JPH11228687A - ポリエーテル誘導体及びその製造方法 - Google Patents

ポリエーテル誘導体及びその製造方法

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JPH11228687A
JPH11228687A JP2852098A JP2852098A JPH11228687A JP H11228687 A JPH11228687 A JP H11228687A JP 2852098 A JP2852098 A JP 2852098A JP 2852098 A JP2852098 A JP 2852098A JP H11228687 A JPH11228687 A JP H11228687A
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JP
Japan
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polyether
group
aromatic ring
polyether derivative
residue
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JP2852098A
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Kiyoshi Takesute
清 武捨
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れ、分子中に反応性基を有せず、
用途や要求物性にあった任意の構造の、かつマトリクス
樹脂に添加した場合にも樹脂の性能を劣化させたり、他
の添加剤や改質剤の性能を阻害することがない新規なポ
リエーテル誘導体を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表されるポリエーテ
ル誘導体: Z-[(OA)n−OR1O-(AO)n -Y]m-(OA)n−OR1O-(AO)n−Z (1) (式中、R1 は炭素数6〜26の二価フェノール類の残
基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Y
は芳香環を有する又は有さない炭素数1〜15のジハロ
ゲン化物の残基を表し、Zは芳香環を有する炭素数6〜
15のモノハロゲン化物の残基又は芳香環を有さない炭
素数1〜15のモノハロゲン化物の残基を表し、1≦n
≦100、0<m≦20を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリエーテ
ル誘導体に関する。更に詳しくは、耐熱性に優れ、分子
中に反応性基を有しないポリエーテル誘導体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリエーテル誘導体は活性水素を有する
化合物にエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のア
ルキレンオキシドを付加重合させ、必要に応じて種々の
変成を加えて合成され、原料化合物の組合せや使用量等
により、低粘度から高粘度、油溶性から水溶性、低融点
から高融点等種々の特性を有するものが得られる。広範
な特性の誘導体が得られることから用途は医薬、化粧
品、発酵工業、潤滑油、樹脂、シリコーン樹脂分野等多
岐に亘っている。変成技術の検討も活発であり、それに
より用途拡大が試みられている。
【0003】例えば、ポリエーテル誘導体の中で比較的
分子量の大きいオリゴマーは樹脂や繊維の帯電防止剤、
表面親水化剤、吸水性付与剤、可塑剤、高分子固体電解
質、界面活性剤、潤滑油等の多方面の用途で実用化され
ているが、現在も改良検討が継続されており、更に新変
成法の開発により新たな市場ニーズへの対応も考えられ
る。
【0004】まず、帯電防止剤には界面活性剤型低分子
化合物と高分子型永久帯電防止剤がある。現在実用化さ
れている代表的な高分子型帯電防止剤としては、赤松清
監修“帯電防止材料の最新技術と応用”、シーエムシ
ー、p99(1996)に記載されているように、ポリ
エチレングリコールメタクリレート共重合体、ポリエー
テルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、ポリ
エチレンオキシドーエピクロルヒドリン共重合体等があ
るが、耐熱性、耐変色性、加工工程中での脱落等におい
て課題がある。又、熱可塑性樹脂として例えばポリエス
テル樹脂に溶融混練した場合は、化合物がエステル交換
反応を起こす官能基を有すると、樹脂が重合度の低下を
起こして物性が低下する。更に、ポリカーボネート樹脂
においては、例えば特開平9−25335にみられるよ
うに、本来有する樹脂の透明性を損なわないような帯電
防止剤の検討がなされているが、上述の帯電防止剤では
屈折率が低い等のため改善が求められている。このよう
に、帯電防止性だけではなく種々の機能が要求され、用
途に応じたきめ細かな材料対応や技術革新が求められて
いる。
【0005】一方、インキ、トナー、塗料、樹脂、ゴ
ム、繊維、紙、写真、フィルム等の諸分野において、強
度、剛性、接着性、耐熱性、耐候性、色調、深色性、艶
消しや白色化(隠蔽性)、触感特性、滑り性、耐磨耗
性、粘度などの諸特性の改良、増量剤としての添加によ
るコストダウン、導電性等の新機能の付与を目的とし
て、シリカ、炭酸カルシウム、二酸化チタン、タルク、
フェライト、金属粉、金属繊維、ガラス繊維等の無機微
粒子や有機顔料等が使用されている。しかし、無機微粒
子の表面は一般に水酸基のような極性基や吸着水で覆わ
れているため親油性に乏しく、そのままでは樹脂やゴム
等の有機媒体中に均一に分散させることは困難であり、
顔料においても非水系のビヒクル中で凝集して色むらや
光沢を失うなど目的が十分果たせない。
【0006】そこで、無機微粒子や顔料の表面性を変化
させて分散性を向上させるため、種々のカップリング剤
で処理したり、各種界面活性剤や樹脂で被覆する方法が
行われている。例えば、特公平7−98657には特殊
なシリル化剤が、特公平8−13938にはアミノ酸−
長鎖アミドからなる表面改質剤がそれぞれ記載されてい
る。これら従来の表面改質剤や分散剤は分散性、耐熱
性、経済性、マトリックス樹脂との相溶性等において課
題を残しており、特にマトリックス樹脂との非反応性、
他の添加剤や改質剤の性能を阻害しない、微粒子が他の
添加剤や改質剤を吸着して失活させるのを防ぐ等の要求
を満足するものは殆どない。
【0007】又、一般にポリエ−テル誘導体は熱や酸化
による劣化を受け易いといわれ、樹脂、潤滑油原料とし
て優れた性能を発揮するにもかかわらず、熱分解性や熱
劣化性が問題となり改良が多々検討されている。分子中
に芳香環を導入したり、酸化防止剤等の安定剤を併用す
ることにより耐熱性向上が図られ、芳香環を導入する方
法としては、多価フェノール、芳香族アミン類等芳香環
を有する活性水素化合物にアルキレンオキシドを付加す
ることにより製造したもの(特開昭57−151613
等)、活性水素含有化合物にスチレンオキシド等の芳香
環含有アルキレンオキシドを付加することにより製造し
たもの(L.Shechterら、Ind.Eng.Chem.,48, 1107 (195
7)等) 等が知られているが、これらの耐熱性ポリエーテ
ル誘導体は、導入可能な芳香環含有量に限界がある、芳
香環が主鎖にない構造となり耐熱性向上効果が小さい、
あるいは分子中に反応性基を有するため樹脂の物性低下
や他の添加剤の性能阻害を起こす、等の問題を有してい
た。
【0008】上述の用途や課題に対して望ましいポリエ
−テル誘導体の分子構造は、親水性基と疎水性基からな
り、その量を用途や必要機能により制御できること、親
水性基は多様な用途に適用可能という見地からノニオン
性のポリアルキレンオキシド鎖が適当であり、分子量は
樹脂との相溶性や要求機能に合わせて数百から数万程度
の間で制御できることが必要である。又、疎水性基は耐
熱性や樹脂改質剤用途としては想定しているマトリック
ス樹脂である芳香族系樹脂との親和性等を考慮して芳香
環を有することが望ましい。更に、ポリエステル樹脂等
との溶融混練により樹脂物性を低下したり、種々の併用
薬剤の機能を阻害しないため反応性基を有しないことも
重要である。これらの項目を満足するようなポリエ−テ
