JPH11229833A - 電磁駆動弁 - Google Patents

電磁駆動弁

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JPH11229833A
JPH11229833A JP10033202A JP3320298A JPH11229833A JP H11229833 A JPH11229833 A JP H11229833A JP 10033202 A JP10033202 A JP 10033202A JP 3320298 A JP3320298 A JP 3320298A JP H11229833 A JPH11229833 A JP H11229833A
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JP
Japan
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valve
electromagnetically driven
piston
fluid chamber
valve body
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Pending
Application number
JP10033202A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Iida
達雄 飯田
Takashi Deo
隆志 出尾
Masahiko Asano
昌彦 浅野
Hiroyuki Hattori
宏之 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は内燃機関の吸気弁または排気弁とし
て機能する電磁駆動弁に関し、優れた静粛性と共に優れ
た省電力特性を実現することを目的とする。 【解決手段】 電磁駆動弁にダンパ機構40を設ける。
弁体と共に変位するロッド50を取り巻くダンパピスト
ン48を設ける。ダンパピストン48のピストン部44
により作動流体室60を第1流体室62と第2流体室6
4とに区分する。ダンパピストン48とハウジング42
との摺動面に、第1流体室62と第2流体室64とを連
通するオリフィスを形成する。弁体が開弁端の近傍に到
達すると、以後、ストッパ52はダンパピストン48を
付勢する。また、弁体が閉弁端の近傍に到達すると、以
後、アーマチャ軸20はダンパピストン48を付勢す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁駆動弁に係
り、特に、内燃機関の吸気弁または排気弁として機能す
る電磁駆動弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平6−12921
9号に開示される如く、内燃機関の吸気弁または排気弁
を電気的に開閉させる弁装置が知られている。従来の弁
装置は、弁体、弁バネ、および、超磁歪アクチュエータ
に加えて緩衝バネを備えている。弁体は、弁バネにより
開弁方向に付勢されている。超磁歪アクチュエータは、
弁体を閉弁方向に変位させる付勢力を発生する。また、
緩衝バネは、弁体が閉弁端に到達する直前に、弁体を開
弁端方向に付勢するバネ力を発生し始める。
【0003】上記の構成によれば、超磁歪アクチュエー
タを適当に制御することで弁体を適正に開閉動作させる
ことができると共に、緩衝バネにより、弁体が閉弁端に
到達する際の衝突音を和らげることができる。このた
め、従来の弁装置によれば、大きな作動音を発生させる
ことなく弁体を適正に開閉動作させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置において、緩衝バネの発するバネ力は、弁体が閉弁端
に到達した後、弁体が閉弁端に保持される間常に弁体を
開弁方向に付勢する。このようなバネ力に抗って弁体を
閉弁端に保持するためには、超磁歪アクチュエータに大
きな電力を供給することが必要である。このため、上記
従来の弁装置においては、優れた省電力特性を得ること
が困難であった。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、優れた静粛性と共に優れた省電力特性を有する
電磁駆動弁を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、バネ力と電磁力とをアーマチャに作用
させることにより弁体を開閉駆動する電磁駆動弁であっ
