JPH11234123A - 位相比較回路及び位相比較器 - Google Patents

位相比較回路及び位相比較器

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JPH11234123A
JPH11234123A JP10036115A JP3611598A JPH11234123A JP H11234123 A JPH11234123 A JP H11234123A JP 10036115 A JP10036115 A JP 10036115A JP 3611598 A JP3611598 A JP 3611598A JP H11234123 A JPH11234123 A JP H11234123A
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phase
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Toshiyuki Tanaka
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 位相比較器からのUp信号とDown信号が
同時に同じ期間だけLow状態となるように動作させ
て、リファレンスリークの発生や位相ノイズ増加の要因
を排除する。 【解決手段】 位相比較器を2入力NAND回路1,
2,3,4,5,6と、3入力NAND回路7,8と、
遅延回路10,11とから構成し、Up側遅延回路10
は、m個(mは偶数)の直列接続したインバータQu1
〜Qumから構成し、Down側遅延回路は、n個(n
は偶数)の直列接続したインバータQd1〜Qdnから
構成し、Up側遅延回路10及びDown側遅延回路1
1をそれぞれ構成するインバータQu1〜Qum,イン
バータQd1〜Qdnの個数nとm(n,mは偶数)を
調整し、チャージポンプ回路12のUp動作とDown
動作のスイッチング時間の差を、前記位相比較器から出
力されるUp信号とDown信号のパルス幅を個別に調
整することにより、補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相比較器とチャ
ージポンプ回路から構成される位相比較回路と、その位
相比較回路に用いる位相比較器に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来例に係る位相比較器とチャ
ージポンプ回路を組み合わせた位相比較回路を示す回路
図である。図8に示す従来例の位相比較回路に用いる位
相比較器は、入力端子SigおよびRefと出力端子U
pおよびDownを有し、その回路は、2入力NAND
回路11,12,13,14,15,16と、3入力N
AND回路17,18と、遅延回路20とから構成され
ている。また、遅延回路20は、4入力NAND回路1
9と、インバータQ1〜Qm(mは偶数)との組み合わ
せから構成されている。
【0003】図8に示す従来例において、位相比較器の
Up端子およびDown端子が接続されているチャージ
ポンプ回路21は、電流型もしくは電圧型のチャージポ
ンプ回路であり、位相比較器のUp端子またはDown
端子から入力される位相差信号を次段発振器を制御する
電圧または電流に変換する回路として機能するようにな
っている。
【0004】電流型のチャージポンプ回路は、位相比較
器のUp端子からLow信号が入力される期間は出力端
子に正の一定電流(以下、Up電流という)を出力し、
位相比較器のDown端子からLow信号が入力される
期間は出力端子に負の一定電流(以下、Down電流と
いう)を出力するように動作するものであり、そのUp
電流とDown電流の大きさは、等しく設定されてい
る。
【0005】位相比較器とチャージポンプ回路との組み
合わせからなる位相比較回路をPLL周波数シンセサイ
ザに用いた場合、PLLループがロック状態となり位相
比較器のRef端子とSig端子に同相の信号が入力さ
れる状態では、位相比較器のUp信号とDown信号が
同時にLow状態となる期間がある。
【0006】このとき、理想的なチャージポンプ回路で
あれば、位相比較器のUp電流とDown電流のONと
OFFの動作が同時に行われるため、チャージポンプ回
路の出力側では、位相比較器のUp電流とDown電流
が相殺され、その出力電流は0となる。つまり、次段に
接続されるフィルター回路の出力電圧に変化がなくな
り、PLL周波数シンセサイザの電圧制御発振器は、一
定の周波数の下に発振することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際の
