JPH11227096A - ゴム被覆金属板 - Google Patents

ゴム被覆金属板

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JPH11227096A
JPH11227096A JP3074898A JP3074898A JPH11227096A JP H11227096 A JPH11227096 A JP H11227096A JP 3074898 A JP3074898 A JP 3074898A JP 3074898 A JP3074898 A JP 3074898A JP H11227096 A JPH11227096 A JP H11227096A
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JP
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rubber
sheet
propylene
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adhesive
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JP3074898A
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Koji Mori
浩治 森
Kenichi Okubo
謙一 大久保
Kenji Koshiishi
謙二 輿石
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加硫したゴムシートが強固に接着されたゴム
被覆金属板を得る。 【構成】 このゴム被覆金属板は、有機酸変性ポリプロ
ピレン樹脂系又は有機酸変性プロピレン共重合体系接着
剤層を介し、ポリプロピレン樹脂又はプロピレン共重合
体を5〜80重量%配合し加硫されたゴムシートが金属
板表面に貼り付けられている。ゴムシートとしては、エ
チレン−プロピレンゴム,エチレン−プロピレン−ジエ
ンゴム,天然ゴム,ブタジエンゴム,スチレン−ブタジ
エンゴム,ブチルゴム,ニトリルゴムから選ばれた1種
又は2種以上を主成分とするものが使用される。 【効果】 ゴムに配合したポリプロピレン樹脂又はプロ
ピレン共重合体を媒介としてゴムシートが金属板に強固
に接着され、OA機器,AV機器,自動車部品,一般機
械部品等に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通常の塗装・ラミネー
ト鋼板製造設備で製造可能であり、OA機器,AV機
器,自動車部品,一般機械部品等の用途で使用されるゴ
ム被覆金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】OA機器,AV機器,自動車部品,一般
機械部品等では、液体,塵芥,振動等から機器を保護す
るパッキン,制振材等としてゴム被覆金属板が使用され
ている。ゴム被覆金属板のゴム層には、実用上で必要強
度を得るためにゴム分子間を橋掛け重合して弾性を向上
させた加硫ゴムが使用されている。ゴムは一般的に金属
材料に対する接着性が劣るものであり、なかでもエチレ
ン−プロピレンゴム(EPM),エチレン−プロピレン
−ジエンゴム(EPDM)に代表される低不飽和度の非
極性ゴムは接着性に乏しい。更に加硫されたゴムでは接
着時にゴム分子の流動が抑制されるため、接着性が一層
低下する傾向を示す。
【0003】そこで、接着性に劣るゴムシートを鋼板等
の金属板に積層するために、未加硫ゴムシートを金属板
表面に重ね合わせて加硫接着する直接加硫接着法,鋼板
表面に接着剤層を塗布した後で未加硫ゴムシートを重ね
合わせて加硫接着する方法,接着剤層を介して鋼板表面
に未加硫ゴムシートを接着した後で加硫する方法等が採
