。
【0012】これに対して、オーバーロック縫いや安全
縫いなどはある幅をもって縫合させることはできるが、
基布の端部に沿って端部を包み込むようにして縫うた
め、エアバッグの本体部内の、たとえばインフレータ取
付口や排気口のための補強布の縫い付けには適さない。
【0013】本願発明でいう扁平縫いとは、飾り縫い、
あるいはフラットシーム縫いなどとも呼ばれるので、伸
縮性に富み強度の優れた縫目を形成する、各種衣料の袖
口や襟口、裾まわりなどの端部のほつれ防止と装飾のた
めに施されている縫仕様である。扁平縫い用のミシンは
扁平縫いミシンと呼ばれるもので、縫い方を大別すると
片面扁平縫いと両面扁平縫いとがある。片面扁平縫いは
縫針は2本または3本、縫糸は3本または4本、両面扁
平縫いは縫針は2本または3本、縫糸は4本または5本
により縫製することができる。また、複数本の針幅は、
針本数により2.4mm乃至6.4mmの中から選択で
きる。
【0014】扁平縫いの一例を模式的に図6に示した。
2本針4本糸で縫製され、針糸101、102が布地を
上下(表裏)で縫い合わせ、上飾り糸103が表(図の
上側)を、二重環ルーパー糸104が裏(図の下側)
を、針糸101、102間を行き来するように飾り、伸
縮性など上記の特性を有する縫目を形成する。
【0015】すでに述べたように、扁平縫いは従来衣料
用途に主として利用されてきたため、細い縫糸が使用さ
れており、通常強度保持のためより太い縫糸が使用され
るエアバッグへの適用は不向きとして顧みられていなか
った縫製法である。
【0016】また、扁平縫いミシンも従来衣料用途に主
に使用されてきたため概して細い縫糸に適しており、改
造などなしに適用するときは、通常エアバッグに使用さ
れてきた縫糸より細い縫糸を用いることが好ましい。し
かし、エアバッグに要求される耐圧特性を保持するには
例えば縫糸番手T、運針数S(針/cm)とした時、下
式に示す(1)式と(2)式を満足する縫製条件で縫製
することが本発明の効果を更に有効なものとすることが
できるため、より好ましい。
【0017】(1)20≦T≦60 (2)2≦T/S≦8 本発明の好ましい縫製条件のうち、縫糸番手Tについて
は20番手より小さい番手、すなわち太い縫糸では、織
物に大きな縫目穴を形成することとなり、展張時の急激
な伸張により縫い目が拡大し、破損するおそれがある。
また、60番手よりも大きい番手、すなわち細い縫糸で
は、縫い合わせた部分の補強効果が小さい。ここでいう
縫糸番手とはJIS L−2510、L−2511およ
びL−2512に規定される化合繊縫糸とよぶ縫糸の番
手を示し、フィラメント糸縫糸の場合は番手とデニール
の関係は概略次のとおりである。20番手が600〜7
20デニール、30番手が400〜480デニール、4
0番手が270〜330デニール、50番手が200〜
240デニール、60番手が140〜170デニール。
紡績糸縫糸の場合は前記JISに記載の数値表のデシテ
ックスから換算すればよい。
【0018】また運針数S(針/cm)については、T
/Sが2よりも小さいと縫目が密になりすぎ縫い合わせ
部が粗硬となるとともに縫製のための工数が大となる。
またT/Sが8より大きいときは縫目が粗になりすぎ適
正な縫目強力を確保できない。本発明の縫製に用いるミ
シン針は、従来のエアバッグの縫製に用いられている針
番手20番手以上の太い針より細いミシン針、たとえば
18番手、16番手などを用いるとよい。またボールポ
イント型という針の先端部の丸いミシン針を用いると一
層効果的である。
【0019】本発明においては、使用する縫糸の上糸と
下糸となどで糸番手の異なる場合は、いずれの縫糸も上
記(1)式および(2)式を満足するのが最も好ましい
が、上糸と下糸の少なくとも一方が(1)式及び(2)
式の関係を満足すればよい。本発明に使用する縫糸は、
一般に化合繊縫糸と呼ばれるものや、工業用縫糸として
使用されているものの中から適宜選択すればよく、たと
えばナイロン6、同66、同46、ポリエステル、ビニ
ロン、アラミド、カーボン、ガラスなどがあり、紡績
