JPH11238789A - ウェーハケ−ス - Google Patents

ウェーハケ−ス

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JPH11238789A
JPH11238789A JP5626798A JP5626798A JPH11238789A JP H11238789 A JPH11238789 A JP H11238789A JP 5626798 A JP5626798 A JP 5626798A JP 5626798 A JP5626798 A JP 5626798A JP H11238789 A JPH11238789 A JP H11238789A
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wafer case
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面抵抗の差を利用して、ケース内の微細
なごみ類がウェーハ表面に付着するのを防止できるウェ
ーハケースを提供する。 【解決手段】 ウェーハカセット100の表面抵抗を静
電気消散性を有する108〜1013Ωとする一方、容器
本体12の表面抵抗を1015〜1018Ωとしたので、密
閉されたウェーハケース10内で発生した微細なごみ類
は、静電気消散性を有するウェーハカセット100に付
着することなく、外側に配置された容器本体12の内面
に吸い寄せられる。この結果、この微細なごみが、ウェ
ーハ11の表面に付着してこれを汚染するおそれが低減
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はシリコンウェーハ
などを収納するウェーハケース、詳しくは表面抵抗の差
を利用して、ケース内の微細なごみ類がウェーハ表面に
付着しないようにするウェーハケースに関する。
【0002】
【従来の技術】ウェーハ製造工場で作製されたシリコン
ウェーハなどの半導体ウェーハは、輸送中における損傷
や汚染などを防止するために、通常、中子である合成樹
脂製のウェーハカセットに挿填された後、ガスケット
(パッキング材)により蓋が密閉されるウェーハケース
に納められる。このウェーハケースは、さらに大気中
で、ナイロン(ポリアミド繊維の商品名)製の内袋と、
アルミニウム製の外袋とに順次収納されて、それぞれヒ
ートシールで密封されている。これにより、輸送中にお
いて、外部の微細なごみ類がウェーハケース内へ侵入
し、これがウェーハ表面に付着しない梱包構造となって
いる。
【0003】ところで、ウェーハ輸送の一形態として、
航空機を使った航空輸送がある。この場合、ウェーハを
搭載した航空機は高度数千〜1万mを飛行する。このと
き、機内の貨物室の気圧は、0.7〜0.8atmに達
する。この結果、例えば比較的密閉性能が良いウェーハ
ケースの場合、気圧の低い上空では、その気圧差から空
気が膨張し、常圧で密封された内袋および外袋が膨ら
む。しかも、ウェーハケース内の空気も膨張して、蓋と
容器本体との間に介在されるガスケットのわずかな隙間
から、内袋へと漏れる。これにより、内袋はさらに膨ら
む。
【0004】着陸時、航空機が徐々に地上へ下降する
と、上空のときとは反対の気圧関係から、内袋や外袋内
の空気が、比較的高い外圧により圧縮されて収縮する。
しかも、ガスケットが存在することで、蓋は容器本体の
開口部にしっかりと密着される。この結果、内袋の空気
はケース内に流れ込まず、ウェーハケースは、ちょうど
四方から押し潰されたように変形する。これにより、内
側へ湾曲した外壁によって内部のウェーハが傷つくおそ
れがあった。また、蓋が容器本体へ強固に密着すること
で、ケース内からウェーハを取り出す際に、蓋がなかな
か開かないという問題も発生していた。一方、比較的密
閉性能が低いケースの場合には、蓋と容器本体の開口部
との間にあるガスケットの隙間を介して、空気が流通し
やすい。これにより航空機の下降時に、内袋内で浮遊し
ていたごみやほこり、内袋の内面に付着していたごみや
ほこりが、ガスケットの隙間からケース内へ侵入し、こ
れがウェーハ表面に付着してウェーハを汚すおそれがあ
った。
【0005】そこで、これを解消する従来手段として、
例えば特開平8−145173号公報に記載されたもの
などが知られている。この従来手段は、容器や蓋の開口
周縁部の外壁に、ガスケットの表面に達する孔や切り欠
きを設け、これらを通して、所定の押圧治具により外方
からガスケットを容器内へ押し込むか、ガスケットに連
通管を通して容器内外を連通するか、または注射器など
により空気を注入するものである。このようにして、ケ
ース内外の圧力差を解除している。しかしながら、この
方法では、航空機の着陸態勢後におけるウェーハケース
の変形を原因としたウェーハの損傷を防ぐことができな
い。また、別の従来手段としては、水タンク内に防水性
のウェーハケースを浸漬し、この状態のまま航空機に搭
載することで、輸送によるケース内外の圧力差が起きな
いようにしたものが知られている。この方法では、ウェ
ーハの損傷と地上での開蓋の困難さの両方を解消するこ
とができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ウェーハケ
