JPH1123836A - ブラックマトリクス、カラーフィルターおよび液晶表示装置 - Google Patents

ブラックマトリクス、カラーフィルターおよび液晶表示装置

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JPH1123836A
JPH1123836A JP17944697A JP17944697A JPH1123836A JP H1123836 A JPH1123836 A JP H1123836A JP 17944697 A JP17944697 A JP 17944697A JP 17944697 A JP17944697 A JP 17944697A JP H1123836 A JPH1123836 A JP H1123836A
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JP
Japan
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black matrix
pigment
black
film
pigments
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JP17944697A
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English (en)
Inventor
Hideshi Nomura
秀史 野村
Mikio Tsuda
幹雄 津田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】顔料分散樹脂ブラックマトリクスを具備するカ
ラーフィルターと、対向基板を張り合わせて製造される
液晶表示装置において、顔料分散樹脂ブラックマトリク
スへの円柱状スペーサのめり込みなどによるギャップの
変動にともなう表示品位の低下を抑制する。 【解決手段】ブラックマトリクスに含まれる全顔料中の
1重量%以上を、該ブラックマトリクスの厚みの0.8
〜1.2倍の粒径の顔料とする顔料分散樹脂ブラックマ
トリクス、該ブラックマトリクスを具備するカラーフィ
ルター、および、該カラーフィルターを用いて作製した
液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラットパネルデ
ィスプレイ、特に液晶表示装置に用いられる、ブラック
マトリクスを具備するカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置をカラー化するために、透
明基板上にR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の画素
を、ライン状またはモザイク状に配置したカラーフィル
ターが用いられている。たとえば、現在広く普及してい
るTN(ツイステッド・ネマティック)方式のTFT
(薄膜トランジスター)カラー液晶表示装置は、カラー
フィルターが形成された透明ガラス基板と、TFTが形
成された透明ガラス基板の間に液晶を封入した構造とな
っている。
【0003】カラーフィルターは、ガラスなどの透明基
板上に、染料により着色された樹脂膜や、顔料が分散さ
れた樹脂膜、あるいは、無機物からなる多重干渉膜など
からなる、R(赤)、G(緑)、B(青)の画素膜のパ
ターンがガラスなどの透明基板上に形成されているもの
である。通常、画素と画素の間隙には、ブラックマトリ
クスが設けられている。ブラックマトリクスは、光漏れ
によるコントラストの低下およびTFTの誤動作を防止
する役割を担っている。
【0004】ブラックマトリクスとしては、クロムやニ
ッケルなどの金属薄膜が一般に用いられる。しかし、金
属薄膜からなるブラックマトリクスには、反射率が大き
いためディスプレイの表示品位を低下させるという問題
がある。反射率を低減するために、たとえば特開平6−
130217号公報に示されているようにクロムと酸化
クロムの多層膜からなるブラックマトリクスが提案され
ているが、この種のブラックマトリクスには製造コスト
および廃棄物処理コストが高いという問題がある。
【0005】製造コストおよび廃棄物処理コストが比較
的低く、反射率の小さいブラックマトリクスとして、た
とえば特開平2−239204号公報に示されているよ
うな黒色顔料が分散された樹脂からなるブラックマトリ
クスがある。金属薄膜や金属/酸化物多層膜からなるブ
ラックマトリクスよりも容易に膜厚を大きくすることが
可能で、たとえば、特開平7−318950号公報に示
されているように、樹脂ブラックマトリクス上に画素膜
を積層し、高さの大きい柱状スペーサを形成することが
できる。
【0006】カラーフィルターが形成された透明ガラス
基板と、TFTが形成された透明ガラス基板が張り合わ
せられる際、基板間のギャップを一定に保つために、基
板間の接着には、ガラスなどからなる円柱状のスペーサ
が分散されたエポキシ樹脂などからなるシール材が用い
られる。通常、高温での高圧によるプレス下で、エポキ
シ樹脂の硬化は行われる。
【0007】顔料分散樹脂ブラックマトリクスは、金属
薄膜や金属/酸化物多層膜からなるブラックマトリクス
よりも一般に押し込み硬度が小さい。このため、シール
部にブラックマトリクスが存在した場合、高圧によるプ
レスにより円柱状のスペーサがめり込むなどして膜の塑
性変形が起こり、基板間のギャップが表示部の面内で変
動する場合があった。基板間のギャップが変動すると、
液晶表示装置の表示品位が低下するという問題が生じ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の諸欠点に鑑み創案されたもので、その目的とする
ところは、カラーフィルターが形成された基板と、TF
Tなどが形成された基板を張り合わせる際に、顔料分散
樹脂ブラックマトリクス上のシール部において、円柱状
のスペーサのめり込みなどにより、液晶表示装置の表示
部の面内で基板間のギャップが変動し、液晶表示装置の