ル誘導体は知られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ノニオン性のポリアルキレンオキシドからなる親水
性基と芳香環を有する疎水性基を併せ有し、分子中に反
応性基を有せずに、かつ、親水性基と疎水性基の量と分
子量を制御した型ポリエーテル誘導体を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、下記の一般式(1)で
表される構造を有してなるポリエーテル誘導体が多様な
機能を有することを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
【0011】
【化2】 Z-[(OA)n−OR1O-(AO)n -Y]m-(OA)n−OR1O-(AO)n−Z (1)
【0012】(式中、R1 は炭素数6〜26の二価フェ
ノール類の残基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン
基を表し、Yは芳香環を有する又は有さない炭素数1〜
15のジハロゲン化物の残基を表し、Zは芳香環を有す
る炭素数6〜15のモノハロゲン化物の残基又は芳香環
を有さない炭素数1〜15のモノハロゲン化物の残基を
表し、1≦n≦100、0<m≦20を表す)
【0013】また、本発明は、二価フェノール類にアル
キレンオキシドを付加重合して得たポリエーテルジオー
ルとジハロゲン化物とを反応させた後、更にモノハロゲ
ン化物を反応させることを特徴とする上記一般式(1)
のポリエーテル誘導体の製造法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のポリエーテル誘導体は、
二価フェノール類にアルキレンオキシドを付加重合した
ポリエーテルジオールに芳香環を有する又は有しないジ
ハロゲン化物を反応させて架橋した後、芳香環を有する
又は有しないモノハロゲン化物を反応させて得られる上
記一般式(1)で表されるポリエーテルオリゴマーであ
り、ノニオン性のポリアルキレンオキシドからなる親水
性基と芳香環を有する疎水性基を併せ有し、その量と分
子量を制御した型ポリエーテル誘導体からなることを特
徴とする。
【0015】又、本発明は二価フェノール類にアルキレ
ンオキシドを付加重合したポリエーテルジオールとジハ
ロゲン化物とを反応させた後、更にモノハロゲン化物を
反応させて合成することを特徴とするポリエーテル誘導
体の製造方法であり、一般式(1)の化合物の最も好ま
しい例での製造方法である。
【0016】二価フェノールの残基R1としては、ハイ
ドロキノン、カテコール、レゾルシン、オルシン、ウル
シオール等の単環フェノール類、ビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニル−2、2’−ブタン、4,4’−
[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]
ビスフェノ−ル(商品名:BisP−M、三井石油化学
工業製)等のビスフェノール類、4,4’−ジヒドロキ
シビフェニル、4,4’−ビス(ヒドロキシベンジル)
ビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類、1,4−ジ
ヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類、
4,4’−ビ−1−ナフトール等のビナフトール類等の
残基が挙げられる。これらのうちで特に好ましいのはビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS
等のビスフェノール類の残基である。
【0017】アルキレン基Aは炭素数2〜4のアルキレ
ン基であるが、エチレン基を含んでいることが親水性を
付与する上で特に好ましい。プロピレン基やブチレン基
も疎水性付与、流動性や結晶性変化等の目的で適宜組み
入れることができるが、必ずしも含んでいる必要はな
い。ジハロゲン化物の残基Yは、特に限定されないが、
塩化メチレン等のメチレンジハライドの残基(メチレン
基)、エチレンジハライドの残基(エチレン基)、プロ
ピレンジハライドの残基(プロピレン基)、ビス(ハロ