ースの輸送時、殊にトラックによる陸路輸送時には、比
較的大きな振動が荷台に積まれたウェーハケースに伝わ
る。この場合、ウェーハケースに収納された中子である
ウェーハカセットや、このカセット内に挿填された半導
体ウェーハがガタつくおそれがある。これにより、ウェ
ーハケースとウェーハカセットとが擦れて微細なごみ類
が発生したり、別に半導体ウェーハとウェーハカセット
の挿填溝の壁面とが擦れて、同じく微細なごみ類が発生
する場合があり、このごみ類が密閉空間内にある半導体
ウェーハの表面に付着して、この面を汚染するという問
題点があった。
【0007】また、前述した空路輸送時の、ウェーハケ
ースの内外に圧力差が生じた際の圧力差の解除にあたっ
て、特開平8−145173号公報の従来技術の場合で
は、孔や切り欠きを通して、所定の押圧治具によりガス
ケットを容器内へ押し込んだり、ガスケットに連通管を
通したり、または注射器などにより空気を注入しなけれ
ばならず、その作業に手間がかかっていた。しかも、こ
の圧力差解除時に、ガスケットの隙間からケース外のご
みやほこりがケースの内部へ流入し、ウェーハの表面に
付着するおそれが大きかった。また、特に注射器を使用
した場合には、注射針の先でウェーハを傷つけるおそれ
もあった。一方、空輸時に水タンクを使用する別の従来
手段の場合では、この水タンクを航空機に搭載しなけれ
ばならず、積載重量的および積載容積的にも、航空機1
機当たりで輸送することができるウェーハケースの個数
が減少し、この結果、輸送コストが高騰するという問題
点があった。
【0008】
【発明の目的】この発明は、表面抵抗の差を利用して、
ケース内の微細なごみ類がウェーハ表面に付着するのを
防止することができるウェーハケースを提供すること
を、その目的としている。また、この発明は、ウェーハ
ケース外の荷電性の違う微細なごみ類がウェーハ表面に
付着するのを防止することができ、しかもケース内外に
生じた圧力差を自動的に解除することができ、これによ
り圧力差によるケース変形を原因としたウェーハの損傷
や、ウェーハ表面へのごみやほこりの付着を防止するこ
とができ、さらにこれらの効果が比較的低コストで得ら
れるウェーハケースを提供することを、その目的として
いる。そして、この発明は、外部の微細なごみ類の濾過
性が高いウェーハケースを提供することを、その目的と
している。また、この発明は、ケース内外に生じた圧力
差を比較的短時間で自動解除できるウェーハケースを提
供することを、その目的としている。さらに、この発明
は、ウェーハ輸送時のケース内外の圧力差に耐え得るケ
ース密閉性を有するウェーハケースを提供することを、
その目的としている。さらにまた、この発明は、比較的
気体の濾過速度が速いウェーハケースを提供すること
を、その目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
は、半導体ウェーハが直接挿填されるウェーハカセット
を、容器本体内に蓋を用いて密閉するウェーハケースに
おいて、上記ウェーハカセットの表面抵抗を108〜1
13Ωとする一方、上記容器本体の表面抵抗を1015
1018Ωとしたウェーハケースである。半導体ウェーハ
としては、シリコンウェーハ,ガリウム砒素ウェーハな
どを対象とする。容器本体および蓋の素材としては、例
えばポリカーボネート(PC),ポリエチレン(P
E),ポリプロピレン(PP),ポリスチレン(P
S),ポリエーテルエーテルケトン(PEEK),ポリ
ブチルテレフタレート(PBT)などの各種のプラスチ
ックなどが挙げられる。
【0010】ウェーハカセットの表面抵抗を低下させる
添加物である消散性添加物としては、例えばプラスチッ
クの表面抵抗を下げるための周知の添加物であるカーボ
ン粉末、カーボン繊維、セラミック材料またはアミンな
どが挙げられる。なお、カーボン製の消散性添加物の場
合は、カーボン粉末およびカーボン繊維のいずれの形態
のものでもよい。また、ウェーハカセットの表面抵抗が
108Ω未満では、電流がカセットに速く流れるため
に、収納されたウェーハにスパークしやすい。また、1
13Ωを超えると、パーティクルを誘因しやすい。さら
に、容器本体の表面抵抗が1015Ω未満ではウェーハカ
セットとの表面抵抗値の差が小さくなり、ウェーハカセ
ット側にパーティクルを誘因しやすい。また、1018Ω
を超えると、容器本体にパーティクルの誘因度合いが増
える。なお、ここでいう比較的表面抵抗が大きな容器本
体とは、ウェーハカセットの出し入れ口を塞ぐ蓋も含
む。
【0011】請求項2に記載の発明は、ウェーハカセッ
トが収納される容器本体と、この容器本体を密封する蓋
と、容器本体および蓋の少なくともいずれか一方の外壁
に取り付けられたフィルタとを備え、このウェーハケー
スの外圧がその内圧より0.05〜0.2気圧だけ低い
場合にも上記蓋と容器本体との間の密封性が保持される
ウェーハケースにあって、このフィルタを介してのみウ
ェーハケース内外の気体の流通を可能とするとともに、
このフィルタは、0.05μm以上の大きさの微細なご
み類を99.9%以上濾過することができる請求項1に
記載のウェーハケースである。ケース内外の差圧が0.
