JPH11228820A - ポリベンザゾール組成物、繊維およびフィルム - Google Patents

ポリベンザゾール組成物、繊維およびフィルム

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JPH11228820A
JPH11228820A JP10037582A JP3758298A JPH11228820A JP H11228820 A JPH11228820 A JP H11228820A JP 10037582 A JP10037582 A JP 10037582A JP 3758298 A JP3758298 A JP 3758298A JP H11228820 A JPH11228820 A JP H11228820A
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JP
Japan
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polybenzazole
copper
pbo
film
dope
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JP10037582A
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Yukihiro Abe
幸浩 阿部
Fuyuhiko Kubota
冬彦 久保田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】太陽光暴露時の酸化劣化の少ないポリベンザゾ
ールを得ること。 【解決手段】ポリベンザゾールに、金属銅および/また
は銅化合物が含有されていることを特徴とするポリベン
ザゾール組成物、繊維およびフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリベンザゾール
に対して優れた耐光性や耐熱性を与える耐光剤、及び該
耐光剤をポリベンザゾールに含有させてなる耐光性ポリ
ベンザゾール組成物、及び該ポリベンザゾール組成物か
ら得られる繊維、フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、高耐熱、高強力繊維としてポリベ
ンゾオキサゾール、ポリベンズイミダゾールまたはポリ
ベンゾチアゾールのポリマー(以下ポリベンザゾールと
いう)からなる繊維が知られており、それらは例えば、
ポリマー溶液を紡糸口金から押し出し、エアギャップに
おいてドープフィラメントを引き伸ばし、場合によって
はさらに延伸した後に水で洗浄し、その後乾燥すること
によって得る方法が採用されている。
【0003】通常、物理的なダメージを受けていない繊
維は太陽光に暴露されても重大な引っ張り強力の低下は
生じないが、物理的なダメージを受けたポリベンザゾー
ル繊維は、酸素または太陽光に暴露されると、その引っ
張り強度が低下する傾向がある。物理的ダメージには、
例えば製織、製編工程などにおける繊維の折れ曲がりま
たは剪断力を受けた場合に生じるキンクバンドと呼ばれ
るものがある。キンクバンドは、顕微鏡下200倍の倍
率で黒い縞として観察することができる。繊維を製織、
製編工程を経て各種の製品に加工する場合において、ダ
メージを避けることは非常に困難である。フィルムでは
ひび割れが生じ易くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、ダメージを受
けた場合でも太陽光暴露による強力低下が小さいポリベ
ンザゾール繊維が望まれており、本発明はこの強力低下
が小さいポリベンザゾールを得るため、太陽光暴露時の
酸化劣化の少ないポリベンザゾールを得ることを課題と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成
するに到った。すなわち本発明は、ポリベンザゾール
に、金属銅(以下銅という)および/または銅化合物が
含有されていることを特徴とするポリベンザゾール組成