て、前記アーマチャと共に変位するロッドと、前記ロッ
ドが貫通する貫通孔を有するピストンと、前記ピストン
により第1流体室と第2流体室とに区分される作動流体
室と、前記第1流体室と前記第2流体室とを連通するオ
リフィスと、前記弁体が変位端に向けて変位する過程で
前記ロッドの動きを前記ピストンに伝達する伝達部材
と、を備える電磁駆動弁により達成される。
【0007】本発明において、弁体が変位端に向かって
変位する際に、弁体が変位端の近傍に到達すると、ロッ
ドの動きがピストンに伝達されて、ピストンが作動流体
室の内部を変位し始める。ピストンが作動流体室の内部
を変位する際には、オリフィスを介して第1流体室と第
2流体室との間で流体が授受され、ピストンに減衰力が
作用する。このため、弁体の変位速度が低下し、弁体は
柔軟に変位端に到達する。弁体が変位端に到達するとピ
ストンの変位が停止して減衰力が消滅する。従って、本
発明の電磁駆動弁によれば、優れた静粛性と優れた省電
力特性とが実現される。
【0008】上記の目的は、請求項2に記載する如く、
前記ピストンを所定の中立位置に付勢するバネ部材を備
える請求項1記載の電磁駆動弁により達成される。本発
明において、ピストンはバネ部材により中立位置に付勢
される。このため、電磁駆動弁は、常に、ピストンが中
立位置近傍に位置する状態で始動される。かかる条件下
では、電磁駆動弁が始動した後、弁体が初めて何れかの
変位端に到達する際に、確実にダンパ効果が得られる。
【0009】上記の目的は、請求項3に記載する如く、
前記作動流体室を形成するハウジングを備え、前記オリ
フィスが、前記ハウジングと前記ピストンの摺動部に形
成される請求項1記載の電磁駆動弁により達成される。
本発明において、第1流体室と第2流体室とを連通する
オリフィスは、ハウジングとピストンの摺動面に形成さ
れる。上記の摺動面をオリフィスとして用いる場合は、
その摺動面をシールするシール部材を配設する必要がな
い。このため、本発明の構造は、容易に実現できる。
【0010】上記の目的は、請求項4に記載する如く、
前記オリフィスが、前記ピストンに形成される請求項1
記載の電磁駆動弁により達成される。本発明において、
オリフィスはピストンに形成される。オリフィスをピス
トンに形成することによれば、オリフィスの特性を精度
良く管理することができる。このため、本発明の構造に
よれば、安定したダンパ特性が実現される。
【0011】上記の目的は、請求項5に記載する如く、
前記作動流体室に、粘性可変流体が配設されている請求
項1記載の電磁駆動弁により達成される。本発明におい
て、ピストンによるダンパ特性は、粘性可変流体の粘性
に応じて変化する。このため、本発明の構造によれば、
粘性可変流体の粘性を制御することで、温度変化等に影
響されることなく安定したダンパ特性を得ること、およ
び、内燃機関の運転状態等に応じてダンパ特性を変化さ
せることができる。
【0012】上記の目的は、請求項6に記載する如く、
バネ力と電磁力とをアーマチャに作用させることにより
弁体を開閉駆動する電磁駆動弁であって、前記アーマチ
ャと共に変位するロッドと、前記ロッドが貫通する貫通
孔を有する規制部材と、前記規制部材の両側に配設され
るエネルギ吸収部材と、前記弁体が変位端に向けて変位
する過程で前記ロッドの動きを前記規制部材に伝達する
伝達部材と、を備える電磁駆動弁により達成される。
【0013】本発明において、弁体が変位端に向かって
変位する際に、弁体が変位端の近傍に到達すると、ロッ
ドの動きが規制部材に伝達されて、規制部材がエネルギ
吸収部材を変形させ始める。エネルギ吸収部材は、規制
部材により変形させられる際に、規制部材の変位を妨げ
る方向の力を発生する。このため、弁体の変位速度が低
下し、弁体は柔軟に変位端に到達する。弁体が変位端に
到達するとエネルギ吸収部材の変形が停止し、規制部材
を押圧する力が減少する。従って、本発明の電磁駆動弁
によれば、優れた静粛性と優れた省電力特性とが実現さ
れる。
【0014】また、上記の目的は、請求項7に記載する
如く、前記エネルギ吸収部材は、前記規制部材を所定の
中立位置に付勢するように圧縮されている請求項6記載
の電磁駆動弁により達成される。本発明において、規制
部材はエネルギ吸収部材により中立位置に付勢される。
このため、本発明の構造によれば、電磁駆動弁が始動し
た後、弁体が初めて何れかの変位端に到達する際に、確
実にダンパ効果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施例の電