用されている。得られたゴム被覆金属板は、鋼板の表面
処理,ゴム組成の調製等によって高い接着力を示す製品
となる。しかし、未加硫ゴムシートを金属板に貼り合わ
せる場合、何れの方法でも積層時又は積層後にゴムを加
硫する必要がある。一般的なゴムの加硫には、金属板に
重ね合わせた未加硫ゴムシートに20〜50kgf/c
2 の面圧を加えた状態で、150℃前後で20〜45
分間,180℃前後でも6〜8分間の加熱処理が要求さ
れる。加硫に必要な加熱処理のため、プレコート鋼板の
製造に使用されている連続塗装式・ラミネート鋼板製造
設備は、加硫されたゴム被覆鋼板の製造に工業的な観点
から適用できない。すなわち、通常の連続塗装式・ラミ
ネート鋼板製造設備では炉内温度を200℃程度まであ
げることができるが、この温度域においても2〜3分の
保持時間が加硫反応にかかるため、製造ラインの生産性
が著しく低下する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】加硫反応に必要な加熱
処理が生産性に及ぼす悪影響は、未加硫ゴムに替えて加
硫ゴムを使用できれば解消される。加硫ゴムを金属板に
接着する方法としては、たとえば特開昭58−1261
52号公報では発泡圧力を利用して金属板にゴムシート
を貼り付けることを紹介している。この方法では、金属
板表面に接着剤を塗布した後、更に発泡剤を含む粘性液
体のゴム糊を塗布・乾燥させ、圧力をほとんど加えるこ
となく加硫ゴムを金属板に接合する。次いで、加熱によ
りゴム糊中の発泡剤を発泡させ、発泡圧力によって加硫
ゴムを金属板に接着させている。しかし、金属板に積層
した加硫ゴムを加熱する工程が入る。他方、一般的な2
コート2ベーク方式の塗装・ラミネート鋼板製造設備で
は、第2加熱オーブンの後にラミネート設備があり、積
層後加熱を可能にするためには設備の大幅な変更が必要
になる。
【0005】また、特開昭58−126151号公報で
は、金属板表面に接着剤を塗布した後、更に粘性液体の
ゴム糊を塗布・乾燥させ、加硫ゴムに一定圧力を加えな
がら金属板に加熱接着する方法が紹介されている。しか
し、使用するゴム糊は、加硫されていないため凝集力が
低く、得られる接着強度が2〜4kN/mに過ぎない。
しかも、10秒前後の積層時間を必要とする。これに対
し、ロールラミネート方式の積層工程を採用している一
般的な2コート2ベーク方式の塗装・ラミネート鋼板製
造設備では、積層時間は1秒未満に設定されている。そ
のため、この方法を塗装・ラミネート鋼板製造設備で実
施しようとすると、積層工程がネックとなってラインの
生産性を大幅に低下させる。本発明は、このような問題
を解消すべく案出されたものであり、ゴムシートにポリ
プロピレン樹脂又はプロピレン共重合体を配合し、ポリ
プロピレン樹脂又はプロピレン共重合体に対して接着力
を発現する接着剤を使用することにより、金属板に対す
るゴムシートの積層時間を短縮し、2コート2ベーク方
式の塗装・ラミネート鋼板製造設備でも製造可能な接着
性に優れたゴム被覆金属板を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のゴム被覆金属板
は、その目的を達成するため、有機酸変性ポリプロピレ
ン樹脂系又は有機酸変性プロピレン共重合体系接着剤層
を介し、ポリプロピレン樹脂又はプロピレン共重合体を
5〜80重量%配合し加硫されたゴムシートが金属板表
面に貼り付けられていることを特徴とする。ゴムシート
としては、エチレン−プロピレンゴム,エチレン−プロ
ピレン−ジエンゴム,天然ゴム,ブタジエンゴム,スチ
レン−ブタジエンゴム,ブチルゴム,ニトリルゴムから
選ばれた1種又は2種以上を主成分とするものが使用さ
れる。
【0007】
【作用】加硫したゴムを金属板に接着することは、著し
く困難なことと考えられている。本発明者等は、この点
