JPH09316326A - ポリベンザゾール組成物及び繊維 - Google Patents

ポリベンザゾール組成物及び繊維

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JPH09316326A
JPH09316326A JP13810296A JP13810296A JPH09316326A JP H09316326 A JPH09316326 A JP H09316326A JP 13810296 A JP13810296 A JP 13810296A JP 13810296 A JP13810296 A JP 13810296A JP H09316326 A JPH09316326 A JP H09316326A
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JP
Japan
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polybenzazole
treatment solution
pbo
group
paper towel
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Application number
JP13810296A
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Inventor
Tetsuo Kodama
哲夫 兒玉
Masahiro Hayashi
雅宏 林
Hisashi Uhara
寿 鵜原
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐光性、耐熱性に優れたポリベンザゾール組成
物およびそれから得られる繊維を得ること。 【解決手段】ポリベンザゾールに下記一般式(I)で示
される化合物が含有されていることを特徴とするポリベ
ンザゾール組成物およびそれから得られる繊維。 【化1】 (式中Pは炭素数6〜16の芳香族炭化水素基、X、Y
は同一若しくは異なっていても良く、イオウ、酸素、窒
素又はイミノ基を表し、Zは炭素又は窒素、Wはメルカ
プト基、アミノ基又はヒドロキシフェニル基を表わす)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリベンザゾール
に対して優れた耐光性や耐熱性を与える耐光剤、及び該
耐光剤をポリベンザゾールに含有させてなる耐光性ポリ
ベンザゾール組成物、及び該ポリベンザゾール組成物か
ら得られる繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、高耐熱、高強力繊維として、ポリ
ベンゾオキサゾール(PBO)、ポリベンズイミダゾー
ル(PBI)またはポリベンゾチアゾール(PBT)の
ポリマー(以下、PBZまたはポリベンザゾールと呼
ぶ)からなる繊維が知られており、それらは例えば、ポ
リマー溶液を紡糸口金から押し出し、エアギャップにお
いてドープフィラメントを引き伸ばし、場合によっては
さらに延伸した後に水または水と酸溶媒との混合物で洗
浄し、その後乾燥することによって得る方法が採用され
ている。
【0003】ところが、物理的なダメージを受けたポリ
ベンザゾール繊維は、酸素または太陽光に暴露される
と、その引っ張り強度が低下する傾向がある。物理的ダ
メージには、例えば製織、製編工程などにおける繊維の
折れ曲がりまたは剪断力を受けた場合に生じるキンクバ
ンドと呼ばれるものがある。キンクバンドは、200倍
の顕微鏡下で黒い縞として観察することができる。物理
的なダメージを受けていない繊維は太陽光に暴露されて
も重大な引っ張り強力の低下は生じないが、繊維を製
織、製編工程を経て各種の製品に加工する場合におい
て、ダメージを避けることは非常に困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、ダメージを受
けた場合でも太陽光暴露による強力低下が小さいポリベ
ンザゾール繊維が望まれており、本発明はこの強力低下
が小さいポリベンザゾールを得ることを課題とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため、鋭意、研究、検討した結果、遂に本発
明を完成するに到った。すなわち本発明は、ポリベンザ
ゾールに下記一般式(I)で示される化合物(以下耐光
剤という)が含有されていることを特徴とするポリベン
ザゾール組成物および該組成物から得られる繊維であ
る。
【0006】