磁駆動弁10の断面図を示す。電磁駆動弁10は、内燃
機関の吸気弁または排気弁として用いられる。電磁駆動
弁10は、内燃機関の吸気ポートまたは排気ポートと燃
焼室とを導通または遮断する弁体12を備えている。
【0016】弁体12には弁軸14が一体に設けられて
いる。弁軸14の上端にはロアリテーナ16が固定され
ている。ロアリテーナ16の下部には、ロアリテーナ1
6を上方へ向けて付勢するロアスプリング18が配設さ
れている。弁軸14の上端部は、アーマチャ軸20に当
接している。アーマチャ軸20は、非磁性材料で構成さ
れている。アーマチャ軸20には、アーマチャ22が固
定されている。アーマチャ22は、磁性材料で構成され
た環状の部材である。
【0017】アーマチャ22の上下には、それぞれアッ
パコア24およびロアコア26が配設されている。アッ
パコア24およびロアコア26は磁性材料で構成された
環状の部材である。アッパコア24およびロアコア26
には、それぞれアッパコイル28およびロアコイル30
が収納されている。また、アッパコア24およびロアコ
ア26は、それらの中央部にアーマチャ軸20を摺動可
能に保持している。
【0018】アーマチャ軸20の上端部には、アッパリ
テーナ32が固定されている。アッパリテーナ32の上
部には、アッパリテーナ32を下方へ付勢するアッパス
プリング34が配設されている。アーマチャ22は、ア
ッパスプリング34およびロアスプリング18により中
立位置(アッパコア24とロアコア26との中間点)に
向けて付勢されている。
【0019】電磁駆動弁10において、アッパコイル2
8およびロアコイル30に励磁電流が供給されていない
場合は、アーマチャ22が中立位置に維持される。この
際、弁体12は開弁端と閉弁端の中間点に位置する。ア
ッパコイル28に励磁電流が供給されると、アーマチャ
22がアッパコア28に引き寄せられ、弁体12が全閉
端まで変位する。
【0020】弁体12が全閉端に保持された後、アッパ
コイル28への励磁電流が停止されると、アッパスプリ
ング34およびロアスプリング18に付勢されることに
より弁体12は開弁端に向けて変位する。そして、適当
なタイミングでロアコイル30に励磁電流が供給される
と、アーマチャ22がロアコア26に引き寄せられて弁
体12が開弁端に到達する。以後、適当なタイミングで
アッパコイル28およびロアコイル30に交互に励磁電
流を供給すると、弁体12を適正に開閉動作させること
ができる。
【0021】電磁駆動弁10において、弁体12が閉弁
端または開弁端に達する際には、弁体12の着座音やア
ーマチャ22の衝突音が発生する。電磁駆動弁10にお
いて優れた静粛性を得るためには、これらの作動音を抑
制することが必要である。それらの作動音は、弁体12
が閉弁端または開弁端に到達する際の変位速度を低下さ
せることにより抑制できる。
【0022】弁体12が閉弁端または開弁端に到達する
際の変位速度は、例えば、弁体12が閉弁端または開弁
端の近傍に到達した後に弁体12の変位を妨げる方向の
バネ力を発生するスプリング等を用いることにより低下
させることができる。しかしながら、弁体12やアーマ
チャ22の変位速度を、かかるスプリングを用いて低下
させることによれば、弁体12を閉弁端または開弁端に
維持するために、そのスプリングのバネ力に抗い得る電
磁力を発生させる必要が生ずる。この点、スプリングを
用いて作動音の低減を図る手法は、電磁駆動弁10の消
費電力を抑制するうえで好ましくない。
【0023】本実施例の電磁駆動弁10は、電磁駆動弁
10の省電力特性を悪化させることなく弁体12の着座
音およびアーマチャ22の衝突音を有効に抑制するため
のダンパ機構40を備えている点に特徴を有している。
以下、図1と共に図2を参照して、ダンパ機構40の構
造および動作を説明する。図2は、ダンパ機構40の拡
大図を示す。ダンパ機構40は、ハウジング42を備え
ている。ハウジング42の内部には、ピストン部44お
よび軸部46からなるダンパピストン48が配設されて
いる。軸部46の中央にはアーマチャ軸20と一体に形
成されたロッド50が貫通している。ダンパピストン4
8とロッド50とは相対的に変位することができる。ロ
ッド50の上端部には、ロッド50とダンパピストン4
8との相対変位端を規制するストッパ52が固定されて
いる。
【0024】ハウジング42には、ホルダ54と、ダン
パピストン48を取り巻くオイルシール56,58とが
配設されている。ハウジング42の底面とキャップ54
との間には作動流体室60が形成されている。作動流体