メチル)ベンゼンの残基(キシリレン基)であることが
できる。モノハロゲン化物の残基Zは、特に限定されな
いが、塩化ベンジル等のベンジルハライドの残基等を挙
げることができる。本発明のポリエーテル誘導体は、上
述のジハロゲン化物及びモノハロゲン化物の種類を適宜
選ぶことによって、化合物中の芳香環の種類と含量を制
御することができる。
【0018】ここで、一般式(1)中のアルキレンオキ
シドの付加モル数の平均値nは、1≦n≦100である
が、その最適値は用途によって異なる。一般式(1)中
の架橋度の平均値mは本化合物の様々な用途を考慮する
と、0<m≦20であり、架橋がない場合(m=0)は
所望の物性が得られない。又、mが20よりも大きい
と、添加剤や改質剤としての性能が得られず、又、粘度
が高くなり、合成が困難になる。アルキレンオキシドの
種類については、エチレンオキシドは親水性基として含
んでいることが特に好ましい。プロピレンオキシドやブ
チレンオキシド等は疎水性付与、流動性や結晶性変化等
の目的で適宜組み入れることができるが、必ずしも含ん
でなる必要はない。ここで用いるアルキレンオキシドの
種類に対応して一般式(1)のAが決定される。フェノ
ール類に対するアルキレンオキシドの仕込量等によって
nを制御できる
【0019】アルキレンオキシドを付加させる際は、酸
触媒又はアルカリ触媒のような触媒の存在下、好ましく
は加圧下、高温(例えば80〜200℃、好ましくは1
00〜180℃)で既知の方法によってこれを行うこと
ができる。触媒は、酸触媒、例えば三フッ化ホウ素また
は塩化アルミニウムのようなルイス酸であることもでき
るが、更に好ましくは、アルカリ触媒、例えばアルカリ
金属またはアルカリ土類金属のアルコラート、水酸化
物、酸化物、炭酸塩、水素化物またはアミドである。特
に好ましい触媒はナトリウムまたはカリウムのアルコラ
ート(例えばメチラートまたはエチラート)及び水酸化
物である。触媒は通常、最終生成物に対して0.05〜
3重量%、好ましくは0.1〜1重量%の量で使用す
る。反応終了後、触媒は必要に応じて中和、濾過、吸着
剤処理等により除去する。
【0020】本発明のポリエーテル誘導体は基本的に水
酸基、アミノ基、エステル結合、ウレタン結合等の反応
性に富む官能基は有さない。そのため、樹脂物性を低下
させたり、併用薬剤の機能を阻害したり、着色すること
はない。又、耐熱性もポリエーテル誘導体としては良好
である。
【0021】得られたポリエーテルジオールから本発明
のポリエーテル誘導体を製造する方法としては、ポリエ
ーテルジオールとジハロゲン化物とを反応させてポリエ
ーテルジオールを架橋させた後、更に残存するポリエー
テルジオールに由来する水酸基をモノハロゲン化物でエ
ーテル化する方法を好ましく用いることができる。この
方法では、任意の量の芳香環を導入したポリエーテル誘
導体を合成することができる。即ち、ポリエーテルジオ
ールに対してジハロゲン化物の仕込み割合を変化させる
こと等により、ポリエーテルジオールの架橋度mを制御
することができる。更に、ジハロゲン化物として芳香環
を含むもの或いは含まないものを使用することによって
も芳香環の量を制御することができる。
【0022】この時、ジハロゲン化物の種類により、反
応速度が異なるため、架橋体の末端基と所望の架橋度m
を得るための仕込み割合は異なる。次式の反応式におい
て、
【0023】
【化3】
【0024】〔上記の反応式中、 HO-Q-OHはポリエーテ
ルジオールを表し、X-P-X はジハロゲン化物を表す〕 反応速度は、例えば、ジハロゲン化物としてメチレンジ
ハライドを用いた場合は反応(1)より反応(2)の方が速
く、ビス(ハロメチル)ベンゼンを用いた場合は反応
(1)と反応(2)の速度が近く、その結果、生成物は、メチ
レンジハライドを用いた場合はビス(ハロメチル)ベン
ゼンを用いた場合に比べて、(c)の生成割合が多くなる
ことが考えられる。本発明では、水酸基が多量に存在す
ることは好ましくなく、モノハロゲン化物を用いてエー
テル化する。(b)のハロゲンは生成物の用途や要求物
性によりナトリムメチラート等で処理して除去する。架
橋度mは、ポリエーテルジオールに対してジハロゲン化
物の仕込み割合を変化させることによる制御できるが、