【化2】 (式中Pは炭素数6〜16の芳香族炭化水素基、X、Y
は同一若しくは異なっていても良く、イオウ、酸素、窒
素又はイミノ基を表し、Zは炭素又は窒素、Wはメルカ
プト基、アミノ基又はヒドロキシフェニル基を表わす)
【0007】前記一般式(I)で示される化合物におい
て、Pはフェニレン基やナフタレン基等の炭素数6〜1
6の芳香族炭化水素基であり、X、Yは同一若しくは異
なっていてもよく、イオウ又は酸素又は窒素又はイミノ
基、Zは炭素又は窒素で示され、例えばベンズイミダゾ
リル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、
ベンゾトリアゾリル基等であり、Wはメルカプト基又は
アミノ基又はヒドロキシフェニル基及びその誘導体で示
される。具体例としては2−メルカプトベンズチアゾー
ル、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプ
トナフトオキサゾール、2−メルカプトベンズイミダゾ
ール、2−アミノベンズチアゾール、2−(2−ベンゾ
トリアゾリル)−p−クレゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾー
ル、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾー
ル等、またそれらの誘導体が挙げられるが、勿論本発明
技術内容はこれらに限定されるものではない。
【0008】本発明におけるポリベンザゾールとは、ポ
リベンゾオキサゾール(PBO)、ポリベンゾチアゾー
ル(PBT)またはポリベンズイミダゾール(PBI)
から選ばれる一種以上のポリマーをいう。本発明におい
ては、PBOは芳香族基に結合されたオキサゾール環を
含むポリマーをいい、その芳香族基は必ずしもベンゼン
環である必要はない。さらにPBOは、ポリ(フェニレ
ンベンゾビスオキサゾール)や芳香族基に結合された複
数のオキサゾール環の単位からなるポリマーが広く含ま
れる。同様の考え方は、PBTやPBIにも適用され
る。また、PBO、PBT及び、またはPBIの混合
物、PBO、PBT及びPBIのブロックもしくはラン
ダムコポリマー等のような二つまたはそれ以上のPBZ
ポリマーの混合物、コポリマー、ブロックポリマーも含
まれる。好ましくは、ポリベンザゾールは、ライオトロ
ピック液晶ポリマーであり(鉱酸中、特定濃度で液晶を
形成する)、本発明においてはポリベンゾオキサゾール
が好ましい。
【0009】PBZポリマーの溶液(ポリマードープと
いう)は、ポリマーを酸溶媒中で重合することにより容
易に調整することができる。溶媒としては好ましくは鉱
酸であり、例えば硫酸、メタンスルホン酸またはポリリ
ン酸があるが、最も好ましくはポリリン酸である。ドー
プ中のポリマー濃度は、5〜20%、好ましくは6〜1
6%である。
【0010】ポリベンザゾール繊維はポリベンザゾール
ドープを紡糸口金から押し出して形成される。ポリベン
ザゾールドープとは、ポリベンザゾールの酸溶媒溶液で
ある。PBO、PBTまたはPBOとPBTのランダ
ム、シーケンシャル若しくはブロックコポリマーは、例
えば、Wolfe らの米国特許第 4,703,103号(1987,10,2
7)、米国特許第 4,533,724号(1985,8,6)、米国特許第
4,533,693号(1985,8,6)、Evers の米国特許第 4,359,56
7号(1982,11,16)、Tsaiらの米国特許第4,578,432 号(19
86,3,25) 、11 Ency.Poly.Sci.& Eng. 「Polybenzothia
zoles and Polybenzoxiazoles」601(J.Wiley & Sons 19
88) または W.W.Adamsらの「The MaterialsScience an
d Engineering of Rigid-Rod Polymers 」(Materials R
esearch Society 1989) 等に記載されている。ポリベン
ザゾールは、剛直鎖、準剛直鎖または屈曲性であると考
えられる。
【0011】本発明において、好適なポリマーまたはコ
ポリマーとドープは公知の方法で合成され、例えば Wol
feらの米国特許第 4,533,693号明細書(1985,8,6)、Sybe
rtらの米国特許第4,772,678 号明細書(1988,9,22) 、Ha
rrisの米国特許第4,847,350号明細書(1989,7,11) また
はGregory らの米国特許第5,089,591 号明細書(1992,2,
18) に記載されている。要約すると、好適なモノマーは