物及び該組成物から得られる繊維およびフィルムであ
る。
【0006】本発明において配合される銅または銅化合
物の具体例としては、銅、塩化銅(I)、ヨウ化銅
(I)、シュウ化銅(I)、塩化銅(II)、ヨウ化銅
(II)、シュウ化銅(II)、チオシアン化銅(I
I)、酢酸銅(II)、ビス(アセチルアセトナト)銅
(II)、塩化アンモニウム銅(II)、炭酸銅(I
I)、クエン酸銅(II)、シクロヘキシル酪酸銅、二
リン酸銅、フッ化銅(II)、ギ酸銅(II)、グルコ
ン酸銅(II)、ナフテン酸銅(II)、オレイン酸銅
(II)、しゅう酸銅(II)、フタル酸銅(II)、
フタロシアニンブルー等が挙げられる。特に好ましくは
1価の銅化合物が用いられる。また、これらの銅化合物
の1つまたは2つ以上の化合物との併用もあり得る。前
記銅または銅化合物のポリベンザゾールに対する含有量
は、銅または銅イオンとして0.01〜10重量%、好
ましくは0.05〜5重量%、特に0.1〜3重量%が
望ましい。勿論本発明技術内容はこれらに限定されるも
のではない。
【0007】本発明におけるポリベンザゾールとは、ポ
リベンゾオキサゾール(以下PBOという)、ポリベン
ゾチアゾール(以下PBTという)またはポリベンズイ
ミダゾール(以下PBIという)から選ばれる一種以上
のポリマーをいう。本発明においては、PBOは芳香族
基に結合されたオキサゾール環を含むポリマーをいい、
その芳香族基は必ずしもベンゼン環である必要はない。
さらにPBOは、ポリ(フェニレンベンゾビスオキサゾ
ール)や芳香族基に結合された複数のオキサゾール環の
単位からなるポリマーが広く含まれる。同様の考え方
は、PBTやPBIにも適用される。また、PBO、P
BT及び、またはPBIの混合物、PBO、PBT及び
PBIのブロックもしくはランダムコポリマー等のよう
な二つまたはそれ以上のポリベンザゾールポリマーの混
合物、コポリマー、ブロックポリマーも含まれる。好ま
しくは、ポリベンザゾールは、ライオトロピック液晶ポ
リマーであり(鉱酸中、特定濃度で液晶を形成する)、
本発明においてはポリベンゾオキサゾールが好ましい。
【0008】ポリベンザゾールドープとは、ポリベンザ
ゾールの酸溶媒溶液であり、ポリマーを酸溶媒中で重合
することにより容易に調製することができる。溶媒とし
て好ましくは鉱酸であり、例えば硫酸、メタンスルフォ
ン酸、またはポリリン酸があるが、最も好ましくはポリ
リン酸である。ドープ中のポリマー濃度は、5〜20
%、好ましくは6〜16%である。
【0009】ポリベンザゾール繊維は、ポリベンザゾー
ルドープを紡糸口金から押し出して形成される。ポリベ
ンザゾールフィルムはポリベンザゾールドープを加圧成
形後、一軸または二軸延伸して形成される。PBO、P
BTまたはPBOとPBTのランダム、シーケンシャル
もしくはブロックコポリマーは、例えば、Wolfe らの米
国特許第4,533,693 号(1985,8,6)、Evers の米国特許
第4,359,567 号(1982,11,16)、Tsaiらの米国特許第4,
578,432 号(1986,3,25)、11 Ency. Poly. Sci. & Eng.
「Polybenzothiazoles and Polybenzoxazoles 」 601
(J. Wiley & Sons 1988) または W. W. Adamsらの「The
Materials Science and Engineering ofRigid-Rod Pol
ymers 」(Materials Research Society)等に記載され
ている。ポリベンザゾールは、剛直鎖、準剛直鎖または
屈曲性であると考えられる。
【0010】本発明において、好適なポリマーまたはコ
ポリマーとドープは公知の方法で合成される。例えばWo
lfe らの米国特許第4,533,693 号明細書(1985,8,6)、
Sybertらの米国特許第4,772,678 号明細書(1988,9,2
2)、Harrisの米国特許第4,847,350 号明細書(1989,7,1