チャージポンプ回路においては、回路を構成するNMO
S及びPMOSトランジスタのスイッチング特性や周波
数特性の違いにより、Up動作とDown動作のスイッ
チング特性に差が生じ、これが原因となって位相比較器
へのRef信号とSig信号の位相が同相であるにも拘
らず、チャージポンプ回路の出力が0にならないという
現象が起きる。
【0008】すなわち、実際のチャージポンプ回路を構
成するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタの
スイッチング時間や周波数特性に差があるため、図8に
示す従来例に係る位相比較器を用いて同じタイミングで
チャージポンプ回路21のUp動作とDown動作を行
ったとしても、チャージポンプ回路21でのUp電流と
Down電流がONしてからOFFする期間に差が生じ
る。
【0009】つまり、PLLループがロック状態とな
り、位相比較器のRef信号とSig信号が同位相とな
っても、チャージポンプ回路の出力が0にならない状況
が発生する。これが電圧制御発振器の発振周波数の揺れ
となり、リファレンスリークや位相ノイズの原因となっ
ている。
【0010】このリファレンスリークの発生や位相ノイ
ズ増加の要因を排除するには、位相比較器はUp信号と
Down信号が同時に同じ期間だけLow状態となるよ
うに動作する必要があるが、図8に示す位相比較器は、
その動作を行うように構成されておらず、上述したリフ
ァレンスリークの発生や位相ノイズ増加の要因を排除す
るには到っていないのが現状である。
【0011】本発明の目的は、リファレンスリークの発
生や位相ノイズ増加の要因を排除するためにUp信号と
Down信号が同時に同じ期間だけLow状態となるよ
うに動作する位相比較器及びその位相比較器を用いた位
相比較回路を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る位相比較回路は、位相比較器とチャー
ジポンプ回路から構成される位相比較回路であって、チ
ャージポンプ回路のUp動作とDown動作のスイッチ
ング時間の特性差を、位相比較器から出力する位相差信
号のパルスの幅をUp側とDown側で個別に調整して
補正するようにしたものである。
【0013】また、本発明に係る位相比較回路に用いる
位相比較器は、チャージポンプ回路と組み合わされて位
相比較回路を構成する位相比較器であって前記チャージ
ポンプ回路のUp動作とDown動作のスイッチング動
作を行うための信号を出力するUp側とDown側の遅
延回路を有し、前記Up側とDown側の遅延回路を独
立した個別の回路に分離し、位相比較器のSig端子と
Ref端子に同相信号が入力された場合に、位相比較器
のUp端子とDown端子に出力されるパルスの幅をU
p側とDown側で個別に設定するようにしたものであ
る。
【0014】また、前記Up側とDown側遅延回路の
素子として、外部からの制御で遅延量を連続的に変えら
れるインバータを使用することにより、 位相比較器の
Sig端子とRef端子に同相信号が入力された場合
に、位相比較器のUp端子とDown端子に出力される
パルスの幅をUp側とDown側で個別に、かつ、連続
的に調整するようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
より説明する。
【0016】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1に係る位相比較回路を示す回路図である。
【0017】図において、本発明に係る位相比較回路は
基本的構成として、位相比較器とチャージポンプ回路か
ら構成される位相比較回路であって、前記チャージポン
プ回路のUp動作とDown動作のスイッチング時間の
差を、前記位相比較器から出力されるUp信号とDow
n信号のパルス幅を個別に調整することにより、補正す
ることを特徴とするものである。
【0018】また、本発明に係る位相比較回路に用いる
位相比較器は、ディジタル型の位相比較器であって、U
p側とDown側との遅延回路をそれぞれ独立した回路
構成とし、かつ各遅延回路の遅延時間をUp側とDow
n側でそれぞれ独立して調整する回路構成とすることに
より、Sig端子とRef端子に同相の信号が入力され
た場合にUp端子とDown端子に出力されるパルス幅
を個別に設定可能としたことを特徴とするものである。
【0019】次に、本発明の具体例を実施形態1として
図1に基づいて説明する。図1に示す本発明の実施形態