非酸化性で脱水性の酸溶液中、非酸化性雰囲気で高速撹
拌及び高剪断条件のもと約120℃から190℃までの
段階的または一定昇温速度で温度を上げることで反応さ
せられる。
【0012】ドープは紡糸口金から押し出し、空間で引
き伸ばしてフィラメントに成形される。好適な製造法は
先に述べた参考文献や米国特許第 5,034,250号明細書に
記載されている。紡糸口金を出たドープは紡糸口金と洗
浄バス間の空間に入る。この空間は、一般にエアギャッ
プと呼ばれているが、空気である必要はない。この空間
は溶媒を除去したりドープと反応したりしない溶媒で満
たされている必要があり、例えば空気、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム、二酸化炭素等が挙げられる。
【0013】紡糸後のフィラメントは、過度の延伸を避
けるために洗浄され、溶媒の一部が除去される。そし
て、さらに洗浄され、適宜水酸化ナトリウムで中和さ
れ、殆どの溶媒は除去される。ここで言う洗浄とは、繊
維またはフィラメントを、ポリベンザゾールポリマーを
溶解している酸溶媒に対し相溶性であり、ポリベンザゾ
ールポリマーに対して溶媒とならない液体に接触させ、
ドープから酸溶媒を除去することである。好適な洗浄液
体としては、水や水と酸溶媒との混合物がある。フィラ
メントは、好ましくは残留濃度が8000ppm以下、
さらに好ましくは5000ppm以下に洗浄される。そ
の後、フィラメントは乾燥、熱処理、巻き取り等が必要
に応じて行われる。ここで言う乾燥とは、フィラメント
または繊維に含まれる水分量を減少させる工程のことで
ある。PBZ繊維はロープ、ケーブル、繊維強化複合材
料または耐切創衣料等に応用可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明組成物を得る方法として、
つまり前記耐光剤をポリベンザゾールに含有させる方法
としては特に限定されず、ポリベンザゾールの重合段
階、ドープの洗浄段階、乾燥工程前または後加工段階で
含有させることができる。ポリベンザゾールがポーラス
な構造をとっているドープの洗浄段階または乾燥工程前
での耐光剤の付与の方法としては、水または有機溶媒に
耐光剤を溶解し、ドープ、フィラメントまたはマルチフ
ィラメントを浸漬する方法が好ましい。剛直な構造とな
った後加工段階での付与の方法としては、水に不溶の耐
光剤を水と相溶する有機溶媒に溶解し、マルチフィラメ
ント、ステープル、ファブリック等を浸漬し、後に水洗
浄して溶媒だけを除き、表面及びダメージを受けて形成
したキンクバンド内部に耐光剤を析出させる方法、アル
カリで溶解する耐光剤をアルカリ水溶液に溶解し、マル
チフィラメント、ステープル、ファブリック等を浸漬
し、後に水若しくは弱酸(例えば酢酸)で洗浄し、キン
クバンド内部及び表面に耐光剤を析出させる方法が好ま
しい。
【0015】
【作用】本発明によれば、ダメージを受けたポリベンザ
ゾール繊維が太陽光に暴露された場合の引っ張り強力保
持率が、これらの化合物を付与しない繊維と比較して改
善される。引っ張り強力の低下は、ポリマーの光酸化劣
化が原因になっていると考えられる。繊維のダメージ
は、繊維内部への酸素の透過を容易にするため、光によ
る酸化劣化反応を可能ならしめる。本発明で繊維に付与
した化合物は、繊維内部への光の透過をブロックしたり
(例えば、紫外線吸収作用)、可逆的電子伝導体として
の酸素やベンザゾールイオンラジカルを安定な中性物質
に変える働きをしていると考えられるが、本発明はこの
考察に拘束されるものではない。
【0016】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はもとより下記の実施例によって制限を
受けるものではなく、前後記の主旨に適合し得る範囲で
適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、そ
れらはいずれも本発明の技術範囲に含まれる。なお実施
例における各特性値は以下の方法によって測定した。
【0017】光暴露試験:水冷キセノンアーク式ウエザ
オメーター(アトラス社製,型式Ci35A )を使用し、金
属フレームに繊維を巻き付けて装置にセットし、内側フ
ィルターガラスに石英、外側フィルターガラスにボロシ
リケート、タイプSを使用し、放射照度:0.35W/
m2(at 340nm)、ブラックパネル温度:83℃±3℃、
試験槽内湿度:50%±5%で24時間連続照射を行っ
た。
【0018】引っ張り強度保持率:PBOマルチフィラ
メント1mに対して140回加撚処理(撚り係数6.