表示品位が低下することを抑制することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
ブラックマトリクスに含まれる全顔料中の1重量%以上
が、該ブラックマトリクスの厚みの0.8〜1.2倍の
粒径の顔料であることを特徴とする、顔料分散樹脂ブラ
ックマトリクス、および、このブラックマトリクスを具
備するカラーフィルター、また、このカラーフィルター
を具備する液晶表示装置によって達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、ブラックマトリクス
に含まれる全顔料中の1重量%以上が、該ブラックマト
リクスの厚みの0.8〜1.2倍の粒径の顔料であるこ
とが重要である。すなわち、ブラックマトリクスの厚み
と同程度の粒径の顔料を顔料分散樹脂ブラックマトリク
スに含有させることにより、高圧によるプレスの際、円
柱状のスペーサのブラックマトリクスへのめり込みを抑
制し、膜の塑性変形による基板間のギャップの変動を抑
えることができる。
【0011】本発明で用いられるブラックマトリクスの
厚みの0.8倍〜1.2倍の粒径の顔料の具体的例とし
ては、カーボンブラック、チタンブラック、グラファイ
トなどが挙げられる。スペーサのめりこみを抑制するた
めに機能する顔料としては、遮光性が大きく、硬度の大
きい顔料が望ましく、グラファイトが特に好ましいが、
これらに限定されずに、種々の顔料を使用することがで
きる。
【0012】スペーサのめりこみを抑制するために機能
する顔料の粒径は、ブラックマトリクスの厚みとほぼ等
しいことが望まれる。使用される顔料の粒径は、ブラッ
クマトリクスの厚みの0.8〜1.2倍、好ましくは
0.9〜1.1倍、さらに好ましくは0.95〜1.0
5倍である。ブラックマトリクスの厚みと含有される顔
料の粒径の比較は、ブラックマトリクスの断面を電子顕
微鏡により観察することにより行うことができる。ま
た、ブラックマトリクス形成用ペーストを用いて粒子ア
ナライザーなどによりペースト中に含まれる顔料の粒径
を測定し、ブラックマトリクス形成後に触針法などによ
りブラックマトリクスの厚みを測定することにより、ブ
ラックマトリクスの厚みと含有される顔料の粒径の比較
を行うこともできる。
【0013】ブラックマトリクスに含有されるブラック
マトリクスの厚みの0.8倍〜1.2倍の粒径の顔料
は、量が少なすぎればスペーサのめりこみを抑制する機
能を発揮しない。このため、ブラックマトリクスに含ま
れる全顔料中の1重量%以上、好ましくは5重量%以
上、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは
20重量%以上の量のブラックマトリクスの厚みと同程
度の粒径の顔料が、ブラックマトリクスに含有される。
【0014】本発明の顔料分散樹脂ブラックマトリクス
で用いられる、ブラックマトリクスの厚みの0.8倍〜
1.2倍の粒径の顔料以外の顔料の具体的な例として
は、前記のカーボンブラック、チタンブラック、グラフ
ァイトが挙げられる。また、ブラックマトリクスの色調
を整えるために、青色顔料や紫色顔料を一部用いること
もできる。カラーインデックス(CI)ナンバーで青色
顔料および紫色顔料の具体的な例を挙げると、青色顔料
の例としてはピグメントブルー15(15:3、15:
4、15:6など)、21、22、60、64などが挙
げられ、紫色顔料の例としてはピグメントバイオレット
19、23、29、32、33、36、37、38など
が挙げられる。
【0015】ブラックマトリクスの厚みの0.8倍〜
1.2倍の顔料以外の顔料の粒径は、ブラックマトリク
スの光学密度を均一に保ち、表面荒れを防ぐために、ブ
ラックマトリクスの厚みより小さいことが望まれる。望
ましいこれらの顔料の粒径は、ブラックマトリクスの厚
みの50%以下、好ましくは20%以下、より好ましく
は10%以下である。
【0016】本発明では、顔料を分散保持する樹脂につ
いては、一般に顔料分散樹脂ブラックマトリクスの形成
に使用される樹脂であれば特に限定されず、どのような
ものも使用が可能である。たとえば、アクリル樹脂、ア
ルキド樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、ポ
リアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなど種々の樹
脂を用いることができる。パターン形成の容易さという
面からは、感光性のアクリル樹脂を用いることが好まし
い。しかし、耐熱性の面からは、ポリイミドの使用が好
ましい。
【0017】ポリイミドは、通常、ポリイミド前駆体を
熱的または化学的にイミド化することにより得られる。
ポリイミド前駆体としては、ポリアミック酸およびその
エステル化物が通常用いられる。ここで言うポリアミッ
ク酸は、通常、次の一般式(1)で表される。
【0018】
【化1】 (ここでR1は炭素数2〜22の4価の有機基、R2は炭
素数1〜22の2価の有機基、nは1以上の整数を示
す。)ポリイミド膜の力学的特性は、分子量が大きいほ
ど良好である。このため、ポリイミド前駆体であるポリ
アミック酸の分子量も大きいことが望まれる。一方、ポ
リイミド前駆体膜を湿式エッチングによりパターン加工
を行う場合、ポリアミック酸の分子量が大きすぎると、
現像に要する時間が長くなりすぎるという問題がある。
したがって、nの好ましい範囲は2〜1000、より好
ましくは4〜400、さらに好ましくは6〜100であ
る。なお、ポリアミック酸の分子量には一般にばらつき
があるため、ここでいうnの好ましい範囲とは、この範
囲の中に全ポリアミック酸の50モル%以上、好ましく
は70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上が
入っていることを意味する。
【0019】ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無
水物とジアミンを反応させることにより得ることができ
る。
【0020】テトラカルボン酸二無水物は、一般式