に関しゴムシートへの配合剤が接着性に及ぼす影響を種
々調査・研究した。先ず、最近の脱塩ビ化は樹脂被覆鋼
板でも例外ではなく、鋼板に積層させる塩化ビニルシー
トの代替材料としてポリオレフィン樹脂フィルムの開発
・検討が進められている。これに対し、ポリプロピレン
樹脂単独のようなポリオレフィン樹脂は、半硬質の塩化
ビニル樹脂の柔軟さや触感に比較して肌触りが硬く、成
形加工時にポリプロピレン樹脂の結晶化に伴う白化現象
が生じるため、塩化ビニル樹脂の代替材料として使用さ
れていない。ポリオレフィン樹脂にゴム成分を配合する
と、柔軟さや軟らかい触感が付与される。たとえば、5
〜10重量%の配合割合でゴム成分をポリオレフィン樹
脂に配合すると、塩ビ鋼板の代替材料として使用可能な
ポリオレフィン樹脂フィルムラミネート鋼板が得られ
る。
【0008】本発明者等は、ポリオレフィン樹脂に配合
されるゴム成分の作用に着目し、配合関係を逆転させた
もの(すなわち、ゴムにポリオレフィン樹脂を配合した
系)について各成分が接着性に及ぼす影響を調査した。
具体的には、エチレン−プロピレン−ジエンゴムにポリ
プロピレン樹脂を10重量%配合して厚み200μmの
ゴムシートを作製した。被覆原板としては、塗布型クロ
メート処理を施したSUS430ステンレス鋼板を用意
した。トルエンに分散させた無水マレイン酸変性ポリプ
ロピレン樹脂系接着剤を被覆原板の表面に塗布し、16
0℃で60秒乾燥させた後、直ちにゴムシートを積層し
たところ、ゴムシートが強固に接着された被覆鋼板が製
造された。得られた被覆鋼板を剥離試験に供したとこ
ろ、界面剥離がみられず、ゴムシートが材料破断した。
また、150℃で30分間加硫したゴムシートを用いて
同様に製造したゴム被覆鋼板でも、未加硫ゴムを用いた
場合と同様に鋼板にゴムシートが強固に接着されてお
り、180度剥離強度試験ではゴムシートが材料破断し
た。
【0009】これらの結果から、難接着材料とされてい
た加硫ゴムであっても、ポリオレフィン樹脂の配合によ
って接着性を発現することが判る。この場合の接着剤
は、ポリオレフィン樹脂に適した接着剤であり、ゴムシ
ートの材質や加硫の有無には影響されない。すなわち、
ゴムシートに配合したポリオレフィン樹脂を媒介とする
ことにより、通常の接着条件下でも加硫したゴムシート
が金属板に強固に接着される。したがって、積層或いは
接着工程に長時間をとれない2コート2ベーク方式の既
存連続式塗装・ラミネート鋼板製造設備の適用が可能に
なり、高い生産性でゴム被覆鋼板が製造される。
【0010】
【実施の形態】金属板に積層されるゴムシートとして
は、ポリプロピレン樹脂又はプロピレン共重合体に対し
て相溶性のあるエチレン−プロピレンゴム,エチレン−
プロピレン−ジエンゴム,天然ゴム,ブタジエンゴム,
スチレン−ブタジエンゴム,ブチルゴム,ニトリルゴム
等が使用される。これらのゴムに種々の添加剤を配合し
ても良い。添加剤には、加硫剤,加硫促進剤,加硫促進
助剤又は加硫遅延剤や、酸化防止剤,オゾン防止剤,ワ
ックス等の劣化防止剤、可塑剤,軟化剤,粘着付与剤等
の加工助剤、増量剤、着色剤等がある。ポリプロピレン
樹脂又はプロピレン共重合体を5〜80重量%の割合で
ゴムに配合する。ゴムに配合させる樹脂は、ゴムシート
と接着剤層との間で十分な界面接着力を得るため、ポリ
プロピレン樹脂又はプロピレン共重合体に特定される。
プロピレン共重合体としては、エチレン,ブテン等のオ
レフィンモノマーとの共重合体があり、30モル%以上
のプロピレンモノマー組成比が好ましい。
【0011】ポリプロピレン樹脂又はプロピレン共重合
体は、プロピレンモノマーがゴムと同じメチル基を分岐
鎖にもつことから、ゴムに対する分散性,換言すると相
溶性に優れているものと推察される。すなわち、良好な
相溶性のため、配合されたポリプロピレン樹脂又はプロ
ピレン共重合体が接着剤層との界面に均一に配向・分散