糸、フィラメント合撚糸、フィラメント樹脂加工糸のい
ずれでもよい。
【0020】本発明のエアバッグ本体を構成する基布
は、通常の織物、多重織物、多軸織物、通常の編物、多
軸編物、編組物、不織布、フィルムあるいはリボン、テ
ープ、フィルムのスリット物、スプリット物などのシー
ト類またはこれらの積層物などから適宜選択すればよ
い。これらの基布を構成する原糸は100〜500デニ
ール、好ましくは100〜250デニールの範囲にあれ
ばよく、基布の目付けも80〜240g/m2の範囲に
あればよい。
【0021】本発明のエアバッグのインフレータ取付口
周辺の補強に用いられる補強布は、袋体に用いられたも
のと同じ基布でもよいが、別途準備した補強用織物、た
とえばナイロン66の840デニール、420デニール
または315デニールなどを用いて作られた本発明のエ
アバッグ用基布より厚手織物の一枚を、または複数枚を
用いてもよい。ここでいう補強布は、インフレータから
噴出する熱ガスを遮断するための防炎布を含むものと
し、補強布に耐熱性を付与するためにシリコーン樹脂、
フッ素樹脂などの耐熱性樹脂、耐熱性ゴムなどを塗布し
てもよいし、アラミド繊維などの耐熱性繊維を用いた布
を使用してもよい。
【0022】本発明のエアバッグを構成する基布はイン
フレータの性能やエアバッグの容積および使用部位など
によってはゴムや樹脂などを積層塗布して不通気性加工
を行ってもよいし、不通気性加工を施さないノンコート
基布でもよい。ノンコート基布の場合、精練、乾燥、熱
セットなどを行えばよく、熱セット温度などの条件は、
通気性や機械特性を考慮して選定すればよい。またこの
基布を構成する繊維糸状は特に限定されない。例えば、
ナイロン6、同66、同46、同610などの単独また
はこれらの共重合や混合によって得られるポリアミド繊
維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレートなどの単独または
これらの共重合や混合により得られるポリエステル繊
維、パラフェニレンテレフタルアミドおよびこれと芳香
族エーテルとの共重合体などに代表されるアラミド繊
維、全芳香族ポリエステル繊維、ビニロン繊維、超高分
子量ポリエチレンなどのポリオレフィン繊維、塩化ビニ
ル系および塩化ビニリデン系繊維、ポリテトラフルオロ
エチレン系を含むフッ素系繊維、ポリサルフォン(PS
f)繊維、ポリフェニレンサルファイド系(PPS)繊
維、ポリエーテルエーテルケトン系(PEEK)繊維、
ポリイミド(PI)繊維、ポリエーテルイミド(PE
I)繊維、高強力レーヨンを含むセルロース系繊維、ア
クリル系繊維、炭素繊維、ガラス繊維、シリコンカーバ
イド(SiC)繊維、アルミナ繊維などから適宜選定す
ればよいが、場合によってはスチールに代表される金属
繊維などの無機繊維を含んでもよい。
【0023】これらの繊維糸状には紡糸性や加工性、材
質の耐久性を改良するために通常使用されている各種の
添加剤、たとえば耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定
剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、顔料、撥水剤、酸化
チタンなどの隠ぺい剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤な
どの一種または二種以上を使用してもよい。また場合に
より加熱、嵩高加工、捲縮加工、捲回加工などの加工を
施してもよい。
【0024】さらに糸状は長繊維のフィラメント、短繊
維の紡績糸、これらの複合糸など特に限定されない。
【0025】本願発明のエアバッグの適用部位は、運転
席、助手席、サイド、後部席など通常使用されているエ
アバッグの中から適宜選択可能であり、エアバッグの袋
体の裁断形状も円形、長円形、楕円形、矩形、多角形あ
るいはこれらを組み合わせたものなどいずれでもよく、