(2)で示される。
【0021】
【化2】 (式中のR1 は、前記の炭素数2〜22の4価の有機基
を表す。) 本発明では、テトラカルボン酸二無水物として、たとえ
ば、脂肪族系または脂環式系のものを用いることがで
き、その具体的な例として、1,2,3,4−シクロブ
タンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シク
ロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,5
−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
4,5−ビシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無
水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5
−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)
−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオンなどが
挙げられる。また、芳香族系のものを用いると、耐熱性
の良好なポリイミドに変換しうるポリイミド前駆体組成
物を得ることができ、その具体的な例として、3,3
´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物、ピロメリット酸二無水物、3,4,9,10−ペリ
レンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4
´−オキシジフタル酸二無水物、3,3´,4,4´−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6
−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3”,
4,4”−パラターフェニルテトラカルボン酸二無水
物、3,3”,4,4”−メタターフェニルテトラカル
ボン酸二無水物が挙げられる。また、フッ素系のものを
用いると、短波長領域での透明性が良好なポリイミドに
変換しうるポリイミド前駆体組成物を得ることができ、
その具体的な例として、4,4´−(ヘキサフルオロイ
ソプロピリデン)ジフタル酸二無水物などが挙げられ
る。なお、本発明は、これらに限定されずにテトラカル
ボン酸二無水物が1種または2種以上用いられる。
【0022】ジアミンは、一般式(3) H2N−R2−NH2 (3) (式中のR2は、前記の炭素数1〜22の2価の有機基
を表す。)で示される。本発明ではジアミンとして、た
とえば、脂肪族系または脂環式系のものを用いることが
でき、その具体的な例として、エチレンジアミン、1,
3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロ
ヘキサン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジ
シクロヘキシルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´
−ジメチルジシクロヘキシルなどが挙げられる。また、
芳香族系のものを用いると、耐熱性の良好なポリイミド
に変換しうるポリイミド前駆体組成物を得ることがで
き、その具体的な例として、4,4´−ジアミノジフェ
ニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−
ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェ
ニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4´−ジアミノジフェニルサルファイド、m−
フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4
−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,
6−ジアミノトルエン、ベンジジン、3,3´−ジメチ
ルベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、o−
トリジン、4,4”−ジアミノターフェニル、1,5−
ジアミノナフタレン、3,3´−ジメチル−4,4´−
ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホ
ンなどが挙げられる。また、フッ素系のものを用いる
と、短波長領域での透明性が良好なポリイミドに変換し
うるポリイミド前駆体組成物を得ることができ、その具
体的な例として、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどが挙げ
られる。
【0023】また、一般式(4)
【化3】 (式中のR3は炭素数1〜10の2価の有機基、R4、R
5、R6、およびR7は炭素数1〜10の1価の有機基で
これらは同一であっても異なっていてもよく、mは1〜
10の整数を示す。)で示されるシロキサンジアミンを
用いると、無機基板との接着性を良好にすることができ
る。シロキサンジアミンは、通常、全ジアミン中の1〜
20モル%量用いる。シロキサンジアミンの量が少なす
ぎれば接着性向上効果が発揮されず、多すぎれば耐熱性
が低下する。シロキサンジアミンの具体例としては、ビ
ス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサンな
どが挙げられる。本発明では、これらに限定されずにジ
アミンを1種または2種以上用いることができる。
【0024】ポリアミック酸の合成は、極性有機溶媒中
でジアミンとテトラカルボン酸二無水物を混合して反応
させることにより行うのが一般的である。この時、ジア
ミンとテトラカルボン酸二無水物の混合比により得られ
るポリアミック酸の重合度を調節することができる。
【0025】このほか、テトラカルボン酸ジクロライド
