JPH11243677A - 同軸リニアモータ - Google Patents

同軸リニアモータ

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JPH11243677A
JPH11243677A JP5893098A JP5893098A JPH11243677A JP H11243677 A JPH11243677 A JP H11243677A JP 5893098 A JP5893098 A JP 5893098A JP 5893098 A JP5893098 A JP 5893098A JP H11243677 A JPH11243677 A JP H11243677A
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JP
Japan
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coaxial
motor
linear motor
mover
soft magnetic
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JP5893098A
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English (en)
Inventor
Isao Kaneda
勳 金田
Shuhei Takasu
周平 高巣
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MAKUSAMU KK
Original Assignee
MAKUSAMU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工容易なスロットレスコアを用い、小型高
効率で、内部冷却が可能なリニアモータを提供する。 【構成】 円板状のスロットレスコア24を積層して電
磁ブロック25を構成し、複数のブロック25を同軸柱
体4上に間隔を隔てて固定し、間隙中に励磁コイル3を
巻線してステータを構成し、円板コア24の外周を同軸
方向に着磁された円筒状ムーバマグネット1の内周と対
向させ、ムーバマグネット1を保持するヨークまたはハ
ウジング13を同軸方向と平行に可動支持するリニアベ
アリングを備え、同軸柱体4と平行にリニアガイド8を
設けてハウジング13を同軸方向に走行させるととも
に、同軸柱体4に中空パイプ41を設けてパイプ41の
中に熱流媒体を流過させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な電磁技術を応用
してリニアモータの推力を抜本的に高めるとともに、そ
の磁気回路の特徴的形状を利用してリニアモータを小型
高推力にする方法に係わる。より具体的には、電磁コア
のスロットレス化並びに磁化方向と磁場との相対角度を
特定することにより単位体積当たりの電磁力を高めると
ともに、冷却容易なモータ構造を提供することによって
狭隘な空間に装着して高い推力を発生させることを可能
ならしめる。
【0002】
【従来の技術】従来のリニアモータには各種の方式があ
るが、基本的には回転機を展開したものと考えられる。
代表例として、磁石式リニアモータについて基本構成を
示すと図2の通りである。図で、1はN極S極交互に着
磁された平板状ムーバーマグネット、2は無方向性電磁
鋼板に切り欠きを設けて積層したステータである。ステ
ータ2はスロット20を有し、切り欠き残部のティース
21に励磁コイル3が挿入される。ここで隣接するティ
ース21と前記ムーバーマグネット1のN極S極間の距
離を等しく設定し、コイル3に励磁電流を通電して、隣
接するティースにn極s極交互に電磁極を発生させる
と、前記着磁磁極N極S極との間に同期電磁力が発生
し、ムーバーマグネット1を長手方向に移動させる電磁
力が発生する。そこで不図示のリニアガイドをステータ
2に装着しリニアベアリングによりムーバーマグネット
1を支持するとともに、不図示の磁極検知手段を用いて
通電電流の極性を一定方向に推力が発生するように切換
えると、ムーバーマグネット1を所定の方向に走行させ
ることができる。
【0003】図2の従来方式の課題は、効率などの諸性
能が回転機に及ばないことにある。両者のモータ構造に
関し、従来のリニアモータは回転機を展開したものと考
えられているが、リニアモータにおけるマグネットとス
テータの対向磁気特性を回転機のそれに比較すると、リ
ニアモータでは一般に平面状のマグネットであり、回転
機では全周対向のリングマグネットで空隙長も比較的大
きいため、対向面積についても空隙磁気抵抗についても
回転機に及ばない。従って同一出力に対して大型化低効
率を免れず、その用途が制限されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の課題
は、上記従来リニアモータの基本的諸問題に関し、単に
回転機を展開するのではなく、回転機に戻せないような
リニアモータ独自の構造を提供することにより、従来リ
ニアモータの諸特性の改善に止まらず、回転機を上回る
諸特性を具現化することにある。
【0005】本発明の、第二の課題は、前記独自の構成
を可能ならしめる新規な性状のステータコアあるいはマ
グネットあるいは磁気回路を提供することにより、その
基本特性において回転機を上回るトルクを発生させるこ
とにある。
【0006】本発明の、第三の課題は、前記独自の構成
を可能ならしめる新規な磁気指向性を付与させるための
手段を提供することにより、その基本特性において回転
機を上回るトルクを発生させることにある。
【0007】本発明の、第四の課題は、前記独自の構成
を有するリニアモータの起動を円滑化するための磁気回
路を提供することにある。
【0008】本発明の、第五の課題は、前記磁気回路に
