JPH11236336A - コンドロイチナーゼ組成物 - Google Patents

コンドロイチナーゼ組成物

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JPH11236336A
JPH11236336A JP10125374A JP12537498A JPH11236336A JP H11236336 A JPH11236336 A JP H11236336A JP 10125374 A JP10125374 A JP 10125374A JP 12537498 A JP12537498 A JP 12537498A JP H11236336 A JPH11236336 A JP H11236336A
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chondroitinase
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愼一 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期保存しても酵素活性の低下の極めて少な
いコンドロイチナーゼ含有医薬組成物を提供すること。 【解決手段】 コンドロイチナーゼ及び医薬担体を含有
し、該医薬担体1gあたりの還元性不純物の量が0.0
1アンモニウムセリウムニトレートを用いた滴定法によ
る滴定量として0.4mL以下であることを特徴とする
医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンドロイチナー
ゼを含む医薬組成物、及び該医薬組成物からなる椎間板
ヘルニアの処置剤に関する。
【0002】
【従来の技術】コンドロイチナーゼABC(Chondroitin
ase ABC)〔EC 4.2.2.4〕は、グリコサミノグリカンを不
飽和オリゴ糖および不飽和二糖に分解する作用を有し、
哺乳動物軟骨由来のコンドロイチン硫酸A、鮫軟骨由来
のコンドロイチン硫酸Cおよび哺乳動物皮膚由来のコン
ドロイチン硫酸B(デルマタン硫酸)の分解を強力に触
媒し、ヒアルロン酸の分解に対しては弱く触媒する酵素
である。
【0003】本酵素は、動物組織からグリコサミノグリ
カンを除去したり、組織中のグリコサミノグリカンを同
定するための研究用試薬として、プロテウス・ブルガリ
ス(Proteus vulgaris)等の細菌が産生する酵素が製品化
されている。
【0004】一方、ヒトの腰痛の病因として区分される
椎間板ヘルニア症の治療に、植物パパイヤ由来の蛋白分
解酵素、例えばキモパパインや、バクテリア由来のコラ
ゲナーゼ等を、ヘルニア症患者の椎間板に注入し、髄核
部分を溶解する椎間板溶解療法(ID療法)が開発さ
れ、欧米においては、キモパパインが医薬品(商品名、
キモダイアクチン)として市販されている。
【0005】しかしながら、上記蛋白分解酵素を用いる
ID療法は、脊椎・椎間板のヘルニア部分のみならず、
周辺の構造組織の蛋白部分をも分解し、神経麻痺や、ア
レルギー発現等の副作用を生じやすいという欠点があ
る。
【0006】近年、コンドロイチナーゼABCまたはコ
ンドロイチナーゼACを椎間板に直接投与して椎間板ヘ
ルニアを治療する試みが行なわれており、椎間板ヘルニ
アの治療薬としての用途が期待されている〔米国特許第
4696816号明細書、 ClinicalOrthopaedics, 253,301-30
8(1990)参照〕。
【0007】コンドロイチナーゼを含有する組成物につ
いては、特開平4−330280号公報、特開平6−1
35851号公報、特開平6−153947号公報、特
開平7−67642号公報等に記載されており、例え
ば、特開平4−330280号公報には、デキストラン
類、サッカロース、ラクトース、マルトース、マンニト
ール、キシリトール、ソルビトールおよび血清アルブミ
ンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の添加成分を
含有する乾燥した安定化コンドロイチナーゼABCが開
示されている。また、特開平6−153947号公報に
は、極めて精製度が高く、安定性の高い精製コンドロイ
チナーゼABC及びそれを含む医薬組成物について記載
されている。さらに、WO93/00807パンフレットには、コ
ンドロイチナーゼについて具体的には記載されていない
が、バイオマテリアル(酵素を含む)を凍結し乾燥する
ために適した、バイオマテリアル、ポリエチレングリコ
ールおよび糖(サッカロースを含む)からなる組成物が
開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】コンドロイチナーゼは
不安定な物質であり、上記文献等に記載の方法に従い、
通常の医薬担体を用いて凍結乾燥物、液剤等の形態に製
剤化した場合、製剤化の際または長期保存により酵素活
性が徐々に低下するという問題がある。
【0009】本発明の目的は、製剤化の際または長期保
存しても酵素活性の低下の極めて少なくコンドロイチナ
ーゼ含有医薬組成物を開発することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、コンドロ
イチナーゼと医薬担体とから調製される医薬組成物にお
いて、酵素活性の低下をもたらす因子について種々検討
を行なった結果、医薬担体中の還元性不純物が大きく影
響していることをつきとめ、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】かくして、本発明は、コンドロイチナーゼ
及び医薬担体を含有し、該医薬担体1gあたりに含有さ
れる還元性不純物の量が、0.01Nアンモニウムセリ
ウムニトレートを用いた滴定法による滴定量として0.
4mL以下であることを特徴とする医薬組成物(以下、
「本発明医薬組成物」という)を提供するものである。
【0012】本発明はまた、該医薬組成物からなる椎間
板ヘルニアの処置剤(以下、「本発明処置剤」ともい
う)を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明医薬組成物及び処置
剤についてさらに詳細に説明する。
【0014】コンドロイチナーゼ:本発明医薬組成物で
用いるコンドロイチナーゼは、コンドロイチン硫酸を分
解する酵素である限り特に限定されるものではない。コ
ンドロイチナーゼとして、具体的には、コンドロイチナ
ーゼABC(Proteus vulgaris由来;特開平6−153
947号公報、T. Yamagata, H. Saito, O. Habuchi,
S. Suzuki, J. Biol.Chem., 243, 1523(1968)、S. Suzu
ki, H. Saito, T. Yamagata, K. Anno, N. Seno, Y. Ka
wai, T. Furuhashi, J. Biol. Chem., 243, 1543(196
8))、コンドロイチナーゼAC(Flavobacterium heparin
um由来;T. Yamagata, H. Saito, O. Habuchi, S. Suzu
ki, J. Biol. Chem., 243, 1523(1968))、コンドロイチ
ナーゼACII(Arthrobacter aurescens由来;K. Hiyam
a, S. Okada, J. Biol. Chem.,250, 1824 (1975)、K. H
iyama, S. Okada, J. Biochem.(Tokyo), 80, 1201(197
6))、コンドロイチナーゼACIII(Flavobacterium sp.