とジアミンを極性有機溶媒中で反応させて、その後、塩
酸と溶媒を除去することによってポリアミック酸を得る
など、ポリアミック酸を得るには種々の方法がある。し
かし、本発明はその合成法によらずにポリアミック酸に
対して適用が可能である。また、上記のポリアミック酸
のエステル化物などの誘導体に対しても適用が可能であ
る。
【0026】ブラックマトリクスが形成される基板とし
ては、通常、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケ
イ酸ガラス、石英ガラスなどの透明基板が用いられる
が、プラスチック基板などを用いることもできる。ま
た、反射型液晶表示装置用として、たとえば、ガラス上
に金属薄膜が形成された反射板が基板として用いられる
場合もある。
【0027】本発明のブラックマトリクスを作製する代
表的な方法のひとつとして、水または有機溶媒にマトリ
クス樹脂が溶解した溶液に顔料が分散された黒色ペース
トを用いる方法が挙げられる。黒色ペーストに用いられ
る溶媒に特に制限はない。水および一般的な有機溶媒を
用いることができる。ブラックマトリクスの樹脂成分と
して、ポリイミドを用いる場合、黒色ぺーストに用いら
れる溶媒は、ポリイミド前駆体を溶解する溶媒であるこ
とが望ましい。ポリイミド前駆体を溶解する溶媒として
は、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミドなどのアミド類、γ−ブチロラクトン、β
−プロピルラクトンなどのラクトン類、2−ピロリド
ン、N−メチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類な
どの極性有機溶媒が挙げられる。また、通常、単独では
ポリイミド前駆体を溶解しない、エタノール、ブタノー
ル、エチレングリコールなどのアルコール類、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類などの
有機溶媒をポリイミド前駆体を溶解する溶媒と混合して
用いることができる。
【0028】黒色ペーストは、分散機を用いて樹脂溶液
中に直接顔料を分散させる方法や、分散機を用いて水ま
たは有機溶媒中に顔料を分散して顔料分散液を作製し、
その後樹脂溶液と混合する方法などにより製造される。
顔料の分散方法には特に限定はなく、ボールミル、サン
ドグラインダー、3本ロールミル、高速度衝撃ミルな
ど、種々の方法がとりうる。
【0029】黒色ぺーストにおいて、樹脂成分と顔料
は、通常、重量比で2:8〜9:1、好ましくは3:7
〜8:2、より好ましくは4:6〜7:3の範囲で混合
して用いられる。樹脂成分の量が少なすぎると、着色被
膜の基板との接着性が不良となり、逆に顔料の量が少な
すぎると遮光性が小さくなる。
【0030】黒色ペーストの塗布性および黒色膜の表面
の均一性を良好にする目的で、あるいは、顔料の分散性
を良好にする目的で、黒色ぺーストに界面活性剤を添加
することができる。界面活性剤の添加量は通常、顔料の
0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量
%である。添加量が少なすぎると塗布性、黒色膜表面の
均一性の改良、あるいは顔料の分散性の改良の効果がな
く、多すぎると逆に塗布性が不良となったり、顔料の凝
集が起こる。界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫
酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオン界面活性剤、
ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアン
モニウムクロライドなどの陽イオン界面活性剤、ラウリ
ルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチ
ルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインなどの両性
界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンモノ
ステアレートなどの非イオン界面活性剤などが挙げられ
る。これらに限定されずに、界面活性剤が1種または2
種以上用いることができる。界面活性剤の添加は、顔料
の分散工程中またはその工程の前後のどの時点でも行う
ことができる。しかし、添加の時点により顔料の分散性
が変わる場合があるので、注意を要する。
【0031】黒色ぺーストを基板上に塗布する方法とし
ては、スピンコーター、バーコーター、ブレードコータ
ー、ロールコーター、ダイコーター、スクリーン印刷法
などで基板に塗布する方法、基板を黒色ペースト中に浸
漬する方法、黒色ペーストを基板に噴霧する方法や、黒
色ペースト中の樹脂成分が電解質である場合には電極上
に電着する方法などの種々の方法を用いることができ
る。なお、基板上に黒色ペーストを塗布する場合、シラ
ンカップリング剤などの接着助剤で基板表面を処理して
おくと、黒色膜と基板の接着力を向上させることができ
る。また、電着を行う場合には、基板上に電極を形成し
ておかなければならない。
【0032】本発明でブラックマトリクスとして用いら
れる黒色膜の厚みには特に制限は無いが、通常、0.1
〜10μm、好ましくは、0.5〜3μmである。膜厚
が小さすぎれば、光の吸収が小さくなりすぎ、遮光性が
満足されない。膜厚が大きすぎる場合には、表面の段差
が大きくなり、液晶分子の配向が乱されるなどの問題が
生じるおそれがある。
【0033】次に、樹脂成分としてポリイミドを、さら
にその前駆体としてポリアミック酸を使用した場合の、
顔料分散樹脂ブラックマトリクスの作製法の一例を以下
に示す。
【0034】黒色ぺーストを、前記のような方法で基板
上に塗布した後、風乾、加熱乾燥、真空乾燥などによ
り、ポリイミド前駆体黒色膜を形成する。加熱乾燥の場
合、オーブン、ホットプレートなどを使用し、50〜1
80℃の範囲、より好ましくは80〜120℃で30秒