1に係る位相比較回路に用いる位相比較器は、入力端子
SigおよびRefと出力端子UpおよびDownを有
し、その回路は2入力NAND回路1,2,3,4,
5,6と、3入力NAND回路7,8と、遅延回路とか
ら構成されている。
【0020】本発明の実施形態1における遅延回路は、
4入力NAND回路9と、それぞれ独立した回路構成の
Up側遅延回路10及びDown側遅延回路11とから
構成したことを特徴とするものである。
【0021】Up側遅延回路10は、m個(mは偶数)
の直列接続したインバータQu1〜Qumから構成され
ており、Down側遅延回路は、n個(nは偶数)の直
列接続したインバータQd1〜Qdnから構成されてい
る。
【0022】さらに、本発明の実施形態1に係る位相比
較回路は、上述した位相比較器と、該位相比較器のUp
端子およびDown端子に接続したチャージポンプ回路
12とから構成したことを特徴とするものである。
【0023】また、本発明の実施形態1に係る位相比較
回路に用いる位相比較器は、電流型もしくは電圧型のチ
ャージポンプ回路であり、位相比較器のUp端子または
Down端子から入力される位相差信号を次段の発振器
を制御する電圧または電流に変換する回路として機能す
るようになっている。
【0024】次に、図1に示す本発明の実施形態1に係
る位相比較器の動作について説明する。
【0025】図1に示す位相比較器は、Sig端子に入
力される信号Sの位相がRef端子に入力される基準信
号Rより進んでいる場合に、位相の進み具合に比例した
期間にDown端子からLowレベルの信号を出力し、
Sig端子に入力される信号Sの位相がRef端子に入
力される基準信号Rより遅れている場合に、位相の遅れ
具合に比例した期間にUp端子からLowレベルの信号
を出力する。
【0026】また、Sig端子とRef端子にそれぞれ
入力される信号SとRとの位相が一致している場合(P
LLループがロックしている場合)には、Up端子とD
own端子の両方からLowレベルの信号を出力する。
このとき、Up端子がLowレベルの信号を出力する期
間は、Up側遅延回路10を構成するインバータQu1
〜Qumの遅延時間Tuで決定され、Down端子がL
owレベルの信号を出力する期間は、Down側遅延回
路11を構成するインバータQd1〜Qdnの遅延時間
Tdで決定される。
【0027】つまり、Up側遅延回路10及びDown
側遅延回路11をそれぞれ構成するインバータQu1〜
Qum,インバータQd1〜Qdnの個数nとm(n,
mは偶数)を調整し、さらにはインバータQu1〜Qu
m及びインバータQd1〜QdnがMOSトランジスタ
で構成されている場合には、そのチャネル長やチャネル
幅を変えることにより、Up側及びDown側の遅延回
路10,11の延時間を調整することにより、Sig端
子とRef端子に同相の信号SとRが入力された場合
に、Up端子とDown端子に出力されるLowレベル
の信号のパルス幅を決定できる回路構成となっている。
【0028】次に、図1に示す位相比較器の動作を図2
に示すタイミングチャートによって説明する。この場
合、説明を簡単にするため、論理素子のもつ遅延時間
は、遅延回路10と11を構成するインバータだけがも
っているものと仮定する。
【0029】まず、図1に示す位相比較器の入力端子R
efとSigがHigレベルの定常状態を説明する。2
入力NAND回路1と6の出力が共にLowレベルの状
態であると仮定すると、4入力NAND回路9は、4つ
の入力のうち2つがLowレベルであるため、その出力
がHighレベルとなり、インバータQu1とQd1の
出力は共にHighレベルとなる。
【0030】2入力NAND回路2と5の入力には、そ
れぞれNAND回路1と6の出力であるLowレベルが
入力されているため、その出力がHighレベルとな
る。NAND回路3は、NAND回路2のHighレベ
ルの出力とインバータQu1のHigiレベルの出力が
入力されるため、その出力がLowレベルとなる。NA
ND回路4は、NAND回路5のHighレベルの出力
とインバータQd1のHigiレベルの出力が入力され
るため、その出力がLowレベルとなる。
【0031】また、NAND回路7の入力には、NAN
D回路1のLowレベルの出力とNAND回路2のHi
ghレベルの出力とインバータQu1のHighレベル
の出力が入力されているため、位相比較器の出力端子U
pはHighレベルとなる。また、NAND回路8の入
力には、NAND回路6のLowレベルの出力とNAN
D回路5のHighレベルの出力とインバータQd1の
Highレベルの出力が入力されているため、位相比較