され、接着に大きく寄与しているものと推察される。同
じポリオレフィン樹脂に属するものであっても、ポリエ
チレン樹脂では、ゴムに対する分散性が劣り、ゴムシー
トと接着剤層との間で十分な界面接着力が得られない。
ゴムに対するポリプロピレン樹脂又はプロピレン共重合
体の配合量は、5〜80重量%の範囲で調整される。5
重量%未満の配合量では、接着剤層との界面に存在する
ポリプロピレン樹脂又はプロピレン共重合体が量的に不
足し、ゴム被覆金属板として十分な接着強度が得られな
い。逆に、80重量%を超える配合量では、十分な接着
強度が得られるものの、ゴム中樹脂濃度が高くなりすぎ
るためゴムとしての柔軟性に欠け、ゴム被覆金属板の要
求特性が満たされなくなる。
【0012】ゴムにポリプロピレン樹脂又はプロピレン
共重合体を配合したゴム組成物をシート状に加工し、加
硫する。ゴムシートの厚みは、通常の連続式塗装・ラミ
ネート鋼板製造設備での製造性を考慮すると50〜50
0μmの厚みが好ましい。混練方法,シート加工法に
は、一般的な練りロール機,バンバリミキサを用いた混
練,カレンダ,押出し等のシート加工が採用される。ま
た、ラテックスからの直接製造法でゴムシートを製造す
ることもできる。金属板に貼り合わされるゴムシートに
は、ゴム被覆鋼板としての要求強度を得るためにゴム分
子間を橋掛けして弾性を増したゴム層とするために、加
硫したゴムが使用される。ゴムの加硫には、高圧蒸気加
硫,熱空気加硫,連続ドラム加硫等の一般的な加硫方法
が採用される。また、シート加工時に併せて加硫するこ
とも可能である。
【0013】ゴムシートを金属板に接着する際に使用さ
れる接着剤は、ゴムシートに配合されているポリオレフ
ィン樹脂又はプロピレン共重合体に応じて、有機酸変性
ポリプロピレン樹脂系又は有機酸変性プロピレン共重合
体系接着剤に特定される。このような接着剤としては、
たとえばポリプロピレン樹脂又はプロピレン共重合体に
無水マレイン酸等のエチレン性不飽和基をもつ酸無水物
をグラフト重合したもの、プロピレンと(メタ)アクリ
ル酸との共重合体を始めとして少なくともプロピレンを
コモノマーとするオレフィンとエチレン性不飽和基との
共重合体等があり、これらが単独で又は混合体として使
用される。なお、接着剤としてのプロピレン共重合体に
おいても、30モル%以上のプロピレンモノマー比が好
ましい。接着剤は、たとえばトルエン,キシレン等の芳
香族炭化水素を主成分とする溶剤中に分散させ、一部を
膨潤させて溶解して塗料型接着剤に調製される。接着剤
には、ポリエステル樹脂,ポリウレタン樹脂,エポキシ
樹脂等の溶剤溶解性樹脂を配合しても良い。また、必要
に応じて着色顔料,防錆顔料,体質顔料等が接着剤に添
加される。
【0014】接着剤は、好ましくは2〜20μmの乾燥
塗膜厚みで金属板表面に施される。接着剤の塗布に際し
ては、接着剤がチクロトロピックな溶剤分散型であるこ
とから、3本ロールコータを用いたフルリバースコート
方式が好ましい。接着剤が塗布される金属板には、普通
鋼板、Znめっき鋼板,Zn−Alめっき鋼板,Alめ
っき鋼板等の各種めっき鋼板,ステンレス鋼板、アルミ
板等が使用される。接着剤に対する親和性を改善するた
め、必要に応じてリン酸塩処理,塗布型クロメート処理
等が施される。また、接着剤が塗布される金属板の表面
に、エポキシ樹脂系,ポリエステル系,高分子ポリエス
テル系等のプライマー層を設けても良い。プライマー層
は、好ましくは2〜10μmの厚みをもち、必要に応じ
て種々の顔料や添加剤が配合される。接着剤が塗布され
た金属板をオーブンで加熱するとき、接着剤に含まれて
いる溶剤が揮散し、接着剤が溶融状態になる。この上に
ゴムシートを重ね合わせて直ちに冷却すると、短時間で
ゴムシートが金属板に強固に接着され、ゴム被覆金属板
が製造される。
【0015】
【実施例】板厚0.5mm,片面当り目付け量45g/