0)し、調湿した後JIS−L1013に準じてテンシ
ロン試験機(A&D社製,型式RTM250)で測定し
た。100kgのロードセルを使用し、つかみ間隔20
cm、引っ張り速度はつかみ間隔の20cm/分で、少
なくとも10回繰り返し測定して平均値を求めた。そし
て、耐光剤処理をせず、光暴露処理をしていないブラン
クの紡績糸の引っ張り強度に対する引っ張り強度保持率
で評価した。
【0019】MBI量:耐光剤処理したPBOマルチフ
ィラメントを酸素フラスコ燃焼−イオンクロマトグラフ
ィー法でイオウを測定することにより、フィラメント内
部及び外部に存在するトータルのMBI量をもとめた。
【0020】実施例1、2 2−メルカプトベンズイミダゾール(以下MBIと記述
する)の量をかえてN,N−ジメチルホルムアミド(D
MF)30mlに溶解して処理溶液を作成し、ポリベン
ゾオキサゾール(以下PBOと記述する)の未乾燥マル
チフィラメント(165d、40yard、約0.67
g)を7時間、前記処理溶液に室温で浸漬した。ペーパ
ータオルで余分な処理溶液を拭き取り、5分以上流水洗
浄した。ペーパータオルで余分な水を拭き取り、90℃
で24時間真空乾燥した。得られたPBOマルチフィラ
メントの24時間光暴露後の引張強度保持率およびMB
I量を表1に示す。
【0021】実施例3、4 MBIの量をかえて7w/v%の水酸化ナトリウム溶液
30mlに溶解して処理溶液を作成し、実施例1で用い
たものと同じ未乾燥PBOマルチフィラメントを7時
間、前記処理溶液中に室温で浸漬した。ペーパータオル
で余分な処理溶液を拭き取り、5分以上流水洗浄した。
ペーパータオルで余分な水を拭き取り、90℃で24時
間真空乾燥した後、実施例1と同様に評価した。その結
果を表1に示す。
【0022】実施例5 MBI0.25gを7w/v%の水酸化ナトリウム溶液
30mlに溶解して処理溶液を作成し、実施例1と同じ
未乾燥PBOマルチフィラメントを7時間、前記処理溶
液に室温で浸漬した。ペーパータオルで余分な処理溶液
を拭き取り、酢酸に5分以上浸漬した後、5分以上流水
洗浄した。ペーパータオルで余分な水を拭き取り、90
℃で24時間真空乾燥した後、実施例1と同様に評価し
た。その結果を表1に示す。
【0023】比較例1 実施例1で用いたものと同じ未乾燥PBOマルチフィラ
メントをDMF中で7時間、室温で浸漬した。ペーパー
タオルで余分な処理溶液を拭き取り、5分以上流水洗浄
した。ペーパータオルで余分な水を拭き取り、90℃で
24時間真空乾燥した後、実施例1と同様に評価した。
その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】 表1より明らかなように、耐光剤であるMBIが付与さ
れたPBO繊維の引張強度保持率は24〜77%を示し
ているが、全く耐光剤のないDMFのみで処理したPB
O繊維は19%と低い値であることが判る。
【0025】実施例6〜8 MBI5gをDMF20mlに溶解して処理溶液とし、
PBO紡績糸(264d、20yard、約0.5g)
を時間をかえて、前記処理溶液に室温で浸漬した。ペー
パータオルで余分な処理溶液を拭き取り、5分以上流水
洗浄した後、ペーパータオルで余分な水を拭き取り、9
0℃で24時間真空乾燥した。得られたPBO紡績糸の
MBI量および引っ張り強度保持率を下記測定方法によ
って測定した。その結果を表2に示す。
【0026】引っ張り強度保持率:調湿した後JIS−
L1095に準じてテンシロン試験機(A&D社製,型
式RTM250)で測定した。5kgのロードセルを使
用し、つかみ間隔20cm、引っ張り速度はつかみ間隔
の20cm/分で、少なくとも20回繰り返し測定して
平均値を求めた。そして、耐光剤処理をせず、光暴露処
理をしていないブランクの紡績糸の引っ張り強度に対す
る引っ張り強度保持率で評価した。
【0027】実施例9、10 MBIの量をかえてDMF20mlに溶解して処理溶液