05気圧未満でも、ウェーハケースが密閉性を保持する
ことができるとした場合、フィルタ面積を大きくする必
要がある。またはフィルタの孔径を大きくせざるを得
ず、パーティクルの除去能力が低下するという不都合が
生じる。上記差圧が0.2気圧を越えても密閉性を保持
するものとすると、ケースの剛性を高めたり、パッキン
の押さえ構造を高強度にするなど、ケース全体の構造が
複雑になるという不都合が生じる。
【0012】このフィルタは、パーティクルカウンタで
0.05μm以上のごみやほこりをパーティクルとして
検出するときに、その99.9%を濾過することができ
る性能を有する。フィルタが、0.05μm未満の微細
なごみ類をも濾過することができるものとすれば、ウェ
ーハケースの内部空間が常圧に戻るために要する時間が
長くなる。フィルタの素材としては、例えばニトロセル
ロース、セルロースアセテート、四フッ化エチレン樹脂
(PTFE)、親水性四フッ化エチレン樹脂などの各種
合成樹脂からなるメンブランフィルタなど、周知のフィ
ルタを採用することができる。フィルタの平均孔径は、
大気中に浮遊するごみなどをフィルタリングすることが
できる大きさであれば、限定されない。また、フィルタ
の外形寸法も限定されない。さらに、フィルタの組み付
け位置は、容器本体、蓋のどの部分でもよい。また両部
材に組み付けてもよい。そして、フィルタの組み付け個
数も限定されない。
【0013】請求項3に記載の発明は、上記ウェーハケ
ースが0.05〜0.2気圧の差圧での密封性を保持す
るとき、この差圧より小さい差圧がウェーハケース内外
に生じたとき気体が上記フィルタを通って流出入する請
求項2に記載のウェーハケースである。
【0014】請求項4に記載の発明は、ウェーハケース
の容積をVリットルとしたとき、上記フィルタは、V/
1500(mol/分)以上の値で気体の流出入を許容
する請求項2または請求項3に記載のウェーハケースで
ある。フィルタによる気体濾過の速度が、V/1500
(mol/分)未満とすると、ケース内外の差圧をなく
すための時間が長くなり過ぎ、航空機輸送などの実体に
そぐわないという不都合が生じる。なお、この場合のフ
ィルタの個数は上述のように任意であり、複数個のフィ
ルタの場合、全体として上記条件を満たすこととなる。
【0015】請求項5に記載の発明は、上記ウェーハケ
ースの外圧が低下するとき、この外圧の低下に対応して
ウェーハケースの内圧も低下し、10分程度の遅れで内
外圧が一致する請求項2〜請求項4のいずれか1項に記
載のウェーハケースである。遅れが10分を越えると、
航空機輸送に用いても不便であるという不都合が生じる
からである。
【0016】請求項6に記載の発明は、上記容器本体お
よび/または上記蓋の外壁に、ウェーハケースの内方へ
突出して、しかも注射針の針もとのJIS規格「T31
01−1979」に適合したボス形状の孔部を設け、こ
の孔部に、ウェーハケース内外を連通して、かつ筒形状
のハウジング内にフィルタを収納するフィルタユニット
を取り付けた請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載
のウェーハケースである。注射針の針もとのJIS規格
「T3101−1979」とは、テーパ6/100m
m,内径4.30±0.02mm,穴奥行き6.41m
mの寸法である。フィルタユニットの元部は、このJI
S規格に適合する寸法を有している。
【0017】請求項7に記載の発明は、上記フィルタ
が、四フッ化エチレン樹脂製のメンブランフィルタであ
る請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載のウェーハ
ケースである。メンブランフィルタとは、通常、厚さ
0.1〜0.2mmのプラスチックの薄膜に、目の細か
い一定の大きさの孔を多数形成したものである。ここで
は、そのフィルタ素材として四フッ化エチレン樹脂を採
用している。
【0018】
【作用】請求項1〜請求項7に記載の発明によれば、ウ
ェーハカセットの表面抵抗を、静電気消散性を示す範囲
である108〜1013Ωとする一方、容器本体の表面抵
抗をそれより大きい1015〜1018Ωとした。この結
果、例えばウェーハ輸送時の振動を原因として、互いに
接触しているウェーハケースとウェーハカセットとが擦
れたり、半導体ウェーハとウェーハカセットの挿填溝の
壁面とが擦れたりして、密閉されたウェーハケースの内
部において微細なごみ類が発生したとしても、このごみ
類は表面抵抗が大きい容器本体の内面に吸着される。こ
の結果、微細なごみは半導体ウェーハの表面には付着し
にくくなり、これによりこの表面が汚染されることを防
ぐことができる。以下、これを図10の一実施例に係る
ウェーハケースを使用した場合の清浄効果を示すグラフ
を参照して説明する。
【0019】図10は、この発明品および従来品からな
るウェーハケースの振動試験において、ウェーハ表面上
に付着した0.1μm以上のパーティクル数のグラフを
示している。すなわち、各々直径200mmのシリコン
ウェーハが挿填されたウェーハカセットを収納した4種
類のウェーハケースに、それぞれ毎秒120rpmの振
動を5時間与える。その後、これらのウェーハ表面に付