よって付勢されるムーバー走行系の構造を従来に比較し
て小型簡略化することにある。
【0009】本発明の、第六の課題は、上記の基本的な
諸問題を解決するための諸手段の採用にも関わらず、リ
ニアモータの構造を従来機に比較して反って単純化し、
低価格を実現することである。
【0010】本発明の、第七の課題は、リニアモータ内
部温度を低下させるような熱交換機能を有する新規なリ
ニアモータの構造を提供することにある。
【0011】本発明の、第八の課題は、リニアモータ内
部の温度を外部から制御可能にした新規な熱交換機能を
有するリニアモータの構造を提供することにある。
【0012】本発明の、第九の課題は、比較的高出力の
リニアモータあるいは断熱環境に用いるリニアモータに
おいて、前記熱交換機能として流体など熱媒体の循環を
用いることにより、リニアモータ本体を極小化し、応用
装置の狭隘空間に装着して高推力を発生させることにあ
る。
【0013】本発明の、第十の課題は、極定温雰囲気中
で用いられるリニアモータにおいて、前記熱交換機能を
介してモータ内部を保温することによって凍結環境にお
ける動作信頼性の向上を図ることにある。
【0014】本発明の、第十一の課題は、比較的小容量
のリニアモータにおいて、前記熱交換手段として気体あ
るいは固体などの熱伝導機能を用いることにより、リニ
アモータ本体を極小化し、応用装置の狭隘空間に装着し
て高推力を発生させることにある。
【0015】本発明の、第十二の課題は、さらに小容量
のリニアモータにおいて、前記軟磁性体をスロットレス
化できることを応用して、コアの内径を省くとともに、
リニアガイドを内蔵してモータ本体を極小化することに
より、マイクロマシンとして高い推力を発生させること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によるリニアモー
タは上記諸課題を解決するための主要な手段として、本
件技術の基盤をなす新規なトルク発生手段、並びに独自
のコア形状に基づく温度制御手段さらにはモータ内部に
リニアガイド構造を含むことを特徴とする。
【0017】前者トルク発生手段に関して述べると次の
通りである。本発明のリニアモータの代表的実施例は、
複数の着磁極を備えた硬磁性体、前記硬磁性体を含んで
構成されたムーバーマグネット、前記着磁極との対向面
を有するスロットレス軟磁性体から成る電機子を有し、
前記軟磁性体は好ましくは磁化容易軸を有する方向性軟
磁性体を含んで構成され、前記電機子あるいは前記ムー
バーマグネットの一方をステータとし他方をムーバーと
して構成される。さらに、前記電機子を励磁するための
コイル、前記磁極の位置を検知するための手段、前記コ
イルに通電するためのドライブ回路を有し、前記軟磁性
体の一面に対してほぼ直交する方向に前記着磁極が配列
されることによって高トルクを得ることを基盤とする。
【0018】一般にリニアモータを同期ドライブする場
合は、起動死点に対処する必要がある。本発明のリニア
モータにおいては、単板磁性体または積層された軟磁性
体の磁気特性を若干相違させたステータブロック手段を
用いることにより、この点を解決する。
【0019】方向性軟磁性体により構成されたステータ
ブロックには、代表的な実施例の場合、それ自体を電機
子として結合するための同軸柱体を貫通させるための内
径が設けられる。同軸柱体は、例えば非磁性の柱体で構
成される。また、磁気指向性の変調、コイル端子の渡
り、リニアガイドなどの装着などの目的で軸心以外の貫
通孔あるいはスリットも用いられる。磁気指向性に関
し、磁化容易軸に対して特定の角度の線上に貫通孔ある
いはスリットなどの磁気抵抗手段を設けると、磁気指向
性を強調することができる。すなわち部分的に磁気抵抗
あるいは飽和束密度を変化させることにより、磁化の程
度と極性に基づいて軟磁性体の各部分が異なるレベルで
飽和する。従って部分によって少しく飽和から開放さ
れ、あるいはより飽和が進む結果、方向性本来の磁気指
向性をいっそう助長できる。
【0020】本発明によるリニアモータの別の主要な手
段は、独自のコア形状に基づきモータの内部温度のコン
トロールを可能にする手段に係わる。すなわち本発明の
代表的なリニアモータでは、軟磁性体の板面が磁界方向
と直交配置され、軟磁性体中に貫通孔を設け得ることを
利用する。例えば、軟磁性体として円板コアによるステ
ータを用いる場合について述べると、円板の内径を貫く
軸心を介して円板コアが所定の間隔を隔てて固定され
る。このとき軸心を中空パイプとし、オイル、水、磁性
流体、エア圧縮気体、あるいは熱交換媒体などを流過さ
せ得る熱交換ループを設けて循環放熱すれば、銅損鉄損
などに起因してリニアモータ内部に発生する発熱をモー
タ外部に持ち出すことが可能になり、軸心を通じてモー
タの内部を容易に冷却できる。その結果、小型形状でも
キロワットオーダーの大電力の投入が可能になり、狭隘
な空間にリニアモータを挿入して高い推力を発生させる
ことができる。
【0021】本発明によるリニアモータ内部温度の熱交
換を可能にする手段に関し、比較的小容量の機種では、
とくに熱交換のための循環ループを設けるに及ばず、自
然対流、ヒートパイプ、あるいは金属熱伝導などによる
熱放散を利用することができる。あるいは軸心部分の高
温をモータ外の周辺部に伝導し、冷却フィンあるいはフ
ァンなどを介して放熱することができる。
【0022】本発明によるリニアモータのさらに別の主
要な手段は、独自のコア形状に基づいてモータ内部にリ
ニアガイドを装着し得る構造に係わる。すなわち本発明
のリニアモータでは、軟磁性体中の端面にスリットや貫
通孔などを設けることができる。例えばアウタームーバ
ー構造において、軟磁性体として円板コアによるインナ
ーステータを用い、円板コアの外周にスリットなどを設
け、このスリットを介してリニアガイドを装着すること
により、ムーバーの内部にガイドを収納することができ