とし、実施例6で用いたPBO紡績糸を48時間、前記
処理溶液に室温で浸漬した。ペーパータオルで余分な処
理溶液を拭き取り、5分以上流水洗浄した。ペーパータ
オルで余分な水を拭き取り、90℃で24時間真空乾燥
した後、実施例6と同様に評価した。その結果を表2に
示す。
【0028】比較例2 実施例6における未処理のPBO紡績糸を実施例6と同
様に評価した。その結果を表2に示す。
【0029】比較例3 実施例6における未処理のPBO紡績糸を48時間、D
MF中室温で浸漬した。ペーパータオルで余分な処理溶
液を拭き取り、5分以上流水洗浄した。ペーパータオル
で余分な水を拭き取り、90℃で24時間真空乾燥した
後、実施例6と同様に評価した。その結果を表2に示
す。
【0030】実施例11、12 MBI5gをDMF20mlに溶解して処理溶液とし、
実施例6における未処理のPBO紡績糸を48時間、前
記処理溶液に室温で浸漬した。ペーパータオルで余分な
処理溶液を拭き取り、5分以上流水洗浄した。ペーパー
タオルで余分な水を拭き取った後、再度DMF溶液で時
間をかえて超音波洗浄した。ペーパータオルで余分な処
理溶液を拭き取り、5分以上流水洗浄した。ペーパータ
オルで余分な水を拭き取り、90℃で24時間真空乾燥
した後、実施例6と同様に評価した。その結果を表2に
示す。
【0031】実施例13 MBI5gをDMF20mlに溶解して処理溶液とし、
実施例6における未処理のPBO紡績糸を処理溶液中
に、1時間、100℃で浸漬した。ペーパータオルで余
分な処理溶液を拭き取り、5分以上流水洗浄した。ペー
パータオルで余分な水を拭き取り、90℃で24時間真
空乾燥した後、実施例6と同様に評価した。その結果を
表2に示す。
【0032】
【表2】 表2より明らかなように耐光剤であるMBIが付与され
たPBO紡績糸の引張強度保持率は31〜43%を示し
ているが、全く耐光剤のないDMFのみで処理したPB
O紡績糸は20%と低い値であることが判る。また超音
波洗浄を利用すると(実施例11、12)、10秒での
MBI付与量は2.9%、60秒でのMBI付与量は
2.7%であり、実施例10のMBI処理量が同じもの
と比較して、MBI付与量は少なくなっているが、強力
保持率は維持していることが判る。
【0033】実施例14 2−アミノベンゾチアゾール5gをDMF20mlに溶
解して処理溶液とし、実施例6における未処理のPBO
紡績糸を前記処理溶液中に、1時間、100℃で浸漬し
た。ペーパータオルで余分な処理溶液を拭き取り、15
分以上流水洗浄した。ペーパータオルで余分な水を拭き
取り、90℃で24時間真空乾燥した後、実施例6と同
様に評価した。その結果を表3に示す。
【0034】実施例15 2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール
0.5gをDMF20mlに溶解して処理溶液とし、実
施例6における未処理のPBO紡績糸を前記処理溶液中
に、1時間、100℃で浸漬した。ペーパータオルで余
分な処理溶液を拭き取り、15分以上流水洗浄した。ペ
ーパータオルで余分な水を拭き取り、90℃で24時間
真空乾燥した後、実施例6と同様に評価した。その結果
を表3に示す。
【0035】実施例16 2−(2−ベンゾトリアゾリル)−p−クレゾール5g
をDMF20mlに溶解して処理溶液とし、実施例6に
おける未処理のPBO紡績糸を前記処理溶液中に、1時
間、100℃で浸漬した。ペーパータオルで余分な処理
溶液を拭き取り、15分以上流水洗浄した。ペーパータ
オルで余分な水を拭き取り、90℃で24時間真空乾燥
した後、実施例6と同様に評価した。その結果を表3に
示す。
【0036】実施例17 2−メルカプトベンズチアゾール5gをDMF20ml
に溶解して処理溶液とし、実施例6における未処理のP
BO紡績糸を前記処理溶液中に、1時間、100℃で浸
漬した。ペーパータオルで余分な処理溶液を拭き取り、