Hp102由来;宮園博文、菊池博、吉田圭一、森川清志、
徳安清親、生化学、61、1023(1989))、コンドロイチナ
ーゼB(Flavobacterium heparinum由来;Y. M. Michela
cci, C. P. Dietrich, Biochem. Biophys. Res. Commu
n.,56, 973(1974)、Y. M. Michelacci, C. P.Dietrich,
Biochem. J., 151, 121(1975)、前山賢一、多和田明、
上野暁子、吉田圭一、生化学、57, 1189(1985))、コン
ドロイチナーゼC(Flavobacterium sp.Hp102由来;宮園
博文、菊池博、吉田圭一、森川清志、徳安清親、生化
学、61、1023(1989))等が知られており、これらのコン
ドロイチナーゼのいずれをも用いることができる。
【0015】また、下記の理化学的性質を有するコンド
ロイチナーゼを用いることもできる(生化学, 67,737(1
995)参照)。
【0016】作用:グリコサミノグリカンのN−アセ
チルヘキソサミニド結合を加水分解する。
【0017】コンドロイチン硫酸への作用の結果、主に
12〜16糖の飽和型コンドロイチン硫酸オリゴ糖を生
成する。
【0018】基質特異性:pH5において、コンドロ
イチン硫酸に作用し、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸、ヘ
パラン硫酸及びヘパリンには作用しない。
【0019】pH3.5において、コンドロイチン硫酸
及びヒアルロン酸に作用する。
【0020】至適反応pH:pH5付近(基質:サメ
軟骨由来のコンドロイチン硫酸(平均分子量4400
0)、緩衝液:0.15M NaClを含む50mM クエン酸−Na2HP
O4緩衝液、温度:37℃) 等電点: pH5付近分子量:末端にアリル基を有するコンドロ
イチン硫酸鎖を共重合させたポリアクリルアミドゲルを
用いたドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動法(ザイモグラフィー;Anal. Bi
ochem. 225, 333-340(1995))において、約36kDa
である。
【0021】エンド型酵素である。
【0022】ヒト由来である。
【0023】この酵素は、例えば、ヒトの胃癌周辺組織
から、通常の酵素の抽出、精製方法によって得ることが
できる。抽出方法として具体的には、例えば、ハサミ等
による細片化、ホモジナイズ、音波処理、浸透ショック
法、凍結融解法等の細胞破砕・抽出法による抽出、界面
活性剤抽出等や、これらの組合わせ等の処理操作が挙げ
られるが、ハサミで組織を細片化する方法が特に好まし
い。また、精製方法として具体的には、例えば、硫酸ア
ンモニウム(硫安)や硫酸ナトリウム等による塩析、遠
心分離、透析、限外濾過法、吸着クロマトグラフィー、
イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフ
ィー、逆相クロマトグラフィー、ゲル濾過法、ゲル浸透
クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ
ー、電気泳動法、ザイモグラフィー等や、これらの組合
わせ等の処理操作が挙げられるが、ザイモグラフィー
(Anal. Biochem. 225, 333-340(1995))が特に好まし
い。
【0024】また、この酵素は、ヘパリン−セファロー
ス(Heparin-Sepharose;ファルマシア製)に吸着させ
ることができるので、ヘパリンをリガンドとする担体を
用いたクロマトグラフィーによって精製することもでき
る。
【0025】さらに、この酵素の遺伝子をそれ自体既知
の方法に従ってクローニングし、適当な宿主に導入し
て、発現させることにより、上記の理化学的性状を有す
るコンドロイチナーゼを得ることもできる。例えば、当
該酵素の特異的コンドロイチン硫酸分解活性を指標に用
い、ヒトDNAライブラリーからこの酵素をコードする
DNAを単離し、これを遺伝子組換え技術によりベクタ
ーに入れ、宿主細胞に導入し発現させることにより、こ
の酵素を得ることができる。また、クローニングは、こ
の酵素に特異的な抗体を作成し該抗体を用いて行うこと
もできる。あるいは、この酵素のN末端側のアミノ酸配
列を決定し、この配列から推定されるヌクレオチド配列
を有するDNAまたはオリゴヌクレオチドをプローブと
してクローニングを行うこともできる。発現した酵素は
上記のような抽出・精製方法を用いて回収できる。
【0026】さらに、下記の理化学的性質を有するコン
ドロイチナーゼを用いることもできる(J. Biol. Che
m., 272, 9123-9130(1997)参照)。
【0027】作用: (1)グリコサミノグリカンのN−アセチルヘキソサミニ
ド結合を分解し、完全に分解すると実質的に不飽和型グ
リコサミノグリカン二糖のみを生成する。
【0028】(2)エキソ型酵素である。
【0029】基質特異性:コンドロイチン、コンドロ
イチン 4−硫酸、コンドロイチン 6−硫酸、コンドロ
イチン硫酸D、コンドロイチン硫酸E、デルマタン硫
酸、コンドロイチン6−硫酸六糖、コンドロイチン 6
−硫酸四糖、およびコンドロイチン硫酸プロテオグリカ
ンのコンドロイチン硫酸鎖部分のいずれにも作用する。
【0030】ケラタン硫酸、ヘパリンおよびヘパラン硫
酸には作用しない。
【0031】分子量:還元条件下におけるSDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動において、約105kD
a。
【0032】アミノ酸組成:このコンドロイチナーゼ
の酸加水分解物のアミノ酸分析により、シスチンが検出
される。このことは、このコンドロイチナーゼにはシス
テイン残基および/またはシスチン残基が含有されてい
ることを示している。
【0033】N末端アミノ酸:N末端アミノ酸はロイ
シンである。
【0034】等電点: pH約8.45(等電点電気泳動法) 至適温度:40℃付近(基質:コンドロイチン6−硫
酸、緩衝液:トリス−塩酸(Tris-HCl)緩衝液、pH:
8.0) 至適反応pH:pH8付近(基質:コンドロイチン6
−硫酸、緩衝液:Tris-HCl緩衝液、温度:37℃) この酵素は、コンドロイチン硫酸ABC エキソリアー
ゼ(chondroitin sulfate ABC exolyase)またはエキソコ
ンドロイチナーゼABC(exochondroitinase ABC)とし
て知られており、その製造方法等も知られている(A. H