る。この結果、ムーバーの外部にリニアガイドを装着す
る通常の構成に比較してり極めてスリムな形状のリニア
モーターを提供することができる。
【0023】内周リニアガイドを用いる構造ではさらに
別の効用がある。すなわち、本発明のリニアモータの一
例では、軟磁性体を積層したインナーステータのブロッ
ク間にコイルがあり、通常はコイルの上部がアウターム
ーバーマグネットの着磁内周面と対向するが、内周リニ
アガイドを用いるとコイルと着磁面の間に磁極片を挿入
し内周リニアガイドにおいて固着できる。また通常は、
前記積層ブロックは同軸方向に対してその端面が鉛直を
なすため、いわゆるアンブレラは存在しないが、積層ブ
ロック間に渡り部分あるいは内周リニアガイドを設けれ
ば、比較的容易にアンブレラを固定することができ、ト
ルクリップルなどのモータ特性をさらに改善できる。
【0024】本発明のリニアモータの特徴を助長し得る
別の手段として、励磁コイルとその巻線方法をあげるこ
とができる。本発明のリニアモータでは、軟磁性体の単
板またはブロック間にコイルが配置され、その巻線は同
軸周りの単巻であるから極めて単純な巻線である。しか
し小容量の機種などで電機子が単板または少数枚から成
るブロックで構成されるときは、コイル長を短縮するた
めに、シートコイルやプリント板を用いることがあり、
さらに補助的な貫通孔を通して巻線することがある。
【0025】前記コイルの励磁手段としては、単相バイ
ポーラ、または三相バイポーラが一般的である。磁極検
知手段は、例えばホール素子であって、ホール電圧によ
り前記ムーバーマグネットの着磁のゼロクロスを検出
し、その検知出力をもって前記コイルへの通電を切換え
ることにより、前記ムーバーを所定の方向に駆動し、あ
るいは停止させる。また複数のセンサを用いムーバーマ
グネットの存在を検知することにより、ムーバーに対向
する周辺のコイルのみに通電し、損失を低減することが
できる。なお、位置決めに高精度を要する場合は、磁気
検知手段以外の位置検出手段が併用される。
【0026】本発明のリニアモータの特徴を助長し得る
さらに別の手段は、ムーバーマグネットに関する。すな
わち、マグネットは同軸方向に複数の磁極を有して、ヨ
ークに接着収納される。一般的な同期構成においては、
各磁極は等しい間隔で軟磁性体ブロックの間隔に等しく
着磁され、その形状は、例えば長尺の円筒である。そこ
で、このマグネット分割し、一対のN極S極を有する複
数の単位マグネットを直列してもよい。またこの場合、
各単位マグネットの間に軟磁性体から成るヨークを介在
させてもよい。
【0027】マグネットの磁極間隔と電磁極の間隔が異
なる設計には二つの場合がある。すなわち、本発明のリ
ニアモータを多相ドライブで用いるときは、マグネット
の磁極間隔及び電磁極の間隔をそれぞれ2及び3値の倍
数に設定し、いわゆる非同期構成とする。あるいはマグ
ネットの磁極間隔及び電磁極の間隔が等しい同期構成と
する。なお後者において、複数の同期系列を用いること
ができ、結果として、コギングトルクなど諸特性につい
て同期ドライブと非同期ドライブの中間的な特性を得る
ことができる。
【0028】本発明のリニアモータの特徴を助長し得る
さらに別の手段は、電機子を構成するラミネーションに
方向性素材が含まれる場合に関する。すなわち、マグネ
ットの磁極にスキューがないとすると、積層されたラミ
ネーションあるいは各ブロックの磁化容易軸が同角度で
あれば、電磁力の回転スピンに抑止力が掛かる。積層さ
れたラミネーションの磁化容易軸が異なる方向を指向す
れば回転方向のトルクを減らすことができる。逆にマグ
ネットをスキュー着磁して、磁化容易軸を拠り所として
回転スピンを強調することもできる。
【0029】本発明の諸手段の第一の特徴は、独自の磁
気回路を有して軟磁性体に切り欠きを設けることなく、
加工及び巻線容易なスロットレスコアとして用い得るこ
とにある。
【0030】本発明の諸手段の第二の特徴は、単純形状
のコアを用いるにもかかわらず、従来と異なる方向から
磁界を印加することによって従来に比較して推力出力を
高め得ることにある。
【0031】本発明の諸手段の第三の特徴は、単純形状
のコアを用いるにもかかわらず、同期モータにおける起
動死点の発生を回避できることにある。
【0032】本発明の諸手段の第四の特徴は、コア形状
が単純であり、またその配列方向が従来と異なり同軸で
あることを利用して、リニアモータの中心部分を直接的
に冷却できる構成を提供し得たことにある。
【0033】本発明の諸手段の第五の特徴は、前記の冷
却可能な構造を利用して、リニアモータ本体の大きさを
極小化して狭隘な空間への装着を可能とし、狭隘な空間
において高推力を発生し得ることにある。その結果、リ
ニアモータ搭載のために装置を大型化するような必要は
なくなり、各種の装置に搭載してコンピュータ制御など
により高度な動きを実行することができる。
【0034】本発明の諸手段の第六の特徴は、コア形状
が単純であり、またその配列方向が従来と異なり同軸で
あることを利用して、リニアガイドの内蔵が可能なリニ
アモータの構成を提供し得ることにある。その結果、と
くに小容量の応用装置において、リニアモータ搭載のた
めの空間を縮小し装置全体の形状を小型化することがで
きる。
【0035】本発明の諸手段の第七の特徴は、コア形状
がスロットレスであり、その外周にリニアガイドを設け
ることができ、コアの内径を省略し、無軸にできるると
ともに巻線も簡単になることを利用して、極めて小径の
リニアモータを構成し、これを搭載した新規なマイクロ
装置を提供し得ることにある。
【0036】
【作用】 本発明における上記手段の諸作用に関し、技
術基盤の検証例として、一方向性円板を用いた実験結果
を図3に示す。図において、22は従来の回転モータに
用いられる無方向性珪素鋼板による4スロットコア、2
3は一方向性のスロットレス円板コアである。両コアの