着した0.1μm以上のパーティクル数をレーザーパー
ティクルカウンタを用いて測定した。
【0020】このグラフから明らかなように、従来品A
〜従来品Cでは、30〜220個程度もの多数のパーテ
ィクルが検出された。これにも拘らず、本発明品にあっ
てはわずかに数個が検出されたのに過ぎなかった。この
結果から、ウェーハカセットの表面抵抗を小さくすれ
ば、振動で発生した微細なごみ類は、このカセットを通
過して本体容器の内面に付着し、ウェーハ表面には付着
しにくいことが実証された。なお、本発明品は蓋がPC
製であり、ウェーハカセットと本体容器とがPP製で、
かつウェーハカセットのPP中に静電気消散添加物を添
加したものである。従来品Aは、蓋がPC製,ウェーハ
カセット・本体容器がPP製である。そして従来品Bは
全体がPC製であり、従来品Cは全体がPP製である。
もちろん、従来品にはこの静電気消散添加物は添加され
ていない。
【0021】特に、請求項2〜請求項7に記載の発明で
は、容器本体および/または蓋の外壁に、ケース内外を
連通するフィルタを設けたので、ウェーハケースの外部
にある微細なごみ類は、このフィルタによって濾過され
る。したがって、ウェーハケース外に浮遊している荷電
性が異なる微細なごみ類が、このウェーハケース内に入
り込むことを防ぐことができる。
【0022】また、何らかの事情によりウェーハケース
の外部の気圧が変化し、パッキング材により密閉された
ウェーハケースの内外で圧力差が生じた場合には、フィ
ルタを通して、このケース内外において、圧力の大きい
方から小さい方へ空気が流れる。これにより、自動的に
ケース内外の圧力差が解除される。しかも、この際に大
気中の微細なごみやほこりは、フィルタにより濾過され
て除去される。このため、この圧力差解除時に、従来手
段のように大気中に浮遊するごみやほこりがウェーハの
表面に付着したり、例えば注射器の針先などによりウェ
ーハの損傷が起きることはない。しかも、ウェーハケー
スにフィルタを取り付けただけなので、比較的低コスト
でこれらの効果が得られる。
【0023】また、請求項2に記載の発明では、フィル
タとして、0.05μm以上のごみやほこりを99.9
%以上濾過することができるものを採用しているため、
ケース内外の圧力差を解除する際に、大気中のかなり微
細なごみまでフィルタリングすることができる。
【0024】さらに、請求項4に記載の発明では、フィ
ルタによる気体の流出入の速度をV/1500(mol
/分)としているので、比較的短時間で、ケース内外の
圧力差を解除することができる。最大で約30分間で解
除することができる。
【0025】そして、請求項7に記載の発明によれば、
フィルタとして四フッ化エチレン樹脂製のメンブランフ
ィルタを採用したので、例えばセルロースアセテート,
ポリフッ化ビニリデン(PVDF),ナイロンなどの他
の合成樹脂のものに比べて気体の濾過速度が速い。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例に係るウ
ェーハケースについて説明する。図1はこの発明の一実
施例に係るウェーハケースの全体斜視図である。図2は
同ウェーハケースの正面図である。図3は同ウェーハケ
ースの平面図である。図4は一実施例に係るカセットケ
ースの斜視図である。図5は同フィルタユニットの拡大
斜視図である。図6は同フィルタユニットの使用状態の
拡大断面図である。図7は同閉蓋中における図1のA−
A拡大断面図である。図8(a)は容器本体と蓋との接
合部の構造を示す部分拡大断面図である。図8(b)は
ガスケットの圧縮変形を説明するための説明図である。
図9(a)は上空飛行中の比較的密閉性が良いウェーハ
ケースの説明図である。図9(b)は空輸後の状態を示
す説明図である。図11は一実施例に係るウェーハケー
スの内外の圧力の関係を示すグラフである。図12は一
実施例に係る空輸を想定した場合のウェーハケース内の
圧力の変移を示すグラフである。
【0027】図1〜図3に示すように、10はこの発明
の一実施例に係るウェーハケースである。このウェーハ
ケース10は、例えば8インチのシリコンウェーハ11
が最大で25枚挿填されるウェーハカセット100と、
このウェーハカセット100が収納される四角形で箱形
の容器本体12と、この容器本体12の上面にある開口
部を閉蓋する蓋13と、これらの容器本体12や蓋13
の開口周縁部の外壁間に介在されたパッキング材の一例
である環状ゴム製のガスケット14と、蓋13の上壁の
一角部の内面に装着されて、ケース内外を連通するフィ
ルタユニット15とを備えた内容量約15000ccの
密閉式のケースである。蓋13は、閉蓋時の上方側が凹
となった四角形の浅い皿状に成形されている。
【0028】容器本体12および蓋13の素材として
は、透明もしくは半透明のポリプロピレン(PP)およ
びポリカーボネート(PC)が使用される。また、ウェ
ーハカセット100の素材としては、ポリプロピレン
(PP)が使用されている。このウェーハカセット10
0の素材中には、静電気を消散させるための静電気消散
性添加物が添加されている。これにより、ウェーハカセ
ット100の表面抵抗は、静電気消散性を示す範囲であ