amai, N. Hashimoto, H. Mochizuki, F. Kato, Y. Maki
guchi, K. Horie and S. Suzuki, J. Biol. Chem.,272,
9123-9130(1997))。
【0035】これら各種のコンドロイチナーゼは、あく
まで例示であり、本発明はかかるコンドロイチナーゼに
限定されるものではない。なお、本発明において用いる
コンドロイチナーゼは、1種類のコンドロイチナーゼで
あってもよく、あるいは複数種のコンドロイチナーゼの
組み合わせであってもよく、本明細書において単に「コ
ンドロイチナーゼ」という場合には、これら両方の意味
を包含する。
【0036】本発明においては、特に、コンドロイチナ
ーゼABCを用いることが好ましい。また、コンドロイ
チナーゼABCの中でも、特に、Proteus vulgaris由来
のコンドロイチナーゼABCを用いることが好ましい。
【0037】コンドロイチナーゼは、医薬として使用で
きる程度に精製され、医薬として混入が許容されない物
質を実質的に含まない酵素であることが好ましい。すな
わち、コンドロイチナーゼは、300U/mg蛋白以上の酵素
比活性を有する精製されたコンドロイチナーゼであるこ
とが好ましく、300U/mg蛋白以上の酵素比活性を有し、
エンドトキシンを実質的に含まず、核酸、プロテアーゼ
含量が検出限界以下である精製されたコンドロイチナー
ゼがより好ましく、このような特性をもつ精製されたコ
ンドロイチナーゼABCが特に好ましい。なお、本明細
書において、コンドロイチナ−ゼの1単位(U)は、至適
pHおよび至適温度付近の条件において、コンドロイチ
ン硫酸から1分間に1マイクロモルの反応生成物を遊離
させるのに必要な酵素量である。例えば、コンドロイチ
ナーゼABCにおいては、pH8.0、37℃で1分間にコン
ドロイチン硫酸から1マイクロモルの不飽和二糖を遊離
させるのに必要な酵素量である。酵素比活性が300U/mg
蛋白以上であるコンドロイチナーゼを使用することによ
り、注射用医薬品として生体内に投与した際に周辺組織
に影響を与えること無く、目的部位(例えばヘルニア症
の哺乳動物、好ましくはヒトの椎間板)のプロテオグリ
カンを適切に分解することができ、安全性と有効性が高
い医薬とすることができる。
【0038】本発明医薬組成物で用いるコンドロイチナ
ーゼとして最も好ましいものは、次の性質を有する精製
されたコンドロイチナーゼABCである。
【0039】(i) 分子量が、SDS-ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動(SDS-PAGE)による測定(還元及び非還元のい
ずれにおいても)及びゲル濾過法による測定において約
100,000ダルトンである。
【0040】(ii) 等電点が約pH 8.2及び約pH 8.5であ
る。
【0041】(iii) 至適pHは 8.0〜8.2(基質:コンドロ
イチン硫酸C,緩衝液:トリス−塩酸緩衝液) 、至適温
度は37℃である。
【0042】(iv) Zn2+、Ni2+、Fe3+、及びCu2+によっ
て活性が阻害される。
【0043】(v) N末端アミノ酸がアラニンであり、C
末端アミノ酸がプロリンである。
【0044】(vi) SDS-PAGEにより単一のバンドを示
し、高速液体クロマトグラフィー (ゲル濾過およびカチ
オン交換) においても単一のピークを示す。
【0045】(vii) エンドトキシンを実質的に含まず、
核酸、プロテアーゼ含量は検出限界以下である。
【0046】(viii)結晶化し得る。
【0047】(ix) 比活性が300U/mg 以上である。
【0048】このようなコンドロイチナーゼABCは、
例えば、特開平6−153947号公報に記載の方法で
得ることができる。
【0049】医薬担体:本発明医薬組成物における医薬
担体としては、該医薬担体1gあたりに含有される還元
性不純物の量が、0.01Nアンモニウムセリウムニト
レートを用いた滴定法による滴定量として0.4mL以
下、好ましくは0.36mL以下であるものが使用さ
れ、さらに、過酸化物含量が20ppm以下、特に1
8.5ppm以下であるものがより好ましい。また、本発明
医薬組成物に使用される医薬担体は、活性炭処理された
ものであることが好ましい。
【0050】ここで、「0.01Nアンモニウムセリウ
ムニトレートを用いた滴定法」は、医薬担体2gを25
mLの温水に溶解させ、希硫酸25mLとフェロイン
(トリス(1,10−フェナントロリン)鉄(II)錯体:
[Fe(C12H8N2)3]2+)0.1mLを加え、0.01Nのア
ンモニウムセリウムニトレートで、赤色から青緑色に変
色し30秒維持するまで滴定する方法である。滴定に要
した0.01N アンモニウムセリウムニトレートの体積を求
め、これを医薬担体1gあたりの滴定量に換算すること
によって還元性不純物の量を求めることができる。
【0051】医薬担体としては、慣用の賦形剤、結合
剤、滑沢剤、着色剤、崩壊剤、緩衝剤、等張化剤、保存
剤、無痛化剤等、通常医薬に用いられる添加剤が例示さ
れる。
【0052】本発明医薬組成物で用いる医薬担体は、医
薬として使用できる程度の純度であり、医薬として混入
が許容されない物質を実質的に含まないものが好まし
い。そのような医薬担体として具体的には、例えば、デ
キストラン、サッカロース、ラクトース、マルトース、
キシロース、トレハロース、マンニトール、キシリトー
ル、ソルビトール、イノシトール、血清アルブミン、ゼ
ラチン、クレアチニン、ポリエチレングリコール、非イ
オン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレングリコール)などが挙げられる。
【0053】上記のポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル(ポリソルベート(polysorbate))としては、
ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキシドの重
合度約20)のモノラウレート、モノパルミテート、モノ
オレエート、モノステアレート、トリオレエート等を挙
げることができ、市販品としては、ポリソルベート80
(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20 E.
O.))、ポリソルベート60(ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノステアレート(20 E.O.))、ポリソルべート40(ポ
リオキシエチレンソルビタンモノパルミテート (20 E.