寸法は、それぞれ外径20〓φ板厚0.5〓である。こ
こで各コアを平行磁界中に置いてそれぞれの板面を磁界
面と平行に配置し、平行磁界を周回させて周回トルクτ
Rを測定する。得られた結果を、印加磁界400oeの場
合について示すとそれぞれのコアについて図3の鎖線2
21、実線231の通りである。このように、スロット
レスコアでも磁化容易軸によるトルクが発生するのであ
り、その大きさを従来の4スロットコアの一例と比較す
ると、発生トルクの最大値が反って大きく数倍となるこ
とが分かる。なお、円板の素材を無方向性に変更すると
何等トルクが得られないことは勿論である。
【0037】次に、図3の測定で用いた一方向性の円板
コア23をその板面に垂直な磁界中に置いて周回させト
ルクτLを測定する。得られた結果を、今度は印加磁界
1000oeの場合について、図3で用いたものと同じコ
ア23を平行磁界中で周回した場合と比較して示すと図
4の曲線が得られる。図で、鎖線232は平行磁界中で
周回した場合のトルク、実線233は同じコアに同じ強
さの磁界を垂直方向から印加して周回した場合のトルク
で、45°で最大値を示す。両曲線の最大振幅を比較す
ると、同じコアを用いても垂直方向磁場では発生トルク
が数倍に達することが分かる。従って実線233を図3
の鎖線221の従来スロットコアの場合と比較すると、
軟磁性体に対する磁場の方向を特定すれば、単純積とし
て大きな比率が得られることが分かる。
【0038】本発明によるリニアモータは、図3及び図
4における磁化容易軸の作用を応用することを基盤とす
る。とくに図4の従来と異なる方向からの磁界に基づく
作用効果を用いる。この場合の電磁力は、磁化容易軸及
び磁界と板面の相対角度の双方の作用の混在に基づく。
このような作用は、ムーバーマグネットの着磁方向を、
その移動時において、発生磁束が軟磁性体の板面と45
°に近い角度をなすような瞬間を多分に含むように配置
することことにより強調される。なお、素材の面では、
方向性電磁鋼板及び貫通孔もしくはスリットによる磁気
抵抗、あるいは異方性マグネットを援用することで強調
される。すなわち、スロットレスコアに飽和孔を設ける
と、モータの断面形状に応じて特定方向の磁束を強調で
きるだけでなく、飽和磁束を高めることができる。
【0039】本発明によるリニアモータに関し、別の有
用な作用はモータ内部の冷却に関する。この作用は、軟
磁性体の形状がスロットレスになったことによって実現
したもので磁気特性には直接関係しないが、モータ内部
を直接的に冷却できる構造は、リニアモータの小型化に
関して極めて有用である。しかし、流体による冷却作用
それ自体については、例えば内燃機関の冷却系統とかX
線管の電極ターゲットの冷却などにより実証済みである
から、ここではそのような冷却作用を応用できるリニア
モータを提供し得ることを記すに止める。
【0040】図1は、本発明の第一実施例のアウターム
ーバー・インナーステータタイプの磁石式リニアモータ
100の端部を示す。この図は、本発明の基盤技術を説
明するための図面である。図で、磁気回路の断面図及び
駆動の説明に必要な部材が、本発明の動作を説明するた
めに必要なレベルで示される。図1で、各部の記号は図
2と同様な記号が用いられる。円筒状ムーバーマグネッ
ト11は、長手方向に正弦波様に内外単極着磁した長さ
の等しい4個の円筒状Ndボンド磁石を重ねて構成さ
れ、円筒状内周を有するヨーク着磁磁極兼ムーバー12
に収納される。材質は等方性も用い得るが、異方性を用
いれば後述の磁場偏向の効果を助長できる。なお、マグ
ネットにおける等方性と異方性の相違は、電磁鋼板にお
ける無方向性と方向性の相違ほど顕著ではない。ステー
タ2は、厚さ0.35〓の一方向性珪素鋼板から成るス
ロットレス円板コアを後述の形状に形成積層してステー
タブロック25となし、円板の内径には強磁性を有する
同軸柱体4が挿入されてブロック25を固定する。ブロ
ックの積厚および隣接するブロックの間隔は均等で、前
記着磁磁極と同じ間隔にブロックが配列されている。ブ
ロック25の間隔中にはコイル3があり、ブロックの端
面及び前記の強磁性同軸柱体4と絶縁されて増磁性源磁
***互に巻線される。さらにブロック25の間隔中に
は、ムーバーマグネット1に近接して不図示の磁気セン
サが装着される。ブロック25の外周はムーバーマグネ
ット1の内周面と空隙を介して対向し、コイル3のリー
ド端子は後述の円板コアの内外周上に設けられる小孔を
経て隣接するコイルの側に引き出される。
【0041】ここで実用円板コア24の形状を示すと図
5の通りである。この実施例では、円板の磁化容易軸
[100]の方向230は矢印の方向である。円板コア2
4の中心には内径241があり、磁化容易軸の方向23
0と直角方向の線上には一対の飽和孔243が設けら
れ、その結果、磁気指向性が強調される。なお一般的に
は、磁化容易軸の方向230と飽和孔243の組み合わ
せにより、磁気指向性が様々に変化する。円板コア24
の内径側と外周側には、小孔242が矢印の方向に対し
約60°傾斜した線上に設けられる。この実施例では、
円板コア24の磁化容易軸が同じ向きに積層されてステ
ータブロック25を構成する。
【0042】図1のリニアモータ100の磁気回路はい
わゆる同期構成であるから、ブロック25の外周は、ム
ーバーマグネット1の磁極とそれぞれ対向する。ブロッ
クは円板であるから、各ブロックの中間に着磁磁極があ
るときの磁束流は、ブロックの板面に45°の角度成分
を多分に含んで流れ、図4の実線233から分かるよう
に強い電磁力を発生する。着磁磁極からブロックの表面
に流入する磁束流は、ブロック間の強磁性同軸柱体4を
経由して、隣接するブロックの板面を通り、異極に戻
る。図5の円板コア24によれば、磁束流は、とくに矢
印方向の磁化容易軸に沿って強く流れる。磁束流は、各
部の空隙、円板コア24あるいはステータブロック25