室60は、オイル等の流体で満たされており、ダンパピ
ストン48のピストン部44により第1流体室62と第
2流体室64とに区分されている。ダンパ機構40にお
いて、ピストン部44とハウジング42との摺動面に形
成される隙間は、第1流体室62と第2流体室64とを
連通するオリフィスを形成している。
【0025】本実施例の電磁駆動弁10の動作中は、ア
ーマチャ軸20が繰り返し上下に変位する。アーマチャ
軸20が下方へ変位する過程でロッド50はダンパピス
トン48に対して下方へ変位する。ダンパ機構40は、
弁体12が開弁端の近傍に到達した際にストッパ52が
ダンパピストン48と当接するように設けられている。
このため、ダンパピストン48は、弁体12が開弁端の
近傍に到達した後、開弁端に到達するまでの間、作動流
体室60の内部を下方に変位する。この際、第2流体室
64内の流体は、ピストン部44とハウジング42との
摺動面に形成されるオリフィスを通って第1流体室62
に流入する。
【0026】その結果、ダンパ機構40は、ロッド50
の進行を妨げる減衰力、すなわち、弁体12の変位速度
を低下させる減衰力を発生する。上記の減衰力により、
電磁駆動弁10の弁体12およびアーマチャ22は、緩
やかに開弁端に到達する。弁体12が開弁端に到達して
ダンパピストン48の変位が停止すると、ダンパ機構4
0が発生していた減衰力は消滅する。このため、本実施
例の電磁駆動弁10によれば、弁体12が開弁端に到達
する際に優れた静粛性を実現し、かつ、少ない消費電力
で弁体12を開弁端に維持することができる。
【0027】弁体12が開弁端から閉弁端に向かって変
位する過程で、ロッド50はダンパピストン48に対し
て上方へ変位する。弁体12が閉弁端の近傍に到達する
と、アーマチャ軸20の上端がダンパピストン48と当
接する。このため、ダンパピストン48は、弁体12が
閉弁端の近傍に到達した後、閉弁端に到達するまでの
間、作動流体室60の内部を上方に変位する。この際、
第1流体室62内の流体は、ピストン部44とハウジン
グ42との摺動面に形成されるオリフィスを通って第2
流体室64に流入する。
【0028】その結果、ダンパ機構40は、ロッド50
の進行を妨げる減衰力、すなわち、弁体12の変位速度
を低下させる減衰力を発生する。上記の減衰力により、
電磁駆動弁10の弁体12およびアーマチャ22は、緩
やかに閉弁端に到達する。弁体12が閉弁端に到達して
ダンパピストン48の変位が停止すると、ダンパ機構4
0が発生していた減衰力は消滅する。このため、本実施
例の電磁駆動弁10によれば、弁体12が閉弁端に到達
する際に優れた静粛性を実現し、かつ、少ない消費電力
で弁体12を閉弁端に維持することができる。
【0029】上述の如く、本実施例の電磁駆動弁10に
よれば、弁体12が開弁端および閉弁端に到達する際に
生ずる作動音を抑制しつつ、弁体12を少ない消費電力
で開弁端および閉弁端に保持することができる。このた
め、電磁駆動弁10によれば、優れた静粛性と優れた省
電力特性の双方を確保することができる。また、本実施
例の電磁駆動弁10において、第1流体室62と第2流
体室64とを連通するオリフィスは、ダンパピストン4
8とハウジング42との摺動面に形成されている。換言
すると、本実施例においては、ダンパピストン48とハ
ウジング42との間を流体が流通するのを許容すること
ができる。このため、ダンパピストン48とハウジング
42との間をシールするシール部材を配設する必要がな
く、簡単な構成でダンパ機構70を実現することができ
る。
【0030】尚、上記の実施例においては、ダンパピス
トン48が前記請求項1記載の「ピストン」に、また、
ストッパ52およびアーマチャ軸20の上端部が前記請
求項1記載の「伝達部材」に、それぞれ相当している。
次に、図3を参照して本発明の第2実施例について説明
する。図3は、本実施例の電磁駆動弁が備えるダンパ機
構70の断面図を示す。本実施例の電磁駆動弁は、上記
図1に示す電磁駆動弁10において、ダンパ機構40に
代えてダンパ機構70を用いることにより実現される。
尚、図3において、上記図2に示す構成部分と同一の部
分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0031】ダンパ機構70は、ダンパピストン48を
中立位置に付勢するスプリング72、74を備えてい
る。スプリング72、74の発生するバネ力は、ダンパ
ピストン48を中立位置に変位させるのに足る必要最小