〜3時間行う。温度が低すぎる場合、溶媒がなかなか蒸
発せず、逆に温度が高すぎると現像液への溶解性が低下
する。このようにして得られたポリイミド前駆体黒色膜
に、通常の湿式エッチングによりパターンを形成する。
まず、ポリイミド前駆体着色膜上にポジ型フォトレジス
トを塗布し、フォトレジスト被膜を形成する。続いて該
フォトレジスト被膜上にマスクを置き、露光装置を用い
て紫外線を照射する。露光後、ポジ型フォトレジスト用
アルカリ現像液により、フォトレジスト被膜とポリイミ
ド前駆体黒色膜のエッチングを同時に行う。エッチング
後、不要となったフォトレジスト被膜を剥離する。
【0035】ポリイミド前駆体黒色膜は、その後、加熱
処理することによって、ポリイミド黒色膜に変換され
る。加熱処理は通常、空気中、窒素雰囲気中、あるい
は、真空中などで、150〜400℃、好ましくは18
0〜350℃、より好ましくは200〜300℃の温度
のもとで、1分〜3時間、連続的、または段階的に行わ
れる。
【0036】本発明の顔料分散ブラックマトリクスの開
口部に、R、G、Bの画素膜を形成することにより、本
発明のカラーフィルターを作製することができる。画素
膜としては、染色膜、顔料分散膜、多重干渉膜、選択反
射膜などが用いられるが、作製の容易さ、耐熱性、耐光
性などの点から、顔料分散膜が好ましい。
【0037】本発明で用いることのできる顔料に特に制
限はないが、耐光性、耐熱性、耐薬品性に優れたものが
好ましい。代表的な顔料の具体的な例をカラーインデッ
クス(CI)ナンバーで示す。黄色顔料の例としてはピ
グメントイエロー20、24、83、86、93、9
4、109、110、117、125、137、13
8、139、147、148、153、154、16
6、173などが挙げられる。橙色顔料の例としてはピ
グメントオレンジ13、31、36、38、40、4
2、43、51、55、59、61、64、65などが
挙げられる。赤色顔料の例としてはピグメントレッド
9、97、122、123、144、149、166、
168、177、180、192、215、216、2
24などが挙げられる。紫色顔料の例としてはピグメン
トバイオレット19、23、29、32、33、36、
37、38などが挙げられる。青色顔料の例としてはピ
グメントブルー15(15:3、15:4、15:6な
ど)、21、22、60、64などが挙げられる。緑色
顔料の例としてはピグメントグリーン7、10、36、
47などが挙げられる。本発明ではこれらに限定されず
に種々の顔料を使用することができる。
【0038】液晶表示装置に用いられるカラーフィルタ
ーのR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の画素は、C
RT蛍光体の色度特性に類似させる必要があるため、上
記の顔料はバックライトと液晶表示装置の光線透過特性
に合うよう、数色組み合わせて調色されて用いられる場
合がある。たとえば、R(赤)は赤色顔料と黄色顔料ま
たは橙色顔料、G(緑)は緑色顔料と黄色顔料または橙
色顔料、B(青)は青色顔料と紫色顔料の組み合わせな
どにより調色される。
【0039】本発明のカラーフィルターを作製する代表
的な方法のひとつとして、水または有機溶媒にマトリク
ス樹脂が溶解した溶液に顔料が分散されたカラーペース
トを用いる方法が挙げられる。このようなカラーペース
トは、前記の黒色ペーストと同様な方法で作製される。
作製されたR(赤)、G(緑)、B(青)の3色のカラ
ーぺ−ストを用いて、顔料分散樹脂ブラックマトリクス
の場合と同様な方法を繰り返すことにより、パターン化
された画素膜が基板上に形成され、本発明のカラーフィ
ルターが得られる。また、画素膜のパターン加工を行う
際、樹脂ブラックマトリクス上に、R(赤)、G
(緑)、B(青)の画素膜のうちの一部または全部をパ
ターン化して積層させることにより、柱状スペーサを具
備するカラーフィルターを得ることができる。
【0040】このようにして作製されたカラーフィルタ
ー上に、必要に応じて、オーバーコート膜や透明導電膜
が形成される。その後、カラーフィルターと対向基板と
の間に液晶が封入され、本発明の液晶表示装置が作製さ
れる。液晶の表示方式には特に制限は無く、TN、ST
N(スーパー・ツイステッド・ネマティック)、IPS
(イン・プレーン・スイッチング)、GH(ゲスト・ホ
スト)、FLC(強誘電性液晶)、AFLC(反強誘電
性液晶)、PDLC(高分子分散型液晶)などの表示方
式に適用可能である。
【0041】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】実施例1 温度計および乾燥空気導入口と攪拌装置を付した500
0mlの4つ口フラスコに、4,4´−ジアミノジフェ
ニルエーテル130.1g(0.65モル当量)、3,
4´−ジアミノジフェニルエーテル60.1g(0.3
モル当量)、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチ
ルシロキサン12.4g(0.05モル当量)、γ−ブ
チロラクトン1000g、N−メチル−2−ピロリドン
を200gを投入し、乾燥窒素流入下、30℃で1時間
攪拌した後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物161.1g(0.5モル当
量)、ピロメリット酸二無水物87.2g(0.4モル
当量)、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物26.5g(0.09倍モル当量)、γ−
ブチロラクトン1316.7gを投入し、乾燥窒素流入
下、70℃で2時間攪拌し、その後、無水マレイン酸を
1.96g(0.02モル当量)添加し1時間攪拌し
て、ポリアミック酸溶液(ポリマー濃度16wt%)を
得た。
【0043】ポリアミック酸溶液25gと、カーボンブ
ラック4.5g、ピグメントブルー15(フタロシアニ
ンブルー)1.0g、および、粒径1.0μmのグラフ
ァイト0.5gと、N−メチル−2−ピロリドン45.