器の出力端子Downは、Highレベルとなり、位相
比較器は、安定した状態に落ち着く。
【0032】次に、図2に示すように、先ず入力信号R
が立ち下がり、それからT時間だけ遅れて入力信号Sが
立ち下がる場合を説明する。
【0033】入力信号Rの立ち下がりを受けて2入力N
AND回路1の出力がHighレベルに変化するが、4
入力NAND回路9の入力であるNAND回路6の出力
はLowレベルであるため、NAND回路9の出力はH
ighレベルのまま変化がなく、遅延回路10と11の
出力もHighレベルのまま変化しない。
【0034】また、NAND回路2の出力は、一方の入
力であるNAND回路1の出力がHighレベルに変化
するが、NAND回路3の出力がLowレベルであるた
め、Highレベルで変化しない。
【0035】従って、NAND回路7の出力は、3つの
入力がすべてHighレベルになるため、位相比較器の
Up端子はLowレベルに変わり、位相比較器のDow
n端子は、NAND回路8の入力状態に変化がないた
め、Highレベルのまま保たれる。
【0036】その後、入力信号SがT時間遅れて立ち下
がると、2入力NAND回路6の出力がHighレベル
に変化してNAND回路8の入力が全てHighレベル
になるため、位相比較器のDown端子は、一旦Low
レベルに変化する。また、NAND回路6の出力がHi
ghレベルに変化したため、4入力NAND9の入力
は、全てHighレベルとなり、その出力がLowレベ
ルに変化する。
【0037】4入力NAND回路9の出力を受けるDo
wn側遅延回路11の出力側のインバータQd1の出力
は、直列接続した複数のインバータQd1〜Qdnのも
つ遅延時間後にLowとなる。
【0038】Down側遅延回路11の出力側のインバ
ータQd1の出力がLowとなり、NAND回路6の出
力がHighレベル、NAND回路5の出力がHigh
レベルであるため、NAND回路8の出力である位相比
較器のDown端子は再びHighレベルに変わる。
【0039】つまり、位相比較器の入力信号SがLow
となり、位相比較器のDown端子が一旦Lowレベル
になってからHighレベルに戻るまでの時間は、イン
バータQd1〜Qdnのもつ遅延時間Tdと等しく、位
相比較器のDown端子へ出力するLowレベルのパル
ス幅は、Tdとなる。
【0040】また、4入力NAND回路9の出力を受け
るUp側遅延回路10の出力側のインバータQu1の出
力は、直列接続した複数のインバータQu1〜Qumの
もつ遅延時間後にLowとなる。
【0041】インバータQu1の出力がLowとなり、
NAND回路1の出力がHighレベル、NAND回
路2の出力がHighレベルであるため、NAND回路
7の出力である位相比較器のUp端子は、Highレベ
ルになる。
【0042】つまり、位相比較器のUp端子がLowレ
ベルとなっている時間は、入力信号RがLowとなって
から入力信号SがLowとなるまでの時間Tと、直列接
続した複数のインバータQu1〜Qumのもつ遅延時T
uとの和となり、入力信号RとSの位相差が反映される
ことになる。
【0043】その後、位相比較器は、次の状態を経て安
定状態となる。すなわち、インバータQu1とインバー
タQd1とのLow出力を受けるNAND回路3と4の
出力はHighレベルに変化し、NAND回路2と5の
出力は2つの入力が共にHighレベルになるため、L
owレベルに変化する。
【0044】そして、NAND回路1と6の出力がHi
ghレベル、NAND回路2と5の出力がLowレベル
になるため、4入力NAND回路の出力はHigh状態
となり、これを受けるインバータQu1とインバータQ
d1との出力もHigh状態となり、位相比較器は安定
した状態に落ち着く。
【0045】次に、位相比較器の入力端子RefとSi
gが共にHighレベルの安定している状態で、入力信
号RとSが同時にLowレベルになった場合について説
明する。
【0046】入力信号RとSが同時にLowレベルにな
ると、NAND回路1と6の出力はLowレベルからH
ighレベルに変化し、NAND回路7と8は入力が全
てHighレベルとなるため、位相比較器のUp端子と
Down端子は、一旦HighレベルからLowレベル
に変化する。
【0047】しかし、このときNAND回路9は4つの
入力が全てHighレベルに変化するためため出力がL
owレベルとなり、NAND回路7の入力にはQu1か
らQu2の持つ遅延時間Tu後にLowレベルが入力さ
れ、これによりUp端子は再びHighレベルに変化す
る。
【0048】また、NAND回路8の入力には、直列接