1)またはGregory らの米国特許第5,089,591 号明細書
(1992,2,18)に記載されている。要約すると、好適なモ
ノマーは非酸化性で脱水性の酸溶液中、非酸化性雰囲気
で高速撹拌及び高剪断条件のもと約120℃から190
℃までの段階的または一定昇温速度で温度を上げること
で反応させられる。
【0011】ドープは紡糸口金から押し出し、空間で引
き伸ばしてフィラメントに形成される。好適な製造法は
先に述べた参考文献や米国特許第5,034,250 号明細書に
記載されている。紡糸口金を出たドープは紡糸口金と洗
浄バス間の空間に入る。この空間は一般にエアギャップ
と呼ばれているが、空気である必要はない。この空間
は、溶媒を除去したり、ドープと反応しない溶媒で満た
されている必要があり、例えば空気、窒素、アルゴン、
ヘリウム、二酸化炭素等が挙げられる。
【0012】紡糸後のフィラメントは、過度の延伸を避
けるために洗浄され溶媒の一部が除去される。そして、
更に洗浄され、適宜水酸化ナトリウム等のアルカリで中
和され、ほとんどの溶媒は除去される。ここでいう洗浄
とは、繊維またはフィラメントをポリベンザゾールポリ
マーを溶解している酸溶媒に対し相溶性であり、ポリベ
ンザゾールポリマーに対して溶媒とならない液体に接触
させ、ドープから酸溶媒を除去することである。好適な
洗浄液体としては、水や水と酸溶媒との混合物がある。
フィラメントは、好ましくは残留濃度が8000ppm
以下、更に好ましくは5000ppm以下に洗浄され
る。その後、フィラメントは、乾燥、熱処理、巻き取り
等が必要に応じて行われる。ここでいう乾燥とは、フィ
ラメントまたは繊維に含まれる水分量を減少させる工程
のことである。ポリベンザゾール繊維はロープ、ケーブ
ル、繊維強化複合材料または耐切創衣料等に応用可能で
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明組成物を得る方法として、
つまり前記耐光剤をポリベンザゾールに含有させる方法
としては特に限定されず、ポリベンザゾールの重合段
階、ドープの洗浄段階、乾燥工程前、または後加工段階
で含有させることができる。ポリベンザゾールの重合段
階での耐光剤の付与の方法としては、原料を仕込む際に
同時に耐光剤を仕込む方法、段階的または一定昇温速度
で温度を上げて反応させている任意の時点で耐光剤を添
加する方法、また、重合反応終了時に耐光剤を添加する
方法が好ましい。ポリベンザゾールがポーラスな構造を
とっているドープの洗浄段階または乾燥工程前での耐光
剤の付与の方法としては、水または有機溶媒に耐光剤を
溶解し、ドープ、フィラメント、マルチフィラメントま
たはフィルムを浸漬する方法が好ましい。剛直な構造と
なった後加工段階での付与の方法としては、水に不溶の
耐光剤を水と相溶する有機溶媒に溶解し、マルチフィラ
メント、ステープル、ファブリック等を浸漬し、後に水
洗浄して溶媒だけを除き、表面及びダメージを受けて形
成したキンクバンド内部に耐光剤を析出させる方法、ア
ルカリで溶解する耐光剤をアルカリ水溶液に溶解し、マ
ルチフィラメント、ステープル、ファブリック、フィル
ムを浸漬し、後に水もしくは弱酸(例えば酢酸)で洗浄
し、キンクバンド内部及び表面に耐光剤を析出させる方
法が好ましい。
【0014】本発明によれば、ポリベンザゾール組成物
が太陽光に暴露された場合の酸化劣化が、これらの化合
物を付与しない組成物と比較して改善される。引っ張り
強力の低下は、ポリマーの光酸化劣化が原因となってい
ると考えられる。繊維のダメージは、繊維内部への酸素
の透過を容易にするため、光による酸化劣化反応を可能
ならしめる。本発明で繊維に付与した化合物は、繊維内
部への光の透過をブロックしたり(例えば、紫外線吸収
作用)、可逆的電子伝導体としての酸素やベンザゾール
イオンラジカルを安定な中性物質に変える働きをしてい
ると考えられるが、本発明はこの考察に拘束されるもの
ではない。
【0015】
【実施例】以下に実例を用いて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はもとより下記の実施例によって制限を受