3g、ブチルセロソルブ14gをガラスビーズ150g
とともにホモジナイザーを用い、7000rpmで30
分間分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、黒
色カラーペーストを得た。この黒色カラーペースト中に
含まれる顔料の粒径分布をコールター社製サブミクロン
粒子アナライザー”N4PLUS”で測定したところ、
粒径0.9〜1.3μmの粒子が全顔料中の8重量%存
在するという結果が得られた。
【0044】黒色カラーペーストを厚さ1.1mmの無
アルカリガラス基板上にスピンコートし、110℃で1
5分間オーブンを用いて空気中で加熱乾燥して、膜厚
1.5μmのポリイミド前駆体膜を得た。この膜上にポ
ジ型フォトレジストを塗布し、80℃で20分間加熱乾
燥して膜厚1.2μmのレジスト膜を得た。紫外線露光
機を用い、クロム製のフォトマスクを介して紫外線を照
射した。露光後、テトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイドの2.38wt%の水溶液からなる現像液に浸
漬し、フォトレジストおよびポリイミド前駆体着色膜の
現像を同時に行った。エッチング後、不要となったフォ
トレジスト層をメチルセロソルブアセテートで剥離し
た。さらにこのようにして得られたポリイミド前駆体黒
色被膜を窒素雰囲気中で310℃で20分間熱処理し、
本発明の、膜厚1.1μmのポリイミド黒色着色膜から
なる格子状のブラックマトリクスを得た。
【0045】次に、温度計および乾燥窒素導入口と攪拌
装置を付した5000mlの4つ口フラスコに、4,4
´−ジアミノジフェニルエーテル140.2g(0.7
モル当量)、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン6
2.1g(0.25モル当量)、ビス−3−(アミノプ
ロピル)テトラメチルシロキサン12.4g(0.05
モル当量)、γ−ブチロラクトン1000g、N−メチ
ル−2−ピロリドンを500gを投入し、乾燥窒素流入
下、40℃で1時間攪拌した後、3,3´,4,4´−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物322.2g
(1モル当量)、γ−ブチロラクトン945.9gを投
入し、乾燥窒素流入下、60℃で3時間攪拌し、ポリア
ミック酸溶液(ポリマー濃度18wt%)を得た。
【0046】このポリアミック酸溶液を20g取り出
し、それにγ−ブチロラクトン18.6g、ブチルセロ
ソルブ6.4gを添加して、ポリマー濃度8wt%の溶
液を得た。
【0047】ピグメントレッド177(アントラキノン
レッド)4g、γ−ブチロラクトン40g、ブチルセロ
ソルブ6gをガラスビーズ100gとともにホモジナイ
ザーを用い、7000rpmで30分間分散処理後、ガ
ラスビーズを濾過により除去し、顔料濃度8wt%の顔
料分散液を得た。顔料分散液30gに、ポリマー濃度8
重量%の溶液30gを添加混合し、赤色カラーぺースト
を得た。
【0048】また、黒色ペーストの作製に用いたポリア
ミック酸溶液(ポリマー濃度16wt%)20gに、γ
−ブチロラクトン7.7g、3−メチル−3−メトキシ
ブタノール4gを添加して、ポリマー濃度10wt%の
溶液を得た。
【0049】ピグメントグリーン7(フタロシアニング
リーン)3.6g、ピグメントイエロー83(ベンジジ
ンイエロー)0.4g、γ−ブチロラクトン32g、ブ
チルセロソルブ4gをガラスビーズ120gとともにホ
モジナイザーを用い、7000rpmで30分間分散処
理後、ガラスビーズを濾過により除去し、顔料濃度10
wt%の顔料分散液を得た。顔料分散液32gにポリマ
ー濃度10wt%の溶液28gを添加混合し、緑色カラ
ーぺーストを得た。
【0050】さらに、黒色および緑色カラーぺースト作
製に用いたのと同じポリアミック酸溶液(ポリマー濃度
16wt%)45gと、ピグメントブルー15(フタロ
シアニンブルー)2.8g、N−メチル−2−ピロリド
ン25.5g、ブチルセロソルブ10gをガラスビーズ
150gとともにホモジナイザーを用い、7000rp
mで30分間分散処理後、ガラスビーズを濾過により除
去し、青色カラーペーストを得た。
【0051】赤色カラーぺーストをブラックマトリクス
が形成された無アルカリガラス基板上にスピンコート
し、100℃で20分間オーブンを用いて空気中で加熱
乾燥して、膜厚1.6μmのポリイミド前駆体膜を得
た。この膜に黒色ポリイミド前駆体膜と同様なパターン
加工処理を施し、ストライプ状のパターンを形成した
後、窒素雰囲気中で300℃で30分間熱処理し、膜厚
1.2μmのポリイミド赤色着色膜からなる画素を形成
した。なお、赤色着色膜のパターン加工の際、ブラック
マトリクスとの境界部で、赤色着色膜はブラックマトリ