その割合と架橋度の関係はジハロゲン化物の種類によっ
て異なる。例えば、メチレンジハライドを用いた場合
は、ジハロゲン化物の相対割合が大きくなると架橋度m
が増大するが、ビス(ハロメチル)ベンゼンを用いた場
合はある割合の時に架橋度mが極大を示す。
【0025】ポリエーテルジオールにジハロゲン化物又
はモノハロゲン化物を反応させてエーテル結合を形成す
る反応は、ポリエーテル類の末端水酸基をアルカリ金属
化合物で処理後、ジハロゲン化物又はモノハロゲン化物
と反応させることにより行う。なお、テトラブチルアン
モニウムハライド等の四級アンモニウム塩をアルカリ金
属の代わりに使用して、或いは、アルカリ金属と併用し
て合成することもできる。副生する食塩等は水を加えて
溶解、或いは分散させ、ポリアルキレンオキシド誘導体
とは2層分離する。少量残存する食塩等は濾過或いは吸
着剤処理等により濾過する。生成物をトルエン等の溶媒
で希釈して食塩等を濾別する方法も可能である。
【0026】アルカリ金属化合物としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等の苛性アルカリ、ナトリウム
メチラート、ナトリウムエチラート、t−ブトキシカリ
ウム等の低級アルコールの金属アルコラート、金属ナト
リウム、金属カリウム等のアルカリ金属等が上げられ、
通常、ポリエーテルの水酸基の一部又は全部をアルコラ
ートに変換して、ハロゲン化物との反応に供される。こ
れらのうち好ましいのは金属アルコラート及び苛性アル
カリであり、更に好ましいのは、ナトリウムメチラー
ト、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。なお、
アルカリ金属として金属アルコラート(ナトリウムメチ
ラート等)を用いると生成物中ににアルコキシ基(メト
キシ基等)を有するものが含まれることがあるが、実施
に支障はない。これは、前記反応式のHO−Q−0−P
−Xが金属アルコラートによりHO−Q−O−P−0C
3に変化したためであろう。
【0027】本発明の一般式(1)で表される化合物
は、二価フェノ−ル類にアルキレンオキシドを付加重合
したポリエ−テルジオ−ルとジハロゲン化物とを反応さ
せた後、更にモノハロゲン化物を反応させて合成するこ
とができる。二価フェノールとしては、ハイドロキノ
ン、カテコール、レゾルシン、オルシン、ウルシオール
等の単環フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、ビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニル−2、2’−ブタン、4,4’−[1,3−フ
ェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノ−
ル等のビスフェノール類、4,4’−ジヒドロキシビフ
ェニル、4,4’−ビス(ヒドロキシベンジル)ビフェ
ニル等のジヒドロキシビフェニル類、1,4−ジヒドロ
キシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類、4,
4’−ビ−1−ナフトール等のビナフトール類等が挙げ
られる。これらのうちで特に好ましいのはビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフ
ェノール類である。
【0028】ジハロゲン化物としては、塩化メチレン、
臭化メチレン等のメチレンジハライドやエチレンジハラ
イド等のアルキレンジハライド類、塩化ベンザル、ビス
(クロロメチル)ベンゼン等のハロゲン化芳香環含有炭
化水素類、ビス(クロロメチル)エーテル等のハロゲン
化エーテル類、ビス(クロロメチル)ケトン等のハロゲ
ン化ケトン類等が挙げられる。これらのうち特に好まし
いのは塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼンで
ある。モノハロゲン化物としては、塩化メチル、臭化メ
チル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、塩化ラ
ウリル、塩化シクロヘキシル等のアルキルハライド、塩