O.))、ポリソルベート20(ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノラウレート(20 E.O.))、ポリソルベート21, 81,
65, 85等を例示することができる(ここで20 E.O. と
は、ポリオキシエチレン部分のエチレンオキシドの重合
度が約20であることを意味する)。ポリオキシエチレ
ン硬化ヒマシ油としては、市販品のHCO−10、HCO
−50、HCO−60(日光ケミカルズ)等を例示すること
ができる。また、ショ糖脂肪酸エステルとしては、市販
品のDKエステルF−160(第一工業製薬(株))、リ
ヨウトーシユガーエステル(三菱化学フーズ)等を例示
することができる。ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレングリコール(ポロキサマー(poloxamer))として
は、市販品のプルロニックF−68(旭電化工業(株))
等を例示することができる。
【0054】また、緩衝剤としては生理学上許容される
ものであればよく、特に限定されるものではなく、例え
ば、塩酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム、リン酸、リン酸二水素カリウム、リン酸
水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素
二ナトリウム、アミノ酢酸、安息香酸ナトリウム、クエ
ン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、酒
石酸、酒石酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、エタ
ノールアミン、アルギニン、エチレンジアミン等の1種
以上を含有する緩衝剤が例示される。
【0055】本発明医薬組成物においては、これら医薬
担体を適宜組合わせて用いることができる。その中で
も、ポリエチレングリコール及び/又はサッカロース、
またはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
特にポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20
E.O.)が好ましい。
【0056】なかでもポリエチレングリコールは、凍結
乾燥形態で本発明医薬組成物を提供する際、凍結乾燥後
のコンドロイチナーゼの酵素活性低下を抑え、凍結乾燥
物中の水分含量を低く保持することができ、凍結乾燥物
を再溶解した時に澄明でかつ異物が存在せず、凍結乾燥
後のケーキ形状が良好であり、また、凍結乾燥物の長期
間保存によるコンドロイチナーゼの酵素活性低下が比較
的少ないという効果を有する点から好適である。
【0057】また、ポリエチレングリコールとサッカロ
ースとの混合物は、凍結乾燥形態で本発明医薬組成物を
提供する際、凍結乾燥後のコンドロイチナーゼの酵素活
性低下を抑え、凍結乾燥物中の水分含量を低く保持する
ことができ、凍結乾燥物を再溶解した時に澄明でかつ異
物が存在せず、凍結乾燥後のケーキ形状が良好であり、
また、凍結乾燥物の長期間保存によるコンドロイチナー
ゼの酵素活性低下が非常に少ないという効果を有する点
から、特に好ましい。
【0058】上記の場合に用いうるポリエチレングリコ
ールとしては、該ポリエチレングリコール1gあたりに
含有される還元性不純物の量が0.01Nアンモニウム
セリウムニトレートを用いた滴定法による滴定量として
0.4mL以下、好ましくは0.36mL以下のもので
ある限り特に限定されないが、さらに、過酸化物含量が
20ppm以下、特に18.5ppm以下であるものを
用いることがより好ましい。
【0059】また、ポリエチレングリコールは平均分子
量が200〜25000であるものが好ましく、さらに
は常温で固体であるもの、例えば、平均分子量が200
0〜9000であるものがより好ましく、2000〜4
000であるものが特に好ましく、3000〜4000
であるものが極めて好ましい。平均分子量が3000〜
4000であるポリエチレングリコールとしては、例え
ば平均分子量3250、3350および4000のもの
を例示することができる。
【0060】サッカロースもまた、該サッカロース1g
あたりに含有される還元性不純物の量が0.01Nアン
モニウムセリウムニトレートを用いた滴定法による滴定
量として0.4mL以下、好ましくは0.36mL以下
であるものを使用する。さらに、サッカロース中の過酸
化物含量が20ppm以下、特に18.5ppm以下で
あるものを用いることがより好ましい。
【0061】なお、市販のサッカロースは、エンドトキ
シン含量が一般に高いことが本発明者らにより確かめら
れているので、活性炭処理等により10%(w/w)サッカ
ロース溶液中におけるエンドトキシン濃度が0.03E
U/mL以下、望ましくは0.01EU/mL以下、よ
り一層望ましくは0.006EU/mL以下となるよう
に処理することが好ましい。
【0062】サッカロース中のエンドトキシン濃度は、
それ自体既知のエンドトキシンの測定法を用いて測定す
ることができるが、カブトガニ・アメボサイト・ライセ
ート成分を用いるリムルス試験法が好ましい。リムルス
試験法に用いるリムルス試薬としては、エンドトキシン
特異的リムルス試薬を用いることが好ましい。リムルス
試薬としては、例えば次に挙げる市販のリムルス試薬を
用いることができる;トキシカラーシステムLS−6,
LS−20,LS−200、エンドスペシーES−6,
エンドスペシーES−200(以上、生化学工業株式会
社販売)、リムルスES−IIテストワコー,リムルスE
S−IIシングルテストワコー,リムルスES−IIIテス
トワコー,リムルスES−Jテストワコー(以上、和光
純薬工業株式会社販売)。
【0063】医薬担体としてポリエチレングリコール及
び/又はサッカロースを用いる場合、ポリエチレングリ
コール/サッカロースの重量比が一般に0/1〜10/
1程度となるように配合することが好ましく、また、医
薬担体としてポリエチレングリコールとサッカロースと
の混合物を用いる場合、ポリエチレングリコール/サッ
カロースの重量比が1/10〜10/1程度となるよう
に配合することが好ましく、1.5/1〜3/1程度と
なるように配合することがより好ましく、2/1程度と
なるように配合することが特に好ましい。
【0064】またこの場合、ポリエチレングリコールと
サッカロースの混合物中の還元性不純物の量が、0.0
1Nアンモニウムセリウムニトレートを用いた滴定法に
よる滴定量として、該混合物1gあたり0.4mL以
下、好ましくは0.36mL以下となるようにすること
が重要であり、さらに、ポリエチレングリコールとサッ
カロースの混合物中の過酸化物含量が20ppm以下、
特に18.5ppm以下となるようにすることがより好
ましい。
【0065】医薬担体としてポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステルを用いる場合、該エステル1gあた
りに含有される還元性不純物の量が0.01Nアンモニ
ウムセリウムニトレートを用いた滴定法による滴定量と