けるものではなく、前後記の主旨に適合し得る範囲で適
当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それ
らはいずれも本発明の技術範囲に含まれる。なお実施例
における各特性値は、以下の方法によって測定した。
【0016】(1)光暴露試験:水冷キセノンアーク式
ウェザーメーター(アトラス社製、形式Ci35A)を
使用し、金属フレームにフィルムを固定して装置にセッ
トし、内側フィルターガラスに石英、外側フィルターガ
ラスにボロシリケート、タイプSを使用し、放射照度:
0.35W/m2 (at 340nm)、ブラックパネ
ル温度:60℃±3℃、試験槽内湿度:50%±5%で
20時間連続照射を行った。
【0017】(2)赤外吸収スペクトル:上記のフィル
ム状ポリベンザゾールに対してキセノン光照射を行った
後、顕微ATR法により表面の赤外吸収スペクトルを測
定した。キセノン光照射前後に共通の1620cm-1
吸収強度でキセノン光照射後に新たに現れる1680c
-1の吸収強度を規格化した。
【0018】(3)引っ張り強度保持率:ポリベンザゾ
ールのマルチフィラメント1mに対して140回加撚処
理(撚り係数6.0)し、調湿した後、JIS−L10
13に準じてテンシロン試験機(A&D社製、型式RT
M250)で測定した。100kgのロードセルを使用
し、つかみ間隔20cm、引っ張り速度はつかみ間隔の
20cm/分で、10回繰り返し測定して平均値を求め
た。そして、耐光剤処理をせず、光暴露処理をしていな
いブランクの紡績糸の引っ張り強度に対する引っ張り強
度保持率で評価した。
【0019】参考例1 ポリベンザゾールフィルムの製造法 ジアミノレゾルシノール・2塩酸塩またはジアミノベン
ゼンジチオールまたはジアミノレゾルシノール・2塩酸
塩およびジアミノベンゼンジチオールの混合物とテレフ
タル酸をポリリン酸中で重合して、ポリベンザゾールの
リン酸溶液(PBOドープまたはPBTドープ)を調製
した。このドープ100gと耐光剤0.3gをHaak
e Rheocord 90で窒素雰囲気中、200℃
で20分間撹拌した。得られたドープを200℃で15
0kgf/cm2 で15秒間加圧してポリベンザゾール
をフィルム状にした。これを水で洗浄して溶媒を除去
後、24時間減圧乾燥した。
【0020】参考例2 ポリベンザゾール繊維の製造法 参考例1において調製したポリベンザゾールドープを用
いて、紡糸温度150℃で孔径160ミクロン、孔数3
40のノズルからフィラメントを適当な位置で収束させ
てマルチフィラメントにするように配置された第1洗浄
浴中に押し出し、フィラメント径が11.5ミクロン、
1.5デニールの繊維を得た。なお紡糸ノズルと第1洗
浄浴の間のエアギャップには、より均一な温度でフィラ
メントが引き伸ばされるようにクエンチチャンバーを設
置した。エアギャップ長は30cmとした。60℃の空
気中にフィラメントを紡出した。テークアップ速度を2
00m/分とし、紡糸延伸倍率を30とした。ポリベン
ザゾール繊維中の残留リン酸濃度が5000ppm以下
になるまで水洗した。
【0021】実施例1 PBOドープ100gに塩化銅(I)0.3gを参考例
1の通り混合し、加熱下で加圧してフィルム状にし、水
洗後、減圧乾燥してPBOフィルムを得た。得られたP
BOフィルムの20時間キセノン光暴露後の赤外吸収ス
ペクトルの比率(1680cm-1/1620cm-1)を
表1に示す。
【0022】実施例2 PBOドープ100gにヨウ化銅(I)0.3gを参考
例1の通り混合し、加熱下で加圧してフィルム状にし、
水洗後、減圧乾燥してPBOフィルムを得た。得られた
PBOフィルムの20時間キセノン光暴露後の赤外吸収
スペクトルの比率(1680cm-1/1620cm-1
を表1に示す。
【0023】実施例3 PBOドープ100gにシュウ化銅(I)0.3gを参
考例1の通り混合し、加熱下で加圧してフィルム状に
し、水洗後、減圧乾燥してPBOフィルムを得た。得ら
れたPBOフィルムの20時間キセノン光暴露後の赤外