クス上に乗り上げるようにし、ブラックマトリクスと赤
色着色膜の間に空隙が生じないようにした。
【0052】また、緑色カラーぺーストを無アルカリガ
ラス基板上にスピンコートし、110℃で20分間オー
ブンを用いて空気中で加熱乾燥して、膜厚1.5μmの
緑色ポリイミド前駆体膜を得た。この膜を赤色ポリイミ
ド前駆体膜と同様にパターン加工し、窒素雰囲気中で2
80℃で1時間熱処理して、膜厚1.2μmのポリイミ
ド緑色着色膜からなる画素を形成した。
【0053】さらに、青色カラーペーストを無アルカリ
ガラス基板上にスピンコートし、130℃で20分間オ
ーブンを用いて空気中で加熱乾燥して、膜厚1.5μm
の青色ポリイミド前駆体膜を得た。この膜を赤色ポリイ
ミド前駆体膜と同様にパターン加工し、窒素雰囲気中で
280℃で1時間熱処理し、膜厚1.2μmのポリイミ
ド青色着色膜からなる画素を形成して、本発明のカラー
フィルターを作製した。 カラーフィルターの画素部
に、膜厚120nmの酸化スズ・インジウム(ITO)
膜をスパッタリングにより形成した。ITO膜上に配向
膜形成用ポリイミド前駆体溶液をアニロックスロールを
用いて印刷し、窒素雰囲気中で120℃で10分間、2
50℃で20分間熱処理を行い、膜厚100nmの配向
膜を形成した後、ラビング処理を施した。
【0054】ロッド径5μmのガラスロッドスペーサを
分散したエポキシ樹脂を、表示画面の外側に位置する樹
脂ブラックマトリクスの額縁部上に、一部に開口部を設
けて印刷した。この基板と、ITO膜および配向膜を形
成しラビング処理を施した後、直径6μmの球状スペー
サを散布した無アルカリガラス基板とを重ね合わせた。
90℃で20分間、予備加熱を行った後、150℃で3
0分間熱プレスを行った。その後、開口部より液晶を注
入し、開口部を紫外線硬化樹脂で封止した。このように
して作製した液晶セルを偏光板で挟んで本発明の液晶表
示装置を作製した。
【0055】液晶表示装置の表示特性を評価したとこ
ろ、ギャップの変動に起因する表示不良は認められず、
その他表示特性にも特に問題はなかった。その後、装置
を分解して、電子顕微鏡により額縁部のブラックマトリ
クスの表面を観察したが、突起物やガラスロッドスペー
サーのめりこみによる膜の変形等の異常はみられなかっ
た。表面の凹凸を、表面粗さ計”サーフコム”1500
A(東京精密(株)製)で測定したところ深さ0.1μ
m以上のくぼみは認められなかった。また、断面写真よ
りブラックマトリクス中に粒径0.9μm〜1.3μm
の範囲にあるグラファイト粒子が存在することが観測さ
れた。さらに、断面写真からグラファイトとその他顔料
との体積比を求め、その重量比を計算したところ8重量
%であった。
【0056】比較例1 粒径1.0μmのグラファイト0.5gのかわりに、粒
径0.1μm以下のグラファイト0.5gを使用する以
外は実施例1と同様にして、黒色カラーペーストを作製
した。作製した黒色カラーペースト中に含まれる顔料の
粒径分布をコールーター社製サブミクロン粒子アナライ
ザー”N4プラス”で測定したところ、実施例1とは異
なり、粒径0.9〜1.3μmの粒子は存在しないとい
う結果が得られた。
【0057】実施例1と同様にして、膜厚1.1μmの
樹脂ブラックマトリクスおよびカラーフィルターを作製
し、液晶表示装置を作製した。液晶表示装置の表示特性
を調べたところ、画面の周辺部にムラが生じているのが
観察された。装置を分解し、電子顕微鏡により額縁部の
ブラックマトリクスの表面を観察したところ、ガラスロ
ッドスペーサがブラックマトリクスにめり込んでいるこ
とが判明した。めりこみの深さを、表面粗さ計”サーフ
コム”1500A(東京精密(株)製)で測定したとこ
ろ0.3μmであった。また、断面写真からは、顔料粒
子はすべて0.1μm以下でブラックマトリクスの厚み
と同程度の粒径の顔料粒子は観測されなかった。
【0058】実施例2 黒色ペーストを作製する際に、カーボンブラック4.5
g、ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー)
0.5gと粒径1.0μmのグラファイト0.5gでは
なく、カーボンブラック4.2g、ピグメントブルー1
5(フタロシアニンブルー)0.8gと粒径1.0μm
のグラファイト1.0gを使用し、実施例1と同様に、
ただし、ブラックマトリクスの膜厚が0.9μm、ま
た、R、G、Bの画素膜の厚みがそれぞれ1.5倍にな
るようにスピンコート条件を変更し、異なるフォトマス
クを使用して、ブラックマトリクス上に、画素膜の積層
により、樹脂ブラックマトリクス表面からの高さが5μ
mの柱状のスペーサが形成されたカラーフィルターを作
製した。
【0059】実施例1と同様に、ITO膜および配向膜
を形成し、ラビング処理を施した後、ロッド径5μmの