して0.4mL以下、好ましくは0.36mL以下であ
るポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを使用
する。さらに該エステル中の過酸化物含量が20ppm
以下、特に18.5ppm以下であるものを用いること
がより好ましい。
【0066】医薬担体中の過酸化物含量は、医薬担体1
gを正確にはかりとり、蒸留水を加えて10mLとし、
すなわち10%(w/v)水溶液とし、この水溶液0.8
mLに20%(v/v)硫酸0.25mLと1M TiSO
4(BDH製)0.15mLを加え、408nmの紫外部吸収
を測定し、その後既知濃度のH22を用いて作成した検
量線を基に、H22濃度を算出する方法によって測定す
ることができる。
【0067】本発明医薬組成物において使用することを
望む医薬担体中の還元性不純物の量及び/又は過酸化物
含量は、例えば、医薬担体を常法により活性炭で処理す
ることにより低減させることができる。また、過酸化物
含量は医薬担体を加熱処理することによっても低減させ
ることができる。
【0068】本発明医薬組成物中のコンドロイチナーゼ
と医薬担体の配合比率は特に限定されるものではなく、
投与量や本発明医薬組成物の形態等に応じて、当業者が
適宜決定することができる。例えば、本発明組成物を凍
結乾燥状態で提供(保存)する場合、本発明組成物中のコ
ンドロイチナーゼの含量は、凍結乾燥ケーキの形状が維
持できる程度とすることが好ましい。
【0069】本発明医薬組成物の調製は、コンドロイチ
ナーゼ及び前記の如き医薬担体を用いそれ自体既知の方
法を用いて行なうことができる。また、本発明医薬組成
物は、溶液状態、凍結状態、乾燥状態のいずれの状態で
あってもよい。
【0070】本発明医薬組成物を溶液状態で提供する場
合は、例えば、pHを調整した緩衝液を用意し、それに
前述のコンドロイチナーゼおよび医薬担体を添加して、
コンドロイチナーゼを5U/mL以上、好ましくは10〜40
0U/mL含有する溶液とし、必要に応じて濾過滅菌を行
うことによって製造することができる。
【0071】本発明医薬組成物を凍結状態で提供する場
合は、例えば、上記した溶液状態の本発明医薬組成物
を、例えば−80 〜−18℃で凍結させることにより製造
することができる。
【0072】本発明医薬組成物を乾燥状態で提供する場
合は、例えば、上記した溶液状態の本発明医薬組成物
を、凍結乾燥法等の非加熱条件で乾燥処理することよっ
て製造することができる。
【0073】これらの中で、本発明医薬組成物の好まし
い状態は乾燥状態であり、より好ましくは凍結乾燥状
態、すなわち凍結乾燥物である。
【0074】本発明医薬組成物は溶液状態(本発明医薬
組成物が凍結状態である場合は、凍結前および融解後の
溶液状態、本発明医薬組成物が凍結乾燥組成物である場
合は、凍結乾燥前および溶媒添加による再溶解後の溶液
状態)で、通常、pH5〜9、好ましくは6〜8を示す
ように調整することが望ましい。このために本発明組成
物には、通常、該pH領域に維持可能な緩衝剤が配合さ
れる。該緩衝剤としては生理学上許容されるものであれ
ばよく、特に限定されず、例えば、塩酸、水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸、
リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸
二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、アミノ酢
酸、安息香酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウ
ム、酢酸、酢酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウ
ム、乳酸、乳酸ナトリウム、エタノールアミン、アルギ
ニン、エチレンジアミンまたはそれらの混合物が例示さ
れる。特にリン酸塩緩衝液(剤)が好ましい。これらの
緩衝剤によって本発明医薬組成物を溶液状態においてpH
領域を5〜9、好ましくは6〜8に調整、保持すること
ができる。なお、pHが5より低い場合および9より高
い場合には、コンドロイチナーゼが失活したり、溶液状
態で不溶物が生成することがある。また、本発明医薬組
成物中の緩衝剤の濃度は1mM以上、好ましくは10〜50
mMとすることができる。本発明医薬組成物は、緩衝剤の
ほかに、等張化のために必要な成分(塩化ナトリウムな
どの塩類、糖類など)や、保存剤、無痛化剤等を含有し
ていてもよい。
【0075】本発明医薬組成物は、そのまま医薬品とし
て投与するための最終剤形として用いることができ、あ
るいは他の最終剤形医薬品、例えば、液剤、凍結乾燥剤
等の原料として使用することもできる。
【0076】本発明医薬組成物は、コンドロイチナーゼ
を有効成分とする注射用製剤として主に使用される。本
発明医薬組成物を溶液状態の注射用製剤として提供する
場合、前記の方法で製造される溶液状態の本発明医薬組
成物を、アンプル、バイアル、注射用シリンジ等の適当
な容器に充填・密封し、そのまま流通させあるいは保存
し、注射剤として投与に供することができる。
【0077】本発明医薬組成物を凍結状態の注射用製剤
として提供する場合、アンプル、バイアル、注射用シリ
ンジ等の適当な容器中に、前記の方法で製造される凍結
状態の本発明医薬組成物を密封状態で保持させて、流通
させあるいは保存し、投与前に融解させて注射剤として
投与に供することができる。
【0078】なお、流通や保存は−80〜−25℃の温度で
行うことが好ましい。
【0079】また、本発明医薬組成物を乾燥状態の注射
用製剤として提供する場合、アンプル、バイアル、注射
用シリンジ等の適当な容器中に前記の方法で製造される
乾燥状態の本発明医薬組成物を密封状態で保持させて、
流通させあるいは保存し、投与前に注射用蒸留水、生理
食塩水、ブドウ糖水溶液またはソルビトール水溶液等で
溶解し、注射剤として投与に供することができる。乾燥
状態の本発明医薬組成物は、溶解用の溶媒とセットで提
供してもよい。
【0080】以上に述べた注射用製剤の中でも、乾燥状
態のものが好ましく、凍結乾燥状態のものがより好まし
い。すなわち、本発明医薬組成物は注射用凍結乾燥組成
物の形態であることが特に好ましい。
【0081】アンプル、バイアル、注射用シリンジ等の
適当な容器に本発明組成物を充填あるいは密封する際、
本発明医薬組成物の化学反応、特に酸化を防ぐために、
窒素ガスや希ガス等の不活性ガスを共に充填あるいは密
封することが好ましい。
【0082】本発明医薬組成物を充填・密封することが
できるアンプル、バイアル、注射用シリンジ等の容器の
材質は、本発明医薬組成物に影響を与えず、製剤学上許
容される材質であれば特に限定されないが、ガラスであ
ることが好ましい。
【0083】注射用凍結乾燥組成物として提供される本
発明医薬組成物は、凍結乾燥前後でコンドロイチナーゼ
の酵素活性の低下が極めて少ないという特徴がある。具
体的には、本発明医薬組成物は、凍結乾燥前のコンドロ
イチナーゼの酵素活性に対する凍結乾燥後のコンドロイ
チナーゼの酵素活性を90%以上に保持することができ
る。コンドロイチナーゼの酵素活性の測定方法として