の性状、同軸柱体4の磁気特性によって変化する。ま
た、磁化容易軸に対する飽和孔243の形状と配置を選
ぶことにより、磁束流が妨げられ局部的な飽和が起こ
り、その結果、磁気指向性を変更することができる。
【0043】ブロック25の外周端面が着磁磁極の直下
にあるときは、着磁磁極とブロック外周面の関係が0°
となり、図4の実線233から分かるように電磁力の発
生がない。図1のモータは同期構成であるので、起動時
において、ムーバーマグネット1がこの位置で安定する
と起動死点となる。この起動死点は、異なる性質の円板
コアを積層することいよって回避できる。すなわち、円
板コアの外径、飽和孔の仕様、磁化容易軸の角度、など
が若干異なる円板を積層してテータブロック25を構成
する。あるいはテータブロック25間隔を若干不均等に
することにより、起動死点が解消される。
【0044】図1において、増磁性減磁***互に巻線さ
れたコイル3は、例えば全部直列に接続され、単相バイ
ポーラ回路で励磁される。その結果ステータブロック2
5に誘導磁束が流れ、隣接するステータブロック25の
外周上には、交互に極性の異なる電磁極が生じる。従っ
て、ムーバーマグネット1の磁極位置を検出し、これら
電磁極と対向する着磁磁極に対して常に斥力あるいは吸
引力が発生するように、コイル3の通電方向を切換える
と、ムーバーは同軸に沿って一定方向に駆動される
【0045】図1の場合、円板コア24については、磁
化容易軸の方向及び飽和孔を一定に揃えて積層し、ムー
バーマグネットに回転スピンがかからないようにしてい
る。円板と磁極間の電磁力は、マグネットの磁極がステ
ータブロックの中間にあるとき、図4の配向に近づく。
なお、内径や貫通孔により10%程度のトルク低下が起
こる。
【0046】以上図1の第一実施例を参照して本発明に
ついて述べ、スロットレス円板コアによりシンプルなリ
ニアモータを構成できることを示した。第一実施例は本
発明の基本的動作を示すものであるから、各種のバリエ
ーションについて述べると、次の通りである。
【0047】図1の実施例では、同軸柱体を強磁性体と
したが、非磁性体の場合もステータブロック25の外周
に電磁極が発生することに変わりなく、これを用いるこ
とができる。また、非磁性の同軸柱体と同心の強磁性体
をブロック間に置くこともできる。例えば、内周ヨーク
は径の異なる強磁性体の円筒を重ねたもので、同軸柱体
4の外周かつステータブロック25の間隔中に装着する
ことができる。
【0048】図1の磁気回路では、ステータブロック2
5の外周上に補助極あるいは磁極片はないが、トルクリ
ップルの改善その他の目的でこれらを用いることができ
る。なお、本発明においては、磁極片は45°方向の磁
界を助長するように配置する。
【0049】第一の実施例では、方向性のステータコア
を用い、マグネットは等方性素材の正弦波着磁とした
が、同軸方向の磁界を強調する目的で、磁極間ヨークや
非正弦波着磁、あるいは、異方性素材を用いることがで
きる。
【0050】図1では円板コアの磁気指向性を一方向に
揃えたが、逆にブロック毎に磁化容易軸方向を周回分散
し、グネットの全周に渡って均等なトルクを発生するこ
ともできる。また、容易軸あるいは マグネットのスキ
ュー着磁により回転スピンを掛けつつムーバーを走行さ
せることもできる。
【0051】図1の実施例では、ムーバーマグネット1
は内外単極着磁した長さの等しい複数の分割円筒マグネ
ットを重ねて構成したが、その他の着磁方式や一体に成
形したリング状マグネットを用いることもでき、あるい
は、分割磁石の間にリング状などのヨークを挿入するこ
ともできる。また、ステータブロック25の幅及び隣り
合うブロックとの間隔、あるいはブロック間のコイルの
巻線使用を一定としたが、制動などの目的で同軸柱体の
終端などにおいて不均整にすることができる。
【0052】図1では、励磁回路は単相バイポーラとし
たが、その他の励磁回路にも対応できる。特に三相バイ
ポーラでは、周知のようにステータブロックを3の倍
数、マグネットのポール数を2の倍数に設定し、直流電
源の場合は、一相抜いて励磁することになる。また、同
軸長が長い場合は、励磁するコイルエレメントは、ムー
バーに対向するコイルのみとすることが望ましい。さら
に制動などの目的で同軸柱体の終端においてコイルまた
は励磁仕様を特異にすることもできる。
【0053】図1では、励磁電流の転流は磁気センサで
着磁のゼロクロスを検出して行ったが、高精度を要する
場合は、エンコーダなどの位置検出手段を併用すること
が望ましい。
【0054】図1のモータ構成は、インナーステータ・
アウタームーバーであり、電機子側がステータである
が、電機子をムーバーにすることもできる。また円板の
内径を拡張し、ドーナッツ状円板としてアウターステー
タ・インナームーバーとすることもできる。また、本発
明の作用効果は、ステータ側ムーバー側ともに電機子に
よる電磁石を用いてリニアモータを構成することを妨げ
ない。
【0055】
【実施例2】ところで本発明の円板コアには、トルク特
性に加えて従来みられないもう一つ別の利点がある。そ
れは従来のリニアモータの構造では、簡単な冷却は困難
であったが、本発明のリニアモータの構造では、円板コ
アの内径を貫く同軸柱体を介して熱流媒体などによる熱
交換を行うことにより、単純な構造でモータの内部を直
接的に冷却できることである。この簡易な熱交換機構
は、方向性磁気回路と並ぶ本発明の基本的特徴である。
【0056】本発明の第二実施例は、そのような冷却可
能なリニアモータに関する。図1の実施例において同軸
柱体4の内部に中空パイプ41を設け、例えば図6のよ
うな熱交換循環ループ中に接続して、中空パイプ41の
中に流体を流すことができる。図の循環ループで、リニ
アモータ100の中空パイプはホース5を経由して、放
熱器6及び流体ポンプ7に接続される。リニアモータ1
