JPH11233328A - 疲労特性に優れた無方向性電磁鋼板 - Google Patents

疲労特性に優れた無方向性電磁鋼板

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JPH11233328A
JPH11233328A JP10046305A JP4630598A JPH11233328A JP H11233328 A JPH11233328 A JP H11233328A JP 10046305 A JP10046305 A JP 10046305A JP 4630598 A JP4630598 A JP 4630598A JP H11233328 A JPH11233328 A JP H11233328A
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JP
Japan
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steel sheet
less
fatigue
flux density
magnetic flux
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JP10046305A
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English (en)
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Yoshihiko Oda
善彦 尾田
Nobuo Yamagami
伸夫 山上
Yasushi Tanaka
靖 田中
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた磁気特性(低鉄損、高磁束密度)を保
ち、かつ疲労特性に優れた無方向性電磁鋼板を提供す
る。 【解決手段】 重量%で、C:0.005%以下、Si:1.0〜
4.0%、Mn:0.05〜1.5%、P:0.2%以下、N:0.005%
以下(0を含む)、Al:0.004%以下又は0.1〜1.0%、
S:0.01%以下(0を含む)を含有し、残部が実質的に
Feからなり、鋼板断面にて観察される直径5μm以上の
酸化物の個数が、10個/mm2以下であることを特徴とする
疲労特性に優れた無方向性電磁鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】従来における一般の産業用モータにおい
ては、加減速の回数が少ないため、モータのコア材が疲
労破壊を起こすことは少なく、これまで、疲労特性に注
目した電磁鋼板の検討は、なされていなかった。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電気自
動車用モータのような、車の加減速に伴いモータの回転
数が大きく変動するモータにおいては、コア材として使
用される電磁鋼板の疲労特性が優れていることが要求さ
れている。また、一方でモータ高効率化の観点から、高
周波領域で低鉄損であることも求められている。このよ
うな特性は、電気自動車用モータだけでなくインバータ
により可変速運転が行われる高効率エアコン用モータ等
においても要求されている。
【0003】疲労特性を向上させるためには、結晶粒の
細粒化が有効であるが、細粒化は鉄損を増大させるため
電磁鋼板における疲労特性の改善手法としては望ましく
ない。このため、磁気特性を劣化させることなく疲労特
性を改善する手法が望まれている。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、優れた磁気特性(低鉄損、高磁束密度)を保
ち、かつ疲労特性に優れた無方向性電磁鋼板を提供する
ことを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、鋼板断
面にて観察される鋼中の5μm以上の粗大な酸化物量を1
0個/mm2以下とすることにより、磁気特性と疲労特性が
共に良好な無方向性電磁鋼板を得ることにある。(ここ
に、個/mm2という単位は、試料を切断、又は研磨して切
断、研磨の表面を観察するとき、試料断面1mm2当たり
に観察される個数を示す。)
【0006】すなわち、前記課題は、重量%で、C:0.
005%以下、Si:1.0〜4.0%、Mn:0.05〜1.5%、P:0.
2%以下、N:0.005%以下(0を含む)、Al:0.004%
以下又は0.1〜1.0%、S:0.01%以下(0を含む)を含
有し、残部が実質的にFeからなり、鋼板断面にて観察さ
れる直径5μm以上の酸化物の個数が、10個/mm2以下で
あることを特徴とする疲労特性に優れた無方向性電磁鋼
板により解決される。
【0007】(発明に至る経緯と酸化物量の限定理由)