は、例えば、コンドロイチン硫酸を基質にして、コンド
ロイチナーゼを37℃で作用させた時に生成する紫外部に
顕著な吸収を有する不飽和二糖類を吸光光度法(例えば2
32nmの吸光度)で測定することにより求めることができ
る。
【0084】また、注射用凍結乾燥組成物の形態で提供
される本発明医薬組成物の場合、一般に水分含量が低い
ほど凍結乾燥製剤の安定性が向上すると考えられている
こと、および凍結乾燥製剤の水分含量としては3%(w/
w)以下を目標に設定することが製剤学上通常行われてい
ることから、本発明の注射用凍結乾燥組成物中の水分含
量もまた、3%(w/w)以下とすることが好ましい。水分
含量は、例えば、サンプルを以下の条件で加熱し、加熱
前後の重量をマイクロ天秤で測り、減少した重量を水分
量とする(加熱条件:サンプルを25℃から105℃ま
で、2.5℃/分で加熱し、105℃に達したら20分
間105℃で保持する)乾燥減量法(TG法)、あるい
はサンプルをメタノール中で3分間撹拌し、水分を抽出
し、抽出された水分に電量滴定を行い、要した電気量
(クーロン)から水分量を換算するカールフィッシャー
法で測定することができる。
【0085】注射用凍結乾燥組成物の形態で提供される
本発明医薬組成物は、該凍結乾燥組成物を生理食塩水で
溶解した時に、澄明でありかつ異物が存在しないもので
あることが好ましい。澄明であることおよび異物が存在
しないことは、肉眼による観察により容易に判定するこ
とができる。
【0086】注射用凍結乾燥組成物の形態で提供される
本発明医薬組成物は、常温で長期間保存しても、コンド
ロイチナーゼの酵素活性の低下が極めて少ないという利
点がある。例えば、本発明医薬組成物は、窒素充填した
ガラス容器内で40℃で30日間保存した場合、保存開
始時のコンドロイチナーゼの酵素活性の90%以上を保
持することが可能である。
【0087】本発明医薬組成物は、例えば椎間板ヘルニ
アの処置に使用することができ、これにより本発明処置
剤が提供される。本発処置剤は、注射剤としてヘルニア
症の哺乳動物、好ましくはヒトの椎間板に注入し、髄核
を溶解して治療する椎間板溶解療法に用いることができ
る。投与量は、症状、年令等によって個別に設定される
べきものであり、特に限定されないが、コンドロイチナ
ーゼとしてコンドロイチナーゼABCを用いる場合、通
常、1回0.1〜100U程度を注入することができる。
【0088】
【実施例】次に、コンドロイチナーゼABCを含有する
本発明医薬組成物に関する実施例により、本発明をさら
に具体的に説明するが、該実施例は本発明の単なる例示
であり、本発明の範囲はこれらに限定されるものではな
い。
【0089】実施例で用いるコンドロイチナーゼABC
は、特開平6−153947号公報に記載の方法で製造
したものである。
【0090】このコンドロイチナーゼABCは、ドデシ
ル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(S
DS-PAGE)おいて単一のバンドを示し、また、高速液体ク
ロマトグラフィー(ゲル濾過およびカチオン交換)にお
いても単一のピークを示した。これらの結果から、この
コンドロイチナーゼABCは完全に精製されているもの
であることが確認された。
【0091】このコンドロイチナーゼABC 100Uあた
りのエンドトキシン含量は、トキシカラーシステム(生
化学工業株式会社製)を用いて測定した結果、3.4pg
(0.00986EU;EUはエンドトキシン単位を意味し、1pg=
0.0029EUである)と極めて微量であり、エンドトキシン
を実質的に含有していなかった。
【0092】このコンドロイチナーゼABC中の核酸
(DNA)の量を、スレッシュホールド法(DNA測定
装置:スレッシュホールド(モレキュラーデバイス社
製))で測定したが、DNAは検出されなかった。
【0093】このコンドロイチナーゼABC中のプロテ
アーゼを、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)
-カゼインを基質として測定した結果、プロテアーゼは
検出されなかった。
【0094】コンドロイチナーゼABCの酵素活性は以
下の方法で測定した。
【0095】コンドロイチン硫酸C 1.2mgを基質にし
て、50mM酢酸ナトリウムを含有する50mMトリス−塩酸緩
衝液(pH8)とカゼイン10μgに、酵素試料(コンドロイチ
ナーゼABC)を加え、37℃で10分間反応させ、pH1.8
の0.05M塩酸を加えて反応を止め、紫外部(232nm)の吸
光度で測定した。一方、対照として熱変性させた酵素試
料を上記組成の基質溶液中に保持し、同様の処理を行っ
て232nmにおける吸収を測定した。コンドロイチナーゼ
ABCの作用により生成する不飽和二糖の量は、対照に
対する吸収の増加から計算した。なお、2-アセトアミド
-2-デオキシ-3-0-(β-D-グルコ-4-エンピラノシルウロ
ン酸)-6-0-スルフォ-D-ガラクトースのミリモル分子吸
光係数を5.5とし、1単位(U) の酵素量は、上記反応条
件下において1分間に不飽和二糖を1マイクロモル遊離
する反応を触媒する酵素量と定義した。
【0096】この結果、このコンドロイチナーゼABC
は300U/mg蛋白以上の比活性を有することが確認され
た。
【0097】実施例1:コンドロイチナーゼABCとポ
リソルベート80とからなる本発明医薬組成物の調製 ポリソルベート80を複数の製造元から入手し、前述の方
法でポリソルベート801g中の還元性不純物の量および
過酸化物濃度を測定した。
【0098】その後、20mM リン酸緩衝液(pH7)に、塩化
ナトリウム(0.75%)、前記の高度に精製されたコンドロ
イチナーゼABC(比活性350U/mg;終濃度25U/mL)
およびポリソルベート80(0.15%(w/w))を溶解して
組成物(溶液)を調製し、メンブランフィルター(ポア
サイズ 0.22μm;マイレックスGV,MILLIPOR
E製)を使用して濾過滅菌を行い、滅菌済みのガラスア
ンプルに2mLづつ充填し、熔閉した。
【0099】熔閉したガラスアンプルを、25℃下で1ヶ
月保存し、下記の方法で評価を行った。
【0100】評価方法: (1)性状:白色および黒色の紙をバックにして、白色光
源の直下約1000ルクスの明るさの位置で肉眼で観察
した。
【0101】(2)コンドロイチナーゼABCの酵素活性
測定:前記した酵素活性の測定方法における「酵素試
料」として、保存前の溶液または保存後の溶液を用いて
測定を行った。
【0102】保存前の溶液(Pre溶液)の酵素活性に対
する保存後の溶液(Post溶液)の酵素活性の割合を次式
により算出し、25℃、1ヶ月の保存による酵素活性の変
化を比較した。
【0103】[Post溶液の酵素活性/Pre溶液の酵素活
性]× 100(%) この結果を「安定性」として、医薬担体(ポリソルベー
ト80)1g中の還元性不純物質量および過酸化物濃度の
測定結果と併せて表1に示す。なお、表1中の「N/
T」は測定していないことを示す。
【0104】
【表1】
【0105】この結果、医薬担体(ポリソルベート80)
1g中の還元性不純物の量が、0.01Nアンモニウム
セリウムニトレートを用いた滴定法による滴定量が0.