吸収スペクトルの比率(1680cm-1/1620cm
-1)を表1に示す。
【0024】実施例4 PBOドープ100gにチオシアン化銅(I)0.3g
を参考例1の通り混合し、加熱下で加圧してフィルム状
にし、水洗後、減圧乾燥してPBOフィルムを得た。得
られたPBOフィルムの20時間キセノン光暴露後の赤
外吸収スペクトルの比率(1680cm-1/1620c
-1)を表1に示す。
【0025】実施例5 PBOドープ100gにフタロシアニンブルー0.3g
を参考例1の通り混合し、加熱下で加圧してフィルム状
にし、水洗後、減圧乾燥してPBOフィルムを得た。得
られたPBOフィルムの20時間キセノン光暴露後の赤
外吸収スペクトルの比率(1680cm-1/1620c
-1)を表1に示す。
【0026】実施例6 PBTドープ100gに塩化銅(I)0.3gを参考例
1の通り混合し、加熱下で加圧してフィルム状にし、水
洗後、減圧乾燥してPBTフィルムを得た。得られたP
BTフィルムの20時間キセノン光暴露後の赤外吸収ス
ペクトルの比率(1680cm-1/1620cm-1)を
表1に示す。
【0027】実施例7 PBTドープ100gにヨウ化銅(I)0.3gを参考
例1の通り混合し、加熱下で加圧してフィルム状にし、
水洗後、減圧乾燥してPBTフィルムを得た。得られた
PBTフィルムの20時間キセノン光暴露後の赤外吸収
スペクトルの比率(1680cm-1/1620cm-1
を表1に示す。
【0028】実施例8 PBOとPBTのランダム共重合ドープ100gに塩化
銅(I)0.3gを参考1の通り混合し、加熱下で加圧
してフィルム状にし、水洗後、減圧乾燥して、共重合体
フィルムを得た。得られた共重合体フィルムの20時間
キセノン光暴露後の赤外吸収スペクトルの比率(168
0cm-1/1620cm-1)を表1に示す。
【0029】比較例1 PBOドープ100gをHaake Rheocord
90中で200℃で加熱撹拌した後、加熱下で加圧し
てフィルム状にし、水洗後、減圧乾燥してPBOフィル
ムを得た。得られたPBOフィルムの20時間キセノン
光暴露後の赤外吸収スペクトルの比率(1680cm-1
/1620cm-1)を表1に示す。
【0030】比較例2 PBOドープ100gにテトラキス[3−(3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オニルオキシメチル]メタン0.3gを参考例1の通り
混合し、加熱下で加圧してフィルム状にし、水洗後、減
圧乾燥して、PBOフィルムを得た。得られたPBOフ
ィルムの20時間キセノン光暴露後の赤外吸収スペクト
ルの比率(1680cm-1/1620cm-1)を表1に
示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例9 参考例2と同様にして、PBOドープ10kgに塩化銅
(I)30gを添加し、窒素気流下200℃で20分間
撹拌した。これを紡糸、水洗処理をして、PBOの未乾
燥マルチフィラメントを得、このフィラメントを90℃
で24時間真空乾燥してPBOマルチフィラメントを得
た。得られたPBOマルチフィラメントの20時間光暴
露後の引っ張り強度保持率を表2に示す。
【0033】実施例10 参考例2と同様にして、PBOドープ10kgにヨウ化
銅(I)30gを添加し、窒素気流下200℃で20分
間撹拌した。これを紡糸、水洗処理をして、PBOの未
乾燥マルチフィラメントを得、このフィラメントを90
℃で24時間真空乾燥してPBOマルチフィラメントを
得た。得られたPBOマルチフィラメントの20時間光
暴露後の引っ張り強度保持率を表2に示す。
【0034】実施例11 参考例2と同様にして、PBOドープ10kgにシュウ
化銅(I)30gを添加し、窒素気流下200℃で20
分間撹拌した。これを紡糸、水洗処理をして、PBOの
未乾燥マルチフィラメントを得、このフィラメントを9
0℃で24時間真空乾燥してPBOマルチフィラメント
を得た。得られたPBOマルチフィラメントの20時間
光暴露後の引っ張り強度保持率を表2に示す。