00の内部が銅損鉄損などによる発熱のため温度上昇し
て予め定めた値に達すると、不図示の温度センサがこれ
を検知してポンプ7が作動し、流動性熱媒体がポンプ7
によってモータ内部の中空パイプ41に流入し、モータ
内部の発熱が流体によってモータ外部に搬出され、放熱
器6によって熱放散され、冷却された低温の流体がモー
タ内部に還流する。従って、完全に近い形で直接的にモ
ータ内部を冷却でき、小型なモータ形状においてもキロ
ワットオーダーの大電力の投入が可能になり、その結
果、狭小な空間に挿入して高い推力を発生させることが
可能になる。
【0057】図6の流体循環ループの熱流媒体として
は、状況に応じて水、油、代替フロン、磁性流体などの
液体のほか、場合によってはエアなども用い得る。冷却
方法に関し、図6の場合は閉ループの強制循環である
が、モータの容量によっては放熱器6やポンプ7を選択
的に用いるに及ばず、あるいは自然対流を用い、あるい
は開ループの流し放しでもよい。
【0058】なお流体が水性の場合は、強磁性の同軸柱
体4は電気絶縁性あるいは防錆に関して不利がある。こ
のような場合は、同軸柱体4として非磁性体、接続ホー
ス5として錆の出ない物質を用いるか中空パイプの表面
処理を講じる必要がある。
【0059】図6の循環ループではリニアモータが単体
であるが、複数のモータを用い、これらを同相または異
なる位相の出力で重連駆動する場合は、熱交換ループの
流路に関し、各モータの中空パイプを直並列に接続し、
あるいは一つの冷却循環ループを共有することができ
る。
【0060】図6の循環ループは、モータ内部の銅損鉄
損などによって生じた発熱の冷却を目的とするが、真空
雰囲気中で熱放散がなく発熱が断熱蓄積されるなどの場
合には不可欠な手段となる。逆に、例えば航空機などが
遭遇する極低温環境においては、循環ループの熱交換作
用を転用し、比較的高温の流体を中空パイプ41に循環
することにより、熱流媒体を介してモータを保温するこ
とができる。従って、装置の凍結が防止され、その結
果、動作の信頼性を高めることができる。
【0061】
【実施例3】図7は、本発明のリニアモータの第三実施
例である。この図は、図1の第一実施例を図6の第二実
施例の循環ループ内で稼働させるための、単連リニアモ
ータの全体構造を示すものである。図で、一対のリニア
ガイド8が同軸柱体4に平行してその両側に設けられ、
その端部がエンドプレート9の固定ネジ91を介して同
軸柱体4の端部に固定される。マグネットムーバーを含
むハウジング13は、不図示のリニアベアリングを介
し、一対のリニアガイド8によって滑動支持され、同軸
方向の推力がハウジング13のウエイト取り付けネジ孔
131を介して負荷のウエイトに伝達される。一対の流
体継手42は不図示の接続ホースを経て冷却循環ループ
に接続される。なお、ハウジング13のストロークの端
部には必要によりダンパーが用いられる。また、複数の
モータを重連する場合は、複数のモータに対してリニア
ガイド8を共用できる。
【0062】
【実施例4】他方OA用など小型機種では、中空パイプ4
1中に流過させる流体としては、エアなどの気体が適す
る。さらに小容量の機種では、中空パイプ41中に収納
したヒートパイプあるいは充填した金属などの熱良導体
を介してモータ内部の発熱をモータ外部に導き、放熱フ
ィン、ファンなどを選択的に用いて自然対流から強制冷
却の範囲で放熱することができる。
【0063】図8は、本発明の第四実施例で、そのよう
な比較的小容量に適するリニアモータの要部の断面図を
示す。図の中心部には、同軸柱体4があり、その両端は
不図示のエンドプレートによってベース上に支持され
る。同軸柱体4の外側には絶縁ボビン31があり、その
外側にはコイル3がある。円板コアの外周上の2点に一
対のスリットが設けられ、このスリットに一対の外周リ
ニアガイド81が嵌合される。ハウジング13の内部に
はネジ孔132が設けられ、側面からボルトによってリ
ニアベアリングのボール82を押圧する。この結果、ボ
ール82がリニアガイド81と対向接触し、ハウジング
13がガイド81上を滑動する。中空パイプ41には圧
縮空気が流過して、通気性の同軸柱体4から噴出するこ
とのよりモータの内部温度を低下させる。
【0064】このようにモータ内部リニアガイドを設け
た場合、ガイドをサポートとして各種の部材を容易に支
持することができる。そのような部材は、例えば電機子
の補助極である。すなわち、ステータブロック25の両
側にいわゆるアンブレラを張り出すことができ、あるい
は補助溝付きの磁極片を容易に取付けることができる。
また、磁気センサの取り付けについても同様である。
【0065】さらに極小サイズの本発明のリニアモータ
では、ステータコア24の内径を極めて小径にできる。
極小サイズにおいてはモータの重量当たりの表面積が大
きくなることにより、同軸柱体の放熱冷却機能が低下し
ても、実用上の支障は起こらない。従って同軸柱体それ
自体の熱伝導を用いることができ、あるいは、内径のな
いコアを用いて同軸柱体を省くこともできる。
【0066】コアの内径あるいは同軸柱体を省いた本発
明の極小リニアモータにおいては、同軸柱体の支持機能
はコア外周に設けたリニアガイドが兼ね備える。内径の
ない場合、励磁コイルは、例えば予めボビンに平巻して
装着する。あるいは溶着マグネットワイヤなどを用いて
巻枠を取り外して装着してもよい。また、さらに極小サ
イズのリニアモータにおいては、リニアガイドも除去す
ることができる。この場合のムーバーマグネット1を支
持する方法としては、外周に凹凸部を備えた円板コアな
どを間隔を狭めて配列する。従って板間のコイルには、
シートコイルなど薄厚のコイルが適する。
【0067】以上本発明の作用を端的に表す四つの実施
例に関して述べた。これらの実施例中、第一と第二の実
施例は本発明の基本に属し、第三と第四の実施例は応用
の形態を示す。なお、本発明の実施例では軟磁性体によ