4mL以下である医薬組成物(表1中A〜G)は、液体
で25℃、1ヶ月保存後も60%以上の活性を有していた。
【0106】これに対し、医薬担体(ポリソルベート8
0)1g中の還元性不純物の量が、0.01Nアンモニウ
ムセリウムニトレートを用いた滴定法による滴定量が
0.4mL以上である医薬組成物(表1中H〜L)は、
液体で25℃、1ヶ月保存後の活性は40%以下であった。
【0107】なお、25℃で1ヶ月保存後、全ての試料
は無色透明で、不溶性異物の生成は認められなかった。
【0108】実施例2: 活性炭処理による還元性不純
物の量および過酸化物濃度の低減効果 上記表1中の製品Bのポリソルベート80および製品Lの
ポリソルベート80を用いて、ポリソルベート80の活性炭
処理による効果を調べた。
【0109】製品Bおよび製品Lのポリソルベート80各
10gを水に溶解して100mLとした後、250℃、
5時間加熱処理した活性炭10gをそれぞれ加え、室温
下、30分間攪拌した後、活性炭を濾過して取除き、ポ
リソルベート80の活性炭処理物を得た。
【0110】かくして得られたポリソルベート80につい
て、活性炭処理前後の還元性不純物含量および過酸化物
含量を測定(いずれも前述と同様の方法で測定)し、実
施例1に記載の組成で組成物を調製し、25℃、1ヶ月保
存後のコンドロイチナーゼABCの安定性を調べた。そ
の結果を表2に示す。
【0111】
【表2】
【0112】この結果から、活性炭処理によって還元性
不純物の量および過酸化物含量が低下することが示され
た。特に活性炭処理による還元性不純物の量の低下が顕
著であった。
【0113】また、活性炭処理したポリソルベート80を
用いて調製した医薬組成物は、活性炭処理しないポリソ
ルベート80を用いて調製した医薬組成物に比べて、コン
ドロイチナーゼABC活性が安定に保持されることが示
された。
【0114】実施例3: コンドロイチナーゼABCお
よびポリエチレングリコールからなる本発明医薬組成物
(凍結乾燥品)の調製 (1)本実施例で用いたポリエチレングリコール ポリエチレングリコール4000(PEG4000、平
均分子量2600〜3800;和光純薬工業株式会社
製、一級、Lot. No. CAE0369)をエンドトキシンフ
リーの蒸留水(注射用水)に溶解し、この水溶液を活性
炭で処理して、還元性不純物の量および過酸化物含量を
前述の方法で測定した結果、4%(w/v)ポリエチレング
リコール溶液中の還元性不純物の量は滴定量で0mLで
あり、6.66%(w/v)ポリエチレングリコール溶液中の過
酸化物含量は検出限界以下(0.0017%(w/v)以下)であ
った。
【0115】(2)試験方法 (安定性試験)10mM リン酸緩衝液(pH7)に、コンドロイ
チナーゼABC(終濃度20U/mL)およびポリエチレ
ングリコール4000(終濃度1%(w/w))を溶解し、
1バイアルあたり1mLで分注し(コンドロイチナーゼ
ABCとして20U/バイアルとなる)、凍結乾燥した。凍
結乾燥は、室温から−45℃まで冷却凍結後、減圧下(60m
Torr)で12時間一次乾燥し、次に25℃まで昇温(12時間)
し、25℃で10時間二次乾燥した。乾燥後、窒素ガスで復
圧し、打栓した。
【0116】次に、下記の方法に従い、「凍結乾燥前の
溶液の酵素活性」に対する「凍結乾燥物を40℃下で3
0日間保存した後に再溶解した溶液の酵素活性」の割合
を求めた。凍結乾燥後のコンドロイチナーゼの酵素活性
(以下、「コンドロイチナーゼの酵素活性」を単に「酵
素活性」ともいうこともある)、ケーキ形状、再溶解性
および水分含量について評価した。
【0117】酵素活性は、前記した酵素活性の測定方法
に従い、酵素試料として凍結乾燥前の溶液または凍結乾
燥後に生理食塩水で再溶解した溶液を用いて測定を行っ
た。
【0118】凍結乾燥前の溶液(Pre-FD 溶液)の酵素
活性に対する凍結乾燥後に再溶解した溶液(Post-FD溶
液)の酵素活性の割合を次式により算出し、凍結乾燥時
およびその後の保存時の酵素活性の変化を比較した。
【0119】[Post-FD の酵素活性/Pre-FD の酵素活
性]× 100(%) ケーキ形状は、肉眼で観察して、凍結乾燥後の乾燥ケー
キの形状が良好な錠剤状のケーキであったものを
「良」、凍結乾燥後の乾燥ケーキの形状が良好な錠剤状
のケーキでなかったものを「不良」とした。
【0120】再溶解性は、凍結乾燥後、生理食塩水 2
mLで再溶解した時の溶解性および溶解後の液の性状を
観察することにより判断した。具体的には、生理食塩水
を添加してから1分以内で溶解することを確認した上
で、溶解後の液に、肉眼で観察して不溶性異物を認めた
ものを「+」、澄明であり、異物を認めなかったものを
「−」とした。また水分含量は前述のカールフィッシャ
ー法により測定した。
【0121】(3)結果 コンドロイチナーゼABCおよびポリエチレングリコー
ル4000の組み合わせからなる凍結乾燥物の安定性試
験(40 ℃保存、30日間)の結果、コンドロイチナー
ゼABCおよびポリエチレングリコール4000の組み
合わせからなる凍結乾燥組成物は、40 ℃下で30日間
保存しても酵素活性の低下が少なく(Pre-FD 溶液の酵
素活性に対するPost-FDの酵素活性の割合76.1%)、極
めて安定に保持されることが示された。
【0122】また、凍結乾燥物の水分含量は3%(w/w)
以下と低く、ケーキ形状も「良」であり、再溶解性も
「−」であった。
【0123】実施例4: コンドロイチナーゼABC、
ポリエチレングリコールおよびサッカロースからなる本
発明医薬組成物(凍結乾燥品)の調製 (1)本実施例で用いたポリエチレングリコール 実施例3と同様に、ポリエチレングリコール4000を
活性炭処理したものを使用した。
【0124】(2)本実施例で用いたサッカロース サッカロース(精製白糖;大日本明治製糖株式会社製、
Lot.No.910403)をエンドトキシンフリーの蒸留
水(注射用水)に10%(w/w)となるように溶解し、該
水溶液中のエンドトキシン濃度を、トキシカラーシステ
ム(生化学工業株式会社製)で測定した結果、6.66
EU/mL(2296.49 pg/mL)であった。この水溶液を活
性炭で処理し、再度エンドトキシン濃度を同様に測定し