2 の溶融Znめっき鋼板を被覆原板として使用し、接
着剤塗布に先立って塗布型クロメート処理を施した。本
発明例1〜4,比較例12,13では、更にバーコータ
を用いてポリエステル樹脂系プライマーを塗布し、乾燥
膜厚5μmのプライマー層を形成させた。前処理された
被覆原板に、乾燥膜厚が5μmとなるように接着剤をバ
ーコーターで塗布し、180℃×60秒で加熱乾燥し
た。使用した接着剤は、表1に示す組成をもち、固形分
率25%でトルエンに分散させることにより調製した。
接着剤を塗布・乾燥させた直後、その上に厚み200μ
mのゴムシートをラミネータで積層し、直ちに水冷して
ゴム被覆鋼板を製造した。ゴムシートとしては、表1に
示す組成をもつゴム100重量部に対して着色剤として
カーボンブラック50重量部を配合したゴムコンパウン
ドを用意し、プレス法で成形したシートをオーブン中1
60×30分で加硫したものを使用した。
【0016】表1の接着剤組成では、Etがエチレン
を、Prがプロピレンを、Buがブテンを、AMが無水
マレイン酸を、MAAがメタクリル酸をコモノマーとし
て含むことを示す。なお、−g−AMは無水マレイン酸
をグラフト重合していることを示し、Pr−Bu−g−
AMはプロピレン/ブテンのモル比が3/1,Et−P
r−MAAはエチレン/プロピレンのモル比が1/1で
ある。ゴム組成のうち、EPRは、エチレン−プロピレ
ンゴム100重量部に硫黄15重量部,酸化亜鉛5重量
部,テトラメチルチウラムジスルフィド2重量部,2−
メルカプトベンゾチアゾール1.5重量部を配合したも
のである。EPDMは、エチレン−プロピレン−ジエン
ゴム100重量部に硫黄1.5重量部,酸化亜鉛5重量
部,ステアリン酸1重量部,テトラメチルチウラムジス
ルフィド2重量部,ジチオカルバミン酸塩0.5重量部
を配合したものである。NRは、天然ゴム100重量部
に硫黄5重量部,酸化亜鉛50重量部,ステアリン酸1
重量部を配合したものである。BRは、ブタジエンゴム
80重量部に天然ゴム20重量部,硫黄1.5重量部,
酸化亜鉛5重量部,ステアリン酸1重量部を配合したも
のである。SBRは、スチレン−ブタジエンゴム100
重量部に硫黄1.5重量部,酸化亜鉛5重量部,ステア
リン酸1.5重量部,ジフェニルグアニジン1重量部,
ジベンゾチアジルジスルフィド1重量部を配合したもの
である。IIRは、ブチルゴム100重量部に硫黄1重
量部,酸化亜鉛5重量部,ステアリン酸0.5重量部を
配合したものである。NBRは、ニトリルゴム100重
量部に硫黄1.5重量部,酸化亜鉛5重量部,ステアリ
ン酸1重量部,フタル酸ジオクチル15重量部,ジベン
ゾチアジルスルフィド1.5重量部を配合したものであ
る。5030Nは三井石油化学工業株式会社製のミラス
トマー5030Nを、7030Nは同じくミラストマー
7030Nを示す。ゴムに配合される樹脂としては、P
Pがポリプロピレン,PEがポリエチレン,PE−PP
がエチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレ
ンのモル比:1/1)を示す。
【0017】
【0018】製造された各ゴム被覆鋼板から試験片を切
り出し、180度剥離試験によってゴム層の剥離強度を
調査した。180度剥離試験では、製造された各ゴム被
覆鋼板から試験片を切り出し、鋼板素地に達する深さで
長さ100mmの切込みを幅10mmのピッチで平行に
入れたものを用意した。そして、鋼板の切断端面部から
鋼板と接着剤層との間にカッターの刃を差し込み、ゴム
シートを鋼板から遊離させ、ゴムシートとゴム被覆鋼板
との間の角度が180度となるようにして剥離試験し
た。なお、剥離速度は50mm/分,試験温度は20℃
とした。表1の調査結果にみられるように、本発明に従
ってポリプロピレン樹脂又はプロピレン共重合体を配合
したゴムシートを接着したゴム被覆鋼板では、何れもゴ