本発明者らは、優れた磁気特性(低鉄損、高磁束密度)
を保ち、かつ疲労特性に優れた無方向性電磁鋼板を得る
ために鋭意検討を行った。以下、本発明を実験結果に基
づいて詳細に説明する。
【0008】最初に、高グレード電磁鋼板の疲労限を調
査するため、実機にてC:0.0020%、Si:2.85%、Mn:
0.18%、P:0.01%、S:0.004%、Al:0.30%、N:
0.0021%の成分の鋼を20チャージ溶解し、熱延後、酸洗
し、830℃×3hrの熱延板焼鈍を行い、板厚0.35mmまで
冷間圧延を行った。引き続き10%H2-90%N2雰囲気に
て1000℃×1min間の仕上焼鈍を行った。
【0009】疲労試験は仕上焼鈍材より平行部の幅5m
m、長さ150mmのサンプルを切り出し、平行部を800番の
エメリー紙で研磨したのち、応力比0.1、周波数20Hzの
部分片振り(引張り-引張り)で行った。その結果、疲
労限は35kgf/mm2〜40kgf/mm2と大きくばらつくことが判
明した。ここで、疲労限は繰り返し数107回において破
壊が生じない応力振幅のことである。
【0010】このように電磁鋼板の疲労限が大きく異な
る原因を調査するため、光学顕微鏡にて鋼板断面の組織
観察を行った。その結果、疲労限の低いサンプルにおい
ては直径5μm以上の粗大な酸化物が多く認められた。
このことから、粗大酸化物の存在が疲労限の低下の原因
ではないかと考えた。そこで、疲労限と5μm以上の粗
大酸化物の個数との関係を調査した。図1にその結果を
示す。図1より、疲労限は、鋼板断面における酸化物量
が10個/mm2以下の場合には高い値を保ち、酸化物量が10
個/mm2を超えた場合に低下することがわかる。これは、
酸化物量が10個/mm2以下の場合には疲労亀裂のイニシエ
ーションサイトが減少したためと考えられる。
【0011】次に、図1のサンプルの鉄損を測定した結
果を図2に示す。ここで、磁気測定は25cmエプスタイン
法により行った。図2より、鉄損には粗大酸化物の影響
はほとんど認められないことがわかる。これは、このよ
うな粗大酸化物は粒成長性にほとんど影響を及ぼさない
ためである。
【0012】以上のことより、鋼板断面にて観察される
5μm以上の粗大酸化物の個数を10個/mm2以下とするこ
とにより、磁気特性を劣化させることなく疲労特性を向
上させることができることがわかる。よって、本発明に
おいては、鋼板断面にて観察される直径5μm以上の酸
化物の個数を、10個/mm2以下に限定する。
【0013】(鋼中成分の含有量の限定理由)次に、鋼
中の成分の含有量の限定理由について説明する。 C: Cは含有量が多い場合には炭化物を形成し、磁気
特性を劣化させるだけでなく疲労特性も劣化させるため
0.005%以下とする。 Si: Siは鋼板の固有抵抗を上げるために有効な元素で
あるため1.0%以上含有させる。一方、4.0%を超えると
飽和磁束密度の低下に伴い磁束密度が低下するため上限
を4.0%とする。 Mn: Mnは熱間圧延時の赤熱脆性を防止するために、0.
05%以上必要であるが、1.5%以上になると磁束密度を
低下させるので0.05〜1.5%とする。
【0014】P: Pは鋼板の打ち抜き性を改善するた
めに必要な元素であるが、0.2%を超えて添加すると鋼
板が脆化するため0.2%以下とする。 N: Nは含有量が多い場合にはAlNの析出量が多くな
り、鉄損を増大させるだけでなく疲労特性も劣化させる
ため0.005%以下とする。 Al: Alは少量添加した場合には、微細なAlNを形成し
結晶粒径の成長を阻害するために磁束密度を低下させ鉄
損も多くなる、このため0.004%以下とする。また0.1%
以上と多く添加した場合には、AlNが粗大化するために
結晶粒径の成長を阻害せず、かつ固有抵抗を上昇させ
る。一方、1%超えでは、磁束密度を低下させるので1%
以下とする。従って、0.004%以下又は0.1〜1%とす
る。
【0015】(製造方法)粗大酸化物の個数を所定の範
囲内とする手法はどのようなものでもよいが、例えば、
RHの溶鋼還流時間を長くし、粗大酸化物の浮上分離を
十分に行ってから鋳造を行うことにより達成できる。鋳
造後の製造方法は通常の無方向性電磁鋼板を製造する方
法でかまわない。すなわち、スラブを再加熱後、熱間圧
延を行う。熱間圧延時の仕上温度、巻取り温度は特に規
定する必要はなく、無方向性電磁鋼板を製造する通常の
温度でかまわない。また、熱延後の熱延板焼鈍は行って
も良いが必須ではない。次いで、一回の冷間圧延、もし
くは中間焼鈍をはさんだ2回以上の冷間圧延により所定
の板厚とした後に、仕上焼鈍を行う。
【0016】
【実施例】表1に示す鋼(成分値は重量%)を用い、転
炉で吹練した後にRHの還流時間を変化させた鋼を鋳造
し、スラブを1110℃で1hr加熱した後、板厚2.0mmまで
熱間圧延を行った。熱延仕上げ温度は800℃とした。巻