要望される展開形状を満足するものであればよい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下実施例に基づき本願発明をさ
らに具体的に説明する。なお、実施例の中でエアバッグ
の性能評価は以下の方法によった。
【0027】(1)縫目強力 JIS L−1093(6.1法)に準じて、織物の縫
目強力を評価した。測定は織物の経方向のみで、試料数
5の平均値とした。
【0028】(2)耐圧特性 耐圧特性は破裂強度の測定により求めた。図5に示すよ
うなバースト(破裂)試験装置によった。エアバッグ1
4の中に風船15を入れ、エアバッグ14を取付具17
を用いてエアバッグ取付け板16に取付ける。圧力調整
弁20により導管18を経て供給される高圧空気の供給
量を調節しながらエアバッグ14を風船15とともに膨
らませ、エアバッグ14が破裂した時の圧力を圧力計1
9で測定し、破裂強度とした。
【0029】
【実施例】図1〜4および図7に基づき説明する。ナイ
ロン66繊維210d/70f(原糸強度9.0g/
d)を用いて、織物密度、経75本/吋、緯75本/吋
の平織物を製織し、精練、熱セットし、経、緯各76本
/吋のノンコート織物を得た。次にノンコート織物か
ら、外径φ720mmの円形布1、2を裁断し、一方の
円形布1の中央部にインフレータ取付口としてφ70m
mの開口部10を設けた(図1、2)。
【0030】一方、インフレータ取付口の補強用とし
て、ナイロン66繊維420d/70f(原糸強度9.
3g/d)を用いて製織し、精練、熱セットして得られ
た織物密度、経、緯各53本/吋のノンコート平織物を
別途作成した。この織物からインフレータ取付口補強布
として、3枚の外径φ220mm、内径φ70mmのド
ーナツ状円形布3、4、5を裁断した(図3)。
【0031】円形布1の中央開口部にドーナツ状の円形
布3、4、5を互いに重ね合わせて、ナイロン66繊維
の縫糸8番手糸を上糸、下糸の両方に用い、運針数4針
/cmの本縫いにより、縫目径を内側からφ80mm、
φ135mmの二層(二重円)に縫い合わせた。
【0032】次に扁平縫いミシン(ペガサスミシン製造
(株)製WT562型、3本針、針幅5.6mm、糸本
数5本)を使用して、ナイロン66繊維の縫糸30番手
を糸5本全てに用い、運針数6針/cmの両面扁平縫い
により、取付口補強布の三層目の縫いを、扁平縫いの中
央の縫目がφ195mmとなるように、すなわち前記φ
135mmの本縫い層の外側に位置させて縫い合わせ
た。補強布3、4、5と円形布1は、織物の糸軸を全て
合わせた位置で重ね合わせた。このようにして扁平縫い
された補強布3、4、5の円形布1の表裏の縫目パター
ンを図7、図8に示す。そして補強布が縫合された円形
布1の中央部にインフレータ取付用ボルト孔としてφ
5.5mmの穴6を円形布1の織物の糸軸方向に4箇
所、すなわち穴6a、6bが縦の糸軸方向に、穴6c、
6dが横の糸軸方向に並ぶように穿設した(図4)。
【0033】次に円形布1、2をそれぞれの織物の糸軸
を互いに45°ずらして重ね合わせ、外周径から20m
m内側を、縫糸として上糸にナイロン66繊維の5番手
糸、下糸にナイロン66繊維8番手糸を用い、運針数
3.5針/cmにて二重環縫い(二列)で縫製した。
【0034】このようにして得られたエアバッグを円形
布1の中央口から反転し、破裂強度を測定した。測定結
果を表1に示す。破裂強度144kPa、取付口補強布
の第3層目の扁平縫い部(最外周)を起点として円形布
1が破損した。また、縫目強力は扁平縫いにより作成し
た試験片の縫製部の引張強力を測定した。
【0035】
【比較例】前記実施例のインフレータ取付口補強布の第
3層目の縫いを、他の二層と同じく本縫いにした以外は
前記実施例と同様にしてエアバッグを作成し破裂強度を
測定した。表1に示す通り、破裂強度129kPa、円
形布1の破損の起点は前記実施例と同じであったが、破
裂強度と縫目強力は前記実施例よりも低い値になった。
【0036】
【表1】
【0037】以上の実施例においては、インフレータ取
付およびエアバッグ支持プレートへの取付部分に適用し