ム層が材料破断し、強固な接着力でゴムシートが鋼板に
接着されていることが確認された。ゴム被覆鋼板に通常
要求される接着強度が180度曲げ試験において20N
/10mm以上又は材料破断とされていることから、本
発明例のゴム被覆鋼板は何れも十分に要求特性を満足す
るものといえる。これに対し、比較例のゴム被覆鋼板で
は、ゴム層の接着強度が不足し、僅かな力で鋼板からゴ
ム層が剥離した。なお、剥離強度の高い比較例13は、
シートが事実上硬質のポリプロピレンシートそのもので
あり、ゴム被覆鋼板に要求される柔軟性や感触に欠けて
いた。また、試験番号14はゴムシートのオレフィン樹
脂がポリエチレンであるため、試験番号15は接着剤が
無水マレイン酸グラフトポリエチレンであるため、何れ
も180度剥離強度が低い値を示している。
【0019】更に、使用した接着剤のうち、PP−g−
AM,Pr−Bu−g−AM及びEt−Pr−MAAを
鋼板表面に塗布した後、ゴムシートを積層することなく
冷却した。そして、接着剤層を熱分解GC−MS分析法
(パイロ法,386℃)で測定したところ、残存する溶
剤・トルエンが検出されなかった。接着剤層に溶剤が残
存していないことは、接着剤を高温で乾燥する連続式塗
装・ラミネート鋼板製造設備を用いることを想定した条
件でゴムシートを積層・接着した結果であり、バッチ式
の低温乾燥に基づく接着法では達成できないことであ
る。このように本発明に従って得られたゴム被覆鋼板
は、精密機器に悪影響を及ぼす溶剤が接着剤層に含まれ
ていないため、安全性,信頼性の高い部品としてOA機
器,AV機器等に使用されることが判る。
【0020】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のゴム被
覆金属板では、ゴムに配合したポリプロピレン樹脂又は
プロピレン共重合体を媒介としてゴムシートが金属板に
接着される機構を利用しているため、加硫したゴムシー
トであっても良好な接着力で金属板に貼り合わされ、剥
離強度に優れ、塩ビ鋼板に匹敵する柔軟性や感触をもつ
ゴム被覆金属板となる。しかも、一般的な連続式塗装・
ラミネート鋼板製造設備を用いて生産でき、接着剤層に
溶剤が含まれていない製品となるため、安全性,信頼性
の高い部品としてOA機器,AV機器等に使用される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機酸変性ポリプロピレン樹脂系又は有
    機酸変性プロピレン共重合体系接着剤層を介し、ポリプ
    ロピレン樹脂又はプロピレン共重合体を5〜80重量%
    配合し加硫されたゴムシートが金属板表面に貼り付けら
    れているゴム被覆金属板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のゴムシートがエチレン−
    プロピレンゴム,エチレン−プロピレン−ジエンゴム,
    天然ゴム,ブタジエンゴム,スチレン−ブタジエンゴ
    ム,ブチルゴム,ニトリルゴムから選ばれた1種又は2
    種以上を主成分としているゴム被覆金属板。
JP3074898A 1998-02-13 1998-02-13 ゴム被覆金属板 Withdrawn JPH11227096A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006056928A (ja) * 2004-08-17 2006-03-02 Yokohama Rubber Co Ltd:The 常温接着施工法に於ける真空圧着施工方法
JP2020117557A (ja) * 2019-01-18 2020-08-06 三井化学株式会社 制振材用共重合体組成物および当該共重合体組成物からなる制振材

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