化アリル等のアルケニルハライド、塩化ベンジル、3−
フェニル−1−クロロプロパン等の芳香環含有モノハロ
ゲン化物等が挙げれる。これらのうち特に好ましいのは
塩化ベンジルである。
【0029】本発明において、必要により溶媒を使用す
ることができる。溶媒としては、エーテル類、脂肪族炭
化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類のような活性水
素を有しないものが適当であるが、ポリエーテルをアル
コラート化後、ハロゲン化物と反応させる際等はt−ブ
タノール等の第三アルコール類も使用可能である。一般
に、ポリエ−テル誘導体はアルカリ性で加熱し、特に空
気との接触があると着色する。これはポリエ−テル誘導
体中にアルデヒド等の酸化生成物が存在すると考えられ
ており、あらかじめナトリウムボロハイドライド処理な
どにより還元処理をし、反応中は空気との接触を避ける
ことにより改善できる。なお、疎水性基と親水性基のバ
ランスや表面エネルギーの大きさは、一般式(1)のR
1の芳香環の数、YやZの種類、アルキレンオキシドの
種類や付加モル数n、架橋度mによって制御することが
できる。
【0030】本発明のポリエーテル誘導体は広範な構造
設計が可能であることから用途は多岐に亘る。用途によ
り最適構造は異なる。本発明のポリエーテル誘導体の用
途はミクロ相分離構造、両親媒性、界面活性等の物性や
機能の複合化が要求される分野がまず挙げられ、樹脂等
の帯電防止剤・表面親水化剤・可塑剤・融液の粘度低下
剤・相溶化剤・接着剤、無機微粒子の分散剤・表面処理
剤、高分子固体電解質等がある。又、耐熱性、酸化安定
性に優れた潤滑油基油等が挙げられる。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限
定されるものではないことを理解されたい。なお、実施
例中の「部」は重量によるものである。実施例中、フェ
ノール類へのアルキレンオキシドの付加モル数は水酸基
価より求めた。ポリエーテルジオールとジハロゲン化物
との反応によるポリエーテルジオールの平均架橋度mは
GPC(東ソー製HPLC−802型GPC装置)によ
り求めた。又、 1H−NMR測定は日本電子製JNM−
LA400型FT−NMR装置により行った。
【0032】実施例1 ビスフェノールAにエチレンオキシドを平均17モルを
付加したポリエーテルジオール(以降ビスフェノールA
・17EO付加体と記す)(水酸基価120mgKOH
/g)100部にSWS(野村事務所、12%ナトリウ
ムボロハイドライドのアルカリ水溶液)を0.4部仕込
み80℃で1時間攪拌後、28%ナトリウムメチラート
45部を仕込み、減圧下85〜120℃にてメタノール
を除去した。窒素にて大気圧に戻し40℃に冷却後、t
−ブタノール20部を加えてから塩化メチレン12部を
徐々に滴下した。その後、昇温し70〜90℃で3時間
反応した。次いで、水を加えリン酸でpH6に中和後静
置して下層の水層及び食塩を除去した。減圧下で揮発分
を除去し、中間生成物(BPA/17EO/DCMと略
記)を得た。この中間生成物100部に28%ナトリウ
ムメチラート10部を仕込み、減圧下85〜120℃に
てメタノールを除去した。窒素にて大気圧に戻し40℃
に冷却してt−ブタノール20部を加えてから塩化ベン
ジル6.6部を滴下した。その後、昇温し70〜90℃
で2時間反応した。次いで、水を加えリン酸でpH6に
中和後静置し、下層の水層及び食塩を除去した。
【0033】減圧下で揮発分を除去してから、吸着剤キ
ョワード600S(協和化学工業製)を1部加えて10
0℃にて処理後、吸着剤を濾過して除去し、ポリエーテ
ル誘導体(BPA/17EO/DCM/BCと略記)を
得た。得られたポリエーテル誘導体について、ビスフェ
ノールA・17EO付加体の平均架橋度(一般式(1)
におけるm)は1.8であった。得られたポリエーテル
誘導体の構造と 1H−NMRシグナルの帰属 (δ値) を
以下に示す。
【0034】
【化4】
【0035】実施例2 ビスフェノールAにエチレンオキシド17モルを付加し
たポリエーテルジオール100部に対して塩化メチレン
17部を用いた以外は実施例1に準じて合成し、ポリエ
ーテル誘導体(BPA/17EO/DCM/BCと略