るステータと硬磁性体によるムーバーの組み合わせを用
いたが、ステータに硬磁性体ムーバーに軟磁性体を用い
てもよく、さらにはステータとムーバーの双方とも電磁
石とすることもできる。
【0068】第一の実施例は発生トルク自体の向上に係
わるものであり、その応用に際して磁気回路の様態は、
本発明の技術基盤を逸脱しない範囲において多様に変形
して用いることができる。第二の実施例は、極めて狭小
な空間への適用を可能にする方法に関するもので、これ
についても本発明の技術基盤を逸脱しない範囲において
多様に変形して用いることができる。
【0069】第三及び第四の実施形態については、多様
な装置に対して広く応用できる。第三の実施例は、具体
的には、例えば自動ドアや、織機の開口用アクチュエー
タとして用いることができ、狭小な空間に装着して高推
力を発生するとともに、コンピュータ制御に従って様々
なパターンで駆動することができる。
【0070】第四の実施例は、例えばOA用から医療用
などのマイクロマシンサイズに適するものであり、コア
がスロットレス形状であるため極小サイズにも係わらず
容易に製作することができる。このような極小サイズの
モータは、例えば磁気記録装置の読取りアームの駆動や
マイクロポンプなどに好適する。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、リニアモータの電機子
に用いる軟磁性体のコアに作用する方向を最も強力なト
ルクが得られるような相対位置関係に設定したため、モ
ータの単位体積あるいは重量当たりの推力かつ従って効
率を従来以上に高め得るという効果を奏する。なお、本
発明のリニアモータの構成は、従来方式のリニアモータ
と異なり、回転機の構造と対応しない。
【0072】本発明によれば、リニアモータの電機子に
用いるコアをスロットレスにできるため、円板など単純
な形状の使用が可能になる。この結果、加工性を改善で
きるとともに、モータの単位体積あるいは重量当たりの
推力かつ従って効率を従来以上に高め得るという効果を
奏する。
【0073】本発明によれば、リニアモータの磁気回路
に方向性を導入し、電磁鋼板の磁化容易軸の方向を設定
するとともに、電磁鋼板の要所に貫通孔などの磁気抵抗
部分を設けることによって磁束分布を改善することによ
り、磁性部材に最大の電磁力発生するように設定したた
め、モータの単位体積あるいは重量当たりの推力かつ従
って効率を従来以上に高め得るという効果を奏する。
【0074】本発明によれば、リニアモータを同期モー
タとしての用いる場合の起動死点の回避方法に関し、電
機子を構成する電磁鋼板の単板またはこれを積層したブ
ロックの磁気特性に同軸上で若干の相違を与えるという
簡単な方法により達成し得るという効果を奏する。
【0075】本発明によれば、リニアモータの電機子に
用いるコアをスロットレスにでき、円板など単純な形状
を使用できるようになるため、コアの内径に同軸状の柱
体を通した一体のステータを形成でき、あるいは円板コ
アの外周にリニアガイドを内蔵することが可能になるた
め、モータの機械的構造を単純にできるという効果を奏
する。
【0076】本発明の大容量のリニアモータによれば、
同軸柱体の内部を中空にし、この中に熱的媒体を流過循
環させることにより、モータ内部の発熱をモータ外部に
転送して熱放散し、モータ本体の容量当たりの体積ある
いは重量を最小化するとともに、高い推力を得ることが
でき、もって狭隘な装着空間を有する応用装置への装着
を可能にするという効果を提供することができる。
【0077】本発明の小容量のリニアモータによれば、
同軸柱体の内部を中空にし、この中に良好な熱伝導特性
を有する物質を備えてモータ内部の発熱をモータ外部に
伝導させて熱モータ放散することにより、推力当たりの
モータ体積あるいは重量を極小化し、もって応用装置の
狭隘空間への装着を可能にするという効果を提供するこ
とができる。
【0078】本発明のさらに小容量のリニアモータによ
れば、小同軸柱体あるいは内蔵リニアガイドも省略し
て、電機子のコアの外周でムーバーマグネットを支持す
ることができ、極小サイズのリニアモータを可能にする
という効果を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本動作を説明するための第一実施例
であり、円板コアによる磁石リニアモータの磁気回路の
要部が示される。
【図2】従来のリニアモータの動作を説明するための図
面で、平板マグネットと無方向性電機子から成る磁石リ
ニアモータの磁気回路の要部が示される。
【図3】本発明のリニアモータの基盤技術として、従来
のスロットコアと本発明による方向性円板による基礎的
な周回トルクの違いを示す。
【図4】本発明のリニアモータの基盤技術として、本発
明による方向性円板に対して異なる方向から磁界を印加
した場合の基礎的なトルクの違いを示す。
【図5】本発明の実施例に用いる代表的な円板スロット
レスコアの形状を示す。
【図6】本発明の第二実施例の比較的大容量の磁石リニ
アモータで、熱流媒体による冷却循環ループを含む構成
を示す。
【図7】本発明の第三実施例の磁石リニアモータで、外
部リニアガイドを含む機械的構成を示す。
【図8】本発明の第四実施例の比較的小容量の磁石リニ
アモータで、気体による循環ループを有し、モータ内部
にリニアガイドを備えた構造を示す。
【符号の説明】
1 ムーバーマグネット 13 ハウジング 2 ステータ 230 磁化容易軸 24 スロットレス円板コア 241 スロットレス円板コアの内径 243 コアの飽和孔 25 ステータブロック 3 励磁コイル 4 同軸柱体 41 同軸柱体の中空パイプ 42 流体継手 7 流体ポンプ 8 リニアガイド ページ23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステータ、ムーバーの少なくとも一方に