取り温度は610℃とし、巻取り後、酸洗し830℃×3hrの
熱延板焼鈍を施した。その後、板厚0.35mmまで冷間圧延
を行い、1000℃×2minの仕上焼鈍を行った。
【0017】磁気測定は25cmエプスタイン法により行っ
た。疲労試験は平行部の幅5mm、長さ150mmのサンプル
を切り出し、平行部を800番のエメリー紙で研磨したの
ち、応力比0.1、周波数20Hzの部分片振り(引張り-引張
り)で行った。各鋼板の磁気特性および疲労特性を表1
に併せて示す。
【0018】表1より、鋼板成分および酸化物量を本発
明の範囲内に制御した場合(No.1〜No.4の本発明鋼)
に、磁気特性(鉄損と磁束密度)を劣化させることなく
疲労特性に優れた鋼板が得られることがわかる。
【0019】これに対し、No.5の鋼板は、酸化物量が
本発明の範囲を超えているので、疲労限が低くなってい
る。No.6の鋼板は、C含有量が本発明の範囲を超えて
いるので、疲労限が低くなると共に、鉄損が高く、磁束
密度が低くなっている。No.7の鋼板は、Si含有量が本
発明の範囲を超えているために、疲労限がやや低くな
り、磁束密度が極端に低くなっている。No.8の鋼板
は、Mn含有量が本発明の範囲を超えているために、疲労
限は本発明鋼なみであるが、磁束密度が低くなってい
る。
【0020】No.9の鋼板は、Al含有量が本発明の範囲
を下回っているために、疲労限は本発明鋼なみであるが
鉄損が高く、磁束密度が低くなっている。No.10の鋼板
は、Al含有量が本発明の範囲を超えているために、疲労
限は本発明鋼なみであるが、磁束密度が低くなってい
る。No.11の鋼板は、S含有量が本発明の範囲を超えて
いるため、疲労限がやや低く、鉄損が高く、かつ磁束密
度が低くなっている。No.12の鋼板は、N含有量が本発
明の範囲を超えているため、疲労限がやや低く、鉄損が
高く、かつ磁束密度が低くなっている。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る無方
向性電磁鋼板は、重量%で、C:0.005%以下、Si:1.0
〜4.0%、Mn:0.05〜1.5%、P:0.2%以下、N:0.005
%以下(0を含む)、Al:0.004%以下又は0.1〜1.0
%、S:0.01%以下(0を含む)を含有し、残部が実質
的にFeからなり、鋼板断面にて観察される直径5μm以
上の酸化物の個数が、10個/mm2以下であることを特徴と
するものであるので、優れた磁気特性(低鉄損、高磁束
密度)を保ち、かつ疲労特性に優れている。
【0023】この無方向性電磁鋼板は、電気自動車用モ
ータのコア材等、優れた疲労特性を必要とする電気材料
に広く使用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 酸化物量と疲労限との関係を示す図である。
【図2】 酸化物量と鉄損との関係を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.005%以下、Si:1.0〜
    4.0%、Mn:0.05〜1.5%、P:0.2%以下、N:0.005%
    以下(0を含む)、Al:0.004%以下又は0.1〜1.0%、
    S:0.01%以下(0を含む)を含有し、残部が実質的に
    Feからなり、鋼板断面にて観察される直径5μm以上の
    酸化物の個数が、10個/mm2以下であることを特徴とする
    疲労特性に優れた無方向性電磁鋼板。
JP10046305A 1998-02-13 1998-02-13 疲労特性に優れた無方向性電磁鋼板 Pending JPH11233328A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021084785A1 (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 Jfeスチール株式会社 無方向性電磁鋼板およびその製造方法

Cited By (3)

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WO2021084785A1 (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 Jfeスチール株式会社 無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JPWO2021084785A1 (ja) * 2019-10-29 2021-05-06
CN114555848A (zh) * 2019-10-29 2022-05-27 杰富意钢铁株式会社 无方向性电磁钢板及其制造方法

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