90℃で24時間真空乾燥した後、実施例6と同様に評
価した。その結果を表3に示す。
【0037】実施例18 2−メルカプトベンズオキサゾール5gをDMF20m
lに溶解して処理溶液とし、実施例6における未処理の
PBO紡績糸を前記処理溶液中に、1時間、100℃で
浸漬した。ペーパータオルで余分な処理溶液を拭き取
り、90℃で24時間真空乾燥した後、実施例6と同様
に評価した。その結果を表3に示す。
【0038】比較例4 ベンゾオキサゾール5gをDMF20mlに溶解して処
理溶液とし、実施例6における未処理のPBO紡績糸を
前記処理溶液中に、1時間、100℃で浸漬した。ペー
パータオルで余分な処理溶液を拭き取り、90℃で24
時間真空乾燥した後、実施例6と同様に評価した。その
結果を表3に示す。
【0039】比較例5 チバガイギー社の酸化防止剤IRGANOX-565 :5gをDM
F20mlに溶解して処理溶液とし、実施例6における
未処理のPBO紡績糸を前記処理溶液中に、1時間、1
00℃で浸漬した。ペーパータオルで余分な処理溶液を
拭き取り、90℃で24時間真空乾燥した後、実施例6
と同様に評価した。その結果を表3に示す。
【0040】比較例6 チバガイギー社の酸化防止剤IRGANOX-1098:5gをDM
F20mlに溶解して処理溶液とし、実施例6における
未処理のPBO紡績糸を前記処理溶液中に、1時間、1
00℃で浸漬した。ペーパータオルで余分な処理溶液を
拭き取り、90℃で24時間真空乾燥した後、実施例6
と同様に評価した。その結果を表3に示す。
【0041】
【表3】 表3より明らかなように、本発明で特定する耐光剤が付
与されたPBO紡績糸の引張強度保持率は33〜42%
を示しているが、他の化合物をで処理したPBO紡績糸
は23〜25%と低い値であることが判る。
【0042】
【発明の効果】以上かかる構成よりなる組成物および繊
維は、前記表1〜3からも明らかなように、長時間、太
陽光に晒された後もその引っ張り強度の低下が少ないた
め、その利用分野を飛躍的に拡大することができ、産業
界に寄与すること大である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリベンザゾールに下記一般式(I)で示
    される化合物が含有されていることを特徴とするポリベ
    ンザゾール組成物。 【化1】 (式中Pは炭素数6〜16の芳香族炭化水素基、X、Y
    は同一若しくは異なっていても良く、イオウ、酸素、窒
    素又はイミノ基を表し、Zは炭素又は窒素、Wはメルカ
    プト基、アミノ基又はヒドロキシフェニル基を表わす)
  2. 【請求項2】前記一般式(I)で示される化合物がポリ
    ベンザゾールに対して0.01〜10重量%含有されて
    いる請求項1記載のポリベンザゾール組成物。
  3. 【請求項3】請求項1のポリベンザゾール組成物から得
    られるポリベンザゾール繊維。
JP13810296A 1996-05-31 1996-05-31 ポリベンザゾール組成物及び繊維 Pending JPH09316326A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1029957A1 (en) * 1999-02-15 2000-08-23 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Polybenzazole article and production method thereof
WO2006104803A3 (en) * 2005-03-25 2008-01-10 Fujifilm Electronic Materials Novel photosensitive resin compositions

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