限の力である。このため、スプリング72、74の発生
するバネ力により、電磁駆動弁の弁体12を開弁端また
は閉弁端に維持するための消費電力が大きく増大するこ
とはない。
【0032】スプリング72,74によれば、電磁駆動
弁の作動が停止して弁体が中立位置に変位した後、ダン
パピストン48を確実に中立位置に変位させることがで
きる。このため、本実施例の電磁駆動弁によれば、その
始動を常にダンパピストン48が中立位置に維持された
状態で行うことができる。電磁駆動弁の始動時には、必
ず弁体を中立位置から何れかの変位端に変位させる必要
がある。例えば、電磁駆動弁の始動時に弁体を閉弁端に
変位させる場合に、初回の作動時からダンパ効果を得る
ためには、始動が開始される以前にダンパピストン72
が閉弁側の変位端から離れていなければならない。第1
実施例の電磁駆動弁10においては、弁体12が閉弁端
に保持されている状態で駆動が停止され、その直後に再
始動が図られた場合に、ダンパピストン48が閉弁側変
位端の近傍に位置したまま弁体12が閉弁端に向かって
変位する事態が生ずる。この場合、ダンパ機構40は減
衰力を発生できないため、電磁駆動弁10において大き
な作動音が生ずる。
【0033】本実施例の電磁駆動弁によれば、このよう
な状況下でも、ダンパピストン48が閉弁側の変位端か
ら離れた状態で始動を開始することができる。このた
め、本実施例の電磁駆動弁によれば、常に始動直後から
ダンパ機構70にダンパ効果を発揮させ、大きな作動音
が生ずるのを防止することができる。尚、上記の実施例
においては、スプリング72、74が前記請求項2記載
の「バネ部材」に相当している。
【0034】次に、図4を参照して本発明の第3実施例
について説明する。図4は、本実施例の電磁駆動弁が備
えるダンパ機構80の断面図を示す。本実施例の電磁駆
動弁は、上記図1に示す電磁駆動弁10において、ダン
パ機構40に代えてダンパ機構80を用いることにより
実現される。尚、図4において、上記図2に示す構成部
分と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略
する。
【0035】ダンパ機構80は、ダンパピストン82を
備えている。ダンパピストン82には、第1流体室62
と第2流体室64とを連通するオリフィス84が設けら
れている。また、ダンパピストン82には、ダンパピス
トン82とハウジング42との摺動面をシールするシー
ル部材86が配設されている。このため、第1流体室6
2と第2流体室64との間では、ダンパピストン84の
変位に伴ってオリフィス84を介して流体の授受が行わ
れる。
【0036】オリフィス84の特性管理(具体的には寸
法管理)は、第1および第2実施例においてダンパピス
トン48とハウジング42との隙間により形成されるオ
リフィスの特性管理に比して容易である。このため、本
実施例のダンパ機構80によれば、安定したダンパ特性
を得ることができる。次に、図5を参照して本発明の第
4実施例について説明する。
【0037】図5は、本実施例の電磁駆動弁が備えるダ
ンパ機構90の断面図を示す。本実施例の電磁駆動弁
は、上記図1に示す電磁駆動弁10において、ダンパ機
構40に代えてダンパ機構90を用いることにより実現
される。尚、図5において、上記図2に示す構成部分と
同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略す
る。
【0038】ダンパ機構90は、ハウジング92を備え
ている。ハウジング92の内部にはフランジ部94と軸
部96とからなる規制部材98が配設されている。規制
部材98のフランジ部94の上下にはエネルギ吸収部材
100、102が配設されている。エネルギ吸収部材1
00、102は、シリコンゲルやウレタン発泡剤のよう
なゲル状または発泡状の部材である。エネルギ吸収部材
100、102には、規制部材98が中立位置に付勢さ
れるように初期加圧により所定の圧縮が施されている。
【0039】本実施例の電磁駆動弁の弁体が閉弁端から
開弁端に変位する過程で、開弁端の近傍に到達すると、
ストッパ52が規制部材98のフランジ部94に当接す
る。このため、規制部材94は、弁体が開弁端の近傍に
到達した後、開弁端に到達するまでの間、エネルギ吸収
部材102を変形させながら開弁方向へ変位する。この
際、エネルギ吸収部材102は、規制部材94から入力
されるエネルギの一部を摩擦熱に変換して消費し、弁体
が開弁端に向かって変位する過程では、その変位を妨げ