るところの108〜1013Ωとなっている。また、容器
本体12および蓋13には、このような静電気消散性添
加物が添加されておらず、その表面抵抗は、一般的な値
である1015〜1018Ωとなっている。図4にウェーハ
カセット100を示す。複数枚のウェーハ11は、この
バケット型のウェーハカセット100の両側板の内面に
対向配置されたウェーハ11の挿填溝101間に、並ん
で、上方から挿填されることとなる。
【0029】図2に示すガスケット14は断面矩形の環
状のゴム製である。容器本体12や蓋13の鍔状の開口
周縁部間に介在されて、ウェーハケース10の密閉性を
確保するパッキング材としての役目を果たす。具体的に
は、図8(a),(b)に示すように、このガスケット
14は、容器本体12の開口周縁部に周設された矩形断
面のシール溝30に、若干その頭部を突出させて収納さ
れている。ガスケット14の内,外周部(非圧縮部)に
は、その全周にわたって凹部34が形成されている。し
たがって、ガスケット14の非圧縮面とシール溝30の
壁部との間には間隙35が形成されることとなる。
【0030】また、蓋13は、ガスケット14を介し
て、容器本体12の開口部に、航空輸送時のケース内外
の圧力差が0.2気圧になったときもこれに耐え得る高
い密閉性でもって閉蓋されている。そして、蓋13の上
壁の表面には、透明な上壁を通して覗き見えるウェーハ
11の枚数が、その枚数分の厚さ位置に合わせて表示さ
れている。また、蓋13の上壁の一角部には、図6に示
すように、容器内へ先細り状に突出するボス形状の孔部
13aが形成されている。この孔部13aにはケース内
外を連通する通気孔が形成されている。孔部13aに
は、フィルタユニット15のハウジング16の元部16
aが外嵌されている。
【0031】一方、容器本体12のシール溝30の下面
と、蓋13の周縁部に形成されたシール溝32の上面と
には、ガスケット14の上面および下面にそれぞれ当接
する一対のリブ31,33が周設されている。したがっ
て、閉蓋時には、ガスケット14の上部および下部がリ
ブ31,33によって押し潰される。しかしながら、ガ
スケット14の非圧縮面とシール溝30の側壁との間に
形成された間隙35が、潰されて膨出したガスケット1
4の逃げ部となる(図8(b)参照)。この結果、圧縮
力を受けたガスケット14は、シール溝30の側壁に妨
げられることなく、スムーズに変形する。よって、蓋1
3の閉蓋操作が容易になるとともに、接合部におけるシ
ール機能の信頼性が向上する。このような閉蓋構造によ
り、蓋13は容器本体12の開口部に、ケース内外の圧
力差0.2気圧に耐え得る高い密閉性で閉蓋される。
【0032】この閉蓋時において、蓋13を手動(自動
でも可)で容器本体12に圧着させる治具が、図1、図
7に示す容器本体12の側板上部間に対向状態で配設さ
れた一対のフック・レバー部40である。以下、これを
説明する。図1、図7に示すように、フック・レバー部
40は、ともに板材であるフック部材41とレバー部材
42とにより構成されている。フック部材41の上部に
は係合孔41aが穿設されていて、下部にレバー部材4
2の連結軸42aが軸支される切り欠きが形成されてい
る。このレバー部材42の元部両側には、容器本体12
の側板上部から突出するリブ間に軸支された一対の取り
付け軸42bが突出している。なお、蓋13の開口周縁
部には、各係合孔41aと対向する箇所に、閉蓋時に、
この係合孔41aと接合する係合突起13dが突出して
いる。
【0033】したがって、閉蓋時には、容器本体12の
開口部上に蓋13を載置し、その後、各係合孔41aを
それぞれの対応する係合突起13dに係合させる。次
に、レバー部材42を取り付け軸42bを中心に垂直面
内で下方へ回動させる。この結果、フック部材41は連
結軸42aを中心に垂直面内で回動させられながら押し
下げられる。これにより、蓋13が堅固に閉蓋される。
なお、開蓋時には、この操作とは逆の手順での操作を行
う。
【0034】次に、図5、図6を参照しながら蓋13の
フィルタ構造を詳細に説明する。蓋13の上壁の内面に
は、2個のフィルタユニット15が装着されている。フ
ィルタユニット15には、ケース内外を連通するフィル
タ17が内蔵されている。フィルタユニット15のうち
の一つは、ウェーハケース10の1隅角部位置に、他の
フィルタユニット15はそれとは反対側の側辺位置にそ
れぞれ取り付けられている。この側辺位置は蓋13でも
凹所となっている(図1参照)。
【0035】図6に示すように、この蓋13の上壁に
は、収納されたウェーハ11との対峙範囲を除く部分と
して、一方の隅角部付近と一方の側縁部の中間位置と
に、元部に肉盛り部13bが形成されたボス形状の孔部
13aがそれぞれ一体成形されている。これらの孔部1
3aは、注射針の針もとのJIS規格「T3101−1
979」に適合した形状としてある。これらの孔部13
aに、フィルタユニット15のハウジング16の元部1
6aが外嵌されている。すなわち、この元部16aは、
上述したJIS規格「T3101−1979」の注射針
の針もとの寸法を有している。
【0036】また、例えば、この蓋13の1隅角部上壁
の外面には、この孔部13aを取り囲むように、合計4