    軟磁性体を含んで電機子を構成し、あるいは前記ステー
    タあるいは前記ムーバーの少なくとも一方に硬磁性体を
    含み、前記硬磁性体には着磁磁極、前記電機子には電磁
    極を有して前記着磁磁極と前記電磁極が空隙を介して対
    向配置され、前記ムーバーの走行方向と前記軟磁性体の
    板面方向がほぼ直交するように配置され、前記軟磁性体
    は単板または複数枚のスロットレスコアを積層したブロ
    ックから成り、前記ブロックを同軸上に配列する非磁性
    または磁性を含む同軸柱体が設けられ、前記ブロックの
    間隙中に励磁コイルが巻線され、前記ムーバーを前記同
    軸柱体の長手方向と平行に走行させるためのリニアガイ
    ド及びリニアベアリングを備えるとともに、前記同軸柱
    体と前記ガイドを固定する手段が設けられ、前記着磁磁
    極と前記電磁極の間に発生する電磁力により前記ムーバ
    ーを前記同軸方向と平行に推進させることを特徴とする
    同軸リニアモータ。
  2. 【請求項2】 前記硬磁性体は等方性または異方性素材
    を含んでムーバーを構成し、前記軟磁性体は無方向性ま
    たは方向性の電磁鋼帯を含んでステータを構成し、前記
    軟磁性体には前記同軸柱体に沿ってそれ自体を固定する
    ための貫通孔が設けられるとともに、磁気飽和もしくは
    磁気指向性の変更のため、あるいは巻線のため、あるい
    は前記ガイドを装着するための貫通孔もしくはスリット
    が設けられ、前記軟磁性体を前記同軸上に配列する同軸
    柱体が備えられ、前記硬磁性体の内周側、前記軟磁性体
    の外周部には前記リニアガイドが装着され、前記硬磁性
    体の内周の平行面上にリニアベアリングが設けられ、前
    記リニアガイドと前記ベアリングの接触により前記ムー
    バーを前記同軸柱体の長手方向と平行に走行させること
    を特徴とする特許請求範囲第1項の同軸リニアモータ。
  3. 【請求項3】 前記硬磁性体は円筒状または部分円筒か
    ら形成され、前記着磁磁極は同寸間隔に設定された部分
    をんで前記ステータの間におよそ45°をなす磁束成分
    を含んで着磁され、前記軟磁性体は円板単板または特性
    の異なる円板単板を積層したブロックとしてテータを形
    成し、前記円板またはブロックの中心部に前記軟磁性体
    をステータとして配列するための貫通孔が設けられ、各
    ブロックは前記貫通孔によって前記同軸柱体上に同一ま
    たは異なる周回特性を呈する角度に配列され、前記内側
    リニアガイドには、前記軟磁性体の補助極もしくはアン
    ブレラが装着され、前記ブロックの貫通孔中には前記同
    軸柱体が装着され、前記ブロックの間隙中にはマグネッ
    トワイヤあるいはシートコイルあるいは前記軟磁性体の
    板面プリントコイルとして前記励磁コイルが形成され、
    前記ブロックの間隙周辺に前記磁極の位置を検知するた
    めの手段が設けられ、前記コイルに通電するためのドラ
    イブ回路を有して少なくとも前記着磁磁極周辺の励磁コ
    イルが増磁性、減磁性もしくは無通電を含んで励磁され
    ることを特徴とする特許請求範囲第1項ないし第2項の
    同軸リニアモータ。
  4. 【請求項4】 前記軟磁性体は一方向性電磁鋼板から成
    る円板状のコアであり、前記円板コアは、外径などの形
    状、飽和、磁化などに関して異なる特性を有し、各円板
    の磁化容易軸が同軸と特定の角度をなして積層されて前
    記ステータを構成するとともに、その板面には配線用も
    しくはコイル端子引出し用あるいはリニアガイド装着用
    の貫通孔もしくはスリットが設けられ、前記貫通孔また
    はスリットの一部は前記円板の中心線上を通る磁化容易
    軸の線上もしくはその周辺角度上に配置されたことを特
    徴とする特許請求範囲第1項ないし第3項の同軸リニア
    モータ。
  5. 【請求項5】 前記同軸柱体は中空部を有して成り、前
    記中空部中に液体、気体などの流体を流過させるための
    自然あるいは強制循環手段もしくは熱交換手段を有し、
    あるいは中空部に通気性を有して気体もしくは圧縮気体
    を流過させる手段を有し、モータ内部の発熱あるいは真
    空などの断熱雰囲気により前記流体が高温になるときは
    発熱を前記流体が吸収してモータ外部に搬出放熱し、あ
    るいは前記中空部に還流することにより、モータ本体の
    内部を冷却して推力当たりの体積あるいは重量を最小化
    し、逆に当該モータが過冷却となる環境においては前記
    流体を介して当該モータを保温することを特徴とする特
    許請求範囲第1項ないし第4項の同軸リニアモータ。
  6. 【請求項6】 前記柱体の中空部はヒートパイプから成
    り、あるいは固体または半固体から成る熱良導体を含
    み、前記熱良導体に熱的に接続されモータ本体外部に展
    開した部分に放熱手段が設けられ、前記熱良導体の熱伝
    導作用に基づいてモータ本体の内部発熱を外部に搬出し
    前記放熱手段を介して自然または強制空冷手段により放
    熱してモータ本体部分を冷却することによりモータを小
    型化したことを特徴とする特許請求範囲第1項ないし第
    5項の同軸リニアモータ。
  7. 【請求項7】 前記軟磁性体による電機子コアの外周部
    に凹凸部を備え、軟磁性体の内径は極小径であり、ある
    いは内径がなく、前記凹凸部を直接用いてリニアガイド
    として用いることを特徴とする特許請求範囲第1項ない
    し第4項及び第同軸リニアモータ。
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