る方向に大きな力を発生し、また、弁体が開弁端に到達
した後には、弁体を閉弁方向へ付勢する力を小さな力に
減衰させる。このため、本実施例の電磁駆動弁によれ
ば、その弁体が開弁端に到達する際に優れた静粛性を実
現し、かつ、少ない消費電力で弁体を開弁端に維持する
ことができる。
【0040】本実施例の電磁駆動弁の弁体が開弁端から
閉弁端に向かって変位する過程で、弁体12が閉弁端の
近傍に到達すると、アーマチャ軸20の上端が規制部材
98の下端部と当接する。このため、規制部材98は、
弁体が閉弁端の近傍に到達した後、閉弁端に到達するま
での間、エネルギ吸収部材100を変形させながら開弁
方向へ変位する。この際、エネルギ吸収部材100は、
規制部材94から入力されるエネルギの一部を摩擦熱に
変換して消費し、弁体が閉弁端に向かって変位する過程
では、その変位を妨げる方向に大きな力を発生し、ま
た、弁体が閉弁端に到達した後には、弁体を閉弁方向へ
付勢する力を小さな力に減衰させる。このため、本実施
例の電磁駆動弁によれば、その弁体が閉弁端に到達する
際に優れた静粛性を実現し、かつ、少ない消費電力で弁
体を閉弁端に維持することができる。
【0041】このように、本実施例の電磁駆動弁によれ
ば、第1乃至第3実施例の電磁駆動弁と同様に、弁体が
開弁端および閉弁端に到達する際に生ずる作動音を抑制
しつつ、弁体を少ない消費電力で開弁端および閉弁端に
保持することができる。このため、本実施例の電磁駆動
弁によれば、優れた静粛性と優れた省電力特性の双方を
確保することができる。
【0042】尚、上記の実施例においては、ストッパ5
2およびアーマチャ軸20が前記請求項6記載の「伝達
部材」に相当している。ところで、上記の実施例におい
ては、エネルギ吸収部材100、102に初期加圧を加
えて規制部材98を中立位置に付勢しているが、本発明
はこれに限定されるものではなく、エネルギ吸収部材1
00、102に初期加圧を加えないこととしてもよい。
このような構造を採ると、本実施例の電磁駆動弁によ
り、上記第1実施例の電磁駆動弁10と同様の特性が実
現される。
【0043】次に、図6を参照して本発明の第5実施例
について説明する。図6は、本実施例の電磁駆動弁が備
えるダンパ機構110の断面図を示す。本実施例の電磁
駆動弁は、上記図1に示す電磁駆動弁10において、ダ
ンパ機構40に代えてダンパ機構110を用いることに
より実現される。尚、図6において、上記図2に示す構
成部分と同一の部分には同一の符号を付してその説明を
省略する。
【0044】ダンパ機構110は、作動流体室60の内
部に磁性流体を備えている。また、ハウジング42の外
部には電磁コイル112が配設されている。電磁コイル
112は、作動流体室60に磁界を発生させることがで
きる。磁性流体は、印加される磁界に応じて粘性を変化
させる。このため、ダンパ機構110によれば、磁性流
体の粘性を変えることによりダンパ特性を調整させるこ
とができる。
【0045】ダンパ特性の調整機能によれば、温度変化
に伴う流体の粘性変化を相殺して、常に一定のダンパ特
性を実現すること、または、内燃機関の運転状態に応じ
てダンパ特性を積極的に変化させること等が実現でき
る。このため、本実施例の電磁駆動弁によれば、静粛性
と省電力特性とを、より高いレベルで両立させることが
できる。
【0046】尚、上記の実施例においては、磁性流体が
前記請求項5記載の「粘性可変流体」に相当している。
ところで、上記の実施例においては、粘性可変流体とし
て磁性流体を用いているが、本発明はこれに限定される
ものではなく、粘性可変流体として、例えば電気粘性流
体を用い、その流体への通電を制御することでダンパ機
構のダンパ特性を変化させることとしてもよい。
【0047】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、弁体が変位端に到達する際にピストンによりダンパ
効果を発揮させることにより、優れた静粛性と優れた省
電力特性とを共に実現することができる。請求項2記載
の発明によれば、電磁駆動弁の始動直後から確実にピス
トンによるダンパ効果を得て、優れた静粛性を実現する
ことができる。
【0048】請求項3記載の発明によれば、ピストンと
ハウジングとの摺動面でオリフィスを形成することによ
り、簡単な構造を実現することができる。請求項4記載
の発明によれば、オリフィスをピストンに形成すること
で、安定したダンパ特性を実現することができる。請求
項5記載の発明によれば、粘性可変流体の粘性を適当に
制御することで、所望のダンパ特性を実現することがで