続した複数のインバータQd1〜Qd2のもつ遅延時間
Td後にLowレベルが入力されるため、位相比較器の
Down端子は、再びHighレベルに変化する。
【0049】つまり、入力信号RとSに同相の信号が入
力された場合、位相比較器のUp端子には、Up側遅延
回路10を構成するインバータQu1〜Qumのもつ遅
延時間Tuと等しい幅のLowレベルのパルスが出力さ
れ、位相比較器のDown端子には、Down側遅延回
路11を構成するインバータQd1〜Qdnのもつ遅延
時間Tdと等しい幅のLowレベルのパルスが出力され
る。
【0050】最後に、図1に示す本発明の実施形態1に
係る位相比較器とチャージポンプ回路から構成される位
相比較回路の動作について簡単に説明する。
【0051】図1に示したチャージポンプ回路12が電
流型のチャージポンプ回路である場合は、そのチャージ
ポンプ回路12は、位相比較器のUp端子からLow信
号が出力される期間に正の一定電流(以下、Up電流と
いう)Iupを出力し、位相比較器のDown端子から
Low信号が入力される期間に負の一定電流(以下、D
own電流という)Idownをそれぞれ出力する。こ
のとき、IupとIdownの電流の大きさは、等しく
設定されている。
【0052】いま、チャージポンプ回路12のUp端子
とDown端子に同じ幅のLowレベルの信号が入力さ
れた場合に、Up電流Iupが流れ始めてから流れ終わ
るまでの時間をTup、Down電流Idownが流れ
始めてから流れ終わるまでの時間をTdownとそれぞ
れ定義する。
【0053】TdownよりTupが長い特性であるな
らば、位相比較器のDown側遅延回路11のインバー
タQd1〜Qdnの個数nを増やすことにより、Dow
n側遅延回路11の遅延時間Tdを増やし、位相比較器
のDown信号がLowになる時間を長くする。
【0054】また、TupよりTdownが長い特性で
あるならば、位相比較器のUp側遅延回路10のインバ
ータQu1〜Qumの個数mを増やすことにより、Up
側遅延回路10の遅延時間Tuを増やし、位相比較器の
Up信号がLowになる時間を長くする。
【0055】つまり、上述した調整を行うことにより、
TupとTdownを等しく設定することが可能であ
る。
【0056】従って、上記の調整を行えば位相比較器の
Ref端子とSig端子に同相の信号が入力される状況
においてのIupとIdownの流れる期間が等しくな
り、かつ、IupとIdownは大きさが等しく方向が
逆であるため、チャージポンプ回路12の出力ではIu
pとIdwonが相殺されて0となる。
【0057】図3は、本発明の実施形態1に係る位相比
較回路をPLL周波数シンセサイザに用いた場合の構成
の例を示す回路図である。
【0058】先ず、図1に示す位相比較器のUp側及び
Down側遅延回路10,11を構成するインバータQ
u1〜Qum,Qd1〜Qdnの個数mとnが等しい場
合を説明する。
【0059】図1に示す電流型のチャージポンプ回路1
2は、位相比較器のUp端子からLow信号が出力され
る期間に、ドライバー回路12aからの制御でPMOS
トランジスタQpをON状態にして出力端子に正の一定
電流(以下、Up電流という)Iupを出力し、位相比
較器のDown端子からLow信号が入力される期間
に、ドライバー回路12aからの制御でNMOSトラン
ジスタQnをON状態にして出力端子から負の一定電流
(以下、Down電流という)Idownをそれぞれ出
力する。
【0060】このとき、チャージポンプ回路12の電流
源V1とV2は等しく設定されているため、IupとId
ownの電流の大きさも等しい。
【0061】PLLループがロック状態となり位相比較
器のRef端子とSig端子に同相の信号が入力される
状態となると、位相比較器は、Up端子とDown端子
との信号が同時に同じ期間だけLow状態となるように
動作する。理想的なチャージポンプ回路12であれば、
位相比較器のUp電流IupとDown電流Idown
が同じタイミングでON/OFFの動作を行うため、チ
ャージポンプ回路12の出力側では、IupとIdow
nが相殺されて0となる。
【0062】つまり、次段に接続されるフィルター回路
LPFのコンデンサに充電されている電圧は変化しない
ため、電圧制御発振器VCOは、一定の周波数の下に発
振する。
【0063】次に、実際の動作で発生する問題点につい
て説明する。実際のチャージポンプ回路12において
は、位相比較器からの位相差情報に基づきUp電流Iu
pとDown電流Idownのスイッチング動作を同じ
タイミングで行っても、 PMOSトランジスタQpと