個の円弧状をした袋密着防止突起13cがそれぞれ円周
方向に90°離間した配置で一体成形させてもよい。袋
密着防止突起13cは、ウェーハケース10を包むケー
ス梱包袋の一例であって、後述する内袋18が孔部13
a(孔部の開口の周縁面)に密着することを防止するた
めの突起である。したがって、それぞれの袋密着防止突
起13c間には隙間が形成されている。
【0037】図5,図6に示すように、フィルタユニッ
ト15は、軸線方向の長さが1.5cmほどの小型のユ
ニットである。このフィルタユニット15は、ハウジン
グ16と、その内部に収納されたフィルタ17とにより
構成されている。ハウジング16は、ポリプロピレン製
の略コマ形状をした小型管体であり、上記筒状の元部1
6aの先端側に、フィルタ17の収納部を有する円盤状
の濾過部16bと、若干小径な円筒状の先部16cとが
順次連結されている。なお、この先部16cをカットし
て、フィルタユニット15の軸線方向の長さをより短く
してもよい。フィルタ17としては、直径13mm、平
均孔径0.5μm(気体の場合0.05μm程度の粒子
を濾過可能)、有効濾過面積0.9cm2、耐圧強度
(25℃時)5.3kgf/cm2(5.3×104
a)、耐熱温度60℃の四フッ化エチレン樹脂(PTF
E)製のメンブランフィルタを採用している。
【0038】次に、この一実施例に係るウェーハケース
10の使用方法を説明する。図1〜図4に示すように、
ウェーハケース10は、そのケースパーツの洗浄後に組
み立てられる。さらに、蓋13にはフィルタユニット1
5が組み付けられている。多数枚のシリコンウェーハ1
1は、ウェーハカセット100の各対向配置された挿填
溝101間にそれぞれ挿填されて保持されている。そし
て、このウェーハカセット100を本体容器12内に収
納する。次いで、一対のフック・レバー部40により、
ガスケット14を挟んで蓋13を閉蓋する。これによ
り、内部のウェーハ11が良好に密閉される。それか
ら、ウェーハケース10は、さらにナイロン(ポリアミ
ド繊維の商品名)またはポリエチレン製の内袋18と、
アルミニウムフィルム製の外袋19とにより二重にラッ
ピングされる。なお、これらの蓋13の閉蓋作業や両袋
18,19による梱包作業は、常圧で行われる。
【0039】例えば、トラックによる陸路運送時、その
振動が荷台に積まれたウェーハケース10に伝達され
て、ウェーハケース10とウェーハカセット100との
間や、ウェーハ11とカセット100の挿填溝101と
の間で、擦れを原因とした微細なごみを発生することが
ある。この場合、ウェーハカセット100の表面抵抗
が、静電気消散性を示す108〜1013Ωとなっている
ので、この密閉状態のウェーハケース10内で発生した
微細なごみ類は、表面抵抗が1015〜1018Ωと大き
な、容器本体12や蓋13の内面に吸い寄せられる。こ
の結果、この微細なごみ類がウェーハ11の表面に付着
して汚染されることを防ぐことができる。また、この蓋
13に、ケース内外を連通するフィルタユニット15を
設けているので、ケース外の微細なごみ類、殊に荷電性
が異なるごみ類は、ケース外の空気がケース内へ流れ込
む際に、フィルタ17によって濾過される。この結果、
このような場合の問題点であった、ごみ類がウェーハカ
セット13内のウェーハ11の表面に付着することを、
防ぐことができる。
【0040】次に、ウェーハケース10を航空機に搭載
して空輸する場合を説明する。この場合、離陸後のウェ
ーハケース10は、高度数千〜1万m付近(機内圧0.
7〜0.8atm)を飛行することになる。このとき、
気圧が低い上空において、常圧で密閉されたケース内
と、気圧の低いケース外との間で0.2〜0.3気圧の
圧力差が生じる(着陸時のケース内外の圧力差も同
じ)。しかしながら、ウェーハケース10が0.2気圧
の内外の差圧に耐え得る密閉性を有し、フィルタ17は
この耐圧より低い差圧で気体の流入を許容する。このた
め、ウェーハケース10の変形や、これに伴うケース破
損などを解消できる。この上空では、陸上よりも気圧が
低いため、内外袋18,19内の空気が膨れ(図9
(a)参照)、ケース10内の空気も膨張して、その一
部がフィルタユニット15を通して内袋18へ流入す
る。これにより、ケース内の微細なごみは、フィルタ1
7によりフィルタリングされ、かつ自動的にケース内外
の圧力差が解除される。
【0041】また、航空機が着陸のために下降して外圧
が上昇すると、フィルタユニット15を通して、その膨
らんでいた内袋18内の空気がケース内へ流入し、自動
的にケース内外の圧力差が解除される。これにより、そ
れまでケース内外に圧力差が生じることで起きていたウ
ェーハケース10の変形を解消することができ、この変
形に伴うウェーハ11の損傷を防止することができる。
なお、このとき、内袋18内で浮遊しているごみやほこ
りが、ケース内へ侵入するおそれがある。しかしなが
ら、フィルタユニット15の内部流路において、このご
み類はフィルタ17により濾過されて除去される。した
がって、ケース外の荷電性が異なる微細なごみ類がこの
ケース内に入り込み、ウェーハ11の表面に付着するこ
とを、防ぐことができる。また、フィルタ17は、0.