きる。
【0049】請求項6記載の発明によれば、弁体が変位
端に到達する際にピストンによりダンパ効果を発揮させ
ることにより、優れた静粛性と優れた省電力特性とを共
に実現することができる。また、請求項7記載の発明に
よれば、電磁駆動弁の始動直後から確実にエネルギ吸収
部材によるダンパ効果を得て、優れた静粛性を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の電磁駆動弁の断面図であ
る。
【図2】本発明の第1実施例の電磁駆動弁が備えるダン
パ機構の断面図である。
【図3】本発明の第2実施例の電磁駆動弁が備えるダン
パ機構の断面図である。
【図4】本発明の第3実施例の電磁駆動弁が備えるダン
パ機構の断面図である。
【図5】本発明の第4実施例の電磁駆動弁が備えるダン
パ機構の断面図である。
【図6】本発明の第5実施例の電磁駆動弁が備えるダン
パ機構の断面図である。
【符号の説明】
10 電磁駆動弁 12 弁体 40;70;80;90;110 ダンパ機構 48;82 ダンパピストン 50 ロッド 60 作動流体室 62 第1流体室 64 第2流体室 98 規制部材 100,102 エネルギ吸収部材 112 電磁コイル
フロントページの続き (72)発明者 服部 宏之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バネ力と電磁力とをアーマチャに作用さ
    せることにより弁体を開閉駆動する電磁駆動弁であっ
    て、 前記アーマチャと共に変位するロッドと、 前記ロッドが貫通する貫通孔を有するピストンと、 前記ピストンにより第1流体室と第2流体室とに区分さ
    れる作動流体室と、 前記第1流体室と前記第2流体室とを連通するオリフィ
    スと、 前記弁体が変位端に向けて変位する過程で前記ロッドの
    動きを前記ピストンに伝達する伝達部材と、 を備えることを特徴とする電磁駆動弁。
  2. 【請求項2】 前記ピストンを所定の中立位置に付勢す
    るバネ部材を備えることを特徴とする請求項1記載の電
    磁駆動弁。
  3. 【請求項3】 前記作動流体室を形成するハウジングを
    備え、 前記オリフィスは、前記ハウジングと前記ピストンの摺
    動部に形成されることを特徴とする請求項1記載の電磁
    駆動弁。
  4. 【請求項4】 前記オリフィスは、前記ピストンに形成
    されることを特徴とする請求項1記載の電磁駆動弁。
  5. 【請求項5】 前記作動流体室に、粘性可変流体が配設
    されていることを特徴とする請求項1記載の電磁駆動
    弁。
  6. 【請求項6】 バネ力と電磁力とをアーマチャに作用さ
    せることにより弁体を開閉駆動する電磁駆動弁であっ
    て、 前記アーマチャと共に変位するロッドと、 前記ロッドが貫通する貫通孔を有する規制部材と、 前記規制部材の両側に配設されるエネルギ吸収部材と、 前記弁体が変位端に向けて変位する過程で前記ロッドの
    動きを前記規制部材に伝達する伝達部材と、 を備えることを特徴とする電磁駆動弁。
  7. 【請求項7】 前記エネルギ吸収部材は、前記規制部材
    を所定の中立位置に付勢するように圧縮されていること
    を特徴とする請求項6記載の電磁駆動弁。
JP10033202A 1998-02-16 1998-02-16 電磁駆動弁 Pending JPH11229833A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2383086A (en) * 2001-12-11 2003-06-18 Visteon Global Tech Inc Electromagnetic valve actuator with soft-seating
US6644253B2 (en) 2001-12-11 2003-11-11 Visteon Global Technologies, Inc. Method of controlling an electromagnetic valve actuator
US6817592B2 (en) 2001-12-11 2004-11-16 Visteon Global Technologies, Inc. Electromagnetic valve actuator with soft-seating

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