NMOSトランジスタQpのスイッチング時間に差があ
るため、IupとIdownが流れる期間に差が生じ、
位相比較器のRef端子とSig端子への入力信号S,
Rは同位相であるにも拘らず、チャージポンプ回路12
の出力電流が0にならない状況が発生する。
【0064】これがPLLループのロック状態における
電圧制御発振器VCOの発信周波数の揺れの原因とな
り、リファレンスリークや位相ノイズが増加する要因と
なっている。
【0065】次に、本発明の実施形態1において、リフ
ァレンスリークや位相ノイズを排除するために、図1に
示す位相比較回路において位相比較器のUp側及びDo
wn側遅延回路10,11を適正に調整する場合につい
て説明する。
【0066】いま、仮に調整前において、チャージポン
プ回路12のUp入力端子とDown入力端子に同じパ
ルス幅のLowレベルのパルス信号が入力されている場
合には、位相比較器からのUp電流がONしてからOF
Fするまでの時間Tupが、Down電流がONしてか
らOFFするまでの時間Tdownより長い特性である
とする。
【0067】この場合には、位相比較器のDown側遅
延回路11を構成するインバータQd1〜Qdnの個数
を増やしたり インバータQd1〜QdnがMOSトラ
ンジスタで構成される場合には、そのチャネル長やチャ
ネル幅を変えることにより、Down側遅延回路11の
遅延時間Tdを増やし、Down信号がLowになる時
間を長くし、チャージポンプ回路12のUp電流とDo
wn電流がONしている期間TupとTdownが等し
くなるように設定する。
【0068】このように調整を行えば、PLLループが
ロックして位相比較器のSig端子とRef端子の入力
信号S,Rが同相になった場合のチャージポンプ回路1
2出力側の電流は、Up電流とDown電流が相殺され
て0となる。つまり、次段に接続されるフィルター回路
LPFのコンデンサに充電されている電圧は変化しない
ため、電圧制御発振器VCOは一定の周波数で発振する
ことになり、リファレンスリークや位相ノイズの低減が
可能となる。
【0069】(実施形態2)図4及び図5は、本発明の
実施形態2を示す図である。本発明の実施形態2は図4
に示すように、位相比較器のUp側及びDown側遅延
回路10,11の素子として外部からの制御で遅延量を
連続的に変えられるインバータを使用することにより、
位相比較器のSig端子とRef端子に同相信号が入力
された場合に、位相比較器のUp端子とDown端子に
出力されるパルスの幅をUp側とDown側で個別に、
かつ、連続的に調整するようにしたことを特徴とするも
のである。
【0070】具体的には、図1に示す位相比較器の遅延
回路10,11を構成するインバータQu1〜Qumお
よびQd1〜Qdnを、遅延時間可変インバーターQu
1〜QumおよびQd1〜Qdnと電流コントロール回
路13a,13bとの組み合わせに変更したものであ
る。
【0071】また、図5に示すように、各遅延時間可変
インバーターQu1〜QumおよびQd1〜Qdnは、
トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6,Q7と、
電流源I0との組み合わせからなり、各遅延時間可変イ
ンバーターQu1〜QumおよびQd1〜Qdnは、電
流コントロール回路13a,13bにて動作電流I0を
制御することにより、遅延時間が図6に示すように可変
する回路構成になっている。また、図5において、電流
値Ipと電流値Inとは、等しく設定されている。
【0072】図4及び図5に示すように、本発明の実施
形態2では、遅延時間可変インバーターQu1〜Qum
およびQd1〜Qdnと電流コントロール回路13a,
13bとを組み合わせた回路を用いて、位相比較器のU
p側及びDown側遅延回路10,11構成することに
より、位相比較器のUp側及びDown側遅延回路1
0,11の遅延時間を連続的に可変するため、位相比較
器の入力端子RefとSigへの入力信号S,Rの位相
が同相となった場合に、位相比較器の出力端子UpとD
ownにそれぞれ出力されるLowレベルのパルスの幅
を外部からの制御で希望の値に設定することが可能とな
る。つまり、チャージポンプ回路12のUp動作とDo
wn動作のスイッチング時間の特性差の補正を、外部か
らの制御で行うことができる。
【0073】図7は、図4に示す位相比較器のシミュレ
ーション結果を示す図である。図7に示すシミュレーシ
ョンは、Up側遅延回路10とDown側遅延回路11
の遅延時間可変インバータの個数を6個とし、Up側遅