【0035】実施例12 参考例2と同様にして、PBOドープ10kgにチオシ
アン化銅(I)30gを添加し、窒素気流下200℃で
20分間撹拌した。これを紡糸、水洗処理をして、PB
Oの未乾燥マルチフィラメントを得、このフィラメント
を90℃で24時間真空乾燥してPBOマルチフィラメ
ントを得た。得られたPBOマルチフィラメントの20
時間光暴露後の引っ張り強度保持率を表2に示す。
【0036】実施例13 参考例2と同様にして、PBOドープ10kgにフタロ
シアニンブルー30gを添加し、窒素気流下200℃で
20分間撹拌した。これを紡糸、水洗処理をして、PB
Oの未乾燥マルチフィラメントを得、このフィラメント
を90℃で24時間真空乾燥してPBOマルチフィラメ
ントを得た。得られたPBOマルチフィラメントの20
時間光暴露後の引っ張り強度保持率を表2に示す。
【0037】実施例14 参考例2と同様にして、PBTドープ10kgにヨウ化
銅(I)30gを添加し、窒素気流下200℃で20分
間撹拌した。これを紡糸、水洗処理をして、PBTの未
乾燥マルチフィラメントを得、このフィラメントを90
℃で24時間真空乾燥してPBTマルチフィラメントを
得た。得られたPBTマルチフィラメントの20時間光
暴露後の引っ張り強度保持率を表2に示す。
【0038】比較例3 参考例2と同様にして、PBOドープ10kgを窒素気
流下200℃で20分間撹拌した。これを紡糸、水洗処
理をして、PBOの未乾燥マルチフィラメントを得、こ
のフィラメントを90℃で24時間真空乾燥してPBO
マルチフィラメントを得た。得られたPBOマルチフィ
ラメントの20時間光暴露後の引っ張り強度保持率を表
2に示す。
【0039】比較例4 参考例2と同様にして、PBOドープ10kgにテトラ
キス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン3
0gを添加し、窒素気流下200℃で20分間撹拌し
た。これを紡糸、水洗処理をして、PBOの未乾燥マル
チフィラメントを得、このフィラメントを90℃で24
時間真空乾燥してPBOマルチフィラメント得た。得ら
れたPBOマルチフィラメントの20時間光暴露後の引
っ張り強度保持率を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表1、2より明らかなように、本発明であ
る1価の銅化合物が付与されたPBOは、全く耐光剤の
無いPBOや汎用の耐光剤であるテトラキス[3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシメチル]メタンを付与した系
よりも酸化が抑制され、引っ張り強度が改善されている
ことが判る。
【0042】
【発明の効果】以上かかる構成よりなる組成物、繊維お
よびフィルムは、長時間太陽光に晒された後も酸化が少
ないため、その利用分野を飛躍的に拡大することがで
き、産業界に寄与すること大である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリベンザゾールに、金属銅および/また
    は銅化合物が含有されていることを特徴とするポリベン
    ザゾール組成物。
  2. 【請求項2】金属銅および/または銅化合物がポリベン
    ザゾールに対して、金属銅または銅イオンとして0.0
    1〜10重量%含有されている請求項1記載のポリベン
    ザゾール組成物。
  3. 【請求項3】請求項1記載のポリベンザゾール組成物か
    ら得られるポリベンザゾール繊維。
  4. 【請求項4】請求項1記載のポリベンザゾール組成物か
    ら得られるポリベンザゾールフィルム。
JP10037582A 1998-02-19 1998-02-19 ポリベンザゾール組成物、繊維およびフィルム Pending JPH11228820A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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