05μm以上のごみやほこりを99.9%以上濾過する
ことができる性能を有している。これにより、ケース内
へ入り込むごみがウェーハ11の表面に付着して、ウェ
ーハ11を汚すおそれをほとんど解消することができ
る。さらに、密閉されている内外の袋18,19は、外
圧が上昇することで、それぞれの内部空気が圧縮されて
縮まる(図9(b)参照)。
【0042】目的地へ着陸し、ケース外が常圧になった
後も、フィルタ17による気体の濾過速度をV/150
0mol/分としたので、フィルタユニット15を介し
て、最大10分程度でケース内外の圧力が等しくなる。
これにより、ケースの梱包と解く際には、従来手段のよ
うに、所定の押圧治具によりガスケット14をケース内
へ押し込んだり、ガスケット14に連通管を通したり、
または注射器などでケース内へ空気を注入することな
く、通常通り簡単に蓋13を開蓋することができる。こ
のように、表面抵抗が異なる素材により、ウェーハカセ
ット100,容器本体12,蓋13を作製し(射出成
形)し、かつ蓋13にフィルタ17を有するフィルタユ
ニット15を組み付けただけなので、比較的低コストで
これらの効果が得られる。
【0043】ここで、実際に、4種類のフィルタユニッ
ト(1個)を個別に取り付けたウェーハケース(実験例
1〜実験例4)と、フィルタを使用していないウェーハ
ケース(比較例1)にウェーハを大気圧で収納し、次い
で、これらのウェーハケースを25cmHgまで減圧し
た時、ケース内外の差圧を比較した実験について説明す
る。実験例1〜実験例4および比較例1において、ウェ
ーハケースとしては、内容量15000ccのポリカー
ボネート製の蓋およびポリプロピレン製の容器本体から
なるウェーハケースを使用した。
【0044】また、実験例1では、ゲルマンサイエンス
社製、#4553(テフロンPTFE製、テフロンは四
フッ化エチレン樹脂の商品名),有効濾過面積0.8c
2,0.05μm以上のごみ類を99.9%以上濾過
することができるフィルタユニットを採用した。実験例
2では、アドバンテック社製、#13CP045AN
(セルロースアセテート製),有効濾過面積0.8cm
2 0.05μm以上のごみ類を99.9%以上濾過す
ることができるフィルタユニットを採用した。実験例3
では、ゲルマンサイエンス社製の#4457(ポリフッ
化ビニリデン製),有効濾過面積0.8cm2,0.0
5μm以上のごみ類を99.9%以上濾過することがで
きるフィルタユニットを採用した。実験例4では、ゲル
マンサイエンス社製の#4426(ナイロン製),有効
濾過面積0.8cm2,0.05μm以上のごみ類を9
9.9%以上濾過することができるフィルタユニットを
採用した。その結果を、図11の減圧下でのウェーハケ
ース用フィルタの材質とケース内圧力との関係のグラフ
に示す。図11のグラフから明らかなように、フィルタ
の素材的には、実験例1のテフロンPTFEが、実験例
2〜実験例4の他の素材より気体の濾過速度が速かっ
た。
【0045】また、図12は空輸を想定したときのケー
ス内外の圧力の時間的変化を示している。この図に示す
ように、上記図1〜図4に示す実施例に係るフィルタ2
個付きのケース(図中△)は、環境圧力の変化(×)に
わずかな時間遅れで追従することができる。なお、この
ウェーハケースについてフィルタを付けていない場合
(○)は環境の圧力変化に追従することができない。
【0046】
【発明の効果】この発明では、ウェーハカセットの表面
抵抗を静電気消散性を有する108〜1013Ωとする一
方、容器本体の表面抵抗を1015〜1018Ωとしたの
で、密閉されたウェーハケース内で発生した微細なごみ
は、ウェーハカセットに付着することなく、容器本体の
内面に吸い寄せられる。この結果、この微細なごみが、
ウェーハの表面に付着してこれを汚染するおそれを低減
することができる。
【0047】特に、請求項2〜請求項7に記載の発明で
は、ウェーハケース外の微細なごみ類をフィルタにより
濾過するので、このケース外部の荷電性が異なる微細な
ごみ類がケース内部に入り込み、ウェーハの表面に付着
することを防ぐことができる。また、ウェーハケースの
内外に圧力差が生じた場合、フィルタを介して、ケース
内外において圧力が大きい方から小さい方へと気体が流
れるので、自動的にこの圧力差を解除することができ
る。しかも、大気中の微細なごみなどをフィルタで濾過
するため、圧力差の解除に際して、従来の欠点であった
大気中のごみがケース内に流入し、ウェーハの表面に付
着してこの表面を汚すことを防ぐことができる。また、
従来手段のように、パッキング材に刺された注射針など
で、ウェーハを損傷するおそれがない。しかも、ウェー
ハケースにフィルタを取り付けただけなので、比較的低
コストでこれらの効果を有するウェーハケースを製造す
ることができる。
【0048】さらに、請求項2に記載の発明では、フィ