記)を得た。得られたポリエーテル誘導体について、ビ
スフェノールA・17EO付加体の平均架橋度(m)は
3.1であった。得られたポリエーテル誘導体の構造と
1H−NMRシグナルの帰属 (δ値) を以下に示す。
【0036】
【化5】
【0037】実施例3 ビスフェノールAにエチレンオキシド10モルを付加し
たポリエーテルジオール(以降ビスフェノールA・10
EO付加体と記す)(水酸基価170mgKOH/g)
100部にSWS(野村事務所、12%ナトリウムボロ
ハイドライドのアルカリ水溶液)を0.4部仕込み80
℃で1時間攪拌後、28%ナトリウムメチラート64部
を仕込み、減圧下85〜120℃にてメタノールを除去
した。窒素にて大気圧に戻し40℃に冷却後、t−ブタ
ノール20部を加えてから塩化メチレン18部を徐々に
滴下した。その後、昇温し70〜90℃で3時間反応し
た。次いで、実施例1と同様に食塩を除去し、中間生成
物(BPA/10EO/DCMと略記)を得た。この中
間生成物100部に28%ナトリウムメチラート15部
を仕込み、減圧下85〜120℃にてメタノールを除去
した。窒素にて大気圧に戻し40℃に冷却してt−ブタ
ノール20部を加えてから塩化ベンジル9.6部を滴下
した。その後、昇温し70〜90℃で3時間反応した。
次いで、実施例1と同様に食塩除去及び吸着剤処理を行
い、ポリエーテル誘導体(BPA/10EO/DCM/
BCと略記)を得た。得られたポリエーテ誘導体につい
て、ビスフェノールA・10EO付加体の平均架橋度
(m)は1.7であった。得られたポリエーテル誘導体
の構造と 1H−NMRシグナルの帰属 (δ値) を以下に
示す。
【0038】
【化6】
【0039】実施例4 塩化メチレンの代わりにα,α’−ジクロロキシレン2
2部を用いて実施例1に準じて合成し、ポリエーテル誘
導体(BPA/17EO/DCX/BCと略記)を得
た。得られたポリエーテル誘導体について、ビスフェノ
ールA・17EO付加体の平均架橋度(m)は3.2で
あった。得られたポリエーテル誘導体の構造と 1H−N
MRシグナルの帰属 (δ値) を以下に示す。
【0040】
【化7】
【0041】実施例5 塩化ベンジルの代わりに塩化メチル2.7部を用いた以
外は実施例1に準じて合成し、ポリエーテル誘導体(B
PA/17EO/DCM/Meと略記)を得た。得られ
たポリエーテルオリゴマーについて、ビスフェノールA
・17EO付加体の平均架橋度(m)は1.8であっ
た。得られたポリエーテル誘導体の構造と1H−NMR
シグナルの帰属 (δ値) を以下に示す。
【0042】
【化8】
【0043】比較例1 実施例1で合成したビスフェノールA・17EO付加体
(BPA/17EOと略記)。 比較例2 比較例1のビスフェノールA・17EO付加体(水酸基
価120mgKOH/g)100部にSWS(野村事務
所、12%ナトリウムボロハイドライドのアルカリ水溶
液)を0.4部仕込み80℃で1時間攪拌後、28%ナ
トリウムメチラート45部を仕込み、減圧下85〜12
0℃にてメタノールを除去した。窒素にて大気圧に戻し
40℃に冷却してから塩化メチル6.8部を徐々に注入
した。その後、昇温し70〜90℃で3時間反応した。
次いで、実施例1と同様に食塩を除去してから、実施例
1と同様に吸着剤処理を行い、ポリエーテル誘導体(B
PA/17EO/Meと略記)を得た。
【0044】比較例3 実施例1の、中間生成物(BPA/17EO/DCMと
略記)。 比較例4 塩化メチルの代わりに塩化ベンジル16部を用いた以外
は比較例2に準じて合成し、ポリエーテル誘導体(BP
A/17EO/BCと略記)を得た。
【0045】参考例 上記各実施例の本発明のポリエーテル誘導体及び各比較
例のポリエーテル誘導体について、その熱分解開始温
度、及び各ポリエーテル誘導体をポリエステル樹脂に溶
融練込み後のポリエステル樹脂の固有粘度を測定した。
測定結果を以下の表1にまとめて示す。なお、測定方法
及び条件は以下のとおりである。 [熱分解温度の測定]熱重量分析(TGA)測定装置を
用い、窒素または空気気流中にて、室温から600℃ま
で10℃/分で昇温し、重量減少が開始する変曲点温度
を求めた。
【0046】[ポリエーテル誘導体配合ポリエステル樹