ガラスロッドスペーサを分散したエポキシ樹脂を、表示
画面の外側に位置する樹脂ブラックマトリクスの額縁部
上に、一部に開口部を設けて印刷した。球状スペーサの
散布を省略した以外は実施例1と同様にして、本発明の
液晶表示装置を作製した。
【0060】液晶表示装置の表示特性を評価したとこ
ろ、ギャップの変動に起因する表示不良は認められず、
その他表示特性にも特に問題はなかった。その後、装置
を分解して、電子顕微鏡により額縁部の樹脂ブラックマ
トリクスを観察した。ブラックマトリクス上に、0.1
μmの突起が部分的に観察された。しかし、ガラスロッ
ドスペーサのめり込みによる膜の変形はみられなかっ
た。表面粗さ計”サーフコム”1500A(東京精密
(株)製)で測定したところ、0.1μmの突起部は認
められたが、深さ0.1μm以上のくぼみは認められな
かった。
【0061】比較例2 粒径1.0μmのグラファイト1.0gのかわりに、粒
径0.1μm以下のグラファイト1.0gを使用する以
外は実施例2と同様にして、樹脂ブラックマトリクスを
作製した。そして、実施例2と同様にして、カラーフィ
ルターを作製し、液晶表示装置を作製した。液晶表示装
置の表示特性を調べたところ、画面の周辺部にムラが生
じているのが観察された。装置を分解し、電子顕微鏡に
より額縁部の樹脂ブラックマトリクスを観察したとこ
ろ、ブラックマトリクス上に突起は観察されなかった
が、ガラスロッドスペーサがブラックマトリクスにめり
込んでいることが観察された。めりこみの深さを、表面
粗さ計”サーフコム”1500A(東京精密(株)製)
で測定したところ0.3μmであった。
【0062】
【発明の効果】本発明の樹脂ブラックマトリクスは、上
述のごとく構成したので、本発明の樹脂ブラックマトリ
クスを用いた液晶表示装置では、組み立て工程において
円柱状スペーサのブラックマトリクスへのめり込みが抑
制される。このため、ギャップの変動にともなう表示品
位の低下を抑制できる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された顔料分散樹脂ブラック
    マトリクスにおいて、全顔料中の1重量%以上が、該ブ
    ラックマトリクスの厚みの0.8〜1.2倍の粒径の顔
    料を含む黒色ペーストを用いて作製されることを特徴と
    する顔料分散樹脂ブラックマトリクス。
  2. 【請求項2】基板上に形成された顔料分散樹脂ブラック
    マトリクスにおいて、該ブラックマトリクスに含まれる
    全顔料中の1重量%以上が、該ブラックマトリクスの厚
    みの0.8〜1.2倍の粒径の顔料であることを特徴と
    する顔料分散樹脂ブラックマトリクス。
  3. 【請求項3】ブラックマトリクスの厚みの0.8〜1.
    2倍の粒径の顔料が、グラファイトであることを特徴と
    する請求項1または2記載のブラックマトリクス。
  4. 【請求項4】樹脂成分がポリイミド系樹脂であることを
    特徴とする請求項1または2記載のブラックマトリク
    ス。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか記載のブラックマ
    トリクスを具備するカラーフィルター。
  6. 【請求項6】カラーフィルターの画素膜が、顔料分散樹
    脂であることを特徴とする請求項5記載のカラーフィル
    ター。
  7. 【請求項7】顔料分散樹脂の樹脂成分がポリイミド系樹
    脂であることを特徴とする請求項6記載のカラーフィル
    ター。
  8. 【請求項8】ブラックマトリクス上に画素膜の積層によ
    り形成された柱状スペーサを具備する請求項5記載のカ
    ラーフィルター。
  9. 【請求項9】請求項5〜8のいずれか記載のカラーフィ
    ルターを具備する液晶表示装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007057746A (ja) * 2005-08-24 2007-03-08 Toppan Printing Co Ltd ブラックマトリックス、カラーフィルタ、及び液晶表示装置
JP2009175531A (ja) * 2008-01-25 2009-08-06 Hitachi Displays Ltd 液晶表示装置
JPWO2014129320A1 (ja) * 2013-02-19 2017-02-02 東レ株式会社 樹脂ブラックマトリクス基板およびタッチパネル
JP2018162340A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 東レ株式会社 着色樹脂組成物、カラーフィルタ基板および液晶表示装置

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