ルタは、0.05μm以上のごみやほこりが99.9%
以上濾過することができるので、ケース内外の圧力差を
解消する際、大気中のかなり微細なごみまで濾過するこ
とができる。
【0049】また、請求項4,5に記載の発明では、航
空機輸送の実体に合わせて比較的短時間でケース内外の
圧力差を解除することができる。
【0050】そして、請求項7に記載の発明では、フィ
ルタとして四フッ化エチレン樹脂製のメンブランフィル
タを採用したので、例えばナイロン,セルロースアセテ
ートなどの他の合成樹脂のものに比べて気体の濾過速度
が速い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るウェーハケースの全
体斜視図である。
【図2】この発明の一実施例に係るウェーハケースの正
面図である。
【図3】この発明の一実施例に係るウェーハケースの平
面図である。
【図4】この発明の一実施例に係るウェーハカセットの
斜視図である。
【図5】この発明の一実施例に係るフィルタユニットの
拡大斜視図である。
【図6】この発明の一実施例に係るフィルタユニットの
使用状態の拡大断面図である。
【図7】この発明の一実施例に係る閉蓋中における図1
のA−A線拡大断面図である。
【図8】(a)は容器本体と蓋との接合部の構造を示す
部分拡大断面図である。(b)はガスケットの圧縮変形
を説明するための説明図である。
【図9】(a)は上空飛行中の比較的密閉性が良いウェ
ーハケースの説明図である。(b)は空輸後の状態を示
す説明図である。
【図10】ウェーハケースの振動試験後におけるウェー
ハ表面上に付着した0.1μm以上のパーティクル数の
グラフである。
【図11】減圧下でのウェーハケース用フィルタの素材
とケース内圧力との関係を示すグラフである。
【図12】この発明の実施例に係るウェーハケースの空
輸を想定した環境圧力の変化への追従性を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
10 ウェーハケース、 11 ウェーハ、 12 容器本体、 13 蓋、 15 フィルタユニット、 16 ハウジング、 17 フィルタ、 100 ウェーハカセット。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウェーハが直接挿填されるウェー
    ハカセットを、容器本体内に蓋を用いて密閉するウェー
    ハケースにおいて、 上記ウェーハカセットの表面抵抗を108〜1013Ωと
    する一方、上記容器本体の表面抵抗を1015〜1018Ω
    としたウェーハケース。
  2. 【請求項2】 ウェーハカセットが収納される容器本体
    と、 この容器本体を密封する蓋と、 容器本体および蓋の少なくともいずれか一方の外壁に取
    り付けられたフィルタとを備え、 このウェーハケースの外圧がその内圧より0.05〜
    0.2気圧だけ低い場合にも上記蓋と容器本体との間の
    密封性が保持されるウェーハケースにあって、 このフィルタを介してのみウェーハケース内外の気体の
    流通を可能とするとともに、 このフィルタは、0.05μm以上の大きさの微細なご
    み類を99.9%以上濾過することができる請求項1に
    記載のウェーハケース。
  3. 【請求項3】 上記ウェーハケースが0.05〜0.2
    気圧の差圧での密封性を保持するとき、この差圧より小
    さい差圧がウェーハケース内外に生じたとき気体が上記
    フィルタを通って流出入する請求項2に記載のウェーハ
    ケース。
  4. 【請求項4】 ウェーハケースの容積をVリットルとし
    たとき、上記フィルタは、V/1500(mol/分)
    以上の値で気体の流出入を許容する請求項2または請求
    項3に記載のウェーハケース。
  5. 【請求項5】 上記ウェーハケースの外圧が低下すると
    き、この外圧の低下に対応してウェーハケースの内圧も
    低下し、10分程度の遅れで内外圧が一致する請求項2
    〜請求項4のいずれか1項に記載のウェーハケース。
  6. 【請求項6】 上記容器本体および/または上記蓋の外
    壁に、ウェーハケースの内方へ突出して、しかも注射針
    の針もとのJIS規格「T3101−1979」に適合
    したボス形状の孔部を設け、この孔部に、ウェーハケー
    ス内外を連通して、かつ筒形状のハウジング内にフィル
    タを収納するフィルタユニットを取り付けた請求項2〜
    請求項5のいずれか1項に記載のウェーハケース。
  7. 【請求項7】 上記フィルタが、四フッ化エチレン樹脂
    製のメンブランフィルタである請求項2〜請求項6のい
    ずれか1項に記載のウェーハケース。
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