脂の製造]150℃で15時間乾燥させたポリエステル
樹脂100部に実施例及び比較例の各ポリエーテル誘導
体をそれぞれ5部配合して混合した。得られた混合物
を、東洋精機製作所製ラボプラストミル(設定条件は、
試験回転数:15rpm、試験温度T1 :250℃、T
2 :260℃、T3 :270℃、T4 :280℃)に供
給し、ペレットを得た。 [固有粘度]各ポリエーテル誘導体を配合したポリエス
テル樹脂の固有粘度は、30℃にてフェノール/四塩化
エタン(重量比1:1)で粘度管により測定した。な
お、同様に測定したポリエーテル誘導体を配合しないポ
リエステル樹脂の固有粘度は0.62cm3/gであっ
た。
【0047】
【表1】
【0048】このように、本発明のポリエーテル誘導体
は、熱安定性に優れ、また、樹脂に配合した際、樹脂の
固有粘度を低下させることがない。
【0049】
【発明の効果】本発明により、芳香環とポリアルキレン
オキシド鎖から構成される新規なポリエーテル誘導体が
提供される。本発明のポリエーテル誘導体は分子設計の
自由度が大きく、疎水性基や親水性基のバランス、分子
量が任意に制御できるため、用途や要求物性にあった任
意の構造のポリエーテル誘導体を得ることが可能とな
る。更に、耐熱性が良好で反応性基を有しないため、マ
トリクス樹脂に添加した場合にも樹脂の性能を劣化させ
たり、他の添加剤や改質剤の性能を阻害する事がないと
いう特徴がある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるポリエーテ
    ル誘導体。 【化1】 Z-[(OA)n−OR1O-(AO)n -Y]m-(OA)n−OR1O-(AO)n−Z (1) (式中、R1 は炭素数6〜26の二価フェノール類の残
    基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Y
    は芳香環を有する又は有さない炭素数1〜15のジハロ
    ゲン化物の残基を表し、Zは芳香環を有する炭素数6〜
    15のモノハロゲン化物の残基又は芳香環を有さない炭
    素数1〜15のモノハロゲン化物の残基を表し、1≦n
    ≦100、0<m≦20を表す)
  2. 【請求項2】 R1がビスフェノールA、ビスフェノー
    ルF、ビスフェノールSの残基からなる群から選ばれる
    請求項1記載のポリエーテル誘導体。
  3. 【請求項3】 Zがベンジルハライド、メチルハライド
    の残基からなる群から選ばれる請求項1又は2に記載の
    ポリエーテル誘導体。
  4. 【請求項4】 Yがメチレン基、エチレン基、プロピレ
    ン基、キシリレン基からなる群から選ばれる請求項1〜
    3のいずれか1項に記載のポリエーテル誘導体。
  5. 【請求項5】 二価フェノール類にアルキレンオキシド
    を付加重合したポリエーテルジオールとジハロゲン化物
    とを反応させた後、更にモノハロゲン化物を反応させる
    一般式(1)で表されるポリエーテル誘導体の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022234438A1 (en) * 2021-05-04 2022-11-10 Shpp Global Technologies B.V. Capped bisphenol polyether oligomer and composition, method of manufacture, and articles made therefrom

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WO2022234438A1 (en) * 2021-05-04 2022-11-10 Shpp Global Technologies B.V. Capped bisphenol polyether oligomer and composition, method of manufacture, and articles made therefrom

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