たものであるが、そのような箇所に限定されるものでは
なく、およそ複数の基布を重ねて縫合する箇所であれば
適用可能であることは言うまでもない。
【0038】たとえば、上記実施例において本縫いなど
を施した箇所にも代替適用が可能であり、エアバッグ全
体としての破裂強度向上に寄与する。
【0039】また、袋体を形成する基布は、実施例のよ
うに複数の本体基布および補強布、防炎布、吊紐などの
複数の部材を含むものであってもよいが、このような形
態に限定されることなく、たとえば、本体基布により形
成される気室を複数に区画する区画基布を縫合したタイ
プや、助手席用エアバッグ、側面衝突用エアバッグなど
の一枚の布を箱状または袋状に縫い合わせるものであっ
てもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明によれ
ば、エアバッグの縫合部の少なくとも一部を扁平縫いに
より縫製することによって、展開時の突出に伴いエアバ
ッグに作用する衝撃力に耐え得る、堅牢にしてかつ強固
で耐圧特性に優れるエアバッグが製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エアバッグの一部を構成するインフレータ取付
口を備えた円形布の実施例を示す説明図。
【図2】同上円形布と縫製される別の円形布の説明図。
【図3】袋体のインフレータ取付口周辺の補強布の説明
図。
【図4】円形布のインフレータ取付口周辺への補強布
A、Bの縫い付け固定の説明図。
【図5】エアバッグの破裂強度の測定に用いられるバー
スト試験装置の概要図。
【図6】扁平縫いの一例を模式的に示す説明図。
【図7】適用の一例である両面扁平縫いを施したエアバ
ッグ部分の一側の説明図。
【図8】同上、他側の説明図。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部材を縫合して構成されてなるエアバッ
    グであって、前記部材の被縫着部を互いに縫合する縫合
    部の少なくとも一部が扁平縫いによって縫製されるエア
    バッグ。
  2. 【請求項2】 縫糸番手T、運針数S(針/cm)とし
    たとき、下記(1)式と(2)式を満足する縫製条件で
    縫製される請求項1記載のエアバッグ。 (1)20≦T≦60 (2)2≦T/S≦8
  3. 【請求項3】 扁平縫いによって縫製される縫合部が、
    エアバッグ本体を構成する部材である一つの本体基布の
    インフレータ取付口周辺の縫着部と他の部材である補強
    布の縫着部を互いに縫合する縫合部である請求項1また
    は2記載のエアバッグ。
  4. 【請求項4】 扁平縫いによって縫製される縫合部が、
    エアバッグ本体を構成する部材である一つの本体基布の
    排気口周辺の縫着部と他の部材である補強布の縫着部を
    互いに縫合する縫合部である請求項1または2記載のエ
    アバッグ。
  5. 【請求項5】 扁平縫いによって縫製される縫合部が、
    エアバッグ本体を構成する部材である二つの本体基布の
    外周部の縫着部を互いに縫合する縫合部である請求項1
    記載のエアバッグ。
  6. 【請求項6】 扁平縫いによって縫製される縫合部が、
    エアバッグ本体を構成する部材である一つの本体基布の
    インフレータ取付口周辺の縫着部と、該インフレータ取
    付口に相対する他の本体基布内面の縫着部と、これら両
    者を結合する吊紐の両端の縫着部とを縫合する縫合部で
    ある請求項1または2記載のエアバッグ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011530022A (ja) * 2008-08-07 2011-12-15 インビスタ テクノロジーズ エス エイ アール エル スリットフィルムポリマーテープから織製されるエアバッグ布帛
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