延回路10のインバータの動作電流I0を25μA、D
own側遅延回路11のインバータの動作電流I0を1
00μAにそれぞれ設定し、位相比較器の入力端子Re
fとSigに同相の信号を入力した場合に、位相比較器
の出力端子UpとDownにそれおぞれ出力されるパル
ス波形をシミュレーションした結果である。
【0074】Up側遅延回路10のインバータの動作電
流I0をDown側遅延回路11の動作電流I0より小さ
く設定しているため、Up側遅延回路10の遅延量がD
own側遅延回路11の遅延量より大きくなり、位相比
較器のDown端子のLowレベルのパルス幅がUp側
より大きくなっている。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、チ
ャージポンプ回路のUp動作とDown動作のスイッチ
ング時間の差を位相比較器から出力されるUp信号とD
own信号のパルス幅を個別に調整して補正するため、
チャージポンプ回路を構成するNMOS及びPMOSト
ランジスタのスイッチング特性や周波数特性の違いによ
り、Up動作とDown動作のスイッチング特性に生じ
る差を吸収し、位相比較器へのRef信号とSig信号
の位相が同相である場合、チャージポンプ回路の出力を
0にすることができる。
【0076】位相比較回路に使用するディジタル型の位
相比較器において、Up側とDown側の遅延回路を独
立した回路とし、かつ遅延回路の遅延時間をUp側とD
own側で独立して調整できる回路構成とすることによ
り、位相比較器のSig端子とRef端子に同相の信号
が入力された場合に、位相比較器のUp端子とDown
端子に出力されるパルスの幅を個別に設定をすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る位相比較回路を示す
回路図である。
【図2】図1に示す位相比較器の動作を示すタイミング
チャートである。
【図3】本発明の実施形態1に係る位相比較回路をPL
L周波数シンセサイザに用いた場合の構成の例を示す回
路図である。
【図4】本発明の実施形態2に係る位相比較回路を示す
回路図である。
【図5】図4に示す遅延時間可変インバータを示す回路
図である。
【図6】図5に示す遅延時間可変インバータの特性を示
す図である。
【図7】図4に示す位相比較回路のシミュレーション結
果を示す図である。
【図8】従来例に係る位相比較回路を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
1,2,3,4,5,6 2入力NAND回路 7,8 3入力NAND回路 9 4入力NAND回路 10 Up側遅延回路 11 Down側遅延回路 12 チャージポンプ回路 Qu1〜Qum,Qd1〜Qdn インバータ 13a,13b 電流コントロール回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相比較器とチャージポンプ回路から構
    成される位相比較回路であって、 チャージポンプ回路のUp動作とDown動作のスイッ
    チング時間の特性差を、位相比較器から出力する位相差
    信号のパルスの幅をUp側とDown側で個別に調整し
    て補正するようにしたことを特徴とする位相比較回路。
  2. 【請求項2】 チャージポンプ回路と組み合わされて位
    相比較回路を構成する位相比較器であって 前記チャージポンプ回路のUp動作とDown動作のス
    イッチング動作を行うための信号を出力するUp側とD
    own側の遅延回路を有し、 前記Up側とDown側の遅延回路を独立した個別の回
    路に分離し、 位相比較器のSig端子とRef端子に同相信号が入力
    された場合に、位相比較器のUp端子とDown端子に
    出力されるパルスの幅をUp側とDown側で個別に設
    定するようにしたことを特徴とする位相比較器。
  3. 【請求項3】 前記Up側とDown側遅延回路の素子
    として、外部からの制御で遅延量を連続的に変えられる
    インバータを使用することにより、 位相比較器のSi
    g端子とRef端子に同相信号が入力された場合に、位
    相比較器のUp端子とDown端子に出力されるパルス
    の幅をUp側とDown側で個別に、かつ、連続的に調
    整するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の位
    相比較器。
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