た結果、0.001 EU/mL(0.43 pg/mL)であった。ま
た、この活性炭処理したサッカロース中の過酸化物含量
および還元性不純物含量を、前述の方法で測定した結
果、4%(w/v)サッカロース溶液中の還元性不純物の量
は滴定量で0mLであり、6.66%(w/v)サッカロース溶
液中から過酸化物は検出されなかった。
【0125】(3)試験方法 (3-1)予備試験 予備試験として、まずコンドロイチナーゼABCを添加
しない医薬担体のみの試料を調製して、凍結乾燥物の形
状を検討した。具体的には、10 mM リン酸緩衝液(pH
7)に医薬担体としてサッカロースとポリエチレングリ
コール4000を表3に示す割合で配合して溶解し、凍
結乾燥したものを試料として、凍結乾燥後のケーキ形状
を評価した。
【0126】
【表3】
【0127】凍結乾燥は、室温から−45℃まで冷却凍結
後、減圧下(60 mTorr)で12時間一次乾燥し、次に25℃ま
で昇温(12時間)し、25℃で10時間二次乾燥すること
により行った。凍結乾燥後、窒素ガスで復圧し、打栓し
た。
【0128】この結果、サッカロースとポリエチレング
リコール4000の配合比が1/2のものは、溶け戻り
(メルトバック)、崩壊および収縮を生じなかった。
【0129】(3-2)本試験(安定性試験) 10mM リン酸緩衝液(pH7)に、コンドロイチナーゼABC
(終濃度20U/mL)、サッカロース(終濃度1%(w/
w))およびポリエチレングリコール4000(終濃度2
%(w/w))を溶解し、1バイアルあたり0.5mLで分注し
(コンドロイチナーゼABCとして10U/バイアルとな
る)、凍結乾燥した。凍結乾燥は、室温から−45℃まで
冷却凍結後、減圧下(60 mTorr)で12時間一次乾燥し、次
に25℃まで昇温(12時間)し、25℃で10時間二次乾燥する
ことにより行った。乾燥後、窒素ガスで復圧し、打栓し
た。
【0130】これ以降の試験は、実施例3に記載された
「安定性試験」と同様の方法で行い、評価した。
【0131】(4)結果 コンドロイチナーゼABC、サッカロースおよびポリエ
チレングリコール4000の組み合わせからなる凍結乾
燥物の安定性試験(40 ℃保存、30日間)の結果、コ
ンドロイチナーゼABC、サッカロースおよびポリエチ
レングリコール4000の組み合わせからなる凍結乾燥
組成物は、40 ℃下で30日間保存してもほとんど酵素
活性の低下が見られず(Pre-FD 溶液の酵素活性に対す
るPost-FDの酵素活性の割合90.9%)、極めて安定に保
持されることが示された。
【0132】また、凍結乾燥物の水分含量は1.5%(w/w)
以下と低く、ケーキ形状も「良」であり、再溶解性も
「−」であった。
【0133】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明医薬組成物
は、コンドロイチナーゼ、好ましくは比活性が高く高純
度に精製されたコンドロイチナーゼと、還元性不純物濃
度が0.01Nアンモニウムセリウムニトレートを用い
た滴定法による滴定量として1gあたり0.4mL以下
でありかつ望ましくは過酸化物濃度が20ppm以下で
ある医薬担体とからなる。
【0134】本発明は、このような組成物構成を選択す
ることにより、長期間保存した後のコンドロイチナーゼ
の酵素活性の低下が極めて少ない医薬組成物を提供する
ことができる。さらに、本発明医薬組成物を用いること
により、長期保存が可能、取扱いが容易、安全かつ有効
な医薬品、特に椎間板ヘルニアの処置剤を提供すること
ができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンドロイチナーゼ及び医薬担体を含有
    し、該医薬担体1gあたりに含有される還元性不純物の
    量が、0.01Nアンモニウムセリウムニトレートを用
    いた滴定法による滴定量として0.4mL以下であるこ
    とを特徴とする医薬組成物。
  2. 【請求項2】 医薬担体の過酸化物含量が20ppm以
    下であることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 医薬担体が活性炭処理されたものである
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の医薬組成物。
  4. 【請求項4】 医薬担体がサッカロース及び/又はポリ
    エチレングリコールであることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 医薬担体がポリエチレングリコールであ
    ることを特徴とする請求項4記載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 医薬担体がサッカロース及びポリエチレ
    ングリコールの混合物であることを特徴とする請求項4
    記載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】 ポリエチレングリコールとサッカロース
    の配合比がポリエチレングリコール/サッカロースの重
    量比で0/1〜10/1である請求項4記載の医薬組成
    物。
  8. 【請求項8】 凍結乾燥物の形態である請求項1〜7の
    いずれか1項に記載の医薬組成物。
  9. 【請求項9】 医薬担体がポリオキシエチレンソルビタ
    ン脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  10. 【請求項10】 コンドロイチナーゼがコンドロイチナ
    ーゼABCであることを特徴とする請求項1〜9のいず
    れか1項に記載の医薬組成物。
  11. 【請求項11】 コンドロイチナーゼABCの比活性が
    300U/mg蛋白以上であることを特徴とする請求項
    10記載の医薬組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の医薬組成物からなる椎間板ヘルニアの処置剤。
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